研 究 紀 要 - kawagoe · 2014-10-28 ·...

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22 (通巻第28号)

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平 成 22 年 度

研 究 紀 要

(通巻第28号)

川 越 市 教 育 委 員 会

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あ い さ つ

川越市教育委員会教育長 新井 孝次

川越市教育委員会では、平成22年度川越市教育行政の重点に基づき、たくま

しく生きる児童生徒を育成するために、教育センターを中心に教職員の経験や職

能に応じた研修を実施し、教職員の資質の向上を図っております。

今、子どもたちを取り巻く社会の急激な変化に対応するため、活力に満ちた教

職員の育成を図り、様々な教育に関する課題を解決していくことが、大変重要で

あります。

本年度も、各研究委員会を設置し、市内各学校の先生方の協力を得て、調査・

研究を進めてまいりました。ここに、授業実践の成果や調査・研究の結果などを

まとめ「研究紀要第28号」として刊行することとなりました。

「情報教育推進委員会」では、情報機器の効果的な活用と教育の情報化を図る

ための具体的な取組について研究し、教職員の情報リテラシーの向上を目指しま

した 「学力調査研究委員会」では、川越市全体の学力の状況を分析・考察し、。

課題の見られる内容についての指導方法の工夫・改善の研究を進めてまいりまし

。「 」 、 、 、た 教育に関する3つの達成目標推進研究委員会 では 学力 規律ある態度

体力の3つの部会で、学校・家庭・地域との連携に関する具体的実践について研

究してまいりました 「小学校英語活動研究委員会」では、重点評価規準表の作。

成と来年度実施する児童生徒への意識調査の内容の検討を進めてまいりました。

これらの研究成果を各学校で積極的に活用され、次代を担う子どもたちの「生

きる力」の育成のために、日々の教育活動の充実・改善に役立てていただければ

幸いです。

結びに、川越市教育委員会の調査・研究に御協力くださいました先生方に感謝

申し上げ、あいさつとします。

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目 次

情報教育推進委員会1 研究の概要 ・・・・・・・・・・・ 1

2 各部会の取組

情報活用部会 ・・・・・・・・・・・ 1

情報収集部会 ・・・・・・・・・・・ 8

3 資料 ・・・・・・・・・・・ 9

学力調査研究委員会1 研究の概要 ・・・・・・・・・・・12

2 各教科の総括

( ) 国語科 ・・・・・・・・・・・131( ) 社会科 ・・・・・・・・・・・152( ) 算数・数学科 ・・・・・・・・・・・183( ) 理科 ・・・・・・・・・・・214( ) 英語科 ・・・・・・・・・・・245

教育に関する3つの達成目標推進研究委員会1 研究の概要 ・・・・・・・・・・・26

2 各部会の取組

( ) 読む・書く部会 ・・・・・・・・・・・271( ) 計算部会 ・・・・・・・・・・・302( ) 規律ある態度部会 ・・・・・・・・・・・323( ) 体力部会 ・・・・・・・・・・・364

小学校外国語活動研究委員会1 研究の概要 ・・・・・・・・・・・39

2 研究の取組

( ) 英語ノート1を活用した英語活動重点評価規準表 ・・・・・・・・・・・401( ) 英語ノート2を活用した英語活動重点評価規準表 ・・・・・・・・・・・422

委員名簿

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情報教育推進委員会1 研究の概要( ) 研究の目的1

川越市情報教育推進委員会では、「教育の情報化」をテーマとして、全市立小・中学校の情報教育の一層の推進を目指し、今日的課題解決に向けた実践研究を進める。

( ) 研究内容2① 情報活用部会では、教室での情報機器の有効活用をテーマに小学校5年生社会科の授業を実施し、各学校での情報活用能力の促進に生かせるようにする。特に実物投影機一体型プロジェクタの使用や携帯電子黒板の活用に直接役に立つ内容に取り組む。

② 情報収集部会では、校務用コンピュータを活用し、授業への活用や校務の効率化を促進するために、デジタルコンテンツや開発ソフトなどの作成・収集について検討し、教育センターホームページ上に公開できるようにする。

( ) 研究実績3

・第1回 7月10日(金) 教育センター委嘱書交付、川越市情報教育の現状と課題、今年度の方針、今後の予定

・第2回 8月2日(月)・8月30日(月) 教育センター<情報収集部会>情報収集の仕方 情報発信の方法 全体への周知等における話し合い

<情報活用部会>電子黒板の使い方 効果的な学習コンテンツのあり方 学年教科の決定

・第3回 10月26日(火)・12月14日(火) 教育センター<情報収集部会>情報収集した資料の取扱い方 著作権等における話し合い

<情報活用部会>指導案の検討 デジタルコンテンツの検討

・第4回 1月25日(火) 川越市立霞ヶ関小学校公開授業及び研究協議教科等名 社 会単元名 第5学年 「わたしたちの国土と環境」授業者 川越市立霞ヶ関小学校 寺内 和広教諭

・第5回 2月15日(火) 教育センター推進委員会のまとめと今後の方針

2 各部会の取組【情報活用部会】( ) 公開授業及び研究協議1

日 時 平成23年1月25日(火)場 所 川越市立霞ヶ関小学校教科等名 社 会単元名 第5学年 「わたしたちの国土と環境」授業者 川越市立霞ヶ関小学校 寺内 和広教諭

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(2) 指導案

第5学年4組 社会科学習指導案

~情報機器を効果的に活用した授業の工夫~

平成23年1月25日(火) 第5校時

1 単元名 わたしたちの国土と環境

2 小単元名 さまざまな自然とくらし

3 小単元について

(1) 児童観

本学級の児童は今までに我が国の農業・水産業・工業・情報産業について学習し、それらを支える 人々の工夫や努力、運輸や情報の意味と役割について学習してきた。4月当初は資料の読み取りが浅 く、事象から問題を発見できない児童が多くみられた。それでも、各自が問いを見つけ、学級での話 し合いを通して自分の意見をまとめるという活動をくり返してきた結果、社会事象に対する社会的見 方が少しずつ養われてきている。しかしまだ公正な目が確実に養えたとは言いがたく、自分の主観が 往々にして入ってきている。

【アンケート結果より】 問1 社会の時間は

好きですか

とても好き 10 問2 社会の授業は

楽しいですか

とても楽しい 9 好き 17 楽しい 22 嫌い 5 つまらない 1 とても嫌い 0 とてもつまらない 0

アンケートによると、本学級では8割の児童が社会の時間は好きと答え、ほぼ全員の児童が社会科 の授業を楽しいと感じている。好きと答えた理由として「世の中の出来事が分かる。大人の会話に参 加できる」という「わかる・できる型」や、「世界のことを知れる。いろんなことが調べられる」と いう「興味関心型」の児童が多く見られ、知的好奇心が広がっていることがうかがえる。一方、きら いと答えた理由としては、「都道府県が分からない。話が分からなくなる」など単純な知識を習得で きていないか、生活経験の不足などが考えられる。 楽しいと答えた理由としては「知らないことが分かる。疑問を解決できる。みんなで話し合いをし て自分の意見が認められる。自分の意見をまとめていける。気楽に発言できる。」など、自分自身が 達成感を味わい、自分が認められた時に楽しいと感じ、自己実現が図られている。一方、つまらない と答えた児童は「難しい言葉が出てくるとよく分からないし、1つの単元の終わりまでが長い」と答 えていた。 学習活動の種類から考察してみると、写真や映像を見て問いを個人が生み出し、それについて自由 に調べることが好きなようである。ただ自由に調べるだけではなく、予想を考え、その意見を基に学 級で話し合い、それを検証するべく資料を読み解くことや、ノートに書く活動を通して自分の考えを 整理することが好きな児童も半数近くに増えてきている。 従って、興味・関心を持つような資料での導入を行うことや、分かった・できたという実感を伴っ た理解をさせながら、自分の意見を話すこと書くことによって表現させる必要がある。それに加えて、 学級で認められることによって自己肯定感を高める指導が望まれているといえる。

(2) 教材観

本小単元は学習指導要領の内容(1)のイ「自然条件から見て特色ある地域の人々の生活」を扱う。 これは、我が国の国土の自然やそこに見られる生活の様子を取り上げ、自然環境としての国土の様子 や特色を広い視野から理解できるようにし、国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連を持ってい ることを考え、国土に対する愛情を持てるようにするものである。気候に合わせた住まい、学校生活 などの日常生活の様子、気候に合わせた野菜や果物、花卉、酪農、観光などの産業など、人々が国土 の自然環境に適応しながら生活や産業を営んでいることを手掛かりにして、自然環境に適応しながら 生活している人々の工夫を具体的に調べていく単元である。 本小単元では事例地を選択して学習していく。その選定に当たっては自分たちの住んでいる気候条 件を考慮し、温暖多雨な沖縄県と寒冷多雪な北海道を取り上げることとする。関東地方で暮らす児童 にとって沖縄県や北海道は地理的にも遠く、気象条件も大きく異なっているからである。また、南北 に細長い我が国においては地域的な多様性が非常に多く認められる。それゆえ関東で暮らす児童には、 東京を中心に一つの視点で日本を見るのではなく我が国の多様性にも着眼させる必要がある。前単元 のメディアの学習や国語での共通語の存在などから児童が感じる「東京が日本の中心である」という 考えに疑う余地はないが、「東京が日本の全てではない」ということを、この学習を通して理解して もらいたい。その一助として、特色のある沖縄県と北海道を取り上げることの意義は大きいと考える。

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本小単元は日本の国土について学習する。既習事項にあたる都道府県の位置と名前を、自信を持っ て答えられる児童は3割程度、反対にほとんど分からない児童も数名いる状態である。それでも6割 強の児童が都道府県の勉強が好きと答えている。理解との相関で見ると、都道府県の学習については 「できる児童は好き、できない児童はきらい」と感じていると考えられる。また、ほとんどの児童が 他の都道府県に行ってみたいと思っており、複数回答可で求めたところ北海道が20票、沖縄県が1 9票で抜けており、京都府・大阪府・青森県が5票ほどを得ていた。その中で、沖縄県に行ったこと がある児童は3名、北海道に行ったことのある児童は5名であった。このことからも児童が興味を持 っている沖縄県、北海道について取り上げることの妥当性があると考えられる。

(3) 指導観

児童が意欲的に調べるために、個人の問いを大切にした単元の構成を行いたい。そのために導入段 階では情報機器とたくさんの写真資料を活かして各人が問いを持てるように支援していく。問いを出 すことには慣れてきた児童であるが、問いの質に関しては個人差が大きい。友達の問いと分類・整理 しながら、各人の問いを明確にさせたい。 そのようにして見出された学習問題に対して、その土地の人々が自然環境に適応している様子を読 み解く視点の習得を図りたい。具体的にはその土地の自然条件に“対応している”という視点。そし てもう一つはその土地の自然条件を“適用(利用)している”という視点である。沖縄県にも北海道 にも、自然条件に対応する人々の工夫や努力、自然条件を適用した産業がある。本小単元では始めに 沖縄県を取り上げ、この2つの視点(目)を学級での話し合いを通して習得させる。そして第2次と して北海道ではその2つの目を活かした探究活動へと展開させ、児童の中の社会的な見方や考え方を 高めていきたい。 そのため調べる内容は自ずと限定されてくる。ただ闇雲に調べる活動になりがちな児童も、導入段 階から上記の2つの目を意識付けることによって、その土地でくらす人々の工夫や努力に焦点を絞っ て調べることができると考える。効果的に資料を探し、不足するものは担任が補って資料を提示して 各人の問いを解決できるような活動を展開していきたい。 以上のことから、自然条件に特色のある地域の人々のくらしについて具体的に調べることを通して、 自然条件に適応して生活や産業が工夫されているということを理解できるようにさせていきたい。

(4)社会科における情報機器の活用について

電子黒板の活用については、たくさんのマルチメディア資料を簡便に表示することができるという 利点と、2つ以上の資料を同時に見て比較検討することができないという欠点があるといえる。その ため本時では導入部分で、興味関心を高めるためにたくさんの写真をフラッシュ的に流す手法を取り 入れる。今後1つの資料の読み取りをじっくり行う場合には手元に資料を残して個人が考えられる様 な手法をとりたい。 また、授業の冒頭にフラッシュ教材を用いた活動を毎時間取り入れる。このフラッシュ教材は毎時 の活動の中で繰り返し、短い時間で、テンポ良く行う。それを授業の導入で活用することによって子 どもたちの興味関心を高め、さらに繰り返し行うことで確実に基礎基本の定着を図ることができる。 さらに、集中力と緊張感を高めることも期待できる。また、そのフラッシュ教材においては、授業内 容には直接関係がなくても、基礎基本の定着を図る「定番メニュー」として毎日の授業に位置づけた 活動を続けていきたい。

4 小単元の目標と評価規準 我が国の国土の自然などの様子に関心を持ち、地図や地球儀、資料などを活用して、自然条件から 見て特色ある地域の人々の生活について調べ理解する。また、国土の自然環境に適応しながら生活し ている人々の工夫を具体的に調べ、国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連を持っていることに ついて考えたことを、言語活動を通して表現することができる。

社会的事象への 関心・意欲・態度

社会的な 思考・判断・表現

観察・資料活用の 技能

社会的事象についての 知識・理解

自然条件から見て特色ある地域の人々のくらしについて関心を持ち、意欲的に調べようとする。

我が国の国土の自然の様子から学習問題を見出して追及し、人々が国土の自然環境に適応しながら生活や産業を営んでいることについて思考・判断したことを言語などで適切に表現している。

自然条件から見て特色ある地域の人々の生活について、地図帳の地図及び統計や文献資料などを用いて、調べることができる。

自然条件から見て特色ある地域の人々は、生活や産業を工夫しながら自然環境に適応していることを具体的に理解している。

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5 単元の指導計画

学 習 活 動 ・ 学 習 内 容

① 「沖縄旅行へ行こう!」の活動を通して自分の問いを見つけ、学習問題をつかむ。・沖縄県の位置と気候の概要、地図上の距離と縮尺、緯度・経度についての復習・那覇市の気温と降水量の読み取り・沖縄の気候条件から見たよさとたいへんさ・自らの問いを考え、学習問題をつかむこと(学習問題)

 沖縄県で生活している人々のくらしや産業には、気候に合わせたどのような工夫があるのだろう。

②③④ 個人の問いについて調べる。・気候の特色に合わせた工夫を調べること (石垣、しっくい、風通しのいい窓、コンクリートの家、給水タンクなど)・気候のよさを生かした工夫を調べること (米の二期作、南国フルーツ、サトウキビ、花卉、きれいな海、台湾との関係など)・学習問題に対する自分なりの結論を考えること⑤調べたことを基に学級で話し合い、学習問題に対する結論を出す。(結論)

 ・台風の強い風や水不足といった気候の特徴に合わせるために、昔も今も家作りで工夫をしている。 ・沖縄県で生活している人々は、1年中温暖な気候を産業や日常の生活に生かしている。

                     気候条件に適応して生活している。

⑥⑦⑧ 新たな事例地についても、習得した視点をいかして調べる。・北海道の位置と気候の概要・札幌市の気温と降水量の読み取り・北海道の気候条件から見たよさとたいへんさ・自らの問いを考え、学習問題をつかむこと(学習問題)

 北海道で生活している人々のくらしや産業には、気候に合わせたどのような工夫があるのだろう。

・気候の特色に合わせた工夫を調べること (気密性のいい家、灯油タンク、傾きの急な屋根、除雪・融雪の仕組みなど)・気候のよさを生かした工夫を調べること (農業の機械化、酪農、ウィンタースポーツ、雪祭り等イベント、雄大な自然など)・学習問題に対する自分なりの結論を考えること⑨ 2つ目の事例地に対するまとめと、気候に合わせた生活について学級で話し合い、一般化する。(結論)

 ・雪や寒さといった気候の特徴に合わせるために、家や街に工夫をしている。 ・北海道で生活している人々は、1年中寒冷な気候を産業や日常の生活に生かしている。

(まとめ)

 ・どの地域でも、その土地の気候条件に合わせるための工夫を家や街でしている。 ・どの地域でも、その土地の気候条件を産業や日常の生活に生かしている。

(児童の感想例)

 ・どんな所でも気候に合わせて生活しているなんてすごいな。 ・気候に合わせて生活するために昔の人はたくさんの工夫を考えていたんだな。 ・気候を生かすというのが、それぞれの地域の得意技みたいですごいな。 ・それぞれの地域に特色があるというのが、貿易のときのようだ。 ・埼玉にはどのような工夫があるのだろう。

つかむ

いかす

まとめる

まとめる・ひろげる

調べる

気候条件に対応して生活していること 気候条件を適用して生活していること

○内の数字は時間を表す

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6 本時の学習指導(1/9時) (1)本時の目標

◎沖縄県の映像資料から問いを見出し、学習問題を立てる。

(2)評価規準

○沖縄県の位置や気候などについて関心を持ち、問題意識を持って意欲的に調べようとしている。 (関心・意欲・態度)

○沖縄県の人々のくらしの工夫について見出した問いを基に、学習問題をとらえることができる。 (思考・判断・表現)

(3)本時の展開

学習活動 ・予想される反応

○指導上の留意点 ☆評価

教材・教具 資料

時間

1 フラッシュ教材で都道府県クイズをする

○全体で10問程度を手短に行う。 電子黒板 PC

2 ○場所の確認をする ・埼玉からはすごく遠いな ・日本の南西にあるな ○移動方法の確認をする ・船か飛行機で行けるね ・これだけ遠いなら飛行機だ ○服装の確認から沖縄の気候について調べる

・半袖でも大丈夫かなぁ ・1月でも 20℃近くあるし上着は要らないね

○映像資料を見ながら沖縄旅行を体験する。

○地図帳を使い位置を確認する。 ○飛行機で移動する際の距離を、航空路線図を用いて確認する。

○服装を考えるために雨温図など気温が分かるデータを調べる。

☆沖縄県の位置や気候などについて関心を持ち、問題意識を持って意欲的に調べようとしている。(関心・意欲・態度)

地図帳 航空路線図 沖縄の雨温図

10

○沖縄県(主に石垣島)の様子を、映像資料で見る

・大きな石垣がいっぱいあるな ・屋根瓦が固められているよ ・関東の家とは違って窓が大きいね ・多くの屋根に丸いものがあるよ ・暖かいから植物がよく育ちそう ・パイナップルやマンゴーが採れるんだね

・広いサトウキビ畑がだなぁ ・南の島の花だ ・海がきれいだなぁ、泳ぎに行きたいなぁ

・東京よりも台湾のほうが近いんだね

○対応と適用の見られるものを用いて、各自の問いを持たせるようにする。

<対応>石垣、しっくい、コンクリートの家、風通しのいい窓、給水タンク

<適用>米の二期作、南国フルーツ、サトウキビ、花卉、きれいな海、台湾との関係

街の様子、住宅、人物、交通、海、産業に関わるもの、位置情報の分かるもの等の映像資料

15

3 今日の旅行の中でギモンに思ったことを書き出す ・上記に関するギモンなど

○旅行を思い出しながら書き出す。希望に応じてもう一度写真を出すこともある。

「ギモン発見ノート」 (ワークシート)

4 各自のギモンを分類掲示する ○分類の枠ごとに、①「なぜ」②「どのように」③「いつ・どこで・誰が・何を」の3区分に分けて黒板に貼らせる。

5 学習問題をつくる 3

6 学習感想を書く ・沖縄はきれいだったな ・沖縄にはたくさんの秘密がありそうだ

・はやく調べてみたいなぁ

○今日の学習で分かったことと自分の考えをノートに書くようにする。

☆沖縄県の人々のくらしの工夫について見出した問いを基に、学習問題をとらえることができる。(思考・判断・表現)

ノート 3

沖縄旅行に行こう

沖縄県で生活している人々のくらしや産業には、気候に合わせたどのような工夫があるのだろう。

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( ) 研究協議のまとめ3○ 成果と課題ア 授業者反省から・プレゼンテーションソフトを主とした資料提示操作では、沖縄県地方石垣島のスライドを多く提示することで導入の有効な学習ができた。

・プロジェクタの操作では、スキャナー機能とその取り込んだ画像の投影で、地図帳内の図やグラフ、表などをその場で提示することができ児童の思考、行動に沿って進めることができた。また、実物の資料の提示をすることで児童の興味や気づきを引き出していた。

・暖かい気候の地の資料を多く準備した。授業者自身で作成した資料だったので、ポイントを押さえて提示することができた。

・フラッシュ教材-都道府県パズルを行った。児童には4回目となるがスムーズに作業を進めることができた。

イ 分科会より・コンピュータ室でのICT使用が主なので教室での使用は、新鮮であった。資料やデータの準備が大変なのではないかと思うが、電子ボードの活用を考えていきたい。

・情報メディアセンターなどを設置を考えていただき、利用できるようになればと考えている。

・視覚教材利用としての本日の授業は、ふさわしいと思う。ただ、機器の操作をどれくらい先生方ができるかが疑問が残る。展開で1泊2日の設定にして考える時間を入れるなどの方法やグループ活動などの授業形態に変える方法も考えられる。

・ICTサポーターを利用している小学校もあると聞いている。研修の講師がほしい。

・児童にメモやノートの活用を考えてみるのもよいかもしれない。

・インターネットからの資料提示は、ポイントからずれてしまうことがあるので、一斉に見せることが大切である。

・コンピュータ室では、個のリテラシーが必要となるが、本日のような一斉授業での授業展開は導入として効果的であった。

・映像だと授業が終わって資料が残らなかったので、工夫していく必要がある。

・児童の資料を読み取る能力が高かった。

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○ 指導講評・情報教育推進委員会の情報教育に重点をおいた授業であるが、社会科の授業なので、児童観、教材観、指導観という流れに沿い授業を考えている。特に児童の実態にしっかりと把握した指導観を持って授業を展開していた。また、教材選択の明確な裏付けを持って資料を提示していた。

・単元の指導計画では、つかむ・調べる・まとめるを沖縄県で展開し、生かすを北海道地方でおこない、まとめるひろげるで2つの地方をまとめている1単元2サイクルの様式をとっている。工夫された構成なので、各学校で参考にしていただきたい。

・授業展開では、ストーリー性や臨場感を持たせ、距離感や服装などの面から楽しくしようという工夫があった。

・教師の導きで児童の疑問や問題意識の持ち方が変わってくる。スライドのよいところは見せたい部分を拡大、トリミングできるので臨場感があり、とてもよかった。

・資料を多く出すと楽しい授業にはなるだろうが、社会科の授業にはならない。質の高い授業を行うため問題意識を持つことが大切である。

<授業後の主な感想から>

電子黒板を使った授業が非常に子

どもたちの興味・関心を抱かせるの

に有効な手段であることがわかった。

本校にも、実物投影機の機能がつ

いているプロジェクタがあるので、

職員に周知し、できれば自分が研究

授業でも使ってみたい。

単元の導入のために使った映像は、普通

のテレビで見るより映像も音も大きく、と

ても臨場感があって効果的であった。本日

学んだことを情報教育主任として校内に積

極的に広めていきたい。

子どもたちがポインタの操作に非

常に慣れていることが伝わってきた。

普段から情報機器の活用をしている

成果が現れている。

また、プロジェクタによって、流

れる映像(消えてしまう映像)と掲

示する写真(残る映像)の使い分け

もうまくいっていた。

授業導入時でのPCとプロジェクタを用

いたフラッシュ教材は、大変有効であった。

特に都道府県名に関するフラッシュ教材は、

子どもたちも飽きずに何度でも復習ができ

るうえ、知識の定着からもとても有効であ

った。

今後は、情報機器を活用したときにどの

ような学習効果が期待できるのかというこ

とを詳しく検討していきたい。

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【情報収集部会】

校務用コンピュータを活用し、授業への活用や校務の効率化を促進するために、

デジタルコンテンツや開発ソフトなどの作成・収集し、教育センターホームページ

に公開する。

( ) 目的1授業に使えるデジタルコンテンツの作成及び収集や校務の効率化を図るため

のデータなどの収集を行い、小中学校に役立つホームページ作りを行う。

( ) 内容2・授業に使えるデジタルコンテンツの作成及び収集

・校務の効率化を図るためのデータの収集

( ) 情報収集および周知3① 情報収集の仕方

・データの収集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・通年

・情報主任への連絡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 月 日10 15(情報化推進リーダー会議)などを活用して行う。

② 情報発信の方法

・センターのホームページへ掲載・・・・・・・・・・・・・・3月

( ) 収集するもの4① 種類・・ア授業に関するもの イ校務に関するもの ウ研修に関するもの

・留意事項を書式を用意し、記入して提出してもらう。

ア 基本的な事項の確認

(学年、教科、特徴、使い方)

イ 著作権フリーの扱い

ウ 内容の中に著作権が発生しないものとする。

エ 個人情報を載せない。

( ) 収集の仕方5① 提出してもらうもの

・提出データーについて(様式1)

・CD

② 収集期間 通年

③ 提出先 川越市立教育センター

( ) 収集後の扱い方6① 著作権の確認

② データ等への問い合わせについての確認

③ 質問等への対応の明記

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3 資料(資料1)

http://www.city.kawagoe.saitama.jp/www/contents/1171421679210/index.html学びのページ※「学びのページ」は、川越市の小中学生が、自ら学び、確かな学力を身に付けるために、川越市教育委員会が多くの先生方の協力いただいて作成しました。どうぞ、日々の授業改善や校務に役立たせてください。なお、データ等の不具合やご質問には、一切お答えできませんので、ご了承ください。

授業に関するデジタルコンテンツ<小6 算数> 円の面積1(パワーポイント)<小6 算数> 円の面積2(パワーポイント)<小全 算数> わり算プリント<小3 総合> 総合的な学習の時間導入説明(パワーポイント)

校務に関するもの<カリキュラム> 小学校情報モラル指導計画(一太郎type)

情報モラルの年間指導計画や系統について

<カリキュラム> 中学校情報モラル指導計画(一太郎type)情報モラルの年間指導計画や系統について

<名簿> 名簿活用データ1 氏名箋作りや集計データの分析等に役立ちます名簿活用データ2 〃

<年間行事計画> 年間計画( )excel。年間行事計画から週報や日報などにリンクできます。時数集計にも役立ちます

<月例報告> 月例報告1( )excel各学級の報告を入れると、毎月の学校の月例報告と学期ごとの報告用紙ができます。

月例報告2( )excel健康観察簿が自動計算にて作れます。<保健関係> 健康観察簿(excel)

<会 計> 会計報告用紙(excel)<休暇簿> 年次休暇における算術方法(excel)<時間割> 時間割掲示ソフト(excel)

研修・その他に関するもの<指導 情報モラル> 小6の情報モラル指導案

平成2 年度情報教育推進委員会主催授業案1<指導 情報モラル> 第3学年選択技術学習指導案(ワードtype)

●題材名・題材設定の理由 ●展開 ●ワークシート<指導 情報活用指導案> 小5の社会科指導案「わたしたちの国土と環境」

平成22年度情報教育推進委員会主催

<資料 保健歯科指導> 学校保健委員会資料(パワーポイント)保健歯科指導説明資料

<研修> 電子黒板の使い方<研修> プロジェクタの使い方1

プロジェクタの使い方2 。いろいろなプロジェクタに対応しています

プロジェクタの使い方3<保護者会> 授業を10倍楽しむ方法

委嘱学校研究に関するもの<体育科> 「個性を伸ばし、創造性を育む学習指導の充実」 川越第一小学校

~豊かな心とたくましい体を育む体育指導の工夫~●研究紀要 ●指導案

<国語科>「論理的に考え、表現できる児童の育成」 高階小学校~論理的に考え表現できる児童の育成~

●研究紀要 ●指導案<音楽科・図画工作科・体育科>

「主体的に『生きる力』を身に付ける児童の育成」 月越小学校~思考力を高めるためのコミュニケーション能力の育成をめざして~

●研究紀要 ●指導案

<健康教育>「自ら進んで主体的に健康つくり取り組む生徒の育成」 東中学校~基本的な生活習慣の定着をめざした歯・口の健康つくりに関する指導~

●研究紀要 ●指導案<国語科>「確かな言語能力を育む国語科指導」 川越西小学校

~読むことの学習を通して~●研究紀要 ●指導案

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(資料2)プロジェクターを使おう!(ワード)

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( ) ( ) ( ) ( )資料3 電子黒板でできること ワード 資料4 修学旅行説明会 パワーポイント

( ) ( )資料5 林間説明会 パワーーポイント

(資料6) 九九計算表(パワーポイント)(資料7) 授業を10倍楽しむ方法

(パワーポイント)

授業参観を10倍楽しむ方法

平成○○年○月○日

川越市立○○小学校 ○○ ○○

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学力調査研究委員会

1 研究の概要

(1) 目的

川越市立小中学校の児童生徒を対象に実施した教研式標準学力検査(NRT)、川越市

中学生学力調査、埼玉県学習状況調査等の結果を基に、川越市全体の学力の状況を分

析・考察し、各小中学校児童・生徒の学力向上を目指した指導法の工夫改善に資する。

(2) 研究内容

① 平成21年度川越市中学生学力調査、平成22年度標準学力検査(NRT)、埼玉

県学習状況調査、全国学力・学習状況調査(参考)の結果を分析する。標準学力検査

については経年変化を示す。

② 国語、社会、算数・数学、理科、英語の教科部会毎に、川越市の傾向や課題をつ

かみ、課題解決のための具体的な指導方法を示す。

③ 各学校が自校で研修できるように、それぞれの調査等を分析し、活用できるよう

な冊子及び電子データを作成し、平成22年度末までに各校に配布する。

(3) 研究実績

期 日 場 所 主 な 内 容

平成22年9月3日(金)

教育センター

・ 委嘱書交付

・ 趣旨説明

・ 本年度の推進計画

・ 各教科部会

平成22年11月26日(金) 教育センター ・ 結果の考察

・ 指導の手立ての検討

・ 原稿の作成分担

平成23年1月19日(水) 教育センター ・ 各部会の活動報告

・ 指導資料編の作成(原稿の検討・調整)

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国語科

1 国語科における本市の傾向

標準学力調査、埼玉県学習状況調査および全国学力・学習状況調査の結果から、ここ

数年は 川越市内の国語科は概ね良好な状況であると言える。

2 国語科における課題

小学校においては「修飾・被修飾の関係」や「接続語の種類と理解 「指示語(こそ」

あど言葉)の働き 「敬語 、中学校においては「漢字(読み書き)の定着と活用 「古」 」 」

典の内容理解(読み 」に課題があげられる。このことを踏まえ、小学校・中学校の課)

題改善の手立てを示した。

3 指導の手立て

(1) 小学校編

新学習指導要領「イ言葉の特徴やきまりに関する事項」を受けて教科書(光村図書)

では文の成分・敬語の主な指導は、以下の学年で扱われている。

2年生「主語・述語 、3年生「修飾・被修飾 、」 」

4年生「接続語 、5・6年生「敬語」」

これらの理解をさらに深め定着させるためには、児童にわかりやすい言葉で表現し

たり、配当時間以外に復習時間を確保したり、教室に掲示したりすることで児童に意

識化させることが大切である。

① 「文ちゃん」を使った文の成分の指導

、 、 。ア 主語を文ちゃんの頭 述語を文ちゃんの足と指導をし 文の構成を理解させる

( 学力分析と指導の手立てⅧ」 ワークシート参照)「

イ 毎回、授業の中で学習している文章の中から、どれか1文にしぼり、

「文ちゃん」に当てはめて主語・述語・修飾語を見つけさせる。

ウ 「文ちゃん」を教室に掲示する。

エ 問題に慣れる。

( ) 。→入間地区国語学力調査問題 文の成分は全学年18番 を参考にするとよい

② 敬語の指導

ア 敬語は言葉を知らない児童も多いので、一覧表をつくり、教室に掲示する。

イ 生活の中で、敬語を意図的に使う機会を設ける。

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③ 指示語・接続語の指導

ア 教室に掲示をし、常にふり返りが

できるようにする。

イ 復習する時間を確保する。

→朝自習やスキルアップの時間にワークシートで復習する。

ウ 授業の中で、本文中から接続語や指示語を見つけさせるなど、接続語や指示語

を意識させるようにする。

(2) 中学校編

① 1年生の指導 「漢字⑥ 漢字の成り立ちと意味」

自分の名前に使われている漢字の成り立ち/意味を調

べ、漢字に興味・関心をもたせる。

→一人6文字分漢和辞典を使って調べる。

※名前が6文字分ない場合は、好きな漢字を選び調べる。

② 2年生の指導 「枕草子」

暗唱の苦手な生徒でも無理なく取り組めるよう冒頭文を季節ごとに分けて取り

組ませ、歴史的仮名遣いを正確に読めるようにさせる。

※覚えたら友達の前で発表し、下欄□のにサインをもらう。

③ 3年生の指導 「漢字⑤ 反対の意味の熟語・似た意味の熟語」

反対の意味をもつ熟語、似た意味をもつ熟語を理解し、使いこなせるようにす

る。

※タイムを計測し行うのもよい。どちらの問いも12~17分ぐらいで終了する。

類義語の問いを解くときは国語辞典があるとよい。

④ 全学年共通指導 「これだけは覚えよう 漢字100題」

定期的に数を決めてテストをしていくことにより、定着させていく。

、 。※出題は縦列から始めて終了したら横列で行うなど 繰り返し行うと効果的である

接続語は中学年向けに

順接を「つながるくん 、」

逆接を「さかさちゃん」

というようにすることで接続語の意味の理解を

促すとともに楽しみながら学べるようにした。

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社会科1 社会科における本市の傾向

( ) 標準学力テストの偏差値では、社会科における数値を見ると、小学校では1偏差値が50を越えているが、中学校になると50を下回ってしまう。

(平成17年度から平成22年度の間で、小学校では、18学年中50を下

回ったのは、1学年のみ。中学校では、50を上回ったのは、15学年中1

学年のみ。ほぼ正反対になっている。)

( ) 小中トータルで見てみると、平成22年度偏差値が小学校4年生で51.22だったのが、5年生で52.6と上昇するものの6年生では、50.3、

さらに中学1年生では49.2、中学2年生では48.7と学年が進むにつ

れ偏差値も下降している傾向がある。

( ) 領域別(中領域)では、小学校では地理的分野で「工業地帯とその特色」3歴史的分野では「貴族の世の中」「武士の世の中」が平均を下回っている。

「明治から昭和時代の出来事と人物」においては、平均を6.6ポイントも

下回っている。

( ) 中学校においては、歴史的分野において、「古代国家の歩みと東アジアの4情勢」「武家政治の展開とアジアの情勢」では、平均を5ポイント以上も下

回っている。

( ) 中学校で行われる「川越市中学生学力調査」においては、基本的な事項・5事柄に関する知識・理解を問う問題に加え資料を多面的・多角的に読み取っ

て判断し、表現することなどを問う問題を出題している。その中で全体的に

は、知識・理解を問う問題は比較的正答率が高いが、社会的な思考・判断を

問う問題の正答率はほとんどの問題で低くなっている。

2 社会科における課題

( ) 標準学力検査の中領域で見てみると、小学校では、地理的分野の「工業地1帯とその特色」が、低い原因として、位置と特色がしっかり理解できていな

いことが考えられる。また、「明治時代から昭和時代の出来事と人物に関し

ては、出来事も多いが、登場してくる人物がいきなり増え、出来事と人物が

うまく結びつかないことが考えられる。

( ) 中学校では、歴史的分野において大きく平均を下回っている「古代国家の2歩みと東アジアの情勢」と「武家政治の展開とアジアの情勢」では、それぞ

れの時代の出来事や歴史的事象を断片的に理解はしているものの、それぞれ

の事象との繋がりや歴史的意義、その影響等を理解できていないために学力

として身についていないと思われる。

( ) 「川越市中学生学力調査」において、資料の読み取りに関しては、資料に3記載されていることだけでなく、そのことから何がわかるかということを普

段の授業で行っていくことによって、思考・判断を問う問題にも対応できる

ようにしていきたい。

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3 指導の手立て

今回は、標準学力検査で、小学校では「工業地帯とその特色」が、中学校で

は「川越市中学生学力調査」の「日本の工業地帯・工業地域」を問う問題で、

平均を大きく下回っているため、この分野において小学校と中学校との学習す

る内容や目標の違いなどを明確にし、それぞれどのように指導していくのかを

提示した。

( ) 小学校1指導要領の内容

<目標>我が国の工業生産は国民生活を支える重要な役割を果たしている

ことを考えることができるようにする。

<指導内容>

主な工業生産の種類 我が国全体の工業生産

の現状や特色を具体的

工業地帯や工業地域の分布 に捉えられる。

<実際の指導>

工業の種別や規模別の生産額、工場数

工業地帯や工業地域の分布、立地などを調べる。

小単元名「工業生産と工業地域」(東京書籍)

学習の流れ

①<工場のあつまる地域・・・・学習問題>

『日本の工業地帯や工業地域にはどのような特色があるでしょうか。』

中京工業地帯(製鉄所、石油化学工場、自動車積出港、広がり)

②<日本全体の工業広がり>

海沿いに広がる工業地域

日本の工業地帯・工業地域、工業生産額とその変化

③<北陸工業地域の生産の特徴>

昔からの技術を受け継いだ工業生産の様子

北陸工業地域の工場分布、めがね・製薬・菓子工場、建設用機械

④<京浜工業地帯・・・中小工場>

高い技術を誇る機械・金属工業

業種別・従業員別工場数のわりあい、大田区の工場数

⑤<工業製品の輸送方法>

全国へ運ばれる工業製品

京浜トラックターミナル・貨物列車、飛行機、貨物船による輸送

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( ) 中学校2地理的分野(第2学年)

地理的分野の日本の工業(工業地帯・工業地域)において、地図帳の効果的

な活用を通して基礎的・基本的な内容の定着を図るための学習指導法について

① 指導の手立て

地理学習において、地図帳の活用は生徒にとって地理的事象に対する関心

を高め多面的・多角的に考察させるための重要な要素のひとつである。そ

こで、諸調査の結果から生徒の理解度が他の項目より低い「日本の工業(今

回は中京工業地帯を事例にする)」を、地図帳の活用という視点から取り上

げ基礎的・基本的な内容の定着を図っていく。

⇒中京工業地帯の特色を、地図帳を活用しながら自動車産業の面から捉え

る。

② 指導の流れ

ア 中京工業地帯について【小学校で学習したこと】を発表する。

イ 地図帳P123「工業地域の分布」を活用

→ 中京工業地帯の【位置】と【大まかな特色】をつかむ。

ウ 地図帳P94「中京工業地帯・東海工業地域」を活用

→ 再度、中京工業地帯の【大まかな特色】をつかむ。

エ 地図帳P93「愛知県とそのまわり」を活用

→ 自動車に関連している【絵や用語】を見つける。

オ 地図帳P124「自動車工業」を活用

→ 中京工業地帯の特色を【自動車の視点】からつかむ。

カ 自動車産業の面から見た中京工業地帯の特色を【自分の言葉】で論述

する。

③ 指導上の留意点及び地図活用のポイント

ア 小学校での既習事項を確認しながら授業を展開する。

イ 中京工業地帯を自動車産業というひとつの視点から、特色をつかませ

る。

ウ 日本全図から特定の地域(今回は中京工業地帯)を見る場合は、広い

視野から地域を捉えるようにする。

エ 都道府県名や都市名を調べるときは、掛け図などを活用して場所を確

認する。

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算数・数学科

1 算 数 ・数 学 科 における本 市 の傾 向

標 準 学 力 検 査 の川 越 市 の結 果 から、算 数 において、小 3・内 容 においては、「図

形 」領 域 以 外 は、全 国 の正 答 率 を2ポイント以 上 上 回 っている。小 4・内 容 において

は、すべての領 域 で上 回 っており、特 に「数 と計 算 」領 域 では、7.2ポイントと大 きく

上 回 っている。小 5・内 容 、小 6・内 容 においても、全 領 域 で上 回 っており、おおむ

ね良 好 な状 況 であるといえる。中 1・内 容 においては、「図 形 」「関 数 」領 域 では、全

国 の正 答 率 を下 回 っているが、「数 と式 」では、5ポイント以 上 上 回 っている。

2 算 数 ・数 学 科 における課 題

(1) 小 問 別 において、小 3・内 容 では、「乗 法 」の、3位 数 ×2位 数 において、課 題 が

見 られ、桁 数 がふえると正 答 率 が下 がる傾 向 にある。「乗 法 についての性 質 」では、

特 に、分 配 法 則 について課 題 が見 られる。また、文 章 問 題 から式 に表 すことがで

きていないので、文 章 問 題 を読 み取 れない事 が考 えられる。「単 位 換 算 」では、1L

が1000mLという基 本 的 な学 習 内 容 の正 答 率 が全 国 を下 回 っていた。また、「直

角 三 角 形 」や「二 等 辺 三 角 形 」の理 解 が不 十 分 である。図 形 の向 きによらず、図

形 の性 質 が成 り立 てば、その形 になるという理 解 が必 要 であると考 えられる。「円 」

においては、6問 とも、全 国 の正 答 率 を下 回 っていた。移 行 措 置 の内 容 でもあり、

指 導 方 法 に見 直 しが必 要 であると考 えられる。

(2) 小 4・内 容 においては、「数 のしくみ」について課 題 が見 られる。「単 位 換 算 」では、

ha よりも、㎡からc㎡、k㎡から㎡への換 算 など、基 本 的 な学 習 内 容 に課 題 が見 ら

れる。「垂 直 」に関 しては、交 わり方 が多 様 になるので、「すべて選 ぶ」問 題 になると、

選 び足 りないところがある。

(3) 小 5・内 容 においては、「2÷3の商 を分 数 で表 す」という基 本 的 な問 題 で、全 国

の正 答 率 を10ポイント以 上 下 回 っていた。「図 形 の面 積 」においては、三 角 形 や

平 行 四 辺 形 よりも、ひし形 や台 形 に課 題 が見 られた。「円 」については、1回 転 した

距 離 に課 題 が見 られる。「百 分 率 」に関 する問 題 では、百 分 率 や基 準 量 を求 める

問 題 よりも、「~の~%」を求 めるような、生 活 の中 でも使 われるような問 題 に一 番

課 題 が見 られた。

(4) 小 6・内 容 においては、概 数 に関 する問 題 、最 小 公 倍 数 や最 大 公 約 数 につい

て全 国 の正 答 率 を下 回 っていた。メートル法 の学 習 は、移 行 措 置 の内 容 であり、

今 後 、指 導 方 法 に見 直 しが必 要 であると考 えられる。

(5) 中 1・内 容 においては、「基 本 的 な作 図 の手 順 」に課 題 が見 られた。また、「反 比

例 のグラフ」では、式 とグラフの関 係 の理 解 度 に課 題 が見 られた。

以 上 の課 題 から、算 数 では、どの学 年 においても、基 本 と思 われる内 容 で、できて

いないと思 われるものがあった。また、算 数 ・数 学 全 般 的 に、図 形 領 域 に課 題 が見

られる。新 学 習 指 導 要 領 では、図 形 で、学 年 が下 がったものが多 く、今 後 、指 導 内

容 を見 直 し、工 夫 ・改 善 を図 っていく必 要 がある。

算 数 においては、「ひし形 ・台 形 の面 積 」において、それぞれ37%、48%という半

分 にも満 たない結 果 になっていたため、台 形 の指 導 の手 立 て・指 導 資 料 を示 した。

数 学 においては、「比 例 ・反 比 例 」「図 形 」について指 導 の手 立 て・指 導 資 料 を示 し

た。

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3 指 導 の手 立 て

(1) 小 学 校

台 形 の面 積 の求 め方 を考 えるには、どのような指 導 をしたらよいか。

台 形 の面 積 の求 め方 を、新 たな図 形 の求 め方 と捉 えずに、今 まで学 習 してきた考

え方 や経 験 を基 に求 め方 を考 えたり、公 式 を作 る過 程 を考 えたりすることが大 切 であ

る。これまでに学 習 してきた面 積 の求 め方 として、平 行 四 辺 形 や三 角 形 の面 積 の求

め方 がある。求 積 可 能 な図 形 にして求 めることは可 能 だが、三 角 形 に分 割 することに

よって、底 辺 と高 さを自 分 で見 つける力 をつけていけば、一 般 の四 角 形 や五 角 形 な

どの図 形 の求 積 にも活 用 していける。

ア 今 までに学 習 してきた形 にして台 形 の面 積 を求 める。

(ワークシート1)

三 角 形 二 つにわける 二 つ合 わせて平 行 四 辺 形 にする 長 方 形 にして三 角 形 をひく 長 方 形 と三 角 形 にわける

イ 三 角 形 二 つにわけて、底 辺 と高 さを見 つける力 をつける活 動 。(ワークシート2)

ウ 台 形 の性 質 を使 って求 めた式 から、公 式 へとつなげる(ワークシート3)

台 形 の性 質 を使 って三 角 形 にして求 めた式 から、自 ら公 式 を作 り上 げることで、単

なる公 式 の暗 記 にならないようにする。

Aの三 角 形 …2×3÷2=3 ―①

Bの三 角 形 …4×3÷2=6 ―②

↓①と②を足 すのだから、

(2+4)×3÷2=9

(上 底 +下 底 )×高 さ÷2

例題:台形の性質を使って、台形の面積を

求めましょう。

三角形にわけると、それぞれの三角形の 高さは、どこになりますか?

A B

① と ② の 式 で 、 同

じ と こ ろ を 見 つ け

よう。

今までならった形にすれば求めることができそうですね。

向 か い 合 っ た 辺 は 平 行 と い う 台 形 の

性質を使うと、高さが同じになる。

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(2)中 学 校

比 例 ・反 比 例 について比 較 し式 、対 応 表 、グラフを関 連 付 けて整 理 する指 導 の工 夫

中 学 校 第 1学 年 「比 例 と反 比 例 」

中 学 校 1 学 年 では、具 体 的 な事 象 の中 にある二 つの数 量 の変 化 や対 応 を調 べ

ることを通 して、比 例 ・反 比 例 の関 係 を見 出 し、表 現 し、考 察 する能 力 を伸 ばす。

特 にグラフについては、二 つの数 の組 を用 いて平 面 上 の位 置 を表 すという座 標 に

ついて学 習 することから始 まる。また、変 域 が負 の数 にまで拡 張 され、変 数 を明 確 に

意 識 し、式 については、文 字 を含 んだものになる。式 、対 応 表 、グラフというそれぞ

れの表 現 が、バラバラなものでなく、これらの表 現 が一 体 となって理 解 されるよう学 習

を進 めることが大 切 である。

本 時 は、一 通 り比 例 ・反 比 例 について学 習 した後 に、比 例 ・反 比 例 の式 、対 応

表 、グラフについてその特 徴 を把 握 しながら、自 分 でまとめる学 習 である。本 時 の課

題 を通 じ、比 例 と反 比 例 の違 い、比 例 定 数 が正 の数 の場 合 と負 の数 の場 合 との違

いなどを頭 の中 で整 理 することで、式 、対 応 表 、グラフの関 連 性 を再 確 認 することが

できると考 えた。

課 題 比 例 ・反 比 例 についてまとめよう。

ア 課 題 を把 握 する。

・レポートを配 布 し、教 科 書 、ノート、ワークなど授 業 で学 習 したことを確 認 しながら

自 分 のことばでまとめるよう指 示 をする。

イ 比 例 ・反 比 例 の式 についてまとめる。

・比 例 定 数 a を用 いた一 般 的 な形 、例 として具 体 的 な数 字 を入 れた場 合 を挙 げさ

せる。

・比 例 の式 において3c

=y は比 例 の式 といえるかなど、問 いかける。

ウ 比 例 ・反 比 例 の対 応 表 についてまとめる。

・比 例 定 数 a に具 体 的 な数 値 を入 れ、対 応 表 をうめ、その上 で値 の変 化 の様 子 で

気 づいたことを表 に書 き込 んだり、文 章 で表 現 させたりする。

エ 比 例 ・反 比 例 のグラフについてまとめる。

・比 例 定 数 a に対 応 表 と同 じ数 値 を入 れ、 a が正 の数 の場 合 、負 の数 の場 合 の両

方 を書 かせ、その違 いをまとめさせる。対 応 表 の変 化 の様 子 とグラフの変 化 の様

子 が同 じであることを確 認 させる。また、 a が分 数 の場 合 の変 化 の様 子 も把 握 させ

るとよい。

オ 比 例 ・反 比 例 の関 係 にあることがらについてまとめる。

・道 のり・速 さ・時 間 の関 係 や、長 方 形 の縦 ・横 ・面 積 の関 係 、比 例 ・反 比 例 の利 用

で学 習 した身 近 な事 象 について気 がついたことについてまとめさせる。

比 例 ・反 比 例 の分 野 では生 徒 が学 習 内 容 を整 理 できていないケースが多 く見 受

けられる。まとめたことや自 分 で気 づいたことを、生 活 班 の中 で発 表 会 を行 うなどし、

学 習 したことを整 理 する取 り組 みが大 切 であると考 える。

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理科

1 理科における本市の傾向

小4~中1について、標準学力検査における各小問の全国通過率と本市の通過率を比

較検討した。その結果、以下の表に示した内容が、平成20,21,22年度ともに全国通過

率を大きく下回っていることがわかった。

小3内容 磁石につく条件 種子の観察小4内容 テントウムシの冬の姿 直列つなぎの特徴

乾電池の直列つなぎ 鉄の熱の伝わり方小5内容 花のつくり・おしべ 花のつくり・柱頭 花のつくり・子房

食塩を多く溶かす方法 ふりこ小6内容 酸素をつくる薬品 金属を溶かす水溶液 水溶液・気体の発生

小腸のはたらき ダンゴムシの食べ物中1内容 微生物・ゾウリムシ 双子葉類の茎の特徴

また、中1~中3の単元について、昨年の川越市中学生学力調査において全中問で予

想正答率を下回った内容は以下の通りであった。

第1回 植物のつくり(茎) 身の回りの現象(屈折) 電流(電磁誘導)化学変化と原子・分子(計算)

第2回 電流(直列回路の電圧) 化学変化と原子・分子(計算)天気の変化(飽和水蒸気量)

この分析結果をもとに、各内容の正答率が上がっていくよう指導方法の改善・充実を図

っていくことが必要である。

2 理科における課題

本市の傾向について、学習内容の系統性を考慮して検討すると、小中学校に共通して

習得が不十分と考えられる内容があることがわかる。その主な内容としては「植物のからだ

のつくり」「回路と電流」をあげることができる。

小中学校に共通する弱点を補強するためには、小中学校の教員が各学年で指導する

学習内容について十分理解し、連続性と系統性、発展性を意識した指導を相互に連携し

て進めていかなければならない。そして、身近で具体的なものの観察・実験から、より微視

的な見方、数量的・分析的な考え方へと発展させていくことが大切である。

そこで、今年度は、小中学校に共通して習得が不十分と考えられる内容から「植物のか

らだのつくり」の学習について、以下のような考えにもとづき、特に通過率の低かった小問

(根・茎・葉のつくり)に対する指導の手立てを示すこととした。

〔植物のからだのつくりに関する小中が連携した指導の流れ(例)〕

(小)小学校で植物の発芽・成長・結実における根・茎・葉と花の各部分のつくりと

はたらきを栽培・観察を通して十分に理解させる。

(中)小学校での学習を振り返りながら、植物のからだの各部分のつくりとはたらきに

ついて顕微鏡観察等からその微視的なつくりとはたらきについて理解させる。

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3 指導の手立て

(1) 小学校

のからだのつくりについての理解を深めるためにはどのように指導したらよいか植物

小学校3学年 「植物のからだのつくりとそだち」

小学校6学年 「植物の水の通り道」

植物の体のつくり①

植物のからだのつくりを初めて学習する単元である。ここではワークシートを活用し観

察を充実させ、また、植物の世話をしながら育てていく中で意欲的に調べる活動を多く

取り入れ、草花に対する興味を十分に高めることができるようにする。

植物の水の通り道②

植物が水を吸い上げていることは理解できるが、植物の体内には水の通り道があり、

すみずみまで行きわたっていることはとらえることができていない。このことは実際に実

験して初めて理解できることである。ワークシートを活用し、実験を通して、植物の体内

のつくりと働きについて実感させ、理解を図ることができるようにする。

〔ワークシートを使って行う指導の流れ〕

[学年に応じて身に付けさせたい力]

第3学年 ~植物の成長過程とからだのつくりを「比較する力」~

○ 植物の体のつくりの共通点を見い出すことができる。

○ 植物の体は、根・茎・葉からできていることがわかる。

第6学年 ~植物の体内のつくりと働きについて「推論する能力」~

○ 植物には水の通り道があることがわかる。

○ 植物はおもに葉の表面の穴から水蒸気を出していることがわかる。

植物のからだのつくり

は、中学校の学習にもつ

ながるよ。詳しく観察し

て、植物のからだの様子

を理解しよう!理科の授業を進めるときの流れ

1.問題・・・なぜを明確に!

2.予想・・・今までの学習を思い出して!

3.課題・・・今日はこれを知りたい!

4.観察・・・観察の仕方をしっかり理解しよう!

5.結果・・・詳しく丁寧に記入しよう!

6.考察・・・観察して分かったことを書こう!。

7.まとめ・・・課題の答えになるようにまとめよう!

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68

(2) 中学校

小学校での既習事項を振り返りながら、植物のからだのつくりについての理解を深めるた

めにはどのように指導したらよいか

中学校第2分野 第1学年 「根と茎のつくりとはたらき」

小学校で学習した植物のからだのつくりの学習内容を生かしながら、中学校の学習を

充実させるためには、小学校での既習事項を振り返りながら、植物のからだのつくりにつ

いて、顕微鏡を用いてより微視的に学習を発展させていくことが大切である。

〔小学校での既習事項の振り返りを生かした指導の流れ〕

〔植物のからだのつくりに関する小学校での既習事項と中学校の学習内容の関連〕

小 学 校 中 学 校昆虫と植物(第3学年) 植物の体のつくりと働き(第1学年)・植物の成長とからだのつくり ・花のつくりと働き季節と生物(第4学年) ・葉,根,茎のつくりと働き・植物の成長と季節 植物の仲間(第1学年)植物の発芽,成長,結実(第5学年) ・種子植物の仲間・種子の中の養分 ・種子をつくらない植物の仲間・発芽の条件 ・成長の条件 生物と細胞(第2学年)・植物の受粉,結実 ・生物と細胞植物の養分と水の通り道(第6学年) 生物の成長と殖え方(第3学年)・でんぷんのでき方 ・細胞分裂と生物の成長・水の通り道 ・生物の殖え方

〔水や養分の通り道に関する指導例①〕(「植物のからだのつくり」の補充学習)

課題・・・野菜の維管束を観察して、並び方の特徴を調べよう。

振り返り・・・植物を色水にさしておいた後、断面をみると通り道が染まって見えた。

観察・・・セロリ,ブロッコリー,アスパラガス,トウモロコシなどの野菜を

色水にさしておいた後、断面にみられる維管束の様子を観察しよう。

考察・・・観察結果から、単子葉類と双子葉類の維管束の並び方の違いを考えよう。

小学校の時やった内容を

中学校でもっと詳しく学

習するよ!もう一度思い

出してみよう!!

そういえ

ば小学校

でやった

1.課題・・・今日は植物のつくりを理解したい!2.振り返り・・・小学校で学習した植物のつくり

をもう一度思い出そう!3.予想・・・これまでに学習したことをもとに課題解決

の方法と結果を予想しよう!4.観察・・・予想したことを確認しよう!5.結果・・・結果を小学校の時より詳しく記録しよう!6.考察・・・自分なりの考えをまとめよう!7.まとめ・・・新しくわかったことを整理しよう!8.定着・・・学習した内容について問題練習しよう!

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英語科

1 英語科における本市の傾向

(1) 教科全体から

標準学力調査では、4領域 (書く〈W〉・話す〈S〉・聞く〈L〉・読む〈R〉)の内、今年

度は書く〈W〉ことだけが全国平均に届いておらず、この点を向上させることが必

要である。また、昨年度も「書くこと 」だけが正答率50%を超えておらず、 やは

り力を入れていくべきである。

川越市中学校学力調査において他教科と比べ、得点がとれておらず、「表現

力」及び「知識理解力」に焦点を当てていくことが必要であるとわかった。

これらの結果から「読む〈R 〉 」つまり読み取る面において力不足の傾向がある

ので、日頃から文法や慣用表現に習熟させると ともに長い英文を読む習慣が

重要である。

(2) 領域別の状況から

① 聞くこと

基本的及び具体的な内容を聞き取ることなどにおいて8 0%以上の正答

率であ り 、授業などでの積み重ねの取組が影響している と思われる 。

② 話すこと

簡単な受け答えや積極的に会話をするこ とについては正答率が安定し

ており、会話活動をより多く取り入れ、話す機会に慣れさせたい。

③ 読むこと

長い英文を正し く読み取るこ とについては正答率が安定しており 、特に

手紙文により多く触れさせ、読解力を高める。

④ 書くこと

昨年度も課題となっていた 「基本的な単語や英文を書くこと 」などの正答

率が全国に比べるとかなり低く、特に力を入れなければならない。

2 英語科における課題

「聞くこと 」や 「話すこと 」が伸びており、まとまった量の英語を聞く等の反復

練習による基本の徹底の成果であろう 。 しかし 、基本的な単語や英文を適切

な語句を使って書 く こ とが難しい生徒が多くいるこ とがわかる 。そこでただ単

語の練習だけでなく 、基本文の構造と文のつながりに基づいて単語を組み合

わせていくこ とや長い英文を読み取り 、その状況に合う単語を書くこ とができ

る力をつけさせたい。

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3 指導の手立て

(1) 4つの領域の力を伸ばし、ペアで行うコミュニケーション活動

小中学生用指導シート 「G u e s s w h a t am I? 」

活動名:カードを用いて自己表現する活動

該当学年:小学校高学年および中学校1年生

本学習シートは、自分の選んだ古い玩具や道具のカードの内の1枚につ

いて英語で表現する (書く〈W〉・読む〈R〉・話す〈S〉・聞く〈L〉)ことをねらいとし

ている。使用する主な言語材料は自己表現(I am~.I like~.など)や 5W 1H

の疑問文である。自分が選んだカードの情報をもとに 、 「英文にする(W)」こ

とを始めとし、伝える(S・R)もしくは質問する(S)そして聞き取る(L)力の向上を図る

という形式で作成した。生徒には、基本的もしくは創造的な文章を作らせたい。

(2) 小中連携を見据えた活動

活動名:英語跳び!

該当学年:中学1年2学期および小学校外国語活動

ターゲット :月を言えるようにする(既習単語を定着させるのに役立つ)

①2つのグループに分かれ、それぞれ1列に並ぶ。

(例 ) 1月~6月・ ・ ・右側 7月~12月 ・ ・ ・左側

②グループの中で一番早く生まれた人が先頭になり、前に出てくる。

③右グループの人は右から黒板に貼ってある絵を英語で言う。

④左グループの人は左から言う。

⑤出会った時点で、じゃんけん( Rock, Paper, Sc issors) をする。

⑥負けた人は列の最後に並ぶ。勝った人は次の単語を読む。

⑦相手側の最初の絵まで行ったら、 5 Point!

( 3 )長文を通して文法や慣用表現を習熟させる活動

タイトル : John Lennon

該当学年:中学3年

ターゲット :長文読解力の養成

既習の文法事項や慣用表現などを習熟させるために効果的な活動とし

て、長文読解があげられる。だが、長文問題は、難易度の高いものや生徒

の興味をひきづらいものが多い。今回紹介するのは、授業の中に短時間で

組み込むことが可能でしかも生徒が意欲的、主体的に英語を読むことがで

きる教材である。短時間で済む課題になっている。

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教育に関する3つの達成目標推進研究委員会

Ⅰ 研究の概要

1 目的

全市立小・中学校の「教育に関する3つの達成目標」に向けた教育活動を活性化

させ、児童・生徒のバランスのとれた学力・規律ある態度・体力の育成を図る。

2 研究テーマ

「次代を担い、たくましく生きる児童生徒の育成」

3 研究方針

「教育に関する3つの達成目標」を推進する学校を支援し、資料等を提供する。

4 研究内容

( ) これまでに本委員会が作成した指導資料の活用の推進1

( ) 学校・家庭・地域の連携による「教育に関する3つの達成目標」への取組の充実2

5 研究実績

期 日 場 所 主 な 内 容

平成 年7月 日(水) 教育センター ○委嘱書交付22 14○趣旨説明

○計画の策定

○各部会:研究の取組・方向について

平成 年8月 日(金) 教育センター ○部会毎:課題の分析22 27・学校・家庭・地域の連携による取組

・2学期の実践について資料作成の割

平成 年 月2日(火) 教育センター ○紀要原稿について22 11○取組のまとめに向けて検討

○3学期の実践について

平成 年2月8日(火) 教育センター ○紀要原稿の検討23○成果物の検討

○成果物の利用方法

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Ⅱ 各部会の取組

【読む・書く部会】

1 現状と課題

読む・書くに関わる達成目標の川越市の達成率は、小学校では平成21年度91.4%

、 . . 。 .で 平成20年度の90 1%を1 3ポイント上回った 中学校では平成21年度87

5%で平成20年度の91.5%を4ポイント下回った (平成21年度中学校県平均:。

87.5%)川越市の児童生徒の「読む・書く」の力をさらに向上させるためには、各学

、 、 。校の取組とともに 学校と家庭が連携し家庭学習の習慣化を図ることも 課題と思われる

2 課題解決の方策

今年度は、家庭と学校との連携を通して「教育に関する3つの達成目標」への取組の充

実を図ることとした。そこで 「読む・書く部会」は、家庭学習に保護者が関われる手立、

てとして、漢字に焦点をあてた方策を考えた。

具体的には、前学年までの学年別配当の漢字を書いたり、読んだりすることができるよ

うに学年別の漢字ポスターを作成した。このポスターを各家庭に配布し、目に付く場所に

掲示し、活用してもらうことで、より効果的な漢字の習得を目指したものである。

以下に活用方法の具体例を述べる。

3 「漢字ポスター」の活用の仕方

《小学校》

( ) 年度当初、保護者会などで漢字ポスターを配布し、年間を通して家庭でも漢字練習に1取り組んでもらえるよう呼びかける。

小学6年生用配付プリント(左が表、右が裏面)A4版

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( ) 範囲を決めて、学校で10~20問の小テストを行う。家庭に小テストの実施日と2範囲を知らせ、家庭の協力をお願いする。

( ) 1学期の最後に確認テストを行う。満点の8割を合格とし、合格者には 認定証を渡3し、意欲付けをする。

( ) 全校で漢字検定に取り組む。4各学年ごとに10枚程度の漢字検定(図1)を作成し、学年ごとに年度当初に配布

した漢字について朝自習の時間や、授業の中で定着を図る。

漢字検定のプリントは、常時、棚(図2)に入れておき、いつでも児童が取りに行

けるようにしておく。

備考: 親子でチャレンジ』1年生用プリント95~100の空欄には、校歌の歌い出『

しを短く区切って書き込むなど各校、各学年・学級で工夫を図ってもよい。

(図1)小学1年生用 小学6年生用

(図2)漢字検定のプリントを入れておく棚

《中学校》

( ) 年度当初の保護者会などで 「教育に関する3つの達成目標」についての説明を行う1 、

とともに 「読む・書く」の力のうち漢字能力の向上を図る小テストの取組を学校(学、

年・学級)として実践していくことを伝える。

( ) 1学期に、2週間に1回のペースで全校一斉に6回の小テストを計画し、実施日を2保護者に伝える。作成したプリントを配布し、各回20問の範囲(第1回小テスト範

囲は1~20、第2回小テスト範囲は21~40,第3回小テスト範囲は41~60

……)から10問出題することを伝える。

家庭学習として、各回小テストの前に漢字練習をすることをお願いする。

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中学2年生用配布プリント(左が表、右が裏面)A3版

( ) 小テストの実施計画とともに「まとめテスト」実施日を伝える。3

( ) 学校として以下の取組を行う。4小テストの取組

① 1学期に、2週間に1回のペースで6回の小テストを実施する。

② 各回20問の範囲から10問出題し、解答時間は5分とする。

③ 小テストはファイリングし、間違えた漢字は10回ずつ練習する。

まとめ全問テスト

① 1学期末に全校一斉に1時間の授業を使い、作成資料にある120問の漢字全

問のテストを行う。

② 120点満点で100点以上を合格とし、合格者には認定証を渡し、意欲を向上させる。

2学期以降の取組

① 学期内に、国語の授業中に6回の小テストを実施する。実施日を1週間前には

予告する。

② 各回20問の範囲から10問を出題する。以前に行った小テストとは問題を替

えたり、出題順を替えたりする。

、 。③ 毎学期末に国語の授業で 作成資料にある120問の漢字全問のテストを行う

120点満点で100点以上を合格とし、合格者には認定証を渡し、意欲を向上

させる。ただし、既に合格している生徒は、再チャレンジするか、日本漢字能力

検定協会ホームページ上にある漢字検定問題例に取り組む。

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【計算部会】1 現状と課題

計算に関わる川越市の達成率は、小学校では平成21年度に91 7%で、平成.. . .20年度の90 9%を0 8ポイント上回った。中学校では、平成21年度は84

4%で、平成20年度の84 1%を0 3ポイント上回った。しかし、平成23年. .度の目標値である95%にはどちらも達していない状況である。計算力の向上のた

めには、まず第一に、達成率の低かった内容や領域について、さらに学校できめ細

かく指導することが大切である。

2 課題解決の方策

確かな計算力の習得には、繰り返しの学習が欠かせない。その繰り返しの学習は

学校だけでなく、家庭でも行われることが望ましい。そこで「教育に関する3つの

達成目標」の計算の目標をもとに、学校と家庭で活用できる「数と計算」の領域を

中心とした問題を載せた「計算すごろく」を作成した。

(1)「できるかなテスト」と関連させて取り組む

学校では、現在行っている「できるかなテスト」の問題と「計算すごろく」の問

題とを関連させて取り組む。基礎的・基本的な問題を繰り返し扱うことで確かな計

算力の習得を図る。さらに「計算すごろく」にある学習内容を、教科書を使って問

題の解き方を確かめたり、教科書の類似の問題(発展・応用問題)を繰り返し解い

たりすることで、確かな計算力の習得を図る。

(2) 個人カルテ「できたかな」と関連させて取り組む

、 「 」 、「 」家庭では 個人カルテ できたかな の学習理解状況をもとに 計算すごろく

で学習内容の定着度を確かめる。できなかった問題を「計算すごろく」の問題を解

いて確かめたり、学習した内容を教科書から探し出し、その問題を繰り返し解いた

りして、確かな計算力の習得を図る。

「計算すごろく」活用の仕方を児童生徒に指導するのと同時に、家庭でも生かせ

、 。るように保護者会等で説明し 学校と家庭で連携して進めていくことが必要である

3 「計算すごろく」の活用の仕方

「計算すごろく」をいつも目に触れるところに掲示することで、学習した内容の

定着度を確かめたり、今後の学習に見通しをもつことができる。

また、できるようになった問題に色を付けたり、すごろくのイメージから、もど

って復習したりする中で、繰り返しの学習を学校や家庭で実践できるように工夫で

きる。

算数数学の学習は、学校で勉強したときには理解できても、時間がたつと忘れて

しまう児童生徒も少なくない。そこで、学校や家庭で「計算すごろく」を活用し、

確かな学力の定着を図っていきたい。

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(1) 学校での活用

学校では 「計算す、

ごろく」を教室に掲

示することにより、

教師は「計算」達成

目標確認テストに向

け、計画的に授業を

進めていくことがで

きる。また、教師が

基礎的・基本的な問

題を把握することが

できるのと同時に、

児童生徒が学習の定

着度を確かめること

ができる 「できるか。

なテスト」を実施した後 「計算すごろく」の問題を出題したり、学習内容を教、

科書で確かめたりして 「教科書 「できるかなテスト 「教育に関する3つの達、 」 」

成目標計算ワークプリント 「計算すごろく 「教育に関する3つの達成目標確」 」

認テスト」を相互に関連させながら取り組むと効果的である。

(2) 家庭での活用

家庭では 「計算すごろく」を活用することで、基礎的・基本的な計算問題を、

どの程度理解しているのかを確かめることができる。また、今後どのような学習

をしていくのか見通しをもって進めることができる。学校での活用の仕方をもと

にして、児童生徒が教科書のページを見て復習をしたり、次にどんなところを学

習するのかを調べてみたりすることができる。

裏面の解答や解

法を見ることで、

児童生徒が自分で

答えや解法を確か

められるようにな

っている。

また、保護者が

どこで間違えてい

るのかを把握する

ことができる。

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【規律ある態度部会】 1 現状と課題

平成21年度の川越市内の児童生徒の「規律ある態度」達成目標の集計結

果〈資料1〉を見ると、いくつかの課題が見えてくる。 NO 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3

1 登校時刻 91.2 92.2 95.8 96 96.2 95.6 97.3 96.4 94.8

2 授業開始時刻 90.5 88.0 94.4 94.5 94.9 94.5 96.1 96.1 96.6

3 靴揃え 85.5 82.5 88.6 85.3 79.7 77.6 79.2 82.3 83.6

4 整理整頓 83.2 78.4 88.2 84.6 81.8 80.5 78.6 78.5 83.0

5 挨拶 81.7 76.8 83.2 80.8 78.7 77.4 83.5 85.7 87.6

6 返事 92.4 89.1 92.8 89.3 87.2 83 82.8 84.3 87.6

7 丁寧な言葉遣い 86.9 82.1 89.6 83.4 73.5 66.5 78.8 81.4 85.1

8 優しい言葉遣い 90.5 85.0 91.1 90.1 80 74.7 79.6 82.5 87.2

9 学習準備 73.4 62.2 77.4 71.3 77.9 74.5 83.6 84.4 85.6

10 話を聞き発表 90.8 87.3 86.7 80.8 81.7 74.2 71.8 71.3 71.7

11 集団の場での態度 85.7 80.2 91.4 88.6 88.1 85.3 85.8 85.5 88.6

12 掃除・美化活動 93.1 92.6 96.1 94.5 86.3 83.1 79.8 79.6 83.1

〈資料1〉平成21年度川越市児童生徒の「規律ある態度」達成目標集計結果 まず達成率の高い項目は、「登校時刻」の項目で、昨年度と同様にどの学

年も 90%を超えている。さらに「授業開始時刻」でも、小学3年生から 95%近い達成率を示している。反対に達成率の低い項目としては、小学校「学習

準備」、中学校「話を聞き発表」である。平均的な数値で推移している項目

は、「返事」「集団の場での態度」となっている。この中でも、学習を定着さ

せたり、人間関係を円滑にさせたりする「学習準備」「丁寧な言葉遣い」は

さらに達成率を向上させる必要がある。 規律ある態度部会では、川越市の現状と課題を踏まえ、学校と家庭が課題

を共有し、児童生徒が常に規律ある態度の達成目標の項目を意識した生活を

送れるよう、次のような方策を各家庭・学校に提案する。

2 課題解決の方策

上記のような結果は、家庭だけが、あるいは学校だけが抱えて解決できる

問題ではない。学校の取組を伝え、家庭でも問題意識をもった実践が必要に

なってくる。また、問題意識をもち、どれだけ継続して改善していけるかも

重要なポイントとなってくる。「教育に関する3つの達成目標」の「規律あ

る態度」は、学校・家庭・地域が連携して継続的に取り組んでこそ、改善が

図られる項目である。そこで、今年度は、家庭・地域の協力を得て「規律あ

る態度」の育成を目指した内容である。

3 具体的実践事例

霞ヶ関小学校では、平成17年度から「霞ヶ関小 なろう! やろう!

宣言」を各家庭に配布し、児童の規律ある態度を学校と家庭が協力して育ん

できた。この宣言では、「大人が変われば子どもは変わる」をモットーとし、

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大人が手本を示すことができ、子どもが進んで取り組むための指針となるよ

う宣言としてまとめた。指針は、親として・自分のために(子ども)・教師

としての3つの立場からの取り組むべき内容を示している。例えば、あいさ

つについて親は「おはよう」とさわやかに声をかけます。子どもは、進んで

あいさつをします。教師は「おはよう」と子どもより先に声をかけます。・・・

のような内容になっている。このような指針を、親は7項目、子どもは9項

目、教師は8項目それぞれ設定した。それが資料2の「霞ヶ関小 なろう!

やろう!宣言」である。また、この宣言文には、その年の主な行事予定が一

緒になっている。これが単なる宣言文であれば、おそらく一読して終わるだ

ろうが、行事予定を見るついでに規律ある態度の達成目標を見てもらい、時

には家庭の話題にしてもらう。年間を通して、このことを意識してもらう工

夫なのである。この三者による意識の継続が、資料3のような成果となって

表れている。

〈資料2〉「霞ヶ関小 なろう! やろう! 宣言」

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年 度 項 目

平成19年 平成20年 平成21年

決められた時刻に起きる 55 51 53

進んであいさつ 52 55 54

はきものをそろえる 55 60 45

「はい」とはっきり返事 46 50 47

人の話をしっかり聞く 46 50 49

授業の前に学習の準備 29 34 37

片づけ掃除をしっかり 59 60 52

相手のことを考えて行動 44 42 40

いじめは絶対しません 66 62 62

〈資料3〉「ほぼできたと答えた児童の割合(%)

このように項目を立て、学校、家庭、地域で取り組むことで、目標が明確

になり指導がしやすくなった。また、保護者にも焦点をあてることで、協力

を求めやすくなった。その結果、あいさつを進んでする子や授業の準備等、

少しずつではあるが改善が見られてきた。平成21年度、6年生に生徒指導

上厳しい課題もあったが、成長できたのは学校、家庭、地域を巻き込んだこ

の取組があったからだと考える。 4 規律ある態度部会の取組

規律ある態度部会ではこの実践を受けて、「教育に関する3つの達成目標」

のうちの「規律ある態度」達成目標に示された3内容6項目12の達成目標

をベースにして、「規律ある態度 達成目標宣言!」を作成した。この「規

律ある態度 達成目標宣言!」の特徴は、小・中学校の児童生徒や保護者、

教師の三者がそれぞれの目標をもって取り組めるようにしたことである。つ

まり霞ヶ関小学校の実践にあったように、学校、家庭が問題意識をもって取

り組むことでそれぞれの課題を解決し、規律ある態度の改善を図ろうとする

試みになっている。 取り組む内容については、規律ある態度部会で検討を重ね、小・中学校の

児童生徒の発達段階に合わせた具体的なものになっている。例えば言葉づか

いの⑦、ていねいな言葉づかいでは、小学校で、「~です。~ます。をはっ

きり言います。」中学校では、「目上の人に対しての言葉づかいを覚えます。」

となっている。各学校において、身に付けさせたい規律ある態度を一目で覚

えられるような内容にして示した。また、(できたら○)の欄を設け、自分

の成長を確認しながら取り組む工夫も取り入れた。これは子どもだけでなく

保護者と子どもが規律ある態度について話し合うきっかけにもなる。次ペー

ジにある「規律ある態度 達成目標宣言!」を家の目立つ所に貼り、学校の

行事予定を見るたびに、規律ある態度の達成目標を意識できるようにすると

よい。そして、学校、家庭、地域全体で子どもたちの規律ある態度の達成率

を、さらによりよくしていきたい。そんな願いを込めて以下に活用の方法を

紹介する。

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5 「規律ある態度、活用宣言」の活用の仕方

〈資料4〉「規律ある態度」達成目標

(1) 教育センターのデータから、年間行事予定の部分を引き出し自校の年間

計画を打ち込む。

(2) 規律ある態度と年間行事計画の部分をつけて印刷する。(できたら色を

つける。または、品質のよい紙に印刷、あるいは、印刷所に依頼する。)

(3) 各家庭に配布し、目につく所に貼ってもらう。

(4) この取組について、学校便り、学年便り、保護者会等で知らせる。

(5) 地域の人には、校長、教頭を通して取組を紹介する。

(6) 規律ある態度の項目で、重点に位置付けたい項目は月目標に入れて学校

全体で取り組む。

(7) 学期末の懇談会等で、話題に取り上げてもらい達成状況を把握する。

(8) 年度末には、アンケートを取り改善点を洗い出し次年度の指導に生かし

ていく。

活用の大まかな流れは、以上の通りである。しかし、学校によっては児童

生徒へのアプローチの方法が様々である。まずは取り組み、学校・家庭・地

域で、その学校の特色を生かしながら、子どもたちの規律ある態度の向上を

目指したい。

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【体力部会】1 現状と課題

近年、児童生徒の体力低下が叫ばれている。川越市内の各小学校においても、体

力向上をめざす取組が進められ、改善の兆しを見せ始めているところである。しか

し 「 シャトルラン・持久走 「反復横とび 「立ち幅跳び」などの種目が、全、 」 」20m国平均や県平均を下回っている状況である。

教育に関する3つの達成目標推進委員会体力部会では、平成18年度に「体力向

上支援ツール」を作成し、市内小中学校における体力向上の支援を行ってきた。し

かし前述の通り、市内児童生徒の体力について、課題が解消されたとは言えない。

体力部会では、この状況を改善するためには、学校における取組を支援するだけ

でなく、家庭への啓発も重要であると考えた。そのために、保護者も活用したくな

る啓発資料の作成に取り組んでいくこととした。

2 課題解決の方策

体力部会では「家庭で日常的に取り組める運動を、保護者や児童生徒がいつも目

に触れるようなもので啓発できないか」という視点で方策を探った。他の部会とも

意見交流する中で、規律ある態度部会が提案した「カレンダーを利用した啓発」を

体力部会でも取り入れ、家庭における体力向上への意識を高めていくこととした。

この形式を採用した理由は2つある。1つはカレンダーを利用することで、保護

者は家庭でこの資料を常に目に触れるところに掲示すると考えたこと。2つめは各

小中学校でも、年間計画を保護者に知らせる際に利用しやすいものになるであろう

と考えたことである。

体力部会では、このカレンダーを取り入れた啓発資料を 「体力パワーアップ宣、

言シート」と命名し、低学年用、高学年用、中学校用と3種類作成して各学校に利

用を呼びかけることとした。

「体力パワーアップ宣言シート」作成にあたっては、以下の点に留意した。

( ) 運動習慣だけでなく、睡眠や食事についても啓発を図った。1文部科学省が行った「体力・運動能力調査」を参考に、十分な睡眠と朝食を必

ず取る大切さをアピールした。また、家庭で生活習慣・食習慣について話し合う

場面を促すために、起きる時間や寝る時間、運動する時間などを記入できる欄を

設けた。

( ) 運動習慣については、重点種目を絞って啓発を図った。2新体力テストの川越市平均値と埼玉県平均値を比較し、平均値の劣っている種

目に関わる運動例を紹介したり、具体的な数値目標を児童生徒が持てるように工

夫した。

以下は、注目した平均値の比較である。

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小1年 2年 3年 4年 5年 6年 中1年 2年 3年立ち幅跳び男子

117.09 128.65 138.53 147.63 156.75 166.55 181.18 198.97 212.99埼玉県平均

113.91 122.52 134.50 144.29 153.94 162.83 177.82 198.44 212.30川越市平均

-3.18 -6.13 -4.03 -3.34 -2.81 -3.72 -3.36 -0.53 -0.69差

小1年 2年 3年 4年 5年 6年 中1年 2年 3年持久走女子

16.19 22.49 29.12 36.46 44.50 51.36 4'48"42 4'40"20 4'43"69埼玉県平均

14.53 21.30 27.75 34.64 42.87 50.76 4'48"62 4'42"03 4'44"57川越市平均

-1.66 -1.19 -1.37 -1.82 -1.63 -0.60 -0"20 -1"83 -0"88差

(小学校は シャトルラン・中学校は 走)20m 1000m

小1年 2年 3年 4年 5年 6年 中1年 2年 3年反復横跳び女子

26.37 30.11 33.66 37.60 41.33 43.87 44.58 46.00 46.48埼玉県平均

25.19 28.34 32.27 36.12 39.75 42.81 43.33 44.78 45.95川越市平均

-1.18 -1.77 -1.39 -1.48 -1.58 -1.06 -1.25 -1.22 -0.53差

上記以外の種目も分析した結果、川越市児童生徒は「持久力 「敏捷性 「瞬発」 」

) 、力(筋力 」が課題であることが分かってきた。そこで、これらを重点課題とし

以下のように運動の啓発を行うこととした。

① 中学校用「体力パワーアップ宣言シート」では、持久力・敏捷性・瞬発力(筋

力)向上にむけて、なわとびや腕立て伏せ、サイドステップなどの具体的な運動

方法を紹介する。

② 小学校用「体力パワーアップ宣言シート」では、楽しみながら持久力の向上が

図れる運動を紹介する

③ 小学校用・中学校用ともに、重点種目の具体的数値目標を記入できるようにし、

児童生徒の意欲付けを図る。

3 「体力パワーアップ宣言シート」の活用の仕方

( ) 各学校の年間行事予定を、カレンダーデータに入力する。1保護者に事前に知らせたい行事を入力し、各学校の年間カレンダーを作成する。

( ) カレンダーデータと、配布する学年に対応した体力向上啓発資料を上下に組み合2わせ 「体力パワーアップ宣言シート」を印刷する。、

( ) 各学校の現状にあわせ、各家庭に配布する。3

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(例は小学校低学年用シート)<体力パワーアップ宣言シート イメージ図>

( ) その他4上記の体力パワーアップ宣言シートは、変更可能な形で各学校に送信する予定

である。各学校でさらに工夫を加え、児童生徒の体力向上の啓発を進めていただ

ければ幸いである。

各学校の行事予定を記

入し、一年間を通して

家庭に掲示できるよう

にする。

この欄に、平均値や体

力標準値を参考に自分

の目標値を記入する

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小学校外国語活動研究委員会

1 研究の概要( ) 目的1① 平成23年度から全面実施となる英語活動を踏まえ、英語活動の評価について検討し、評価の観点と評価規準を策定する。

② 2年間の移行期間に英語活動に取り組んだ児童生徒に意識調査を実施し、英語活動の成果と課題を追究する。

( ) 研究の経緯2平成20年3月に新学習指導要領が告示され、平成23年度から小学校第5・

6学年で週1時間、年間35時間外国語(英語)活動が全面実施となる。川越市では、平成21年度の移行期間から、第5・6学年で週1時間英語活動

を実施してきた。平成20年度には本委員会を立ち上げ 「英語ノート(試作版 」に準拠した、 )

年間指導計画と1単位時間の指導案を作成し、当初の英語活動の円滑な導入を図った。平成21年度は、試作版の検討を重ね 「 英語ノート』を活用した英語活動、『

年間指導計画及び1単位時間の指導案綴り1・2」を作成し、各小・中学校に配布し、授業に活用できるようにした。

( ) 本年度の研究内容3平成22年度は、次年度から全面実施となる英語活動を踏まえ、英語活動の評

価について検討し、評価の観点と評価規準を作成した。また、平成23年度に、過去2年間の移行期間に英語活動に取り組んだ児童・

生徒を対象とした意識調査を実施するために、調査内容を検討し予備調査を行った。予備調査では、調査対象となった母集団が小さかったが、英語活動や英語科授業に対する児童・生徒の大まかな特徴を捉えることができた。平成23年度の本調査では、調査対象を拡大し、結果を細かく分析し、英語活

動の成果と課題を追究していく予定である。

( ) 研究実績4

期 日 場 所 主 な 内 容

平成22年7月26日 月 教育センター ・委嘱書交付( )・趣旨説明・役割分担と今後の予定

10月26日 火 教育センター ・評価の観点と評価規準の検討( )・意識調査の内容の検討

11月30日 火 教育センター ・評価の観点と評価規準の検討( )・予備調査の分析、検討

平成23年 1月19日 水 教育センター ・評価の観点と評価規準の策定( )・意識調査の完成版の作成

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英語ノート1を活用した英語活動重点評価規準表(№1)

コミュニケーションへの関心・意欲・態度 コミュニケーションへの関心・意欲・態度評価の 評価の㋐ ㋐

外国語への慣れ親しみ 外国語への慣れ親しみ観 点 観 点

㋑ ㋑

言語や文化に関する気付き 言語や文化に関する気付き単 元 単 元㋒ ㋒

世界には、様々な挨拶があることに気付いている。 ジェスチャーを付けることで相手にわかりやすくなることを気付L1-1 L4-3㋒ ㋒

いている。

世界の挨拶に興味を持ち、ジェスチャーを入れて挨拶しようと 色や衣服の種類の言い方を理解して話そうとしている。L1-2 L5-1㋑ ㋑

している。

自分から進んで相手と挨拶し、名刺交換をしようとしている。 欲しい洋服をもらうための言い方について、発話しようとしていL1-3 L5-2㋐ ㋑

る。

様々な様子や思いを英語やジェスチャーをまねて表そうとして 買い物の仕方やその時の会話について興味を持ち、理解しようとL2-1 ㋑ L5-3 ㋒

いる。 している。

様子や感情を表すときの日本と外国のジェスチャーの違いを理 みんなの前でジェスチャーや目線にポイントをおき、スピーチしL2-2 L5-4㋒ ㋐

解しようとしている。 ようとしている。

自分から進んでジェスチャーをつけて、たくさんの友だちと挨 外来語とそのもととなる語との音の違いに気付いている。L2-3 L6-1㋐ ㋒

拶しようとしている。

世界には、様々な数え方やじゃんけんの仕方があることに興味 英語の音に気を付けて発話しようとしている。L3-1 L6-2㋒ ㋑

を持っている。

英語の1~20までの言い方を知り、ゲームや歌を通して、し 自分の欲しい物を相手に伝えようと積極的にコミュニケーションL3-2 L6-3㋑ ㋐

っかり聞き取ろうとしている。 をとろうとしている。

歌やゲームを通して、1~20までの英語の音声やリズムに慣 レストランでの注文の仕方に慣れ親しんでいる。L3-3 L6-4㋑ ㋑

れ親しんでいる。

グループで仲良く、1~20までの数を英語で尋ねたり答えた 相手の目を見て注文する物を尋ねたり、答えようとしている。L3-4 L6-5㋐ ㋐

りする活動に取り組んでいる。

ペアで協力して、1~20までの数を英語で尋ねたり答えたり オリジナルのパフェをみんなの方を向きながら堂々と紹介していL3-5 L6-6㋐ ㋐

する活動に取り組んでいる。 る。

ゲーム活動を通して、積極的に友だちに数を尋ねたり答えたり 友だちが作ったパフェには何が入っているのか聞き取るゲームにL3-6 L6-7㋐ ㋐

している。 意欲的に参加している。

英語で「好き 「好きでない」という表現を聞いたり、話したり 漢字の成り立ちのおもしろさに気付いている。L4-1 L7-1㋑ ㋒

しようとしている。

積極的に友だちに声をかけて、好き嫌いを伝え合おうとしてい 英単語を使ったゲームやクイズに楽しく参加している。L4-2 L7-2㋐ ㋐

る。

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英語ノート1を活用した英語活動重点評価規準表(№2)

コミュニケーションへの関心・意欲・態度 コミュニケーションへの関心・意欲・態度評価の 評価の㋐ ㋐

外国語への慣れ親しみ 外国語への慣れ親しみ観 点 観 点

㋑ ㋑

言語や文化に関する気付き 言語や文化に関する気付き単 元 単 元㋒ ㋒

という表現に慣れ親しみ、尋ねたり答えようとしてL7-3 ㋑

What's this?いる。

日本と外国の小学校の教科の共通点や相違点を気付いている。L8-1 ㋒

教科名や曜日を扱ったゲームを積極的に楽しんでいる。L8-2 ㋐

自分で作成した時間割について英語を使って発表しようとしてL8-3 ㋑

いる。

日本と外国の朝食の違いを知り、多様な文化の存在に気付いてL9-1 ㋒

いる。

食べ物や料理を表す語を理解して話そうとしている。L9-2 ㋑

オリジナル・ランチ・セットを作成し、進んで紹介しようとしL9-3 ㋐

ている。

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英語ノート2を活用した英語活動重点評価規準(№1)

コミュニケーションへの関心・意欲・態度 コミュニケーションへの関心・意欲・態度評価の 評価の㋐ ㋐

外国語への慣れ親しみ 外国語への慣れ親しみ観 点 観 点

㋑ ㋑

言語や文化に関する気付き 言語や文化に関する気付き単 元 単 元㋒ ㋒

アルファベットには大文字があることに気付き、興味を持って できることやできないことを進んで伝えたり、友だちのできるこL1-1 L4-3㋒ ㋐

知ろうとしている。 とやできないことを関心を持ったりして聞こうとしている。

アルファベットの大文字に興味を持ち、進んで発話しようとし 町中にある様々な建物などの言い方を聞き、それらが何か気付いL1-2 L5-1㋑ ㋒

ている。 ている。

身の回りのアルファベットを友だちと協力しながら探し、進ん チャンツのリズムに合わせて 「道の聞き方 「道案内の答え方」L1-3 L5-2㋐ ㋑

、 」

で発表しようとしている。 の言い方に興味を持とうとしている。

アルファベットには大文字と小文字の言い方や21以上の数字 ゲーム活動に意欲的に取り組み 「道の聞き方 「道案内のし方」L2-1 ㋒ L5-3 ㋑

、 」

の言い方について興味を持って知ろうとしている。 の表現に慣れ親しんでいる。

アルファベットの小文字に興味を持って知ろうとし、21~1 方向や動きを指示する英語を使って相手に目的地を教えるペアのL2-2 ㋒

00までの数字を理解しようとしている。 L5-4 ゲーム活動で、意欲的に道を聞いたり、道案内をしたりしようと㋐

歌やゲームを通して大文字と小文字を一致させたり、21~1 している。L2-3 ㋑

00までの数字のリズムや音声に慣れ親しんだりしている。 世界には、様々な国があることに気付き、興味を持って知ろうとL6-1 ㋒

グループで協力しながら身の回りのアルファベットを探したり している。L2-4 ㋐

ゲームに意欲的に取り組もうとしている。 世界には、たくさんの国や国旗があることに気付き、興味を持っL6-2 ㋒

日本の季節や行事の特徴に気付き、英語で月の言い方を知ろう て知ろうとしている。L3-1 ㋒

としている。 視聴覚教材やAETの話を聞き 「行きたい国」や「その理由」L6-3 ㋒

自分の生まれた月の特徴と自分の生まれた月の言い方を知ろう を理解しようとしている。L3-2 ㋒

としている。 「行きたい国を尋ねたり、尋ねられて答えたりする 」言い方にL6-4 ㋑

まとまった話を聞いて 誕生日について理解しようとしている 興味を持とうとしている。L3-3 ㋒

、 。

「行きたい国」を紹介する言い方を使って進んで発話しようとしL6-5 ㋑

誕生日の尋ね方を知り、進んで発話しようとしている。 ている。L3-4 ㋑

「行きたい国」を意欲的に紹介しようとしたり、友だちの「行きL6-6 ㋐

たくさんの友だちに誕生日を進んで聞いたり、自分の誕生日を たい国」に関心を持って聞こうとしている。L3-5 ㋐

答えようとしている。 インタビューゲームで「行きたい国」を進んで尋ねたり、答えたL6-7 ㋐

動物や友だちができることを興味を持って聞こうとしている。 りしようとしている。L4-1 ㋒

世界には、様々な国があり、そこには自分たちと同じように子どL7-1 ㋒

チャンツのリズムに合わせて 「~できる 「~できない 」と もたちが生活していることを知ろうとしている。L4-2 ㋑

、 。」 。

いう表現を進んで発話しようとしている。

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英語ノート2を活用した英語活動重点評価規準(№2)

コミュニケーションへの関心・意欲・態度 コミュニケーションへの関心・意欲・態度評価の 評価の㋐ ㋐

外国語への慣れ親しみ 外国語への慣れ親しみ観 点 観 点

㋑ ㋑

言語や文化に関する気付き 言語や文化に関する気付き単 元 単 元㋒ ㋒

、 。L7-2 ㋑

一日のまとまった話を聞き その概要を理解しようとしている

生活に使う表現を知り、自分の生活と比較しながら理解を深めL7-3 ㋐

ようとしている。

世界には様々な物語があり、日本語になっている民話の中にはL8-1 ㋒

外国から来たものがあることを知ろうとしている。

「大きなかぶら」という物語を聞き、概要を理解しようとしてL8-2 ㋑

いる。

AETの支援を受けながら、グループでせりふを考え、オリジL8-3 ㋐

ナルの劇を作ろうとしている。

いろいろな職業を表す英語の表現を知り、世界の人々の職業にL9-1 ㋒

ついての理解を深めようとしている。

職業を表す英語表現を知り、英語での言い方に慣れようとしてL9-2 ㋑

いる。

自分の夢を友だちに紹介するインタビューゲームをとおして友L9-3 ㋐

だちとのコミュニケーションを深めようとしている。

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研究委員名簿

(職名は平成23年3月現在)

情報教育推進委員会 教育に関する3つの達成目標推進研究委員会

委員長 委員長

中央小学校 校長 島田 祐 川越西小学校 校長 小林 英二

副委員長 副委員長

芳野中学校 教頭 横内 治 福原中学校 教頭 宮井 俊充

委員 〈読む・書く部会〉

泉小学校 主幹教諭 肥留間 宏 南古谷小学校 教諭 矢澤 美千代

霞ヶ関小学校 教諭 寺内 和広 山田小学校 教諭 紺野 直子

霞ヶ関北小学校 教諭 秋元 俊哉 砂中学校 教諭 濱田 彰博

上戸小学校 教諭 澤田 里実 〈計算部会〉

城南中学校 教諭 森田 眞澄 月越小学校 教諭 原田 武敬

大東中学校 教諭 安部 美仁 高階西小学校 教諭 肥留間 智子

霞ヶ関東中学校 教諭 垣堺 宏子

〈規律ある態度部会〉学力調査研究委員会

委員長 霞ヶ関小学校 主幹教諭 小島 仁

城南中学校 校長 佐野 勝 牛子小学校 教諭 遠藤 千絵

副委員長 東中学校 教諭 浅野 聡

霞ヶ関小学校 教頭 天宮 弘 〈体力部会〉

〈国語部会〉 名細小学校 教諭 川野 幸一

川越第一小学校 教諭 関 茜 霞ヶ関西小学校 教諭 細尾 賢一

福原中学校 教諭 山本 純人 富士見中学校 教諭 渋谷 正訓

鯨井中学校 教諭 田中 京子

小学校外国語活動研究委員会〈社会科部会〉

霞ヶ関西小学校 教諭 久津間 明 委員長

高階中学校 教諭 吉田 基 霞ヶ関南小学校 校長 石川 辰夫

〈算数・数学部会〉 副委員長

芳野小学校 教諭 岸田 初美 山田小学校 教頭 吉田 哲夫

寺尾中学校 教諭 杉田 和彦 委員

砂中学校 教諭 岡下 洋子 川越第一小学校 教諭 千島 薫

〈理科部会〉 古谷小学校 教諭 山内 陽子

古谷小学校 教諭 倉橋 健太郎 高階南小学校 教諭 椛田 香里

山田中学校 教諭 三上 正明 高階北小学校 教諭 小松﨑 直美

〈英語部会〉 大東西小学校 教諭 西堀 心

城南中学校 教諭 竹内 久哲 霞ヶ関東小学校 教諭 城戸崎 直美

南古谷中学校 教諭 小林 智之 高階中学校 教諭 中島 真理子

霞ヶ関西中学校 教諭 齋藤 淳一

(事務局)

川越市教育委員会

学校教育部副部長兼教育指導課長 猪鼻 幸正 学校教育部参事兼教育センター所長 田中 潔

教 育 指 導 課 副 課 長 大久根 正 教 育 セ ン タ ー 副 所 長 宮崎 洋子

教 育 指 導 課 主 査 藤下 純二 教 育 セ ン タ ー 主 査 斉藤 伸之

教 育 セ ン タ ー 主 査 飯島 正康 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 新井啓太郎

教 育 指 導 課 指 導 主 事 竹内 一博 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 齊木 眞一

教 育 指 導 課 指 導 主 事 江原 勝義 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 田中 孝

教 育 指 導 課 指 導 主 事 小金井幸則 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 日出間 毅

教 育 指 導 課 指 導 主 事 長田 茂樹 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 神田 郁夫

教 育 指 導 課 指 導 主 事 加賀谷徳之 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 山﨑 紀子

教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 島田 正人 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 山田 勇

教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 鈴木 友子 教 育 セ ン タ ー 指 導 主 事 大野 光男

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