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もっと知りたい 平成30年6月

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Page 1: もっと知りたい 税のこと - 財務省 · 国の税収を見てみると、バブル景気に沸いた平成2・3年には過去 最高の約60兆円となりましたが、個人所得課税を中心とする減税や、

もっと知りたいとこの税

平成 30 年 6 月

Page 2: もっと知りたい 税のこと - 財務省 · 国の税収を見てみると、バブル景気に沸いた平成2・3年には過去 最高の約60兆円となりましたが、個人所得課税を中心とする減税や、

2 「税」の現状を知ろうさまざまな「税」1 国の税収2 税制の変遷と各税目の特徴3 財政の状況4

4

4 「相続税」と「贈与税」を知ろう相続税について1 贈与税について2

15

5 「消費税」を知ろう消費税について1 「社会保障と税の一体改革」について2

「消費税の軽減税率制度」について3

18

6 「法人税」を知ろう法人税について1 「成長志向の法人税改革」について2

23

7 「国際課税」を知ろう国際課税制度について1 租税条約について2

25

1 「税」の意義と役割を知ろう「税」は「社会の会費」1 「税」の役割2 「税」の三原則3

2

3 「所得税」を知ろう所得税について1 所得の種類について2 人的控除について3

所得税の負担の変化4 所得税の見直し(平成30年度改正)5

9

(参考)「住民税」を知ろう

C O N T E N T S目 次

1

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「税」は「社会の会費」1

 年金、医療などの社会保障・福祉や、水道、道路などの社会資本整備、教育や警察、消防、防衛といった公的サービスは、私たちの豊かな暮らしには欠かせないものですが、言うまでもなく、その提供には多額の費用がかかります。

 また、こうした「公的サービス」といわれるものは、例えば、警察や防衛のように、特定の人だけのために設けることが困難なものや、社会保障や教育など、費用負担が可能な人への提供のみでは社会的に不適当なものなど、一般に、市場の民間サービスのみに依存すると、必要な量・水準のサービスが提供されないおそれがあるものです。

 このため、こうしたサービスの費用を賄うためには、皆さんから納めて頂く税を財源とすることで、公的に実施することが求められます。

 このように、みんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくため、この費用を広く公平に分かち合うことが必要です。まさに、税は「社会の会費」であると言えます。

1 「税」の意義と役割を知ろう

「支え合い」により成り立っている社会

公的サービス

年金医療

警察消防防衛

水道道路等教育 福祉税金

2

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 一言で「公平」といっても、様々な指標があり、人それぞれの置かれている環境によっても捉え方は変わってくるものですが、そうした点に配慮するとともに、経済社会の構造変化に対応した税制を築いていく必要があります。

「税」の役割2

「税」の三原則3

経済力が同等の人に等しい負担を求める「水平的公平」と、経済力のある人により大きな負担を求める「垂直的公平」があります。さらに、近年では「世代間の公平」が一層重要となっています。

中立の原則税制が個人や企業の経済活動における選択を歪めないようにするのが、中立の原則です。

税制の仕組みをできるだけ簡素にし、理解しやすいものにするのが、簡素の原則です。

簡素の原則公平の原則

3

 税制は、前述のような「公的サービス」の財源を調達する最も基本的な手段として位置づけられており、これが税制の最も直接的かつ重要な役割です。

財源調達機能

 税制は、好況期には税収増を通じて総需要を抑制する方向に作用し、不況期には逆に税収減を通じて総需要を刺激する方向に作用することで、自動的に景気変動を小さくし経済を安定化する役割を果たしています。

経済安定化機能

 所得税や相続税の累進構造等を通じ、歳出における社会保障給付等とあいまって、所得や資産の再分配を果たす役割を果たしています。

所得再分配機能

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 「税」には、いくつかの分類の仕方があります。第一は、「何に税負担を求めるか」による分け方で、大きく分けると、所得に対する税、消費に対する税、資産等に対する税があります。 第二は、「誰が課税主体か」による分け方で、国が課税主体であるものを国税、都道府県や市町村といった自治体が課税主体であるものを地方税といい、国税・地方税で合わせて40種類以上あり、それぞれ法律に定められています。

 このほか、「誰が税金を負担し(実質負担者)、誰が税金を納めるか(納税義務者)」による分け方もあり、納税義務者と実質負担者が一致する所得税のような直接税と、納税義務者と実質負担者が異なる消費税のような間接税があります。

さまざまな「税」1

2 「税」の現状を知ろう

●所得税●法人税●地方法人特別税●復興特別所得税●地方法人税

●住民税●事業税

●消費税 ●酒税●たばこ税 ●たばこ特別税●揮発油税●地方揮発油税●石油ガス税●自動車重量税●航空機燃料税●石油石炭税●電源開発促進税●国際観光旅客税●関税●とん税 ●特別とん税

●地方消費税●地方たばこ税●ゴルフ場利用税●自動車取得税●軽油引取税●自動車税●軽自動車税●鉱区税●狩猟税●鉱産税●入湯税

●相続税・贈与税●登録免許税●印紙税

●不動産取得税 ●固定資産税●都市計画税 ●事業所税●水利地益税 ●共同施設税●宅地開発税 ●特別土地保有税●法定外普通税 ●法定外目的税●国民健康保険税

所得課税 消

費課税資

産課税等

国 税 地 方 税 国 税 地 方 税

所得に対する税所得課税

所得税、法人税、住民税など

所得税や法人税などのように、所得(利益)を対象として課税

相続税、贈与税、登録免許税など

相続税や固定資産税などのように、資産の取得・保有等を対象として課税

消費税、酒税、たばこ税、揮発油税など

消費税などのように、物品やサービスの消費等を対象として課税

消費に対する税消費課税

資産等に対する税資産課税等

4

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 国の税収を見てみると、バブル景気に沸いた平成2・3年には過去最高の約60兆円となりましたが、個人所得課税を中心とする減税や、景気の低迷等により税収は落ち込みました。

 リーマンショックの影響等により、平成21年度の税収は約39兆円にまで落ち込みましたが、その後の景気回復等により、平成30年度の税収は59.1兆円(予算額)となっています。

0

5

10

15

20

25

30

35

0

10

20

30

40

50

60

70(兆円) (兆円)

62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29見込(1987)(1988)(1989)(1990)(1991)(1992)(1993)(1994)(1995)(1996)(1997)(1998)(1999)(2000)(2001)(2002)(2003)(2004)(2005)(2006)(2007)(2008)(2009)(2010)(2011)(2012)(2013)(2014)(2015)(2016)(2017)

30予算(2018)

(注)平成28年度以前は決算額、平成29年度は実績見込額、平成30年度は予算額である。

(年度)

消費税(右軸)

法人税(右軸)

所得税(右軸)

一般会計税収計(左軸)

3.3

5.0 5.25.6 5.6 5.8

6.1

9.310.1

15.8

46.8

17.418.0

21.4

26.026.7

23.2 23.7

20.419.5

19.019.2

17.0

15.4

18.817.8

14.8

13.9

14.715.6

14.1

16.115.0

12.9 13.013.5

14.0

15.5

16.817.817.6

18.619.0

17.6

12.2

18.4

50.8

54.9

60.159.8

54.454.1

51.051.952.1

53.9

49.447.2

50.7

47.9

43.843.3

45.6

49.149.151.0

44.3

38.7

41.542.8

43.9

47.0

54.0

56.355.557.7

59.1

19.018.4

16.6

13.7

12.112.4

13.714.5

13.5

11.4 11.7

10.3 10.1

11.4

13.3

14.9

14.7

9.5

10.8

10.49.8 9.8 9.7 10.0 10.0

10.0

6.4

9.0 9.49.810.5 10.8

11.711.010.310.0

10.210.410.8

16.0

17.417.217.1

9.810.610.510.3

9.8

4.6

国の税収2

一般会計税収の推移

5

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 高度経済成長期を経て昭和60年代には、税体系が所得課税に大きく依存していました。所得税の累進度が強い中で負担感が大きかったことや、税負担の水平的公平の確保に関する関心が相対的に高まっていたこと等から、所得税の税率構造の累進緩和等を行うとともに、平成元年には消費税が創設されました。

 近年では、平成24年に社会保障の充実・安定化と財政健全化の同時達成を目指す「社会保障と税の一体改革」の下で、平成26年度以降、消費税率(国・地方)を5%から10%へ段階的に引き上げることとされました。また、平成25年には格差固定化の防止や再分配機能の回復の観点から、所得税及び相続税の最高税率の引上げ等が行われ、平成27年分から適用されています。こうした見直し等により、近年では、国の所得税と消費税は、概ね同程度の税収規模となっています。また、法人税については、企業活動の活性化などの観点から、課税ベースを拡大しつつ、税率の引下げが行われています。

 主要な税目の特徴は下表のとおりです。

税制の変遷と各税目の特徴3

所得税

法人税

消費税

相続税

税収(平成30年度予算)

19.0兆円

12.2兆円

17.6兆円

2.2兆円

担税力に応じて、累進的に負担が増加します。勤労世代(現役世代)が主として負担します。各種控除などにより、個々人の担税力に対してきめ細かい配慮が可能です。

・・・

成長戦略との整合性や企業の国際的な競争力の維持・向上などに対する配 慮が必要です。さまざまな政策税制措置が講じられています。税収が景気の動向に比較的左右されやすい特徴があります。

・・

勤労世代など特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く 負担を分かち合うこととなります。税収が景気の動向に比較的左右されにくく安定的です。簡素な仕組みであり経済活動に対しても比較的中立です。

・・

格差是正・資産の再分配を図るという役割があります。ごく限られた一部の資産家層のみを対象に負担を求める税となっています。・・

特徴

6

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 国の一般会計歳出では、社会保障関係費や国債費が年々増加している一方、その他の政策的な経費(公共事業、教育、防衛等)の割合が年々縮小しています。 国債の元利払いに充てられる費用(国債費)と社会保障関係費と地方交付税交付金等で歳出全体の約4分の3を占めています。

平成30年度一般会計予算における歳入のうち税収は59.1兆円を見込んでいます。本来、その年の歳出はその年の税収や税外収入で賄うべきですが、 平成30年度予算では歳出全体の約 3分の 2しか賄えていません。この結果、残りの約3分の1を公債金すなわち借金に依存しており、これは将来世代の負担となります。

平成30年度一般会計歳出・歳入の構成

財政の状況4

特例公債33.734.5%

公債金

建設公債

その他その他収入

建設公債

その他収入その他収入その他収入その他収入

6.16.2%

その他10.310.6%

その他収入その他収入その他収入4.95.1%

消費税消費税17.618.0%

所得税所得税19.019.5%

一般会計歳出総額

消費税消費税

法人税

消費税消費税

法人税法人税12.212.5%

租税及び印紙収入印紙収入印紙収入印紙収入59.160.5%

建設公債建設公債

27.628.2%

23.323.8% 9,0

9.2% 33.033.7%

国債費

債務償還費

一般会計歳出総額一般会計歳出総額

9,09.2%

国債費

一般会計歳出総額

9.2%債務償還費債務償還費

利払費等

一般会計歳出総額一般会計歳出総額

33.033.7%

社会保障

一般会計歳入総額

債務償還費債務償還費 14.314.6%

その他

防衛公共公共公共事業

文教及び

その他 9.4 9.6%

防衛防衛防衛防衛

文教及び文教及び文教及び

防衛防衛5.25.3%

事業6.06.1%

15.515.9%

74.476.2%

5.45.5%

科学振興

15.515.9%

地方交付税74.476.2%

基礎的財政収支対象経費

交付金等

一般会計歳出 一般会計歳入(単位:兆円)

(注1) 計数については、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。(注2) 一般歳出(=「基礎的財政収支対象経費」から「地方交付税交付金等」を除いたもの)における社会保障関係費の割合は約 56.0%。

97.7(100.0%)

97.7(100.0%)

7

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 日本の財政は、歳出が歳入(税収)を上回る状況が続いています。平成30年度の税収は、平成3年度以来の高水準が見込まれていますが、依然として歳出と歳入には大きな差があり、その差は借金である国債(建設公債・特例公債)の発行によって賄われています。

(注1)平成28年度までは決算、平成29年度は補正後予算、平成30年度は予算による。(注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%への引上げ に先行して行った減税による租税収入の減少を補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達するための 復興債、平成24年度及び25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債を除いている。

120

100

80

60

40

20

050 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

(年度)

(兆円)

建設公債発行額

特例公債発行額

一般会計歳出

一般会計税収

2.12.1 3.53.5 4.54.5 4.34.3 6.36.3 7.27.2 5.95.9 7.07.0 6.76.7 6.46.4 6.06.0 5.05.0 2.52.5 1.01.0 0.20.2 0.80.8 2.02.09.29.2 8.58.5

24.324.321.921.9

25.825.8

28.728.726.826.8

23.523.521.121.1

19.319.3

26.226.2

36.936.934.734.734.434.4 36.0 36.0

33.833.831.931.9 29.129.128.428.4

16.916.920.920.9

28.328.327.627.6

3.23.2 3.73.75.05.0 6.36.3

7.17.1 7.07.0 7.07.07.07.0

6.46.4 6.36.3 6.26.26.86.8

6.96.9 6.26.2 6.46.4 6.3 6.3 6.76.7

9.59.5

16.216.212.312.3

16.416.410.710.79.99.9

6.46.4 6.06.017.017.0

13.213.2

11.111.19.19.1

9.19.16.76.78.78.7

7.87.87.07.0

7.67.6 8.48.411.411.4

7.07.06.66.66.56.58.98.97.37.3

6.16.1

15.015.0

5.35.3 7.27.29.69.610.710.7

13.513.514.214.212.912.914.014.013.513.512.812.8

12.312.311.311.3

18.418.419.919.918.518.5

34.034.0

9.49.47.27.2 6.66.6 6.36.3 6.76.7

9.59.5

16.216.213.213.2

37.537.5

33.033.030.030.035.035.035.335.3 35.535.5

31.331.3

27.527.525.425.4

33.233.2

40.940.938.538.5

34.934.9

38.038.0

35.635.633.733.7

52.052.0

42.342.347.547.5

42.842.8

38.738.7

43.943.941.541.542.842.8

47.047.0

54.054.056.356.3

55.555.5

57.757.759.159.1

13.815.7

17.317.3

21.921.923.723.726.926.929.029.030.530.532.432.434.934.938.238.2

41.941.9

46.846.8

50.850.8

54.954.9

60.160.159.859.8

54.454.4

54.154.1

51.051.0

51.951.9

52.152.1

53.953.9

49.449.447.247.2

50.750.747.947.9

43.843.8

43.343.345.645.649.149.1

49.149.1

51.051.0

44.344.3

20.9

24.529.1

34.1

38.8

43.4

46.9

47.2

50.6

51.5

53.0

53.6

57.7

61.5

65.9

69.370.5

70.5

75.1

73.675.9

78.884.4

89.089.3

84.8 83.7

82.4

84.985.5

81.4 81.8

84.7

101.0

95.3

100.7

97.1

100.2

97.598.8

98.2 99.1

97.7

78.5

20.9

24.529.1

34.1

38.8

43.4

46.9

47.2

50.6

51.5

53.0

53.6

57.7

61.5

65.9

69.370.5

70.5

75.1

73.675.9

78.884.4

89.089.3

84.8 83.7

82.4

84.985.5

81.4 81.8

84.7

101.0

95.3

100.7

97.1

100.2

97.598.8

98.2 99.1

97.7

78.5

財政の状況

8

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 このように、所得税は、所得の大きさに応じた負担を求めることができ、また、家族構成などの状況に応じたきめ細かな配慮を行うことができるものとなっています。

 所得税は、給料や商売の利益、あるいは土地を売って得た利益などに対して課される税です。例えば、会社員の給与の場合、①給与収入(年間収入)から給与所得控除を差し引いて所得金額を 算出した上で、②税金を納める人の税負担能力に配慮するため、所得金額から基礎 控除、配偶者控除などの所得控除額を差し引き、③その残額に対して超過累進税率(所得が高い部分ほど適用される 税率が高くなる仕組み)を適用して税額を計算します。

税 率195 万円330 万円695 万円900 万円1,800 万円4,000 万円4,000 万円

~~~~~~

5%10%20%23%33%40%45%

人的控除等38 万円

最大38 万円38 万円

など

基礎控除(注)配偶者控除扶養控除

給与収入(年間収入)

給与所得の金額

給与所得の

金額の計算

課税所得の

金額の計算

税額の計算

算出税額 納付税額税額控除

課税所得の金額

(課税ベース)

人的控除等

(注)上記は、平成30年分の所得税についての制度です。給与所得控除と基礎控除については、平成30年度税制改正において  改正が行われています(平成32年分以降の所得税について適用)。

給与所得控除

162.5 万円180 万円360 万円660 万円1,000 万円1,000 万円

~~~~~

40%30%20%10%

65 万円

18 万円54 万円120 万円220 万円

+++

給与所得控除(注)

給与所得者の所得税額計算のフローチャート

1

3 「所得税」を知ろう

所得税について1

9

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 所得は、その性質によって次の10種類に分かれ、それぞれの所得について、収入や必要経費の範囲あるいは所得の計算方法などが定められています。

所得の種類 対   象 計 算 方 法 課税方式

利子所得公社債や預貯金の利子、合同運用信託・公社債投資信託や公募公社債等運用投資信託の収益の分配

源泉分離課税(注1)

配当所得

不動産所得

事業所得

給与所得

退職所得

山林所得

譲渡所得

一時所得

雑所得

不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得

農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他の事業から生ずる所得

退職手当、一時恩給、その他退職により一時に受ける給与など

所有期間5年超の山林の伐採又は譲渡による所得

資産の譲渡(建物等の所有を目的とする一定の地上権の設定等を含む)による所得

(公的年金等) 収入金額-公的年金等控除額(公的年金等以外) 収入金額-必要経費

国民年金、厚生年金などの公的年金等

上記の所得のいずれにも当てはまらないもの

収入金額

売却した資産の取得費・譲渡費用

特別控除額(50万円)

営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を持たないもの

収入金額-必要経費-特別控除額(50万円)

(収入金額-退職所得控除額)×½※勤続年数5年以下の法人役員等の退職金に ついては、2分の1課税は適用されません。

申告不要総合課税申告分離課税

総合課税

総合課税(注2)

分離課税

分離課税(5分5乗)

総合課税(注2)

総合課税(注2)

総合課税(注2)

総合課税

収入金額-必要経費

収入金額-必要経費

収入金額-給与所得控除額  俸給、給料、賃金、歳費、賞与など

収入金額=所得金額

法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、投資法人の金銭の分配、基金利息、投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く)及び特定受益証券発行信託の収益の分配

収入金額 - 株式などを取得する      ための借入金の利子[ ]

[ ] [ ]- [ ]-

収入金額

収入を得るために支出した費用

特別控除額(50万円)

[ ] [ ]- [ ]-

(注1)特定公社債等の利子等については、申告不要又は申告分離課税。(注2)一部、分離課税として取り扱われるものがある。分離課税の対象となるのは、株式等の譲渡による所得(事業・譲渡・雑)、土地等の譲渡による所得(譲渡)、 不動産業者等の土地の短期譲渡等による所得(事業・雑(平成32年3月31日まで課税停止))、先物取引による所得(事業・譲渡・雑)等である。

1 所得の種類について2

10

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 全ての方に適用される基礎控除や、世帯構成をはじめとする個人の様々な事情を踏まえた控除が設けられています。

1 人的控除について3

(注)【  】内は平成32年分以後の所得税について適用されます。

基礎的な人的控除

特別な人的控除

基礎控除

対 象 者

配偶者控除

扶養控除

寡夫控除

勤労学生控除

寡婦控除

一般の控除対象配偶者

一般の扶養親族

特定扶養親族

老人扶養親族

(同居老親等加算)

(特別寡婦加算)

(同居特別障害者控除)

老人控除対象配偶者

配偶者特別控除

障害者控除

●本人

●生計を一にし、かつ、年間所得が38【48】万円以下である 配偶者(控除対象配偶者)を有する者

●年齢が70歳未満の控除対象配偶者を有する者

●年齢が70歳以上の控除対象配偶者を有する者

●生計を一にし、かつ、年間所得が38【48】万円以下である 親族等(扶養親族)を有する者

●年齢が16歳以上19歳未満又は23歳以上70歳未満 の扶養親族を有する者

●年齢が19歳以上23歳未満の扶養親族を有する者

●年齢が70歳以上の扶養親族を有する者

●直系尊属である老人扶養親族と同居を常況としている者

●寡婦で、扶養親族である子を有する者

●特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族と同居を常 況としている者

●妻と死別又は離婚をして扶養親族である子を有する者

●本人が学校教育法に規定する学校の学生、生徒等である者

●生計を一にし、かつ、年間所得が38万円を超え 123万円以下【48万円を超え133万円以下】である 配偶者を有する者

●障害者である者●障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する者

●特別障害者である者●特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する者

①夫と死別した者②夫と死別又は夫と離婚したもので、かつ、扶養親族を有する者

(特別障害者控除)

【年間所得2,500万円以下(2,400万円超から控除額が逓減)】

年間所得1,000万円以下(900万円超から控除額が逓減)

年間所得1,000万円以下(900万円超から控除額が逓減)

①の場合年間所得500万円以下

年間所得500万円以下

年間所得500万円以下

年間所得65【75】万円以下かつ給与所得等以外が 10万円以下

本人の所得要件

11

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 所得税の最高税率は、かつて70%(課税所得8,000万円超の部分)でしたが、負担累増感の緩和等を目的として、引き下げられてきました。その後、再分配機能の回復を図るため、平成27年分以後については、課税所得4,000万円超の部分について45%の税率が創設されました。

(1)給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替 働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする等の観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げ、どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額を10万円引き上げることとされました。

※給与所得と年金所得の双方を有する方については、片方に係る控除のみが減額されます。

(注)以下の見直しは、平成32年分以後の所得税について適用されます。

給与

税額必要経費

給与所得控除

▲10万円

基礎控除等

公的年金等控除

▲10万円

公的年金等

フリーランス、請負、起業等による収入

給与所得控除等から基礎控除へ振替

+10万円

(×税率)▶

個人所得課税の税率などの推移(イメージ図)昭和59年分~61年分 平成元年分~10年分 平成11年分~18年分 平成19年分~26年分 平成27年分~

所得税

所得税 +

個人住民税

給与収入

給与収入

給与収入

給与収入 給与収入給与収入

給与収入

給与収入

給与収入 給与収入

70%50%

37% 40% 45%

88% 65%50% 50% 55%

15段階 5段階 4段階 6段階 7段階

所得税

個人住民税

所得税

個人住民税所得税

個人住民税

所得税

個人住民税 個人住民税所得税

40%

43%50%

30%

33%

33%

23%20%

20%

10%

15%10%

5%

1

1

所得税の負担の変化

所得税の見直し(平成30年度改正)

4

5

12

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基礎控除額

所得金額

483216

0

(万円)

(万円)

※個人住民税の基礎控除額は それぞれ43万円、29万円、15万円。 ※

2,4002,450

2,500

(注)23歳未満の扶養親族を有する者及び特別障害者控除の対象である扶養親族等を有する者等   (いわゆる「介護」を受けている者以外の特別障害者を含む)

所得金額

基礎控除額(万円)

(万円)

(万円)

給与所得控除額

200

100

65

00 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000

55

850

上限220万円

上限195万円

 10 15

4838振 替

給与収入

給与

負担増

1,000万円

+4.5万円

950万円

+3.0万円

900万円

+1.5万円

850万円

なし

※850~1,000万円の者は、徐々に負担額が増加

子育て世帯等(注)以外

10

※個人住民税については、33万円から43万円に引上げ。

(2)給与所得控除の適正化 給与所得控除については、勤務関連経費や諸外国の水準と比べても過大となっているとの指摘がなされてきたことを踏まえ、「控除額を主要国並みに漸次適正化する」との方針の下、段階的に見直しを進めてきています。 今回の改正でも、これまでの方針に沿って、給与収入が850万円を超える場合の控除額が195万円に引き下げられました。ただし、子育て等に配慮する観点から、23歳未満の扶養親族や特別障害者である扶養親族等を有する者等に負担増が生じないよう措置を講じています。

(3)公的年金等控除の適正化 公的年金等控除については、給与所得控除とは異なり控除額に上限がなく、年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど、高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みになっているとの指摘がなされてきました。  こうした点を踏まえ、世代内・世代間の公平性を確保する観点から、公的年金等収入が1,000万円を超える場合の控除額に195.5万円の上限が設けられました。また、公的年金等以外の所得金額が1,000万円超の場合は、控除額が引き下げられました。

(4)基礎控除の適正化 基礎控除については、所得の多寡によらず一定金額を所得から控除する所得控除方式が採用されていますが、高所得者にまで税負担の軽減効果を及ぼす必要は乏しいのではないかとの指摘がなされてきたこと等を踏まえ、合計所得金額2,400万円超で控除額が逓減を開始し、2,500万円超で消失する仕組みとされました。

65才未満の場合、最低保障額(改正前70万円)は、

となる。

・基礎控除への振替により60万円・年金以外の所得1,000万円超の場合は50万円・年金以外の所得2,000万円超の場合は40万円

(注)

公的年金等控除の額

(万円)

12011010090

0 330 1,000 (万円)

公的年金等の収入金額

205.5195.5

10

1010 上限設定

基礎控除へ振替

年金以外の所得1,000万円超の場合

年金以外の所得2,000万円超の場合

改正前

(65才以上の場合)

13

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 様々な公的サービスの提供は、国と地方の間で分担しています。その費用を賄う主なものは国も地方も税金です。

 教育、福祉、消防・救急、ゴミ処理といった、私たちの生活に身近な行政サービスの多くは、市町村や都道府県によって提供されています。地方税はこうしたサービスを賄うための財源であり、その地域に住む住民などが広く共同して負担し合うもの(地域社会の会費)です。

 地方税の中でも、所得税(国の税金)と同様、私たちに身近な税が、住民税です。住民税は、広く住民が地域社会の費用を分担するもので、市町村民税と道府県民税があります。住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があり、その市区町村(都道府県)に住所等がある個人が負担するものが「個人住民税」です。

10%

均等割 非課税限度額を上回る者に定額の負担を求めるもの

(※)東日本大震災を教訓として、各地方団体が実施する防災施策に係る財源を確保するため、  平成26年度から平成35年度分までの間、標準税率が年1,000円(市町村民税500円、道府  県民税500円)引き上げられている。

標準税率(年額)(※)

市町村民税

道府県民税

3,500円

1,500円

納税義務者の所得金額に応じた税額の負担を求めるもの(一律10%)所得割

6%

4%

標準税率

市町村民税

道府県民税

個人住民税

(注)道府県民税の徴収も市町村民税と併せて市町村が行っている。

個人住民税(均等割、所得割)の概要

1(参考)「住民税」を知ろう

14

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 相続税は、相続等により財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税です。財産の価額が高くなるほど税率が上がる累進税率を適用することで、資産の再分配を図るという役割を果たしています。

 相続税は、相続した財産の価額から基礎控除といわれる一定の額を控除して計算します。この基礎控除の水準は、バブル期の地価の上昇に伴い引き上げられてきましたが、その後、地価は下落を続けているにもかかわらず、基礎控除の水準は据え置かれてきました。また、税率も徐々に引き下げられてきました。そのため、相続税が課されるのは、亡くなられた方の4%程度に低下し、相続税の再分配機能が低下しているといった指摘がされていました。

4 「相続税」と「贈与税」を知ろう

相続税について1

相続税の仕組み

15

課税遺産総額

基礎控除

債務控除

配偶者(1/2)

(1/4)子

非課税財産等

3000 万円

×法定相続人数

各法定相続人の法定相続分相当額

+600 万円

相続税の総額

(1/4)子

相続税の総額の計算 各人の納付税額の計算

課税価格 ● 配偶者控除 配偶者の法定相続分又は 1億 6千万円のいずれか大きい金額に対応する税額を控除

● 障害者控除 「85歳に達するまでの年数 ×10万円(特別障害者:20万円)」を控除 等

● 未成年者控除 「20歳に達するまでの年数 ×10万円」を控除

税率

法定相続分で按分

超過累進税率の適用

実際の相続割合で按分

税額控除(配偶者控除等)

配偶者

子 納付

納付子

~1,000万円~3,000万円~5,000万円

~1億円~2億円~3億円~6億円

10%15%20%30%40%45%50%55%6億円~

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 こうした状況を踏まえ、相続税の再分配機能を回復し、格差の固定化を防止するため、平成25年度税制改正では、地価動向等を踏まえた課税ベースの拡大を図るとともに、税率構造について見直しが行われました。

区分

税率構造

基礎控除

地価公示

昭和58年 昭和62年 平成3年 平成5年 平成14年 平成25年

100 157.1 336.8 244.1 80.7 69.6

14段階 13段階 13段階 9段階 6段階 8段階

5億円超(最高税率75%)

5億円超(最高税率70%)

10億円超(最高税率70%)

20億円超(最高税率70%)

3億円超(最高税率50%)

6億円超(最高税率55%)

2,000万円+

400万円×法定相続人数 4,000万円

+800万円×法定相続人数

4,800万円+

950万円×法定相続人数 5,000万円

+1,000万円×法定相続人数

3,000万円+

600万円×法定相続人数同左

昭和63年12月改正前 昭和63年12月改正 平成4年度改正 平成6年度改正 平成15年度改正 平成25年度改正(現行)(昭和63年1月1日以降適用) (平成4年1月1日以降適用) (平成6年1月1日以降適用) (平成15年1月1日以降適用) (平成27年1月1日以降適用)

最近における相続税の税率構造・基礎控除等の推移

相続税の課税件数割合、負担割合及び税収の推移

課税件数割合(年間課税件数/年間死亡者数)

負担割合(納付税額/合計課税価格)

相続税収

0

6

12

18

24

30

36

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

(億円) (%)

(年)(注1) 相続税収は各年度の税収であり、贈与税収を含む(平成28年度以前は決算額、平成29年度は実績見込額、平成30年度は予算額)。(注2) 課税件数、納付税額及び合計課税価格は「国税庁統計年報書」により、死亡者数は「人口動態統計」(厚生労働省)による。

5.3

14.3 14.3

17.417.4 18.1

16.6

22.2

7.96.8

6.0

7,861777777777,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,861,8617,861777,8617,8617,861777,86177,861777,8617,8617,861777,86177,861777,8617,8617,861777,8617

17,791111777777777,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7999999111

25,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,83025,830

29,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,37729,377

19,6841119,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,6849,684

21,314222222222111,,,,,,31431431431431431431431431431431431431431431431431431431431431431431431431431431422,3902222222222,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,3902,39022,400222222222222222222,,,,,,400400400400400400400400400400400400400400400400400400400400400,400,,,400,400,400,,,400,,400,,,400,400,400,,,400,

8.0

12.4

16

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 贈与税は、個人から贈与により財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税です。生前に贈与することで相続税の課税を逃れようとする行為を防ぐという意味で、相続税を補完する役割を果たしています。

 昨今の高齢化の進展に伴い、相続による子や孫世代への資産移転の時期がより後半にシフトしています。他方で、高齢者の保有する資産が現在より早い時期に子や孫世代に移転するようになれば、その有効活用を通じて経済社会の活性化に繋がるといった点が期待されます。 こうした観点から、生前の贈与を容易にして、早期に高齢者の保有する資産を子や孫世代に移転できるように、贈与時に一律20%の贈与税を納付し、後に相続税の計算の際に精算する相続時精算課税制度を創設するなどの取組が進んでいます。

贈与税について2

相続時精算課税制度を選択できる場合(暦年課税との選択制)贈与者:60歳以上の者受贈者:20歳以上の贈与者の直系卑属である推定相続人及び孫

①贈与財産額を贈与者の相続開始まで累積

②累積で2,500万円の非課税枠

③非課税枠を超えた額に一律20%の税率

納付税額1,036万円

1,036万円0円

無税贈与財産額(贈与時の価額)を相続財産の価額に加算して、相続税額を精算

納付税額100万円

税率×20%非課税枠

2,500万円

贈与額3,000万円

無税贈与時の納付税額100万円は還付

・・

贈与額3,000万円

4,500万円< 基礎控除:4,800万円

相続額1,500万円

制度の仕組み

贈与時

相続時

3,000万円を生前贈与し、1,500万円を遺産として残す場合の計算例

(平成27年1月1日以後の相続で、法定相続人が配偶者と子2人の場合)

【参 考】暦年課税の場合

合計納税額

1.暦年課税の仕組み

※扶養義務者相互間の生活費又は教育費に充てるための受贈財産 等

10% ~200万円 ~200万円15% ~400万円 ~300万円20% ~600万円 ~400万円30% ~1,000万円 ~600万円40% ~1,500万円 ~1,000万円45% ~3,000万円 ~1,500万円50% ~4,500万円 ~3,000万円55% 4,500万円~ 3,000万円~

課税財産額(基礎控除後の課税価格)直系卑属 一般税率

課税財産額

贈与税額超過累進税率

基礎控除(110万円)

1年間の受贈財産額

非課税財産等 (※)

2 .相続時精算課税の仕組み

17

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 消費税は、消費一般に対して広く公平に課される税です。そのため、原則として全ての財貨・サービスの国内における販売、提供などが課税対象であり、事業者を納税義務者として、その売上げに対して課税されます。また、税の累積を排除するために、事業者は、売上げに係る消費税額から仕入れに係る消費税額を控除し、その差額を納付することとされています。

 事業者に課される消費税相当額は、コストとして販売価格に織り込まれ、最終的には消費者が負担することが予定されています。(「直接税」と呼ばれる所得税などに対し、このように納税義務者と実質負担者が異なる税を「間接税」と呼びます。)

消費税について1

5 「消費税」を知ろう

消費税の仕組み

消費者消費税は、売上げに係る消費税額から、仕入れに係る消費税額を控除し、その差額を納付することとされています。

小売業者納税義務者 納税義務者 納税義務者

※税率8%で計算

消費税納税400円

最終的に消費税800円を消費者が負担

消費税

400円

納税160円

消費税

560円

納税240円

5,400円(税400円)

7,560円(税560円)

10,800円(税800円)

卸売業者製造業者

18

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 現行の社会保障制度の基本的な枠組みが構築された1960年代から今日に至るまでの間に、社会保障制度をとりまく状況は大きく変わっています。日本の社会保障制度は、社会保険方式を採りながら高齢者医療・介護給付費の5割を公費で賄うなど、公費負担に相当程度依存しています。

 その結果、近年、高齢者医療・介護給付費の増に伴い、負担増は公費に集中しており、これを賄う財源を確保できていないため、将来世代に負担を先送りしています。このままの状態を放置すれば、現在の社会保障制度を維持していくことが困難となるおそれがあります。しかしながら、皆さんのおじいさんやおばあさんなど、高齢者をはじめとした国民1人1人の生活の安心を支え、世界一の長寿国の原動力となってきた、世界に誇る日本の社会保障制度については、しっかりと継続させていく必要があります。

「社会保障と税の一体改革」について2

【出所】国立社会保障・人口問題研究所「平成27年度社会保障費用統計」、平成29年度の値は厚生労働省(当初予算ベース)

給付費120.4兆円

平成29年度平成29年度

保険料68.6保険料68.6

国庫負担32.7兆円

国債発行

資産収入等

財源114.9兆円十資産収入

地方税等負担13.6

介護・福祉その他

24.8(うち介護10.6)

(兆円)

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 (年度)0

20

40

60

80

100

39.5

16.2

46.1

66.9

47.447.4

114.9114.9

公費

保険料

給付費

×

×

医療38.9

税財源

年金56.7

公費46.3

給付費の増に伴う公費負担の増

19

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 このため、社会保障制度を維持していくための安定財源を確保し、そのことを通じて、諸外国と比べても非常に厳しい状況にある我が国の財政の健全化を目指す必要があります。

 消費税が、子どもや高齢者を含めた国民全体に負担をお願いするものであることや、税収が比較的安定しているといった性質を有することから、消費税収は社会保障に充てることとしています。

【出所】国立社会保障・人口問題研究所「平成27年度社会保障費用統計」、平成29年度の値は厚生労働省(当初予算ベース)

給付費120.4兆円

平成29年度平成29年度

保険料68.6

国庫負担32.7兆円

国債発行

資産収入等

財源114.9兆円十資産収入

地方税等負担13.6

介護・福祉その他

24.8(うち介護10.6)

(兆円)

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 (年度)0

20

40

60

80

100

39.5

16.2

46.1

66.9

47.447.4

114.9114.9

公費

保険料

給付費

×

×

医療38.9

税財源

年金56.7

公費46.3

財政健全化

諸外国と比べても非常に厳しい財政状況を改善

消費税率を10%(国・地方)へと引上げ(2019年10月)

社会保障の充実・安定化

待機児童解消、在宅医療の充実、認知症施策の推進、保険料軽減などに対応

 

高齢化の進展などによる給付費の増に対応し、現行の社会保障制度を安定化

(安定財源確保)

+

消費税をはじめとする税制抜本改革で安定財源確保

同時達成

<30年度消費税増収分の内訳> 《増収額計:8.4 兆円》

(注 1)金額は公費(国及び地方の合計額)である。(注 2) 上記の社会保障の充実に係る消費税増収分(1.35 兆円)と社会保障改革プログラム法等に基づく重点化・効率化による財政効果   (▲0.51 兆円)を活用し、社会保障の充実(1.87 兆円)の財源を確保。

1.35 兆円・子ども・子育て支援の充実 ・医療・介護の充実 ・年金制度の改善

3.2 兆円基礎年金国庫負担割合2分の1(平成 24年度・25年度の基礎年金国庫負担割合 2分の 1の差額に係る費用を含む)

社会保障の充実

0.39 兆円消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増・診療報酬、介護報酬、年金、子育て支援等についての物価上昇に伴う増

3.4 兆円後代への負担のつけ回しの軽減・高齢化等に伴う自然増を含む安定財源が確保できていない既存の社会保障費

20

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 少子高齢化を克服するために、我が国の社会保障制度を全世代型へさらに大きく転換していく必要があります。 このため、2019年10月に予定されている消費税率10%への引上げによる財源(5兆円強)の使い道を見直し、この中で従前から予定していた社会保障の充実策(1.1兆円程度)に加え、2兆円程度(注)を教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保に充てることとしました。(注)消費税増収分の他、事業主が拠出する子ども・子育て拠出金の増額による0.3兆円を含む。

<見直し前から予定していた主な充実策>

低所得者の介護保険料軽減

低所得高齢者の暮らしを支援

世帯全員の市町村民税が非課税である高齢者の介護保険料額(1号)を軽減 ※軽減対象者の軽減前保険料は 2.8~4.1 千円程度※10%引上げまでの間は、一部実施(年金収入 80万円以下の高齢者(650万人)を対象に、対象者 1人当たり約月 280円軽減)

消費税率10%引上げ時までに完全実施対象者 1人当たり約月1千円軽減

消費税率10%引上げ時までに実施給付金の支給

対象者 1人当たり月5千円等

<新たに行う予定の主な施策>

勤続年数10年以上の介護福祉士について月額8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費 1,000 億円程度を投じ、処遇改善介護人材の処遇改善

幼児教育の無償化3~5歳児について、幼稚園、保育所、認定こども園の費用無償化(注)

0~2歳児についても、当面、住民税非課税世帯を対象として無償化

待機児童の解消 2020年度末までに32万人分の受け皿整備

保育士の確保や他産業との賃金格差を踏まえて処遇を改善

高等教育の無償化住民税非課税世帯の子供たちに対して、●国立大学の場合、授業料の標準額を上限として減免●私立大学の場合、国立大学の授業料の標準額に、私立大学の授業料の平均額 との差額の2分の1を加算した額を上限として減免

(注)・子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園については、公平性の観点から、同制度における利用者負担額を上限  ・保育の必要性があると認定された子供であって、認可保育所や認定こども園を利用できていない者については、認可外保

育施設等のサービスについても無償化の対象

消費税率8%→10%への引上げにより行われる主な施策

21

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 消費税の軽減税率制度は、消費税率引上げに伴い、低所得者に配慮する観点から、2019年10月1日より「酒類・外食を除く飲食料品」及び「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に実施されます。軽減税率対象品目の税率は8%(国6.24%、地方1.76%)となっています(標準税率は10%(国7.8%、地方2.2%))。

「消費税の軽減税率制度」について2

保険料と給付費の関係

「消費税の軽減税率制度」について3

軽減税率の対象となる飲食料品の範囲

保険料と給付費の関係

1. 日本の消費税率8%のうち、1.7%相当は地方消費税(地方税)である。2. カナダでは、連邦税である財貨・サービス税(付加価値税)に加え、ほとんどの州で州税として付加価値税等が課される(例:オンタリオ州8%)。3. 上記中、 は食料品に係る適用税率である。「0」と記載のある国は、食料品についてゼロ税率が適用される国である。「非」と記載のある国は食料品が 非課税対象となる国である。なお、軽減税率・ゼロ税率の適用及び非課税対象とされる食料品の範囲は各国ごとに異なり、食料品によっては上記以外 の取扱いとなる場合がある。

【備考】

各国大使館聞き取り調査、欧州連合及び各国政府ホームページ等による。【出所】

EC指令

(標準税率)

EC指令

(軽減税率)

オーストリア

0

5

10

15

20

25

30

ベルギー

チェコデンマーク

エストニア

フィンランド

フランス

ドイツギリシャ

ハンガリー

アイルランド

イタリア

ラトビア

ルクセンブルク

オランダ

ポーランド

ポルトガル

スロバキア

スロベニア

スペイン

スウェーデン

イギリス

ブルガリア

クロアチア

キプロス

リトアニア

マルタ

ルーマニア

オーストラリア

カナダ

チリアイスランド

イスラエル

メキシコ

ニーュジーランド

ノルウェー

スイストルコ日本韓国中国カンボジア

インドネシア

ラオス

マレーシア

フィリピン

シンガポール

タイベトナム

台湾

(2018年1月現在)(%)

OECDOECD ASEAN + 3EU

10

20222222222000000

5.5

20222222222000000

7

19111111111999999

10

22222222222222222

10

21222222111111

12

25222222222555555

5

25222222222555555

5

19111111111999999

9

19111111111999999

11

24242424242424242424242424242424

15

25252525252525252525

1

18111111888888

11

17111111777777

8888888

2.5

7.77.77.77.77.77.77.77.77.77.77.77.77.7

3

17111111777777

6

21222222111111

5

23222222222333333

6

23222222222333333

10

20202020202020202020

9.5

22222222222222222222

6

21222222111111

15

21222222111111

14

24222222222222222222444444444

13

24222222222222222222444444444

18

0

27222222222777777777

2122222211111123222222222333333

0

20222222222000000

0

10111111000000

10111111000000

10111111000000

10111111000000

10111111000000

0

6666666

7777777

10111111000000

5555555

12111111222222

7777777

0 0

5555555

0

1811111188888820222222222000000

19111111111999999

1511111155555517111111777777

0

16111111666666

21222222111111

25222222222555555

20222222222000000

55

飲食科品 (食品表示法に規定する食品)

=人の飲用又は食用に供されるもの

※一定の一体資産は飲食料品に含まれます。

標準税率対象

軽減税率対象

MILK

PIZZA

テイクアウト・宅配等

医薬品・医薬部外品等

一体資産 (※)

TEA

有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供

ケータリング等

酒類

wine 酒 beer

Bistro

外食

付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の国際比較

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 法人税は、法人の企業活動により得られる所得に対して課される税です。法人の所得金額は、益金の額から損金の額を引いた金額となっています。益金の額とは、商品・製品などの販売による売上収入や、土地・建物の売却収入などで、また、損金の額とは、売上原価や販売費、災害等による損失など費用や損失に当たるものです。(実際は、企業会計上の税引前当期利益を基礎に法人税法の規定に基づく所要の加算又は減算(税務調整)を行い、所得金額を算出します。)

 法人税額は、そうして得られた所得金額に税率をかけて税額控除額を差し引くことで算出します。

6 「法人税」を知ろう

法人税について1

企業会計における当期利益の計算

課税所得と法人税額の計算

・原材料費・人件費・減価償却費・支払利息 ・法人事業税 等

企業会計上は費用とならないが、税務上は損金とするもの等

減算

加算

欠損金の繰越控除租税特別措置による所得控除受取配当等の額 等

課税所得税引前当期利益利益

費用

収益

算出税額 法人税額

税額控除×税率

・所得税額控除 ・外国税額控除・租税特別措置に よる税額控除 等

企業会計上は費用となるが、税務上は損金とはしないもの等一部の引当金への繰入額一定額を超える交際費、寄附金の支出額 等

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 法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革し、「稼ぐ力」のある企業等の税負担を軽減することで、企業に対して、収益力拡大に向けた前向きな投資や、継続的・積極的な賃上げが可能な体質への転換を促すため、「課税ベース(課税の対象となる範囲)を拡大しつつ税率を引き下げる」という方針の下で法人税改革が進められました。

 この成長志向の法人税改革は、平成27年度改正から始まり、改革2年目である平成28年度改正で、目標とされていた「法人実効税率20%台」が実現しています。

「成長志向の法人税改革」について2

法人実効税率の国際比較

(注1)法人所得に対する税率(国税・地方税)。地方税は、日本は標準税率、アメリカはカリフォルニア州、ドイツは全国平均、カナダはオンタリオ州。フランスについては、   課税所得のうち50万ユーロ以下の部分の税率は28%。なお、法人所得に対する税負担の一部が損金算入される場合は、その調整後の税率を表示。(注2)フランスにおいては、2018年から税率を段階的に引き下げ、2022年には25%となる予定。イギリスにおいては、2020年度から17%に引き下げる予定。(出典)各国政府資料等

日本 フランス ドイツ アメリカ カナダ 中国 イタリア イギリス

(2018年1月現在)平成25年度平成平成平成25年度25年度25年度

平成30年度平成平成平成30年度30年度30年度

平成28・29年度平成平成平成

28・29年度28・29年度28・29年度

37.00%333333333777777777777.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00.00%%%%%%%%%

29.97%29.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.9729.97%%%%%% 29.74%29.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.7429.74%%%%%%%%%%%%%%%33.33%33.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.3333.33%%%%%%%%% 29.83%29.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.8329.83%%%%%%%%%

27.98%27.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.9827.98%%%%%%%%%

29.79%26.50%26.5026.5026.5026.5026.5026.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7929.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5029.7929.7929.7926.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.5026.50%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% 25.00%25.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.0025.00%%%%%%%%%%%%%%% 24.00%24.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.0024.00%%%%%%%%%%%%19.00%19.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.0019.00%%%%%%%%%%%%%%%

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 国際課税制度は、国際的に活動する企業・個人の課税関係を調整する仕組みです。国際的にルールを統一化・明確化しておくことが経済活動や行政にとって重要ですので、日本の国際課税制度は国際的な議論も踏まえて設計しています。

 最近の主な国際的取組みに、「BEPS(Base Erosion and ProfitShifting(税源浸食と利益移転))プロジェクト」があります。これは、多国籍企業による国際的な課税逃れを防ぎ、公平な競争条件を整えるために、日本も参加してOECDが中心となって進めたもので、2015年10月に主要国間で合意し、今や110か国超が参加する一大プロジェクトです。

 この背景には、世界各国がリーマンショック後に財政状況を悪化させて、より多くの国民負担を求める中、多国籍企業が各国の税制や国際課税ルールのずれを利用することで課税逃れを行うことに対する批判が高まったことがあります。現在は、BEPSプロジェクト参加国が合意内容に基づいて、国内法の整備や租税条約の改正を行っています。

国際課税制度について1

7 「国際課税」を知ろう

「BEPS」の問題点

○国境を容易に越えられない納税者がより大きな割合の税負担を強いられる。

○BEPSを行っていない企業の競争条件が不利になり、公平な競争が害される。

個 人

法 人

多国籍企業が各国の税制や国際課税ルールのずれを利用して税負担を軽減

○納税者の不公平感の高まり、税制に対する信頼の揺らぎ。○税収の減少による財政の悪化。○社会保障や公共投資等に必要な財源が不足する。

政 府

〈A国〉

親会社

割高な原材料費

原材料

$〈A国より税率が低い国〉

子会社

グループ会社を利用した「BEPS」の例

親会社が、税率が低い国に所在する子会社に対して割高な原材料費を支払うことで、通常の価格で取引した場合よりも親会社の利益が減少することとなる(税率が高い国の税源が浸食され、税率が低い国に利益が移転)。

移転された利益は税率が低い国で課税され、グループ全体の税負担が軽減される。●

25

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 日本は、二重課税の除去等を通じた二国間の健全な投資・経済交流の促進を図ることを目的として、各国との間で租税条約を結んでいます。租税条約では、国際的な租税回避や徴収回避に対抗することを目的として、情報交換や徴収共助といった税務当局間の協力のための枠組みも規定されています。

 平成30年6月1日時点で、日本は70の租税条約等を123か国・地域との間で適用しています。

(注1)税務行政執行共助条約が多数国間条約であること、及び、旧ソ連・旧チェコスロバキアとの条約が複数国へ承継されていることから、条約等の数と国・地域数が一致しない。(注2)条約等の数及び国・地域数の内訳は以下のとおり。   ・租税条約(二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止を主たる内容とする条約):57 本、68 か国・地域   ・情報交換協定(租税に関する情報交換を主たる内容とする条約):11 本、11 か国・地域(図中、(※)で表示)   ・税務行政執行共助条約:締約国は我が国を除いて84 か国(図中、国名に下線)。適用拡張により99 か国・地域に適用(図中、適用拡張地域名に点線)。このうち我が国と              二国間条約を締結していない国・地域は43 か国・地域。   ・日台民間租税取決め:1本、1地域(注3)台湾については、公益財団法人交流協会(日本側)と亜東関係協会(台湾側)との間の民間租税取決め及びその内容を日本国内で実施するための法令によって、全体として   租税条約に相当する枠組みを構築(現在、両協会は、公益財団法人日本台湾交流協会(日本側)及び台湾日本関係協会(台湾側)にそれぞれ改称されている。)。

日本の租税条約ネットワーク《70条約等、123か国・地域適用/平成30年6月1日現在》 (注1)(注2)

租税条約について2

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平成 30 年 6 月