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製造業・手順を含有した品質マニュアル © nsweb 2002.2 文書番号 : ZQMP 百万石(株) 所在地 : 石川県金沢市兼六町 1 品質 マニュアル 注 : 社内LAN内の電子媒体が原本であり、 複写されたものは改訂管理がされない。 制定 : ○年○月○日 最新改訂 : ○年○月○日 (第○版)

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  • 製造業・手順を含有した品質マニュアル

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    文書番号 : ZQMP

    百万石(株)

    所在地 : 石川県金沢市兼六町 1

    品質

    マニュアル

    注 : 社内LAN内の電子媒体が原本であり、 複写されたものは改訂管理がされない。

    制定 : ○年○月○日

    最新改訂 : ○年○月○日 (第○版)

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    章 目 次 ページ

    目次 1

    1 企業概要および品質マネジメントシステムの概要 2

    2 経営ビジョンおよび品質方針 2

    図 1-1 ビジネスプロセス図 3

    図 1-2 ビジネスプロセス図 (製品実現のプロセス) 4

    3 組織構造および責任・権限 5

    4 文書化とその管理 6

    5 経営者の一般的責任 9

    6 品質マネジメントシステムの運営管理 9

    7 人的資源の管理 13

    8 インフラストラクチャーおよび作業環境の管理 15

    9 マーケティングおよびサービス 17

    10 製品の設計開発 19

    11 生産計画および購買 23

    12 生産技術開発および工程設計 26

    13 製造 28

    14 内部監査 34

    15 プロセスの有効性評価 36

    16 改善活動 36

    改訂履歴 39

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    1.企業概要および品質マネジメントシステムの概要

    1.1 企業概要

    当社は現在の代表取締役である百万石利家によって1978年に創設された。 一般機械産業向けの動

    力伝達装置の製造・販売を専門に事業を行っている。

    兼六町工業団地にて 600 平方メートルの平屋建ての社屋を有し、○○年現在30名の常勤の技術者

    と事務員、および5名のパートタイマーの要員で構成されている。 品質に対する企業の社会的責務の証

    明として、○○年にISO9001:2000に基づく品質マネジメントシステムを導入した。

    1.2 品質マネジメントシステムの適用範囲

    当社の事業活動おける ISO9001:2000 の適用範囲は以下の通りである。

    ・本社事業所における動力伝達装置および関連製品に係わる、設計開発、製造、販売活動

    またこの範囲内においては、適用を除外する ISO9001:2000 の条項は存在しない。

    1.3 品質マネジメントシステムのプロセス

    ISO9001:2000に提唱されたプロセス指向の品質マネジメントシステム(以下QMS)を採用する。顧

    客要求事項を確実に満たした製品並びにサービスを顧客に提供するために必要となる運営活動、経営

    資源の提供、製品実現の業務、および測定・分析・継続的改善のプロセスを策定する。

    品質マネジメンントシステムの概要を、図 1-1 および図 1-2 にビジネスプロセス図で示す。

    社内の全スタッフは、顧客の要求事項および品質方針を満たす必要性について認識しており、本品

    質マニュアルおよび関連する文書には、これらを達成するための手順を示す。このQMSが顧客の特殊

    な要求事項に対応できない場合には、別途企画書や要領書を作成する。

    2.経営ビジョンおよび品質方針 社長の経営理念のもと、当社の経営ビジョンを以下のように定める。

    「当社とかかわるすべての利害関係者との良好な関係を築き、社会に存在価値を

    認められる企業をめざす」 経営ビジョンと中長期経営計画により、○○年度における品質方針を以下の通り定める。 ・顧客満足の向上を中心に、全ステークホルダーとの良好な関係を築く。 ・製品品質および業務システムの継続的改善を行う。 ・新製品の積極的な開発と現業の収益管理体制の強化を図る。

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    図 1-1 ビジネスプロセス図

    〔B〕資源の運用管理 〔B1〕人材開発

    〔B2〕インフラ、環境の運用管理

    〔D〕測定、分析および改善 〔D1〕内部監査

    〔D2〕プロセスの有効性評価

    〔D3〕改善活動

    〔A〕経営者の責任 〔A1〕 QMSの運営管理

    - 品質方針・品質目標

    - 責任・権限、コミュニケーション

    - 社長診断

    〔C〕製品実現

    〔C2〕

    製品の設計開発

    〔C1〕マーケティング

    および サービス

    〔C4〕

    生技および工程設計

    〔C5〕

    製 造

    経営理念・経営ビジョン

    市場要求

    製品の

    提供

    4.1, 5.1, 5.2, 5.3, 5.4, 5.5,

    5.6, 6.1, 7.1, 8.1

    6.1, 6.2, 6.3, 6.4

    8.1, 8.2, 8.4, 8.5

    7.1, 7.2.1, 7.3 7.1, 7.4.1, 7.4.2, 8.4

    5.2, 7.1, 7.2, 7.5.1, 7.5.4, 8.2.1, 8.2.4, 8.46.2, 6.3, 6.4, 7.1, 7.4.3, 7.5, 7.6, 8.2.3, 8.2.4, 8.3, 8.4

    文書管理はすべてのプロセスに適用される

    〔C3〕生産計画および購買

    4.2

    7.1, 7.3, 7.5.1, 7.5.2

    6.2

    6.3, 6.4

    8.2.2

    8.2.3

    8.5

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    図 1-2 ビジネスプロセス図(製品実現のプロセス)

    製品実現のプロセス

    市場 要求

    引合い

    注文

    製品の 提供

    顧客 要望

    供 給 者

    仕様企画

    開発計画 設計開発

    の実施 設計開発の

    審査・検証

    設計開発の変更管理

    市場調査および 顧客満足度調査

    見積 提案

    契約 受注

    サービス

    保証

    発注

    供給者の評価・管理

    生産技術

    開発 工程設計

    マーケティングおよびサービス

    製品の設計開発 生産技術および工程設計

    内製品

    製造 組立 完成品

    試験 検査

    梱包 保管 出荷

    工程の共通的管理

    製 造

    購買品の受入・検査

    生産 計画

    生産計画および購買

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    3.組織構造および責任・権限

    ○年○月○日現在

    百万石㈱ 組組織織図図

    職務分掌

    社長 ・顧客の要求事項および経営計画を満たすための、組織の全体的活動と業績に対する責任をもつ。 ・経営資源が事業目標を満たすのに適切なものであることを確実にする。

    副社長(管理責任者) ・業務執行の全般について社長を補佐し、社長が不在の場合は業務を代行する。 ・品質マネジメントシステムの実施状況を監視し、改善の必要性について社長に報告する。 ・品質マネジメントシステムが ISO9001 に適合したものであることを確実にし維持する。 ・顧客の要求事項および満足度に対する社内の意識付けを推進する。 ・認証機関との審査活動に関わる調整を行う。

    総務部長 ・新規スタッフの採用および全スタッフの能力開発を推進する。 ・インフラストラクチャー・環境の整備、および安全衛生を全社的に統括し、維持・管理する。

    販売部長 ・市場調査および全ての販売活動を統括し実施する。 ・顧客要求事項が理解され、伝達されることを確実にする。

    開発部長 ・市場ニーズを分析し、新商品の開発計画を策定する。 ・製品にかかわる全ての設計開発活動を統括し実施する。 ・設計仕様に起因する品質問題を分析し処置する。

    生産管理部長 ・製品の生産計画を作成または変更する。 ・供給先の選定、および全ての外注品の購買活動を統括し実施する。 ・部材・製品の保存、引渡しに関する業務を管理する。

    品質保証部長 ・部材・製品における製造品質基準を決定し、製品要求事項を満たすことを確実にする。 ・すべての市場品質問題を統括管理し、分析・処置を推進する。

    製造部長 ・必要な生産技術を開発し、生産設備を維持・管理する。 ・すべての製造工程の運営管理を行い、生産活動が製品要求事項を満たすことを確実にする。

    販売部 開発部 総務部

    購買

    生産管理部

    設計

    G 試作

    評価

    生産

    計画

    製造部

    生産

    技術

    内製

    品質保証部

    検査

    技術

    サービス

    G 組立

    保管

    物流

    社 長

    副社長 (管理責任者)

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    4.文書化とその管理

    4.1 目 的 a)品質マネジネントシステム(以下QMS)の改善または新規構築の必要性が発生した場合、関連する

    文書・記録の制定または改訂が、時宜を得て効果的になされることを確実にする。 b)文書の識別、保管、廃棄に関する手続きを標準化する。

    4.2 適用範囲 QMSに含まれる以下の文書類の制定/改訂に対して、検討、実施、有効性確認、および識別、保管、

    廃棄等に関する管理に適用する。

    ・品質マニュアル、および業務手順を示した規定文書類

    ・上記に関連する補助文書類、外部からの文書類、および記録用帳票類

    ・組織活動に伴い作成されたすべての記録

    4.3 文書の新設/変更の手順 (記録以外の全ての社内文書に適用)

    担当責任者 手 順 インターフェイス

    各スタッフ ① 制定/改訂の必要性を特定し、部門長および関係

    部門に提案する。

    電子メール 改善レポートなど

    部門長または

    他部門関係者 ② 原案を作成する。必要ならば関係者を含めた共同

    作業で行う。

    部門長または

    文書承認者 ③ 制定/改訂文書の内容を検討し、承認する。

    文書管理者 ④ 文書番号または版番号を採番し、文書管理台帳に

    登録または更新をする。

    制定/改訂文書は社内LAN内の所定のフォル

    ダーに格納する。

    文書管理台帳

    文書管理者 ⑤ 制定/改訂の通知を関係者全員に行う。

    電子メールなど

    全関係者 ⑥ 新設または変更された内容に従って、活動を実施

    する。

    部門長または

    関係者 ⑦ 活動の有効性を評価する。

    部門長または

    関係者 ⑧ 必要な場合は、継続して活動の有効性を監視し評

    価する。

    部門長または

    文書改訂者 ⑨ 文書の適切性を定期的に評価する。

    ISO9001 関連条項 : 4.2

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    ① 文書の制定/改訂を行う必要性は以下の発生源を含み多々ある。

    ・スタッフからの改善提案

    ・工程、業務プロセスの監視結果、および有効性の評価結果

    ・内部監査の結果

    ・顧客からの情報

    ・文書内容の適切性の定期的な評価結果

    誤字脱字については、次回の文書改訂の際に訂正されることでよい。

    ② 新設または変更する内容は実行可能で、他の業務手順に影響を与えないことを原則とする。

    品質方針や品質目標に影響を与える内容であれば、事前に社長または関係部門長と調整する。

    ③ 承認は文書管理台帳で規定された者が電子スタンプ押印にて行う。

    新たに制定する場合は、その業務手順を主担当する部門長または任命された者が承認する。

    ④ 制定文書については、文書番号を採番する。 (4.6 社内文書の採番規則 を参照)

    改訂文書の場合は、版番号を更新し、識別を確実にする。

    社内LANの所定のフォルダーに格納されている電子データを原本とする。

    ハードコピーされ出力された文書は、改訂時の更新管理がされない。

    また旧文書の保持が必要な場合は、データを廃止文書フォルダーに移し保管する。

    ⑤ 文書管理台帳に示された通知部門に、電子メール等により連絡する。

    連絡を受けた部門は、旧文書を使用している場合は撤去または廃棄処理する。

    ⑥ 必要な場合、実行前に関連するスタッフに手順の教育訓練や指導を行う。

    ⑦、⑧ 文書変更者とその部門長、および他の関係者が協業して行う。

    ⑨ 改訂時には、追加・変更箇所のみならず、その文書内容全体の適切性を確認する。

    最新改定日以後、2年を経過した場合は、内容の適切性を再評価する。 その結果、変更が必要

    な場合は、改訂の手続きをとる。

    4.4 外部文書の管理手順

    外部文書は表1の形態に分類される。

    表1

    分類形態 具体例 管理責任部署

    顧客文書1 顧客から支給された仕様書、図面等の技術文書類 技術部

    顧客文書2 見積依頼、注文書等の営業業務文書類 販売部

    供給者文書 購入品の見積書、納品書、検査成績書など 購買部

    規格類 ISOなどの国際規格、JISなどの国内規格 技術部

    法規関連 製品に関連する法規文書 技術部

    ・これらの文書は、受領時に「外部文書管理台帳」に登録し、配布する場合は配布先を記入する。

    ・機密保持および返却が必要な顧客から支給された文書は、特別な管理を施す。

    ・規格および法規関連文書は常に最新版を維持する。 旧文書を保管する場合は「旧」と明示する。

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    4.5 記録の管理手順

    所定帳票を用いた記録の名称は「文書管理台帳」に登録する。 紙が媒体の記録は「文書管理台帳」

    の承認者欄の管轄する部門毎に所定のファイルに類別して保管する。 電子データ形式の記録は社

    内LAN内の部門別の所定ファイルに保存する。

    保管期限は「文書管理台帳」の年月に従い、期限を過ぎたものについては、廃棄処分を原則とする。

    保管期限の設定にあたっては、顧客サービス期間および製造物責任法やその他の規制要求事項に

    従う。

    所定帳票以外で発生した記録は、原則として作成部門毎にファイルにて保管し、保管期限などの必要

    な管理情報をそれぞれのファイルに表示する。

    4.6 社内文書の採番規則

    社内文書には、その階層レベル/種類により表2に示す文書番号を付与する。

    表2 社内文書の番号

    階層レベル 種類 文 書 番 号

    1次 品質マニュアル

    ZQM とする

    2 次 要 領

    □□W□□□

    |||||└ 副番 (1~9)

    │││└┴─ 主番号 (連番:01~99)

    ││└──― 要領を表す(Work Instruction)

    │└───― サブプロセスの番号(1~9)

    └────― プロセスコード

    2次に付随 帳 票

    □□F□□□

    |||||└ 副番 (1~9)

    │││└┴- 主番号 (連番:01~99)

    ││└──― 帳票を表す(Form)

    │└───―サブプロセスの番号(1~9)

    └────― プロセスコード

    プロセスコードは適用範囲により、以下のように定める。

    ・品質マネジネントシステム全体にかかわる文書 : Z

    ・経営者の責任に関する文書 : A

    ・資源の運用管理に関する文書 : B

    ・製品/サービスの実現に関する文書 : C

    ・測定、分析および改善に関する文書 : D

    4.7 関連文書 文書管理台帳 (Z1W010)

    外部文書管理台帳 (Z1F010)

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    5.経営者の一般的責任

    5.1 最高経営者の一般的責任

    最高経営責任者である社長は、顧客および法令・規制要求事項を満たすことの重要性を、社内に

    周知・徹底させる責務をもつ。 また全社の品質方針および目標の設定し、これら達成すために必要な

    資源を明確にし、マネジメントレビューを通じてすべての業務プロセスの運営が効果的であることを確

    実にする。

    5.2 品質マネジメントシステムの計画

    経営層は内外の経営環境の分析を行い、経営理念とビジョンに沿って、全社の品質方針・目標を策

    定し、すべての業務の指針と枠組みを提示する。 これらの全社的計画は、経営環境の変化、および提

    供できる経営資源の変化により適宜見直し維持を図る。

    また既存のQMSで目的の達成が不可能な特別な要求事項に対しては、経営層が新規プロジェクト

    を策定し、新たなQMSの運営体制を構築する。

    5.3 組織構造および責任・権限

    QMSを構成する組織構造と、その責任・権限を、当品質マニュアルの3章に定義する。 社内の各ス

    タッフに対しては、職務分担表、およびQMS文書に記載された内容にて伝達する。

    QMSの効果的な実施および維持の責任を持つ管理責任者を任命し、その責任および権限も職務

    分掌で定義する。

    5.4 内部コミュニケーション

    文書化されたQMSは組織内における主要なコミュニケーションツールである。 また各業務の有効

    性を評価するための、各部門内および全社レベルでの連絡会議を定期的に開催する。 また社内のコ

    ンピュータ・ネットワーク、掲示板、社内連絡メモなどを日常の情報共有媒体として使用する。

    ISO 9001 関連条項 : 5.1 5.2 5.4 5.5 7.1

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    6.品質マネジメントシステムの運営管理

    6.1 目 的 1)社長による品質マネジメントシステム(以下QMS)の構築および実施に対するコミットメントを社内に伝達し展開する。

    2)新規事業の運営体制を確立し効果的な実施をする。 3)品質方針および品質目標が策定され、達成に向けての活動を展開する。 4)QMSの有効性を評価し、更なる改善に努める。

    6.2 適用範囲 品質マネジメントシステムの構築・実施に関する社長、品質管理責任者、部門長をはじめ、すべての関

    係者の業務に適用する。

    6.3 手順の概要と詳細

    担当責任者 手 順 インターフェイス

    社長 ① 経営ビジョンおよび中長期経営計画を策定する。

    社長 ② 全社の品質方針・品質目標を設定する。

    全社品質方針・目標

    社長

    管理責任者

    各部門長

    ③ 品質方針・目標を達成するため以下を策定する。

    ・必要な業務体系の構築と責任・権限の明示

    ・必要な資源の計画と提供

    ・内外のコミュニケーションの手段

    事業化企画要領 プロジェクト計画書

    8.インフラストラクチャーおよ

    び作業環境の管理

    各部門長 ④ 業務単位別に品質目標を細分化し、個々の活動

    計画を作成する。

    部門目標管理プログラム

    全関係者 ⑤ 個々の活動を実施する。

    各部門長 ⑥ 実施状況と目標達成状況を監視し点検する。

    目標実績評価シート

    社長

    管理責任者 ⑦ 社長診断会を実施し、総合的な有効性の点検を

    する。

    社長診断会議事録

    社長

    管理責任者

    各部門長

    ⑧ 関連する業務計画に反映し、QMSの継続的改

    善を行う。

    継続的改善計画

    ISO 9001 関連条項 : 4.1 5.1 5.2 5.3 5.4

    5.5 5.6 6.1 7.1 8.1

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    - ① - ・ 経営ビジョンは、全利害関係者との良好な関係を築き、社会に存在価値を認められる企業をめざす

    理念のもと、原則として不変的なものとする。

    ・ 中長期経営計画は、顧客とのコミュニケーションやその他の情報源を通して得られる市場トレンドを

    分析し策定する。

    - ② - 全社の品質方針作成の指針

    ・経営ビジョンおよび中長期経営計画を達成するために適切である。

    ・顧客要求事項、製品要求事項への適合を確約する。

    ・QMSの有効性を継続的に改善することを確約する。

    全社の品質目標作成の指針

    ・製品品質、コスト、生産供給量、納期、環境、安全衛生等の経営要素から重要課題を取り上げる。

    ・ISO9004:2000の品質マネジメントの原則から重要課題を取り上げる。

    ・新製品、サービスの実現にあたっての重要指標を提示する。

    ・目標値を定量化し、部門目標の作成のための指針を与える。

    全社の品質方針・目標運用方法

    ・年度毎の設定を原則とし、社長診断会の結果および経営環境の変化等により毎年見直す。

    ・会社全体に伝達し、全スタッフに周知する。(全社集会、各種会議体、社内ネット等を通して)

    - ③ - 必要な業務体系の構築と責任・権限の明示

    現状の業務体系で実行不可能な場合は、工程新設・変更、組織変更またはプロジェクトチームの編

    成があり得る。 その場合も、各スタッフの責任・権限が定められ、組織図、企画書、その他の関連文

    書に反映される。

    必要な資源の計画と提供

    計画・提供する資源として、スタッフの人数および力量、設備機器、開発予算などが含まれる。

    内外のコミュニケーションの手段

    顧客との連絡会の設置、社内の進捗管理のための会議体の設置などについて特定される。

    - ④ - 部門毎の品質目標作成の指針

    ・全社の品質目標達成のため、その要素を部門毎に分担する。

    ・目標値は定量化し、全社の目標値と整合性がとれるように設定する。

    ・目標達成のための方策(重点活動)を策定し、推進責任者、報告点検頻度などを明確にする。

    - ⑤ - 計画を変更する必要が生じた場合は、部門品質目標および必要に応じて全社品質目標の修正を行い、

    常に活動内容と品質目標の整合性をとる。

    - ⑥ - 推進責任者は定められた期間毎に実施状況を報告する。 定められた点検者が、目標の達成度を評価

    し、必要な際は改善のための指示・指導を行う。

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    - ⑦ - 原則として半期毎に社長診断会を実施する。 議題として以下の項目をすべて取り上げる。

    ・品質目標の達成状況

    ・製品の適合性または不適合に関する課題

    ・顧客からの苦情および好意的情報

    ・とられた予防処置および是正処置の状況

    ・工程、スタッフ、供給者などの品質に影響を与えうる重要な変更

    ・内部監査および外部機関による監査の結果

    ・改善のための提案

    ・前回までの社長診断会における懸案事項の経過

    診断会において、これらの議題に対し社長は以下の決議を行う。

    ・品質方針・目標、業務体系、および製品についての必要な改善策

    ・人材、設備、予算などの資源の必要性

    - ⑧ - 社長診断会の決議結果は、以下に代表される次期の業務計画に反映され、継続的な改善が行われる。

    ・全社および部門の品質方針・品質目標

    ・事業化企画、新製品開発計画

    ・製品不良率低減活動

    ・顧客満足度調査

    ・内部監査計画

    ・改善提案制度

    6.4 当プロセスにおける有効性指標 ・ 品質目標の達成度 (達成件数の全件数に対する割合)

    ・ 社長診断会で改善が必要と判断された件数

    6.5 記録

    記録名 帳票 No. 保管期限 保管責任者

    全社品質方針・目標(年度別) A1F010 3年間 管理責任者

    部門目標管理プログラム(年度別) A1F020 3年間 各部門長

    目標実績評価シート A1F030 3年間 各部門長

    社長診断会議事録 A1F040 3年間 管理責任者

    継続的改善計画 A1F050 3年間 管理責任者

    6.6 関連文書 事業化企画要領 (A1W010)

    プロジェクト計画書 (C2F010)

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    7 人的資源の管理

    7.1 目 的 各職務に必要な力量の基準を明確にし、それを満たすために関連するスタッフの能力向上を計画的

    に実施することを確実にする。 また社内の全スタッフが、能力向上の重要性を認識し、組織的な品質目標達成に寄与することを目的とする。

    7.2 適用範囲 力量の向上と確保を目的に、社内の全スタッフに与えられるすべての教育・訓練、資格取得等の活動に

    適用する。

    7.3 手順の概要と詳細

    担当責任者 手順 インターフェイス

    管理責任者

    総務部長

    各部門長

    ① 全社、および各部門の特定業務に必要な力量

    を明確にする。

    力量基準・実績一覧

    総務部長

    各部門長 ② 必要な力量を満たすための、教育・訓練や資格

    取得等の実施計画を策定する。

    教育訓練計画書

    指導担当者

    全社員 ③ それぞれの教育・訓練を実施し、進捗を管理す

    る。

    受講報告書 教育訓練計画書

    指導担当者

    各部門長 ④ それぞれの実施した教育・訓練の有効性を評

    価する。

    教育訓練計画書

    管理責任者

    総務部長

    各部門長

    ⑤ 実施計画に対する実績・達成度を評価する。

    未実施、および有効性未達項目は次期計画に

    反映させる。

    力量基準・実績一覧

    管理責任者

    総務部長 ⑥ 事業計画や品質方針・目標が見直された場合、

    それに応じて必要な力量も見直す。

    力量基準・実績一覧

    -①-

    各部門長は自部門および自部門内の特定業務につき、必要な力量基準を明確にする。 総務部長は

    職位毎に応じた全社的な力量基準を明確にする。 これらを「力量基準・実績一覧」に反映させ、品質

    管理責任者が承認する。

    -②-

    年度初めに「力量基準・実績一覧」に基づき、総務部長および各部門長は年間の「教育訓練計画書」

    を以下の観点から作成する。

    ISO 9001 関連条項 : 6.1 6.2

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    ・ 個人の能力開発意向、および人事考課における実績より

    ・ 品質目標、目標管理プログラムの達成のため

    ・ 全社または部門共通の力量基準に未達のスタッフは、優先的に計画する

    ・ 新たに必要となった力量基準については、最適なスタッフを選出し、優先的に計画する

    実施計画の作成にあたっては、該当するスタッフと十分に協議し、スタッフ自身が教育訓練の意義を

    認識することを確実にする。

    代表的な教育・訓練の種類、および有効性の評価方法には以下のものがある。

    種別 実施形態 実施場所 主な有効性の評価方法

    全社的に共通の基礎的な

    知識・技能

    全社集合教育 社内 ・簡易的な試験の合否

    ・指導員の見解

    職位に応じた管理者教育

    全社教育 社内および社外 ・レポートによる判定

    特定の業務遂行に必要な

    基礎的な知識・技能

    部門毎に個別

    (OJT含む)

    社内 ・実務遂行状況の監視

    ・指導員の見解

    特定の業務遂行に必要な

    専門的な知識・技能

    部門毎に個別 社内または社外 ・実務遂行状況の監視

    ・試験の合否

    公的またはそれに準じる

    資格の取得

    外部機関に委託

    または斡旋

    社外中心 ・試験の合否

    -③-

    教育・訓練を受けたスタッフは「受講報告書」を作成する。

    すべての教育・訓練の実施状況は、「教育訓練実施計画」に記録し管理する。

    -④-

    「教育訓練実施計画」に定められた方法で、教育・訓練の実施後に指導員がその有効性を評価し、総

    務部長または部門長が承認する。

    -⑤、⑥-

    「力量基準・実績一覧」は年間の実績に応じて、年度毎に更新する。

    力量基準の変更または追加が生じた場合もその都度見直し、「教育訓練実施計画」の変更・追加の要

    否も判断する。

    7.4 当プロセスにおける有効性指標 ・教育訓練実施計画に対する達成の割合 (全項目に対し有効性の認められた項目の割合)

    7.5 記録

    記録名 帳票 No. 保管期限 保管責任者

    力量基準・実績一覧表(年度別) B1F010 3年間 総務部長

    教育訓練実施計画書(年度別) B1F020 3年間 各部門長

    受講報告書 B2F030 3年間 総務部長

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    8.インフラストラクチャーおよび作業環境の管理

    8.1 目 的

    品質マネジメントシステム(以下QMS)の運営・維持・改善を目的に、製品要求事項への適合を達成す

    るために必要なインフラストラクチャー(以下インフラ)および作業環境を提供し、維持・管理することを確

    実にする。

    8.2 適用範囲

    インフラ : 建物・施設、および工場・事務所内の設備機器・道具・情報処理システムに適用する。

    作業環境 : 全スタッフが業務を行う工場・事務所内のすべての区域に適用する。

    8.3 手順の概要と詳細

    担当責任者 手 順 インターフェイス

    管理責任者

    各部門長

    総務部

    ① ・ インフラ提供の新たなニーズ、または改善

    の必要性が発生する。

    ・ 作業環境の維持管理または改善の必要性

    が発生する。

    プロジェクト計画書

    品質方針・目標

    その他の提案など

    社長、各部門長

    総務部長

    ② ・ 提供または改善の必要なインフラを明確に

    し、調達または改良作業を承認する。

    ・ 維持管理または改善の必要な作業環境を

    特定し承認する。

    総務部長

    総務部長

    ③ ・ 新たなインフラは登録し、管理基準を設定

    する。

    ・ 管理対象の作業環境を登録し、管理基準

    を設定する。

    登録資産一覧

    作業環境管理簿

    各部門

    総務部 ④ インフラおよび作業環境の日常点検、定期点

    検やパトロールを通して、維持管理を行う。

    設備管理要領 インフラ点検票

    作業環境管理簿

    各部門

    総務部 ⑤ インフラの機能不具合、作業環境の不適合等

    が発生した場合は、内容を記録し、修理・手

    直し、環境改善等の処置をする。

    インフラ点検票 作業環境管理簿

    16.改善活動

    -①-

    インフラの提供や改善の必要性、および作業環境の維持管理や改善の必要性は、主として以下より発

    生する。

    ・「プロジェクト企画書」などで計画された新商品の開発

    ・全社または部門別の「品質方針・目標」、「目標管理プログラム」で示された特別の活動計画

    ・各部門における業務改善・効率向上のための提案

    ・点検やパトロールによる検証結果

    ISO 9001 関連条項 : 6.1 6.3 6.4

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    -②-

    稟議区分に従い、社長または当該各部門長が、次のものの承認をする。

    ・インフラの調達

    ・製品品質確保のための作業環境の改善

    総務部長は、次のものの活動を特定し推進する。

    ・外部の環境負荷低減のための作業環境の改善

    ・社員の安全衛生確保のための作業環境の改善

    -③-

    新たに調達されたインフラ、および管理対象となる作業環境は、それぞれ総務部長管理下の「登録資

    産一覧」および「作業環境管理簿」に登録する。 また管理基準も明記する。

    -④-

    インフラは「登録資産一覧」に定められた管理部門が点検と維持管理を行い、「インフラ点検票」に記

    録する。

    注) ・工場における生産設備については、13.製造の 13.5.6 項を参照

    ・情報処理システムについては、データバックアップ、ウイルスチェック、不正アクセスの防止

    対策を含める。

    作業環境は環境・安全衛生委員会が月1度巡回パトロールを実施し、結果を「作業環境管理簿」に記

    録する。

    -⑤-

    重大な不適合については、当該部門長または総務部長の判断のもと、8.3 改善活動に従い処置をす

    る。

    8.4 当プロセスにおける有効性指標

    ・各インフラの機能不具合発生件数 (半期毎)

    ・作業環境に関わる不適合発生件数 (半期毎)

    8.5 記録

    記録名 帳票 No. 保管期限 保管責任者

    作業環境管理簿 B2F010 3年間 総務部

    インフラ点検票 B2F020 1年間 各部門

    6.2.6 関連文書

    登録資産一覧 (B2W010) 設備管理要領 (C4W030)

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    9.マーケティングおよびサービス

    9.1 目 的 顧客に直接的に関連するプロセスで標準的な業務処理が行われ、また顧客との能動的なコミュ

    ニケーションを図ることにより、顧客満足度の向上を目指すことを目的とする。

    9.2 適用範囲 顧客と密接に関連する以下の業務プロセスに適用する。

    ・市場および顧客ニーズの調査

    ・見積、契約、受注処理

    ・納品および販売後の保証、サービス

    ・顧客満足度の調査、クレーム処理

    9.3 手順の概要と詳細

    担当責任者 手順 インターフェイス

    販売部および

    関連部門 ① 市場調査により顧客ニーズを把握し分析する。 お客様アンケート票

    モニター調査票

    開発部および

    関連部門 ② 分析された顧客ニーズを品質方針・目標、新製品

    開発、および販売・サービス手法等に反映する。

    6.QMSの運営管理 10.製品の設計開発

    販売部

    開発部 ③ 個別製品についての具体的な引き合いを受ける。

    販売部 ④ 提案する製品仕様およびその他の要件を明確に

    し、見積書等を顧客に提示する。

    見積書 提案・契約内容事前確認書

    販売部 ⑤ 契約および受注処理を行う。

    生産が計画される。

    契約書、顧客注文書 受注書/生産依頼書

    11.生産計画

    製造部

    生産管理部 ⑥ 必要な生産活動を実施した後、定められた方法で

    出荷・納入する。

    納品書

    品質保証部 ⑦ 必要な保守・点検・修理等のサービス活動を実施

    する。

    サービス・保証業務要領

    販売部

    品質保証部 ⑧ 納入後の顧客反応・情報を監視する。必要な場合

    は、改善活動を展開し、顧客満足の向上を図る。

    市場品質情報連絡書 16.改善活動

    販売部および

    関連部門 ⑨ 新たな顧客ニーズを把握するため、①、②のプロセ

    スを繰り返す。

    ISO 9001 関連条項 : 5.2 7.1 7.2.1 7.2.2 7.2.3

    7.5.1 7.5.5 8.2.1 8.2.4

    8.3 8.4

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    -①- 市場調査と顧客ニーズの調査は以下の手法から、適切なものを選択して実施する。

    調査方法 必須調査項目

    不特定顧客に対する定期的アンケート調査(2回/年)

    主要顧客との納品後の定期的面談による聞き取り調査

    製品特性(機能性、耐久性、意匠性、使用

    性) 納期、価格、営業的対応、保証対応

    モニター製品提供と使用後の聞き取り調査 特定の製品特性

    他社製品を用いたベンチマーキング 製品特性およびマーケティング手法

    これらを通して得られた情報は、調査対象者毎にウエート付けを行い、調査項目毎に定量的データに

    てまとめる。

    -②- 顧客情報の調査データは、社長診断会での議題としても扱われ、以下の活動に展開される。

    ・会社品質方針・品質目標の策定、およびそれを受けた部門目標管理プログラムへの反映

    ・新製品開発企画 (10.製品の設計開発参照)

    ・販売、サービス等の業務標準の作成および改善

    ・中長期的な生産・販売計画の策定

    -③、④、⑤- 顧客の要求事項を漏れなく取り扱い、顧客へ提案、見積、契約が正しく行われるよう、製品に係わる以

    下の要求事項を、顧客への提示または契約・注文受諾前に必要に応じ関係部門間で明確にする。

    (提案・契約内容事前確認書に記載)

    ・製品仕様、製品に関連する法令・規制

    ・数量、価格、納期

    ・梱包形態、搬入方法、搬入場所

    ・支払い条件、サービス条件、保証条件

    ・その他の顧客が特定した要求事項、慣習的な要件

    ・自社が必要とするその他の要件

    ・自社の現在の能力が、以上の事項を満たすことの確認

    顧客への提示は、販売部長が承認のもと行われる。 顧客側、自社側の都合に係わらず、これらの事

    項に変更があった場合、顧客との打ち合わせにより解決し、提案仕様書も変更し、関連部門へ伝達す

    る。

    -⑥- 出荷・納品は、製品の保護と損傷の防止のため、定められた梱包・輸送形態に従い行う。 輸送は社内

    で認定した業者に依頼する。

    -⑦- 製品引渡し後のサービス・保証業務には以下に分類され、サービス・保証要領書に従い実施する。

    ・契約にもとづく定期的な保守・点検

    ・保証範囲内の修理

    ・保証範囲外の修理・改造

    これらの活動を通じて、市場での製品適合性の情報を収集・分析し、改善活動に展開する。

    また顧客クレームに対しては、最優先に対処し、内容に応じて必要な改善活動を実施する。

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    -⑧- 販売部および品質保証部を中心に、製品品質、価格、およびその他の市場適合性を監視する。

    主要顧客への納品後は、特に能動的なコミュニケーションを図り、顧客満足度調査活動を開始する。

    顧客満足度向上のため、必要な是正、予防等の改善活動を展開する。

    ここで得られた顧客からの情報および改善活動の経過は、社長診断会での議題として扱われる。

    9.4 当プロセスにおける有効性指標 ・ 顧客との面談による満足度調査件数

    ・ 提案/契約仕様の確認ミスによる、実際の製品仕様の相違件数

    ・ 各サービス活動の平均処理時間

    9.5 記録

    記録名 帳票 No. 保管期限 保管責任者

    お客様アンケート C1F010 3年間 販売部

    モニター調査票 C1F020 3年間 開発部

    提案・契約内容事前確認書 C1F030 3年間 販売部

    見積書 C1F040 3年間 販売部

    契約書 C1F050 10年間 販売部

    顧客からの注文書 - 10年間 販売部

    受注書/生産依頼書 C1F060 1年間 販売部

    納品書 C1F070 3年間 生産管理部

    市場品質情報連絡書 C1F080 3年間 品質保証部

    9.6 関連文書 サービス・保証業務要領 (C1W010)

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    10.製品の設計開発

    10.1 目 的 新製品の企画および設計開発が効果的に実施され、顧客ニーズにかなった新たな製品を、高品質で

    タイムリーに導入することを目的とする。

    10.2 適用範囲 すべての新製品のプロジェクト企画から製品の設計開発業務、および既存製品の改良に付随する設計

    開発業務に適用する。

    10.3 手順の概要と詳細 担当責任者 手順 インターフェイス

    社長、管理責任者

    開発部、営業部 ① 市場調査、顧客ニーズをもとに新商品企画をする。

    または特定顧客から既存製品改良の依頼を受ける。

    設計開発から製品導入までの推進体制を構築する

    9.マーケティングおよびサービス 6.QMS運営管理

    プロジェクト計画書

    開発部 ② 機能・性能等の製品要求仕様を、社内または顧客と

    の打合せを通して明確にする。

    製品基本仕様書

    開発部 ③ 構想図を作成する。

    DRを行い、部位毎の要求仕様を確定する。

    構想図 設計審査・検証報告書

    設計仕様書

    開発部

    製造部 ④ 試作図を作成し、図面検証をする。

    必要なものは試作品を製作・評価し、検証およびDR

    を行う。

    試作図 評価レポート

    設計審査・検証報告書

    開発部 ⑤ 正式図、部品表および作業指示書を作成する。

    生産準備に移る以前に、これらの検証をする。

    正式図、部品表 作業指示書

    品番付与要領

    設計審査・検証報告書

    開発部、製造部

    生産管理部 ⑥ 各種の生産準備活動を展開する。

    (金型・設備などの製作および手配)

    11.生産計画および購買 12.生産技術開発および工

    程設計

    開発部、製造部

    品質保証部 ⑦ 正規設備・金型による量産相当製品を製作する。

    試験・検査または顧客立ち会いにより、設計開発の妥

    当性を確認する。

    評価レポート 設計審査・検証報告書

    製造部、販売部

    生管部、管理責任者 ⑧ 量産を開始し、製品を顧客・市場に供給する。 13.製造

    品質保証部

    販売部 ⑨ 市場品質情報をフォローし必要な対策を実施する。 9.マーケティングおよびサービス

    市場品質情報連絡書

    16.改善活動

    ISO 9001 関連条項 : 7.1 7.2.1 7.3 (7.3.1~7.3.7)

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    -①-

    顧客情報や市場調査データは、社長診断会で取り扱われ、新製品開発企画の必要性が審議される。

    新製品開発が必要な場合、品質管理責任者は「プロジェクト計画書」を作成し、社長が承認する。 プ

    ロジェクト企画では、以下の項目を明確にする。

    ・製品に対する品質目標および要求事項

    ・設計開発から販売・サービスにおける責任・権限を含めた業務体制および必要な連絡会

    ・開発予算、必要な設備機器、スタッフ等の経営資源

    ・設計開発のステップおよび必要なDR、検証、妥当性確認の活動

    ・生産段階での必要な試験・検査活動および製品合否判定基準

    -②-

    製品要求仕様として以下の点を明確にし、「製品基本仕様書」に織り込む。

    ・機能、性能に関する要求仕様

    ・法令・規制等に基づく安全性、環境適合性などの要求事項

    ・過去の類似設計の実績から適用できる要求仕様

    ・原価目標、およびその他の設計開発に必要な事項

    -③-

    構想図によるデザインレビュー(以下DR)は、開発部が主管のもと、関係全部門の代表者が参加し実

    施する。 この時点における問題点を明確にし、必要な処置を決定する。 この結果は「設計審査・検証

    報告書」にまとめる。 またこの結果および製品仕様書により、部位毎の「設計仕様書」を作成する。

    -④-

    製品仕様書および設計仕様書で示された要求事項をもとに、試作図を作成する。

    必要な部品は試作品を製作し評価を行い、「評価レポート」にまとめる。

    この段階でのDRは、試作品現物サンプルを用いて、③と同様の手順で実施する。

    また試作図および試作品評価結果を用いて、製品仕様書および設計仕様書で示された要求事項を

    満足するかを、開発部長が検証する。 この結果と必要な処置も「設計審査・検証報告書」にまとめる。

    -⑤-

    正式図作成にあたっては、各部品に正規品番を付与し、部面番号もこれと一致させる。

    品番体系は「品番付与要領」に従い、完成品およびすべての構成部品を個々に識別する。

    これらの品番情報は社内データベースに登録され、受注処理、生産管理、保証業務に用いられる。

    正式図、部品表、または技術指示書には、以下の事項を織り込む。

    ・ 部品購買に必要な情報 (「部品表」での構成部品品番/品目、推奨供給者など)

    ・ 製造、サービスに必要な情報 (「作業指示書」など)

    ・ 部品および完成品の合否判定基準 (公差、参照する技術規格No.など)

    ・ 社内およびユーザーの製品取扱要領

    これらに対する検証は、④と同様の手順で実施する。

    -⑥-

    供給者の評価・選定、金型や設備機器の製作・手配、などの各種の生産準備活動は、生産管理部を

    中心に開発部、製造部、品質保証部が協業して行う。

    -⑦-

    実際の量産条件と同一の、正規工程で製作した製品相当品を用いて、設計開発の妥当性確認を行う。

    これは製品の意図された用途を満たすことを確認するため、以下の活動のうち可能なものをすべて含

    める。

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    ・機能および性能の動的な試験評価

    ・外観、仕上がり感などの静的な検査

    ・顧客立ち会いによる品質確認会

    社内の試験および検査の結果は「評価レポート」にまとめられる。 これらを含めた妥当性確認は品質

    保証部が主管のもと、原則として関係全部門の代表者が参加し実施する。 この結果および必要な処

    置は「設計審査・検証報告書」にまとめる。

    -⑧-

    量産は品質管理責任者の承認のもとで開始される。 顧客への製品供給にあたっては、設計開発にす

    べてのDR、検証、および妥当性確認が実施され、それに伴う必要な処置が完了していることが原則で

    ある。 未解決事項がある場合は、品質管理責任者がその対応方法を明示する。

    -⑨-

    販売部および品質保証部を中心として、製品品質をはじめとする市場適合性を監視する。

    製品品質に関する不具合情報は、その品質保証部がその起因に応じて、設計品質問題または製造

    品質問題に分類する。 設計開発に起因する品質問題点については、開発部が設計変更を含めた改

    善処置の必要性を判断し実施する。

    10.4 設計開発の変更管理 すべての設計開発の変更は、「設計変更要領」に基づき、品番変更含めた必要情報を「設計変更連絡

    書」に記載し開発部長が承認後、関係部門に伝達される。 変更の実施にあたってはDRを行い、その

    変更内容に応じて必要な検証、妥当性確認を明確にし実施する。 また変更に伴って必要となる市場に

    供給済みの製品への対処、および補修用部品の切替えについては、品質保証部が必要な対策を決定

    する。

    10.5 当プロセスの有効性指標 ・ 採用した新技術の数 (開発モデル単位)

    ・ 開発リードタイム (開発モデル単位での対目標比)

    ・ 設計変更によって発生した費用 (年間単位)

    10.6 記録

    記録名 帳票 No. 保管期限 保管責任者

    プロジェクト計画書 C2F010 5年間 開発部

    製品基本仕様書 C2F020 5年間 開発部

    設計仕様書 C2F030 5年間 開発部

    設計審査・検証報告書 C2F040 10年間 開発部

    評価レポート C2F050 10年間 開発部

    部品表 C2F060 10年間 開発部

    作業指示書 C2F070 5年間 開発部

    設計変更連絡書 C2F080 10年間 開発部

    10.7 関連文書 技術標準規格 (C2W010) 品番付与要領 (C2W020)

    設計変更要領 (C2W030) 市場品質情報連絡書 (C1F080)

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    11.生産計画および購買

    11.1 目 的 生産活動の前工程業務である、生産計画および部品・資材の購買業務が効果的に実施され、受

    注から製造につなげる生産関連機能が、的確でタイムリーに機能することを目的とする。

    11.2 適用範囲 生産活動に伴う以下の業務プロセスに適用する。

    ・ 生産計画の策定および進行管理

    ・ 供給者の評価・選定

    ・ 供給者からの購買および供給者管理

    11.3 生産計画に関する手順

    担当部門 手順 インターフェイス

    販売部 ① 受注実績により、個別機種の生産依頼が提示され

    る。

    9.マーケティングおよびサービス生産依頼書

    生産管理部 ② 機種毎の受注および見込による生産台数と生産日程

    を策定する。

    生産日程計画表

    生産管理部 ③ 生産情報システムに、機種毎の生産計画を入力す

    る。

    生産管理部 ④ 機種毎の生産指示を発行する。

    生産指示書 13.製造

    -①-

    マーケティング活動における、受注処理の結果として生じる。

    -②-

    生産活動に必要な設備、要員、資材等の手配時期との兼ね合いから、製造の着手時期と完了時期、

    および台数を求め、「生産日程計画表」を作成する。 生産日程計画は変更も含め生産管理部長が承

    認する。

    -③-

    生産情報システムは、生産指示の出力、生産日程管理に加え、次のシステムを統合したものである。

    ・購買品を含めた資材・部品、および完成品の在庫管理システム

    ・購買品の発注システム (購買に関する手順の⑥参照)

    ・完成品の出荷管理システム

    -④-

    「生産指示書」には、一台毎に製造に必要な情報(製品コード、数量、シリアル番号、オプション仕様な

    ど)が付与され、製造部の組立工程に送付される。

    ISO 9001 関連条項 : 7.1 7.4.1 7.4.2 8.4

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    11.4 購買に関する手順

    担当部門 手順 インターフェイス

    開発部 ① 設計開発の結果により、新たに必要な購買関連情報

    が提供される。

    部品表 推奨供給者情報 など

    生産管理部 ② 購買品の候補対象供給者の能力評価をする。

    供給者評価要領

    生産管理部 ③ 購買品の供給者を選定する。

    供給者評価一覧

    生産管理部

    ④ 基本的な購買要求事項を供給者に提示し、取引に

    関する基本合意をする。

    購買仕様書

    生産管理部 ⑥ 生産情報システムにより、所要量に応じた購買品の

    発注を行う。

    生産計画の手順③ 注文書

    生産管理部 ⑦ 生産計画に合わせて納期管理を行う。

    生産管理部

    品質保証部

    品質管理責任者

    ⑧ 採用している供給者に対しては、継続的な品質向上

    活動、および定期的な供給者の能力評価を行う。

    16.改善活動 供給者評価一覧

    -①-

    設計開発の結果から生じる購買関連情報には以下のものがある。

    ・「部品表」で示される購買対象の品目・品番情報

    ・設計図面等で示される購買品の仕様

    ・試作開発等を通して得られた供給者の技術開発能力、品質管理能力

    -②-

    候補対象の供給者は以下の観点から能力評価を行い、結果は「供給者評価要領」に示された判定・

    採用基準をもとに、「供給者評価一覧」にポイントを付ける。

    ・経営状況 : 経営指標や経営革新への取組み姿勢などによる

    ・価格競合性 : 相見積もり結果や価格要求に対する実績などによる

    ・技術開発力(メーカのみ) : 研究開発体制や試作開発での実績などによる

    ・品質保証体制 : 受入検査合格率の実績や工場監査結果などによる

    ・生産能力、納期対応 : 納期遵守率の実績や生産能力調査結果などによる

    新規の供給者に対しては、実績以外の評価可能な要素により判定する。

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    -③-

    評価結果に基づき、採用基準を満たす供給者の中から最適な供給者を選定し、当該品の供給者とし

    て決定する。 当該品購買に対する採用の如何にかかわらず、採用基準を満たす供給者は「供給者評

    価表」に登録する。 能力評価結果および供給者の決定は、品質管理部長が承認する。

    -④-

    この段階での購買要求事項は、以下より適用可能なものを含め、「購買仕様書」により提示し、供給者

    の合意を得る。

    ・購買品の一般的情報 (品番、品名等)

    ・購買品の要求仕様、および受入合否判定基準

    ・購買品を製造する工程・設備の条件、作業要員の資格基準

    ・発注開始時期、発注予定量、標準要望納期

    ・支払条件、保証条件

    -⑥、⑦-

    発注は生産情報システムに登録された生産計画より、購買対象品目の所要量・納期が自動計算され、

    以下の購買情報を記載した「注文書」が出力される。 注文内容の変更、または手発注を行う際、所定

    の「注文書」を用いて同様の購買情報を明記する。 発注は購買Gリーダーの承認により行う。

    ・注文番号、品番、品名

    ・単価、数量、価格、納期、納入場所

    -⑧-

    品質向上活動としては以下のものがある。

    ・供給者との共同体制による重要不具合の解析と改善活動

    ・供給者の工程診断による問題摘出と改善活動

    採用している供給者の能力評価は、年度毎に②と同様の手順で実施し、結果に応じて「供給者評価

    一覧」を更新する。 供給者に関連する情報としてこの結果を分析し、品質管理責任者が指揮し更なる

    品質向上活動を展開する。

    11.5 当プロセスの有効性指標 ・ 機種別の供給リードタイム

    ・ 購買品の製造品質に起因する市場不具合発生件数

    ・ 供給者との共同改善活動の実施件数

    11.6 記録

    記録名 帳票 No. 保管期限 保管責任者

    生産日程計画表 C3F010 3年間 生産管理部 生産計画G

    生産指示書 C3F020 1年間 生産管理部 生産計画G

    購買仕様書 C3F030 5年間 生産管理部 購買G

    注文書 C3F040 3年間 生産管理部 購買G

    11.7 関連文書 供給者評価要領 (C3W010)

    供給者評価一覧 (C3W020)

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    12.生産技術開発および工程設計

    12.1 目 的 設計開発の結果より生じる製品仕様を受けて、新製品の製造実現のために必要な生産技術の開

    発および工程設計を効率的に実施し、新製品の製造がタイムリーに開始されることを目的とす

    る。

    12.2 適用範囲 工場の生産活動を構成する以下の業務プロセスに適用する。

    ・ 新たな生産技術(工法)の開発

    ・ 製造工程設計、設備手配等の生産準備活動

    12.3 手順の概要と詳細

    担当部門 手順 インターフェイス

    製造部 生技G ① 製品の構想図、試作図または試作品のDRにより、必

    要な工法および工程設備を計画する。

    生産技術開発計画書

    工程設計計画書

    10.製品の設計開発の手順

    ③、④

    製造部 生技G ② 製品の正式図等により、計画した工法および工程設

    備を用いた場合の製造の実現可能性を確認する。

    工程設計図

    10.製品の設計開発の手順⑤

    製造部 生技G

    生産管理部 ③ 必要な金型、設備などの製作および手配を行う。

    設備製作・調達依頼書

    製造部 生技G

    開発部 ④ 生産トライを行い、工法、金型、設備の検証評価、お

    よび特定工程の妥当性確認を行う。

    工程評価レポート

    工程審査・検証報告書

    ⑤ 工程条件表、QC工程表、作業標準などの製造工程

    管理に必要な文書類を作成する。

    工程条件表、QC工程表、

    作業標準書、設備管理要領書

    など

    製造部、開発部

    品質保証部 ⑥ 量産相当品を製作し、生産技術開発と製造工程設計

    の妥当性を確認する。

    工程評価レポート

    工程審査・検証報告書

    10.製品の設計開発の手順⑦

    製造部

    生産管理部 ⑦ 量産を開始する。

    -①-

    工法に新技術開発が伴う場合は、管理責任者があらかじめ「プロジェクト計画書」に反映し、必要な経

    営資源等を明確にする。 (7.2 製品の設計開発の手順①参照)

    図面類、試作品のDR結果により、製造部長は必要な製品仕様の変更を開発部長に依頼する。

    ISO 9001 関連条項 : 7.1 7.2.1

    7.3 (7.3.1~7.3.7)

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    -②-

    生産技術開発や工程設計の計画が、製品の正式図等で示された内容を満足しない場合は、これらの

    計画を変更する。 または、製造部長が製品の設計変更を開発部長に依頼する。

    -③-

    供給者の評価・選定、金型や設備機器の製作・手配は、生産管理部を中心に製造部、開発部、品質

    保証部が協業して行う。

    -④-

    生産トライは、製造部が主管のもと、開発部、品質保証部を含めた関係者が参加して実施する。

    生産技術や設備に関する問題点を明確にし、必要な処置を決定する。 この結果は「審査・報告書検

    証」にまとめる。

    製品出荷までの後工程での検査で発見不可能な品質特性がある場合、その品質特性を左右する工

    程が期待する結果を出しうる能力を持つことを保証するため、特別な管理を施す。 (工場内の現存す

    る工程では、熱処理工程が該当) この特別な管理には、以下のものから適用可能なものを含め、「QC

    工程表」に明記する。

    ・ 工程および設備の承認者と承認に用いた基準

    ・ 工程条件の基準値 (許容範囲を含めた処理温度、時間等)

    ・ 工程条件の記録方法、およびその記録内容の検証者

    -⑤-

    各種の管理文書は、製造部生産技術Gが原案を作成し、内製Gおよび組立Gが実作業に応じて完成

    させる。 量産移行後は部品製造Gおよび組立Gが、製造工程の管理に用いる。

    -⑥-

    実際の量産条件にて製造を行い、製品の製造品質が設計仕様を満足するかどうかの妥当性確認を

    行う。これは製品の検査データ、およびその他の工程能力のデータをもとに判断する。 通常この妥当

    性確認は、設計開発の妥当性確認(7.2 製品の設計開発の手順⑦参照)と同時に行われ、品質保証

    部が主管のもと関係部門の代表者が参加して実施する。 この結果および必要な処置は「審査・検証

    報告書」にまとめる。

    -⑦-

    新製品の量産開始は、管理責任者が承認する。

    12.4 当プロセスの有効性指標 ・ 採用できた新工法の数 (開発モデル単位)

    ・ 量産前残存問題数 (問題対策完了率)

    12.5 記録

    記録名 帳票 No. 保管期限 保管責任者

    生産技術開発計画書 C4F010 5年間 製造部 生産技術G

    工程設計計画書 C4F020 5年間 製造部 生産技術G

    設備製作・調達依頼書 C4F030 3年間 製造部 生産技術G

    工程評価レポート C4F040 5年間 製造部 生産技術G

    工程審査・検証報告書 C4F050 5年間 製造部 生産技術G

    12.6 関連文書 工程条件表 (C4W01#) QC工程表 (C4W02#)

    設備管理要領 (C4W03#) 作業標準書 (C4W04#)

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    13.製 造

    13.1 目 的 工場における生産機能を標準化し、生産性と製造品質を確保することを目的とする。

    13.2 適用範囲 工場における量産時の生産活動に伴う以下の管理に適用する。

    ・製造工程の一般的管理、および工程毎の特定の管理

    標準文書類、品質に関する記録、工程責任者 など

    ・その他の特定の管理手順

    不具合品管理、製造履歴管理、製品の保存、製造設備の保守・点検

    試験・検査機器および監視・測定機器の管理、作業環境の管理、作業者の力量

    13.3 工程の一般的管理

    13.3.1 工程流れ図

    ISO 9001 関連条項 : 6.2 6.3 6.4 7.1 7.4.3 7.5 (7.5.1~7.5.5) 7.6

    8.2.3 8.2.4 8.3 8.4

    資材・部品受入

    受入検査

    組立

    完成品検査

    樹脂成形

    溶接 切削

    塗装

    倉庫保管

    プレス 鋳造

    熱処理

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    13.3.2 一般的管理手法 各工程管理に用いられる一般的管理手法(標準文書類・記録類)、および工程責任者を表1に示す。

    表 1

    管理手法

    工程区分

    QC

    工程表

    図面

    仕様書類

    作業標準

    検査標準

    記録 工程責任者

    受入 保管要領書 (C5W010) 払出し区分指示書 (C5W020)

    D、E 保管物流Gリーダ

    受入検査 部品図 資材特性表

    受入品検査標準 (C5W030 品番毎) F、G 検査技術Gリーダ

    プレス ○ 部品図 段取り指示書 (C5W040) A、B、H 内製1Gリーダ

    鋳造 ○ 鋳造条件表 (C5W050 品番毎) 段取り指示書 (C5W060)

    A、B、C、H 内製1Gリーダ

    切削 ○ 部品図 A、B、H 内製2Gリーダ

    溶接 ○ 溶接条件表 (C5W070 品番毎) 打点指示書 (C5W080 品番毎)

    A、B、H 内製2Gリーダ

    熱処理 ○ 熱処理条件表 (C5W090 品番毎) A、B、C、H 内製2Gリーダ

    樹脂成形 ○ 部品図 成型条件表 (C5W100 品番毎) 段取り指示書 (C5W110)

    限度見本

    A、B、C、H 内製1Gリーダ

    塗装 ○ 塗装指示書 (C5W120 品番毎) 限度見本

    A、B、C、H 内製2Gリーダ

    組立 ○ 組立図 組立指示書 (C5W130 品番毎) A、B、H、K 組立Gリーダ

    完成品試験

    ・検査

    組立図 完成品検査標準 (C5W140 品番毎)

    完成品試験標準 (C5W150 品番毎)

    I、J 検査技術Gリーダ

    梱包 梱包指示書 (C5W160 品番毎) 組立Gリーダ

    倉庫保管 保管要領書 (C5W170) 保管区分指示書 (C5W180)

    L 保管物流Gリーダ

    記録の区分

    記号 記録名 帳票 No. 保管期限

    A 生産実績表 C5F010 3年間

    B 設備点検表 C5F020 1年間

    C 工程条件記録表 C5F030 5年間

    D 受入実績表(データ入力) C5F040 3年間

    E 顧客支給品処置票 C5F050 1年間

    F 受入品検査シート C5F060 10年間

    G 供給者による検査成績書 - 10年間

    H 工程内検査シート C5F070 10年間

    I 完成品検査シート C5F080 10年間

    J 評価レポート C2F050 10年間

    K 製造番号付与表(データ入力) C5F090 10年間

    L 出荷管理表(データ入力) C5F100 3年間

    (注) 記録のうち、不適合品の管理に関するものは、5.1の表3に示す。

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    13.4 工程別管理手順

    13.4.1 受入工程 すべての受入部品・資材は、受入時に生産情報システムの受入実績表に必要な情報を入力する。 特

    に納期と受入日をもとに、供給者毎の納期遵守率のデータを取得し、供給者評価のための情報として

    用いる。(7.3 生産計画および購買の 7.3.3 生産計画に関する手順②参照)

    顧客支給品は、受入検査工程にて点検を行い、使用まで適切な保護をする。 使用に適さない問題が

    生じた場合は、顧客に連絡し、処置の結果を「顧客所有物処置票」に記入する。

    13.4.2 各内製品工程および組立工程 各製造工程は「QC工程表」をはじめとする表1に示された文書類で運営管理する。 QC工程表は生産

    準備段階で、部品・製品単位で製造部生産技術Gが作成し、以下の管理情報を含む。

    ・ 細分化された管理単位工程

    ・ 投入部品・材料

    ・ 工程条件の管理項目・点検項目

    ・ 工程内検査項目、抜き取り頻度

    ・ 適用される作業指示書

    ・ 必要な記録

    ・ 作業担当者および工程責任者

    13.4.3 試験・検査工程

    受入検査

    特定の資材については、供給者の「検査成績書」をもって受入の合否を判定する。

    一般部品については、生産準備段階に「受入品検査標準」を品質保証部検査技術Gが作成する。 これ

    は部品の受入品質基準として、供給者へも提示する。 「受入品検査標準」には、検査部位・検査項目、

    基準値・許容値、検査頻度、使用する検査機器の情報を記載する。 一般部品は、生産準備段階および

    量産移行後の品質状況により、検査主体が供給者側の場合と、受入時の社内検査の場合に区分する。

    受入時の検査結果は、「受入品検査シート」に記録し合否を判定する。

    受入検査での不合格品に対しては、「品質不具合連絡書」を記載し、供給者に改善を要望する。

    供給者毎の受入検査合格率のデータを取得し、供給者評価の情報として用いる。(7.3 生産計画および

    購買の 7.3.4 購買に関する手順②参照)

    工程内検査

    工程内検査はQC工程表に従い、各工程の責任下のもとで実施する。 図面や限度見本を基準に実施し、

    結果は「工程内検査シート」に記録し、合格品のみを次工程に流す。

    工程内検査データは分析し、品質不具合の未然防止のための予防処置を行う。

    完成品の試験・検査

    静的検査

    外観および精度などの静的品質特性については、生産準備段階に「完成品検査標準」を品質保証部

    検査技術Gが作成する。 これには検査部位・項目、基準値・許容値、実施頻度、使用する検査機器、

    認定された検査員の情報を記載する。 検査結果は「完成品検査シート」に記録し合否を判定する。

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    動的試験

    強度、耐久性、ノイズ、操作性などの動的特性についても同様に、「完成品試験標準」を作成する。 こ

    れにも試験項目、基準値・許容値、実施頻度、使用する試験機器、認定された検査員の情報を記載

    する。 試験結果は「評価レポート」に記録し合否を判定する。 この動的試験は、量産時以外に、生産

    準備の最終段階では、設計開発の妥当性確認の一環としても実施する。 (7.2 製品の設計開発の手

    順⑦参照)

    各試験・検査工程における実施担当者および検査責任者を表2に示す。

    表 2

    実施担当 責任者

    受入検査 検査技術G認定者 検査技術Gリーダ

    工程内検査 内製1/2、組立G認定者 内製1/2、組立Gリーダ

    完成品の試験・検査 検査技術G認定者 検査技術Gリーダ

    完成品の最終出荷判定 - 品質保証部長

    13.5 特定管理手順

    13.5.1 不適合品の管理 製造工程で不適合品が発生した場合は、すべて識別を行う。 不適合の性質により、表3に従い適切な

    処理方法を選択する。

    表 3

    工程区分 識別・処理方法 記録 処理責任者

    受入

    受入検査

    ・選別 ・手直し加工 (顧客支給品の場合は顧客に報告し処置を

    決定)

    品質不具合連絡書(*) (C5F110)

    顧客支給品処置票 (C5F050)

    部品別不具合発生表 (C5F120)

    検査技術Gリーダ

    保管物流Gリーダ

    プレス ・再生材箱へ投入 工程内不良記録表 (C5F130) 内製1Gリーダ

    鋳造 ・溶解炉へ投入 ” 内製1Gリーダ

    機械加工 ・手直し加工 ・等級変更 ・再生材箱へ投入

    ” 内製2Gリーダ

    溶接 ・手直し加工 ・再生材箱へ投入 ” 内製2Gリーダ

    熱処理 ・溶解炉へ投入 ” 内製2Gリーダ

    樹脂成形 ・手直し加工 ・ランナー粉砕器に投入・廃棄品箱へ投入

    ” 内製2Gリーダ

    塗装 ・手直し加工 ・廃棄品箱へ投入 ” 内製1Gリーダ 組立 ・手直し加工 ・廃棄品箱へ投入

    ・前工程へ処理を指示

    ” 組立Gリーダ

    完成品試験

    ・検査

    ・手直し修理 ・廃棄品置場へ移動

    ・前工程へ処理を指示

    品質不具合連絡書(*) (C5F110)

    製品別不具合発生表 (C5F140)

    検査技術Gリーダ

    梱包

    倉庫保管

    ・選別 ・手直し修理

    ・廃棄品置場へ移動

    工程内不具合発生表 (C5F130) 組立Gリーダ

    保管物流Gリーダ

    (*) 「品質不具合連絡書」はすべての工程で使用し、8.3 改善の手順に従って処置する。

    不適合の種類・程度によっては、品質保証部長の判断のもと、特別採用とする場合がある。 この際に、

    品質基準の見直しも必要と判断された場合は、関連する標準書の変更も行う。

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    13.5.2 製造履歴および出荷履歴の管理 各工程での生産実績と出荷実績を表4のとおり区分して、製品種別毎に製造履歴と出荷履歴を管理す

    る。 これにより市場不具合を含め、製造品質に係わる対策のための調査・分析を可能にする。

    表 4

    工程区分 製造履歴の管理項目 対象となる記録名

    受入 品番、受入日時、数量、注文番号 受入実績表(データ入力)

    受入検査 品番、注文番号 受入品検査シート

    品番、生産日時、数量、ロット番号 生産実績表 内製品製造

    (工程内検査) 品番、ロット番号 工程内検査シート

    製品コード、生産日時、数量、シリアル番号 製造番号付与表(データ入力)組立

    製品コード、シリアル番号 完成品本体に打刻

    完成品試験・検査 製品コード、シリアル番号 完成品検査シート

    評価レポート

    倉庫保管 製品コード、シリアル番号、出荷先情報 出荷管理表(データ入力)

    13.5.3 製品の保存 部品、資材、仕掛品、半製品、完成品の損傷、劣化、紛失等を防止するため、各工程の責任下

    で適切な保存をする。 表 5

    工程 対象品 保存のための代表的な管理方法

    受入工程 部品

    資材

    ・品番による識別と指定場所での保管

    ・特定資材について使用期限の表示

    各製造工程 仕掛品

    半製品

    ・作業指示書に基づいたワークの取扱いの徹底

    ・搬送装置の改造と点検によるキズ、汚れ等の防止

    梱包工程 完成品 ・指定された梱包材の使用

    倉庫保管工程 梱包済完成品 ・製品番号、製造番号による識別と指定場所での保管

    ・定められた段積み数、パレット積載重量の遵守

    ・倉庫内の温度・湿度の監視

    13.5.4 設備の保全・点検 すべての生産設備の保全・点検の手順は、製造部生産技術Gが新規設備の導入時に「設備管理要領」

    (C4W03#)を作成し、改造時や故障発生時に必要に応じて見直す。 日常の点検は各工程の責任下で

    実施し、「インフラ点検票」(B2F020)に記録する。 (6.2 インフラストラクチャーおよび作業環境の管理の

    手順④参照)

    13.5.5 モニタ装置および測定機器の管理 製品品質の適合性を保証するための、対象となるモニタ装置と測定機器の種別を表6に示す。

    すべての装置・機器は、「モニタ装置・測定機器校正表」(C5F150)に登録し、校正・検証の頻度、方法、

    有効期限、保守責任者、校正・検証記録の種類と保管期間を記載する。 検証と校正においては、国家

    計量標準にトレース可能な方法を適用する。 有効期限については、機器現物にもラベルを貼付し、明

    確な識別をする。 校正外れ等で使用に適さない機器は、校正が完了するまで隔離し識別する。 機器

    は常に所定の場所に保管し、損傷・劣化を防ぐ。

  • 製造業・手順を含有した品質マニュアル

    百万石(株) 品質マニュアル

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    制定 : 00 年 00 月 00 日

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    表 6

    機器種別 点検・校正の区分 保守責任者

    ノギス、マイクロメーター 外部の認定事業者 検査技術Gリーダ

    質量計 外部の認定事業者 検査技術Gリーダ

    電圧・電流計 外部の認定事業者 検査技術Gリーダ

    検査ゲージ類 社内 検査技術Gリーダ

    機械設備の計器類 社内 内製1、2Gリーダ

    衝撃試験機 �