整形外科 土川雄司 - matsuyama.jrc.or.jp · 関節穿刺 排液 ... 好発罹患関節...
TRANSCRIPT
偽痛風の病型
特発性(高齢者)
(70歳代の6%、 80歳代の14%、90歳以上の40%)
代謝性(低マグネシウム血症、副甲状腺機能亢進症、ヘモクロマトーシス、低リン血症など)
遺伝性
外傷後、手術で誘発
臨床像
急性・亜急性の関節炎、関節周囲炎
部位:膝、手、肩、肘、足、股などの関節や関節周囲
激痛、腫脹、熱感、高熱、めまい、幻覚、体重減少など多彩
CRP高値(ときに10mg/dl以上)
敗血症や、化膿性関節炎との鑑別が問題
診断
急性関節炎(主に膝)または急性関節周囲炎(主に手、足)
外傷歴のない膝関節血症、肩関節血症
38°を超える不明熱と急性関節炎
X線で線状・層状の軟骨石灰化。高度の関節変形。
高齢患者に以下の症状を認めたら、本症を疑う。
確定診断は関節液中にピロリン酸カルシウム結晶を証明すること
結晶誘発性関節炎
痛風 偽痛風 リン酸カルシウム沈着症
好発年齢 約40歳以上 70歳以上 小児〜高齢者
男女比 男性 : 女性 = 9 : 1 男性:女性= 1 : 2 男性:女性= 1 : 3
好発罹患関節 第1MTP 足 足根 膝>手、肩、肘、股 肩
結晶 尿酸ナトリウム ピロリン酸ナトリウム リン酸カルシウム
X線所見 所見なし 関節軟骨石灰化 関節周囲の石灰化
その他 透析導入後には激減 副甲状腺機能亢進症との関連
透析患者に多い
変形性関節症と関連
化膿性関節炎 【病態】 関節内の細菌感染症
【臨床症状】 局所の発赤、熱感、疼痛、腫脹、発熱
【診断】 関節液の細菌培養で化膿菌を検出(関節液は外見上膿状)
【X線】 感染初期には正常(関節内に液や膿の増加がある場合は関節裂隙は拡大してみえる)
進行すれば関節破壊。MRIが有用。
【治療】 早急に関節切開や関節境視下に
関節腔の洗浄。滑膜切除術。持続洗浄。
抗菌薬の全身投与
救急外来で遭遇しそうな状況 80歳 女性 主訴:左膝痛
昨日より、左膝の腫れと痛みを感じていたが、本日になって、腫れが増悪し激痛のため立てなくなった。痛みで眠れないため、夜中に救急車で救急外来を受診。
BT:37° BP:150/60 mmHg
研修医A:「痛み止めと湿布で様子をみましょう」
患者: 「痛み止めも湿布も効かないんです。眠れないので、今すぐなんとかしてください。」
研修医A: 「…..」
関節穿刺し関節液を見る。
(関節内圧を下げることで除痛にもなる。)