慶應義塾大学 sfc 研究所 自治体 ict プロジェクト...慶應義塾大学sfc 研究所...

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慶應義塾大学 SFC 研究所 地域情報化研究コンソーシアム 自治体 ICT プロジェクト 5 月度定例会(2013.5.31【議事】 1.「自治体におけるオープンデータの取り組みについて」(14:0014:40(株)日立製作所 公共システム事業部 ソリューション事業企画部部長 前田 みゆき氏 2.各分科会(14:4016:00)(防災災害/情報発信+産業観光活性) ※議事1は全体で、議事2は分科会に分かれ議論。 【お知らせ】 平成 25 年度APPLIC講演会で櫻井が講演させていただきます。 6 13 日(木)午後 3 30 分~5 青山アイビーホールにて「基礎自治体における強 靭な情報システム構築~東日本大震災の教訓から~」(詳細別紙) 【次回以降の会合予定】 6 4 日(火)18:0019:00 首長説明会@国際文化会館(19:00~懇親会) 出席予定者(首長) :ニセコ町、登米市(懇親会のみ)、加美町、つくば市(説明 会のみ)、藤沢市(副市長)、茅ケ崎市、白川町、南あわじ市、安芸高田市 代理出席予定団体:志木市、鹿児島市 7 4 日(木)- 7 5 日(金) 視察(山梨県富士吉田市) 視察プログラム(案) 7 4 日(木) 13 30 富士吉田市集合 14 時~15 30 富士吉田市の観光施策について(世界遺産登録を受け) 16 時~18 「あいシステム」視察(市内小学校にて) ※現場の先生方の生の声をお伺いする、教育研修所とのディスカッション 夜は懇親会 7 5 日(金) 9 時~11 富士吉田市観光体験「おし街さんぽ」(ガイド付き) 解散 7 25 日(木)13:0015:00 定例会@三田キャンパス 会合前半は、マイナンバー関連講演を予定。後半は分科会議論。 会合終了後、NEC ショールーム見学会を予定(15:3017:00)。 1

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慶應義塾大学 SFC 研究所 地域情報化研究コンソーシアム 自治体 ICT プロジェクト

5 月度定例会(2013.5.31) 【議事】 1.「自治体におけるオープンデータの取り組みについて」(14:00~14:40) (株)日立製作所 公共システム事業部 ソリューション事業企画部部長 前田 みゆき氏

2.各分科会(14:40~16:00)(防災災害/情報発信+産業観光活性)

※議事1は全体で、議事2は分科会に分かれ議論。

【お知らせ】

平成 25 年度APPLIC講演会で櫻井が講演させていただきます。 6 月 13 日(木)午後 3 時 30 分~5 時 青山アイビーホールにて「基礎自治体における強

靭な情報システム構築~東日本大震災の教訓から~」(詳細別紙)

【次回以降の会合予定】

6 月 4 日(火)18:00~19:00 首長説明会@国際文化会館(19:00~懇親会) 出席予定者(首長):ニセコ町、登米市(懇親会のみ)、加美町、つくば市(説明

会のみ)、藤沢市(副市長)、茅ケ崎市、白川町、南あわじ市、安芸高田市 代理出席予定団体:志木市、鹿児島市 7 月 4 日(木)- 7 月 5 日(金) 視察(山梨県富士吉田市)

視察プログラム(案)

7月 4日(木)

13 時 30 分 富士吉田市集合 14 時~15 時 30 分 富士吉田市の観光施策について(世界遺産登録を受け) 16 時~18 時 「あいシステム」視察(市内小学校にて)

※現場の先生方の生の声をお伺いする、教育研修所とのディスカッション 夜は懇親会

7月 5日(金)

9 時~11 時 富士吉田市観光体験「おし街さんぽ」(ガイド付き) 解散

7 月 25 日(木)13:00~15:00 定例会@三田キャンパス

会合前半は、マイナンバー関連講演を予定。後半は分科会議論。 会合終了後、NEC ショールーム見学会を予定(15:30~17:00)。

以 上

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自治体 ICT プロジェクト

2013 年度第 2 回定例会 全体会議事メモ

■日時 2013 年 5 月 31 日(木) 14:00~14:40 ■場所 AP 品川 9 階 J 会議室(東京都港区高輪 3-25-23 京急第 2 ビル)

■議事 「自治体におけるビックデータ活用の可能性」(14:00~14:40) (株)日立製作所 公共システム事業部 ソリューション事業企画部 部長 前田 みゆき様 (資料別添) ■講演後質疑応答 ・ (國領より補足コメント)「公共データの産業利用に関する調査結果」(経団連、ウェブペー

ジから入手可)を紹介したい。企業にどのようなデータを欲しているかを聞いたデータ。地

図・地下といったデータのニーズが高かったほか、交通関係、防災など、納得できる情報に

対するニーズが高かった。また、具体的に各分野についてどのようなデータが求められてい

るかについて、細かく書かれている。「誰が持っているデータが欲しいか」というデータも示

されており、圧倒的に地方公共団体のデータに対するニーズが高い。今後防災や公共といっ

たテーマを経済の活性化などと、どう結び付けられるという観点から議論されていくと思わ

れる。これにどう応えられるかが重要であり、来年度以降、この分野に国のイニシアチブが

発揮される可能性が高いと思われる。

・ (質問)実はニーズは大きいということ、また情報は出ているのだが、知られていないとい

うようなミスマッチの問題があることを感じる。また、オープンガバメントの一部としてオ

ープンデータについて考えていく必要があると思う。自治体がオープンデータに対してどの

ように対応していくべきか、提案はあるか?→ 一番困っているのは、情報が公開されている

かどうか、どうすれば入手できるかがわからないということ。人間の目で見られる、情報を

探せるポータルを用意するということがあり得る。また、クロウリングされることを前提に、

機械が読める情報を公開していく方法があり得る。どちらがよいかはまだわからないため、

一緒に検討していきたい。

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地域コンソ 2013.5.31

防災・災害分科会資料

自治体 ICT プロジェクト 防災・災害分科会

第2回定例会

■日時

2013年 5月 31日(木) 14:00~16:00

■場所

AP品川 9階 J会議室(東京都港区高輪 3-25-23 京急第 2ビル)

■議事

・登米市の ICT-BCP策定について(1時間程度)

登米市で策定中の ICT-BCPについて議論を行う。

(資料:登米市提供資料)

・災害時の相互応援協定について(15分程度)

災害時相互応援協定について、今後の進め方について確認し、検討課題事項を整理する。

1) 今後の進め方

- 今後 3 回の定例会(7/25、9/19、10 月)で協定の内容について詰め、協定締結に必要な文書

を作成し、地域コンソ内で参加自治体を募る

- 全国自治体 ICTサミット(11月)で、コンソ外部の自治体から参加を募る。

2) 検討課題事項

協定文書に盛り込むべき検討課題事項を挙げ、他に必要な検討課題事項がないかを確認する。

第 3回会合で各課題について事務局側で案を準備し、議論する。

- 協定締結団体間の意思決定の仕組み

- 事務局のあり方、運営方法、経費負担

- 平常時の具体的な活動内容

- 受援内容の明確化、および各参加団体の BCPに含めるべき受援体制

- 協定締結団体の義務(準備すべき文書、体制、機材等)

以上

3

地域コンソ 2013.5.31

防災・災害分科会資料

(登米市提供)

・行政サービスにおける情報システムへの依存度が高いため、早急な

復旧が必要。

・事後的な復旧では多くの時間を必要とされる。

・サーバー等が被災した場合には大量の重要情報を一瞬にして失うリ

スクが高い。

・災害発生直後から、住民の安否確認や避難者名簿の突合作業、各種

証明書の発行等、システム稼働が必要な業務が発生する。

・全業務についての業務継続計画を検討する上でシステム復旧が基準

となる。

登米市情報セキュリティ委員会

委員長 副市長

登米市行政情報システム業務継続計画策定部会

委員長 企画政策課長

・計画策定組織の承認 ・計画の承

・実施に向けた部門毎の総括管理

・アンケートの実施及びリスク分析

・非常時優先業務の決定

・残留リスクの確認 ・業務継続計画の策

・宮城県 ITアドバイザー

・地域情報化研究

コンソーシアム

・通信事業者

・関係メーカー等

東日本大震災の教訓

を受け、H24において

見直しの実施

・災害時における被災想定

・業務継続に向けた行動計画確立

・災害協定等による復旧の早期化

・リスクアセスメント(災害に対す

る事前対策)

総務省「地方公共団体における ICT部門の業

務継続計画策定に関するガイドライン」

災害に強い自治体の確立

重要業務の継続・早期復旧による

災害応急対応、復旧作業、被災者

支援の実施

登米市行政情報システム業務継続計画の策定

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地域コンソ 2013.5.31

防災・災害分科会資料

(登米市提供)

登米市行政情報システム業務継続計画策定体制

委員長 副市長

副委員長 企画部長

計画策定組織の承認

事業継続計画の承認

災害・被害の想定とリスク分析

調査の実施

業務継続計画の作成

登米市情報セキュリティ委員会

登米市行政情報システム業務継続計画策定部会

総務部 市長公室次長 総務部 防災課長

総務部 税務課長 総務部 収納対策課長

市民生活部 市民生活課長 市民生活部 国保年金課長

福祉事務所 長寿介護課長 福祉事務所 生活福祉課長

福祉事務所 子育て支援課長 建設部 住宅都市整備課

産業経済部 農林政策課長 教育委員会 教育総務課

教育委員会 学校教育課 企画部 企画政策課

宮城県 ITアドバイザー

通信事業者、IT事業者

各実務担当者(システム利用担当者)

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地域コンソ2013.5.31防災・災害分科会資料

(登米市提供)

1 ICT-BCP研修会

2 業務影響分析ヒアリング・分析

3 BCP策定体制の構築

4 情報システムの現状調査

5 庁舎・設備などの災害危険度の調査

6 被害の想定

7 重要業務・重要情報システムの選定

8 代替・復旧行動計画の立案

9 目標復旧時間・目標復旧レベルの精査

10 初動行動の立案

11 BCP素案作成

12 外部事業者との運用保守契約の見直し

13 災害協定

7月

総務省「ICT-BCP初動版ガイドライン」により、登米市としてのBCP策定を行う。

現状調査にあたっては、東日本大震災時における各課での発生業務と、システムの必要度等について、アンケートやヒアリングによる実態調査を実施する。

課レベル、庁舎レベルでのシステム復旧優先度等の評価を行い、それに向けた応急措置のあり方、復旧のあり方について検討する。

早期復旧に向けた、外部事業者との連携のあり方について検討する。

○登米市ICT-業務継続計画策定スケジュール(案)

3月 4月 5月 6月

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登米市の策定スケジュールから見た作業手順

 推奨する作業手順1.ICT-BCP研修

3.BCP策定体制の構築

7.重要業務・重要情報システムの選定

4.情報システムの現状調査

6.被害の想定

5.庁舎・設備などの災害危険度の調査

2.業務影響分析ヒアリング・分析

9.目標復旧時間.目標復旧レベルの精査

8.代替・復旧行動計画の立案

10.初動行動の立案

11.BCP素案作成

12.外部事業者との運用保守契約の見直し

13.災害協定

早急に取り組む作業

作業取り組み済み・作業中

あとで取り組む作業

ICT-BCP策定に向けて、庁内での合意形成と、策定体制を構築(理事者の理解)

改訂版BCPガイドラインに基づき、重要業務を選定する

重要業務を中心に、情報システム・インフラ等の現状調査を行う。

被害想定を元に、庁舎.設備の影響度調査 対象業務への影響度調査 対象業務の目標の設定

対象業務への影響度を軽減するための対策、代替案の検討、対策による目標達成可能性の検討

BCPが実効性のあるものとするための訓練の実施 対策の充実、見直しを進めBCPのPDCAサイクルの定

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自治体 ICT プロジェクト 防災・災害分科会

2013 年度第 2 回定例会 議事メモ

■日時

2013年 5月 31日(木) 14:40~16:00

■場所

AP品川 9階 J会議室(東京都港区高輪 3-25-23 京急第 2ビル)

■参加者

藤沢市、登米市、志木市、杉並区、茅ヶ崎市、南あわじ市、美馬市、鹿児島市

■議事

事務局より配布資料説明

・ 事務局から資料確認(議事レジメ、登米市配布資料 5 点、主査配布資料「登米市の策定スケ

ジュールから見た作業手順」)。本日の分科会では、登米市の ICT-BCP策定について、および

災害時の相互応援協定のあり方について議論する旨説明。

登米市の ICT-BCP策定について

・ (主査)WG ですべて個別にサポートするのは難しいが、今回はサンプルとして意見交換の

場を設定した。最初に登米市から説明を頂き、それに対する主査からの意見を説明し、その

後意見交換としたい。

登米市から説明:

・ 資料を参照しながら説明する。スケジュールが非常にタイトになっている。

・ (スケジュール案資料を参照)地域防災計画はあるが、BCPは策定されていない。ICT-BCP

策定後に全庁 BCP策定および防災計画見直しを行う予定。市長からの指示で、本年 7月末ま

でに ICT-BCPを策定することとなっている。

・ (登米市における策定状況の資料を参照)12年 12月に BCP策定について市長決裁。13年 3

月 11日、基幹業務担当課長にブリーフィングしている。現在は基幹業務担当課に 3.11の状況

をヒアリング中。組織は情報セキュリティ委員会がトップ(部長級)で、5 月 27 日に情報セ

キュリティ委員会で体制、スケジュール等の承認を受けている。今後の取り組みについては、

どこまで被害想定すべきかを悩んでいる。3.11 の際は、登米市は宮城県の内陸部のため、通

信の途絶、停電はあったが、それらの回復後は業務も復旧できた。BCP 策定に向けて、何か

ら手を着けたらいいのか迷っているのが現状。

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2

・ (策定体制の資料を参照)情報セキュリティ委員会が承認組織、その下に策定部会が設置さ

れており、情報システム部門を主管する企画政策課長が委員長となり、部会員は基幹業務の

担当課長、(情報発信のため)市長公室、防災部門、産業経済部などからなる。

・ (「東日本大震災の対応状況にかかる検証」資料を参照)地域防災計画見直しに先立って検討

した資料。防災計画は見直しが終了しており、暫定版を校正中。

大高主査よりコメント:

・ トップから指示が出ている点、スケジュールがタイトである点が特徴。全庁の BCPの考え方

や体制作りなどにはすでに着手しており、すでに一方踏み出している。

・ 一番着目したのはタイトなスケジュール。作業スケジュールにメリハリをつけるのが大事だ

ろうと考えた。

・ (「登米市の状況」資料を参照)登米市とのメールのやり取りが掲載されているが、サポート

対象の自治体とはこのようなやりとりをしている。メールで頂いている情報には重要な情報

が含まれている。他には、例えば非日常的なサポートの状況、要員はどこから駆けつけるか

などの情報や、ネットワークの詳細に関する情報なども必要。

・ BCPを策定するのに、「どういう状況を想定すればいいのか」で一番悩んでいるようだ。自治

体によってはスタートするまでが大変だが、登米市の場合はその段階はクリアしている。

・ 地域防災計画で想定されている被害想定は甘くなりがちであり、庁舎は無事な想定である場

合が多い。では、想定を超えた対策は考えなくて良いのか、焼け野原になるような最悪の状

況を考える必要があるのか、という点に悩んでいる自治体が多いようだ。

・ 地域防災計画と整合性を取るために、ICT-BCPでも同じ被害想定を採用すればよい。ただし、

想定から外れても対応できる準備が必要。したがって、防災計画で想定されていない個別の

状況についても、対応メニューとしてはあらかじめ用意しておくべきだ。それは BCPには載

らないかもしれない。必要な対策のリストと BCPの被害想定は、必ずしも一致していなくて

も構わない。

・ 例えばデータのバックアップは重要だが、通常の被害想定では、システムが使えなくなるこ

とはあっても、データが全部なくなるケースは想定しにくい。しかし、3.11 では実際にそれ

が起こった。こういう状況に対応するためにも、想定以上のことが起こった場合の対策は個

別にしておく必要がある。

・ (質問)自治体連携の話は含まれないのか。→BCPの中では、「対策」に位置づけられる。対

策の中で、連携団体からのサポートを受ける体制を作るなどの準備が必要。

・ (登米市に質問)策定体制の資料にアンケートの実施とあるが、どのようなアンケートだっ

たのか?→ヒアリングの形式で調査を行っている。重要業務の洗い出しのため、アンケート

を予定していたが、実際にはヒアリングで業務の洗い出しをした。今後ボトムアップの意見

集約にアンケート調査を行うこともありうる。→実際に決めるときには担当課の意向が非常

に重要。優先度等は業務担当課に整理してもらい、BCPに反映するのがよい。

・ (主査より、「登米市の策定スケジュールから見た作業手順」を参照)資料は登米市のスケジ

ュールの表に、推奨する作業手順をつけたもの。ICT-BCP 研修、策定体制の構築、首町の承

9

3

認を受けるのは非常に重要だが、登米市の場合はすでにできている。主管業務担当課のヒア

リングは済んでいる。ICT-BCP の初動業務(情報提供、救命のための業務)の観点からの重

要業務の洗い出しは、自治体によってあまり差はなく、ガイドラインからそのまま持ってく

ればよい。ただし、システムの洗い出しは必要であり、ネットワークの種類、保守事業者な

どを確認し、初動時に IT部門で担当できる部分を確認しておく必要がある。状況調査につい

ては、基幹業務の順序づけをして、重要業務からやっていく。優先度の高い業務に重点をお

いて状況調査を行い、バックアップのレストアを含め復旧までの手順を考える。被害想定、

災害危険度の調査を行い、それに基づいて、業務への影響分析ヒアリング・分析を行う。IT

が使えなくても業務が継続できるか、代替手段は用意できるかなどの観点でヒアリングをす

る必要がある。さらに、復旧時間や復旧レベルを設定する。このとき、どこまで復旧すれば

業務ができるのか、いつまでに復旧すればいいのか、レベルを設定して決定する。続いて代

替・復旧手段の立案を行うが、これは特に重要。対策や代替手段などを用意しておき、いざ

というときにそれを実行できなくてはならない。次が初動行動の立案で、初動時のチェック

事項(建物の安全性のチェック、設備のチェック、システムのチェック等)時系列でまとめ

ておく。ここまでできれば、とりあえず BCP にまとめるのがいいかと思う。12、13 の項目

は、市の中だけではできないので、順次進めていき、PDCA を進めながら追加していっても

よい。4、6、8、10に特に力を入れ、8については身の丈にあった対策を立てておく。

・ 登米市の感触は?→被害想定が一番難しいと考えていた。3.11 を経験したため、地震に目が

行きがちだが、水害などほかの災害もあり得る。それらも含めて被害想定をしたい。3.11 の

時には、初動時の対応は、ベンダーとの契約で非常時には自動的に参集、チェックをするこ

ととなっていたため、用意がなくてもチェックはできた。それを明文化していく。まずは被

害想定を決めていきたい。

・ 3.11 で実際にうまくいったことは重要。しかし、普段からチェックリストをうまく使って、

抜けなく、効率よく進める方がよい。BCP が必要なときは、同時にいろんな事象が進んでお

り、その状況ではチェックリストは重要になる。ワークシートの事例なども参考にして対策

を立て、チェックしておくとよい。

・ 登米市には支所がたくさんあるということだが、被害想定は支所も含めたところまで考える

のか?→全支所を対象に考えている。支所はWANレベルで二重化されているが、外部への接

続はまだ二重化されていない(検討中)。3.11時には住民サービスの窓口をどこで開くかとい

う問題が出た。2日目には転出届が出ていた。当時はいくつかの支所に限定して 3日後から窓

口業務を再開した。ICT-BCP の中で、何を優先してどう復旧していくかは、主管課と話をし

ながら詰めている。→必要最小の機能を守ることが重要。絶対に全部を止めないのは難しい。

庁内の理解を得ながら、どうしても必要なものと、やめられるもののようなレベル分けをす

る。特にやめることを決定するためには、ルールが必要。

・ 策定作業にはメリハリを付ける必要があると思うが、大高氏提案のメリハリのつけかたはよ

いと思う。私も携わったことがあるが、いつもみなさんが悩まれるのは、重要業務の選定や

影響度分析で、そこで力尽きることが多い。その作業にあまり力を入れないとしているのは

よい。→特に初動の場合、自治体によって重要業務はそれほど変わらない。その部分は事例

10

4

を活用すべき。よそから持ってきても影響がないものには、力を使わない方がよい。

・ (登米市)改めてヒアリングをした理由は、3.11 の時に各部門が実際にどういう動きをした

かが情報部門では見えていなかったため。避難所や支所などで、情報共有がうまくできてい

なかったことが浮き彫りになった。情報共有の方法に苦慮した実態がわかってきた。→振り

返りは重要。住民の安否確認や避難施設の名簿などは刻々と変化するのでむずかしい部分。

その部分自体は、ICT-BCP の中に入れる話ではないが、ICTで支える必要はある。初動版の

ガイドラインでは災害対応業務がターゲットになっている部分が多く、その部分の洗い出し

が多くの ICT部門にとってネックになっている。防災部門との連携が必要。

・ (主査)今回は登米市とのやりとりを取り上げたが、すべての支援希望団体をこうして WG

で検討できるわけではなく、個別に進めていく。今回の扱いは事例。それぞれの自治体の状

況に応じて、支援希望団体から要望やニーズがあれば聞かせてほしい。

・ (事務局)次回以降は、各希望団体の状況を見ながら、WGでの対応が必要なものを選んで、

定例会でも取り上げていく。→次回以降は状況報告も含めて進めていく。

災害時の相互応援協定のあり方について

・ (事務局)今後の進め方について。11月の ICTサミットでは外部の団体に参加を呼び掛ける。

それまでに 3 回定例会があるが、その中で基本方針を決め、必要な文書を用意し、地域コン

ソ内で参加を募りたい。7月の定例会では、重要事項について議論して決め(あらかじめ資料

を配布)、9月の定例会では基本文書の草稿を検討し、10月には合意をするというスケジュー

ルにする予定。

・ 重要な検討事項について。協定の必要性は合意できるだろうが、実際には細かい問題がいく

つかある。長期的に協定の組織を維持し、活動する枠組みを作ることが重要。たとえば、意

思決定の仕組みを決める必要がある。持続可能な事務局のあり方や運営方法も検討が必要。

また、平常時の具体的な活動内容を決める必要がある。名前だけの協定では意味がなく、普

段から付き合い、準備をしておくことで効果的に支援ができる。また受援内容を明確化し、

どんな支援ができるのかを明確にしておかなければ協定を結ぶのは難しい。協定団体の義務

についても示す必要がある。次回、事務局案を提示して、実質的な議論をしたい。

・ 企業からも意見・サポートも欲しい。

・ 藤沢市で部長以上を集めた会議があったが、その場で協定についての話をしている。その際、

一対一での協定ではいけないのか、という質問があったが、グループであれば支援する側の

負担も少なくでき、多様な支援ができるというメリットがあると答えた。

初参加団体ほか質疑応答

・ 市長から ICT-BCPについて取り組みを進めるよう指示があった。4月は地震直後だったため

参加できなかったが、勉強させていただきたい。→合併して合併前の庁舎を建て直す計画な

どもあると聞いているが、現行庁舎を前提とするか、新庁舎を前提とするかで BCPの検討事

項も変わってくるだろう。

・ 「いばキラ TV」というインターネットテレビを始めた。観光情報や地域情報を発信している

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が、災害発生時には災害情報も流すことを考えており、優先順位などの話もあるが、どうい

う情報を流していくかを考えていきたい。→インターネットテレビの活用について、住民向

け災害情報は時系列に変化していくなど、難しいところがある。情報発信 WG の方がテーマ

として合っているかもしれない。このWGでも情報交換はしていきたい。

・ BCP 策定の作業の中で、効率的に進められる部分はどこか、どの作業を優先すべきかという

点は非常に勉強になった。

・ BCPを策定したが、まだ充実したものとは言えない。早急に改定したいと考えている。→BCP

はどんどん改定していくべきものなので、正しい方向だと思う。

・ 今回、災害対策基本法が改定され、罹災証明書の発行が義務付けられた。これによって、シ

ステム化等議論や検討は始まっているのか?→現状では、通常の風水害では手書き対応が多

い。本当の大規模災害はまれなケースで、これまでは注目されていなかった。罹災証明の発

行自体は実は簡単だが、罹災照明の申請から、現地調査、発行などのプロセスや相談記録な

どを時系列で残し、復興支援につなげる情報を蓄積することを考えるのが重要。証明発行と

いうよりも、被害調査に時間がかかる場合が多い。東日本大震災では航空写真などをもとに

地域ごとに判断をしたケースなどもある。そういうことを今後検討してもよいかもしれない。

以上

12

1

自治体 ICT プロジェクト 情報発信・観光活性分科会

2013 年度第 2 回定例会 議事メモ

■日時

2013年 5月 31日(金) 14:40~16:00

■場所

AP品川会議室(東京都港区高輪 3-25-23)

■参加者(18 名、敬称略)

つくば市、志木市、荒川区、調布市、茅ケ崎市、白川町、松阪市、安芸高田市、玄海町

■議事

配布資料についての説明

総務省の「ICT街づくり事業」(平成 24年度補正予算)への提案案件について(結果通知は 6月

末)、参加自治体の関心分野について議論した。

・観光地が複数自治体にまたがっている場合、災害時にどの登山道を利用するかで対応自治体が

変わってくる。そのため、災害時の観光客含めた避難誘導という観点からは、地域内の単独自治

体ではなく、広域で取り組んだ方が良いと考えている。また、非常時に利用するツールは、平常

時から使い慣れていないと意味がない(と三鷹市の事例から学んだ)ので、平常時との連携が重

要である。基盤としてクラウドを利用する可能性については、一度クラウドで構築したシステム

の固定化が懸念される。人口規模が同程度の自治体を集めてマッチングするのが良いのではない

か。災害時の避難誘導について、外国人も利用できるような仕組みにしてほしい。

・市内の観光地への駅からのルートを紙媒体で紹介しているが、ウェブ上で行いたいと考えてい

る。そのほか、授乳場所やおむつ替えの場所なども、紙媒体でのみ表示しているので、ウェブ上

の地図におとして知らせたい。GIS は庁内用と庁外用があり、データリンクはしていない。庁外

用では学域や学校、病院、放射線量測定値等の情報を公開している。市の公式ウェブサイトから

見ることができる。

・一番関心に近いのは「健康アプリ」である。紙媒体では情報公開をしているがウェブ上ではし

ていない。

・ハイキングルートの表示に関心がある。コミュニティバスは利用者の減少により継続運行が難

しくなっている。岐阜県で公開用の統合型 GISを準備しており、県内自治体は少ない費用負担で

13

2

利用することができるが、職員が忙しく情報の入力に至っていない。手間をかけずに情報を入力

できる仕組みがなければ継続的に運用ができないと思う。京都大学畑山准教授が開発した経年変

化の計測が可能な地図エンジンを利用している。

・一番関心に近いのは「観光アプリ」であるが、観光テーマは非常に取り組むのが難しく、民間

サービスとどう差別化していくのかが課題でもある。公開用の GISはない。

・鯖江市を見習い、オープンデータを推進しようとしている。どの情報を公開するか協議してい

るところで、情報システムだけではなく広報部門との連携が重要だと感じている。

・5月に観光アプリを立ち上げた(グーグルマップ利用)。アプリには AR機能がついており、目

的地までのルートと距離、移動推定時間が表示される。このアプリに、災害時の避難ルートや、

道路の通行情報が出せれば良いと考えている。利用者からは、コンビニやスーパー、トイレの場

所情報を表示してほしいという意見がある。運用コストを下げるために、店舗登録料を徴収する

予定。

・観光アプリに重点を置きすぎると、地元の人が使いにくくなるという恐れがある。地元に根付

いたコンテンツも必要である。津波避難場所として、民間ビルやマンションとの協定を進めてい

る。若者の利用者を取り込めるようにコンテンツを充実させる必要がある。

・データ連携が最も重要だと考える。広い地域のデータを見なければ状況が把握できないもの(行

政区域の境界を越えるもの)についても広域で情報が公開できると良いのではないか。観光情報

であれば、属性情報を揃えることも必要だと思う。地図上の情報は実際に現地に足を運ばないと

実感することができないので、いかに「現場を歩いてもらうか」が重要になるのではないか。

・自治体が「価値がない」と思っていることも、民間から見ると「価値がある」ものがある。対

住民サービスの観点から、例えば以前、市・町営駐車場の空車状況をリアルタイムで発信し、事

前予約を可能にするなどのアイデアがあった。情報公開により、駐車料金を可変(ダイナミック

プライス)させていくことも可能ではないか。オンデマンドバスの運行等も可能になると考えら

れる。

・インターネット TV を運用しているが、紹介した店舗の「場所」を公開したい。警察署の位置

や防犯灯などの情報も公開するのに有益だと思うが、縦割りで中々情報を揃えることができない。

縦割り情報のマッシュアップも重要な観点である。

次回会合時には採択結果が判明しているので、再度議論を行う予定。

※6月 7日追記:提案案件は、「不採択」であったため、次回会合までに分科会の方向性を再提示

する予定です。 以上

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