第12章 波の物理 - 北海道大学波長 1秒間に進んだ距離= 速さv 時間t 1 [s] 1 [s]...
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第12章波の物理
媒質の変位
横波 縦波
速度
波の進行方向と振動方向が垂直 波の進行方向と振動方向が同じ
媒質の変位 速度
疎密
縦波と横波
波長
1秒間に進んだ距離 = 速さ v
時間 t
1 [s]
1 [s]
波は,1秒間に f 回だけ振動し,1回の振動で波長 だけ進む。よって,波の速さは,
となる。
1秒間の波の数 = 振動数 f
v f
時間 t
距離 x波源
振幅 A,波長 ,周期 Tの正弦波の任意の時刻 t,任意の距離 x における波 Dは,
で表される。ただし,0は初期位相。
02( , ) sin t xD x t AT
波の進む速さ
単振動
波の伝わる速さを v [m/s],波長を [m],周期を T [s],振動数を f [Hz]とすると,
, より,vT
1fT
v f
周期を T [s],振幅を A [m],初期位相を 0 とすると,
周期T振幅A
0
y
t
位相0
02
siny A tT
正弦波
波長振幅A
0
y
x
速さv
T
t
y : 波の振動
t : 時間
x : 波の伝搬
波動
波動を表す式
振幅 A,周期 T,振動数 f の単振動が x軸上を正の向きに速さv で進むとき,座標 x の点の時刻 t における変位を y とすると,
0
0
2
2
,
sin
sin
y x t
xA tT v
t xAT
A0
y
x
vx
点P
点Pは,原点よりも [s]だけ遅れて振動をする。
xv
時刻 の波形xtv
v
x
時刻 tの波形y
0
時刻 tの点Pの変位
時刻 の
原点の変位
xtv
波動
周期T=0.5[s],振幅A=6.0[cm]の単振動をしているおもりがある。おもりがつり合いの位置を上向きに通過する時刻をt=0[s]として,以下の問いに答えよ。
1) この単振動を表す式を書け。
2) 次のそれぞれの時刻について,単振動の位相と変位を求めよ。
1/8[s],2/8[s],3/8[s],4/8[s]
1)
2)
2 20 6 0 6 40 5
sin . sin . sin.
y A t t tT
時刻 [s] 1/8 2/8 3/8 4/8
位相 2
変位 [cm] 6.0 0 6.0 0
例題
12 3
2
振動数2.5[Hz]の正弦波が,x軸に沿って正の向きに進んでいる。
1) 波の振幅A,波長,周期T,速さvは,それぞれいくらか。
2) 0.1[s]後の波形を描け。そのときのP点の変位はいくらか。
32
101
23
5 10 15 20
y [m]
x [m]P
1) 振幅 2.0[m]波長 10[m]周期 1 / 2.5[Hz] = 0.4[s]速さ 2.5[Hz] × 10[m]
= 25[m/s]
2) 0.1[s]経つと,波は,x = vt = 25[m/s] × 0.1[s] =2.5[m]進むこととなる。つまり,x =7.5[m]の所の波が,0.1[s]後のP点の波となる。よって変位は,2[m]
例題
x軸に沿って正の向きに伝わる正弦波がある。この波が伝わるとき,位置 x[cm]の媒質の時刻 t [s]における変位 y [cm]が次の式で表されるとき,以下の問いに答えよ。
2 0 5 0 0 25. sin . .y t x
1) 原点(x = 0)の媒質の振動を表す式を書け。また,その振動のy – tグラフを描け。
2) この波の周期 T と振幅 Aはいくらか。
3) 時刻0[s]の波形を表す式を書け。また,その波形を描け。
4) この波の波長 はいくらか。
5) 時刻0.1[s]の波形を書け。
例題
x軸に沿って正の向きに伝わる正弦波がある。この波が伝わるとき,位置 x[cm]の媒質の時刻 t [s]における変位 y [cm]が次の式で表されるとき,以下の問いに答えよ。
2 0 5 0 0 25. sin . .y t x
1) 原点(x = 0)の媒質の振動を表す式を書け。また,その振動のy – tグラフを描け。
2) この波の周期 T と振幅 Aはいくらか。
周期 T = 0.4[s]
振幅 A = 2.0[cm]
2 0 5 0. sin .y t
t [s]
y [cm]
0.4
2.0
2.00.2
位相 0 /2 3/2 2t 0 0.1 0.2 0.3 0.4y 0 2.0 0 2.0 0
例題
x軸に沿って正の向きに伝わる正弦波がある。この波が伝わるとき,位置 x[cm]の媒質の時刻 t [s]における変位 y [cm]が次の式で表されるとき,以下の問いに答えよ。
2 0 5 0 0 25. sin . .y t x
3) 時刻0[s]の波形を表す式を書け。また,その波形を描け。
4) この波の波長 はいくらか。
波長 = 8.0[cm]5) 時刻0.1[s]の波形を書け。
v = / T = 20[cm/s]x = vt = 2.0[cm]
2 0 0 25 2 0 0 25. sin( . ) . sin( . )y x x
位相 0 /2 3/2 2x 0 2.0 4.0 6.0 8.0y 0 2.0 0 2.0 0 x [cm]
y [cm]
82.0
2.0
4
x [cm]
y [cm]
6
2.0
2.02
例題
波の速度は,浅いところほど遅くなる。でも,水量は一定なので波の高さは高くなる。
水面の波と速度
波の重ね合わせは,高さの足し算になる
波の重ね合わせ
干渉
腹 腹節
若干のたるみがある状態で張られたロープの一端を持ち,これを一定のリズムで振り続ける。しばらくすると,ロープに沿ってあたかも止まっているように見える波が観測される。
この波を定常波といい,定常波はロープを進行する波と,これと逆向きに戻る波の干渉によって起こる現象である。
定常波
弦の長さを L とすると,最大波長は1 = 2Lである。
波の速さ v,振動数 f,弦にかかる張力 F,単位長さ当たりの質量(綿密度) とすると,
より,
L
vf
Fv
11
2Ff
L
張力が大きいほど,周波数が高くなる
張力と周波数
L
f1:基本振動数第1調和波
f2 = 2f1第2調和波第1倍音
f3 = 3f1第3調和波第2倍音
f4 = 4f1第4調和波第3倍音
両端を固定した長さLの弦
が定常波になるには,図のような特定数の腹をもつ波でなければならない。波長を とすると,L = / 2, L = 2( / 2),L = 3( / 2),・・・である。定常波として可能な波長 n と振動数 fnは,
となる。これを倍音という。
2n
Ln
1 2 3 4, , , ...n
2nn FfL
固有振動数
パイプオルガンなどは,金属のパイプ内の空気の振動により音がする。外部から周波数 fの振動を与えたとき,この周波数がパイプの持つ固有振動数 f0 と等しいとき,振動は最大
となる。これを共振(共鳴)という。また,倍音のときも同様に振動が大きくなり,このような共振を起こす周波数を共振(共鳴)周波数という。
パイプ(気柱)の振動は,開端が腹,閉端が節になる。
パイプの振動
4
基本振動
4
2倍振動
基本振動のときには,
そこで,その振動数を f1,空気中の音速をv とすれば,
同様にすると,2倍振動のときには,
となるから,振動数 f2 は,
一般に,n倍振動の振動数を fn とすれば,
ただし,n= 1, 2, 3, ・・・・・
1
4 2
1 2
2 12
2 22
vf v f
2
4 4
222
11
12
vf v
両端が開いたパイプ
12nn
v nf v nf
基本振動のときには,
そこで,その振動数を f1,空気中の音速を vとすれば,
同様にすると,3倍振動のときには,
となるから,振動数 f2 は,
一般に,n倍振動の振動数を fn とすれば,
ただし,n= 1, 3, 5, ・・・・・(奇数だけ)
1
4
1 4
3 13
3 34
vf v f
3
4 3
343
11
14
vf v
4
基本振動
4
3倍振動
片端が開いたパイプ
14nn
v nf v nf