第1回レポート 「介護における尊厳の保持・自立支援」第1回レポート...
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第 1回レポート
「介護における尊厳の保持・自立支援」
問題 1 QOLの考え方に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 QOLの向上を実現するには、心身両面の健康の保持が不可欠である。
2 QOLの考え方は、20世紀に入って生まれたものである。
3 社会の高齢化は、QOLの概念が重視される要因のひとつである。
4 SF-36は、WHOが開発した国際間比較も容易にできる包括的な尺度である。
5 QOLを考えるうえでは、心身機能や自立度など、客観的指標のみから個人の生活を
評価することが重要である。
問題 2 ノーマライゼーションに関する次の記述のうち、正しくないものを一つ選びなさい。
1 ノーマライゼーションとは、障害の有無に関わらず、誰でも参加することができ、普
通に暮らせる社会を目指すという意味である。
2 ノーマライゼーションの理念は、デンマークのバンク・ミケルセンによってはじめて
提唱された。
3 アメリカのADA法(障害をもつアメリカ人法)は、ノーマライゼーションの考え方
が発展し制定されたものである。
4 障害児教育の分野では、ノーマライゼーションの理念に基づき積極的にインテグレー
ションの考え方が用いられている。
5 高齢者介護においては、地域社会でさまざまな人々と関わりながら、また少人数の規
模で生活することが、ノーマライゼーションの理念を具現化したものである。
問題 3 自立支援に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 自立支援の最終的な目標は、他者の手を借りることなく、自分の力で生活できること
である。
2 高齢者介護では、生活の不便や不安を取り除き、安全を確保するために行き届いた管
理を行うことが自立支援の理念に基づくサービスである。
3 高齢者介護では、介護保険法施行後、はじめてお世話型介護からの脱却が指摘される
ようになった。
4 介護保険法には、本人の能力に応じた自立生活を支援することが目的のひとつとして
掲げられている。
5 三大介護を手際よくこなすことが、最もよい介護といえる。
問題 4 介護予防に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 平成22年度の国の調査(※)では、65~74歳までの高齢者のうち要支援・要介護状態
の人が占める割合は30%以上となっている。
2 65 歳以上の介護保険受給者のうち、寝たきりなどで重度の介護を要する人は、全体の
半数を占めている。
3 要介護の発生率は、前期高齢者より後期高齢者で大幅に増加する。
4 家事仕事などを慣れた動作については、疲労の訴えがあっても多少の無理をして継続
することが介護予防につながる。
5 医学やリハビリテーションの進歩から、近年では寝たきり状態は大きく減少している。
(※)平成 22 年度介護給付費実態調査の概要「性・年齢階級別にみた 65 歳以上人口に占
める受給者の割合」
「介護の基本」
問題 5 チームケアにおける各種専門職に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びな
さい。
1 社会福祉士は、福祉サービスを必要とする人に対し、相談・助言・身の回りの世話な
どを行う専門職である。
2 保健師は、保健所や保健センターなど、地域住民の健康増進や疾病予防などに携わっ
ているが、高齢者介護では直接関わりをもつことはない。
3 看護師と介護職員は重複する業務も多いが、専門的視点から利用者の生活を支援する
それぞれの役割がある。
4 理学療法士は、身体や知的、または精神に障害がある人に対して手芸や工作、その他
の作業を通して応用動作や社会適応能力の回復・改善を行う。
5 栄養士は、病院や保健所、福祉施設などで食物栄養の専門家として、献立作成や栄養
指導にあたる国家資格である。
問題 6 高齢者の特性に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 加齢に伴う心身機能の低下の状況は、個人差が大きい。
2 いわゆる老眼により視力の低下がみられ、また周辺視力や深視力も加齢による影響を
受ける。
3 聴覚低下により、注意力が妨げられることがある。
4 一般的に体力は、20~60歳の間に 15~20%低下するといわれる。
5 老化に伴い記憶の書き込みは困難になるが、保持時間に影響は現れない。
問題 7 感染症対策に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 感染予防には、感染源の排除、感染経路の遮断、人間の抵抗力向上が重要とされる。
2 感染源となるものに触れる場合は必ず手袋を着用し、手袋を外した後は手洗い、手指
消毒が必要である。
3 結核は、空気感染によって感染する。
4 ウイルスや細菌が人のからだに付着した状態を、汚染という。
5 保菌状態では感染媒体とはならないため、いかなる場合も隔離の必要はない。
問題 8 介護職員のこころの健康管理に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選び
なさい。
1 ストレッサーによるストレス反応は、それぞれの人によって現れ方に違いがある。
2 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」は、労働安全衛生法に基づき厚生労働
省が公表したものである。
3 メンタルヘルスケアにおける「4 つのケア」とは、セルフケア、管理監督者、産業医、
事業場外専門機関などによるケアを指す。
4 事業者は、メンタルヘルスケアの推進にあたっては、「こころの健康づくり計画」を策
定し多角的に対応することが必要である。
5 職場におけるメンタルヘルスケアでは、職場以外の問題への配慮は必要とされない。
「介護・福祉サービスの理解と医療との連携」
問題 9 介護保険制度創設の背景に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 わが国の高齢化率は、ほぼ3人に1人が高齢者という割合になっている。
2 わが国の高齢化は、その進行の早さも特徴のひとつである。
3 昔も今も介護の担い手は女性であり、社会進出が遅れる大きな要因となっている。
4 高齢者医療制度の活性化のため、介護領域の拡充が必要とされた。
5 医療・福祉など高齢者に必要なサービスを分離し、役割を明確にすることが求められ
た。
問題 10 要支援・要介護認定に関する次の記述のうち、正しくないものを一つ選びなさい。
1 65歳以上の介護保険被保険者のうち、要支援・要介護認定を受けている人の割合は20%
にも満たない。
2 要介護認定の申請は、本人または家族、家族以外の者が代理で行うことができる。
3 審査・判定は、市町村に置かれた介護保険審査会で行われる。
4 認定の有効期間は、新規申請の場合は原則6か月となっている。
5 要支援・要介護認定の結果は、申請日にさかのぼって適用される。
問題 11 リハビリテーションに関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 急性期のリハビリテーションは、救命処置や治療などが行われ、本人の心身状況が安
定するのを見計らい開始される。
2 維持期のリハビリテーションでは、二次障害の予防やADLの低下防止などを目的に
実施される。
3 作業療法士は作業活動を用いて、言語を中心としたコミュニケーション能力や諸機能
の回復・維持開発を促す。
4 介護職は、リハビリテーションの側面から利用者に関わることはない。
5 主に高齢者をサービス対象とする介護保険法は、リハビリテーションの必要性に触れ
ていない。
問題 12 ICFの考え方について説明しなさい。
出題テーマ『ICFとは』
問題 13 障害者福祉理念の概要に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさ
い。
1 インフォームドコンセントは、本人中心主義の実行例である。
2 障害者権利条約では、ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)を社会に完全か
つ効果的に参加し、及び社会に受け入れられることと示している。
3 アクセシビリティとは、社会サービス等の「利便性」や「利用可能性」の度合いを示
す言葉である。
4 バリアフリーとは、物理的環境だけでなく人々の意識面における障壁の除去も含んだ
考え方である。
5 エンパワメントとは、すべての人々が分け隔てなく普通に共存できる社会こそが正常
な社会のあるべき姿であるという理念を指している。
問題 14 障害者の定義と手帳制度に関する次の記述のうち、正しくないものを一つ選びな
さい。
1 障害者基本法では、「障害者権利条約」における障害者の定義を採用している。
2 障害者基本法では、現に身体、知的、精神等に障害がある者は、その事実をもって障
害者であることが明示されている。
3 「平成 17年知的障害児基礎調査」では、発達期までに知的機能の障害があらわれ、日
常生活の支障から特別の援助が必要な状態にある者を知的障害者と定義している。
4 身体障害者福祉法や障害者自立支援法において身体障害者と認められるには、都道府
県知事が交付する身体障害者手帳の所持が必要である。
5 発達障害者支援法で、発達障害者とは自閉症、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥
多動性障害その他これに類する脳機能の障害が、通常低年齢で現れるものとして政令
で定めるものと規定されている。
問題 15 生活保護の基本原理および基本原則の種類を述べなさい。
出題テーマ『生活保護の基本原理と基本原則』
問題 16 成年後見制度に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 成年後見の開始申立は、本人、配偶者、4親等内の親族のみが行える。
2 成年後見人は、1人の成年被後見人に対して 1人が選出される。
3 成年被後見人の日常生活に関する行為は、取消権の対象から除外されている。
4 保佐制度は、精神上の障害により判断能力が不十分な人に適用される。
5 任意後見人にも、法定後見人と同様の権限が付与される。
問題 17 虐ぎゃく
待たい
防止法に関する次の記述のうち、正しくないものを一つ選びなさい。
1 高齢者虐待防止法には、5種類の虐待行為が示されている。
2 養護者による虐待行為により、生命または身体に重大な危険が生じている高齢者を発
見した場合には、市町村への通報に努めなければならない。
3 通報を受けた市町村が立ち入りによる調査を行う場合、必要と認めた場合には警察官
の同行などの援助を受けることができる。
4 障害者虐待防止法の内容は、高齢者虐待防止法とほぼ同一のものであるが、数年遅れ
ての施行となった。
5 障害者虐待防止法では、虐待の行為者として各種施設従業者のほか、障害者を雇用す
る事業所の使用者も対象となっている。
問題 18 年金制度に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 国民年金の被保険者は、民間事業所の被用者や公務員以外の国民である。
2 第3号被保険者とは、第1号被保険者の被扶養配偶者である。
3 老齢基礎年金は、国民年金に 40年以上加入していないと受給できない。
4 パート社員であっても、一定の労働時間を超えた場合は厚生年金の被保険者となるこ
とができる。
5 老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格を満たしている人が 60歳に達した時に支給
が開始される。
第 2回レポート
「介護におけるコミュニケーション技術」
問題 19 聴覚障害者とのコミュニケーションに関する次の記述のうち、適切なものを一つ
選びなさい。
1 最も有効で汎用性のあるコミュニケーション手段は手話である。
2 補聴器で聴覚の機能低下を補っている人に対しては、会話の際に特別な配慮は必要と
しない。
3 空書を使う場合は、相手から見て正しい文字になるよう鏡文字を使う。
4 老人性難聴は高音域から聞こえが悪くなる。
5 老人性難聴は伝音性難聴である。
問題 20 報告・連絡・相談に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 利用者やその家族が問題にしていない軽微な事故については、あえて報告する必要は
ない。
2 報告とは、常に部下から上司へ一方向的に行うものである。
3 業務の効率化・簡素化を図るため、日々の連絡はできるだけ少なくなるよう務める。
4 仕事上の悩みについては、チームワークを崩す要因にもなるため他の職員に相談する
ことは控える。
5 介護事故等による訴訟の遠因が、家族との連携不足にあることも少なくない。
「老化の理解」
問題 21 老化による心と体の変化に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 体温は、安静時、空腹時、睡眠時は高くなりやすい。
2 呼吸回数の減少では、脳血管疾患や睡眠薬中毒などが疑われる。
3 加齢に伴い頻ひん
脈みゃく
になる傾向がある。
4 高齢者の皮膚掻痒症の多くはアレルギー性のものである。
5 浮ふ
腫しゅ
は、上腕や大腿など脂肪組織の多い部位でみつけやすい。
問題 22 老化に伴う疾患に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 変形性関節痛やリウマチなどによる初期の関節痛では、できるだけ安静を保ち、動か
さないようにする。
2 高齢者は運動量が少なく、脱水を起こしにくいといわれる。
3 低栄養は疾患が原因ではなく、摂取栄養の不足から起こる。
4 歩行障害は、筋・骨格及び神経系疾患以外でも起こる。
5 心身機能低下した高齢者では、1週間寝たきりの状態が続くと 10~13%の筋力が低下す
るといわれる。
「認知症の理解」
問題 23 見当識障害について説明しなさい。
出題テーマ『見当識障害』
問題 24 認知症の人とのコミュニケーションに関する次の記述のうち、適切なものを一つ
選びなさい。
1 知識よりもコミュニケーションを重視した支援に効果が期待できる。
2 認知症の人にとっては、介護者が何を話すかではなく、どのように話すかが重要であ
る。
3 認知症の人と話をする場合は、大きく、はっきりした口調で、明るく、高いトーンの
発声をこころがける。
4 言語理解が困難になった認知症の人にとって、タッチングは常に有効なコミュニケー
ション手段となる。
5 認知症の人に寄り添った支援では、本人の言動で事実と違う部分を訂正し、世界観を
近づけていくことが必要である。
第 3回 レポート
「障害の理解」
問題 25 視覚障害に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 人間は生活に必要な情報の約50%を視覚から得ているといわれる。
2 白内障は、白濁を取り除く点眼薬を継続的に使用することで治癒できる。
3 糖尿病網もう
膜まく
症しょう
は、高血圧が原因で網膜に傷がつくことで発症する。
4 緑内障は初期から顕著な自覚症状がみられ、進行の早さが特徴である。
5 視覚障害には、視力だけなく、色や見え方、明るさなどに障害が現れるものも含まれ
る。
問題 26 精神障害に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 精神障害者保健福祉手帳の表紙には、精神障害に関する表記がない。
2 統合失調症における幻覚、妄想は、陰性症状の一つとして現れる。
3 統合失調症は、適切な薬物治療により早期寛解が可能な疾患である。
4 アルコール依存症では、酩酊状態の幻覚や全身痙攣が特徴である。
5 断酒を行う場合には、本人の自覚に任せることが大切である。
「こころとからだの基礎的理解」
問題 27 老年期の人間関係の特徴に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 健康状態が良好な場合、社会参加や人付き合いが活発である。
2 年を重ねるごとに社会的に人間関係が拡大する。
3 心身能力が低下するほど、インフォーマルな関係は強くなる。
4 集団における年長的な役割となり、他者に世話や支援を提供する側となる。
5 老年期の人間関係では、互ご
恵けい
性の価値は重要ではない。
問題 28 障害への心理的反応に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 ショック期では、自分の身に大変なことが起こっているという混乱とともに、それを
信じがたく思う気持ちも強い。
2 否認期では、身体状況を一時的なものととらえ、元の状態に回復できると思い込んで
いる段階であり、自助努力にも消極的である。
3 混乱期では、徐々に機能低下の事実が認識されるようになり、怒りや悲嘆、絶望など
の強い情動が生じてくる。
4 解決への努力の時期には、能力障害および社会的不利に関して、改善の見通しが立っ
ていることが重要である。
5 受容期では、自分の将来にあきらめがつき生きがいを見出せなくなる。
問題 29 人体の構造に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 体幹とは、胸部・腹部を合わせた胴体のことを指す。
2 人体内部には、頭部と胸腹部に 2つの腔所がある。
3 人体の形状は、骨格・筋・皮膚・内臓などがほぼ左右同じかたちでできているという
特徴がある。
4 動脈系の血管は、障害時の損傷を避けるため関節から離れた場所に位置している。
5 介護職が行うケア技術は、観血的・侵襲的処置である。
問題 30 人体の機能に関する次の記述のうち、正しくないものを一つ選びなさい。
1 消化器系のうち、小腸は食物を吸収する働きの中心を担っている。
2 泌尿器系のうち、腎臓は体液の組成や浸透圧を保ち、ホメオスタシスの役割を果たし
ている。
3 循環器系には、心臓、血管のほか、リンパ管も含まれる。
4 血球は、骨の中で産生される。
5 体液のうち、血管の中に含まれ細胞の周囲を満たしている細胞外液が占める割合は
40%程度である。
問題 31 バイタルサインについて述べなさい。
出題テーマ『バイタルサイン』
問題 32 骨・関節・筋の基礎知識に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 全身の骨格は、体重のおよそ50%を占めている。
2 股関節と膝関節は、いずれも球きゅう
関節である。
3 心臓、血管、胃腸などの内臓器官の運動は、いずれも平滑筋と呼ばれる筋線維で行っ
ている。
4 ボディメカニクスを取り入れることで、患者・介護者双方の身体的負担を軽減し、合
理的な動作が行える。
5 良肢位とは、長期臥が
床しょう
などによっても拘こう
縮しゅく
が起こりにくい関節の位置をいう。
問題 33 自律神経の機能に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 上がった血圧を下げようとして血管を拡張させるのは、交感神経のはたらきによる。
2 男性には、自律神経症状を伴う更年期はない。
3 膀胱ぼうこう
の蓄尿機能は、交感神経のはたらきによって起こる。
4 消化機能の大半は、副交感神経により調節されている。
5 意識的な身体動作で、交感神経と副交感神経のはたらきを操作することができる。
問題 34 老化と加齢に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 人間が生まれてから死ぬまでの物理的な時間経過のことを「老化」という。
2 老化の原因については、人間のように寿命の長い高等動物の場合は、主に遺伝的な影
響が大きいといわれる。
3 30歳以降、だいたい8年ごとに死亡確率が約2倍ずつ増加するといわれる。
4 高齢者の生理的特徴として、急性疾患を発症しやすくなることがあげられる。
5 高齢者の介護が必要かどうかは、実際にその行為ができるかどうかという視点に絞っ
て判断していくことが大切である。
「生活支援と住環境整備」
問題 35 栄養の理解に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 厚生労働省は、1日に何を、どれだけ食べたらよいかをイラストで示した食事バラン
スガイドを作成した。
2 1日に必要なエネルギー量は、加齢に伴い多くなる。
3 炭水化物は、身体の構成成分となる主要な栄養素である。
4 摂取できる栄養素のバランスをよくするために、主食、主菜、副菜、汁物の一汁ニ菜
の組み合せが望ましいとされる。
5 献立をつくる場合には、昔のことを思い出さないように伝統的な行事食や郷土料理は
取り入れないようにする。
問題 36 食品の保存・管理に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 開封後の食品には、開封日を明記しておくとよい。
2 魚介類はいたみやすいため、流水で洗う。
3 調理後の食品を保存する場合は、温度が高いうちに手早く行う。
4 冷蔵庫内の温度が一定に保てる保存量は、容量に対して7割程度といわれる。
5 冷蔵庫内に保存してあるものを使用する場合は、再加熱を行う。
問題 37 衣服の役割に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 外的刺激から皮膚を保護する。
2 体温を調節する。
3 職業や所属している集団を表す。
4 1日のリズムをつくる。
5 からだを覆い隠すことから、閉塞感の原因になる。
問題 38 洗濯に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 毛と絹には、弱アルカリ性洗剤を使用する。
2 汚れがひどい場合は、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤を混ぜて使うようにする。
3 大量の洗濯物を洗う場合には、全自動洗濯機の方が経済的である。
4 毛製品のセーターやしわをつけたくないものは、つかみ洗いをする。
5 衣服の材質により、乾燥の仕方についても注意が必要である。
問題 39 快適な居室環境づくりに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさ
い。
1 音のない状態にできるだけ近づけることで、より安心して過ごせる室内環境になると
いえる。
2 視力の低下した高齢者の場合、室内照明は少し明るめに設定する。
3 冷暖房を使用する際は、室内外の温度差は5℃以内を目安とする。
4 冬の乾燥した空気は皮膚を乾燥させ、感染症を起こしやすくするため、一定の湿度を
保つことが大切である。
5 エアコンを使用している場合は、定期的に居室内の空気を入れ替えるようにする。
問題 40 認知症高齢者の行動特性や安全に配慮した生活環境に関する次の記述のうち、適
切でないものを一つ選びなさい。
1 転倒を予防するための手すりを設置する。
2 つまずき防止のため、電化製品のコード類はまとめておくようにする。
3 トイレや浴室の場所は、わかりやすく示しておく。
4 居室内の照明を明るくして、見えない部分をなくすようにする。
5 本人に注意を向けて欲しい場所に目立つ色のテープなどを貼り、できるだけ多くの刺
激が受けられる環境をつくる。
「こころとからだのしくみと自立に向けた介護」
問題 41 衣服の役割と選ぶときの配慮事項に関する次の記述のうち、適切でないものを一
つ選びなさい。
1 衣服には、自己表現とともに社会や集団への帰属を表す役割もある。
2 衣服には、発汗や脂肪など体内からの分泌物などを吸収して、皮膚の清潔を保持する
役割がある。
3 衣服はからだの動きを妨げず、伸縮性があり機能的な素材を選ぶ。
4 絹と麻は、通気性や吸湿性が悪い素材である。
5 靴は踵かかと
が低く、甲が深く足のサイズにあった脱ぎ履きしやすいものを選ぶ。
問題 42 衣服着脱時における支援に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びな
さい。
1 片へん
まひがある場合は、患側から脱いで健側から着るようにする。
2 利用者のプライバシーが保持できるようにスクリーンやカーテンをする。
3 室内を暖め、すき間風がないように準備する。
4 介助後は、利用者の着心地を確認し、疲労感や体調を確認する。
5 浴衣を着せる場合には、襟元を左が上になるように合わせる。
問題 43 口腔こうくう
ケアに関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 口腔内は細菌が繁殖しやすい環境であり、350種類以上の細菌が数千億個以上生息して
いるといわれる。
2 口腔ケアの実施は、栄養状態の改善にはあまり効果がみられない。
3 唾液の分泌を抑え、口腔内を乾燥させることがう蝕や歯周病の発生予防につながる。
4 ブラッシングは、歯の表面にブラシを当て、強めの圧力をかけて汚れをかき落とすよ
うにみがく。
5 義歯の装着は、下顎あご
を先に入れてから上顎を入れる。
問題 44 まひの障害部位に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 片へん
まひとは、左右いずれかの上下肢まひをいう。
2 片まひの原因は、交通事故や転落などの脊髄損傷が多い。
3 単まひとは、上下肢のうち片手もしくは片足だけのまひをいう。
4 対まひとは、左右の上肢または下肢の対称性のまひをいう。
5 不全まひとは、感覚が鈍化しその部位に十分な力が入らない状態をいう。
問題 45 体位の種類に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 側そく
臥が
位い
は、からだの緊張が最も少ない体位である。
2 上半身を 90度起こした状態を、半はん
座ざ
位い
という。
3 長座位は、股こ
関節の拘こう
縮しゅく
を防ぐことができる。
4 起き
座ざ
位い
は、胸部を圧迫するため心臓や呼吸器に疾患がある場合には適さない。
5 立位をとるうえで、端たん
座ざ
位い
は不可欠である。
問題 46 車いすの基本構造に関する次の記述のうち、正しくないものを一つ選びなさい。
1 ハンドリムとは、自走時に握って車輪を回転させる部分である。
2 バックサポートとは、足の巻き込みを避けるために装着する。
3 ティッピングレバーとは、段差を超える場合などでキャスターを持ち上げるために足
で踏むレバーのことである。
4 レッグサポートは、全介助や自力で立位可能など利用者それぞれの状態に合わせられ
るよう、取り外しができるものがよい。
5 サイドガードは、衣服が車輪にからまるのを防ぐガードである。
問題 47 移動と社会参加の支援に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさ
い。
1 移動を支援する際は、利用者の意思とは関係なく、積極的に外出させるよう介護職員
は働きかける。
2 人は限られた場所だけにとどまらず、住みなれた地域社会と交流をもつことが大切で
ある。
3 外出することで、新鮮な空気に触れ、季節感を味わうことができる。
4 外出前には、どんなところに何の目的で行くのかをあらかじめ利用者と話し合って確
認しておく。
5 外出前から帰宅までを通して、常に利用者の健康状態、疲労感の確認を行うようにす
る。
問題 48 食中毒に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「つけない、増やさない、死滅させる」である。
2 腸炎ビブリオの感染原因となる食品は、魚介類である。
3 病原性大腸菌に感染すると、死に至る場合もある。
4 現在、明らかになっている自然毒は、きのこやじゃがいもなど植物性のものだけであ
る。
5 調理済みのものはなるべく早く食べるようにし、残った食品を食べる際には再加熱に
より十分に殺菌する。
問題 49 食事介助の技法に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 テーブルは少し高めにしておくと、食べこぼしがなく食事がしやすい。
2 食前の飲み物は満腹感につながり、食事が十分に摂れなくなるため、控えるのが望ま
しい。
3 食事の介助は時間がかかりすぎないよう、介護者のペースで食事を口に運ぶ。
4 介護者は、食事の中から消化のよい順を考え口に運ぶ順序を決める。
5 視覚障害者の食事介助では、クロックポジションを活用するとよい。
問題 50 疾患と食事に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 糖尿病では、胃腸への負担が大きい食物繊維の摂取は控える。
2 骨こつ
粗そ
鬆しょう
症しょう
では、カルシウムとビタミンCを多く含む食品を積極的にとる。
3 動どう
脈みゃく
硬こう
化か
の予防としては、脂質を含まない食生活を工夫することが不可欠である。
4 高血圧では、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的にとるようにする。
5 痙攣けいれん
性便秘がある場合は、冷たいものを飲んで胃腸に刺激を与えたりすることで、改
善が期待できる。
問題 51 入浴の意義とからだに及ぼす影響に関する次の記述のうち、適切でないものを一
つ選びなさい。
1 血行がよくなり、筋肉疲労や緊張を和らげる効果がある。
2 人間関係を良好にし、積極的に社会参加できる。
3 心臓の負担を軽減するには、42℃以上の熱めの湯に入るとよい。
4 呼吸器に疾患がある場合は、水位は胸より下の半身浴にする。
5 浮力作用は、筋力低下や拘こう
縮しゅく
の機能回復につながる。
問題 52 入浴・整容に関する用具に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 入浴用いすは、浴槽内での立ち上がり動作などに使うことが多い。
2 浴槽用手すりは、全介助が必要な重度者の入浴介助を介護者が安全に行うために設置
する。
3 吸盤式の浴槽台の構造では、小さい吸盤は上への浮力に対して作用し、大きい吸盤は
横への動きに対して作用するという特徴がある。
4 入浴台の厚さと浴槽の高さを加えた長さが、利用者の膝下の長さと合っているか確認
する。
5 浴室用すのこを利用することで、足をすべらせて起こる転倒を予防できる。
問題 53 入浴介助の実際に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 脱衣所から浴室への移動の際は、できる限り利用者の背部に立つことで、羞恥心を軽
減させる。
2 からだを温めるため、湯は体幹からかけていくようにする。
3 片へん
まひがある場合は、介護者は健側に立ち、適宜つかまってもらう。
4 上下肢を洗う場合は、中枢から末梢に向かって洗うようにする。
5 片まひがある場合、浴槽へは患側からゆっくり入るようにする。
問題 54 からだの機能低下が入浴・清潔に及ぼす影響に関する次の記述のうち、適切でな
いものを一つ選びなさい。
1 白はく
癬せん
や疥かい
癬せん
など、皮膚疾患がある場合は、状態に即した方法で清潔保持の支援を行う。
2 視覚障害をもつ利用者の入浴介助では、やけどや転倒に対する注意が必要である。
3 まひや拘こう
縮しゅく
がある場合は、利用者が自分でできる部分はどこかを見極め、必要な介助
を行うようにする。
4 血管・心臓などに疾患がある場合は、常に温度変化への配慮が必要となる。
5 胃瘻ろう
を造設した場合、入浴ができなくなるため皮膚の清潔保持にはより丁寧な清拭せいしき
が
必要になる。
問題 55 排尿障害に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 爽快な排泄はいせつ
を阻害するこころの要因として、介護者の言動や他人への気兼ねなどのス
トレスが挙げられる。
2 腎臓でつくられた尿は、尿管を通り膀胱に溜まる。
3 腹圧性尿失禁は、女性の高齢者に多くみられる特徴である。
4 膀胱ぼうこう
や尿道などの排尿機能の障害から起こる失禁を、機能性尿失禁という。
5 突然の強い尿意に排尿コントロールができず尿が漏れる失禁を、切迫性尿失禁という。
問題 56 排泄はいせつ
介護の実際に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 利用者の排泄が終了したころを見計らって、声をかけるようにする。
2 トイレやポータブルトイレを利用する場合は、転倒予防や状態観察のため一連の排泄
動作をそばで見守る。
3 終了後は、量や色、形状などについて、排泄物の観察を行う。
4 居室での排泄の後は、必要に応じて消臭剤を使用し換気を行う。
5 利用者の残存能力を活用して、できることは自分で行ってもらう。
問題 57 睡眠に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 レム睡眠では、脳は休息状態になり、体温や血圧は低下する。
2 睡眠約3時間以降は、レム睡眠とノンレム睡眠は約 90分周期でくり返される。
3 加齢に伴い睡眠時間は短くなり、高齢者では5~7時間である。
4 メラトニンは加齢に伴い分泌量が減少する。
5 不眠を訴える人の多くは、入眠障害といういわゆる寝つきが悪い状態である。
問題 58 褥じょく
瘡そう
と予防に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 安楽な姿勢であれば、長時間同じ姿勢であっても、褥瘡は発生しにくい。
2 仰ぎょう
臥が
位い
の状態で最も褥瘡ができやすい部位は肩甲骨部である。
3 乾燥は皮膚への負担となり褥瘡を発生しやすくする。
4 たんぱく質やビタミンの不足などの低栄養状態により、褥瘡の発生および重症化のリ
スクが高くなる。
5 シーツや寝衣のしわ、縫い目などの軽い摩擦ならば、褥瘡悪化の原因とはならない。
「ターミナルケア」
問題 59 キューブラ・ロスの理論に基づき、死にゆく人のこころの過程を段階に沿って説
明しなさい。
出題テーマ『死にゆく人のこころの過程』
問題 60 看取りにおける倫理観に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 言葉でのやりとりができなくなっても、最後まで聴覚は機能しているので、利用者へ
はプラスのメッセージを送るようにする。
2 介護職員は利用者の代弁者として、関係が良好でない家族にはできるだけ関わらない
ようにし、利用者とのみ話し合うとよい。
3 介護職員は、臨終が近づいた時点で支援を終え、利用者と家族の最後のときを静かに
見守るようにする。
4 遺体にはできるかぎり事務的に接し、家族の死の受容を促すよう配慮する。
5 亡くなった利用者と家族の別れの時間は、後悔が残らないよう気がすむまで何時間で
も時間をとるようにする。