第2回 吉祥寺共同集配システム検討委員会資料 - 武...

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平成 18 3 24 第2回 吉祥寺共同集配システム検討委員会資料

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平成 18 年 3 月 24 日

第2回 吉祥寺共同集配システム検討委員会資料

1

【荷裁き対策の方策まとめ】 方 策 方策の概要 事 例

1)特定地区内の集配の共同化 通常は、運送事業者が、それぞれ行っている集荷・配送業務を共同化することで物流の効率

化を図る方策。

福岡天神地区、さいた

ま新都心、横浜元町等

2)一括納品方式による共同化 商品の納品や検品・検収を検品代行会社が共同配送・納品代行センター等において行い、貨

物を集約して店舗に一括納品する方式。 百貨店等

共同化方策 3)トラックターミナル内の事業者が

行う共同化

一般トラックターミナルに入居している複数の運送事業者が、輸送効率が悪い地域への集配

を一括して特定の運送事業者に委託する方式。

京浜トラックターミナ

1)共同荷受施設の設置 路外において、荷捌きのために貨物車が駐停車ができるスペースを設けると共に、共同で使

用できる荷受施設を設置する方策。

東京丸の内ビルディン

2)道路高架下等の公有地の活用 道路高架下の空間、再開発事業用地等の未利用の公有地を、運送事業者用の荷捌きスペース

として活用する方策。

板橋山手通り荷物積み

替えステーション

3)駐車場の利用 市街地に立地する駐車場の一部を利用して、荷捌き場を確保する方策。 町田

4)附置義務駐車施設の共同利用

設置が義務付けられている荷捌き駐車施設を個別の建物ごとに設置するのではなく、敷地面

積等に余裕のある建築物に集約・確保することで荷捌き駐車施設の確保と建物の建替えの促

進を行う方策。

銀座

5)コインパーキングの荷裁き利用 民間駐車施設であるコインパーキングを荷捌き車両の駐車スペースとして利用する方策。

6)ポケットローディングシステムの

導入

既存の路外駐車場の一部などを活用した荷裁きスペースのことをポケット・ローディングと

いう。ここのポケット・ローディングに情報や予約等に関する機能を付加することで、シス

テムとして大きな効果が期待できる。

石神井公園

路外対策

7)貨物車専用駐車場の設置 道路沿いの空間を利用することで貨物車専用駐車場の設置を行い、路外での荷捌きの受け皿

とする方策。 横浜元町

1)貨物車専用パーキングメーターの

設置

路上において、貨物車専用のパーキング・メーターを設置することで、荷捌きを目的とする

車両の駐車の秩序化及び効率化を促す方策。 福岡天神・新宿

2)ローディング・ベイおよびローディ

ング・ゾーンの設置

ローデング・ベイの設置は、歩道の一部に切れ込みを入れ、路上において、車両の通行を阻

害することなく荷捌きを行うための方策。

また、ローディング・ゾーンの設置は、歩道への一部切れ込み行わず、路上に貨物車が駐停

車できる位置をマーキングし、貨物車専用の駐停車場として利用するための方策。

渋谷

3)タイムシェアリングによるパーキ

ングメーターの使用

パーキング・メーターの使用について貨物車の駐車場の確保と買い物客の来街時間と重複し

ない集配作業時間への誘導を図る方策。 東京横山町

4)駐停車禁止解除 主として表通りの交通環境の改善を行うため、その受け皿として裏通りにおいては、貨物車

の荷物の積み卸しに限り駐停車禁止の解除を行う方策。 金沢

路上対策

5)駐車場案内システムの利用 貨物車の駐車が可能な駐車場の案内や駐車の可否について、駐車場案内システムを用いて誘

導する。 吉祥寺

1.共同化方策

1)特定地区内の集配の共同化

■ 通常は、運送事業者それぞれが行っている集荷・配送業務を共同化することで物流の効

率化を図る方策。

共同化の対象となるエリアへの配送貨物は、各運送事業者が一旦共同集配センターに運

搬し、センター内で仕分けした後、各運送事業者から委託された特定の事業者が独占的に

エリア内での配送業務を行うことで、エリア内に入り込むトラックを減少させる。また一

方、集荷の場合は、エリア内の集配を行う特定の事業者が集荷して共同集配センターに運

搬し、センターからの運搬は各運送事業者が行う。

共同化については、集荷及び配送が共に行われる場合(共同集配)と集荷は行わず、配

送のみが行われる場合(共同配送)とがある。

共同化の取組みは、福岡天神地区、さいたま新都心、横浜元町等で取り組まれている。

☆ 特定地域内に進入する荷捌き車両台数が削減されることにより、荷捌き路上駐車に起因

する交通渋滞の改善や良好で安全な歩行空間の創出、ひいては歩行者中心のまちづくりが

期待できる。また、運送事業者にとっても、駐停車場所が限られ、時間のかかる繁華街等

における荷捌きを委託することにより、配送業務の効率化を図ることができる。そのほか、

配送車両数の削減により、車両から排出されるCO2 等が減少するなど、環境面でも効果

がある。

▲ 共同配送にかかる経費として、委託した運送事業者が1個あたりで決められた配送費

を、委託を受けた事業者に支払うが、コスト負担のあり方が課題となっている。

各運送業者の車両が運搬

します。

商品等の引渡しと

仕分け作業を行います。

低公害の共同配送車両(天然ガス自動車)

で運搬します。

荷さばきを行います。

カーゴテナー(台車)により運搬・配送

します。

エアカーゴステーション

(3カ所)元町商店街

運送業者A

運送業者B

運送業者C

運送業者A

運送業者B

運送業者C

お客

が配

達を希望

配達先(お客様の自宅等)

卸売業者メーカー

取引先業者

共同集配送センター

(中区新山下)

各店舗が契約した運送会社

図-1 横浜元町の共同集配

■:概容 ☆:期待される効果 ▲:問題点・課題等

2

2)一括納品方式による共同化

■ 商品の納品や検品・検収を店舗ではなく、指定された納品業者(=検品代行会社)が共

同配送・納品代行センター等において行い、貨物を集約して店舗に一括納品する方式。百

貨店等の多くの物品を扱う大規模店舗において、業務の効率化や納品車両による混雑の解

消等のため行われている。納品事業者側からは、集配・値札張り等の費用を配送代金とし

て、店舗からは検品代行料として、それぞれ配送した商品の卸値をもとに算定した金額が

検品代行会社に支払われる。関東地方の百貨店の中には、共同化が難しいと言われている

食料品を含めた納品物流の共同化に取り組んでいる事例もある。

☆ 検品代行会社への委託により、検品・配送等にかかる人件費や施設費用が削減され、業

務を効率化することができる。また、それは、納品車両台数の削減につながり、店舗周辺

の交通混雑の改善につながる。

▲ 直営店舗以外のテナント、生鮮食料品、レストランへ納入する食材の共同化などが課題

となる。

図-2 百貨店における一括納品方式による共同化

3)トラックターミナル内の事業者が行う共同化

■ 一般トラックターミナルに入居している複数の運送事業者が、輸送効率が悪い地域への

集配を一括して特定の運送事業者に委託する方式。

都内においては、京浜ターミナルから世田谷地区および渋谷・目黒地区、板橋ターミナ

ルから新宿地区等への配送の共同化が行われている。

☆ もともと輸送効率の悪い地域への集配を共同化することにより、業務の効率化を図るこ

とができる。

▲ 配送先での駐車場所の確保が課題となる。

図-3 京浜トラックターミナ

3

2.路外対策

1)共同荷受施設の設置

■ 路外において、荷捌きのために貨物車が駐停車できるスペースを設けると共に、共同で

使用できる荷受施設を設置する方策。

東京丸の内ビルディングでは、一括荷受・荷渡しによる館内共同集配が行われており、

共同荷受施設が設置されている。

☆ 荷捌き車両に対して、路上ではなく、路外での荷捌きが可能となることで、荷捌き車両

の路上駐停車に起因する課題の改善を行うことができる。

▲ 共同荷受施設の費用負担のあり方が課題となる。

2)道路高架下等の公有地の活用

■ 道路高架下の空間、再開発事業用地等の未利用の公有地を、運送事業者用の荷捌きスペ

ースとして活用する方策。平成 17 年 3 月には、首都高速道路の高架下を活用した荷捌き

スペースとして、「板橋山手通り荷物積み替えステーション」が開設された。

☆ 荷捌き車両に対して、路上ではなく、路外での荷捌きが可能となることで、荷捌き車両

の路上駐停車に起因する課題の改善を行うことができる。

図-4 板橋山手通り荷物積み替えステーション

4

3)駐車場の利用など

■ 市街地に立地する駐車場の一部を利用して、荷捌き場を確保する方策。

駐車場は時間により、利用状況が大きく異なる。例えば、市街地の買い物客を対象とし

た駐車場は、平日の午前中の利用率は低くなっている。このような需給状況を見定めた上

で、あまり利用されていない時間帯については、駐車場の一部を荷捌き車両のために利用

することにより、荷捌き問題の改善を進める、タイムシェアリングなどの取り組みがある。

また、駐車場の利用については、荷捌き車両が専用で利用する以外に、一般車両と荷捌き

車両がスペースを共用する場合もあり、荷捌き車両優先使用時間帯や使用料金の設定など

が行われる場合もある。

また、町田市では、株式会社町田まちづくり公社が所有する中心市街地の立体駐車場の

1階部分を共同荷捌きスペースとして使用している。予め登録した運送事業者が車両に駐

車許可証を表示して無料で利用しており、共同荷捌きスペースの管理は公社が行ってい

る。地元商店・商店組合等は公社設立時に出資しているが、荷捌きスペースの利用に際し

ては、費用負担は行っていない。

☆ 荷捌き車両に対して、路上ではなく、路外での荷捌きが可能となることで、荷捌き車両

の路上駐停車に起因する課題の改善を行うことができる。

図-5 町田市における荷捌きスペース

5

4)附置義務駐車施設の共同利用

■ 東京都駐車場条例により設置が義務付けられている荷捌き駐車施設を個別の建物ごと

に設置するのではなく、敷地面積等に余裕のある建築物に集約・確保することで荷捌き駐

車施設の確保と建物の建替えの促進を行う方策。荷捌き駐車施設は参加建築物の共同荷捌

きスペースとして利用される。それと共に、その共同利用と運用のためのルールについて

も定められる。

銀座においては、集約した附置義務駐車施設の共同利用と運用のための「銀座ルール」

が定められている。

☆ 附置義務駐車場のために建替えの進まない地域において、附置義務駐車施設の共同利用

を認めることで、建物の建替えの促進と荷捌き施設の確保を行うことができる。

図-6 「銀座ルール」の仕組みと荷捌き施設社会実験

5)コインパーキングの荷捌き利用

■ 民間駐車施設であるコインパーキングを荷捌き車両の駐車スペースとして利用する方

策。東京都では都内全域でのコインパーキングの荷捌き利用に向けた仕組みづくりを進め

ている。しかし、現状では、貨物車両の駐車が可能なコインパーキングは多くはない。

☆ 荷捌き車両に対して、路上ではなく、路外での荷捌きが可能となることで、荷捌き車両

の路上駐停車に起因する課題の改善を行うことができる。

図-13 荷捌きスペース拡充プロジェクトのイメージ

図-7 東京都における荷捌きスペース拡充プロジェクトのイメージ

6

6)ポケット・ローディング・システムの導入

■ 既存の路外駐車場の一部などを活用した荷捌きスペースをポケット・ローディングとい

う。ポケット・ローディングに情報や予約等に関する機能を付加することで、システムと

して大きな効果が期待できる。例えば、地域に散在したポケット・ローディングのネット

ワーク化により、周辺のポケット・ローディングの利用状況を知る情報版を設置すること

によって、効率的な利用が図れることになる。荷捌きスペースについては、荷捌き車両が

専用で用いる以外にも、一般車両と荷捌き車両がスペースを共用する場合もあり、荷捌き

車両優先使用時間帯や使用料金の設定などが行われる。

☆ ポケット・ローディングをネットワーク化することにより、荷捌きスペースを効率的に

使用することができる。そのことにより、荷捌き車両に対して、路上ではなく、路外での

荷捌きを可能とすることにより、荷捌き車両の路上駐停車に起因する課題の改善を行うこ

とができる。

▲ 一般車両との共用を行う場合、乗用車と貨物車のサイズが異なるため、占用スペースが

異なること、また貨物車の停車により一般車両の出入りがしにくくなる等の問題が発生す

ることがある。

図-8 ポケット・ローディング・システムのイメージ

■ 練馬区の石神井公園駅前では貨物車優先時間帯(8時~18 時)を定めたポケット・ロ

ーディング・システムが設置されている。この事例では、一般車両と荷捌き車両では異な

る料金体系を取るなどの工夫が行われているが、そのため写真のようなポケット・ローデ

ィング専用のICカードに対応した料金受払いシステムが設置されている。

図-9 石神井公園駅前ポケット・ローディング・システ

7

7)貨物車専用駐車場の設置

■ 道路沿いの空間を利用して貨物車専用駐車場の設置を行い、路外での荷捌きの受け皿と

する方策。

現状は、公共及び民間の駐車施設は乗用車のためのものが多く、貨物車の駐車を前提と

した駐車施設はあまり整備されていない。今後のまちづくりにあたっては、貨物車が荷捌

きで使用することのできる駐車場の整備が求められている。

横浜元町では、路外に 3 ヶ所カーゴステーションを兼ねた共同配送車両専用の駐車スペ

ースを設置し、共同配送における荷捌き専用スペースとして利用している。

☆ 荷捌き車両に対して、路上ではなく、路外での荷捌きを可能とすることにより、荷捌き

車両の路上駐停車に起因する課題の改善を行うことができる。

図-10 横浜元町のカーゴステーション

3.路上対策

1)路上における貨物車専用パーキング・メーターの設置

■ 路上において、貨物車専用のパーキング・メーターを設置することで、荷捌きを目的と

する車両の駐車の秩序化及び効率化を促す方策。

現状では、パーキング・メーターは乗用車を対象とするものが多く、2トン以上の貨物

車について対象としているものは少ない。

パーキング・メーターを路上に設置する場合は、道路幅や交差点からの距離等、必要な

条件をクリアしている必要がある。

改正された道路交通法が本年 6 月から施行されることにより、駐車問題への対応が厳し

くなることが予想される。現実的には緊急的な受け皿としての荷捌き専用駐車施設の整備

が困難であることなどを考慮すると、従来

一般車両のための路上パーキング・メータ

ーであったものが、荷捌き専用に切り替え

られているものも少なくないと思われる。

☆ 荷捌き車両に対して、路上の駐停車可能

な場所での荷捌きを可能とすることで、荷

捌き車両の路上駐停車に起因する課題の改

善を行うことができる。

図-11 福岡天神における貨物専用

パーキング・メーター

8

において、車両の通

ず、路上に貨物車が

するための方策。両

合が多く見られる。

することで、荷捌き

2)ローディング・ベイおよびローディング・ゾーンの設置

■ ローディング・ベイの設置は、歩道の一部に切れ込みを入れ、路上

行を阻害することなく荷捌きを行うための方策。

また、ローディング・ゾーンの設置は、歩道への一部切れ込み行わ

駐停車できる位置をマーキングし、貨物車専用の駐停車場として利用

者は、貨物車専用のパーキング・メーターとあわせて設置される場

☆ 荷捌き車両に対して、路上の駐停車可能な場所での荷捌きを可能と

車両の路上駐停車に起因する課題の改善を行うことができる。

▲ 貨物量の多い事業者が独占的に使用することになる懸念がある。

図-12 渋谷区公園通りにおけるローディング・ベイ

図-13 新宿区におけるローディング・ゾーン

運 用 時 間:7時~20時(日祝含む、一部例外あり)

駐車枠寸法:幅 2.5m×長 6.5m(大型車規格)

料 金:200 円/40 分

9

3)タイムシェアリングによるパーキング・メーターの使用

■ パーキング・メーターの使用について、貨物車が利用できる時間帯と買い物などのため

の乗用車が利用できる時間帯を区分して、貨物車の駐車場の確保と買い物客の来街時間と

重複しない集配作業時間への誘導を図る方策。

この取り組みのためには、貨物車が駐車可能なパーキング・メーターが設置されている

ことが前提となる。

東京横山町ではトラック・タイムプランと名づけタイムシェアリングによるパーキン

グ・メーターの使用を行っている。

☆ 荷捌き車両に対して、路上の駐停車可能な場所での荷捌きを可能とすることにより、荷

捌き車両の路上駐停車に起因する課題の改善を行うことができる。特に集配時間帯と買物

時間帯の区分により、荷捌きと買い物という目的の異なる来街者の棲み分けを行うことが

できる。

他の車両

路外駐

貨物車による集配時間と乗用車による買物時間を区別

乗用車による買物時間 午前 10時~午後 4時 30分

一般乗用車

やむを得ず集配する貨物

車は外周の指定した路線

で、貨物専用・乗用兼用

パーキング・メーターを

利用して集配する。

貨物車による集配時間 午前 7 時~午前 10 時

指定路線における 貨物の積卸しを除く

は駐車禁止。 車場や他のパーキ

ング・メーター利用。

貨物車による集配時間 午後 4 時 30 分~午後 7 時

指定路線における 貨物の積卸しを除く

他の車両は駐車禁止。 路外駐車場や他のパーキ

ング・メータ利用。

図-14 タイムシェアリングの例

10

4)貨物車のための駐停車禁止解除

■ 主として表通りの交通環境の改善を行うため、その受け皿として裏通りにおいては、貨

物車の荷物の積み卸しに限り駐停車禁止の解除を行う方策。

表通りは、違法駐車防止重点地区として、違法駐停車に対する取締りの強化を行い、荷

捌きを駐停車禁止が解除された裏通りで行うように誘導を行う。

金沢市で実施されている。

☆ 荷捌き車両に対して、路上の駐停車可能な場所での荷捌きを可能とすることで、特に、

表通りの交通環境を改善することができる。

図-15 金沢における事例

11

5)駐車場案内システムの利用

■ 貨物車の駐車が可能な駐車場の案内や駐車の可否について、駐車場案内システムを用い

て誘導することも荷捌き車両対策として考えられる。荷捌き駐車場の情報の提供について

は、駐車場案内表示や携帯電話、カーナビ等の利用が考えられるが、その前提として、貨

物車の駐車が可能な駐車場の整備が不可欠である。

吉祥寺では乗用車の駐車場案内について、携帯電話による情報提供を行っている。

☆ 駐車場の稼働率を上げることにより、路上駐車の削減を行う。ひいては、荷捌き車両に

対して、路上ではなく、路外での荷捌きを可能とし、特に荷捌き車両の駐停車の可能な駐

車場を無駄なく利用することで、荷捌きを効率的に行うことができる。

図-16 吉祥寺における携帯電話による空き駐車場検索

12

地域における共同集配による物流効率化事例の比較 項 目 横浜元町 さいたま新都心 博多天神

1.事業主体 協同組合元町SS会 さいたま新都心地区共同輸送㈱ 天神地区共同輸送㈱ 2.動機 環境省の実験を契機に地元商店会が

主導して実現。 さいたま新都心の開発に際して、官庁

街における配送の共同化を、経産省と

運送事業者が共同で推進。

地下鉄工事の際、交通事情悪化が懸念さ

れ、天神地区の共同集配を関係行政機

関、運送事業者で推進。 3.共同集配事業の運営

形態 ◇委託 地元商店会が藤木興業㈱に共同集配

業務を委託。

◇株式会社

◇株式会社

4.出資者 ― *委託料・初期投資等は主として地

元商店会が負担。

運送事業者 86 社 金融機関3社 自動車販売会社7社

運送事業者 35 社 金融機関4社

5.資本金 ― 9,600 万円 11,300 万円 6.設立月日(事業開始) 平成 16 年 6 月(事業開始) 平成 11 年 8 月(設立) 昭和 53 年 2 月(設立) 7.従業員数 20 名(パート含む)

*委託事業者の従事者 30 名(パート含む) 30 名(アルバイト含む)

組 織

8.使用車両 4t車(CNG車)3 台

4t車(CNG車)2 台 2t車 4 台、軽自動車 1 台

26 台(CNG車、LPG車等)

9.荷捌き拠点 藤木興業㈱の物流拠点を利用。 約 150 ㎡、2バース

新幹線高架下を荷捌き施設も含めて JRから賃借して使用。 約 1,217 ㎡、8バース

久留米運送㈱の施設を借用して利用。 約 2,400 ㎡、30 バース

10.対象エリアまでの

距離 約2km 約8km 約5km

11.設置費 イニシャルコストなし。 *既存の施設を利用。

イニシャルコストなし。 *施設も含めた賃借。

イニシャルコストなし。 既存の施設を賃借。

12.維持費 委託費に含まれる。 約 60 万円/月。 13.荷捌きスペース 裏通りに面した 3 箇所の路外の荷捌

きスペースを確保。 配送先の建物(官庁)の駐車場の一角

に荷捌き施設・駐車場を無料で確保。

貨物車専用パーキングメーターを利用

14.特記すべき個別配

送手段 荷捌きスペースからカーゴテナーに

より運転手が人力で配送。 荷捌き施設に配送要員(縦持ち要員)

を配置。 配送要員(縦持ち要員)は配置しない。 運転手が集配を行う。

15.配送エリア 元町地区(元町1~5 丁目) 約6ha

さいたま新都心内及びさいたま新都心

周辺地区 約47ha

天神地区(天神1~5丁目、西中洲) 約70ha

16.主たる配送先 店舗、居宅 事務所、店舗 事務所、店舗

17.配送時間帯 9:00~21:00 9:00~17:00 8:00~18:30

18.夜間配達 有 無 無

19.配送回数 1 日 4 回(午前2回、午後 2 回) 1 日 4 回(午前2回、午後 2 回) 1 日 4 回(午前2回、午後 2 回)

20.個人宅配貨物取扱

い 有 無 無

21.貨物の集荷 有 無 有 (配送時に集荷貨物があれば受け取り、

荷捌き拠点で各事業者に渡す) 22.取扱い数量(個数) 約 800~1,200 個/日(平成 16 年) 約 800 個/日(平成 17 年度) 約 3,000~4,000 個/日(平成 17 年度) 23.配達受託費用 150円/個(一律) 140円/個(大きさや取扱量により

費用が異なる。) 160円/個

24.生鮮品・大型貨物の 取り扱い

無 無 無

25.配送品の追跡調査 有 有 有 26.端末情報システム 構築中(トラック事業者の端末使用) 有 有

● 取

27.特記事項 対象エリアに飲食店など、冷蔵・冷

凍品を用いる店が少ない。 ・官庁街のためメール便が多い。 ・埼玉アリーナでのイベントの際の配

送を請け負っている。

・書類、ダンボールなどが多い。

28.特徴 ・地球環境・交通安全への貢献をア

ピール。 ・愛称「エコ・ロジテム けやき便」。

・集配車両を黄色で統一。 愛称「YellowBird」。

考 29.問題点・課題 ・採算ペースに見合った取扱量確保

・協同組合による費用補填 ・情報端末の不足、情報システム構

・採算ベースに見合った取扱量確保 ・集配エリアの拡大 ・ビル内の荷捌き施設の確保

・採算ペースに見合った取扱量確保 ・集配エリアの拡大 ・ニーズに対応したエリア設定 ・駐車スペースの確保と有効活用

13

<吉祥寺駅周辺路上駐停車状況調査> 調査結果概要

■調査目的:吉祥寺駅周辺地区における路上駐停車の現状を把握するための調査 ■調査主体:吉祥寺駅周辺交通問題協議会 ■調査日時:平成 18 年1月 27 日(金) 午前 8 時~午後 8 時(12 時間) ■調査項目:調査対象地区の路上駐停車の台数と時間、モデル地区(平和通り)の集配状況など ■対象地区:

※ 平成 11~13 年度に行われた「中心市街地における物流の効率化とトラック駐車ベイの確保

に関する調査」の一環として、平成 11 年と平成 13 年(実証実験中)に同様の調査が実施され

た。今回の調査結果をもとに、これらの調査結果と比較した。

14

【 吉祥寺駅周辺地区内の状況 】

1.路上駐停車台数

(1)全体

実証実験を行った平成 13 年は、平成 11 年に比べ、乗用車・貨物車とも駐停車台数は減少した。 平成 18 年は、全体としては平成 11 年より減少しているものの、平成 13 年より増加している。 貨物車に限ってみると、平成 11 年に近い台数となっている。

1,183

762

959

132

2,144

1,801

2,138

326

2,563

3,097

458

3,327

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

平成11年

平成13年

平成18年

JR中央線北側

平成18年

JR中央線南側

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

※平成 11 年の調査は、平成 18 年と同様の対象地区であるが、平成 13 年の調査はJR中央

線北側地区のみのため、以下はすべてJR中央線北側地区のデータを使用する。

(2)通り別駐停車台数

a)吉祥寺通り

乗用車・貨物車とも平成 11 年より減少しているものの、平成 13 年より増加している。

353

255

279

658

560

646

815

925

1,011

0 200 400 600 800 1,000 1,200

平成11年

平成13年

平成18年

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

15

b)平和通り

乗用車・貨物車とも平成 11 年、平成 13 年より増加している。 特に、貨物車が大幅に増加しており、1.5 倍を超えている。

33

21

46

200

203

319

224

365

233

0 50 100 150 200 250 300 350 400

平成11年

平成13年

平成18年

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

c)吉祥寺大通り

平成 11 年と比べ、乗用車は減少しているが、貨物車は増加している。 乗用車・貨物車を合計すると吉祥寺大通りが最も多い。

511

271

427

520

361

539

632

966

1,031

0 200 400 600 800 1,000 1,200

平成11年

平成13年

平成18年

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

16

d)本町新道

乗用車・貨物車とも平成 11 年より減少しているが、平成 13 年より増加している。 貨物車の駐停車台数は、乗用車の約2倍である。

191

78

93

260

133

171

211

264

451

0 100 200 300 400 500

平成11年

平成13年

平成18年

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

e)五日市街道

この路線は、乗用車・貨物車ともに、平成 13 年の実証時実験時には平成 11 年よりも駐停車台数

が相当増加した。 今回は、平成 11 年と平成 13 年の中間的な駐停車台数である。

62

98

84

128

154

143

252

227

190

0 50 100 150 200 250 300

平成11年

平成13年

平成18年

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

17

f)内側

※平和通り、吉祥寺通り、五日市街道、吉祥寺大通りと本町新道に囲まれたサンロード、

ダイヤ街、元町通りなどの合計 貨物車は、平成 11 年、平成 13 年より減少している。

16

28

18

253

265

218

293

236

269

0 50 100 150 200 250 300 350

平成11年

平成13年

平成18年

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

g)北口駅前

貨物車は、平成 13 年の実証実験時より減少している。

17

11

12

125

125

102

136

114

142

0 20 40 60 80 100 120 140 160

平成11年

平成13年

平成18年

(台)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

18

(3)通り別・時間帯別駐停車台数

a)吉祥寺通り

各時間帯で概ね 60~100 台の車両が駐停車している。 全体的に、平成 11 年より減少しているものの、13 年より増えており、徐々に午前と午後に二つ

のピークが出てきている。 0 20 40 60 80 100 1

8:00~ 9:00

9:00~10:00

10:00~11:00

11:00~12:00

12:00~13:00

13:00~14:00

14:00~15:00

15:00~16:00

16:00~17:00

17:00~18:00

18:00~19:00

19:00~20:00

(台)

平成11年 平成13年 平成18年

20

b)平和通り

各時間帯で総じて、平成 11 年、平成 13 年を上回っており、特に、午前と夕方に集中傾向が強ま

っている。

19

0 10 20 30 40 50 6

8:00~ 9:00

9:00~10:00

10:00~11:00

11:00~12:00

12:00~13:00

13:00~14:00

14:00~15:00

15:00~16:00

16:00~17:00

17:00~18:00

18:00~19:00

19:00~20:00

(台)

平成11年 平成13年 平成18年

0

c)吉祥寺大通り

各時間帯で概ね 70~100 台の車両が駐停車している。 13 年の実証実験時には大きく減少したが、平成 11 年とほぼ同様の傾向に戻っている。

0 20 40 60 80 100 1

8:00~ 9:00

9:00~10:00

10:00~11:00

11:00~12:00

12:00~13:00

13:00~14:00

14:00~15:00

15:00~16:00

16:00~17:00

17:00~18:00

18:00~19:00

19:00~20:00

(台)

平成11年 平成13年 平成18年

20

注)総駐停車台数:平成 11 年 1,031 台、平成 13 年 632 台、平成 18 年 966 台

d)本町新道

各時間帯で 15~30 台ぐらい駐停車している。 平成 13 年の実証実験時には平成 11 年の約半分まで減少したが、現在はやや増加傾向にある。

0 10 20 30 40 5

8:00~ 9:00

9:00~10:00

10:00~11:00

11:00~12:00

12:00~13:00

13:00~14:00

14:00~15:00

15:00~16:00

16:00~17:00

17:00~18:00

18:00~19:00

19:00~20:00

(台)

平成11年 平成13年 平成18年

0

注)総駐停車台数:平成 11 年 451 台、平成 13 年 211 台、平成 18 年 264 台

20

e)五日市街道

各時間帯で 15~30 台ぐらい駐停車している。平成 13 年の実証実験時を下回る傾向にある。

0 5 10 15 20 25 30 35

8:00~ 9:00

9:00~10:00

10:00~11:00

11:00~12:00

12:00~13:00

13:00~14:00

14:00~15:00

15:00~16:00

16:00~17:00

17:00~18:00

18:00~19:00

19:00~20:00

(台)

平成11年 平成13年 平成18年

注)総駐停車台数:平成 11 年 190 台、平成 13 年 252 台、平成 18 年 227 台

f)内側

午前中の駐停車台数は、概ね平成 11 年、平成 13 年の駐停車台数を下回っている。 午後も、少数の車両が駐停車している。

0 10 20 30 40 50 60 70 80 9

8:00~ 9:00

9:00~10:00

10:00~11:00

11:00~12:00

12:00~13:00

13:00~14:00

14:00~15:00

15:00~16:00

16:00~17:00

17:00~18:00

18:00~19:00

19:00~20:00

(台)

平成11年 平成13年 平成18年

0

21

g)北口駅前

午前 10 時台の 19 台が最も多く、概ね平成 11 年、平成 13 年より減少している。 一日を通して平準化の傾向にある。

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

8:00~ 9:00

9:00~10:00

10:00~11:00

11:00~12:00

12:00~13:00

13:00~14:00

14:00~15:00

15:00~16:00

16:00~17:00

17:00~18:00

18:00~19:00

19:00~20:00

(台)

平成11年 平成13年 平成18年

22

(4)駐停車時間別駐停車台数(全体)

<貨物車>

駐停車時間が 10 分未満のものが 50%、30 分未満のものが約 85%ある。一方、台数は少ないも

のの、8 時間以上駐車している貨物車もある。

0

100

200

300

400

500

600

700

0 5 10 15 20 25 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 390 420 450 480

駐停車時間[分]

台数[台]

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

累加頻度[%]

台数

累加頻度

注)駐停車時間:「0」→「0分から5分未満」、「5」→「5分以上 10 分未満」以下同じ。

<乗用車>

駐停車時間が 10 分未満のものが 50%、30 分未満のものが約 90%ある。

0

50

100

150

200

250

300

350

0 5 10 15 20 25 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 390 420 450 480

駐停車時間[分]

台数[台]

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

累加頻度[%]

台数

累加頻度

23

(5)時間帯別積載状況別駐車停車台数

目視により、車両への積載状況が「少ないもの」「中ぐらいのもの」「多いもの」別に、時間帯

別駐車台数を算出した。積載量が「少ないもの」も午前中を中心として 50 台前後駐車しており、

「中ぐらいのもの」の割合も高い。集配の共同化等で効率化を進める余地がある。

0

10

20

30

40

50

60

70

80

8時台 9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台 19時台

(台)

少 中 多

○○-○○○○-○○○○-○○

多 中 少

24

2.平均路上駐車時間

(1)全体

乗用車・貨物車とも、平成 13 年とほぼ同様である。

14.816.2 16.5

8.8

19.5

23.2

20.7 20.519.219.4

13.1

21.9

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

平成11年 平成13年 平成18年

JR中央線北側

平成18年

JR中央線南側

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

(2)通り別

a)吉祥寺通り

乗用車・貨物車とも平成 13 年より短縮されている。

15.716.017.6

14.8

17.3

20.4

15.116.9

19.4

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

平成11年 平成13年 平成18年

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

25

b)平和通り

乗用車・貨物車ともに平成 11 年を大幅に下回ったものの、平成 13 年を上回っている。

76.3

17.0

26.0

40.6

21.424.4

45.6

21.024.6

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

平成11年 平成13年 平成18年

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

c)吉祥寺大通り

乗用車・貨物車ともに平成 11 年を下回ったものの、平成 13 年を上回っている。 5つの通りの中では、乗用車・貨物車ともに平和通りに次いで平均駐停車時間が長い。

18.9

11.0

16.1

21.0

15.9

19.220.0

13.8

17.8

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

平成11年 平成13年 平成18年

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

26

d)本町新道

平成 11 年のみならず平成 13 年の実証実験時に比べても減少している。

13.513.514.5 13.9

18.9

15.3

13.8

16.9

15.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

平成11年 平成13年 平成18年

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

e)五日市街道

この路線は、乗用車・貨物車ともに、平成 13 年の実証時実験時には平成 11 年よりも平均路上駐

停車時間が大幅に増加した。 今回は、平成 11 年と概ね同じである。

10.2

24.9

10.49.3

12.9

9.79.6

17.6

10.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

平成11年 平成13年 平成18年

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

27

f)内側

乗用車・貨物車とも平成 13 年を上回っているだけでなく、平成 11 年も上回る傾向にある。特に、

貨物車の駐車時間は大幅に増加している。

内側 平和通り

乗用車 58.3 分 26.0 分 貨物車 42.8 分 24.4 分

61.8

42.9

58.3

33.8

25.9

42.8

35.5

27.5

43.9

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

平成11年 平成13年 平成18年

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

g)北口駅前

乗用車・貨物車ともに、平成 13 年の実証時実験時には平成 11 年よりも平均路上駐停車時間が大

幅に増加した。今回は、平成 11 年と概ね同じ時間である。 貨物車で見ると、5 つの通りよりも平均路上駐停車時間が長い。

16.3 17.7 16.8

28.3

49.8

29.826.9

47.2

28.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

平成11年 平成13年 平成18年

(分)

乗用車 貨物車 乗用車・貨物車計

28

3.車輌種別の路上駐停車の車輌台数と時間

貨物車を営業車(特積)、営業車(特積以外)、自家用車に細分類し、車輌種別に路上駐停車の車

輌台数と時間をみた。 JR中央線北側地区においては、営業車(特積)は、台数は少ないものの平均駐車時間が長く、

この傾向が調査区域全体の調査結果に反映している。

(1)調査区域全体

種 別 総駐車台数(台) 延駐車時間(分) 平均駐車時間(分)

乗用車 1,091 16,489 15.1

貨物車 2,464 44,307 18.0

営業(特積) 173 4,808 27.8

営業(特積以外) 1,099 19,199 17.5

自家用 1,192 20,300 17.0

全体 3,555 60,796 17.1

(2)JR中央線北側地区

種 別 総駐車台数(台) 延駐車時間(分) 平均駐車時間(分)

乗用車 959 15,328 16.0

貨物車 2,138 39,487 18.5

営業(特積) 167 4,743 28.4

営業(特積以外) 881 15,831 18.0

自家用 1,090 18,913 17.4

全体 3,097 54,815 17.7

(3)JR中央線南側地区

種 別 総駐車台数(台) 延駐車時間(分) 平均駐車時間(分)

乗用車 132 1,161 8.8

貨物車 326 4,820 14.8

営業(特積) 6 65 10.8

営業(特積以外) 218 3,368 15.4

自家用 102 1,387 13.6

全体 458 5,981 13.1

注)特積(=特別積合せ輸送)

主に小口の貨物をターミナルで集約し、着地のターミナルまで幹線車で集約輸送して、到着地のターミ

ナルで分荷して配送する輸送。いわゆる、「宅配便」はこの事業の一部門です。

トラックによる運送を旅客輸送にたとえると、特別積み合せは、乗合の路線バスです。貸切の観光バスに

たとえられるものが、引越し輸送などに代表される、一般貨物自動車運送事業(貸切)です。

29

発地 着地

タ ー ミ ナ ル タ ー ミ ナ ル

4.調査対象地区全体の概況

(1) 調査対象地区内の路上駐停車の台数と時間の比較*

H11.11 H18. 1 11 年度比

増減率

駐車台数総計 (a) 4,001 3,555 △11.1%

乗用車 1,388 1,091 △21.4% 内訳

貨物車 2,613 2,464 △5.7%

平均駐車時間(分) (b) 22.1 17.1 △22.6%

総駐車時間(台・分) (a×b) 88,422 60,796 △31.2%

*8時~20 時までの 12 時間の集計による。以下、同じ。

<参考>JR 中央線北側区域における駐停車台数比較

H11 H13(実験中) H18

合計 3,327 2,563 3,097

乗用車 1,183 762 959

貨物車 2,144 1,801 2,138

(2) 路上駐停車の台数と時間

総駐車台数(台) 平均駐車時間(分) 延駐車時間(台・分)

乗用車 1,091 15.1 16,489 種別 貨物車 2,464 18.0 44,307

全体 3,555 17.1 60,796

吉祥寺通り 925 15.1 13,929

五日市街道 227 10.0 2,263

本町新道 264 13.8 3,636

吉祥寺大通り 1,118 17.0 18,992

平和通り 365 24.6 8,983

井の頭通り 113 11.2 1,264

駅ロータリー 114 28.4 3,242

通りごとの内訳

内側(サンロード、ダイヤ

街、元町通り 等) 429 19.8 8,487

※「内側」には、時間規制区間とその他の細街路を含む。また、JR 中央線南側地区も含む。

30

駐車時間分布

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

0分

以上

 5分

未満

5分

以上

 10分

未満

10分

以上

 15分

未満

15分

以上

 20分

未満

20分

以上

 25分

未満

25分

以上

 30分

未満

30分

以上

 60分

未満

60分

以上

 90分

未満

90分

以上

 120分

未満

120分

以上

 150分

未満

150分

以上

 180分

以上

180分

以上

(台)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

台数

累加割合

4.調査対象地区全体のまとめ

調査対象地区全体の調査結果を概括すると、実証実験(平成 13 年)前の平成 11 年に比べ、平均駐

車時間は 20%以上減少し、総駐車時間は 30%以上減少している。 一方、路上駐停車車輌の台数は、平成 11 年に比べて 10%以上減少しているものの、減少要因は乗

用車によるところが大きく、貨物車に限ってみると、それほど減少していない。幹線道路で自動車交

通量の多い吉祥寺通りは平成 11 年レベルに戻りつつあり、五日市街道や吉祥寺大通りは平成 11 年よ

り増加しており、吉祥寺駅前に位置する平和通りは貨物車の台数が平成 11 年よりも大幅に増加して

いる。 このように、平成 13 年の実証実験をきっかけに、荷捌き問題に対する意識が高まり、具体的な取

り組みが功を奏しているとはいえ、時間の経過とともに成果が薄れつつあるのが実態である。 引き続き、荷捌きの効率化等による路上駐停車時間の短縮が求められるとともに、吉祥寺駅周辺地

区に乗り入れる荷捌き車両の台数そのものを縮減する抜本的な方策が必要である。 なお、駐車時間分布をみると、10 分未満が 50%弱、20 分未満は 75%で、30 分未満になると 85%

を超えている。今後、コイン・パーキングやパーキング・メーター等を絡めた対策を検討する場合、

このような実態を駐車料金体系の構築にきめ細かく反映させることが、実効性の向上につながると思

われる。

31

【 集配状況モデル調査地区(平和通り)における状況 】

1.駐車状況

(1)左側・右側別駐車状況

乗用車・貨物車とも左側※駐車が多いだけでなく、一方通行にもかかわらず、貨物車の右側駐車

が相当数ある。 ※左側とは、吉祥寺駅北口からパルコ方面に向かって左側をいう。

35

11

199

120

0 50 100 150 200 250

左側

右側

(台)

乗用車 貨物車

(2)左側・右側別駐車時間

左側駐車と右側駐車の駐車時間を比較すると、左側駐車の方が長い。

27.6

21.1

29.1

16.6

0

5

10

15

20

25

30

35

左側 右側

(分)

乗用車 貨物車

<参考> 駐車台数と平均駐車時間の推移(乗用車と貨物車の合計)

11 年 13 年(実証実験中) 18 年

路上駐車台数(台) 233 224 365

平均駐車時間(分) 45.6 21.0 24.6

延べ駐車時間(台・分) 10,634 4,704 8,938

32

2.平和通りに駐車した車両の配送先と配送回数(延べ回数)

平和通りに駐停車した車両の配送先への横持ち回数は、平和通り商店街(110 回)、ロンロン(110

回)、ハモニカ横丁(94 回)、パルコ(36 回)などとなっている。

総横持ち回数:378 回

36 回

110 回

28 回

94 回

ロンロン

パルコ

ハモニカ横丁

そ の 他

110 回 平和通り商店街内

平和通り駐停車車両

3.モデル調査地区のまとめ

吉祥寺は、専門個店と大規模店舗との共存共栄をコンセプトとして発展し、両者の協力関係のもと

に、現在の吉祥寺の大きな魅力である回遊性が醸成されてきた。街の玄関口に位置し、JR中央線に

沿って駅前から西に伸びる平和通りは、パルコとロンロンという二つの大型店舗が面しており、吉祥

寺の縮図といえる。そこで、今回の調査では、吉祥寺駅周辺の路上駐停車の状況調査と併せて、平和

通りをモデル地区として路上駐停車車輌による集配状況モデル調査等を実施した。 調査の結果では、平和通りは、一方通行や一般車両の進入禁止などの交通規制がかかっているが、

車道の左右両側を荷捌き車両が占領し、バスの定時運行に支障をきたすほどの状況である。 また、地元商店街の取り組みもあって平均駐車時間は平成 11 年から半減し、おおむね平成 13 年レ

ベルを保っているものの、駐停車車両の台数の大幅な増加によって相殺されている。 総横持ち回数 378 回のうち、地元商店街への配送は 29%の 110 回で、残りの 268 回 71%は、自前

の荷捌き施設を持つロンロンやパルコ、隣接のハモニカ横丁等への配送であり、路上が地域の配送基

地と化している。この横持ち距離が影響してか、通りごとの平均駐車時間も 20 分を超えている。今

後は、集配の共同化等による荷捌きの効率化や乗入れ車輌の抑制策とともに、大型店舗が保有する既

存荷捌き施設の地域共用化も視野に入れた活用策の検討も必要であろう。 このように、平和通りにおける路上荷捌きの現状は、地域商店街と大型店舗が、吉祥寺の荷捌きに

対して問題意識を共有し、協働で荷捌き対策に向き合い、回遊性や景観の向上に取り組む必要性を浮

かび上がらせている。

33