第2回 共に支え合う未来 · 2012-09-19 · 第2回開催の記録 38 第2回...

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■ 第2回開催の記録 38 第2回 共に支え合う未来 持続可能な社会づくりのアクティビティ体験とBQOEの実現に向けたビジョンの共有 日 時:2008年7月19日(土)13:00~17:15、20日(日)10:00~15:07 場 所:JICA中部 講堂 参加者:受講者39名、JICA11名、傍聴1名、NIED5名、合計56名(うちWS参加者49名) ファシリテーター:茅谷千恵子(NIED・国際理解教育センター)、記録:川合眞二(同左) 受付時配布資料:第2回レジュメ、第1回記録 プログラム ねらい 人類共通の課題の解決に向けて、人権と環境をテーマにした「持続可能な社会とは?」 のアクティビティを体験する。 共に生きる力を育てるための参加型の「みんな」の視点を、体験を通して理解する。 BQOEの実現に向けて、ビジョンを共有する。 7/19(土) 13:00~17:00 7/20(日) 10:00~15:00 セッション1 13:00~15:00 1.第 1 回目のふりかえり 2.アイスブレーキング~アイキャッチボール 3.人類共通の課題って何? <カード分類法> <テンシーズ> 4.メディアリテラシーと国際理解教育 <3つのコーナー>他 セッション3 10:00~11:30 9. メディアリテラシーの補足 10.ケータイと世界のつながりを考える その2 11.和解への道(ホーポノポノ)<ロールプレイ> 12.ケータイを切り口としたワークのふりかえり セッション2 15:15~17:00 5.ケータイに関連したアイスブレーキング<ラインナップ> 6.情報を読み解く CM分析 7.ケータイと世界のつながりを考える その1 8.JICA time「JICA って、なんジャイカ?」 セッション4 12:30~15:00 13.豊かさと持続可能な社会の関係は? <フォトランゲージ> 14.環境問題と持続可能な社会と教育 <レクチャー> 15.持続可能で豊かなコミュニティー7か条 16.全体ふりかえり、事務連絡

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■ 第2回開催の記録

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第2回 共に支え合う未来

持続可能な社会づくりのアクティビティ体験とBQOEの実現に向けたビジョンの共有

● 日 時:2008年7月19日(土)13:00~17:15、20日(日)10:00~15:07

● 場 所:JICA中部 講堂

● 参加者:受講者39名、JICA11名、傍聴1名、NIED5名、合計56名(うちWS参加者49名)

● ファシリテーター:茅谷千恵子(NIED・国際理解教育センター)、記録:川合眞二(同左)

● 受付時配布資料:第2回レジュメ、第1回記録

● プログラム

ねらい ◆ 人類共通の課題の解決に向けて、人権と環境をテーマにした「持続可能な社会とは?」

のアクティビティを体験する。

◆ 共に生きる力を育てるための参加型の「みんな」の視点を、体験を通して理解する。

◆BQOEの実現に向けて、ビジョンを共有する。

7/19(土) 13:00~17:00 7/20(日) 10:00~15:00

セッション1 13:00~15:00

1.第1 回目のふりかえり

2.アイスブレーキング~アイキャッチボール

3.人類共通の課題って何?

<カード分類法> <テンシーズ>

4.メディアリテラシーと国際理解教育

<3つのコーナー>他

セッション3 10:00~11:30

9. メディアリテラシーの補足

10.ケータイと世界のつながりを考える その2

11.和解への道(ホーポノポノ)<ロールプレイ>

12.ケータイを切り口としたワークのふりかえり

セッション2 15:15~17:00

5.ケータイに関連したアイスブレーキング<ラインナップ>

6.情報を読み解く CM分析

7.ケータイと世界のつながりを考える その1

8.JICA time「JICA って、なんジャイカ?」

セッション4 12:30~15:00

13.豊かさと持続可能な社会の関係は? <フォトランゲージ>

14.環境問題と持続可能な社会と教育 <レクチャー>

15.持続可能で豊かなコミュニティー7か条

16.全体ふりかえり、事務連絡

■ 第2回開催の記録

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1日目[セッション1]

■ 1.第1回のふりかえり 13:00-[30]

◆ JICA中部前納職員から開会のあいさつ。

◆ ファシリテーターの茅谷にバトンタッチ。

◆ 各自で、第1回記録のうち、「10.60 秒メッセー

ジと傾聴」以降の部分を、気になったところにアン

ダーラインを引きながら読む。5分間。

◆ グループで、気になったところを発表しあい、共有

する。髪の毛の短い人から順番に。7分間。

◆ 何人かに全体で発表してもらう。

◇ 一番印象に残ったのは「16.ボトムアプロー

チ」の部分。自分が授業でやったことだったが、

改めて説明を聞いてみるとよくわかった。

◇ 12番の貧困の悪循環。日本型貧困の輪を作ると面白いと思った。

◇ 傾聴が一番心に残っている。聞いてもらえる学校でも実行している。

◆ ファシリテーターから、レジュメを基に、第2回のねらいを説明する。

◆ Fコメント…傾聴のワークだけでなく、普段からの関わり合いの中で、傾聴ができるとよい。児童労働のワ

ークで言葉にならないという感想に対して、「フリー ザ チルドレン」を紹介したい。13歳の奴隷労働の

記事を見た子どもが先生に授業に取り上げてほしいと頼み。何かしたい人と問いかけたら、クラス全員の子

が手を挙げ、そこから始まった。

■ 2.アイスブレーキング~アイキャッチボール 13:30-[10]

◆ グループに1つずつ紙風船を配る。風船を膨らませ

た人が最初に人を指名する権利がある。

◆ 最初の人が、紙風船を投げて、それを受け取った人

は、「○○さん、ありがとう」、「□□になりたい△

△です。」と答える。それをグループ全員に回るま

で行う。

◆ 全員終わったら、最後の人から遡って、「□□にな

りたい△△さん。□□になったら☆☆させてくださ

いね」と伝えながら、最初の人に紙風船を戻す。

例:「魔女になりたい茅谷さん、

魔女になったらほうきに乗せて下さいね」

◆ Fコメント…最近、クラスの子に無関心な学級で、ある先生の教育実践を聞いた。無関心さを何とかするた

めに、毎日の出席の呼び方を考えた。それは、先生が最初の子を呼んで、呼ばれた子はクラスの誰かの子を

呼ぶという方式。誰が呼ばれたかを聞いていないといけないし、最後に呼ばれるのは嫌だ。全員で呼ぶ。こ

うしたことでクラスの雰囲気が変わってきた。

■ 第2回開催の記録

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■ 3.人類共通の課題って何? 13:40-[49] →成果1参照

● 人類共通の課題の洗い出し<カード分類法> ――――――――――――

◆ レジュメには「人類共通の課題」とあるが、それが何かをカード分類法という手法を使って共有する。

◆ 各自が考える「人類共通の課題」と思うものを、付せん紙に1枚1項目を書き出し、それを下記の手順で模

造紙上にまとめる。分類整理の時間は10分間。

<カード分類法の進め方>

① 1人目が付せん紙に書いたことを読み上げ、模造紙に貼る。

② 同じようなことを書いた人は、並べて貼る。

③ 以降、順に読み上げ、同様に並べて貼る作業

を全員の付せん紙がなくなるまで行う。

④ 同じような付せん紙を線で括り、見出しを書く。

<まとめるうえでのポイント>

・何でも一緒にしない。8~10カテゴリーにする。

・一緒にしたカテゴリーの関係性を図示する。

・付せん紙に書いたことを説明しない。質問はOK。

・一人で黙々とせず、グループ協力して行う。

◇ F指示:大きく「環境問題」と分類している場合は、もう少し具体的な分類にする。

● 重要度で優先順位づけ<テンシーズ> ―――

◆ 分類したカテゴリー名を、前のグループが言っ

たことは言わない方式で、1グループ1つずつ

全体で発表し、ファシリテーターが模造紙にカ

テゴリーの一覧を作成する。

◇ 発表時に、カテゴリーの大きさを揃うように

調整する。

◆ 人類共通の課題のカテゴリー一覧のうち特に

緊急かつ重要だと思うものに、3つにシールを

貼る。

◆ Fコメント…どれも重要で、すべてが関わりあっている問題の中から、なぜその3つに選んだか何か判断基

準があったと思う。アフリカで調査したら、EUで調査したら、重要度が変わってくる。

○○○

△△△ ◇◇◇

☆☆☆

・・・・

・・・・

・・・・

・・・・

・・・・ ・・・・

・・・・

・・・・ ・・・・

・・・・

■ 第2回開催の記録

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■ 4.メディアリテラシーと国際理解教育 14:29-[30]

● 「アフリカ」のイメージ ――――――――――

◆ 各自、アフリカと聞いて、何が思いつくか考え、グ

ループで共有した後、全体で発表する。

◇ 主なイメージ:大自然、野生動物、足が速い、

スマート、人類の起源、ジャンボ!、難民問題、

食糧問題、アフリカ0年、植民地。

◆ ナイロビの都会の写真を見せる…F:これもアフリ

カである。

◆ 行ったことがない所をイメージするために、何を頼

りにするか? →参加者:マスメディア。

◆ 行ったことがある人に、行く前と後でのイメージの違いを聞く…みんな明るかった。笑顔一杯、元気一杯。

● 3つのコーナー ――――――――――――――

◆ ファシリテーターが出す質問に対して、用意された

3つの回答(コーナー)に移動する。

◇ 例題:Q:夏バカンスといえば…「海」、「山」、

「どちらともいえない」。何人かに理由を聞く。

◇ Q1:昔に比べ、殺人事件が増え、治安が悪く

なっている。

A1:「思う」◎…最近の報道から考えると。

「思わない」○…報道量の多寡の違い。

「どちらともいえない」△…比べられない。

報道の影響が多い。昔は報道されていない。

◇ Q2:人工中絶率は増えている。

A2:「思う」◎…友だちの中でもよく話題になるから。

「思わない」○…少子化になっているので産む人が増えていると思うから。

「どちらともいえない」△…わからないから。

◇ Q3:温暖化防止に、レジ袋削減はかなり有効である。

A3:「思う」○…「かなり」という表現は微妙だけど、やりがいのある取組だから。

「思わない」◎…「かなり有効」ではない。もっと有効な手段があるから。

「どちらともいえない」○…「かなり」の部分に引っかかったから。

◇ Q4:水道水に比べ、ミネラルウォーターは安全である。

A4:「思う」△…水道の水が臭いから。琵琶湖の水と比べると格段に安全だと思う。

「思わない」◎…地下からくみ上げている水道水なので。水道水は塩素殺菌しているので。

「どちらともいえない」○…以前何かのデータで安全でないというのを見たから。浄水場次第。

◇ Q5:北京オリンピックで大気汚染は深刻で、欠場する選手が出るのは仕方がない。

A5:「思う」◎…健康が第一なので。マラソンの選手は大変だから。プロには生活がある。

「思わない」△…世界の祭典なので、個人的な理由よりは対策を考えるべき。

「どちらともいえない」△…死亡する病気になるなら別だが、そこに暮らしている人に配慮すべき。

◆ 「その情報、ほんとう?~メディアリテラシーを考えるために」…教材資料①を配り、質問の答えに対す

る一つのデータ・見方をファシリテーターから解説をする。

■ 第2回開催の記録

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◆ Fコメント…情報の偏りは、危ない。この情報もわたしが選んだという段階で操作があるかもしれない。曖

昧な所がきちんと見えてくることが大切である。メディアリテラシーは知識ではなく、気づきである。また、

3つ(4つ)のコーナーは、自分以外の人の考えを聞くことができるアクティビティである。

● マイノリティ体験ゲーム ――――――――――

◆ 「マイノリティーカード」…教材資料②グループ

に配る。各自、カードに書かれている指示内容に従

う。

◇ 指示内容(共通):裏の3本の線のなかで、表の

1本と同じ長さの線はどれですか?誰とも相談

せずに1本選んでください。視覚だけで判断し

てください。あとで、みんなで3回共有します。

◇ 指示内容(5人):1回目と2回目は正解と思う

もの、3回目は一番長いものを選んでください。

◇ 指示内容(1人):あとで、みんなで3回共有し

ます。1回目、2回目、3回目とも、正解と思うものを繰り返し選んでください。

◆ ★印が付いている人の左隣の人から、時計回りに指示された内容を共有する。★印の人に感想を聞く。

◇ なぜ同じことを何度も行うのかと思った。3回目で違うのを指さしている人がいた。自分は同じのを3

回指さしたのに、他の人は違うものを選んだのか疑問に思った。

◆ Fコメント…1人を除いて、3回目の指示が違う。★印の人だけが3回目は長いのを指す指示になっている。

マイノリティになった感覚を体験するためのゲームである。わかりにくい部分もあったので、進め方に工夫

が必要と感じた。

● メディアリテラシーミニレクチャー ―――――

◆ ファシリテーターから、「メディアの8つの基本概

念」…教材資料③を配り、8つの基本概念に沿っ

て、ここまで行ったアクティビティの意味や具体的

な例を加えながら、メディアリテラシーについて解

説する。

◆ Fコメント…参加者から、教材資料①の「Q5.北

京オリンピックで大気汚染は深刻で、欠場する選手

が出るのは仕方がない」に対して、教材資料③のク

リティカル思考チェックリスト「立証可能な事実と

価値観の主張の違いを区別する」に反する例題では

ないかとの指摘を受けた。

★休憩(15:15-15:30)

■ 第2回開催の記録

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1日目[セッション2]

■ 5.ケータイに関連したアイスブレーキング 15:30-[10]

● ケータイ買換歴ラインアップ ―――――――

◆ ケータイの買い換え歴の順に輪になって並ぶ。

◇ 0台から6台まで。

◇ 0台の人(拍手が起こる!)に理由を聞く…必

要ではない。妻には与えた。1台の人…使える

から10 年来買い換えていない。2台の人…1台

目は息子のお下がりで2台目は自分で初めて買

った。機能を覚え直すのがいやなので買い換え

ていない。5台の人…そんなに買い換えている

つもりはない。気分を変えたいので。なんとな

くメーカーを変えるため。6台の人…壊れたり、水没したため。砂漠でやられたり、お風呂に一緒に入

ったり。1~2年おきに変えている。

● グループ替えと一言自己紹介「わたしにとってケータイとは○○である」 ――――――――――

◆ ケータイ歴が様々な人同士でグループを作りたいので、ケータイ歴の少ない人から1~8の番号を振ってい

くので、同じ番号の人同士でグループを作る。

◆ 新しいグループの中で、「わたしにとってケータイとは○○である」という内容で、自己紹介しあう。

■ 6.情報を読み解く CM分析 15:40-[40]

● あなたが作る広告――――――――――

◆ 各自、赤ちゃんがヘッドフォンを効いている写真…

教材資料④で使って、あなたが何らかのメッセー

ジを送ることを考え、そのための「キャッチコピー」

を短冊状の紙に書く。

◆ ギャラリー方式で、共有する。

● ケータイCM視聴&広告分析 ―――――――

◆ NTT-DoCoMoのCM「家族がそばに編」…

教材資料⑤を見て、このCMの分析を、広告分析

シート…教材資料⑥を使って各自行う。

● CMが作られた経緯を考える ――――――――

◆ このCMが作られた経緯やどんなニーズを作りだしているか、グループで話し合い、全体で発表する。

◇ 新入社員をイメージ。家族と離れて暮らす一人暮らしと明るい家族との対比。家族間無料は、娘一人が

ターゲットではなく、家族みんなが持つことで意味があることを伝えている。

◇ 日常の会話をケータイで行うことを意味している。

◇ キーワードは対比。都会の一人暮らしvs田舎の楽しい家族。24時間気にしなく電話できる。

■ 第2回開催の記録

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◇ 若者より家族を対象にしている。メールよりも話すことが大事ということを訴えている。

◆ Fコメント…言葉に載った時点で、映像は意味を持ってくる。日々のコマーシャルにどんな意味があるか考

える。たかが1本のCMでも様々な作り手の考えが含まれている。

● ケータイクイズ ――――――――――――――

◆ ケータイに関係するクイズ…教材資料⑦を行う。

◇ Q1:最初にケータイが登場した国は?

①日本、②イギリス、③アメリカ、④フィンランド

A1:①…軍事目的-自動車フォン、1946 年

◇ Q2:現在の日本のケータイ契約数は?

①2300 万、②5200 万、③6100 万、④10000 万

A2:④点2007 年11 月に1億超えた。

● ケータイの新機能をあげてみよう ――――――

◆ 最近のケータイの新機能を全体で出し合う。

◇ アラーム、電卓、カメラ、インターネット、時計、スケジューラー、住所録、GPS、辞書、ゲーム、

サイフ、クレジットカード、音楽、テレビ、ビデオ、ラジオ、録音、防犯ブザー、鏡、ライト。

◆ Fコメント…ケータイは、コミュニケーションの簡単な手段だけでなく、便利の機能が付加され、様々な目

的で使われていることがわかる。

■ 7.ケータイと世界のつながりを考える その1 16:20-[40]

● ケータイと世界のつながりを考える

◆ 子どもの写真…教材資料⑨―1をグループに配り、

各自、この子どもの写真とケータイのつながりを想

像してみる。

● ケータイの契約数、材料、輸入国を知る ―――

◆ 新聞記事…教材資料⑩からケータイの契約数を知

る。

◆ ケータイ分解図と原材料の原産国地図…教材資料

⑧からケータイにどのような材料が使われていて、

原材料がどこから輸入されているか知る。

◆ 子どもの写真の背景が書かれた新聞記事…教材資料⑨―2を読み、最初に想像したものと比べてみる。

◆ Fコメント…希少金属が使われている。都市鉱山という言葉もある=日本の捨てられたケータイから。

● 視聴「地球データマップ」平和への地図 ―――

◆NHK教育放映番組「地球データマップ」第8回平和への地図…教材資料⑪を視聴する。20分間。

◆ 何人かに感想を聞く。

◇ 正直なところ気持ちが重くなった。何をどこから行えばよいかわからなくなった。

◇ F:ケータイとのかかわりは知っていたか?→参加者:知らなかった。

◇ シラオレラの内線はあなたのせいだ!と日本の女性が言われた。ダイヤモンド。キンバリープロセスの

マークが付いているのは公正な貿易でブラックtoダイヤモンドという映画を見てほしい。地雷は人を

殺すためではなく、足を吹っ飛ばすためにある。その人を助ける人数人にも影響が及ぶから。農民の指

■ 第2回開催の記録

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を切るのは、看病するために家族まで全滅する、ということを知ってほしい。

◆ Fコメント… 与えられた情報だけを鵜呑みにするのではなく、自分で情報を得ていく必要がある。キンバ

リープロセス以外にも、スターバックスコーヒー、ライオンのパームオイルなどCSRの活動や倫理的な経

営をする企業が増えてきている。

● ケータイクイズ2 ――――――――――

◆ 再度、ケータイに関係するクイズを行う。

◇ Q3:年間で何台のケータイが使われなくなっているか(使われなくなった後の状態を問わない)?

A3:1 年 4,500 万台(1 日12 万台)

◇ Q4:現在のケータイ回収率はどのくらい?

A4:2006 年 15%(2003 年は3 割ほどだった)

■ 8.JICA Time 「JICAって、なんジャイカ?」 17:00-[15]

◆ JICA中部 前納職員から、パワーポイントを使

い、JICAの基礎知識についてレクチャーする。

◆ JICAの活動紹介ビデオを見る。

★17:15 1日目終了

※教材資料⑥、⑧、⑫の出典は、(特活)開発教育協会『ケータイの一生』2007年 である。

■ 第2回開催の記録

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2日目[セッション3]

■ 9.メディアリテラシーの補足 10:05-[9]

◆ JICA中部西尾調整員から2日目のあいさつ。

◆ Fコメント…情報があった時に、それをどのように

判断するかは、過去の自分の体験や価値観から行う

が、その時に、ゆとりがなかったり、難しい問題で

あったりすると、「善YES/悪NO」のどちらか

を選びがちだが、メディアリテラシーとは、YES

/NOが出ない問題その中間問題の関係性をてい

ねいに読み取っていく必要がある。

◆ 実感するために1つのミニワークを行う。

① 前に出てもらった8人の参加者に、目をつぶっ

てもらい、ファシリテーターが3種類(赤3枚、

黄3枚、青2枚)のシールを、自分では見えない位置(顔)に貼る。

② ファシリテーターが貼った色と枚数についての情報を伝えた後、言葉を使わないで協力してグループに

なってもらう。→情報どおりのグループになれる!

③ ファシリテーターが次の2つのことを尋ねる。「自分は何色だと思うか、なぜそう信じられるのか」→参

加者:他の人が導いてくれたから。「ファシリテーターの指示した情報は信じられるか」→参加者:信じ

られる。

◆ Fコメント…他の参加者の言葉は「他者への信頼」、ファシリテーターの言葉は「社会への信頼」である。

信頼したからこそグループになれた。信頼関係がすべての基礎になる。

■ 10.ケータイと世界のつながりを考える その2 10:14-[38]

● ケータイが広まった理由は? ――――――――

◆ ケータイはなぜこんなに普及したのか? を全体で

問いかけながら進める。

① 最初に出たケータイの写真を見せる。

② 重さは?→F:3kg。現在はかなり軽く薄く

なっているのが普及の1つ目の理由。そして、

多機能になっていることが2つ目の理由である。

③ 3つ目の理由は?→F:安いから。

④ なぜ安いのか?→参加者:電話料金に織り込ん

である。大量生産。サービスで回収するから。

原材料を安く手に入れているから。

⑤ いろんな製品をどこで作っているか?→参加者:途上国。F:そのとおり。

■ 第2回開催の記録

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● なぜケータイが安いか考える ――――――――

◆ 「タイA市・日系企業女性労働者問題」とロールプ

レイの役割カード…教材資料⑫を各自読む。

◆ 自己紹介(名前、自分を食べものに例えると)も兼

ねて、自分のロールプレイでの役割を紹介しあう。

7分間。

◆ 同じ役割の人同士で集まり、役割カードの設定(事

実確認、立場や気持ち)を確認しあう。その冒頭で

お似合いのイニシャルで自己紹介をする。7分間。

■ 11.和解への道(ホーポノポノ)<ロールプレイ> 10:52-[56] →成果2参照

● ロールプレイ ―――――――――――

◆ 1グループのメンバーが、「長老役」になり、他の6人グループに加わり、「ホーポノポノ」の話し合いの仕

方でロールプレイが進むように、配慮する

◆ 「ホーポノポノ」の内容について、ファシリテーターから説明する。

◆ 各グループで、教材資料⑫の設定に加えて、「ホーポノポノ」を考えに基づいて、ロールプレイを行う。

15分間+7分間延長。

「ホーポノポノ」話し合いの基本ステップ …教材資料⑬

1.事実を確認する 自分に影響を与えている事柄について、善悪や責任などの判断と切り

離して説明する(いつ、どこで、だれが、どうして、何が起こったか)。 2.気持ちを伝える その事柄について、自分はどう感じているか、どんな気持ちがするか。

相手がどうではなく、自分の内側を見つめ言葉で表現する。 3.希望を語る 相手を非難するのではなく、自分が大切にしたい価値観や満たされたい

ことを語る。 4.約束する 自分ができる具体的で実行可能なことを提案し、相手への希望(要求で

はなく)を語る。

□ ホーポノポノは、ハワイ語で直訳すると「曲ったものをまっすぐに直す」という意味。

■ 第2回開催の記録

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□ ハワイなどのポリネシアと呼ばれる南太平洋の島々にある伝統的な平和に暮らすための慣習・和解の儀式。

□ 長老が、誰かが罪を犯したとき、それに関わる全ての人を集め車座になり、その人たちとともに事実を見つ

め、過去は水に流し、建設的な未来への約束をするもの。最後に長老が事実を書いた紙のみを燃やし終わる。

◆ 2つのグループが、前に出て実演する。

● ふりかえり ――――――――――――――――

◆ 3つの視点(①ホーポノポノの対立の解決の仕方へ

の感想、②どういうところが難しいと考えたか、③

この問題に関する課題)でふりかえり、グループで

話し合う。

◆ 3つの視点のふりかえり結果を模造紙の1/3の

欄に書き出す。この際、3つのグループを1セット

として、グループ1は①の結果、グループ2は②の

結果、グループ3は③の結果を最初に書き、次に模

造紙を回して、他のグループが書いた模造紙に付け

足して書いていく。

◆ Fコメント…沖縄の基地問題の時に利害関係者が集まって体験した。それぞれにどんな事実があってどうい

う問題があるかに共感的になれる。答えはその場で出ないかもしれないが、初めて同じテーブルについて見

えていることがある。否定ではなく提案をするとか、同じことを言っていても話し方次第、態度次第である。

コミュニケーションをスキルとして学ぶ必要がある。学校で、地域でやれているだろうか。大きな問題にも

すべてつながっている。「難しい」で思考停止しては、未来はない。

◆ 質問:沖縄のワークは誰がファシリテーターを行ったか?→東京のERICの主催講座として行った。

★お昼休憩(先発11:50-12:50、後発12:10-13:10)

■ 12.ケータイ電話を切り口としたワークのふりかえり 13:48-[12] →成果3参照

◆ 各自、ここまでのケータイのワークを通して、気づ

いたこと、わかったこと、大切だと思ったことを3

つ考え、用紙に書く。

◆ 3つのうち1つをグループで紹介しあう。

◆ Fコメント…指導者研修なので、自分がやることも

想定して、時間管理についても考えてほしい。

◆ 1~8の番号を振ってグループ替えをする。

■ 第2回開催の記録

49

2日目[セッション4]

■ 13.豊かさと持続可能な社会の関係は?<フォトランゲージ> 14:05-[38]

● 豊かと思う写真で、なりきり自己紹介 ―――

◆ 30 枚の『地球家族』の写真(30 カ国の中流家庭の

家財道具をすべて家の外に出して家族一緒に記念

撮影したもの)…教材資料⑭から、自分が豊かだ

と思う写真を 1 枚選ぶ。写真は2グループに1セ

ット配布。

◆ 自分が考えた豊かのポイントを入れて、写真の中の

登場人物になったつもりで、グループの中で自己紹

介しあう。

● 持続可能性を考える ―――――――――――

◆ 自分が選んだ写真が「持続可能か?」(その暮らし

方を100 年後も続けられるか)、持続可能でないと

したらどういうところが問題かを各自で考える。

◆ グループで、豊かさのポイントと持続可能性の検討

結果を共有した後、持続可能性のポイントを話し合

い、用紙にまとめる。

◆ 持続可能性のポイントを各グループ1つずつ順番

に発表する。

◇ 心の豊かさが保障されている

◇ 自然との共存 ◇ 自給自足が成り立つ

◇ 生産と消費が循環している

◇ 石油に頼らないエネルギー ◇ 新しいものを追求しすぎない

◇ 物を持ちすぎないシンプルな生活 ◇ 家族の絆が保障される ◇子どもがいる社会

◇ 資源の有限性を考えた暮らし ◇ 戦争がない ◇ 伝統的な暮らし ◇ 人とのつながり

◇ 必要な時に医療にアクセスできる ◇ 足を知る ◇ 趣味などゆとりある暮らし

■ 14.環境問題と持続可能な社会と教育<レクチャー> 14:43-[5]

◆ 「環境を学ぶ目的/持続可能な開発のための教育」

…教材資料⑮を配り、内容についてファシリテー

ターから解説する。

■ 第2回開催の記録

50

■ 15.持続可能で豊かなコミュニティー7か条 14:48-[13] →成果4参照

◆ ここまでの成果や資料を踏まえて、グループで、持

続可能で豊かなコミュニティーにはどんなものが

必要か話し合い、7か条にまとめる。

◆ Fコメント…持続可能について、フォトランゲージ

で十分にできなかったので、まとめにくかったかも

しれない。

■ 16.全体ふりかえり・事務連絡 15:01-[6]

◆ Fコメント…第2回は、環境、人権、平和に対して、

どういう選択をすることが未来を変えていくこと

かを考える連続したアクティビティ体験をしても

らった。皆さんは、担い手に関わる開発教育の指導

者であり、現場で生かしてほしい。

◆ 各自、第1回研修をふりかえり、①発見したこと、

②嬉しかったこと、③その他何でも感じたことを用

紙に書く。

◆ 事務連絡…環境についてISO14001取得な

ど、JICA中部でも取り組んでいる。その一環で、

環境に配慮したノベルティグッズのうち、エコバッ

グ、PET再生クリアファイルを配る。

★15:07 終了

お疲れ様でした!!