第2章 宇都宮市の交通の現状と課題 - utsunomiya...12 第2章...

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12 第2章 宇都宮市の交通の現状と課題 2.1 都市をめぐる社会展望 ①少子・超高齢化社会と人口減少時代の到来 日本の総人口は,平成17(2005)年に戦後はじめて減少に転じました。 平成47(2035)年には,総人口は13%減少する一方,3人に1人は高齢者が占め ると推計されています。 128 127 125 123 119 115 111 106 100 95 90 46 26 8 8 9 10 11 11 12 13 15 16 18 49 53 57 63 67 71 74 77 81 84 36 38 38 39 37 37 36 36 34 29 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 年齢階層別人口(百万人) 0 20 40 60 80 100 120 総人口(百万人) 総人口 0~14歳 15~64歳 65歳以上 15~64歳 65歳以上 0~14歳 総人口 資料:国立社会保障・人口問題研究所 平成18年12月推計 を基に作成 図 日本の将来推計人口 ②地球環境問題の深刻化 温室効果ガスの大量排出による地球温暖化や,大量生産・大量消費による地球資源の枯渇 などの問題が深刻化しています。 日本の二酸化炭素排出量の2割を占める運輸部門のうち9割が自動車交通からの排出です。 業務その他部門 16% 産業部門 38% エネルギー転換部門 7% 運輸部門 21% 家庭部門 13% 工業プロセス 4% その他部門 0% 廃棄物 2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 航空 鉄道 内航 海運 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 総排出量 1,259百万t-CO2/年 部門別CO2排出量内訳(2003年度) 運輸部門CO2排出量内訳(2003年度) 出典:温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)資料より作成 業務その他部門 16% 産業部門 38% エネルギー転換部門 7% 運輸部門 21% 家庭部門 13% 工業プロセス 4% その他部門 0% 廃棄物 2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 航空 鉄道 内航 海運 自動車 :約9割 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 乗用車 :約6割 貨物車 ・バス :約4割 総排出量 1,259百万t-CO2/年 部門別CO2排出量内訳(2003年度) 運輸部門CO2排出量内訳(2003年度) 出典:温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)資料より作成 運輸部門では自動車 からの排出量が約9出典:国土交通省資料 図 我が国のCO2排出部門構成比

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Page 1: 第2章 宇都宮市の交通の現状と課題 - Utsunomiya...12 第2章 宇都宮市の交通の現状と課題 2.1 都市をめぐる社会展望 ①少子・超高齢化社会と人口減少時代の到来

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第2章 宇都宮市の交通の現状と課題

2.1 都市をめぐる社会展望

①少子・超高齢化社会と人口減少時代の到来

日本の総人口は,平成17(2005)年に戦後はじめて減少に転じました。

平成47(2035)年には,総人口は13%減少する一方,3人に1人は高齢者が占め

ると推計されています。

128 127 125123

119115

111106

10095

90

46

26

8891011111213151618

4953

5763

6771

7477

8184

36

383839373736

36

34

29

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年

年齢

階層

別人

口(百

万人

)

0

20

40

60

80

100

120

総人

口(百

万人

)

総人口

0~14歳

15~64歳

65歳以上

15~64歳

65歳以上

0~14歳

総人口

資料:国立社会保障・人口問題研究所 平成18年12月推計 を基に作成

図 日本の将来推計人口

②地球環境問題の深刻化

温室効果ガスの大量排出による地球温暖化や,大量生産・大量消費による地球資源の枯渇

などの問題が深刻化しています。

日本の二酸化炭素排出量の2割を占める運輸部門のうち9割が自動車交通からの排出です。

業務その他部門16%

産業部門

38%

エネルギー転換部門7%

運輸部門21%

家庭部門13%

工業プロセス4%

その他部門0%廃棄物

2%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

航空

鉄道

内航海運

自動車:約9割

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

乗用車:約6割

貨物車・バス:約4割

総排出量

1,259百万t-CO2/年

部門別CO2排出量内訳(2003年度)運輸部門CO2排出量内訳(2003年度)

出典:温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)資料より作成

業務その他部門16%

産業部門

38%

エネルギー転換部門7%

運輸部門21%

家庭部門13%

工業プロセス4%

その他部門0%廃棄物

2%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

航空

鉄道

内航海運

自動車:約9割

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

乗用車:約6割

貨物車・バス:約4割

総排出量

1,259百万t-CO2/年

部門別CO2排出量内訳(2003年度)運輸部門CO2排出量内訳(2003年度)

出典:温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)資料より作成

運輸部門では自動車からの排出量が約9割

出典:国土交通省資料

図 我が国のCO2排出部門構成比

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③財政的制約の高まり

人口減少,高齢化による生産年齢人口の減少は,生産力の低下を招き,投資余力の低下が

懸念されます。

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

平成9年

平成10年

平成11年

平成12年

平成13年

平成14年

平成15年

平成16年

平成17年

平成18年

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

歳入額(合計)

租税及び印紙収入

公債金

その他

内訳歳入額(

十億円)

歳入額合計(

兆円)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

平成9年

平成10年

平成11年

平成12年

平成13年

平成14年

平成15年

平成16年

平成17年

平成18年

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

歳出額(合計)

社会保障関係費

文教及び科学振興費

国債費

交付金

防衛関係費

公共事業関係費

その他

内訳歳出額(

十億円)

歳出額合計(

兆円)

資料:財務省資料を基に作成 資料:財務省資料を基に作成

図 国・一般会計歳入決算額 図 国・一般会計歳出決算額

④規制の緩和

規制緩和によって,自由競争がもたらされ,バス・鉄道に関しても規制の緩和により,バ

ス・鉄道路線の参入,撤退が自由となり,需要が見込めない地域のバス・鉄道は廃止される

傾向にあります。このため,バス・鉄道存続に対して,公共の関与が拡大傾向にあります。

<路線バス廃止のあった市区町村の推移> <廃止路線数の推移>

出典:「バスの運行形態に関する調査」(平成 19 年 3月 国土交通省自動車交通局旅客課)

図 バス路線の廃止状況

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出典:国土交通省資料

図 平成12年以降の地方部の鉄道の廃止路線(予定含む)

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2.2 都市と交通の現状と課題

(1)都市と交通の現状

1)モータリゼーションの進展

宇都宮市における自動車保有台数は一貫して増加しており,ここ20年で約1.5倍となるな

ど,自動車への依存が非常に高くなっています。

<栃木県の自家用車保有率は全国2位> <宇都宮市の自動車台数も増加傾向>

621

588 587

578 577572

567

558 555

591

520

540

560

580

600

620

640

人口

千人

当り

自動

車保

有台

数(台

/千

人)

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

1986

1987

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

保有台

数(万台

)

軽自動車

自動車

資料  自動車 :関東運輸局栃木運輸局「業務要覧」

    軽自動車:宇都宮市主税課「税務概要」

19.5万台

33.7万台

※旧宇都宮市

図 人口当たり自動車保有台数トップ10(平成17年) 図 宇都宮市の自動車保有台数

①追いつかない道路整備

3環状12放射道路をはじめとする道路整備を計画的に進めてきましたが,依然としてピ

ーク時における交通渋滞が発生しています。

<自動車が増加するのに対応して道路整備も進展>

0

10

20

30

40

50

60

70

80

1955

1957

1959

1961

1963

1965

1967

1969

1971

1973

1975

1977

1979

1981

1983

1985

1987

1989

1991

1993

1995

1997

1999

2001

2003

2005

人口

(万

人)

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

2.2

2.4

2.6

自動

車台

数(

台)

人口人口あたり自動車台数世帯あたり自動車台数道路実延長

(注)自動車は、軽自動車を含む資料:政策審議室(推計人口・世帯)   自動車 :関東運輸局栃木運輸局「業務要覧」   軽自動車:宇都宮市主税課「税務概要」 道路延長:道路維持課

2,600

2,400

2,200

2,000

1,800

1,600

1,400

1,200

1,000

800

600

400

200

0

道路

実延

長 

(km

※旧宇都宮市

図 自動車台数と道路整備延長の推移

を基に作成

を基に作成

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<渡河部,環状線や放射状道路で混雑が発生>

凡    例

:出典 H17年度   道路交通センサス

混雑度

: 1.0未満

: 1.0以上1.25未満

: 1.25以上1.5未満

: 1.5以上

混雑度=交通量÷交通容量

図 主要道路区間の混雑度と渋滞状況

②過度な自動車への依存

道路整備が計画的に進められ,自動車の利便性が向上し,人々の行動圏域が広域化する一

方,結果として過度な自動車依存を促進しています。

<全国平均と比較しても著しく車に依存している状況>

資料:「平成 15 年度旅客地域流動調査」を基に作成

図 交通機関別分担率

資料:H17 道路交通センサス

を基に作成

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③高齢者ドライバーの事故の増加

高齢者ドライバーの事故が急増しており,更なる事故の増加が懸念されます。

244.9

274 .5

110 .3

245.4235.3

211.3197.2

171.3

112 .9 116.7123 .8

142.6145.9

269.0

100 .0

99.2 101 .093.3

100.3

99.5

105.4

113.8

116 .5

114.8

119.2

117 .0

114.5

50

100

150

200

250

300

平成5 平成8 平成11 平成14 平成17

交通事故件数の伸びは平成5年を100として伸び率を示したもの

(年)

交通事故件数の伸び率

高齢者交通事故件数の伸び

交通事故総件数の伸び

(%)

出典:栃木県警察本部資料

図 高齢者が第一当事者となった交通事故の件数の伸び率(栃木県内)

④環境負荷の増大

宇都宮市における二酸化炭素排出量の2割強が運輸部門からであり,そのうち自家用車か

らの排出量が 6 割を占めています。

運輸部門24%

廃棄物部門2%

産業部門36%

民生業務部門

24%

民生家庭部門

14%

図 宇都宮市における二酸化炭素排出量(平成 15 年度)

第一当事者:事故当事者のうち

過失が最も重い者

自家用車61%

その他39%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

運輸部門

総排出量:3951 千 t-CO2

資料:「宇都宮市地球温暖化対策地域推進計画」

(平成 19 年 2 月 宇都宮市) を基に作成

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2)都市の肥大化

宇都宮市はモータリゼーションの進展とともに,郊外へまちが広がるといった郊外化が進み,

低密度な市街地が広がる拡散型の都市構造を形成しています。

<宇都宮市において人口は薄く広がる>

資料:国勢調査を基に作成

図 夜間人口の状況(昭和50年,平成12年,平成17年)

夜間人口密度〔人/ha〕

(平成 12 年)

160 -140 - 160120 - 140100 - 12080 - 10060 - 8040 - 6020 - 400 - 20

夜間人口密度〔人/ha〕

(昭和 50 年)

160 -140 - 160120 - 140100 - 12080 - 10060 - 8040 - 6020 - 400 - 20

夜間人口密度〔人/ha〕

(平成 17 年)

160 -140 - 160120 - 140100 - 12080 - 10060 - 8040 - 6020 - 400 - 20

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19

①自動車への更なる依存

自動車の利用を前提とした都市の郊外化の進展は,更なるモータリゼーション化を促進し

ています。

<自動車の増加に比例して人口集中地区は広がるものの,人口密度は低下>

5.2

5.55.35.35.35.3

5.7

7.1

8.7

0

10

20

30

40

50

60

70

1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

DI

D面

積(k㎡

)

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

DID人

口密

度(千

人/k㎡

)

DID面積(k㎡)

DID人口密度(千人/k㎡)

0.8

0.7

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

0.28

0.740.71

0.66

0.57

0.46

0.38

人口あたり自動車台数(台/人)

人口

あた

り自動

車台

数(

台/人

資料:国勢調査,自動車:関東運輸局栃木運輸局「業務要覧」,軽自動車:宇都宮市主税課「税務概要」を基に作成

図 人口集中地区(DID)の面積と人口密度及び人口あたり自動車台数の推移

②増加する行政コスト

都市の肥大化に伴い,道路・上下水道等の社会インフラの整備が必要となり,今後,社会

保障費の増加が見込まれる中,こうした社会インフラの維持コストの財政への影響が懸念さ

れます。

<福祉関係の民生費の支出が増加傾向>

13%

12%

18%

13%

11%

9%

11%

18%

14%

13%

13%

12%

17%

26%

8%

8%

9%

10%

8%

14%

8%

5%

5%

5%

4%

7%

8%

6%

20%

25%

23%

31%

27%

26%

21%

20%

22%

14%

13%

16%

11%

11%

5%

5%

9%

7%

7%

8%

11%

12%

10%

10%

9%

12%

7%

6%

総務費 民生費 衛生費 商工費 土木費 教育費 公債費 その他

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡例

1975年

1980年

1985年

1990年

1995年

2000年

2005年

歳出構成比

歳出額

(10億円)

()内は伸び

145.9

(5.1)

114.0

(4.0)

77.9

(2.7)

60.1

(2.1)

28.8

(1.0)

147.7

(5.1)

149.8

(5.2)

資料:宇都宮市資料を基に作成

図 宇都宮市の一般会計歳出額の推移

DID:人口集中地区

※旧宇都宮市

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3)公共交通の衰退

市民の生活の足となる公共交通の利用者は減少傾向にあり,ネットワークの維持に支障をきた

しています。

<公共交通の利用者数は減少傾向>

-

5

10

15

20

25

30

35

40

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

利用者数(百万人/年)

鉄道利用者数

バス利用者数

※鉄道は、旧宇都宮市内の鉄道駅の乗車人員

 バスは、宇都宮市内を通る全系統の乗客数(各社推計)

 よって、市内及び市外を結ぶ系統については、市外のみの乗客も含む

 1996年(平成8年度)は、一部資料がないため、前年度データを使用

 バスの1981年以前、1983~1987年はデータ無し

資料:鉄道 宇都宮市統計書(JR東日本株式会社、東武鉄道株式会社)

   バス 宇都宮市の交通(各バス会社)

※旧宇都宮市

図 バス・鉄道の利用者数(宇都宮市)

を基に作成

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21

①独立採算による公共交通網の維持が困難

都市内の移動を担う鉄道やバス等の公共交通は,モータリゼーションの進展により利用者

が減少し厳しい経営を強いられている状況であり,サービスレベルの低下が懸念されます。

特にバス路線の維持に対し,行政は事業者に一定の支援を行ってきましたが,効果的な利

用促進など,事業者・市民・行政の連携が不十分な状況です。

乗合バスの系統数・免許キロの推移

707

444

419

421

414

414

379

331

298

275

255

250

243 257

262

253 263

259 27

2

268

266

265

263

96 107

109

117

123

3,393

2,4732,372

2,2492,134 2,093

1,953 1,9941,816

1,7091,612 1,579 1,515 1,488 1,469 1,472 1,459 1,442 1,416 1,350 1,269 1,235 1,202

0

100

200

300

400

500

600

700

800

S44

S59

S60

S61

S62

S63

 H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H1

0

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

年 度

系統数

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000免許キロ(km)

運行系統数(民間バス)

運行系統数(市町村バス)

免許キロ(民間バス)

※民間路線バスは県バス協会加盟社分 ※※市町村バスはH12以前は非集計

・ 民間バスは系統数・免許キロともに、ピーク時から

  36年間で4割以下に減少

・ 一方、民間撤退路線を引き継いだ市町村バスが増加

1系統あたり輸送人員

 558人/日

(S44、民間バス)

1系統あたり輸送人員

 215人/日

(H17、民間バス)

※H12以前の市町村バスは非集計

出典:栃木県資料

図 県内の乗合バスの系統数・免許キロの推移

バス関連の補助費

72 46 60 52

300284

301 306

235259

259304

1817

26 26

0

100

200

300

400

500

600

700

平成14年 平成15年 平成16年 平成17年

国・

県・

市町

村の

補助

額(

百万

円)

0

5

10

15

20

25

30

35

40宇

都宮

市の

補助

額(

百万

円)

国 県 市町村 うち宇都宮市

607百万円

661百万円

620百万円539百万円

※不採算バス路線の運行費及び車両購入に対する,国・県・市町村の協調補助額

(市町村の単独補助は含まない)

資料:栃木県,宇都宮市資料を基に作成

図 県内のバス関連の補助費の推移(栃木県内)

バス関連の補助費

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22

②人口密度に対してバス運行サービスが不一致

まちなかでは,公共交通が比較的充実し,一部地域では人口密度を上回るサービスが提供

されている一方で,一定の人口が集積する新興市街地では,サービス空白地域が存在してい

ます。

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0

バス停圏域の人口密度(人/ha)

発着

回数

(本

/日

人口:平成 17 年国勢調査

資料:国勢調査,各事業者バス時刻表を基に作成

図 宇都宮市内のバス停における人口密度とバス運行本数

比較的人口密度が低いが,

バスの運行頻度が高いと考えられる領域

比較的人口密度が高いが,

バスの運行頻度が低いと考えられる領域

運行

本数

(本

/日

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③公共交通空白地域の存在

公共交通サービスの提供されていない地域は,宇都宮市の可住地面積の約6割に達し,そ

こに市民の約33%(約17万人)が居住しています。

図 公共交通利用圏と夜間人口密度

構成比

67%

38%

33%

62%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

人口

可住地面積

公共交通カバー圏域

公共交通空白地域

※可住地面積:山林,原野,河川等を除く面積

資料:「宇都宮市生活交通確保プラン」,平成 17 年国勢調査を基に作成

図 公共交通利用圏域と空白地域の状況

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(2)交通に関する現状と課題認識

①マイカー利用を前提とした拡散型のまち

宇都宮市は自動車社会への対応として道路整備を進めるとともに,土地利用,都市構造も

それに対応してきました。

結果,企業誘致や市民生活の向上に大きく寄与した一方で,頻発する交通渋滞や高齢者の

交通事故等様々な課題が顕在化しつつあります。

また,公共交通の利用者が減少し,公共交通自体のサービス水準も低下が懸念される中,

大通りなどは,決して効率の良いバスの運行とは言い難い状況にある一方で,新興市街地な

どでは公共交通の空白地域が存在しています。

②将来的に不安が残るマイカー社会

将来的には,高齢者のモビリティ確保,地球環境問題への対応など自動車のみに頼る社会

の限界が伺えます。

また,自動車社会によって肥大化した都市を,人口減少時代に維持していくには市民への

行政コストの負担が増える可能性が高くなっています。

③まちの活力が低下

工業団地にアクセスする道路の混雑解消や交通利便性向上など,良好な生産環境の確保が

課題となっています。

モータリゼーションの進展により中心部の商業施設や公益施設の郊外移転が現在も進んで

おり,中心市街地の活性化が課題となっています。