第3学年 保健体育科 学習指導案 · 2019. 2. 3. · (2) 生徒について...
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第3学年 保健体育科 学習指導案
日 時:平成29年12月5日 (火) 5校時
学 級:3年2組
場 所:胎内市立中条中学校3年2組教室
授業者:今野 雄司(T1)
大﨑加代子(T2)
1 単元名 「健康な生活と病気の予防 イ 生活行動・生活習慣と健康 (エ)調和の取れた生活と生活習慣病」
2 単元の目標
(1) 生活行動・生活習慣と健康について関心をもち、学習活動に意欲的に取り組もうとすることがで
きるようにする。 (関心・意欲・態度)
(2) 生活行動・生活習慣と健康について、課題の解決を目指して、知識を活用した学習活動などによ
り、科学的に考え、判断し、それらを表すことができるようにする。 (思考・判断)
(3) 生活行動・生活習慣と健康について、課題の解決に役立つ基礎的な事項及びそれらと生活との関
わりを理解することができるようにする。 (知識・理解)
3 指導について
(1) 教材について
健康の大切さや健康によい生活、病気の起こり方や予防などについては、小学校体育科保健領域で
学習している。それらを踏まえて、ここでは、人間の健康は主体と環境がかかわりあって成り立つこ
とと、健康を保持増進し疾病を予防するためには、それに関わる要因に対する適切な対策があること
について理解できるようにする必要がある。本単元では、生活習慣病として、肥満や糖尿病、高血圧、
脳卒中、心臓病などを取り上げて扱い、それぞれの疾病について原因や予防方法を理解できるように
する。
また、近年我が国の重要な健康課題となっているがんについては、特別に取り上げて扱うこととし
た。我が国におけるがん対策は、がん対策推進基本計画に基づいて行われており、その中では「がん
患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」を目指すこととし
ている。子どもに対しては、健康と命の大切さについて学び、自らの健康を適切に管理し、がんに対
する正しい知識とがん患者に対する正しい知識を持つよう教育することを目指すという個別目標も示
されている。
本時の学習では、がんは身近な病気であるということを理解させ、がんの予防法について関心を持
ち、正しい知識をもとに適切な行動ができる力を身に付けさせたい。そこで、学んだ知識を自分の生
活と照らし合わせ、自分にとって有効ながん予防法を考えた上でこれをグループ内で表現するといっ
た学習過程を設定する。これは、仲間との意見交換を通して、予防法についての考えを深めるだけで
なく、適切な行動を実践するための意欲を高めること(コミットメント効果)をねらいとしている。
(2) 生徒について
本学級の生徒は、男子17名、女子15名、計32名である。毎月行っている生活習慣の振り返りで
は、11時半前に就寝している生徒が39.3%、6時半前に起床している生徒が42.9%。給食後の歯磨き実
施率は19%と、健康意識は他クラスと比較してもやや低い傾向にある。
事前アンケートの結果、がんに対する生徒の実態は、以下のとおりである。
「がんに関するイメージ」を問う項目で「死」と答えた生徒は71.0%、「辛い」「怖い」と答えた生徒は
100%であったことから、がんに対してネガティブなイメージが強い傾向にあることがわかった。
上記質問の回答のうち「怖い」と答える理由として、
● 命の危険、死のイメージ(21名) ● 苦しい、治療が辛い(18名)
その他「がん」のイメージ
● いろいろな場所にできる、転移(9名) ● 再発、治りにくい(8名)
● 今まで通りの生活ができない(6名)
※ポジティブなイメージの回答は見られなかった
上記質問の回答の理由として、
〇 規則正しい生活をしているから(6名) 〇 現在、健康に過ごしているから(4名)
〇 タバコを吸うつもりがないから(3名)
● 不規則な生活を送っているから(6名) ● 身内にがんになった人がいるから(4名)
● 誰もががんになる可能性があるから(2名)
〇正しい・・・82.8% ●誤り・・・17.2%
以上、事前アンケートの結果からは、がんに対するマイナスイメージが強く、不安を感じている生徒
が多いということがわかった。また、がんの予防方法を問う質問でも、生活習慣に関わった記述をする
生徒は多く(96.8%)、中でも「タバコを吸わない」と回答した生徒は 64.5%であった。全体として、こち
らが想像した以上にがんに関する知識を持っていることがわかったが、一方でテレビ番組やドラマ等で
漠然と得た知識やイメージが大きく、がんについての詳しい情報や具体的な予防方法については理解で
きていない。また、がんに対する不安や関心はあるものの、自分の健康や自分の生活とは結びついてい
ない印象を持った。生徒の実態からも、がんについての理解を深め、自らの生活と比較して予防方法を
考えさせる必要性は高く、各々が自分の問題として捉えさせていく必要がある。
4 小単元(「生活行動・生活習慣と健康」)の評価基準
観点
項目
ア 健康・安全への
関心・意欲・態度
イ 健康・安全についての
思考・判断
ウ 健康・安全についての
知識・理解
単元の
評価基準
健康な生活と疾病の予防について
関心をもち、学習活動に意欲的に
取り組もうとしている。
健康な生活と疾病の予防について、
課題の解決を目指して、知識を活用
した学習活動などにより、科学的に
考え、判断し、それらを表している。
健康の成り立ちと疾病の発生要因、
生活行動・生活習慣病と健康につい
て、課題の解決に役立つ基礎的な事
項及びそれらと生活との関わりを
理解している。
学習活動に即した
評価基準
① 健康な生活と疾病の予防につい
て、健康に関する資料を見たり、
自分たちの生活を振り返ったり
するなどの学習活動に意欲的に
取り組もうとしている。
② 健康な生活と疾病の予防につい
て、課題の解決に向けての話合い
や意見交換などの学習活動に意
欲的に取り組もうとしている。
① 健康な生活と疾病の予防につい
て、健康に関する資料等で調べた
ことを基に課題や解決の方法を
見付けたり、選んだりするなどし
て、それらを説明している。
② 健康な生活と疾病の予防につい
て、学習したことを自分たちの生
活や事例などと比較したり、関係
を見付けたりするなどして、筋道
を立ててそれらを説明している。
① 健康の成り立ちと疾病の発生要
因について理解したことを言っ
たり、書き出したりしている。
② 生活行動・生活習慣と健康につ
いて理解したことを言ったり、書
き出したりしている。
5 指導と評価の計画
時 学習内容
観点別評価基準
ア
関心
意欲
態度
イ
思考
判断
ウ
知識
理解 評価基準と方法
1 【食生活と健康】
・健康な生活や疾病の予防には毎日適切な時間に食事
をすることが大切であること
・年齢や運動量に応じて栄養素のバランスや食事の量
などに配慮する必要があること
・運動によって消費されたエネルギーを食事によって
補給することが必要であること
① ②
・生きていくために必要な栄養素は
バランスの取れた食事からとるこ
とを理解し、言葉や文字で表して
いる。(ウ-② 観察・ワークシート)
・自分の食生活の問題点を見付け、
改善する方法を意欲的に考え発表
しようとしている。(ア-②観察)
2 【運動と健康】
・運動には身体の各器官の機能を刺激し、その発達を
促すとともに、気分転換が図られるなど精神的にも
よい効果があること
・健康な生活や疾病の予防には日常生活において適切
な運動を継続することが必要であること ② ②
・健康によい適度な運動を日常生
活の中に取り入れることは体
の発育を促し、生活習慣病や肥
満の予防にも役立つことを理
解し、言葉や文字で表してい
る。(ウ-② 観察・ワークシート)
・生涯を通した健康の保持増進の
ための運動についての話し合
い活動や意見交換に積極的に
取り組んでいる。(ア-② 観察)
3 【休養及び睡眠と健康】
・長時間にわたる学習、運動、作業は疲労やストレス
をもたらし、心身の不調や病気を引き起こすこと
・健康な生活や疾病の予防には、休養及び睡眠によっ
①
・疲労を感じたときの自覚症状を
例として、身体的疲労と肉体的
疲労それぞれに適した疲労回
復の方法について資料等を活
て心身の疲労を回復することが必要であること 用して見付け、それらを説明し
ている。(イ-① 観察・ワークシート)
・自分の生活の仕方を振り返り、休
養や睡眠の取り方について考え、
説明している。(イ-①観察)
4 【調和のとれた生活と生活習慣病①】
・生活習慣の多くは、子どもの頃からの生活習慣と関
係が深いこと
・健康な生活や疾病の予防には、年齢や生活環境に応
じた食事、適切な運動、休養及び睡眠の調和のとれ
た生活を続けることが必要であること。
① ①
・高血圧や心臓病、脳卒中などの
循環器系疾患、糖尿病はどのよ
うな病気なのかについて理解
し、言葉や文字で表している。
(ウ-① 観察・ワークシート)
・生活習慣によって起こる様々な
病気について、資料等を活用し
て見付け、それらを説明してい
る。(イ-① 観察・ワークシート)。
5 【調和のとれた生活と生活習慣病②】
・不適切な生活習慣は、やせや肥満などを引き起こす
こと
・不適切な生活習慣は生活習慣病を引き起こす要因と
なり、生涯にわたる心身の健康に様々な影響を及ぼ
すこと
② ②
・やせや肥満と、生活習慣病との関
連について理解し、言葉や文字で
表している。(ウ-③ ワークシート)
・生活習慣と生活習慣病の密接な関係
を知り、予防のための方法を自分の
生活と照らし合わせて考えること
ができる。(イ-②観察・ワークシート)
6
本
時
【がんの予防】
・がんとは、体の中で異常細胞が際限なく増えてしま
う病気であること
・がんにかかる危険性を減らすための工夫として、禁
煙、食事、適正体重、運動、節酒などがあること ② ①
・がんの発症と生活習慣との関連
について理解し、言葉や文字で
表している。(ウ-① ワークシート)
・生活習慣とがんの密接な関係を
知り、学んだことを自分の生活
と照らし合わせ、予防のための
方法を考えることができる。
(イ-① 観察・ワークシート)
6 本時の指導
(1) ねらい
○ がんの発生概念や予防方法に関する学習を通して、正しい知識を理解することができる。【知識・理解】
○ 自分の生活を見直す活動を通して、得た知識を活用し自分にできるがんの予防法を考えることができる。【思考・判断】
(2) 本時における評価基準
観点
項目 イ 思考・判断 ウ 知識・理解
十分満足
がんの発生要因や予防方法などを踏まえ、自ら
の生活を振り返り、課題を解決するための適切
な行動の仕方を具体的に挙げることができる。
5つの健康習慣を継続することががんのリスク
を減らすのに有効であることを理解し、言葉や
文字で表することができる。
おおむね満足
がんの発生要因や予防方法を理解し、課題を解
決するために適切な行動の仕方を考えることが
できる。
規則正しい生活習慣ががんのリスクを減らすの
に有効であることを理解し、言葉や文字で表す
ることができる。
(3) 学習過程(本時6/6)
時間
主な学習内容・学習活動 T1・T2 教師の支援(◆評価 ※留意点)
導
入(5分)
1 日本人〇人に1人クイズ
・花粉症の人(10人に1人)
・TUTAYA カードを持っている人(5人に1人)
・LINEを利用している人(3人に1人)
・血液型 O型の人(3人に1人)
・生涯でがんに罹患する人(2人に1人)
(予想される生徒の反応)
・がんは予防できる!
・できることはある!!
※ 授業の始めに、身近な人をがんで亡くしたり
身近にがん患者がいたりする生徒に対する配
慮として「授業中に話を聞くのが辛くなった
ら、遠慮なく声をかけるように」と伝える。
T1:最初は、血液型やスマホ利用率など身
近な事象でクイズを出題する。最後にがん
に罹患する人の割合を示し、がんが身近な
病気であることを印象づける。
T1:がん患者数が年々増加傾向にあるこ
と、日本人の死亡原因の第一位であること
を簡単に押さえる。
T1:生徒数名に問いかける。
2人に1人ががんになると言われている時代。
私たちにできることは、「がんにならないように祈ること」だけでしょうか?
何人に 1人が当てはまるでしょうか?
今日の課題
がんについて正しい知識を身に付け、健康で明るい未来のために今日からできることを考えよう!
展
開
(38分)
3 がんの疾病概念を理解する (5分)
(1) がんの発生
(2) がんの進行
(3) がんの原因
〇がん死亡原因の割合グラフを提示する(資料1)
4 がんの予防方法について知る
(1) 事前アンケートの結果を提示する。(3分)
がんを予防する方法
生活習慣に関する回答・・・96.8%
内、タバコを吸わない・・・19名
食事に気をつける・・・17名
適度に運動をする・・・12名
お酒を控える ・・・ 7名
(少数派意見)
清潔な環境で生活をする
こげを食べない
ネガティブにならない
早寝早起き
あさごはんを食べる
体に良い物を食べる
(2) がんを防ぐ5つの健康習慣を理解する (3分)
T2:がんの疾病概念について視覚教材を
活用し、説明をする。
〇健康な人でも「がん細胞」が毎日多数発生して
いるが、免疫機能が「がん細胞」を死滅させてい
る。→免疫力が低下すると、がん細胞の増殖が進
み、周囲の組織に拡がっていく。=がん
T2:がん死亡の原因は、喫煙、食事などの
生活習慣が関係しているものが7割、それ
以外が関係しているものが3割あることを
説明する。
※全てのがんが生活習慣に起因しているものでは
ないことを押さえる。
T2:事前アンケートの結果を提示。
① ほとんどの生徒が「生活習慣」に関係する
内容を記入していた。
② 少数派の意見も含め、現代は「がん予防」
に関する情報が溢れている。
ことを押さえる。
T2:がんを防ぐ5つの健康習慣を提示
禁煙・食生活・適正体重・運動・節酒
先ほどのアンケート結果と照らし合わせな
がら確認をする。
中でも、食生活(野菜、塩分、熱い食べ物)
と運動について、理想的な量を具体的・視覚
的に示し、説明を補足する。
現代はがんの予防方法についての情報が沢山ありますが、中には本当に効果があるのかわか
らないものもあります。しかし、その中で確実にがんのリスクを下げると言われているもの
が5つあります。
5 自分の生活を振り返る (5分)
「がん予防生活チェックシート」を配布。(資料2)
「自分の生活」が「がんを予防する生活」にどれく
らい当てはまっているかをチェックし、考察する。
6 がんを防ぐ My健康習慣3か条! (5分)
(予想される生徒の反応)
・カップラーメンの汁は飲まないようにする。
・1週間に1回は早朝ランニングをする。
・コンビニで昼ごはんを買うときは、サラダ
も買うようにする。
7 グループワークで意見を共有する (8分)
グループワークの方法
① オリジナル健康習慣を発表しあう
② 自分の挙げた3つの中で「ナイス習慣」と思うも
のにシールを貼る(シール1枚)。
③ 他の人の健康習慣を見て「ナイス習慣」と思うも
のにシールを貼る(シール2枚)。
8 がん検診の必要性を確認する (3分)
T2:チェック項目は食生活・運動・喫煙
の3つとし、当てはまる項目に○を記入さ
せる。
T2:回答が抽象的にならないよう、事前
にいくつか回答例を示す。(いつ、どこで、ど
うやってが明確になるように)
T1:すぐに健康習慣が思いつかない生徒
に、机間巡視をしてアドバイスをする。
◆思考・判断
得た知識を活用し自分にできるがん予防法を考
えることができたか。
T1:グループワークの仕方を説明する。
ナイス習慣とは・・・「自分は思いつかなかったけど、効果
がありそうだな!」や「自分もやってみたいな!」と感
じた意見のこと。
T2:1人につき3枚シールを配る。
T1:机間巡視をして、生徒数名に発表を
させる。シールの数ではなく、内容をみて
共有した方が良い意見を選ぶ。
規則正しい生活習慣を継続することが、が
ん予防に繋がることを押さえる。
T1:生活習慣に気をつけていても、がんに
なる可能性があることから、がん検診の大切
さを押さえる。
多くのがん検診が40歳以上を対象に行わ
れていることにも触れ、まとめのワークシ
ートに繋げる。
がんを引き起こす原因に生活習慣が大きく関わっていることは研究でわかってきました
が、
全てのがんが生活習慣によって発生する訳ではありません。
生活習慣に気をつけていても、がんになる人はいます。
チェックシートをもとに、自分オリジナルの健康習慣を考えましょう!
資料1 がん死亡原因の割合
まとめ(7分)
9 未来の自分自身に向けた「がん予防」のメッセ
ージを考える
ワークシートを配布(資料3)
T1:今日の学習内容を活用し、未来の自分
へ決意のメッセージを考えさせる。
ワークシート回収後、生徒数名の記述を朗読
して、内容の共有化を図る。
◆知識・理解
がんの予防について、学習した知識をもとに、
自らの考えを用紙に書いたり発表したりしようと
したか。
今日学習したことを活かして、25年後の自分メッセージを送りましょう。今日学んだことを
踏まえ、健康で輝く未来を生きる大切なあなたに、今の気持ちや決意を伝えてください。
資料2 ワークシート①
資料3 ワークシート②
7 授業を振り返って
(1)教材について
がんの疾病概念を理解する部分では、目に見えない事象をわかりやすく理解させるため、パワーポイ
ントで教材を作成した。生徒たちに「がん細胞の増殖ががんの発生に起因すること」や「免疫力ががん
の発生を抑制すること」などを視覚的に捉えさせることができ、病気の理解が深まった。
また説明だけでは飽きてしまうことが予想されたため、クイズの場面を適宜盛り込み、関心を持って
授業が受けられるよう工夫した。生徒たちの声を聞きながら説明をすることで、和やかで楽しい雰囲気
の中、授業を進めることができた。
「がん予防生活チェックシート」は「がん教育推進のための教材(平成 28年 4 月)」に記載されている、
がんを予防する5つの健康習慣(禁煙、食生活、適正体重、運動、節酒)をもとに作成した。3年生は部
活動を引退していることもあり、女子は運動面で○が付きにくい傾向にあった。一方男子は、「野菜や果
物を意識して食べるようにしている」や「ラーメンのスープを 2/3 以上は残すようにしている」という
項目に○が付きにくかった。これを踏まえて、オリジナル健康習慣を3つ考える活動を行ったが、生徒
たちからは「土日は必ず 1 回は外に出て友だちと遊ぶ」「塩分表示を見るようにする」「買い物に出かけ
た時はできるだけ階段を使う」など、各々の生活スタイルに合った健康習慣が挙げられた。
授業の最後には、がん検診の多くが 40 歳以上を対象としていることを伝え、25 年後、40 歳の自分に
がん予防のメッセージを記入させた。これまでの学習や現在の生活習慣を振り返り、また未来の姿をイ
メージしながら書いた手紙には、前向きな言葉がたくさん書かれていた。
(ワークシートより)
(2)TTについて
保健体育教諭は、公開授業を行った学級の担任でもあるため、生徒の発言に適切に反応したり、グル
ープワークが活発に行われるよう働きかけたりと、
生徒の理解を深める手助けとなった。
当初、指導案検討の段階では学習活動が多く、
時間が不足するのではないかとの声が挙がったが、
ねらいを達成するためにはどの部分も削ることが
できず、時間をどう調整するかが課題であった。
ぼくは今日がんの勉強をしました。がんというのは、がん細胞が増殖して起こる病気です。ぼくはこれ
から塩分を取りすぎないことと、薄味を意識して生活をしようと思います。もちろん、タバコは吸ってい
ないよね。がん検診にも行ってくださいね。これからも健康に過ごしてね。(男子)
40 歳の私は元気ですか?15 歳の私はとても元気です。がんにならないために、今の自分は 2 つ気をつけ
ます。1 つ目、野菜を 350g食べる。2 つ目、塩分を取り過ぎない。40 歳になり体にガタが来はじめている
と思います。がん検診を受けたり、規則正しい生活を心がけてください。目指せ 100 歳!(女子)
しかし、生徒の実態をよく知る担任の助言から、タイマーを活用し活動時間を区切って授業を進めるこ
とを実践したところ、一つ一つの活動をテキパキと進めることができ、時間ぴったりに終えることがで
きた。
(3)その他
授業後に行われた協議会では、参加してくだ
さった先生から「パワーポイント等、準備した
資料がわかりやすかった」「がんを暗く捉えるの
ではく、明るい未来に向けて・・・という前向きな
指導が良かった」「TTの役割分担が良く、スムー
ズに授業が流れていた」など、肯定的な意見が
多く聞かれた。しかし、時間の流れを意識する
あまり、「もう少し説明が欲しかったという部分
があった」や「生徒の何気なくこぼれた一言を
拾えたら、もっと授業が深まるのでは」という気付きなどもあり、今後授業を重ねるにあたり考える視
点をたくさんいただいた。