第5章 地磁気・地電流 - gsi第5章 地磁気・地電流...

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第5章 地磁気・地電流 地震の前後で,地磁気の変化や,電流,地殻の電気抵抗の変化,あるいは発光現象などまざまな電磁気現象が観測されている。これらのなかには,その発生過程が充分に解明されて いないものもあるが,地震に先だって観測れる電磁気現象は地震予知のための情報のひとつ として有効であろう。 地磁気変化 地震に結ついた地磁気変化の観測を目的とした地磁気測量は,明治24年(1891年)の濃 尾地震をきっかけとして,震災予防調査会によって始められた。現在では国土地理院及び海上 保安庁水路部が全国磁気測量にあたっている。 地球磁場の分布を調べるには,最近では地表での磁気測量のほか,航空機や船舶,人工衛星 を使う測定が行われるようになった。地表や航空機による測定結果をまとめると,首都圏周辺 では,相模トラフを境界とした顕著な磁気異常が見いだれている。地震発生に先だって地殻 に応力が加わると,微少な地磁気変化が期待される。首都及びその周辺には,茨城県柿岡の 気象庁地磁気観測所,千葉県の国土地理院鹿野山測地観測所,伊豆大島の東京大学地震研究所 伊豆大島火山観測所,八丈島の海上保安庁水路部水路観測所があって,プロトン磁力計等によ って地磁気連続観測を実施し,地磁気変化の異常の検出につとめている。その結果,1974年頃 から伊豆地域で活発化した地殻活動に関連すると思われる全磁力変化の異常が伊豆大島で検出 された。 連続観測点の配置には限りがあるので,国土地理院や大学その他の研究機関では,磁気測量 点を設けて,ある期間をおいて磁気測量を繰り返し,変化の様子を調べている。 地電流(目然電位) 地震に先行したと思われる地電流(自然電位)変化は数多く報告れている。しかし,首都 圏では電車からの漏洩電流などの人工的ノイズが多く,観測がきわめて困難である。この困難 を克服するため,NTTの電話回線を利用した長基線地電流(自然電位)観測が気象庁地磁気 観測所・気象研究所及び東京大学地震研究所の手で,首都圏周辺では,水戸,沼津,木更津, 伊豆大島を中心とした群列観測方式によって実施されている。 電気抵抗 地震発生に関連して,地殻の電気抵抗が変化すると考えられている。活断層地域では地震の 2~3ケ月前から電気抵抗の変化した例もある。気象庁地磁気観測所では,柿岡での地磁気変 化を解析して関東地震前後20~30年の規模で関東地の電気抵抗構造に変化があったと推測れる結果を得ている。現在,気象庁地磁気観測所や大学などで地磁気・地電位差観測を実施 一149一一

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  • 第5章 地磁気・地電流

     地震の前後で,地磁気の変化や,地電流,地殻の電気抵抗の変化,あるいは発光現象などさ

    まざまな電磁気現象が観測されている。これらのなかには,その発生過程が充分に解明されて

    いないものもあるが,地震に先だって観測される電磁気現象は地震予知のための情報のひとつ

    として有効であろう。

    地磁気変化

     地震に結びついた地磁気変化の観測を目的とした地磁気測量は,明治24年(1891年)の濃

    尾地震をきっかけとして,震災予防調査会によって始められた。現在では国土地理院及び海上

    保安庁水路部が全国磁気測量にあたっている。

     地球磁場の分布を調べるには,最近では地表での磁気測量のほか,航空機や船舶,人工衛星

    を使う測定が行われるようになった。地表や航空機による測定結果をまとめると,首都圏周辺

    では,相模トラフを境界とした顕著な磁気異常が見いだされている。地震発生に先だって地殻

    に応力が加わると,微少な地磁気変化が期待される。首都及びその周辺には,茨城県柿岡の

    気象庁地磁気観測所,千葉県の国土地理院鹿野山測地観測所,伊豆大島の東京大学地震研究所

    伊豆大島火山観測所,八丈島の海上保安庁水路部水路観測所があって,プロトン磁力計等によ

    って地磁気連続観測を実施し,地磁気変化の異常の検出につとめている。その結果,1974年頃

    から伊豆地域で活発化した地殻活動に関連すると思われる全磁力変化の異常が伊豆大島で検出

    された。

     連続観測点の配置には限りがあるので,国土地理院や大学その他の研究機関では,磁気測量

    点を設けて,ある期間をおいて磁気測量を繰り返し,変化の様子を調べている。

    地電流(目然電位)

     地震に先行したと思われる地電流(自然電位)変化は数多く報告されている。しかし,首都

    圏では電車からの漏洩電流などの人工的ノイズが多く,観測がきわめて困難である。この困難

    を克服するため,NTTの電話回線を利用した長基線地電流(自然電位)観測が気象庁地磁気

    観測所・気象研究所及び東京大学地震研究所の手で,首都圏周辺では,水戸,沼津,木更津,

    伊豆大島を中心とした群列観測方式によって実施されている。

    電気抵抗

     地震発生に関連して,地殻の電気抵抗が変化すると考えられている。活断層地域では地震の

    2~3ケ月前から電気抵抗の変化した例もある。気象庁地磁気観測所では,柿岡での地磁気変

    化を解析して関東地震前後20~30年の規模で関東地方の電気抵抗構造に変化があったと推測さ

    れる結果を得ている。現在,気象庁地磁気観測所や大学などで地磁気・地電位差観測を実施

    一149一一

  • して,地殻内の電気抵抗変化を検出する試みを続けている。

     岩石に応力を作用させると,電気抵抗が敏感に変化することがある。神奈川県油壷の火山凝

    灰岩は応力作用に特別に敏感な岩石で,地震の際に顕著な変化が記録されている。東京大学地

    震研究所では,油壷において岩石の電気抵抗変化の連続観測を実施している。

    電 磁 波

     地震の際に電磁波が放射されるらしいということは,古くからいわれてきた。実際に地震に

    先だって,電磁波が観測されている。電気通信大学及び東京大学地震研究所は首都圏周辺では

    茨城県柿岡,埼玉県坂戸,東京都杉並,伊豆大島などで電磁放射連続観測を実施している。

     首都圏での電磁気観測にとって最大の問題は,人工擾乱の大きいことである。微弱な磁場・

    電場の変化を観測する必要があるため,都市雑音は電磁気観測にとって致命的といえる。この

    ため他の地域では有効な方法も充分活用できないのが現状である。深井戸観測によって雑音の

    影響を軽減するなど,都市特有の観測方法を確立するのが急務である。

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    図5-1 首都圏周辺の地磁気標準観測所の柿岡(KAK)に相対的な全磁力経年変化。月

         平均値。八ケ岳(YAT)・北浦(茨城県KTR),鹿野山(KNZ),中伊豆

         町菅引(SGH),伊豆大島野増(NOM),八丈島(HJJ)。

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    図5-2 房総半島のくり返し磁気測量結果。1980年6月一1981年4月。鹿野山(KZ)を基準。単位ガンマ。四角で囲った数値は深夜のデータに

    基づく信頼度の高いもの。MS(三島神社)は鹿野山の参照観測点・

                              (東大地震研)

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    図5-3 柿岡(KAK)における地磁気短周期変化,振幅比の経年変化。                      (気象庁地磁気観測所)

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    図5-5 地電位地磁気の日平均値変動。

    NMZ-ODW~SUZ-NMZ:沼津系統ISI-MTO~KSM~HIO:水戸系統

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    図5-6 1987年12月17日 千葉県東方沖地震(M6.7)に伴う比抵抗変化(油壷)。            (東大地震研)

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    図5-7 1987年12月17日 千葉県東方沖地震(M6.7)前後の勝浦

    (KTU)における全磁力変化(柿岡(KAK)を基準)・                      (東大地震研)

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    観測された異常電磁放射(81kHz)。

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    図5-9 高度3200mの地磁気全磁力異常図。

    水路部が実施した海上磁気測量の結果を高度3200mに上方接続して,

    新エネルギー開発機構による空中磁気の成果と結合した。単位はnT,

    等値線間隔は50nTである。

    一156

  • 図5-10 関東地方及び周辺の短波長磁気異常分布(IGRF残差磁気図)。

     空中磁気測量の日変化補正データから,IGRF(国際標準地球磁

     場)を除去した図。コンター間隔は20nT(新エネルギー総合開発

     機構,1984)。 関東平野の北及び西側の強い短波長異常は,第四紀火山及び新第三

     紀火成岩(丹沢山地など)による。関東平野下にも伏在する岩体に

     よる磁気異常がみえる。

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    図5-11 関東地方及び周辺のキューリー点等深線図。

     空中磁気測量データから計算によって求めた500℃等温面深度。コンター間隔は1km

     (新エネルギー総合開発機構,1984)。

     キューリー点:岩石が磁気を失なう温度(約500℃)。

     ▲:第四紀火山,MTL :中央構造線,ISTL:糸魚川-静岡構造線。

    本文図5-1図5-2図5-3図5-4図5-5図5-6図5-7図5-8図5-9図5-10図5-11

    第5章 地磁気・地電流 地震の前後で,地磁気の変化や,飽電流,地殻の電気抵抗の変化,あるいは発光現象などきまざまな電磁気現象が観測されている。これらのなかには,その発生過程が充分に解明されていないものもあるが,地震に先だって観測きれる電磁気現象は地震予知のための情報のひとつとして有効であろう。地磁気変化 地震に結ぴついた地磁気変化の観測を目的とした地磁気測量は,明治24年(1891年)の濃尾地震をきっかけとして,震災予防調査会によって始められた。現在では国土地理院及び海上保安庁水路部が全国磁気測量にあたっている。 地球磁場の分布を調べるには,最近では地表での磁気測量のほか,航空機や船舶,人工衛星を使う測定が行われるようになった。地表や航空機による測定結果をまとめると,首都圏周辺では,相模トラフを境界とした顕著な磁気異常が見いだきれている。地震発生に先だって地殻に応力が加わると,微少な地磁気変化が期待される。首都及びその周辺には,茨城県柿岡の気象庁地磁気観測所,千葉県の国土地理院鹿野山測地観測所,伊豆大島の東京大学地震研究所伊豆大島火山観測所,八丈島の海上保安庁水路部水路観測所があって,プロトン磁力計等によって地磁気連続観測を実施し,地磁気変化の異常の検出につとめている。その結果,1974年頃から伊豆地域で活発化した地殻活動に関連すると思われる全磁力変化の異常が伊豆大島で検出された。 連続観測点の配置には限りがあるので,国土地理院や大学その他の研究機関では,磁気測量点を設けて,ある期間をおいて磁気測量を繰り返し,変化の様子を調べている。地電流(目然電位) 地震に先行したと思われる地電流(自然電位)変化は数多く報告きれている。しかし,首都圏では電車からの漏洩電流などの人工的ノイズが多く,観測がきわめて困難である。この困難を克服するため,NTTの電話回線を利用した長基線地電流(自然電位)観測が気象庁地磁気観測所・気象研究所及び東京大学地震研究所の手で,首都圏周辺では,水戸,沼津,木更津,伊豆大島を中心とした群列観測方式によって実施されている。電気抵抗 地震発生に関連して,地殻の電気抵抗が変化すると考えられている。活断層地域では地震の2〜3ケ月前から電気抵抗の変化した例もある。気象庁地磁気観測所では,柿岡での地磁気変化を解析して関東地震前後20〜30年の規模で関東地方の電気抵抗構造に変化があったと推測きれる結果を得ている。現在,気象庁地磁気観測所や大学などで地磁気・地電位差観測を実施一149一一して,地殻内の電気抵抗変化を検出する試みを続けている。 岩石に応力を作用させると,電気抵抗が敏感に変化することがある。神奈川県油壷の火山凝灰岩は応力作用に特別に敏感な岩石で,地震の際に顕著な変化が記録きれている。東京大学地震研究所では,油壷において岩石の電気抵抗変化の連続観測を実施している。電 磁 波 地震の際に電磁波が放射されるらしいということは,古くからいわれてきた。実際に地震に先だって,電磁波が観測されている。電気通信大学及び東京大学地震研究所は首都圏周辺では茨城県柿岡,埼玉県坂戸,東京都杉並,伊豆大島などで電磁放射連続観測を実施している。 首都圏での電磁気観測にとって最大の問題は,人工擾乱の大きいことである。微弱な磁場・電場の変化を観測する必要があるため,都市雑音は電磁気観測にとって致命的といえる。このため他の地域では有効な方法も充分活用できないのが現状である。深井戸観測によって雑音の影響を軽減するなど,都市特有の観測方法を確立するのが急務である。一150一lIllIIIIIIIlIIIllIIIlIIIIIII1口1IIllIIIllIIl1口i皇■1“ll● レ』ぎ’、 ●●2『一『一一一一81111−,●レbB卜 {B●●}一『一}一『一一一一一1lI咽一6レ■レoo)●1 P レoJ レ レ司111匿レレト●, ’、, ●●●一一一一一一一『一一一lIl咽11咽1『Iレレ9嘲l レ�g’3¶1 ●DII監ガ● 8●●Dレ」憲  馴● 、●●一一『一一一一一一一一111DレDレレ卜 も o亀9一一一一一一一一一一『11’くレ レ0●●監 ¶ 1も 、  ●●『』�` 零 ●D一一一一一一一一一一一いー6』00,ー  』   レン ●●●もb8、匿一一一一一一『一『一一どレ『ヒ’●陛,、雪臨●�j」1■●●Pξ●  一  肛 ●_●  _● _警19一1龍;匿8『』8’P、  C多■1●●’}1●  一  二  =陰   一IIIIllIl卜nlIlllI卜『IIIIIIIIトIIIIIIll←IIIIIliI一llIl[III『》 oどq=と1』q=》り 』陰1oと⊂と1にトーとの 』DIoと(工とiNZと『⊃ 』Poと(=と1工oのゆ 『》1oと(工と1ΣoZの mIo 『》 1と⊂と1う一)工⊂、エピ==のoLσ,oZoの¢⊇髭」�@呂一町羽 (‘ 。超 ト妥 翠任 1⊇ 懸、 ミ歪 世( 尽課鄭N収3−RZ。越5 越呂(裂霊畑)、累う 麺コ、辱菱ε蜘=黒=PL器被蟹)陪3一皐、囎腿言逗(採曇窪(霞<)う 出←.ま¢》<図(コ」器寓国(Σ。 )慧oヨ。 璽誌2窪埠))、 e逞響え¢のさ響虫蓋霧憲、哩。 羅({ヨ。 碍』i哨の。継く串r 脈』.ニ』越)(=o竪署唾頃呈 eもo霧 日くの零 亜。)⊇ 亜週藩鶏罵曇肛取細屏甚呈oの  H‘う 1う=  LOα=器図睾一一151一35。N QOKZ◎岡Q.Q6●圓呈 .Q4一α四〇14(アE    一α9 寧     o寧   ロ  ー。7寧圃 .暉MS ・ o歯2β吻.電7一邸3ヒ51團o0 N50km図5−2房総半島のくり返し磁気測量結果。1980年6月一1981年4月。鹿野山(KZ)を基準。単位ガンマ。四角で囲った数値は深夜のデータに基づく信頼度の高いもの・M S(三島神社)は鹿野山の参照観測点・                          (東大地震研)1900    2040    60     901957    60        55        70        75        80〔SII0.70.G051 八八尺ノ悩/\、,∫〉\ノ…又/!、’      u 滅   八ヘヘ/WVLへ…0。4図5−3柿岡(KAK)における地磁気短周期変化,振幅比の経年変化。                      (気象庁地磁気観測所)一152一36/λノ  HIOKSh●  NTOoKAl瞬\>ODWN嫉ZATMITOSUZ  \(/ o0   50KM8138140図5−4N T T地電位観測網と柿岡地磁気観測所(KAK)。     (気象庁気象研究所・地磁気観測所)一153伊豆群発飼HZ−oo賢NHZ一へTHNNZ−H巳5UZ−HOI昭一〇〇日ATH00HIT巳一ATHSUZ−00HSUZ一A−hsuz−NH〜【S:一裡τoIsI一同13=SI−KS囲hT巳一hl6KSN−HτoKSH一明oKAK 岡SK八K EHK汽K 翼K八K YK八K Zt『藍』#、L」 1 、_1、_1直  』昌』一一■ ■  1. ‘輪二ノ1 1一v←’」‘一己一』」野踊円酬隔い甲 厚『叩{ψ画  【5〜^韮;脚噸11一f甲、  11一rーヘタ▼}  『 �`一一 彫=一     } 『     一   一{’門・^…塾{;v,も【終一一    E醐。’【二一  1一    一A      _  』一 一         一畠一=》血 1一』    一』 9        皇』r   昌.』一」レ 一』 _  」  E」’』【=ll轡副幽軸幽.』一へ“概E;1_     ‘ム   幽     』ム』 』』  畠   一  一一  一 昌 」齪』』順一淵■二A一パ 1.一触1凶一【  r;福島県沖酢6.7 I             l   福島県沖津6.61   1     11   1一 −7▼“剛 一  曽『茨城県沖怜5.8  塵1【・4 一τ−八r } 7  1じF千葉県東万沖栴5.7  一騨1》、�`噌「隔一『7 匡fl I l【二I i IE『囲一『層τr』』『=』−E二口1E二ヨr lユ       }      一      一  》  } 『 −【=1l lL巨二■二 = 二 二 ;6    0    0    S    H    翼    Y』   L」.1 、L’凸     』一[E一二1 1轟一 〇下r〜冒 }盛曾■rJ し16倉通滅E『一「 1  −’う幽�d冒偽一   賢■ ムv曜『竪.雪γレ蝦しE一二1畠邑一「”一 ,と1−L 』噌_Zし、臨’  1l一づ・「    _ 1, 冒     一1一    層     }一【’500 鯉u−500500−500500  HV−500500  一》一500SOO  閣u−500500  HU−500500  賎},500500−500500  閥v−500500  HV−5DO500  圓v−500500  【u−500500  阿》甲5005GO  H》一500500  N》一500500  HV−50020 HV!1《一一202G HV/KH−2020  槻丁一2020  NT−2020  阿T−20」八N−  F巳B.  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