不動産am会社の現状と 預かり資産ランキング...不動産am会社の現状と...

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不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング 不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、フ ンドビジネスの回復過程に入りつつある。 この間、大手フ ンドによる私募REITの組成も動き出し、年金サイドの関心度も高まりつつある。 こうした経緯を具体的に見るため、今回、日本投資顧問協会の開示デタに基づきAM会社の預かり資産状況を整理し、 運用及び助言の契約状況をランキングし一覧として提示した。 はじめに 2012 12 18 日現在、国土交通省 の「総合不動産投資顧問業データベー ス」に登録されている企業数は81社、 このうち金融庁の「金融商品取引業者 登録一覧」にも掲載されている企業は 74 社である。昨年比で8社減少してい る。弊誌では、この方法で把握した企 業を不動産AM企業としてリスト化して きたが、これらの企業のうち、不動産 AMとしての活動を停止している企業も あるため、今回は一般社団法人 日本 投資顧問業協会の「不動産関連特定 投資運用業」のデータベースから抽出し た預かり資産契約金額をランキングし、 その活動実態を明示することとした。 なお、同データベースに登録されておら ず、不動産AM企業としての実績を持 つ企業も少なくない。本企画では、それ らの企業も含めて別途、注目AM企業 を紹介している。 “ 待ち”からの転換へ、 大胆な提案力が求められる 2012 年の不動産投資マーケットは、 リーマンショック後の再生過程のなか、 東日本大震災の発生、欧州金融危機な どを経て、投資環境の激変を超えて立 ち直りのプロセスに入っているといえる。 三井 住友トラスト基礎研究所の「不 動産私募ファンドに関する実態調査」の データでも、 2012 6 月時点での私募 ファンドの運用資産額は18.3 兆円に及 び、前年比約 9,000 億円増大しており、 過去最大規模に達している。 デッド環境のよさに加え、エクイティ 投資家の投資意欲も徐々に高まってき ているが、問題は流動化する物件がま だ少なく、総合不動産系のAM企業を 除くとファンド組成の機会を得にくい状 況は続いている。 12 7月発表の同調 査によれば、 12 年上期にファンド組成 した企業の比率は約 40%と、ファンド 組成していない企業が上回っている。 もっとも過去 3 年の同時期のファンド組 成率は約30%であり、 10 ポイントも上 昇していることから見れば、ファンド組 成状況はかなり改善していると見られ る。 しかし、大手不動産系のAM会社の ように物件供給源があり、企業年金も 含むエクイティ投資家からの資金調達 を得やすいAM会社や海外投資家との 多方面でのネットワークをもつ外資系A M会社を除く、多くの独立系AM会社 においては、投資家が求める物件調達 は依然困難な状況下にある。 現況のファンド組成もコア投資が主 流であり、バリューアッド型やオポチュ ニティ型投資の動きは鈍い。金融機関 も物件売却、流動化よりもリファイナン スを優先している傾向が強いと見られ、 不動産売買市場の活性化が本格化す る気配はいまだ鈍いといえる。 今後の市場活性化のポイントは、オ フィスの賃料上昇など、市況回復が具 体的にみえはじめるかどうかという点に あるが、企業業績が急速に改善されな い限り、その見通しは立てにくいだろう。 したがって、AM企業としての立ち位置 は限られる。既存オフィスではバリュー アップ手段も限界がある。 一方、企業 活動は、IT系やクリエイティブ系の企 業ではワークスタイルの革新が進みつ つあり、単身者たちを中心にライフスタ イルも大きく変化している。こうした変 化に対する、不動産アセットのパラダイ ムシフトをめざした大胆な提案力をもっ て新市場形成の動きが活発化してい る。ニューアセットの旗手たちの台頭に よって、こうしたニッチ市場が飛躍的に 拡大しているのだ。 日本の不動産市場は現在、大きな転 換点にある。若年層の人口減少と高齢 化、単身者世帯の増大といった人口構 成の変化やライフスタイル、ワークスタ イルの変化。不動産AMはその変化を 読み解き、既成の価値観を打破する投 資目線が必要な時代だろう。今後の市 場回復に期待するばかりでなく、自ら新 市場を開拓する果敢さを求めたい。 特別企画 51

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Page 1: 不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング...不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング 不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、ファンドビジネスの回復過程に入りつつある。

不動産AM会社の現状と預かり資産ランキング不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、ファンドビジネスの回復過程に入りつつある。

この間、大手ファンドによる私募REITの組成も動き出し、年金サイドの関心度も高まりつつある。

こうした経緯を具体的に見るため、今回、日本投資顧問協会の開示データに基づきAM会社の預かり資産状況を整理し、

運用及び助言の契約状況をランキングし一覧として提示した。

はじめに

 2012年12月18日現在、国土交通省の「総合不動産投資顧問業データベース」に登録されている企業数は81社、このうち金融庁の「金融商品取引業者登録一覧」にも掲載されている企業は74社である。昨年比で8社減少している。弊誌では、この方法で把握した企業を不動産AM企業としてリスト化してきたが、これらの企業のうち、不動産AMとしての活動を停止している企業もあるため、今回は一般社団法人 日本投資顧問業協会の「不動産関連特定投資運用業」のデータベースから抽出した預かり資産契約金額をランキングし、その活動実態を明示することとした。なお、同データベースに登録されておらず、不動産AM企業としての実績を持つ企業も少なくない。本企画では、それらの企業も含めて別途、注目AM企業を紹介している。

“待ち”からの転換へ、大胆な提案力が求められる

 2012年の不動産投資マーケットは、リーマンショック後の再生過程のなか、東日本大震災の発生、欧州金融危機などを経て、投資環境の激変を超えて立ち直りのプロセスに入っているといえる。

 三井住友トラスト基礎研究所の「不動産私募ファンドに関する実態調査」のデータでも、2012年6月時点での私募ファンドの運用資産額は18.3兆円に及び、前年比約9,000億円増大しており、過去最大規模に達している。 デッド環境のよさに加え、エクイティ投資家の投資意欲も徐々に高まってきているが、問題は流動化する物件がまだ少なく、総合不動産系のAM企業を除くとファンド組成の機会を得にくい状況は続いている。12年7月発表の同調査によれば、12年上期にファンド組成した企業の比率は約40%と、ファンド組成していない企業が上回っている。もっとも過去3年の同時期のファンド組成率は約30%であり、10ポイントも上昇していることから見れば、ファンド組成状況はかなり改善していると見られる。 しかし、大手不動産系のAM会社のように物件供給源があり、企業年金も含むエクイティ投資家からの資金調達を得やすいAM会社や海外投資家との多方面でのネットワークをもつ外資系AM会社を除く、多くの独立系AM会社においては、投資家が求める物件調達は依然困難な状況下にある。 現況のファンド組成もコア投資が主流であり、バリューアッド型やオポチュニティ型投資の動きは鈍い。金融機関

も物件売却、流動化よりもリファイナンスを優先している傾向が強いと見られ、不動産売買市場の活性化が本格化する気配はいまだ鈍いといえる。 今後の市場活性化のポイントは、オフィスの賃料上昇など、市況回復が具体的にみえはじめるかどうかという点にあるが、企業業績が急速に改善されない限り、その見通しは立てにくいだろう。したがって、AM企業としての立ち位置は限られる。既存オフィスではバリューアップ手段も限界がある。 一方、企業活動は、IT系やクリエイティブ系の企業ではワークスタイルの革新が進みつつあり、単身者たちを中心にライフスタイルも大きく変化している。こうした変化に対する、不動産アセットのパラダイムシフトをめざした大胆な提案力をもって新市場形成の動きが活発化している。ニューアセットの旗手たちの台頭によって、こうしたニッチ市場が飛躍的に拡大しているのだ。 日本の不動産市場は現在、大きな転換点にある。若年層の人口減少と高齢化、単身者世帯の増大といった人口構成の変化やライフスタイル、ワークスタイルの変化。不動産AMはその変化を読み解き、既成の価値観を打破する投資目線が必要な時代だろう。今後の市場回復に期待するばかりでなく、自ら新市場を開拓する果敢さを求めたい。

特別企画

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Page 2: 不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング...不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング 不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、ファンドビジネスの回復過程に入りつつある。

金融危機前後で年金の不動産投資の見方に変化

 日本の年金と不動産マーケットとの関わりについてみると、大きなターニングポイントとなったのが2001年のJ-REIT市場の創設です。J-REITの誕生で、広義の意味での不動産証券化投資が本格的に動き出し、年金基金もこのマーケットに目を向けるようになりました。その後、不動産の上昇局面の中で、私募ファンドの立上げが相次ぎ、それが2008年のリーマンブラザーズ破綻まで続いたことは、いまだ記憶に新しいと思います。 タワーズワトソンが推計した、金融危機前後における年金基金の不動産への投資残高を比較すると、危機以前の約9,000億円に対し、現状では7,000

億円程度で推移しているものとみられます。年金基金の全運用資産に占める割合は1%前後で、比率で見ればほとんど変化がないといえます。 ただその中身を見ると、投資の志向には大きな変化がうかがわれます。 金融危機以前の私募ファンド全盛期には、IRR20%超の目標リターンを掲げたファンドもみられ、実際にそうした商品に興味を示す年金投資家も少なくありませんでした。しかし危機以後は、ハイレバレッジを駆使した高リターンファンドのリスクの高さが改めて危惧さ

れているのです。 本来、不動産は長期にわたり安定した利回りが享受できる資産であり、株式や債券とは異なる値動き、リスク/リターン特性があります。しかし高いレバレッジなどを活用した証券化商品となったことで、投資家は本来の不動産とは異なるリスクも負担しています。 年金基金は金融危機の混乱を経て、高度に金融商品化した不動産ではなく、不動産そのものの特性を享受できる投資へと目を向け始めています。近年、大手不動産会社などが相次いで立ち上げている私募REITも、そうした背景のなかから生まれてきた商品といえるでしょう。

市場が拡がらないゆえに投資家の参入も進まないという悪循環

 実際、株式や債券といった伝統的アセットに対し、不動産などオルタナティブ資産への投資ニーズの高まりは明らかです。国内株式市場の低迷により、年金基金の株式への投資比率は下がっており、また国内債券も長らく続く低金利のもと、パフォーマンスは安定していますが、高い利回りは望みにくい状況です。 こうしたなかでも、国内年金基金のオルタナティブ投資は、ヘッジファンドが主流を占めたままです。ヘッジファン

年金は不動産本来の長期安定投資へ回帰 オルタナティブ投資への需要は引き続き大きい

ドがもてはやされるのは、もともとリスク/リターンの水準が近いことから、債券の代替投資としての役割付けを与えられていたという経緯があるためですが、同じオルタナティブ投資でも不動産の場合は、リスクばかりがフォーカスされがちなため、年金投資家の参入が進まず、それゆえ商品の供給やバリエーションもなかなか拡がりません。このようにマーケットが拡大しないため、投資家の参入も、勢い限られてしまうという悪循環にあるといえます。

年金投資家が望む不動産投資とは?私募REITには年金の不動産投資定着への先導役を期待

 それではどうしたら年金資金の不動産をマーケットに呼び込むことができるのでしょうか。 金融危機で破綻した不動産ファンドの多くは、稼働率が下がり、物件の運用が立ち行かなくなった訳ではなく、ローンの借替えが困難になるなど、ファイナンス面の問題を抱えてデフォルトしたケースがほとんどです。 その背景には、やはり高いレバレッジを採用していたことがあります。年金基金がこうした過去の経緯を十分に観察するなかで、レバレッジを抑えた優良なコア資産への投資に関心を高めていることは、しっかりと認識しておくべきで

タワーズワトソンは、世界30数か国・100都市以上に展開する、世界有数のコンサルティングファームである。

日本の年金投資家への資産運用コンサルティングも手がける同社のコンサルタント井上淳二氏に、

年金投資家の不動産投資へのスタンス、また今後投資を呼び込む上で注意すべき点について述べていただいた。

井上淳二[タワーズワトソン]

52 PROPERTY MANAGEMENT 2013 Jan.

VIEWPOINT

Page 3: 不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング...不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング 不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、ファンドビジネスの回復過程に入りつつある。

しょう。 商品の組成・運用サイドの信用力も大切なポイントです。 金融危機では、中小の独立系のAM

企業が数多く破綻しました。ストラクチャー上は、倒産隔離されたSPCが物件を保有し、オリジネーターや運用会社の破綻に影響を受けない仕組みとなっていますが、実際のケースをみると、運用会社の破綻が結果としてファンド自体にも大きな影響をもたらしたことは明らかです。 年金基金としても、こうした点を踏まえ、商品組成や運用サイドの信用力、あるいは企業グループ全体の総合力について注意深く判断するようになっています。 商品のタイプ別ではどうでしょうか。例えば、大手が相次いで参入している分野において、私募REITは年金基金呼び込みの突破口となるのでしょうか。 私募REITは、J-REITの欠点である投資口価格のボラティリティの高さ、そして私募ファンドの欠点である流動性の低さ、この両面を補完した商品です。 しかし本来の意味での不動産投資を考えた場合、やや二兎を追う感はぬぐえません。欧米のケースをみても、私募REITのマーケットは一部を占めるに過ぎず、主流となっているのは、直接投資や共同投資、あるいはクローズドエンドの私募ファンドです。 不動産は、もともと株式や債券に比べ流動性の低い商品です。そして他のアセットとは異なるリスク/リターン特性があります。不動産はそれらを踏まえたうえで投資をする商品です。簡単にいえば、流動性と引き換えに、長期で安定したリターンを確保する投資商品という

ことです。実際、私募REITについても、流動性はそれほど高いとはいえません。したがって、日本の年金基金の不動産投資が本格的に定着していく過程での先導役を期待するというのも、一つの見方といえるのではないでしょうか。

独立系の運用会社にもチャンスが―投資家との更なる対話を

 大企業やその傘下の運用会社は、信用力やネットワーク、私募REITのような新たな商品を組成する総合力など、あらゆる面において優位といえますが、無論、独立系のAM会社にもチャンスがないわけではありません。年金基金はトラックレコードを重視しますので、小規模であっても着実な運用を重ね、実績を示していくことが大切です。 とはいっても、新規参入の会社が自ら商品を企画・組成して、それを年金投資家に売り込んでいくというのはなかなか難しいことです。その様な既成商品ではなく、もう少し年金サイドに寄り添い、個別のニーズを掴んで、特定のアセットを対象とした直接投資につなげていくというアプローチも考えられます。投資家と密接に対話し、具体的に投資対象となる不動産を提示することで、複雑な証券化商品に比べて、説得力をもつケースもあるかも知れません。 アセットタイプもオフィスや住宅に限りません。物流施設でも、商業施設でもいいのですが、大切なことは、年金投資家が何に投資をし、どのようなリスクをとっているのかを理解し、そして安定的にリターンを享受できる確からしさを掴めることです。

不動産ファンドインデックス整備でパフォーマンスの相対評価への土壌固まる

 最後に、不動産の投資インデックスについて少し触れておきます。不動産証券化協会が私募ファンドの運用会社などと共同で不動産ファンドインデックスの公表を開始しました。 不動産投資というと、長期安定利回りが絶対で、それがまるで約束されているかのような説明を耳にすることがあります。一方で、年金投資家のなかには、不動産はリスクが高く、投資対象としてはそぐわないと頑なに主張する声もあります。 しかしリスクが高いのは、不動産に限ったことではありません。株式は不動産以上に価格の変動が激しい商品ですが、インデックスがしっかりと整備されているため、ベンチマークとの相対評価のなかで投資が判断されているのです。 不動産ファンドインデックスの整備は、不動産が他の伝統的アセットと同じようにマーケットと対比して評価される土俵をつくることでもあります。この分野で更なるインフラ整備が進むことを期待しています。

井上淳二インベストメント部門シニア・インベストメント・コンサルタント

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Page 4: 不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング...不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング 不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、ファンドビジネスの回復過程に入りつつある。

大手各社は軒並み私募REITを立上げ

―まずはじめに、それぞれの会社のファンド事業への取組みな

どについて教えて下さい。

緒方 野村不動産投資顧問ほか当社グループ会社は、1999

年頃からファンド事業に参入しています。運用資産残高は全

体で約1.1兆円。その内訳は、私募ファンドが5,500億円。上

場REITが5,300億円、そして私募REITが400億円となっ

ています。桑原 三菱地所投資顧問は2001年にファンドビジネスを開

始しました。運用資産残高は約8,700億円。内訳は私募ファ

ンドが8,100億円。残り600億円が私募REITです。親会社

である三菱地所のパイプラインも活かし、グループ各社の総

合力を発揮した運用が特徴です。三菱地所グループ全体とし

ては、北米、ヨーロッパ含めた三極体制をとっており、現在の

投資運用資産1.8兆円から2020年には5兆円程度とする目

標を掲げています。定政 三井不動産投資顧問は、今年で創立15周年を迎えま

した。この歴史のなかで特にメモリアルなプロジェクトを挙げ

ると、2000年に日立年金様と取り組んだ銀座・並木通りの

商業ビル開発、2001年のJ-REITブリッジファンド、防衛庁

跡地の落札と開発などがあります。運用資産残高は1.2兆円。

投資家は国内外のコア投資家が中心です。この3月には私募

REITを組成し、年金基金へのアプローチも更に積極化して

いく方針です。橋本 HCアセットマネジメントは2013年で設立10年を迎え

る独立系の運用会社です。当社の基本的な考え方は、投資

は産業界が必要とする資金調達をサポートすることにあると

いうことです。社会的にニーズが高いものであれば、それだけ

不透明感漂う経済情勢下において 年金資金が期待する不動産投資商品の条件とは 年金基金の投資をいかに呼び込むかは、もはや不動産マーケットの最大の命題のひとつとなっている。

上場REITと私募ファンドのすき間を埋める商品として、私募REITの組成が進み、投資家の選択肢は一層広がりつつある。

2012年10月に開催された「不動産ファンドフォーラム2012」では、私募REITの運用などを通して

年金基金のニーズにも接するパネラーを迎え、年金資金が期待する不動産投資商品の条件についてディスカッションを行った。

「不動産ファンドフォーラム2012」 パネルディスカッションダイジェスト

54 PROPERTY MANAGEMENT 2013 Jan.

Page 5: 不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング...不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング 不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、ファンドビジネスの回復過程に入りつつある。

木浦尊之 ハイトマン・インターナショナル マネージング・ディレクター(駐日代表)

1989年京都大学経済学部卒業。三菱地所㈱に入社、社長室

企画部で経営計画の策定、大阪支店で開発用地取得、住宅開

発等に従事。2000年マサチューセッツ工科大学不動産修士

課程修了後、ハイトマン本社で米国 REITのリサーチ・評価分析、不動産投資商品の

開発に従事。帰国後、同社のグループ会社にて商品開発等を担当、05年 1月日本支

店設立と同時に現職。国内および一部アジア地域におけるマーケティング、クライアン

トサービスを担う。

緒方敦 野村不動産投資顧問 取締役 ファンドマネジメント本部長

慶応義塾大学経済学部卒業。1987年野村不動産㈱に入社。

海外事業部、豪州現地法人出向等を経て、2003年野村不動

産投信㈱設立とともに出向。取締役オフィス運用本部長を経

て、10年代表取締役社長に就任。11年 10月より野村不動産投信、野村不動産イン

ベストメント・マネジメント㈱、野村不動産投資顧問㈱との合併に伴い現職。

コーディネーター

パネリスト

桑原直樹 三菱地所投資顧問 取締役 ファンドマネジメント部長

大阪大学経済学部卒業。1987年三菱地所㈱に入社。米国ロッ

クフェラーグループでの 5年間にわたる出向を含め、国内外

における不動産投資マネジメント事業に従事。2010年 4月に

三菱地所投資顧問㈱へ出向後は、経営企画部長、コンプライアンス部長等の役職を

経て、12年 4月より現職。

定政孝治 三井不動産投資顧問 取締役 リート運用部長

1985年東京大学経済学部卒業後、三井不動産㈱入社。業務・

商業施設、複合再開発事業等、多岐にわたる不動産のデベロッ

プメント・売買・運営実務経験を経て、J-REITおよび不動産

私募ファンドの組成・運用業務に従事。日本ビルファンドマネジメント㈱にて不動産投

資・運用・リサーチ各部門のゼネラルマネジャーを歴任、のち三井不動産投資顧問㈱

取締役アセットマネジメント本部長、2012年 4月より現職。

小川剛宏 みずほ信託銀行 投資業務部 総合運用室 参事役

1986年横浜国立大学経済学部卒業、安田信託銀行㈱(現・み

ずほ信託銀行㈱入行。資本市場部、コンサルティング部などを

経て、97年より運用ユニットに在席し、年金運用の視点に立っ

た不動産投資商品の企画・開発を行なっている。国内外の REITファンド、フルエクイティ

型不動産私募ファンド等を順次立ち上げる一方で、不動産投資市場の健全な発展と年金

運用における不動産投資の普及に向けての意見提言を積極的に行なっている。

橋本あかね HCアセットマネジメント 常務取締役

東京大学経済学部経済学科卒業。㈱東京銀行(現・㈱三菱東

京UFJ銀行)を経て、1999年 4月ワトソンワイアット㈱ (現・

タワーズワトソン㈱ )に入社、資産運用ビジネスに関するコン

サルティング業務に従事した後、2003年 2月 HCアセットマネジメント㈱に創業メン

バーとして参画。年金資産等の運用業務と顧客サービスに携わり、現在は常務取締役

として同社の経営の中核を担う。

元本返済のリスクも少なくなるというのが基本スタンスです。

よって、リーマンショック直後にはリファイナンス需要に応える

ためデットへの投資に力を入れました。近年ではコア資金の

ニーズの高まりを背景として、底地や事業用不動産に投資す

るファンドの設立を支援し運用を行っています。小川 みずほ信託銀行の投資業務部総合運用室では企業年

金や公的年金などの不動産への投資をサポートしています。

年金基金の不動産への投資がなかなか普及しないといわれ

ているなかで、J-REITやグローバルREITファンドなどさま

ざまな選択肢を用意し、年金基金のニーズに応えていきたい

と考えています。

私募REITの配当利回りは4%台 低レバレッジで安定性重視

―私募REITに関する取組みについて教えて下さい。

定政 当社は3月に三井不動産プライベートリート投資法人

の運用を開始しました。資産規模は約820億円で、ポートフォ

リオは総合型です。この新商品に対し安心感を持っていただ

くために、信頼できる第三者からの評価として、JCRからダブ

ルAフラットの格付を取得しています。前回募集時の投資単

位は1億円以上1,000万円単位。一口当たり2万円(当初発行

価格ベースで年換算4%)程度の分配金を長期安定的に実現し

ていくことを主眼においています。現在、投資家のうち年金基

金の比率は26%です。桑原 私募REITは日本オープンエンド不動産投資法人を運

用しています。資産規模は先に述べたとおり約600億円。ポー

トフォリオは総合型で、約50%はオフィス、残りを賃貸住宅と

商業施設で構成する方針です。配当利回りは4%台、レバレッ

ジは40%前後とすることを想定しています。三菱地所グルー

プのスポンサードのもと、平均築年数3.3年という若いコア資

産をベースにポートフォリオを構築し、既に4回の増資実績を

有していることが大きな特徴となっています。緒方 総合型の私募REITを運用しています。資産規模は約

400億円。このうちオフィスが約50%を占めています。LTV

は30%程度。配当利回りは4%以上を維持しています。投資

単位は一口あたり1億円。投資口価格は鑑定価格をベースと

しており、これまでのところ上下5%以内の変動にとどまって

います。

「不動産ファンドフォーラム2012」 パネルディスカッションダイジェスト

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―私募REITへの参入が相次いでいますが、先発組ならではの

ご苦労があったのではないでしょうか。

緒方 私募REITは、上場REITと私募ファンドのすき間を

埋める、いわばいいとこ取りの商品ともいえるわけです。投資

家からはそのメリットを認識しつつも、当初、一次募集のとき

はどの程度こうした商品のマーケットが育っていく余地がある

のか、あるいは投資口の流動性は本当に大丈夫なのかといっ

た疑問も寄せられました。しかし、その後の運用の実績など

も評価され、投資家の理解は徐々に進んできたと思います。定政 ファンド組成直前の2011年末に欧州債務危機があり、

J-REITの投資口価格が大きく下落し、NBFの分配金利回り

も4%台後半まで上昇しました。当時投資家サイドでは、こう

した上場REITの利回り上昇を、私募REITの目標利回り水

準との比較で優位とみる声も出ていました。これは一面、上

場REITの「ボラティリティの産物」なのですが、金融資本市

場に直接には影響を受けにくい私募REITという商品の性格

は、関係各社の尽力もあり、理解が浸透してきたのではない

でしょうか。

―私募REITを運用するにあたって意識して取り組んでいるポ

イントについて教えて下さい。

桑原 コア型不動産への厳選投資を重視しております。これ

は、投資家への分配金を安定させるためです。当社が定義す

るコア資産とは、優良立地、高品質な建物、キャッシュフロー

の安定性、これら3つの要素を満たす不動産のことで、このよ

うなコア不動産への厳選投資を継続的に安定的に行うことが

投資哲学ですが、具体的には物件の取得時にフェアバリュー

の評価を徹底することです。私どもの考えるフェアバリューと

は、当該不動産が本来的に生み出しうるインカム収益に基づ

く中長期的視点にたった投資価値評価であり、言い換える

と、短期的な不動産期待利回りの変動や賃貸市場の変動に

よるアップサイドは狙わないということです。配当の安定性や

資産の入替え、投資口の換金などを考えたとき、コア資産を、

フェアバリューできっちりと取得していくということが何よりも

大切なことです。定政 投資口の基準価額は不動産鑑定評価額をベースに算

出します。この鑑定評価額の安定のために、賃貸キャッシュフ

ローを構成するテナントの分散に留意して取り組んでいます。

具体的には、テナントの数や属性、契約期間の満了時期など

です。キャッシュフローの安定化には、物件の分散もありま

す。これは外部成長戦略とも絡んできます。異なるマーケット

サイクルのカテゴリーごとに、できるだけ良い機会を捉えて物

件を取得しながら規模拡大を図っていく方針です。さらに外

部成長は、より多くの投資家に投資機会を提供できることに

もつながります。当社としては早ければ5年以内にも運用資産

を3,000億円規模にまで拡大させていく狙いです。

スポンサーを含めた運用会社の総合力は 投資判断の重要ポイント

―年金基金に対して行った調査では、不動産投資に求めるもの

として、ポートフォリオの分散がトップとなりました。またアセットク

ラスの位置付けでは、債券の代替資産に近い、いわば安定したイ

ンカムを求めていることも明らかになりました。こうした投資家の

ニーズと、ファンドの供給者サイドとのあいだにはどのようなギャッ

プがあると思いますか。

橋本 年金基金のニーズはつまるところ長期で安定したリ

ターンにあるということは、日々接するなかで感じることです。

そして不動産という商品は、あらゆる投資対象のなかでも、そ

れがなければ生活そのものが成立し得ないという意味におい

て、もっとも社会的なニーズが高いといえます。先にふれた通

り、需要が高いということはキャッシュフローの安定性が高い

とも考えられます。そうであれば、使う側、つまりテナントから

の需要という観点に立って投資対象を選んだファンドという

考え方も重要ではないでしょうか。

 それから、ファンドの安定性を語るさいにレバレッジの高低

がよく取り上げられます。そうしたテクニカルな視点も大事で

すが、デットを提供する銀行とエクイティを出す投資家の共同

投資というスタンスがもう少し強まると、商品としての安定性

はより強固なものになるのではないかと感じています。小川 年金基金の運用受託者としてみているポイントは大き

く3つあります。一つは運用会社のガバナンス体制。スポン

サーや他の投資家、ファンドとの利益相反への対策です。二

つ目が分配金の安定性。これはすでに言及されている通りで

す。三つ目がスポンサーも含めた総合力で、ここがいちばんの

56 PROPERTY MANAGEMENT 2013 Jan.

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ポイントではないかと感じています。リーシングや外部成長力

のほか、耐用年数を迎えた不動産の売却や再開発などにお

いても、グループとしてどのような対応能力があるのかが重要

になってくると思います。

―年金基金の選好、あるいは足下の経済情勢を考えたとき、ど

のような投資商品が考えられるのでしょうか。

小川 不動産投資の最大のリスクは流動性にあると思いま

す。これはタイミングリスクともいえますが、価格のボラティリ

ティの高い資産は、流動性も高くなければなりません。例え

ば、縦軸を価格変動リスク、横軸を流動性リスクとして概念図

を作成すると、望ましい組み合わせは右肩上がりの線として

表すことができます。この線上から外れた商品には投資価値

を見い出すことは難しいと思います。橋本 世界的に景気低迷が続くなかで確実性、安定性が重

視されています。債券は高値まで買い進まれていますし、株

式はボラティリティが非常に高い。そこで不動産となるわけで

すが、当社が注目しているのはアセットファイナンスと呼ばれ

る分野です。これはクレジットの高い事業会社が長期で利用

することを前提に賃借する事業用不動産に投資をするもので

す。フルエクイティでも5%近くの利回りを確保できるケースも

あり、同じテナント企業が発行する債券に比べてプラスアル

ファの利回りを確保することも期待できます。

私募REITのインデックスが公開開始 マーケット成長へのきっかけとなるか

―年金基金の投資を不動産に呼び込むためには、投資家と運

用会社双方の密接な対話が不可欠です。また、AIJ投資顧問の不

祥事は、運用サイドの責任はもちろんですが、投資家側のリスク管

理体制にも一石を投じました。

小川 AIJ投資顧問の問題以降、オルタナティブ投資につい

て、ヘッジファンド中心の現状を見直し、運用対象がより明確

な不動産投資などへ分散する動きがあります。ここにきて私

募REITの立上げも活発になってきていますので、年金基金

の需要を取り込むチャンスも増えてくると思います。桑原 年金基金の投資家と話をしていると、流動性について

の質問を多く受けます。私募REITの流動性を担保する仕組

みは2つあります。一つは投資口の譲渡です。私募REITの

トラックレコードが安定し、市場規模が拡大することでセカ

ンダリーマーケットが創出してくればこれは有力な受け皿にな

ると考えられます。もう一つが払戻しです。私募REITは減価

償却費相当分を内部留保する仕組みをとっていますので、こ

れを払戻しの原資にあてます。それでも足りないときには、物

件の売却ということになります。流動性確保のためにもクオリ

ティの高いコア資産を取得していくことが大切であることはす

でにお話しした通りです。橋本 スポンサー企業も含め、投資家との間で正当性のある

リスク負担がなされているということが重要です。投資家が、

良く分からないリスクを被っているのではないかという不信感

を持ち得ないファンドの仕組みなりガバナンスが大きなテーマ

になると思います。緒方 不動産マーケットというのは、特定の国やエリアなど限

定された市場を対象としていますので、いきおい供給サイドか

ら投資家に商品を提案していくというかたちが通例となってし

まっています。当社としては、投資家との対話のなかでさまざ

まなニーズをくみ取ってきています。私募REITに限らず、上

場REITもあれば、私募ファンドも運用しています。投資家か

らのニーズ、マーケットの状況などを十分に検討していきたい

と考えています。

―日本の不動産市場では情報開示も大きな課題ですね。

定政 タイムリーな話題として、不動産証券化協会が私募ファ

ンドとその裏付けとなる不動産資産の投資インデックスの公

表を開始しました。当社を含む10社が情報の出し手となり、

約300物件、1兆円弱の不動産をベースとした指標となって

います。指標が開発された背景には、かねて内外の投資家か

ら日本の不動産マーケットの実体が見えにくいという声が多

かったことがあります。こうしたことは、日本に投資する際のリ

スクプレミアムの加算にもつながっていました。J-REIT市場

より、はるかに大きな私募ファンド市場にこうした指標が整備

されたことは、今後の日本の私募不動産マーケットの成長に

も大きな役割を果たしていくと考えています。

―ありがとうございました。

「不動産ファンドフォーラム2012」 パネルディスカッションダイジェスト

57

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社内体制を一新し新社長も選出

 2012年5月にエムケーキャピタルマネージメントとアトラス・パートナーズが合併して誕生したイデラ キャピタルマネジメントでは、11月に代表取締役社長が加藤一郎太氏から嵯峨行介(さがこうすけ)氏へと交代した。 嵯峨氏は、かつてコスモスイニシアのCFOとして同社の事業再生ADR手続きを主導した人物。2010年に旧エムケーに入社し、加藤氏のもとで経営全般の補佐を行っていたという。嵯峨氏はイデラへの統合後も、取締役副社長として公平でアカウンタブルな人事制度の構築や出身会社にとらわれずにシナジーが発揮できる人員配置など、新たな営業体制づくりの指揮を執っていた。 加藤氏の社長在任期間が10年を超えており、かねてより経営を次世代に引き継ぐ必要があったことから、新体制づくりが一段落し、初年度の決算を無事黒字で終了できたことで、嵯峨氏にそのバトンを受け渡したという。なお加藤氏は取締役ファウンダーという役職に就き、新体制をバックアップしていくという位置付けだ。 イデラが誕生してからの動きとしては、12年7月に統合後初の物件投資として、海外投資家のセパレートアカウントの資金で東京・大田区と名古屋市の賃貸マンションを取得。もとは旧アトラスで受託し東京のオフィス2棟を運用していた案件だったが、ローンのリファイナンスを行い物件の追加取得が可能になった。旧アトラスの案件と投資家を

ベースに、旧エムケーのソーシング力を活かして新規投資に結び付けた案件で、早速合併シナジーが発揮された事例だといえる。

さまざまな投資ニーズに対応すべくサービスメニューの拡充を企図

 日本の不動産への投資需要の増大や良好なファイナンス環境といった、事業拡大に向けた条件が出揃っているにも関わらず、どのAM会社も物件取得で苦戦しているのが実情だ。そんななか、イデラの考える次の一手とはなにか。新規投資案件の発掘や新ファンドの立ち上げを引き続き進めていくのはもちろん、同社では提供できるサービスメニューの拡充を進めていくとしている。 まず一つは、投資対象とするアセットの範囲を拡充するという点だ。同社のAUMはオフィス・都心商業ビル・住宅を中心とした構成であり、また地方の優良案件を発掘すべく名古屋・大阪・福岡にも人員を配置しているが、これに加えて国内の物流施設・ホテルに対する投資も増やすことができるよう検討を進めているという。「いずれも国内で成長が期待できるセクターであり、当社へ

新体制の構築が完了し社長を交代 ニーズに応じて物流・ホテルへの投資も検討

も投資できないのかという問い合わせが多くあります。当面は、当社が直接開発やオペレーションを手掛けるのではなく、それぞれに専門性をもつ企業と協業しながら、AM会社としてアセットマネジメント、ファンドマネジメントを担当するというスタンスです」(嵯峨氏)。 これに加えて同社が注目しているのが、REIT向けのブリッジ型取組みである。私募ファンドが物件取得で苦戦している現況下でも積極的に新規購入を実現できているのがJ-REITだ。しかし彼らは取得時のPOタイミングを計る必要があるため、利益相反の恐れが無い第三者が、REITへの売却までの間に保有・運用していくニーズがあるとしている。また、ブリッジ型取組みを通じて、国内投資家との接点をさらに拡大していきたいとしている。 イデラの現在のAUMは、多くのレスキューAM案件が売却のタイミングを迎えたこともあり、現在約2,400億円と合併時の約3,000億円から減少している。これを早急に元の3,000億円へ、そして中期経営計画において目標としている5,000億円へと拡大すべく業容を広げ、考えうるチャンスを着実にビジネスへ結びつけていく構えだ。

58 PROPERTY MANAGEMENT 2013 Jan.

イデラ キャピタルマネジメント

日本は市場規模も大きく、国内需要のみでビジネスができてきたという面もあり、海外

投資家の意向を汲み取り、適切なレスポンスを返せる国内 AM会社は未だに多くはあり

ません。一方、海外投資家からすれば物件のアクイジション力、バリューアップ力に加え、

このコミュニケーション能力を重要視しているのだと思います。独立系 AM会社である

当社は、海外投資家のニーズに応えて案件を獲得すべくこれまでも人材を育成してきま

した。絶対的自信を持つ不動産運用能力に加え、海外投資家に適切に対応できる国内

AMという強みを活かしながら、さらに投資を進めていきたいと考えています。

嵯峨 行介 [ 代表取締役社長]COMMENT

REPORT 注目AM会社の最新動向

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合併による新体制の下アクサとの協調投資ファンドを運用

 三井住友トラスト不動産投資顧問(以下、SMTREIM)は、2012年春に住友信託銀行と中央三井信託銀行が合併したことに伴い、両グループの住信不動産投資顧問と中央三井トラストリアルティが経営統合して誕生した。 運用する資金は、年金資金をはじめ、中長期にわたり安定した利回りを狙うコア資金が主流を占めており、AUMは2012年末で約4,500億円に達している。金融機関をバックにするAM会社として「二つの信託銀行から受け継いだ、新たなビジネスフィールドを求める開拓者精神」(代表取締役社長 木村光男

氏)で、新しい発想の商品を開発し、顧客のニーズに応えていく先進性が同社の強みである。 例えば、海外投資家との接点を外資系AM会社とのアライアンスによって確保して実現したのが、2012年8月のフランス保険大手のアクサグループとの協調ファンドレイズである。アクサグループの不動産投資運用会社であるAXA

Real Estate Investment Managersが運用する海外ファンドと、SMTREIM

が運用するファンドを同時にクロージングして協調投資を行うスキームを構築して内外の注目を集めた。ファンドの投資対象は東京の主要区部に所在する中規模オフィスビルで、賃貸純収入に対して5%前後の利回りを得られる30億から100億円規模の物件への投資を想定している。 アクサが日本への投資を決定した背

景には、東京のオフィス市場はマーケットサイクルから見て最適な投資タイミングにあること、なかでも、東京のミッドサイズのオフィスビルはテナント需要層が一番厚く、コア・アセットとしての安定感を評価していることなどがあり、両ファンドの投資期間2年間にAUMの積上げを図ったうえ、その後の安定運用を目指すファンドとなっている。 さらに、三井住友信託銀行のネットワークを活用して、顧客である事業法人等への不動産流動化提案とともに、多様な投資家の運用ニーズにマッチする不動産運用商品の開発にも注力している。個別のニーズに応じたスキーム組成と商品開発によって運用する資産も増加しており、そのAUMカテゴリーも、オフィスに加えて物流施設やホテル等にも拡がりを見せている。

攻めと守りを両立させて事業拡大を目指す

 SMTREIMでは2013年の日本国内の不動産マーケット環境を、「不安定感は拭いきれないものの、海外から日本への投資資金は引き続き流入し、国内機関投資家も改めて投資機会を模索し

グループの金融力を活かして 事業拡大と多彩な商品開発を目指す

ていく」(同氏)とみている。これを踏まえて、上記のようないわば"攻め"の展開とともに、日々変化する市場に対応しつつ、少しでも投資家へ還元できるよう数々の施策を実行している。 一方、強靭な事業基盤を構築するためにAUMの確実な拡大を図り、当面の目標であるAUM5,000億円を達成するとともに、その後も様々な新規案件への取り組みにチャレンジを続ける。 この"攻めと守りの両立"こそが市場における評価を得るための要件であり、信頼を背景に投資家に提示できるトラックレコードの確立を今後の大きな目標と位置づけている。 SMTREIMは三井住友信託銀行グループの1社として活動するなかで、情報量は急拡大してきており、一般事業法人のオフバランスニーズなどに加えて、アジア系資産家の不動産投資ニーズなど、従来あまり取扱ってこなかった様々なニーズに対応する必要性が出てきた。今後は、これらにも対応すべく、企業活動に一層の創造性を発揮して商品企画力をレベルアップするとともに、共同AM

など、他社とのアライアンス戦略の展開や海外投資家への対応力強化といった取り組みを推進していく予定である。

三井住友トラスト不動産投資顧問

当社は、三井住友信託銀行グループの 1社として、銀行本体をはじめとして、不動産事

業およびグループ各社を最大のスポンサーとして活動し、グループが掲げるビジネスモ

デルとも連動して、不動産事業の一翼を担っています。今後は、グローバル戦略、特に

アジアにおける展開に注力して業界の“魁(さきがけ)”として、また“チャレンジャー”

として事業を展開していきます。私募 REITをはじめとするファンドビジネスや、内外を

問わず様々な不動産流動化ニーズ等に対する適切な提案を行い、それを実行すること

により、業界のリードオフマンを目指します。

木村 光男 [ 代表取締役社長]COMMENT

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不動産AM会社ガイド

ASAアセットマネジメント株式会社hhttp://www.asa-am.jp

[代表者名] 酒井宗太郎

[設立日] 2007年8月

[所在地] 〒105-0001 東京都港区虎ノ門四丁目3番13号

[TEL] 03-5425-6771

[運用資産残高] 1,517億円

[対象アセット] 全アセット対応

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2009年6月

[FAX] 03-5425-6774

[運用ファンド数] 49本

[対象エリア] 全国

青山綜合会計事務所のグループ力を背景に、多数のファンド運用を受託している。対象アセットは、オフィス・レジデンシャル・商業施設・ホテル・ケアハウス等多岐にわたる。エクイティ投資家およびレンダーの業務ニーズに柔軟に応え、コストパフォーマンスを重視したこまめなAM業務対応を心掛けている。ファイナンス・アレンジメント業務の実績も増えており、引き続きソリューションAMを志向していく。

株式会社イデラ キャピタルマネジメントhttp://www.idera-capital.com

[代表者名] 嵯峨行介

[設立日] 2001年9月

[所在地] 〒107-0061 東京都港区北青山三丁目5番12号 青山クリスタルビル

[TEL] 03-5771-9001

[運用資産残高] 2,419億円(2012年8月末時点)

[対象アセット] オフィス/住宅/商業/ホテル/物流施設

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2009年6月

[FAX] 03-5771-9002

[運用ファンド数] -

[対象エリア] 全国

2012年3月に上場廃止したエムケーキャピタルマネージメントが、2012年5月にアトラス・パートナーズと合併して誕生した独立系不動産キャピタルマネジメント会社。自己資本比率96%の強固な財務体質(2012年8月末時点)のもと、圧倒的な不動産マネジメントの現場力と長年培ってきたファンドマネジメント・新規商品開発力を強みとしている。

株式会社ザイマックス不動産投資顧問http://www.xymax.co.jp/company/groups/xy-reia.html

[代表者名] 稲月伸仁

[設立日] 2007年8月

[所在地] 〒107-0052 東京都港区赤坂一丁目1番1号

[TEL] 03-5544-6860

[運用資産残高] 約1,370億円

[対象アセット] 全アセット対応

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2008年6月

[FAX] 03-5544-6861

[運用ファンド数] 16本

[対象エリア] 全国

プロパティマネジメントやビルメンテナンスで培った不動産マネジメント能力を活かし、広範なアセットマネジメントサービスを提供。不動産本来の姿である長期運用の観点を大切にした、戦略的かつ安定的なマネジメントスタイルで不動産価値を高める。

60 PROPERTY MANAGEMENT 2013 Jan.

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サヴィルズ・アセット・アドバイザリー株式会社 http://jp.savills.co.jp

[代表者名] 稲津俊彦

[設立日] 2011年9月

[所在地] 〒106-0041 東京都港区麻布台一丁目11番9号 CR神谷町ビル10階

[TEL] 03-5562-1770

[運用資産残高] 約1,700億円(2012年11月末時点)

[対象アセット] オフィス/住宅/商業施設/ホテル他

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2012年5月

[FAX] 03-5562-1771

[運用ファンド数] -

[対象エリア] 全国

英国・サヴィルズの日本の拠点であるサヴィルズ・ジャパンのAM部門が2012年5月に分社した。自社ファンドを持たない純粋なサードパーティーAMとして、欧州・アジア等の投資家および国内金融機関等からAM受託している。グローバルに展開する総合不動産サービス・プロバイダーであるサヴィルズのネットワークを活かしつつ、幅広いクライアント層からの多様なニーズに合わせて、カスタマイズされたきめ細かいサービスを提供している。

住商リアルティ・マネジメント株式会社

[代表者名] 藤林秀敏

[設立日] 2007年9月

[所在地] 〒104-0053 東京都中央区晴海一丁目8番8号 晴海トリトンスクエアオフィスタワーW16階

[TEL] 03-5547-0571

[運用資産残高] 約1,400億円

[対象アセット] オフィス/住宅/商業施設/物流施設

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] -

[FAX] 03-5547-0574

[運用ファンド数] 9本

[対象エリア] 全国

住友商事は、不動産事業を源流とし90年に亘りデベロッパーとしてグループ企業と共に不動産の企画・開発から運営管理に至るまで、幅広い事業展開を行ってきた。住友商事の100%出資により設立された同社は、グループの総合力を活かし、投資家に対して優良な投資機会を提供している。また、現場の実務を確実かつ迅速にこなす現場力を持つプロフェッショナル集団として、質の高いサービスの提供を行っていく。

http://www.sumisho-rm.co.jp

タッチストーン・キャピタル・マネージメント株式会社http://www.touchstone-cm.com

[代表者名] 賣間正人

[設立日] 2005年6月

[所在地] 〒107-0052 東京都港区赤坂一丁目7番1号 赤坂榎坂森ビル

[TEL] 03-5114-6622

[運用資産残高] 約919億円(2012年12月末時点)

[対象アセット] オフィス/商業施設/住宅

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2008年4月

[FAX] 03-5114-6623

[運用ファンド数] -

[対象エリア] 東京都区部/大都市圏

コアからオポチュニスティック投資まで幅広い分野のアセットマネジメントサービスを少数精鋭のプロフェッショナル集団により提供している。英語によるバイリンガル・コミュニケーションにより海外投資家のニーズに応えるとともに、ファイナンスに精通した独立系アセットマネジメント会社としての強みを発揮し、顧客の個別ニーズに合わせたベンダー編成に基づく運用体制を提供している。

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Page 12: 不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング...不動産AM会社の現状と 預かり資産ランキング 不動産投資市場は、REIT市場の活性化をはじめ、ファンドビジネスの回復過程に入りつつある。

三井住友トラスト不動産投資顧問株式会社http://www.smtreim.jp

[代表者名] 木村光男

[設立日] 2005年11月

[所在地] 〒100-8233 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号

[TEL] 03-6256-5530

[運用資産残高] 4,293億円(2012年9月末現在)

[対象アセット] 全アセット対応

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2005年12月

[FAX] 03-3286-8469

[運用ファンド数] -

[対象エリア] 全国

2012 年4 月1 日に住信不動産投資顧問㈱と中央三井トラスト・リアルティ㈱を事業統合し、「三井住友トラスト不動産投資顧問㈱」として三井住友信託銀行100%出資により新たにスタートした。不動産証券化業務のパイオニアである信託銀行が長年培ってきた機能を活用し、多様化する投資家ニーズに対応した新たな不動産証券化商品の開発も視野に、マーケットの要請に応え得る的確でスピーディーなサービスの提供に取り組んでいる。

ユニ・アジア キャピタル ジャパン株式会社(旧商号:キャピタルアドバイザーズ株式会社)

www.uni-asia.co.jp

[代表者名] 戸田幸浩

[設立日] 2000年2月

[所在地] 〒101-0053 東京都千代田区神田美土代町9番1号 

[TEL] 03-3518-9200

[運用資産残高] 約800億円

[対象アセット] 全アセット対応

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2008年6月

[FAX] 03-3518-9201

[運用ファンド数] 18本

[対象エリア] 全国

ユニ・アジア キャピタル ジャパンは、シンガポール上場企業であるUni-Asia Finance Corporationのグループ会社として、日本国内不動産のアセットマネジメント事業を中心に事業展開している。設立以来、住宅・ホテル系アセットを中心に運用資産を拡大し、2011年からは、小規模賃貸住宅の開発ファンドの運用を開始しており、今後も新たな事業分野に挑戦していく。

BMSアセットマネジメント株式会社http://www.bmsam.co.jp

[代表者名] 橘延治

[設立日] 2008年1月

[所在地] 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町二丁目5番地1 オーク神田小川町ビル7階

[TEL] 03-5282-5400

[運用資産残高] -

[対象アセット] オフィス/住宅/商業施設/ホテル他

[アセットマネジメントの特徴]

[投資運用業登録日] 2008年6月

[FAX] 03-5282-5401

[運用ファンド数] -

[対象エリア] 全国

大手PM会社であるBMS㈱の100%子会社として、親会社のPM、CMのノウハウも活用し、不動産証券化のアレンジ、受託資産の運用及び売却等の提案を行っている。運用資産はオフィス、レジデンス、商業施設、ホテル等多岐にわたり、リーシング戦略、改修工事等により受託資産の付加価値を高め、中長期的な安定運用を図っている。また、他社との連携も行い、それぞれの特徴を補完し合うことで様々な投資家ニーズに応えている。

62 PROPERTY MANAGEMENT 2013 Jan.

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順位 名称契約資産額(百万円)

所在地 合計 投資運用 投資助言

1 三菱地所投資顧問株式会社 936,657 141,072 795,585 東京都千代田区丸の内三丁目 2番 3号

2 野村不動産投資顧問株式会社 571,347 440,708 130,639 東京都新宿区西新宿八丁目 5番 1号

3 ケネディクス・アドバイザーズ株式会社 486,798 67,346 419,452 東京都港区新橋二丁目 2番 9号

4 ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント株式会社 476,514 361,668 114,846 東京都千代田区平河町二丁目 16番 1号 平河町森タワー

5 セキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメント株式会社 468,062 234,449 233,613 東京都港区虎ノ門四丁目 1番 28号

6 三井住友トラスト不動産投資顧問株式会社 453,095 100,888 352,207 東京都千代田区丸の内一丁目 4番 1号 三井住友信託銀行本店ビル 12階

7 東急不動産キャピタル・マネジメント株式会社 442,662 167,748 274,914 東京都渋谷区道玄坂一丁目 16番 3号 渋谷センタープレイス 3階

8 オリックス不動産投資顧問株式会社 393,823 363,822 30,001 東京都港区浜松町二丁目 4番 1号

9 三井不動産投資顧問株式会社 393,010 323,078 69,932 東京都中央区日本橋室町二丁目 1番 1号 日本橋三井タワー11階

10 東京建物不動産投資顧問株式会社 386,613 59,130 327,483 東京都中央区日本橋一丁目 2番 19号

11 森ビル不動産投資顧問株式会社 365,121 3,274 361,847 東京都六本木六丁目 7番 6号

12 シンプレクス不動産投資顧問株式会社 247,394 241,765 5,629 東京都千代田区霞ヶ関三丁目 3番 2号 新霞ヶ関ビルディング 19階

13 株式会社イデラキャピタルマネジメント 230,478 116,263 114,215 東京都港区北青山三丁目 5番 12号 青山クリスタルビル

14 株式会社マックスリアルティー 217,982 213,992 3,990 東京都中央区築地一丁目 13番 10号

15 LCR不動産投資顧問株式会社 205,947 205,947 0 東京都千代田区永田町二丁目 11番 1号

16 安田不動産投資顧問株式会社 195,921 189,115 6,806 東京都千代田区神田小川町二丁目 4番 16号

17 東京海上不動産投資顧問株式会社 193,428 178,329 15,099 東京都港区東新橋二丁目 4番地 1号

18 ASAアセットマネジメント株式会社 159,800 112,478 47,322 東京都港区虎ノ門四丁目 3番 13号

19 トーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社 152,249 77,412 74,837 東京都港区虎ノ門四丁目 2番 3号 虎ノ門トーセイビル 4階

20 プルデンシャル・リアルエステート・インベスターズ・ジャパン株式会社 145,908 75,528 70,380 東京都港区南麻布三丁目 20番 1号 麻布グリーンテラス 5階

21 日土地アセットマネジメント株式会社 141,520 0 141,520 東京都千代田区霞が関一丁目 4番 1号

22 GALILEO JAPAN 株式会社 106,203 106,203 0 東京都千代田区九段南三丁目 8番 11号 飛栄九段ビル 9階

23 興和不動産投資顧問株式会社 92,913 86,399 6,514 東京都港区南青山一丁目 15番 5号

24 グッドマンジャパンファンズ株式会社 90,669 90,669 0 東京都千代田区丸の内一丁目 8番 1号 丸の内トラストタワー N館 13階

25 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント株式会社 87,342 57,160 30,182 東京都千代田区永田町二丁目 11番 1号

26 グロブナー・ファンド・マネジメント・ジャパン・リミテッド 81,523 81,523 0 東京都港区赤坂一丁目 12番 32号 アーク森ビル 24階

27 ユニ・アジアキャピタルジャパン株式会社 66,920 64,527 2,393 東京都千代田区神田美土代町 9-1 MD神田ビル7階

28 サヴィルズ・アセット・アドバイザリー株式会社 66,049 16,581 49,468 東京都港区麻布台一丁目 11番 9号 CR神谷町ビル 10階

29 株式会社玄海キャピタルマネジメント 47,813 1,783 46,030 東京都千代田区丸の内二丁目 2番 1号 岸本ビルヂング 10階

30 One World Asset Management 株式会社 46,023 46,023 0 東京都中央区日本橋三丁目 14番 1号 新々会館ビル 9階

31 KW Investment株式会社 43,910 43,844 66 東京都千代田区霞ヶ関三丁目 8番 1号

32 株式会社リオ・コンサルティング 38,491 13,474 25,017 東京都千代田区永田町二丁目 12番 4号

33 SPCアセットマネジメント株式会社 36,698 31,043 5,655 東京都中央区明石町 8番 1号

34 ジャパンアセットトラスト株式会社 32,196 8,196 24,000 東京都千代田区神田錦町二丁目 1番 8号

35 イトーピア・アセットマネジメント株式会社 31,988 15,104 16,884 東京都港区北青山二丁目 12番 16号

36 三井物産リアルティ・マネジメント株式会社 31,295 31,295 0 東京都千代田区九段北一丁目 14番 17号

37 株式会社ティーエルディービーパートナーズ 31,273 0 31,273 東京都千代田区永田町二丁目 12番 4号

38 アジリティー・アセット・アドバイザーズ株式会社 30,641 29,023 1,618 東京都中央区新川一丁目 17番 18号

39 ファンドクリエーション・アール・エム株式会社 23,763 23,763 0 東京都千代田区麹町一丁目 4番地 半蔵門ファーストビル 5階

40 大和リアルエステート・アセット・マネジメント株式会社 23,753 1,946 21,807 東京都中央区銀座六丁目 2番 1号

41 プロファウンド・インベストメント・マネジメント株式会社 19,943 19,943 0 東京都港区虎ノ門 1丁目 4番 2号 虎ノ門東洋ビル

42 燦アセットマネージメント株式会社 19,545 813 18,732 東京都千代田区有楽町一丁目 7番 1号

43 株式会社ヒューマックス 16,385 16,385 0 東京都新宿区富久町 13番 19号

44 株式会社ハリファックス・アセットマネージメント 14,645 6,535 8,110 東京都港区六本木三丁目 16番 26号 ハリファックスビル

45 株式会社エー・エム・ファンド・マネジメント 14,223 0 14,223 東京都千代田区内幸町一丁目 5番 2号

46 株式会社アヴァルセック 14,000 14,000 0 東京都港区浜松町二丁目 1番 18号 トップスビル 3階

47 東京キャピタルマネジメント株式会社 13,932 4,510 9,422 東京都中央区新富一丁目 14番 1号 セントラルイーストビル 2階

48 クリックシス株式会社 13,880 13,880 0 東京都港区西麻布 2-24-11 麻布ウエストビル 1階

49 株式会社レガロキャピタル 13,207 1,345 11,862 東京都港区西麻布三丁目 2番 1号 北辰ビル

50 BMSアセットマネジメント株式会社 13,078 4,900 8,178 東京都千代田区神田小川町二丁目 5番地 1 オーク神田小川町ビル7階

51 ヘルスケアマネジメントパートナーズ株式会社 10,381 10,381 0 東京都港区愛宕二丁目 5番 1号 愛宕グリーンヒルズMORIタワー 39階

52 SBIエステートマネジメント株式会社 8,358 8,358 0 東京都港区六本木一丁目 6番 1号 泉ガーデンタワー15階

53 タッチストーン・キャピタル・マネージメント株式会社 4,691 0 4,691 東京都港区赤坂一丁目 7番 1号 赤坂榎坂森ビル 8階

54 Vermilion Capital Management株式会社 4,555 0 4,555 東京都港区赤坂一丁目 7番 1号 赤坂榎坂森ビル 5階 

55 フィンテックアセットマネジメント株式会社 3,985 3,985 0 東京都港区虎ノ門四丁目 1番 28号 虎ノ門タワーズオフィス19階

56 株式会社エーマックス 3,819 3,819 東京都墨田区太平四丁目 1番 3号 オリナスタワー10階

57 株式会社ユニファイド・キャピタル・ジャパン 888 888 0 東京都中央区銀座一丁目 13番 1号 ダヴィンチ銀座 1丁目 7階

58 株式会社フォーカスキャピタルマネジメント 441 441 0 東京都港区虎ノ門一丁目 2番 3号 虎ノ門清和ビル 10階

※一般社団法人 日本投資顧問業協会「契約資産状況 平成 24年 9月末」の「不動産関連特定投資運用業 67社」データより 「投資運用」「投資助言」契約資産額に記入がある 58社について、両資産合計額でランキングを作成。

不動産関連特定投資運用業 預かり資産額ランキング

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