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2011.11.11 物理学2A-01 1 物理学2A 第5講 111111 前回証明したこと 電場がポテンシャルで書けるということと、 回転が消滅することは数学的に等価。 電場と等電位面()直交する。 証明等電位線に沿って 微小距離 dr=(dx,dy,dz) 動く

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物理学2A 第5講

111111

前回証明したこと

電場がポテンシャルで書けるということと、回転が消滅することは数学的に等価。

電場と等電位面(線)は直交する。

証明:

等電位線に沿って微小距離 dr=(dx,dy,dz) 動く

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ポアソンの方程式で右辺がゼロの時、ラプラスの方程式と言う。

電荷密度分布

が全空間で与えられているときの

ポアソン方程式の解は、

ポアソン(Poisson)の方程式ラプラス(Laplace)の方程式

ポアソンの方程式

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講義での導出は省略する。各自、独自に計算してください。球対称、円柱対称の式は、覚えておくこと

(付録:A25,章末問題A2.5)

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現実問題として、電荷分布が全空間で与えられることはまずない。通常は、限られた空間Vでの分布のみ与えられる。

定理:

ある領域内で電荷分布が与えられ、かつ V を囲む境界面 S で

が与えられた場合、ポアソンの方程式は、定数部分をのぞき唯一の解を持つ。

証明:

φ1 φ2 という二つの解があったとしよう。差 φ=φ1−φ2

を考える。

φ

は次の条件を満たす。

ここで、第1行最後の式で、条件(1)を使い、最後の行に移行するときにガウスの

発散定理を使って表面成分に直し、最後に条件 (2) を使った。左辺は領域内で負にならない量であるから、結局全領域内でよって、 φ1

とφ2 の差は高々定数である。

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ポアソン方程式を解く

例題1

2枚の平行金属板(間隔 D )に電池をつないで、電圧Vを掛け、一方の極板を接地した時の

極板間における電位を求めよ。

極板の間隔は極板の大きさに比べ十分狭いとして、エッジ効果を無視する。点Pの接地した極板からの距離を x として

x に垂直な座標をy, z にとれば、

対称性からポテンシャルの y, z 依存性はないと考えて良い。この場合1次元の問題となる。極板間に電荷は存在しないから

ポアソン方程式は

この解は

境界条件 x=0 で φ=0, x=D で φ=V から A, B が決まり、解は、

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例題2:半径 a の球内に電荷が体積密度 ρ

で一様に分布しているとき、

ポアソンの方程式を解き、ポテンシャルを求めよ。

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静電場の持つエネルギー。

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デルタ関数

(超関数=distribution) の例.

次のような性質を持つ関数をデルタ関数という補足

f(x)は

x=0 付近でなめらかな関数

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111111 講義ノート終了