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「話すこと・聞くこと 、「書くこと」と関連づけた「読むこと」の学習例」
1 科目名 国語総合
2 単元名 小説「夢十夜」第一夜・第六夜(全7時間) <教材: 夢十夜 (夏目漱石)>「 」
3 単元の内容
ア 文章に描かれた人物、情景、心情などを表現に即して読み味わう。
(関心・意欲・態度)
イ 小説全体の構成、主人公など登場人物の人物像や心理の変化を、表現に即して的確
単元の目標 に読み取る。 (読む能力)<国語総合 読むことウ>C
ウ 小説が描こうとしたことについての自分の考え方を深める。
(読む能力)<国語総合 読むことエ>C
エ 語句の意味、用法を的確に理解し、語彙を豊かにするとともに、文体や修辞などの
表現上の特色をとらえる。 (知識・理解)
○本文の読解の前に、主題を暗示するテーマについての作文を書く活動をし、自分の意
指導案の 見を持つための活動を行う。
授業の概要 ○「あなたは目の前にいない恋人との約束を信じ続けることができるか、できないか」
「あなたは何時代に生まれたかったか」の2つのテーマについて作文を書く。
○作文は、意見とその理由という構成で書く。各自、2つのテーマの作文を書く。
○書き終わったら、意見交流をする。共通点と相違点を明らかにしながら聞く。他の生
徒の意見を聞いて気付いた意見を話し合う。
○話し合って気付いたことを各自まとめ、作者の考えや作品の内容を予想する。
○自分の考えを持ち予測しながら読解をするため、主体的に構造や主題を読むことにつ
成果と ながる。
アドバイス ○賛成・反対のうちどちらの意見で書くかについて最初に挙手させ、反対側を説得する
理由を書くよう指示する。
○意見+理由の構成で書くよう説明する。理由を述べるときに具体例を出して説明する
よう助言する。
○はかどらない生徒に対しては、具体例を挙げどう思うか質問し、答えを作文に書くよ
うに助言する。また、よい意見があれば一部紹介し、創作意欲を喚起する。
4 単元の評価規準
関心・意欲・態度 読 む 能 力 知 識 ・ 理 解
①表現に即して、登場 ①「夢十夜」の構成を的確に読み取ってい ①文中の語句の意味を理解し、
人物の人間像や心情 る。 語彙を豊かにしている。
を読み味わおうとし ②「夢十夜」の情景や、主人公など登場人 ②比喩などの効果的な表現の工
ている。 物の人物像や心理を、それぞれの場面の 夫について理解している。
②他の生徒との読みの 表現に即して読み味わっている。
「 」 、交流を通して、自分 ③ 夢十夜 の描こうとしたことについて
、の読みを深めようと 他の生徒との意見交流などを手がかりに
している。 自分の考えを深めている。
5 単元の学習指導案
時間 各時間の目標 主な学習活動 各時間の具体的評価規準 評価方法
・主題を暗示す ・ あなたは目の前にいない恋 ア意欲的に作文や意見交流に ・観察「
1 るテーマにつ 人との約束を信じ続けるこ 取り組み、自分の読みを深 *机間指導
いて作文を書 とができるか できないか めようとする 関② (ア・イ)、 」 。 【 】
く。 「あなたは何時代に生まれ イ作文を書く活動と意見交流 ・点検
( )・グループ内で たかったか」の2つのテー を通じて、自分の考えを深 *作品 イ
。 、 。交換して読む マで作文を書く。 め 作品の主題を予想する
【 】・意見と理由の構成で書く。 読③
、・グループ内で交換して読み
意見交流をする。
・小説 夢十夜 ・ 夢十夜 第一夜を音読する ア集中して音読・黙読する。 ・観察「 」 「 」 。
2 第一夜を音読 (ペア読み・指名読み) 【関①】 *机間指導
する。 ・難解語の読みと意味を確認 イ難解語の読み、意味を確認 *発表
( )・第1段落の内 し、段落分けを考える。 し、段落分けを考える。 ア・イ・ウ
「 【 】容を考える。 ・ 女」の姿を図示する。 知①②・読①
・ 女」と「自分」のやりとり ウ本文の表現を読み味わって「
。 【 】をまとめる。 いる 読②
・ 百年 「百年待つ」こと「 」、
は何を象徴しているか読み
取る。
・第2~3段落 ・第2~3段落を音読する。 ア集中して音読・黙読する。 ・観察
3 の内容を考え (ペア読み・指名読み) 【関①】 *机間指導
る。 ・ 第2段落の「自分」の心の イ本文に即して、心理の変化 *発表
( )変化をまとめる。 や「女」と情景の共通点を ア・イ・ウ
・第1段落の「女」の特徴と 理解する。 【読②】
第2~3段落の情景の共通 ウ「百年はもう来ていた」と
点をまとめる。 気付いた根拠をまとめ、意
・ 自分」が「百年はもう来て 見交換する。 【読②③】「
いた」と気付いた理由を理
解する。
・ 女」の視点で読む。「
・小説 夢十夜 ・ 夢十夜 第六夜を音読する ア集中して音読・黙読する。 ・観察「 」 「 」 。
4 第六夜を音読 (ペア読み・指名読み) 【関①】 *机間指導
する。 ・難解語の読みと意味を確認 イ難解語の読みと意味を確認 *発表
( )・第1段落の内 し、段落分けを考える。 し、段落分けを考える。 ア・イ・ウ
【 】容を考える。 ・人物、場所、状況をまとめ 知①②・読①
る。 ウ人物、場所、状況を理解す
る。 【読②】
・第2~3段落 ・第2~3段落を音読する。 ア集中して音読・黙読する。 ・観察
5 の内容を考え (ペア読み、指名読み) 【関①】 *机間指導
る。 ・ 作り出す」と「掘り出す」 イ運慶の創作態度、彫刻観を *発表「
。 【 】( )の違いを自分の言葉でまと 理解する 読②③ ア・イ・ウ
「 」 「 」め、意見交換する。 ウ 作り出す と 掘り出す
・ 明治の木」と「仁王」が象 の違いを読み取り、意見交「
徴しているものを読み取る 換する。 【読②③】。
・第一夜と第六 ・第一夜と第六夜の構造図を ア第一夜と第六夜の構造図と ・観察
6 夜の構造図を まとめる。 主題をまとめる 読①② *机間指導。【 】
まとめる。 ・第一夜と第六夜の共通点を イ意欲的に創作文に取り組 *発表
( )・第一夜と第六 考える。夢とは何かを考え み、自分の読みを深めよう ア・イ
夜の共通点を る。 とする。 【関①】 ・点検
( )考える。 ・第一夜と第六夜のどちらか ウ本文の構成や表現を確認し *ワークシート ウ
・構造を模倣し 一方の構造を模倣した文を ながら、工夫して創作をし
た文を創作す 創作する。 ている。
る。 ・作品の読解や構造の分析を 【読①②】
踏まえて、模倣文を作成す
る。
・模倣文作成により、物語の
構造と内容のつながりを理
解できるようにする。
・ワークシートに記入する形
で創作する。*参照
・創作文の発表 ・創作文をグループ(4~5 ア意欲的に取り組んでいる。 ・観察
7 と相互評価を 人)内で発表し、相互評価 【関②】 *机間指導
する。 する。 イ他者の創作文を鑑賞し批評 ・点検
・グループ代表を決定し、代 することで、作品に対する *ワークシート
表がクラス発表をする。 理解を深める。 【読③】 *評価票
( )・創作文を書いたことで気付 ア・イ
いたことをまとめる。
・作者について理解する。
6 第1時の学習指導案
本時の位置 1時間目(全7時間)
本時の学習 ア 意欲的に作文や意見交流に取り組み、自分の読みを深めようとする。
目標 (関心・意欲・態度)
イ 作文を書く活動と意見交流を通じて、自分の考えを深め、作品の主題を予想する。
(読む能力)
学 習 内 容 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 及 び 評 価
導 □本時の学習 ①本時の目標が 本文の読解の前に ・事前に作文用紙を準備しておく。、 、
入 目標を確認 主題を暗示するテーマについての
5 する。 作文を書く活動をし、自分の意見 ・テーマ作文を書くことによって、自分の
分 を持つことであることを理解す 考えと作品の内容を比較しながら興味を
る。 持って読解できるようにする。
□作文を書く ②「あなたは目の前にいない恋人と ・それぞれ、どちらの意見で書くかについ。
の約束を信じ続けることができ て最初に挙手させ、反対側を説得するよ
るか、できないか」 うに書くよう指示する。
「あなたは何時代に生まれたかっ
たか」の2つのテーマで作文を ・正解がある問ではないので、思い切って
書く。 自分の本心を表現するよう促す。展
・意見とその理由の構成で書くよう ・読み手を楽しませる工夫も考える。とく
説明する。 に具体例での工夫が効果的である。
・理由を述べるときに具体例を出し 目標アに対する評価規準と評価方法
[規準]意欲をもって作文や意見交流にて説明するよう助言する。
取り組み、自分の考えを理由とともに
表そうとしている。
[方法]観察(机間指導)
[状況Cの生徒への手だて]
・具体例を挙げ、どう思うか質問し、答
えを作文に書くように助言する。
開
・よい意見があれば紹介し、創作意欲を
□グループ内 ③グループ内で作文を交換して読 かき立てる。
で作文を交 み、意見交流をする。
目標イに対する評価規準と評価方法換して読む ・共通点と相違点を明らかにしなが。
ら聞く。 [規準]意見交流に参加し、自分の考え
・他の生徒の意見を聞いて感じた意 を深めている。
見を話し合う。 [方法]観察(机間指導)
[状況Cの生徒への手だて]
④話し合って気付いたことを、各自 ・他の生徒の作品の中で気になった部分
ノートにまとめる。 はどこか質問し、なぜ気になったのか
・作品の内容を予想する。 考えるよう助言する。
・作品がだれの考えに近いか予想させる。
ま □本時の学習 ⑤次回は第一夜の読解をすることを ・作文用紙を、各自のノートに貼らせる。
と のまとめと 確認する。
め 次時の確認
5 をする。
分
7 生徒作品例
テーマ1「あなたは目の前にいない恋人との約束を信じ続けることができるか、できないか」
できる ①相手が約束をちゃんと守り続けているかは分からないけれど、自分の好きな子との約束は
守って信じ続けたい。ちゃんと守り続けて相手に会ったときうれしいから。
できる ②好きで付き合っているんだから、信じ合わないと駄目だと思うから。
できる ③本当に好きなら大丈夫。毎日電話すればいいと思う。信じないと何も始まらない。信じて
裏切られるより、信じない方がかっこわるい。裏切られたらまた強くなる。人生ってそん
なもんでしょ。
、 。できる ④今まで大切な人に裏切られたことはないし 自分は一途だと思うので信じることはできる
でも向こうが裏切ったら無理。
できる ⑤2人は心の中で通じ合っているから。
できる ⑥会えると思えば必ず会えるし、相手の気持ちが離れても、思い続けていればまたどこかで
つながれると信じたいから。
。 、できる ⑦信じることもまた一つの愛の形だと思う お互いを信じられなければ形だけの恋人であり
本当に結ばれてはいないと思う。
できる ⑧目に見えないからこそ大切にするのが難しく、大切にできた喜びが大きいからだ。遠くに
いる人であっても、自分の中で繰り返し思い出すことで、傍にいるように感じることがで
きる。
できない ①自分が最後まで信じることができないし、相手が何をしているか分からない。相手に裏
切られたら怖い。
できない ②最初は信じるけれど、時間が経つにつれて気持ちが薄れていく。
できない ③女が遠いところにいると会いたいときでもすぐ会えなくて不安になるし、本当に好きで
も心の中には不安があって疑ってしまうから。
できない ④相手が何をしているか、約束を守っているか、離れていると絶対に考えてしまう。そう
考えること自体信じ切れていないことだから。
できない ⑤目に見えないものは信じない。相手の様子が分からないと不安。何より相手が自分を信
じていてくれるかが不安。
できない ⑥もし約束を信じ続けていて裏切られたらばかばかしくなる。
できない ⑦そばにいて守ってあげることのできない恋人は恋人ではない。自分が守れないなら他の
人に守ってもらって幸せになって欲しい。
できない ⑧目に見えないものは無いのと同じで、存在を忘れてしまうからだ。寂しさに耐えられな
いので、近くにいる人が大切な人になってしまう。
テーマ2「あなたは何時代に生まれたかったか」
原始時代→自然の中で生き抜きたい。
縄文時代→自由に暮らしてほのぼのしている。争いがなく安全。
弥生時代→稲作に興味がある。安全で法律がない。
平安時代→貴族としてずっと遊んでいたい。寿命が短いが、短い人生を楽しめそうだから。
とても平和そうで豪華な暮らしをしている。
清少納言や紫式部の考え方に興味があり、彼女たちに創作の動機を質問してみたいと考え
。 、 、るからだ まずは十二単に触れたり お香のにおいをかいだりして彼女たちの生活に触れ
その後枕草子や源氏物語が創作される現場を見てみたい。
戦国時代→信長の生き方を見てみたい。
沢山の武将と戦って天下統一をしてみたい。家来を沢山作りたい。
天下統一して歴史に名を刻みたい。
命を張って守るべきものを守りたい。
関ヶ原の戦いで家康が快勝したが、自分が戦国時代へ行き経路や裏切り者を教え、戦略を
練り直して石田三成が活用にして、その後を徳川時代でなく石田の時代にしてみたい。
刀を持って戦ってみたい。城下町を見てみたい。信長に会いたい。
安土桃山時代→文化が華やかだから。
信長に変わって天下統一してみたい。
信長は本当はどうやって死んだのか知りたい。
自分の実力次第でどうにでもなるから。
江戸時代→町並みがきれい。文化が面白い。ご飯がおいしそう。武士に生まれたい。
幕末に生まれて明治維新をやり遂げたい。
家康に会いたい。
昭和時代→昭和の戦後がいい。戦争だといつ命がなくなるか分からない。でも現代のように便利にな
りすぎると幸せなどの感情や気持ちがおろそかになってしまう。
一家団欒が多そう。虐待・いじめが少ない。
現在→ ものがたくさんある。争いごとがないし平和だから。
病気で死ぬことが少ない。
自分にとって今が一番いい環境。昔に戻っても今と同じこしかできないと思う。
今の家族の元に生まれることができた。この学校に入学して友達ができた。思い合える人
ができた。すべてが幸せで失いたくないから。
*第6時 模倣文を作る課題のワークシート(一部)
第一夜の模倣文 第六夜の模倣文
・冒頭は 「こんな夢を見た」にする。 ・冒頭は 「こんな夢を見た」にする。、 、
・発端は「約束させられる」 ・発端は「芸術家に感動する」
・展開は「約束を守る 「約束を疑う」 ・展開は「芸術家のまねはできない」」
・クライマックス 「自分にもまねできる」
・結末は「気付く」 ・クライマックス
・結末は「気付く」
夢 十 夜 板 書 例 ①夢 十 夜 板 書 例 ①夢 十 夜 板 書 例 ①夢 十 夜 板 書 例 ①
【 第 一 夜 1 段 落 】
1 女 の 姿 を 図 示 し な さ い 。
2 「 女 」 と 「 自 分 」 の や り と り を ま と め な さ い 。
女 自 分
① 「 も う 死 に ま す 」
② と う て い 死 に そ う に は 見 え な い
③ 「 も う 死 に ま す 」
④ 確 か に 死 ぬ な と 思 っ た
「 そ う か ね 、 も う 死 ぬ の か ね 」
⑤ 「 も う 死 に ま す 」
⑥ こ れ で も 死 ぬ の か と 思 っ た 。
「 死 ぬ ん じ ゃ な か ろ う ね 、 大 丈 夫 だ ろ う ね 」
⑦ 「 死 ぬ ん で す も の 、 し か た が な い わ 」
⑧ 「 じ ゃ あ 私 の 顔 が 見 え る か い 」
⑨ 「 見 え る か い っ て 、 そ ら 、 そ こ に 写 っ て い る
じ ゃ あ り ま せ ん か 」
⑩ ど う し て も 死 ぬ の か な
⑪ 「 死 ん だ ら 埋 め て 下 さ い 。 ~ ま た 会 い に 来 ま
す か ら 」。
⑫ 「 い つ 逢 い に く る か ね 」
⑬ 「 日 が で る で し ょ う 。 ~ あ な た 待 っ て い ら れ
ま す か 」。
⑭ 黙 っ て う な ず い た 。
⑮ 「 百 年 待 っ て い て 下 さ い 」
「 百 年 私 の 墓 の そ ば に 座 っ て 待 っ て い て く だ さ
い 。 き っ と 逢 い に 来 ま す か ら 」。
⑯ 「 待 っ て い る 」
3 「 ひ と み の 奥 に 自 分 の 姿 」 と は 何 を 示 す か 。 → お 互 い を 一 途 に 見 つ め 合 っ て い る こ と 。
4 「 黒 い ひ と み の 中 に 鮮 や か に 見 え た 自 分 の 姿 が ぼ う っ と 崩 れ て き た 」 と は ど う い う こ と か 。
→ 女 の 眼 球 に 映 っ た 自 分 の 姿 が 、 女 の 流 す 涙 で に じ ん だ と い う こ と 。
5 「 百 年 待 っ て い て 下 さ い 」 に は 、 女 の ど ん な 気 持 ち が こ め ら れ て い る か 。
→ 生 死 に よ っ て も 妨 げ ら れ る こ と の な い 、 二 人 の 愛 の 永 遠 性 を 願 う 気 持 ち
夢 十 夜 板 書 例 ②夢 十 夜 板 書 例 ②夢 十 夜 板 書 例 ②夢 十 夜 板 書 例 ②
【 第 一 夜 第 2 段 落 】
1 「 胸 と 手 が 温 か く な っ た 」 の は な ぜ か 。 → 女 の 願 い を 叶 え た 安 心 感
2 「 自 分 」 の 心 情 の 動 き を ま と め な さ い 。
① こ れ か ら 百 年 の 間 、 こ う し て 待 っ て い る ん だ な ( 半 信 半 疑 )
↓
② 女 の 言 っ た と お り 、 赤 い 日 が 昇 り 沈 む の を 見 る ( 納 得 )
↓
③ 女 に だ ま さ れ た の で は な か ろ う か と 思 い 出 し た ( 疑 念 )
3 「 苔 の 生 え た 丸 い 石 」 と は ど う い う こ と を 暗 示 し て い る か 。 → 長 い 年 月 が 経 っ た と い う こ と
【 第 一 夜 第 3 段 落 】
1 「 女 」 の 身 体 的 特 徴 と 第 2 ~ 3 段 落 の 情 景 の 共 通 点 は な に か 。
長 い 髪 ・ 長 い ま つ げ = 百 年 と い う 長 い 年 月
真 っ 白 な 頬 = 真 っ 白 な 百 合
温 か い 血 の 色 ・ 赤 い 唇 = 赤 い 日
潤 い の あ る 眼 ・ 涙 = 露
2 「 石 の 下 か ら 斜 に 自 分 の 方 へ 向 い て 青 い 茎 が 伸 び て き た 」 と は ど う い う こ と か 。
→ 墓 の 下 に は 女 を 埋 葬 し て あ る 。 そ こ か ら 生 え た 植 物 ・ 百 合 が 自 分 に メ ッ セ ー ジ を 送 ろ う と し て い
る こ と 。
3 ど う し て 「 百 年 は も う 来 て い た ん だ な 」 と 気 が 付 い た の か 。
① 女 が 会 い に 来 た と き が 百 年 経 っ た と き
↓
② 百 合 は 女 の 化 身 で あ る
↓
③ 女 が 会 い に 来 た の だ か ら 、 百 年 が 経 っ た の だ
( 事 実 よ り も 、 そ う 感 じ た こ と の ほ う が 大 切 )
4 「 女 」 の 視 点 で 読 む 「 女 」 の 気 持 ち を 本 文 の 記 述 を 根 拠 に し て 説 明 せ よ 。。
夢 十 夜 板 書 例 ③夢 十 夜 板 書 例 ③夢 十 夜 板 書 例 ③夢 十 夜 板 書 例 ③
【 第 六 夜 第 1 段 落 】
1 人 物 ・ 場 所 ・ 状 況 を ま と め な さ い 。
→ 人 物 ・ ・ ・ 運 慶 = 鎌 倉 の 人
東 大 寺 南 大 門 の 仁 王 像 を 作 っ た
・ ・ ・ 自 分 ・ 見 物 人 = 明 治 の 人
場 所 ・ ・ ・ 護 国 寺 の 山 門 ( 鎌 倉 時 代 )
状 況 ・ ・ ・ 運 慶 が 護 国 寺 の 山 門 で 仁 王 を 彫 る 様 子 を 、
「 自 分 」 も 含 め た 見 物 人 が 見 て い る 。
2 「 自 分 」 以 外 の 見 物 人 た ち は ど の よ う に 描 か れ て い る か 。
→ 運 慶 で は な く 仁 王 の 大 き さ ・ 古 さ ・ 強 さ の う わ さ 話 を す る よ う な
芸 術 の 教 養 の な い 人 。
【 第 六 夜 第 2 段 落 】
1 「 槌 の 音 に 応 じ て 飛 ん だ 」 と は ど う い う こ と か 。
→ の み の 柄 の 頭 を 槌 で た た く と 、 そ れ に よ っ て 木 く ず が 削 ら れ て 飛 ぶ 。
た た く 音 に 応 じ て 木 く ず が 飛 ぶ こ と を 表 現 し て い る 。
2 運 慶 の 創 作 態 度 ・ 彫 刻 観 を 本 文 よ り 抜 き 出 し な さ い 。
→ ・ 見 物 人 の 評 判 に は 委 細 と ん じ ゃ く し な い ( = 全 く 気 に 掛 け な い ) ( 集 中 ・ 熱 中 )。
・ 一 生 懸 命 に 彫 る 。
・ 天 下 の 英 雄 は た だ 仁 王 と わ れ と あ る の み 。
・ 大 自 在 の 妙 境 ( = 自 由 自 在 に 道 具 を 操 っ て 創 造 す る 状 態 )
・ 少 し も 疑 念 を 差 し 挟 ん で い な い 刀 の 入 れ 方 ( ← 完 成 形 が 見 え る )
→ 仁 王 を 「 作 り 出 す 」 の で は な く 、 木 の 中 に 埋 ま っ て い る
仁 王 を 「 掘 り 出 す 」 の が 運 慶 の 彫 刻 。
3 仁 王 を 「 作 り 出 す 」 の と 「 掘 り 出 す 」 の と は ど う ち が う の か 、 説 明 し な さ い 。
→ 「 作 り 出 す 」 = 何 も な い と こ ろ か ら 、 創 作 し て 掘 る 。
「 掘 り 出 す 」 = 完 成 形 が 見 え て お り 、 も と か ら あ っ た も の を 目 に 見 え る 形 に 掘 る 。
( 例 ) ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 創 作 態 度 = 完 成 形 が 見 え て お り 、 球 形 に 掘 る と き 狂 い が な い 。
( ピ エ タ ・ ダ ビ デ 像 ・ シ ス テ ィ ー ナ 礼 拝 堂 の 天 井 画 な ど )
夢 十 夜 板 書 例 ④夢 十 夜 板 書 例 ④夢 十 夜 板 書 例 ④夢 十 夜 板 書 例 ④
【 第 六 夜 第 3 段 落 】
1 「 明 治 の 木 「 仁 王 」 は そ れ ぞ れ 何 を 象 徴 し て い る か 。」
→ 明 治 の 木 = 明 治 の 時 代 ・ 社 会 ・ 文 化
仁 王 = 優 れ た 芸 術 ・ 真 の 芸 術
2 「 つ い に 明 治 の 木 に は 、 と う て い 仁 王 は 埋 ま っ て い な い も の だ と 悟 っ た 」 と は
ど う い う こ と か 。
→ 明 治 と い う 時 代 に は 真 の 芸 術 を 生 み 出 す 文 化 は な い 。
( 明 治 の 文 化 へ の 批 判 )
3 「 運 慶 が 今 日 ま で 生 き て い る 理 由 」 と は 何 か 。
( 今 日 ま で 生 き て い る = 時 ・ 場 所 を 越 え て 人 を 感 動 さ せ る 力 が あ る )
→ 鎌 倉 時 代 と い う 中 身 の 詰 ま っ た 時 代 に 生 き た 運 慶 の 芸 術 に は 、 魅 力 が あ る こ と 。
( 例 ) 時 ・ 場 所 を 越 え て 人 の 心 に 響 く 芸 術 作 品 と は ?
ピ カ ソ の 「 ゲ ル ニ カ 」 ゴ ッ ホ の 「 ひ ま わ り 」 な ど
【 夢 十 夜 ま と め 】
1 第 一 夜 ・ 第 六 夜 の 構 成 を ま と め な さ い 。
→ 第 一 夜 第 1 段 落 女 の 遺 言 と 約 束
第 2 段 落 女 を 埋 葬 し 待 つ
第 3 段 落 百 合 に 変 化 し た 女 と の 再 会
→ 百 年 は も う 来 て い た と 分 か る
第 六 夜 第 1 段 落 護 国 寺 で 運 慶 を 見 る
第 2 段 落 運 慶 の 様 子 と 若 い 男 の 批 評 ( 芸 術 観 )
第 3 段 落 自 分 の 彫 刻 の 失 敗
→ 明 治 の 木 に 仁 王 は い な い と 分 か る
2 第 一 夜 と 第 六 夜 の 共 通 点 は 何 か 。
→ 第 一 夜 百 合 が 女 の 化 身 だ と 分 か る
百 年 は も う 来 て い た と 分 か る
第 六 夜 運 慶 が 今 日 ま で 生 き て い る 理 由 が 分 か る
明 治 の 木 に 仁 王 は い な い と 分 か る
2 つ と も 主 観 ・ 直 感 ・ 飛 躍 ・ 矛 盾 ( ← → 客 観 ・ 合 理 ・ 論 理 ・ 説 明 )
3 夢 と は 何 か
→ 主 観 ・ 直 感 で 分 か る も の 。 飛 躍 ・ 矛 盾 を 含 む も の 。
夢 十 夜 構 造 図夢 十 夜 構 造 図夢 十 夜 構 造 図夢 十 夜 構 造 図
【 第 一 夜 】 【 第 六 夜 】
構 造 構 造
・ 冒 頭 「 こ ん な 夢 を 見 た 」 ・ 冒 頭 ( こ ん な 夢 を 見 た )「 」
・ 発 端 「 約 束 さ せ ら れ る 」 ・ 発 端 「 運 慶 に 感 動 す る 」
・ 展 開 「 約 束 を 守 る 「 約 束 を 疑 う 」 ・ 展 開 「 運 慶 の ま ね は で き な い 」」
・ ク ラ イ マ ッ ク ス 「 自 分 に も ま ね で き る 」
女 が 百 合 と な っ て 会 い に 来 た ・ ク ラ イ マ ッ ク ス
・ 結 末 「 気 付 く 」 明 治 の 木 の 中 に 仁 王 は い な い
・ 結 末 「 気 付 く 」
ス ト ー リ ー ス ト ー リ ー
男 が 永 遠 の 愛 を 信 じ る 運 慶 の 彫 刻 は す ば ら し い
↓ ↓
疑 う 自 分 に も で き る
↓ ↓
信 じ る 自 分 に は で き な い
時 代 が 芸 術 を 生 む ( ← → 芸 術 が 時 代 を 生 む )
対 比 構 造 対 比 構 造
永 遠 の 愛 を 信 じ る 鎌 倉 の 芸 術 作 品
↑↓ 価 値 が 高 い ・ 普 遍 的
永 遠 の 愛 を 信 じ な い 掘 る ( 無 作 為 )
運 慶 ・ 仁 王
明 治 の 芸 術 作 品
価 値 が 低 い
作 る ( 作 為 )
自 分 ・ 明 治 の 木
夢 十 夜 ワ ー ク シ ー ト 模 倣 文 「 私 の 第 ○ 夜 」夢 十 夜 ワ ー ク シ ー ト 模 倣 文 「 私 の 第 ○ 夜 」夢 十 夜 ワ ー ク シ ー ト 模 倣 文 「 私 の 第 ○ 夜 」夢 十 夜 ワ ー ク シ ー ト 模 倣 文 「 私 の 第 ○ 夜 」
( ) 組 ( ) 番 氏 名 ( )
第 一 夜 の 模 倣 文 第 六 夜 の 模 倣 文
・ 冒 頭 は 「 こ ん な 夢 を 見 た 」 に す る 。 ・ 冒 頭 は 「 こ ん な 夢 を 見 た 」 に す る 。、 、
・ 発 端 は 「 約 束 さ せ ら れ る 」 ・ 発 端 は 「 芸 術 に 感 動 す る 」
・ 展 開 は 「 約 束 を 守 る 「 約 束 を 疑 う 」 ・ 展 開 は 「 芸 術 家 の ま ね は で き な い 」」
・ ク ラ イ マ ッ ク ス 「 自 分 に も ま ね で き る 」
・ 結 末 は 「 気 付 く 」 ・ ク ラ イ マ ッ ク ス
・ 結 末 は 「 気 付 く 」
私 の 第 ( ) 夜私 の 第 ( ) 夜私 の 第 ( ) 夜私 の 第 ( ) 夜
( 冒 頭 )
( 発 端 )
( 展 開 )
( ク ラ イ マ ッ ク ス )
( 結 末 )