植物の繁殖戦略の解析 - u-toyama.ac.jp3-4人:こちらで指定する)ごとに、...
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生物圏機能実験:担当石井
植物の繁殖戦略の解析
実習のポイント1) 植物の繁殖に関わる形質を計測し
状況に応じた植物の戦略を考察する。2) 自分たちで採ったデータを統計学的手法を
用いて解析する。
2020年は新型コロナウイルスの為、自分たちでデータを
採ることができません。そこで、昨年以前の先輩たちが採ったデータを用いて解析や考察を行うこととします。
このスライド資料は、どのようにデータを採っているのかを解説したものです。
キクザキイチゲの花アロメトリーの解析
両性花における性投資量はどのように決まっているのか?
※アロメトリー:相対成長にもとづく非比例的成長関係をあらわす語
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キクザキイチゲ Anemone pseudoaltaica
クロンキスト分類体系:キンポウゲ目キンポウゲ科イチリンソウ属APG植物分類体系:キンポウゲ目キンポウゲ科イチリンソウ属
近畿地方以北~北海道に分布。落葉広葉樹林の林床などに生育する。
春先に花を咲かせ、落葉広葉樹の展葉が終わる頃には地上部は枯れてなくなる。その後は翌春まで地中の地下茎で過ごす。いわゆるスプリング・エフェメラル。
http://homepage2.nifty.com/hanapapa/index.htm
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キクザキイチゲ Anemone pseudoaltaica
http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/diary/allmon.html
キンポウゲ科の特徴として、雄しべは多数、雌しべも複数ある。一つの雌しべは一枚の心皮で構成されている。イチゲ属の場合、ひとつの雌しべに一つの胚珠しかない。
雌雄への投資量の個体差を簡単に評価できる。 4
雄しべ
雌しべ
キクザキイチゲ Anemone pseudoaltaica
繁殖個体の場合、総苞葉は3枚つく。葉は2回3出羽状複葉(にかいさんしゅつ・うじょうふくよう)。
葉は、葉柄と葉身で構成される。
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調査場所
実習室(あらかじめ採取してある個体を用いる)
持ち物・注意点
・虫眼鏡かルーペ(必須ではないがあると便利)・筆記用具(各自準備)・ノギス(こちらで準備)・ピンセット(こちらで準備)
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調査方法
キクザキイチゲに関し、以下の9項目を計測する( 1人あたり2,3個体)。
①根元から葉柄のつけ根までの長さ<葉柄基部高>②葉柄(基部から3枚に分かれている場所まで)の長さ(3枚とも計測)③葉身の長さ(3枚とも計測)④花柄の長さ⑤花被片の枚数⑥花被片の長さ(5枚の花被片をランダムに選びその平均値を用いる)⑦花被片の幅(5枚の花被片をランダムに選びその平均値を用いる)⑧柱頭の数⑨雄蕊の数
3枚の葉のうち、損傷しているものがあった場合は、残りの葉の値を平均し、その旨を備考欄に書き込む。同様に、健全な花被片を5枚選べなかった場合は、4枚の花被片の値を平均し、その旨を備考欄に書き込む。
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http://www.plantsindex.com/plantsindex/demo_html/demo_db/result17560.htm
http://naturelog.main.jp/plants367.html
葉柄基部高
花柄
葉柄葉身
雄しべ
雌しべ
花被片
キクザキイチゲ用の記録用紙
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個体番号 葉柄基部高 葉柄1 葉柄2 葉柄3 葉身1 葉身2 葉身3No stem_height leaf_stem1 leaf_stem2 leaf_stem3 leaf_body1 leaf_body2 leaf_body3
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花柄 花被片数 花被片長1 花被片長2 花被片長3 花被片長4 花被片長5No flower_stem no_perianth length_perianth1 length_perianth2 length_perianth3 length_perianth4 length_perianth5
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花被片幅1 花被片幅2 花被片幅3 花被片幅4 花被片幅5 柱頭数 雄蕊数No width_perianth1 width_perianth2 width_perianth3 width_perianth4 width_perianth5 no_pistil no_anther
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長さの単位は [mm]
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左の0は17と18の間
左の7.5が、右の線と一致
17.75mm
マムシグサの個体サイズと繁殖の関係
マムシグサの性はどのように決まっているのだろうか?
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マムシグサ Arisaema serratum
クロンキスト分類体系:サトイモ目サトイモ科テンナンショウ属APG植物分類体系:サトイモ目サトイモ科テンナンショウ属
明るい森林や谷沿いのやや湿った場所に生育する。
テンナンショウ属のなかで、マムシグサ類と呼ばれるグループは、地域によって形態差がある。(研究者によって異種・亜種・地域変異と、分類する立場がやや異なる)
実習で用いる呉羽山の個体群は、おそらくコウライマムシグサと呼ばれるタイプ。
http://www22.ocn.ne.jp/~tamukai/kouraite.html 12
マムシグサ Arisaema serratum
Newton 植物の世界より
有性個体の第1葉
有性個体の第2葉
無性個体の葉
偽茎(葉柄)
偽茎(葉柄+花柄)
仏炎苞
球茎
根
有性個体の葉は2枚無性個体の葉は1枚。それぞれの葉は、複数の小葉と葉柄から構成される。
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マムシグサ Arisaema serratum
http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/index.html
雌花序
雄花序
付属体
有性個体には雌個体と雌個体がある
キノコバエ(ポリネーター)
雌の仏炎苞には隙間がない
雄の仏炎苞には隙間がある
Newton 植物の世界より14
マムシグサ Arisaema serratum
Newton 植物の世界より
種子は鳥によって散布される
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調査場所
呉羽山(歩いて行く)
持ち物・注意点
・雨具(雨が降りそうな場合:各自準備)・歩きやすい靴(長靴や登山靴を推奨:各自準備)・筆記用具(各自準備)・クリップボード又は下敷き(各自準備)・ノギス(こちらで準備)・油性マジック(こちらで準備)
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班(3-4人:こちらで指定する)ごとに、無性個体5以上、雄個体3以上、雌個体1以上計10個体以上選び、以下の項目を記載、計測する。※無性個体と雄個体は、なるべくサイズに偏りが生じないようまんべんなく選ぶ
(計測に用いた個体は、他の班が再び計測に用いないよう、油性マジックで葉の一部に印を付ける。)
①性(無性or雄or雌)➁基部直径(偽茎の根本部分の太さ)③小葉数の数(有性個体の場合、2枚の葉それぞれを数える)
④最も長い小葉の長さ⑤有性個体の場合、仏炎苞の最大幅⑥仏炎苞の中に羽虫(キノコバエ)が何匹入っているか。
調査方法
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仏炎苞の最大幅
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マムシグサ用 記録用紙(各班に配ります)
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班 番号 性(N, M, F) 基部直径(mm) 小葉長 小葉数 仏炎苞の最大幅 羽虫の数 備考groupe No sex base_diameter no_small_leaf_total length_small_leaf width-bract no_fly note
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