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33
線形空間 線形空間 第7回 第7回 1 1 次(線形)独立と 次(線形)独立と 1 1 次(線形)従属 次(線形)従属

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線形空間線形空間

第7回第7回

11次(線形)独立と次(線形)独立と

11次(線形)従属次(線形)従属

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線形空間の定義線形空間の定義

「加法」と「スカラー倍」が定義されている集合「加法」と「スカラー倍」が定義されている集合

簡単な例

⎭⎬⎫

⎩⎨⎧

∈⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛== 2

212

12 , Rxxxx

xR r線形空間である

⎭⎬⎫

⎩⎨⎧

≤≤−⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛== 1,1 21

2

1 xxxx

xV r 線形空間ではない

理由

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このVが線形空間でない理由はこのVが線形空間でない理由は

-1

-1

1

1

⎭⎬⎫

⎩⎨⎧

≤≤−⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛== 1,1 21

2

1 xxxx

xV r

V∈⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛1.07.0

,3.05.0

V∉⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛=⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛+⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛3.02.1

1.07.0

3.05.0

Vには、全ての元の組に対して和が定義されているわけではない

Vには、全ての元の組に対してスカラー倍が定義されているわけではない

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「加法」と「スカラー倍」「加法」と「スカラー倍」

加法についての公理

( ) ( )

( )

つ存在する唯

が逆元を満たす

つ存在しが唯零元

1)(0)4(

00

10)3(

)2()1(

,,

Vxxxxx

xxx

Vx

xyyxzyxzyx

Vzyx

∈′=+′=′+

=+=+

∈∀∃

+=+++=++

rrrrrr

rrrrr

rr

rrrr

rrrrrr

rrr

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「加法」と「スカラー倍」「加法」と「スカラー倍」

スカラー倍についての公理

( )( )( ) ( )

xxxbaxab

xbxaxbayaxayxa

CorRKbaVyx

rr

rr

rrr

rrrr

rr

==

+=++=+=∈∈

1)4()3()2()1(

,,,

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線形空間の例線形空間の例

空間ベクトル空間ベクトル

線形漸化式線形漸化式

多項式多項式

常微分方程式常微分方程式

⎪⎭

⎪⎬

⎪⎩

⎪⎨

⎧∈

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛== 3

321

3

2

13 ,, Rxxx

xxx

xR r

{ } ( ){ }L,2,1032 12 ==+−= ++ nxxxxV nnnn

( ) ( ){ }2,1,0012

2 =∈++== iRaaxaxaxfV i

{ }023 =+−′′= yyyV

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ベクトルのベクトルの11次結合次結合

有限個のn 項 ベクトル maaa rL

rr ,,, 21

から加法とスカラー倍で生成されるベクトル

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=

ni

i

i

a

aa Mr

1

mmacacac rL

rr+++ 2211

をベクトルの一次結合という

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11次結合の例次結合の例

ar3arbr

br

2

barr 23 +

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11次結合の例次結合の例

任意のベクトル は基本ベクトルar ( )niei ,,2,1 Lr

=を用いて

nneaeaeaa rL

rrr+++= 2211

と一意的に表すことができる。

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11次(線形)関係式次(線形)関係式

ベクトルのベクトルの11次結合が零(0)ベクトルになったとき次結合が零(0)ベクトルになったとき

02211

rrL

rr=+++ mmacacac

このような式をこのような式を11次(線形)関係式という次(線形)関係式という

maaa rL

rr ,,, 21 がVのどんな元であっても線形関係はがVのどんな元であっても線形関係は

少なくとも1つ存在する少なくとも1つ存在する 021 ==== mccc L

これを自明なこれを自明な11次関係式という次関係式という

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22律排反律排反

自明な自明な11次関係式のみである次関係式のみである

自明な自明な11次関係式以外にも次関係式以外にも11次関係式が存在次関係式が存在

する。つまりする。つまり

どちらであるかによってベクトルの集合に対する性質に重要な差異が生ずる

( ) ( )0,,0,0,,, 21 LL ≠∃ mccc

0rr

≠∃c

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11次(線形)独立とは次(線形)独立とは

自明な自明な11次関係式しか存在しない次関係式しか存在しない

02211

rrL

rr=+++ mmacacac

をみたすのはをみたすのは

021 ==== mccc L

のときのみであるときのときのみであるとき maaa rL

rr ,,, 21

はは11次(線形)独立次(線形)独立であるというであるという

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11次(線形)従属とは次(線形)従属とは

自明な自明な11次関係式以外にも次関係式以外にも

02211

rrL

rr=+++ mmacacac

をみたすをみたす

が少なくとも1つ存在するときが少なくとも1つ存在するとき maaa rL

rr ,,, 21

はは一次(線形)従属一次(線形)従属であるというであるという

( ) ( )0,,0,0,,, 21 LL ≠mccc

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例例1 11 1次独立;次独立;11次従属次従属

0rr

=a

自身自身11個で個で11次独立次独立

01rr

Q =a

0rr

≠a

が一次従属が一次従属

00 =⇒= cacrr

Q

nRba ∈rr, aborba rrrr μλ ==⇔

( ) ( )

aab

bba

ba

rrr

rrr

rrr

μβαβ

λαβα

βαβα

≡−=⇒≠

≡−=⇒≠

≠=+

0

0

0,0,,0

自身自身11個で個で11次従属次従属

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例例2 12 1次独立;次独立;11次従属次従属

基本ベクトル基本ベクトル neee rL

rr ,,, 21 11次独立である次独立である

たとえばたとえば 21,ee rrがが11次独立であるかどうか考える次独立であるかどうか考える

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛=⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛=⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛+⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

=+

00

10

01

0

2

121

2211

cc

cc

ececrrr

neee rL

rr ,,, 21も同様も同様

直行していれば互いに直行していれば互いに11次独立である次独立である

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例例3 13 1次独立;次独立;11次従属次従属

も基本ベクトルなのでも基本ベクトルなので11次独立次独立

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

100

,010

,001

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

010

,001

は基本ベクトルなのでは基本ベクトルなので11次独立次独立

定理A定理A 1次独立なベクトルの組から選んだ1次独立なベクトルの組から選んだ任意個のベクトルは任意個のベクトルは11次独立となる次独立となる

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例例4 14 1次独立;次独立;11次従属次従属

も線形独立も線形独立

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

101

,110

,011

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

110

,011

は線形独立は線形独立

1次独立な3つベクトルの組から選んだ2つのベクトルは1次独立な3つベクトルの組から選んだ2つのベクトルは11次独立次独立

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例例5 15 1次独立;次独立;11次従属次従属

とおくとおく

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

101

,110

,011

がが11次独立であることの証明次独立であることの証明

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛+

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛+

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

000

101

110

011

321 ccc

⎪⎩

⎪⎨

===

⇔⎪⎩

⎪⎨

=+=+=−

⇔⎪⎩

⎪⎨

=+=+=+

000

000

000

3

2

1

32

21

21

32

21

31

ccc

cccccc

cccccc

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例例5 15 1次独立;次独立;11次従属次従属

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

022

,011

は一次従属であるは一次従属である

も一次従属であるも一次従属である

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

011

2022

Q

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

101

,022

,011

定理B定理B 11次従属なベクトルの組にベクトルを付け加える次従属なベクトルの組にベクトルを付け加える

何個付け加えても、付け加えてできるベクトルの組何個付け加えても、付け加えてできるベクトルの組はは11次従属になる次従属になる

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定理の証明定理の証明

1次従属な

ベクトルの集合

ベクトル 1次従属な

ベクトルの集合

maaa rL

rr ,,, 21 は一次従属であるとするは一次従属であるとする

02211

rrL

rr=+++ mmacacac

( ) ( )0,,0,0,,, 21 LL ≠mccc

02211

rrrL

rr=++++ acacacac mm

( ) ( )0,0,,0,0,,,, 21 LL ≠cccc m

0=c としてもとしても

となるようにできるとなるようにできる

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例例6 16 1次独立;次独立;11次従属次従属

は一次従属であるは一次従属である

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

101

,110

,011

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−+

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛+

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

000

101

110

011

) 321 cccQ とおくとおく

321

32

21

31

000

ccccccccc

=−=⇔⎪⎩

⎪⎨

=+=+=−

とできる

とすれば

0

0,11

1

3

2

1

rr

r

≠⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−=

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=

c

kkccc

c

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定理A、Bを簡潔に書くと定理A、Bを簡潔に書くと

( ) 次従属は次従属が 1,,,1,,, 2121 ml aaamlaaa rL

rrrL

rr⇒<

( ) 次独立も次独立が 1,,,1,,, 2121 mlaaaaaa lm <⇒r

Lrrr

Lrr

定理A

定理B

定理Aは定理Bの対偶である

A Bの対偶は、 !B !A

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例7例7 11次独立;次独立;11次従属次従属

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

110

,011

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

101

,110

,011

101

110

,011

を付け加えたに

はは11次独立である次独立である

はは11次従属となる次従属となる

実際実際

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−+

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

000

101

110

011

とできる。変形するととできる。変形すると

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−

011

110

101

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これを一般化してみるとこれを一般化してみると

は1次独立21,aa rr

を付け加えると3ar

は1次従属となった321 ,, aaa rrr

11次従属であるから次従属であるから

)0,0,0(),,(,0 321332211 ≠==++ ccccacacac rrrrr

とできとでき

次関係式のみ自明な102211

rrr=+ acac

としてよい03 ≠c

221123

21

3

13 acaca

cca

cca rrrrr ′+′≡−−=

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問題問題

1.1. 11次従属・1次独立の判定次従属・1次独立の判定 22dim,3dimdim,3dim2.2. 11次結合で表す次結合で表す 2dim,2dim, 3dim3dim

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おまけおまけ

ベクトルの組が1次独立か1次従属かベクトルの組が1次独立か1次従属か

ベクトルを並べて作られる行列の行列式でベクトルを並べて作られる行列の行列式で判定できる判定できる ただしただし((ベクトルの項数ベクトルの項数)=()=(ベクトルの数ベクトルの数))

行列式が0なら一次従属行列式が0なら一次従属

行列式が0でなければ1次独立行列式が0でなければ1次独立

その理由については、行列を詳しく扱うときにその理由については、行列を詳しく扱うときに述べる述べる

ここでやったことは連立1次方程式が自明な解を持ここでやったことは連立1次方程式が自明な解を持つかどうかで判定したが、実はそれと関係があるつかどうかで判定したが、実はそれと関係がある

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教科書の例題4.1では教科書の例題4.1では

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛−=⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛−

=12

8,

32

barr ( ) ⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛−

−=

12382

barr

0)3()8(122123

82=−⋅−−⋅=

−−

=barr

行列式 11次従属次従属

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛−=

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛=

001

,862

,234

cba rrr ( )⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

⎛ −=

082063124

cba rrr

121224082063124

=−=−

=cba rrr行列式 11次独立次独立

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空間幾何ベクトル空間幾何ベクトル

幾何ベクトルが1次独立かでないかを調べるとき,

スカラー三重積を使うと簡単に調べられます

( )cbacbacba rrrrrrrrr×⋅== ][行列式

定理:幾何ベクトルA,B,Cが1次独立になるための必要十分条件は、スカラー3重積、

( ) 0≠×⋅ cba rrr

である。

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証明証明

スカラー3重積は、平行6面体の体積である。

従って、

( ) 0=×⋅ cba rrr

は、 cba rrr ,, が同一平面上にあることと同値である。

cba rrr ,, が同一平面上にあれば、

bacrrr βα +=

と書ける。よって、 cba rrr ,, は一次従属である。

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練習問題練習問題

( ) ( ) ( )について2,2,4,1,1,2,3,2,1 =−=−= CBA

( )( )

調べよ1次独立か1次従属か(4)

を求めよ(3)

(2)

(1)

BAC

BACBA

××

×⋅

×

( ) ( ) ( )について2,2,4,1,1,2,3,2,1 =−=−= CBA

( )( )

調べよ1次独立か1次従属か(4)

を求めよ(3)

(2)

(1)

BAC

BACBA

××

×⋅

×

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解答解答

(2)より1次独立

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練習問題練習問題22{ }kjijikji 362,310,34 +−−+−は1次独立か1次従属か調べよ.

スカラー3重積を用いて調べる.

( ) ( ) ( )1,0,0,0,1,0,0,0,1 === kji

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練習問題練習問題33幾何ベクトルA, Bが1次独立であるための必要十分条件は

であることを示せ

0BA =×