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─ 25 ─ 〈研究論文〉 〈研究論文〉 英語による学修(EMI)の現状 ─EMI準備講座の動機づけ調査から─ 同志社大学 全学共通教養教育センター助教  小島直子 要約 本稿では日本の大学において急速な広がりを見せている、言語の学習を主たる目的 としない英語による開講講座(English as a Medium of Instruction, 以下EMI)の現 状とその問題点を探った。EMI準備講座履修生への質問紙及び面接調査を行い、EMI では英語学習動機づけと科目学習動機づけの間に正の相関がある可能性、科目に関す る予備知識と英語学習動機づけがEMIにおける学習動機づけに影響している可能性が 示唆された。 1. 問題の所在と研究の目的 1.1. はじめに 急速なグローバル化に伴い、大学の国際化は高等教育において最も重要な課題の一 つとなり、その一環として授業と課程の英語化が加速している(Ota, 2011)。授業と 課程の英語化はヨーロッパで既に1950年代に始まっていたが、スウェーデン、デン マーク、トルコなど限られた地域における大学院レベルで主に取り入れられていた (Coleman, 2006)。しかし、2000年以降、グローバル化と共に英語が世界共通語とし て使用されるようになったことから、全世界で学部レベルにおいても急速に広がった (Airey & Linder, 2008; Ota, 2011)。日本の大学においても、2000年以降グローバル 人材育成の一環として授業及び課程の英語化が促進されている(Ota, 2011)。しかし、 日本のEMIにおける実証研究はまだ行われておらず、本稿ではEMIの現状理解とその 問題点を検討する。 1.2. English as a Medium of Instruction EMIとは、英語が母語でない国や地域において科目教育を英語で行うことである。 ここでは、Dearden(2014)の以下の定義を引用する。

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第一部 

研究論文・実践報告

〈研究論文〉〈研究論文〉英語による学修(EMI)の現状─EMI準備講座の動機づけ調査から─

同志社大学 全学共通教養教育センター助教  小島直子

要約

本稿では日本の大学において急速な広がりを見せている、言語の学習を主たる目的としない英語による開講講座(English as a Medium of Instruction, 以下EMI)の現状とその問題点を探った。EMI準備講座履修生への質問紙及び面接調査を行い、EMIでは英語学習動機づけと科目学習動機づけの間に正の相関がある可能性、科目に関する予備知識と英語学習動機づけがEMIにおける学習動機づけに影響している可能性が示唆された。

1. 問題の所在と研究の目的

1.1. はじめに急速なグローバル化に伴い、大学の国際化は高等教育において最も重要な課題の一

つとなり、その一環として授業と課程の英語化が加速している(Ota, 2011)。授業と課程の英語化はヨーロッパで既に1950年代に始まっていたが、スウェーデン、デンマーク、トルコなど限られた地域における大学院レベルで主に取り入れられていた

(Coleman, 2006)。しかし、2000年以降、グローバル化と共に英語が世界共通語として使用されるようになったことから、全世界で学部レベルにおいても急速に広がった

(Airey & Linder, 2008; Ota, 2011)。日本の大学においても、2000年以降グローバル人材育成の一環として授業及び課程の英語化が促進されている(Ota, 2011)。しかし、日本のEMIにおける実証研究はまだ行われておらず、本稿ではEMIの現状理解とその問題点を検討する。

1.2. English as a Medium of InstructionEMIとは、英語が母語でない国や地域において科目教育を英語で行うことである。

ここでは、Dearden(2014)の以下の定義を引用する。

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“The use of the English language to teach academic subjects in countries or jurisdictions where the fi rst language of the majority of the population is not English” (Dearden, 2014, p.4)

Dearden(2014)によると、CLIL(Content and language integrated learning)と比較して異なる点は以下の3点である。まず、CLILが ヨーロッパの複言語主義政策の一環として始まった取り組みであるのに対し、EMIはそのような背景を持たない。次に、CLILでは言語と科目の両方を教えることが目的であるのに対し、EMIでは 必ずしも言語を教えるということは目的に含まれていない。最後に、CLILは使用される言語は英語とは限らないがEMIでは英語に限定されている。

日本においてEMIは主に大学で行われる、日本語を使用せず、英語学習を主な目的としない授業である(MEXT, 2014)。EMIでは学生は科目学習を英語で行うことにより、科目に関する知識と授業で求められる英語力の両方を身につけることが可能になると想定された。英語が国際的な言語としての地位を確実なものとすると同時に、この教育的効果に大きな期待が寄せられ、日本におけるEMIは2000年以降、急速な広がりを見せている(Morizumi, 2015; Ota, 2011)。その広がりは明らかで、2008年には7大学8学部のみで可能であったEMIのみで卒業できる学士課程の数は、2013年には19大学38学部まで増加した。また、学部レベルでEMIを取り入れている大学数は2007年では176大学であったが、2013年には全体の36%にあたる262大学にまで増加した。2014年に文部科学省から発表されたスーパーグローバル大学創生事業では、EMIのみで卒業できる学士課程の設置及びEMIの授業数が評価基準の一つとして取り入れられたことからも、今後もこの増加傾向は続くと考えられる(MEXT, 2014; Ota, 2011)。その一方で、英語圏における調査でも英語を母語としない学生が現地の学生と科目を共修するためには、TOEFLなどのテストにおける高得点以外にも様々なスキルが求められることが報告されており、英語で科目を学修することの困難さと複雑さが明らかとなっている(Fox, Cheng, & Zumbo, 2014; James, 2012)。英語圏外で行われてきたEMIもその実践開始から10年程度が経過し、学生の英語力の差による学びの格差、教員への過剰な負荷、学生と教員間のコミュニケーションの難しさなど、現場の混乱がアジア諸国における調査で報告され始めている(Chen, 2010)。 しかし、日本におけるEMIに関する実証研究はまだ行われておらず、実際の教育実践の現状やその実践効果は明らかになっていない。

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1.3. 研究の目的本研究の目的はEMI準備講座の現状とその問題点を学生の動機づけの視点から理解

することである。本研究者が関わった実践報告(小島・佐藤・Hamciuc, 2012)では学期の途中で履修者の半分以上が授業への参加を放棄してしまっていることからEMIの現状とその問題点を明らかにするためには、学生の動機づけを正確に理解することが重要ではないかと考え、本稿ではEMI準備講座履修生の動機づけ、特に彼らの動機づけが高まった時や失った時を探りEMIの現状理解と問題点を探った。

2. 研究の背景

2.1. 本研究における理論的背景動機づけとは 「人間がある行動を選択し、それをやり続ける、そのためにどの程度

時間やエネルギーを費やすかということに関連する要因を表す概念」(八島, 2003, p.47)であり、学習動機は少なくとも適性と同程度重要であると考えられている(Gardner, 1985)。Dörnyei(2001)によると、その行動をなぜ行うのか、どのくらいの期間その行動を自らの意志で継続させることができるのか、どの程度の労力を費やして続けることができるのか、という問いに関係する概念である。そして、動機づけは社会的環境によって発達したり、衰退したりする(Deci & Ryan, 1985)。外国語教育における動機づけに関する研究はその重要性から、数多く行われてきた(Ryan, 2009; 廣森・田中, 2006; Dörnyei, 1998)。その中でも、近年、学生が外国語使用者としてのなりたい自己がより明確に描けているかどうかが外国語学習動機づけに影響するとしたThe L2 motivational self system(Dörnyei, 2005)が多くの研究で使用されている(Henry, 2015; Malcom, 2013; Taguchi, Magid & Papi, 2009)。

グローバル人材育成の一環として始まったEMIにおいて、学生が将来、英語使用者としてのなりたい自分をどれだけ明確かつ詳細に思い描くことができているかどうかは、EMIにおける学習動機づけの高さに影響するのではないかと考え、本研究では、動機づけの強さと、The L2 motivational self system(Dörnyei, 2005)を理論的基盤として用い調査を行った。以下The L2 motivational self systemについて説明する。

The L2 motivational self system(Dörnyei, 2005)はL2理想自己、L2義務自己とL2 learning experienceの3つの概念から構成されている。L2理想自己とは外国語話者としてのなりたい自己概念であり、この第二言語話者としてのなりたい自分をより明確に描けている学習者ほど、外国語学習動機づけが高まると考えられている(Dörnyei,

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2005)。L2義務自己とは、ならなければならない自己像を象徴しており、他者の価値観に基づいた自己像を表している傾向がある。否定的な結果を避けるために第二言語学習を行うといったような動機づけがこれに当てはまる(Dörnyei, 2005)。L2 learning experienceは第二言語学習環境や最近の第二言語学習経験を指し、これらが、外国語学習動機づけに影響すると考えられている(Dörnyei, 2005)。

The L2 motivational self systemを使用した日本人学習者を対象にした先行研究においても妥当性が認められており、これらの先行研究では理想自己と英語学習動機づけの間に正の相関があることが報告されている(Nishida, 2013; Maekawa & Yashima, 2012; Ryan, 2009)。

3. 研究方法

3.1. 調査対象者と調査場所本研究の調査対象者は、国際関係学のEMI準備講座を履修していた日本人の文系大

学生44名である。全ての学生は社会学、観光学または経済学などを専攻しており、英語学や英文学などを専攻している学生はいなかった。彼らが所属する大学は、文系2学部から構成されており、日本では数少ない日・英を大学の使用言語と位置づけているバイリンガル大学である。

その特徴としては、学部授業の約80%を日・英の2言語で開講していること、学生の約40%が留学生であること、入学試験が日本語または英語から選択可能であることなどが挙げられる。日本語で入学試験を受けた学生(以下日本語基準の学生)は卒業必須要件としてEMIから20単位を履修することが課せられている。日本語基準の学生はその20単位のうち最大6単位までを通常のEMI(以下通常のEMI)を履修するための準備を行う授業(以下EMI準備講座)から履修することが可能であり、本調査はそのEMI準備講座にて行った。

EMI準備講座と通常のEMIとの違いは、日本語基準の学生のみを対象とした授業であること、担当教員が非英語母語話者であること、通常のEMIよりも早い段階から履修が可能なことであるi。大学は英語が苦手な学生、通常のEMIを履修する上で不安を抱えている学生への支援として位置付け、2012年度にEMI準備講座を開設した。その一方で、 EMI準備講座と通常のEMIには多くの共通点も見られる。 例えばEMI準備講座でも通常のEMI講座と同様、教科書から授業実践まで日本語が全く使われていないこと、語学教員ではなく、科目担当教員が担当していること、 授業スタイルが100名

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以上履修可能な大講義であること、学生の英語レベルが統一されていないことなどがあげられる。加えて、EMI準備講座全体で統一されたカリキュラムが存在するわけではなく、半期のEMI準備講座を経て学生が身につけるべき英語力やスキルの設定は各EMI担当教員に一任されている。これらの理由からEMI準備講座における調査であっても通常のEMIの現状と問題点を探るのに十分であると判断し、本調査をEMI準備講座にて行った。

3.2. 質問紙と面接本研究では、EMI準備講座を履修している学生の傾向を知るための質問紙調査と質

問紙調査の回答をより詳細に理解するための面接調査を実施した。質問紙調査は国際関係学のEMI準備講座を担当している教員より協力を得て、2014年7月に春学期最後の授業内で実施した。面接調査は2014年8月に質問紙に回答した学生の中から面接への協力に内諾を得た5名に対して行った。以下、質問紙、面接の順にその詳細を述べる。まず質問紙はEMI準備講座及びEMI担当教員2名、EMI準備講座受講生1名へのインタビューをもとに本研究者が作成した項目と先行研究からの引用とを合わせて作成した。回答選択式項目と自由記述を含む全部で35項目、3つのパートから構成した。

パート1はRyan(2009)が行った調査で使われた英語学習動機付けの項目を7つ引用し(Cronbach’ α.80)、4件法を使用した(例:英語習得のためによく努力する方だ)。

パート2は 本研究者が作成した項目を使用した。まず、EMI準備講座を履修した理由(例:通常の英語開講より簡単そうだったから)とEMI準備講座の中でもこの科目を履修した理由(例:他のEMI準備講座より簡単そうだったから)を聞くための4項目を作成し、3件法を使用した。EMI準備講座受講前と比べて、 EMIや英語学習に対する意識の変化 についての明らかにするための質問を5項目作成し、3件法を使った

(例:英語力に対する自信を失った・変わらない・英語力に対する自信がついた )。加えて、このEMI準備講座のための週の平均自主学習時間、授業理解度、授業に出席することをやめようと思ったことがあるかどうかとその理由、最後まで出席した理由、今後EMIを履修する上での不安の有無とその内容などを知るための項目を作成し、選択回答式と自由記述で聞いた。

パート3はRyan(2009)が行った調査で使われたL2理想自己の尺度から5項目引用し(Cronbach’ α.84)、4件法を使用した(例:将来のやりたいことのためには英語を話すことが必要である)。質問紙に調査結果は統計的に処理及び分析されること、彼らの成績には一切関係しないこと、質問紙への回答は任意であることを明記し、さ

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らに同様の内容を調査実施時にも説明した上で、無記名で行った。加えて質問紙実施時に内諾を得た5名を対象に行った面接調査について説明する。

面接調査を内諾した調査対象者は質問紙実施後、メールで直接本研究者と日程調整を行った。面接当日に調査目的と協力依頼の文書について説明をした上で同意を得られた場合にのみ実施した。面接は各20分から50分程度で前半は構造化面接を行い、質問紙の記入漏れのチェックや質問紙の回答内容について説明を加えてもらった。後半は半構造化面接を行い、EMI準備講座及び通常のEMI(以下、この二つの講座を同時に指す場合にはEMIとする)における経験やEMIに対する思いを語ってもらった。

3.3. 分析方法まず、質問紙のパート1とパート3はSPSS Ver. 23を用いた。パート2の自由記述

はKJ法(川喜田, 1970)の一部を使用し、以下の手順で分析を進めた。1) 学生の自由記述をラベル化し2)似ているラベル同士をグループ化し、3)有効回答数を定量化した。

次に面接データは調査協力者の許可を得て録音し、逐語的にまとめた。

4. 結果と考察

4.1. 質問紙結果調査対象者全体の傾向を明らかにするためにパート1、パート2の一部及びパート

3である英語学習動機づけ、L2理想自己、週の平均自主学習時間、授業理解度の平均値と標準偏差を求めた(表1・表2)。 加えて、これらの相関関係を調べたところ、 L2理想自己と週の学習時間の間には弱い正の相関が(r = .37, p< .05)、 英語学習動機づけとL2理想自己の間には比較的強い正の相関(r = .62, p< .001)があることがわかった。

表1 英語学習動機づけ、L2理想自己の平均と標準偏差

平均(標準偏差)英語学習動機づけ 2.86(.59)L2理想自己 3.36(.65)

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表2 週の平均自主学習時間と授業理解度の平均と標準偏差

平均(標準偏差)週の平均自主学習時間(分) 72.79(65.07)授業理解度(%) 46.63(18.67)

さらにパート2の自由記述では、66%の学生がこのEMI準備講座に来ることをやめようと思ったことがあると回答した。その理由としては、「授業が難しすぎる、理解できない」が有効回答数34のうち68%を占めていた。それでも最後まで出席した理由としては「単位のため」が有効回答数54のうち43%で最も多く、「途中で投げ出したくなかった」が次いで26%であった。加えて、今後EMIを履修する上で心配していることや不安に思っていることがあると答えた学生は86.4%に上った。またこのEMI準備講座を履修したことにより、EMI対する不安が強まったと答えた学生は47.7%にであった。学生が抱える不安の詳細については「授業が理解できないことに対する不安」が有効回答数44のうち61%で最も多かった。他には課題がこなせるかどうか、留学生とのコミュニケーションがとれるかどうかに対する不安が報告された。

4.2. インタビュー結果次に、面接結果について述べる。名前は全て仮名であり、共通して聞いた項目につ

いては表3にまとめた。面接では、全ての学生が英語学習及び科目学習の両方の視点から、EMIにおける経験や思いを表現したため、彼らが英語学習または科目学習のどちらにより価値を置いているか、EMIに対する思い、そしてEMI教員に期待することの3点について表に加えて一人ずつ補足説明する。

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表3  面接で共通して聞いた内容の結果調査協力者 Yoshiki Shinji Orie Wakana Ikuko性別 男 男 女 女 女学年 3 2 2 1 2TOEFL ITPのスコア 470 483 510 557 490

英語圏への渡航経験

1年間の語学留学 特になし 1週間の

ホームステイ2ヶ月弱の語学留学

2ヶ月間の語学留学

EMI準備講座を履修した理由

単位のため英語力向上のため

単位のため通常のEMIの準備のため

専門的な知識を得るため通常のEMIに対する不安を解消するため

開講時間が良かったため単位のため

通常のEMIの準備のため

週の自主学習時間 1時間 4時間 1時間 ほとんどしない 4時間

EMIで嬉しかったこと

クイズでいい点が取れたこと苦手なライティングが練習できたことグループワークが多いこと

勉強した結果クイズの点数が上がったこと

専門知識が得られたこと専門用語を簡単な単語で言い換えてくれたことノートが取りやすかったこと授業の資料がオンライン学習システムから入手できたこと

最後まで出席したことを教員が褒めてくれたこと

友達と一緒に勉強できたこと英語力が向上したのを実感できたこと

EMIで辛かったこと

内容が特殊で今後、役に立つか疑問だったこと暗記力が求められるテストで、勉強する目的がわからなかったこと

勉強してもクイズの点が上がらなかったこと語彙が難しく、量も多かったこと

教室の雰囲気が常にピリピリしていたことやる気のない学生が多かったこと最初、授業が全く理解できなかったこと

時間をかけても内容理解が進まなかったこと科目の予備知識がなく、授業が全く理解できなかったことどう頑張れば良いかわからない程、難しかったこと

教員の言っていることが半分くらいしか理解できなかったこと予習を頑張っても内容理解が進まなかったこと

【Yoshikiのケース】Yoshikiは英語学習により価値をおいている学習者であった。彼は特に就職後に役立

つ知識及び英語力を獲得したいと考えていたため、科目内容は専門的すぎない方が良いと考えていた。さらに、彼は就職後に英語を使う機会はメールによるコミュニケーションや書類のやりとりに限られていると感じており、スピーキング・リスニングよりも、リーディング・ライティング力を伸ばしたいと考えていた。その一方で、自分の意見を表現するのが好き、みんなで一つのものを作りあげるのが好きという理由か

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ら、負荷が高くても、グループワークが多いEMIを好んで履修していた。EMI教員に期待することとしては、グループ活動を取り入れてくれること、エッセ

イなどの課題ではトピックが選択できること、毎週クイズなどがあり、明確な目標を持って学習できるように導いてくれること、フレンドリーに学生に接してくれることの4点が報告された。

【Shinjiのケース】Shinjiは英語学習により価値をおいている学習者であった。将来のL2理想自己が非

常に明確であり、その強さが彼のEMIにおける学習動機づけを高めていた。将来は海外で野球選手の通訳になりたいという目標があり、そのために英語力を伸ばし、良いGPAを獲得し、交換留学をしたいと考えていた。彼の学習意欲の高さは週平均4時間という勉強時間の長さにも現れている。さらに、EMI準備講座のためだけでなく、他の授業に対しても同等程度の学習時間を取っているということからも、彼の学習動機づけの高さは秀でていた。その理由として、2年生という早い時期に明確な第二言語使用者としてのなりたい自己をすでに持っていることが他の学生とは異なり、このことが彼の勤勉さを支えている要因の一つではないかと考えられる。加えて、クイズの点数が上がった時や周囲の友人が頑張っているのを見た時に勉強時間が増加したことが共有された。その一方で、EMI準備講座をもう少し履修してから、通常のEMIを履修したいと考えており、まだEMIに対して一定の不安を抱えているようだった。

EMI教員に期待することとしては、英語でのエッセイの書き方を教えて欲しいという要望が報告された。

【Orieのケース】Orieは科目学習により価値をおいている学習者であった。彼女は本調査で唯一専門

的な学習を英語学習より重視している学生であった。EMI準備講座では一つのトピックを深く学べたことへの満足感が繰り返し主張された。その理由としては、授業を履修した後に、何を学んだかが明確に認識できる授業が良いからであった。英語学習に対する動機づけも持ち合わせており、学期の最初は授業の難しさに英語力に対する自信を失い、もっと努力する必要があると感じ、そのことがEMIにおける、やる気につながったということだった。EMI学習環境において自己に非常に厳しく、 優しい雰囲気の授業は避ける、やる気のない学生とは関わらないなどの学習意欲の高さが目立った。さらに周囲に対しても厳しい態度を持っており、大幅に遅刻してくる学生や常に

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教室の後ろ方に座るといったようなやる気のない学生によって授業の雰囲気が妨げられることに強い不快感を示していた。加えて、 EMIにおいて日本語を話すのは良くないなど日本語を使用することへの批判的な意見も報告された。その要因としてEMIに対する不安や英語力に対する自信の無さが考えられる。その証拠に、留学生と共修である通常のEMIにおいて、留学生にはわからないことを尋ねられないとのことだった。なぜなら「あの子使えないなって思われるのが嫌だから」であった。さらにEMI準備講座を履修したのは、「通常のEMIをそのまま取りに行くのが不安だったので」という点からも、なりたいL2自己と現在の自己とのギャップを埋めようともがいている様子が伺えた。

EMI教員に期待することとしては、専門用語をわかりやすい単語で言い直してくれること、黒板に講義内容を書くこと、授業で使うパワーポイントなどの資料に学生が事前にアクセスできるようにしてくれること、フレンドリーな態度で学生に接してくれることの4点の要望が報告された。

【Wakanaのケース】Wakanaは英語学習及び科目学習の両方に同等の価値を置いている学習者であった。

彼女はTOEFL ITP550点以上の高い英語力を持ちながらも授業理解が進まなかった学習者であった。彼女自身はそれを専門的な知識がなかったことが原因だと考えており、授業内容が専門的すぎたとEMI準備講座での経験を振り返った。もともとは、科目内容への興味に加えて、交換留学を目指して選抜式の語学集中プログラムに参加している学習動機づけの高い学習者であった。現にEMI準備講座履修中もTOEFLに関する学習や他の科目の課題は常にこなしていたとのことであった。しかし、EMI準備講座は自分で努力できる範囲を超えた難しさであったため、頑張り続けることができなかったとのことだった。学期の初めは教科書を理解しようとしたが、あまりの難しさに、同じ時間を他の勉強に費やした方が良いと考えるようになった。結果として、ある時期以降、このEMI準備講座の課題や自主学習はほとんどしなくなってしまったとのことだった。彼女は学期の途中で教科書の日本語訳が出版されていることを知り、それを購入し、授業中に教員が話している箇所を日本語で読んでいた。その時点では既に自宅でEMI準備講座の予習はしておらず、訳書があっても、失った意欲が戻ることはなかったEMI準備講座で辛かったことの具体例としては、リーディングの量が多かったこと、授業で扱っているトピックが専門的すぎて理解できなかったこと、出席や参加点が全くなかったこと、毎週出席する学生が減っていったことがなど多く挙げ

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られた。それでも彼女が最後まで出席し続けたのは、交換留学に応募する際に提出するGPAを下げたくなかったからであった。EMI準備講座では、英語は辛い、大変だという思いに全てが繋がってしまったが、最後まで出席したことを教員に激励されたことによって達成感を感じ、今後もEMIを頑張って履修しようと意欲を取り戻したとのことであった。

EMI教員に期待することは、日本語訳を配ってくれること、参加点・出席点を加味すること、教員の目指す理想や目標と学生の頑張れる範囲との乖離を認識し、学生が頑張れる範囲に授業内容を調節してくれるという4点が要望として上げられた。

【Ikukoのケース】Ikukoは英語学習により価値をおいている学習者であった。英語開講科目への動機

づけが高くEMIに対する態度も非常に肯定的であった。しかし、EMI準備講座においての経験は決して楽では無く、毎週平均4時間かけて辞書を引きながら一文ずつ理解しようと努力した。しかし、それでも教科書の理解はあまり進まず、授業の半分程度しか理解できなかった。そのため、 英語力に対する自信を失い、常に自分の理解に疑問を抱いていたことが報告された。それでも学期の中盤頃から予習の際に徐々に辞書を引く回数が減り、英語力が向上したことを実感したことや友人と一緒に勉強したことにより、高い動機づけを保つことができたとのことだった。彼女はこのような厳しい経験は今後の学びに必ず役に立つと感じており、EMIに対する非常に肯定的な態度が一貫して主張された。

EMI教員に期待することとしては、教科書の日本語訳を配ってほしいとのことであった。

4.3. 考察本稿では、EMI準備講座の現状と問題点を学生の動機づけの視点から明らかにしよ

うとした。その結果、EMI準備講座における学生は授業の半分以下しか理解できていないこと、学生によって自主学習に費やす時間が異なることがわかった。また、将来英語をやりたいことのためには英語が必要であると認識している学生ほど、EMI準備講座のためにより自主的に勉強していることが示唆された。これらの結果を踏まえると、英語学習を主な目的としないEMIにおいても英語を話せる自分が明確に想像できるかどうかがEMIにおける学習動機づけに影響を与えている可能性が示唆された。さらに、本調査で浮き彫りとなったEMI準備講座の現状として特に報告すべきはその

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ハードルの高さである。先に述べた、学生の授業理解度の低さに加えて多くの学生がこのEMI準備講座に来ることをやめようと思ったことがあり、その理由は授業が難しすぎるからであった。質問紙の自由記述からは、彼らはEMI準備講座を履修しても、通常のEMIに対する不安は拭えず、むしろ、EMI準備講座で授業が理解できなかった経験から、英語で授業を受けることに対して不安が高まった学生も一定以上存在していることがわかった。つまり、学生は通常のEMIへの準備としてEMI準備講座を履修するものの、その役割は現段階では果たせていないのではないかと考えられる。実際、多くの授業に出席し続けた学生は、欠席したくても、単位取得のためには出席し続けなければならないと考えていた。このことから、EMI準備講座であっても学生は内容理解に苦しんでいること、また、非常に自己決定度の低く動機づけられた状態である可能性も浮き彫りとなってきた。

さらに面接調査においても、講義内容の理解の困難さは報告された。その原因としては、語彙が難しい、教員が説明している英語が聞き取れない、教科書を読んでも理解できないなど英語力に関係のある原因が多く報告された。加えて、日本語でも知らない内容であったことや科目内容が特殊であったことなども内容理解を困難にした理由として挙げられた。つまり、学生の内容理解を妨げているのは、語学力と科目知識の両方ではないかと考えられる。その一方で、EMIにおいて嬉しかったこととして、英語力が伸びていることを実感したこと、努力の結果クイズで良い点数が取れたこと、教員が褒めてくれたことなど彼らの努力が認められた時や成績に現れた時に達成感を感じ、動機づけが高まったことがわかった。

これらの結果を踏まえると、EMIにおける学習動機づけを上げるには、言語サポート、教員の関わりかた、授業実践など様々な視点から解決策を探る必要があると考えられる。特に学生の欠席率の高さにつながっていると考えられる理解度の低さを解消するには、語学サポートの強化、専門知識に関するサポートの強化などが求められるのではないだろうか。

5. 限界点と今後の課題

本稿では、EMI準備講座を受講している学生を対象に質問紙とインタビュー調査を実施し、EMIの現状とその問題点を学生の動機づけの視点から探ったが、多くの限界点を含んでいるのも事実であり、特に以下3点に注目したい。まず、本調査は文系大学の1クラスのみを対象として行ったため、理系学生や異なる学習環境における学習

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者を対象とした調査では、必ずしも同様の結果が出るとは限らない。次に、調査協力者が44名と少なく、この結果をもとに一般的な解釈をすることはできない。最後に、EMIにおいて、どのような心理的要因が学習者の動機づけを高めているのか、どのようにしたらより学習者の動機づけを高めることができるのかなどの詳細については明らかにできていない。これらの理由から、より大規模かつ詳細にEMIにおける学習者の動機づけについて調べる必要性が明らかとなった。

6. 結論

本研究ではEMIの現状を動機づけの視点から理解してきた。質問紙からEMI準備講座を履修している学生の英語学習動機づけ及びL2理想自己の傾向がわかった。加えて学生の授業理解度の低さ、自主学習時間が学生によって大きく異なることなどがわかった。また、英語話者としてのなりたい自己を明確に描いている学習者ほど、自主学習時間が長いこともわかった。 これらの結果に加えて、面接調査からは科目内容の理解に苦しみながらも将来の目標に向かって学び続ける学生、あまりの難しさにEMIに対する興味を失ってしまう学生、英語で専門的な知識を得たいと考えている学生など、質問紙からはわからなかった具体的な学生の経験や思いを明らかにすることができた。これらの結果から、現在のEMIにおいて学生は授業を理解することが非常に困難であると感じていること、EMIにおける学習動機づけは非常に自己決定度が低い状態であることがわかった。加えて、英語で科目を勉強するEMIでは英語学習動機づけと科目学習動機づけが複雑に絡み合っている可能性がほのめかされた。

本稿は、多くの限界点から、これらの結果を一般化するには至らなかったが、EMIにおいて、学生の動機づけについて明らかにすることの重要性を示すことができたのではないかと思う。今後、ますます多くの大学において多数開講されるであろうEMIにおける現場の混乱は大いに想像しうるため、本稿が将来のEMIにおける実証研究及び現場実践に何らかの示唆をもたらすことができれば幸いである。

謝辞

本論文を執筆するにあたり調査の初期段階より的確かつ詳細なご指導を頂いた関西大学外国語教育学研究科の八島智子教授に心より感謝する。加えて、本研究は平成26、27、28年度の日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究C 代表・小島直子、

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課題番号・26330411)を受け遂行したことを記して感謝したい。最後に本調査の実施においてご協力いただいた教員および学生の皆様に心より感謝する。

参考文献

Airey, J., & Linder, C. (2008). Bilingual scientifi c literacy? The use of English in Swedish university science courses. Nordic Journal of English Studies, 7(3), 145‒161.

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英語による学修(EMI)の現状─EMI準備講座の動機づけ調査から─

第一部 

研究論文・実践報告

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八島智子(2003)『外国語コミュニケーションの情意と動機』関西大学出版部

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第一部 研究論文・実践報告

Appendix

英語学習動機尺度1)英語はすすんで勉強している。 2)自分にとって英語を学ぶことは非常に大切である。3)もし英語の講座があれば将来的に受講したい。4)正直に言って自分は英語をマスターするために本当によく頑張っていると思う。5)英語習得のためによく努力するほうだ。6)学校で英語の授業がなかったらどこか他に出向いて英語を勉強する。7)自分の人生において英語の学習は最も重要な位置を占めている。

L2理想自己尺度1)将来のやりたいことのためには英語を話すことが必要である。2)将来英語を使って仕事をしている自分をよく想像する。3)英語をはなせるようになっている自分をよく想像する。4)外国の人とコミュニケーションをはかるために英語を使いたい。5)自分の夢がかなったら英語を自由に使えるようになると思う。

自由記述1)下記に示すものはEMI準備講座を履修した理由としてどの程度重要ですか。  a. 卒業のための英語開講の単位の一部となるから  b. 通常の英語開講よりも簡単そうだったから  c. 通常の英語開講を履修する準備期間として活かせると思ったから。  d. その他2) 下記に示すものはEMI準備講座の中でもこの授業を履修した理由としてどの程

度重要ですか。  a. 開講時間(時間割)が良かったから  b. このEMI担当教員ii の授業が履修したかったから  c. 国際関係学iii に興味があったから  d. 他のEMI準備講座より簡単そうだったから  e. 他のクラスより通常のEMIを履修するために役立ちそうだったから。  f. その他3)毎週この授業のためにどれくらい勉強しましたか。4)講義は全体のどれくらい理解できましたか。

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英語による学修(EMI)の現状─EMI準備講座の動機づけ調査から─

第一部 

研究論文・実践報告

5)この授業に来ることを辞めようと思ったことはありますか。6)最後まで授業に出席し続けた理由はなんですか。7)このEMI準備講座受講前と比べて自分がどのように変わったと思いますか。  a. この科目内容(国際関係学)に対する興味を失った・変わらない・興味がわいた  b. 留学生との会話や接触時間が減った・変わらない・接触時間が増えた  c. 英語力に対する自信を失った・変わらない・自信がついた  d. 英語学習に対する意欲を失った・変わらない・意欲が湧いた  e. 今後通常の英語開講科目を履修していく上での不安が弱まった・変わらな

い・不安が強まった8)この授業以外にも今までに他のEMI準備講座を履修した、または履修していますか。9)今後通常のEMIを履修する上で心配していることや不安に思っていることはありますか。10)その不安を解消するために大学や教員に期待することはありますか。11)この授業を履修していて感じたこと、考えたことがあれば、なんでも教えてください。

i EMI準備講座は中級レベルから、通常のEMIは準上級レベルから履修可能。ii 教員の名前など個人に関わる情報は削除した。iii 国際関係学はこのEMI準備講座の科目内容である。