動的信号を処理するための時間微分情報を持つ 自己組織化マップ...

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動的信号を処理するための 時間微分情報を持つ 自己組織化マップと そのハードウェア化 背景と研究目的 ラル ラル ミュレ 通信の変調方式 プラ プラ プラ ボル ボル ボル 自己組織化マップの理論 従来の自己組織化マップの理論 パラメ パラ パラメ

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Page 1: 動的信号を処理するための時間微分情報を持つ 自己組織化マップ …naga/Work/sotsuronsiryou.pdf · プとウィナーフィルタを組みあわせることによって,信

卒業論� 文審査資料 ������� 年 � 月 ��� 日動的信号を処理するための 時間微分情報を持つ自己組織化マップと そのハードウェア化

工学部 電子工学科 � 年 廣瀬 研究室 ������� 長嶋 知行�背景と研究目的

ディジタル無線通信において重要な課題は,通信品質の保持である � 特に移動体通信においては, 多様に変化する環境に追従し,様々な信号劣化に柔軟に対応することのできる適応的な復調システムが必要となる �これらの問題を解決する方法として,今まで数多くの

線形,非線形適応復調器が提案されてきた ����� �����非線形処理という観点から注目されているものの一つ

に,ニューラルネットワー ク ������� を利用したものがある ����これは ��� の一種である自己組織化マップ ���������! "$#�%�&�'�(�)�(�'�%+*+&�,.- � "$* � の適応的で非線形であるという

性質を利用し, 柔軟な復調器を構成しようとしたものである �しかし今までのニューラルネットワークを用いた復調器

は,非線形な信号の適応に特化しており, また静的な信号モデルのみを対象としていた � このため線形な歪みも多い無線通信において,効率的な復調ができていなかった �そこで,本研究では時間的に変化する信号に対する処

理の方法として,時間微分情報を持つ自己組織化マップを提案する � さらに,この自己組織化マップに線形フィルタを組み込むことによって,より高精度な復調器に改良し / 数値シミュレーションにて評価する �また自己組織化マップのハードウェアを 01� #�( ��2 % 43�576

により設計を行う �

8通信の変調方式

離散信号の変復調方式の中に,振幅変調と位相変調を組み合わせて行われる振幅位相変調 ��9�: , � (�;=<?> �A@CB &�D ���B ( � ;FE ��G (H'?%I- 9�@1� E � と呼ばれる方式がある � 周波数 J�Kの搬送波に,その基準波からみた振幅比 LI��MN� 、位相差 O��PMN�という変調をかける �

Q �PMN�SRUTV�W LX�PMN�!�ZY ,\[^] ��_CJ Ka` ] O��PMN�cbd� �����受信器では,この変調された信号 Q �PMN� に,局部発信器による 復調をかけて,もとの振幅比 L 、位相差 O を取り出す �一般に通信路においては、信号の劣化が起こる �まず,変調器の振幅飽和のモデルを次式で与えておく �

L�e�f�gFRihkj=edl=���kmA��Y ,onqp�r4s=tu4vHw � ���I�ここで L�x�y は増幅器への変調信号振幅であり, L e�f�g は増幅された出力である ��h j=edl は,飽和度である �次にドップラー効果を定式化する � 移動体が速度 z で

移動するとすると,最大 zX{�| のドップラーシフト周波数により周波数変動を受ける � このとき復調位相は O��PMN� は

O��PMN�CR}O���M=~?� ` ��_ z�M| ��I�

で表されるが, この式の第 � 項が位相回転をもたらすことになる � たとえば J�R�I H�a3 ) � ,z�R����I :�{ D � の通信を考えたとき,ドップラー周波数は ��J�R��N�K�� ������ 3 ) � と見積もられる � 信号の伝送速度を ��R�� *A�?,�D , 変調方式を ���I�$9 * ��� <?&�>�#�&�;=<?# �F9V: , � (�;�<�> � * 2 >�< � &�;�( 2 ' � とすると,シンボルごとの位相回転量は次のようになる �

����RU��_ ��J Q� � ���I : #�&�> { D G�: � 2��H� ���I�このような復調シンボルが変化する状況では,従来の

ような静的な自己組織化マップではシンボルの移動には適応しきれない �このような問題に対して,位相回転に適応できるよう

な,時間微分情報を持つ自己組織化マップを提案する ��自己組織化マップの理論

自己組織化マップとは,入力ベクトルに対してその空間を特定のクラスに分類するための非線形システムである � 自己組織化マップに適切な学習条件を与えれば,最適なクラス分けが実現できるようになる �今まで自己組織化マップは静的な現象を対象としてい

た �����本研究ではこれを動的現象に対応させるべく時間微分

を考慮した自己組織化マップを提案する ����c�

従来の自己組織化マップの理論

自己組織化マップは,分けられるべきクラスごとにそれに対応した � 代表点 � x �����U�a�i��� を持っている � 個の代表点は,自分の担当するクラスを特徴づけるパラメータ � x R��P  x¢¡�£   x¥¤�£N¦N¦N¦c£   x�y ��§i¨ª© y を保持し, このパラメータによって,入力ベクトル «¬R­��® ¡�£ ® ¤�£N¦N¦N¦�£ ® y �!§¯¨°©と担当クラスとの整合性を評価する �自己組織化マップは,各代表点が評価する整合度を比

較して,最も整合度の高い代表点 ��K を最整合クラスとして検出する � また添え字 ± は次式で表される �

±aR &�#�% : (�'¡³²?x¢²?´µ «¶m¶�7x µ ��I�

各代表点の持つパラメータは可変であり,適当な学習条件を与えれば,学習が進むにつれ,最適なクラス分けが実現できる �学習条件は次式で表される �� x �PM ` ���·R � x ��MN� `�¸X¹ Kdº x¥» �PMN�= ¼«V�PMN�½m¾� x �PMN�!�­���I�

¸X¹ K�º x¥» �PMN� は学習率係数と呼ばれるもので,最整合条件を満たす ± について,その近傍の代表点を定義し,学習を規

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定する � 自己組織化マップは,近傍によって組織の位相関係性を保持しつつ, 弾力を持って学習を進める �q� 図 ���簡略のため ¸½¹ K�º xH» ��MN� は次のように表されることが多い �

¸½¹ K�º xH» ��MN�CR¿ �PMN�À�P�qRi±N�Á ��MN�Â�P�qRªÃ��� � 上記以外 � ��Ä��

ただし ��Å ¿ Å�� および ¿ Å Á ÅÆmÇ�このアルゴリズムブロックを � 図 �I� にしめす �

cN

α

β

β

β

� & � � � �図 � - 自己組織化マップの適応化学習則

È É Ê Ë¥Ì ÍÎ Ï Ð Ï Ñ Ð É Ò ËÒ Ó Ð Ô Ó Ð

ÕSÖÕI×

ÕIØÙÚÜÛÚÜÝÞÛßÜàáâãäå æ ç¢è é ê ë

ÎÜì í¢îðï ñ ò

óHô õ=ö!÷ ø ù

ú¥û ü ý þ ÿú¥û ü ý þ ÿ

ú¥û ü ý þ ÿ

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È É Ê ËHÌ ÍÉ Ë Ô Ó Ð

� ���ðø ö ö�図 � - 自己組織化マップのブロック図

��� �時間微分情報を持つ自己組織化マップ

いままで自己組織化マップは静的な現象のみを対象としてきた � しかし,代表点の理想値が時間的に変化する現象も世の中には多い � 自己組織化マップもこのような動的現象に対応できるよう期待される �本研究では,動的現象にも対応できる新しい自己組織

化マップの理論を提案する � これは従来の自己組織化マップに時間微分情報を含めることにより実現させることができる �まず代表点のパラメータを時間微分項を含む予測値に

に発展させる � � xc�PMN� が滑らかな関数であると仮定すると,時系列 M における単位時間間隔後の � x の予測値 ��Çx=��M ` ���は次式で表される �

���x��PM ` ���·R �7x³��MN� `��� xc�PMN�!� l ` ���� � ¤ l���7x³�PMN� `U¦N¦Z¦ ���I�

これは,関数 �Çx=��MN� を時刻 M でテーラー展開したものである � ただし � l は時系列の時間間隔である � 代表点はこの予測値と M ` � 時点での観測値 «V��M ` ��� との整合性を評

価する � 自己組織化マップはこの評価値を受けてクラス分けを行う �

±VR &�#�% : (�' ¡³²?x¢²?´ µ «��PM ` ���½m��� x �PM ` ��� µ ���I�

� � �������� "! $# ! � %��%�& ! ' & !(*)(,+

(.-/0 10 2314 56789: ; <>= ? @ A

B C D>E F G H

I�J KL-M N O

P Q R S T UP Q R S T U

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f f f

f f ff f f (*)g

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図 - 時間微分情報を持つ � "�* アルゴリズムのブロック図

また学習則は次のようにして与えられる �� x �PMN� Rj�� x ��MN� `U¸X¹ Kdº x¥» �PMN�� «k�PMN�Imk�� x �PMN�!��� x �PMN� R ��� x ��MN� `U¸ ¡ ¹ K�º x¥» �PMN�^ �«��PMN� m ��� x �PMN�!��� x³�PMN� R � ��Çx=��MN� `U¸ ¤ ¹ K�º x¥» �PMN�^ �«��PMN� m ��� x³�PMN�!����

�=���I�

ここに ¸XlW¹ K�º x¥» は m 階微分の学習率定数である � 実際は式�=���I� は,必要な次元まで用いられる �たとえば � 次の項つまり速度項まで用いたとすると,上

式は次のようになる ��7x³�PMN� Rk�� x��PMN� `�¸½¹ K�º xH» ��MN�� «k�PMN� m����x��PMN����� x �PMN� R ��� x �PMN� `�¸ ¡ ¹ Kdº x¥» �PMN�� « ¹ l » n « ¹ l n ¡�»n t m ��� x �PMN�!� �������アルゴリズムのブロック図は図 のように示される � 整合度 ��x の検出には,時間微分項 ��7x を考慮した予測値 ��Çx が用いられる �移動体通信において,伝送信号のひずみの多くは,線

形なひずみによるものである � また,この線形ひずみを除去することが通信分野の重要な課題でもある � しかるに,今まで述べてきた自己組織化マップのみに頼って信号復調を行うことは,得策ではない � なぜなら,自己組織化マップは, 非線形な信号のクラス分けに特化しており,信号のひずみ情報をすべてに非線形な適応をしてしまうからである � それによって,本来ならば線形なひずみとしてすべてのシンボルで共有されるべき情報を,非線形情報として扱ってしまい,無駄にしていることになる �本研究では,自己組織化マップを既存の線形フィルタ

と組み合わせる,ということを提案する � 自己組織化マップとウィナーフィルタを組みあわせることによって,信号のひずみを線形,非線形に分割し,より有効な適応フィルタの理論を議論する ����P�

線形フィルタを組み込んだ自己組織化マップ

従来型自己組織化マップに,ウィナーフィルタ ��o ( � ' � #p ( � ; � #�- o � p � を組み込んだものを考えるさらにこれは,時�

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間微分情報を持つ自己組織化マップへと容易に発展される � 図 �I���

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図 � - ウィナー線形フィルタを取り入れた時間微分情報を持つ自己組織化マップ

ºシミュレーション»��c� ¼¾½´¿ÁÀ¿ÁÃ

フィルタと自己組織化マップの比較

線形適応フィルタであるウィナーフィルタと自己組織化マップを比較した � 搬送波周波数 J R I��3 ) , 変調方式������9 * ,変調器振幅飽和 hkj=edl7Ri�bÄ ,通信速度 � *A��,?Dとしシミュレーションを行った � また学習率係数は前節で得られた関係により

Á R ¿ {W�^��� を用いた � 搬送波対雑音比 �ÆÅ &�#�#�( � # ; 2� 4��2 (�D ��T &�;�( 2 - Å.�VT � に対する,信号誤り率 �C��G�: � 2��ZÇ #�# 2 # T &�; � - ��Ç1T � を測定比較した � 結果を図 に示す � 自己組織化マップの方がウィナーフィルタと比べて,よりよい ��ÇCT が得られることが分かる � 信号の非線形性にうまく追随できる分,自己組織化マップのほうが優れているためと考えられる �

1e-06

1e-05

0.0001

0.001

0.01

0.1

1

0 5 10 15 20 25 30

SE

R

CNR(dB)

Wiener FilterSOM α= 0.05 β=0.0005SOM α= 0.2 β=0.002

図 - ウィナーフィルタと � "$* の比較

»�� �速度成分を持つ自己組織化マップのシミュレーション

速度成分を持つ自己組織化マップを用いた通信伝送のシミュレーションを行った � シミュレーションの方法は

Å.�VT に対して,�bÇ1T を比較する事によった � 各変数は次のように設定した � キャリア周波数 JªRi��a3V3 ) , 端末の移動速度 z R�����:ÉÈ D ,振幅飽和 h jce�l R���Ä ,通信速度� *+��,�D ,変調方式 ���I�$9 * ,¿ R���Ä � ,Á Rª��Ä ����� ,ウィナーフィルタの忘却定数 |¯R��bÄ � とした � 結果を図 � に示す � 時間微分情報を持たない自己組織化マップはドッ

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0.001

0.01

0.1

1

0 5 10 15 20 25 30 35 40

SER

CNR(dB)

som

SOM with velocity

wiener filter

図 � - ドップラー効果の影響を受けた信号の復調キャリア周波数 J°R�I��3 ) , 端末の移動速度 z½RÇ�^��:ÉÈ D,通信速度 � *A��,?D , ���I�$9 * ¿ Rª��Ä � ,Á Rª��Ä ����� ,ウィ

ナーフィルタの忘却定数 |°R���Ä �プラーシフトに追随できず,バースト的に信号誤りを起こしている �ÊÅ.�VT の高い領域においては,時間微分を持つ自己組織化マップの方が優れているという結果が得られた �

»��P�線形フィルタを組み込んだ自己組織化マップのシミュレーション

このようなシステムを用いた通信伝送のシミュレーションを行った � シミュレーションの方法は Å.��T に対して,�bÇ1T を比較する事によった � 各変数は次のように設定した � キャリア周波数 J�R I��3�3 ) , 端末の移動速度z½R�����:ÉÈ D , 振幅飽和 h j=edl Ri ,通信速度 � *A��,?D ,変調方式 ���I�$9 * , ¿ Rª��Ä � ,Á Rª��Ä ����� ,ウィナーフィルタの忘却定数 |�RU��Ä � とした �結果を図 � に示す � 結果は,ウィナーフィルタを自己組

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0.001

0.01

0.1

1

10 12 14 16 18 20 22 24 26

SE

R

CNR(dB)

SOMWiener Filter

SOM with W.F.SOM with Vel. & W.F.

SOM with Vel. & W.F

SOM with W.F.

Wiener Filter

図 Ä - ウィナーフィルタを取り入れた自己組織化マップ復調器の雑音特性

織化マップに組み入れたものが最も雑音特性がよかった �

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線形フィルタと非線形フィルタがうまく組みあい,補完しあったと考察できる �

Ëハードウェア化

いままで,通信用に限らず,自己組織化マップをハードウェアとして実装する試みは,あまりなされていなかった � 本研究において,自己組織化マップをハードウェアとして実装することを試みた �本来,中間発表では本研究のメインテーマとして掲げ

ていた内容であるが,研究を進めるにつれて,既存の自己組織化マップの不完全な部分を改良することに力を入れることとなり,ハードウェア化の計画は遅れてしまった �しかしながら / 0�5ÌÇÍÅ でチップ試作をおこなったのでそ

れについて簡単に述べる �自己組織化マップのハードウェア化に関して,その構

成を大きく � つに分けると次のようになる ���� 最小値検出器 ��o (�'�' � #ÏÎo&ÑÐ ��9��H� - o Î 9 ��I�$� "�* の各代表点の,入力信号との整合性の評価および値の更新方法

日立 ��3ÂÒ Î 9ÓÅ 3ÍÒ��ÔÅ *�" �¶� &�; �V9 #�#�& GF��Ä �� «Õ 6\�bÒ のプロセスを利用して,ハードウェア記述言語 �!01� #�( ��2 % 43�576��による自己組織化マップの設計試作をおこなった � 作製した自己組織化マップのハードウェア構成のブロック図を図 � に示す � この記述から回路の論理合成および配置配線を行った �

Ö × Ø Ù Ú ÛÜ Ý Þ Ý ß Þ × à Ùà á Þ â á Þã>äãå

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� � � � � �� � � � � �

� � � � � �

図 � - 自己組織化マップの適応クラス分けブロック図

0

50

100

150

200

250

0 50 100 150 200 250

"som.aftersyn.dat" using 9:10

図 � - 合成後の自己組織化マップ計算時間ついてはまだ評価していない �

��c�動作確認

もっとも簡単な状況における,復調のシミュレーションを行った � 結果を図 � に示す � 自己組織化マップとして動作していることが分かる �

まとめ

本研究では,動的な信号処理のための時間微分情報をもつ自己組織化マップの理論を提案した � 時間微分情報の� 次の項である,速度成分を持つ自己組織化マップを,移動体無線通信の適応復調器として応用することを試みた �その結果従来の線形復調器よりよい雑音特性が得られるということを,数値シミュレーションによって示した �また自己組織化マップの持つ非線型性と,従来の線形

システムを組み合わせることにより,信号の性質のうち,非線型な部分と,線形な部分をうまく分離して効率よく適応学習がおこなえる可能性を示した ��今後の課題

自己組織化マップの学習率係数の調整などをおこなうことにより,適応度が増すことが期待される �通信に応用するのであれば,あらかじめ分かっている

無線信号の性質を,パラメータである学習率係数の設計に活かすことで,通信に特化した自己組織化マップが作られることが考えられる � また,信号の非線形性を失わないような自己組織化マップの変数 � シンボル � の精選も課題となる �自己組織化マップのハードウエア化について / シミュ

レーション,そして実際にできあがった試作を評価する必要がある �

参考文献 ��^� 斎藤 洋一 �ディジタル無線通信の変復調 電気通信学会 �=�������I�

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