無線周波数妨害(rfi)の識別と特定 -...

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RFI 26 2017.12 INTERFERENCE TECHNOLOGY 日本版 1.システム保護レベルの必要性 渉のカテゴリは、狭帯域と広帯域の2つに大きく分けら れる(図1参照)。 狭帯域: 連続波(CW: Continuous Wave)または変調された CW 信号を含む。例えば、デジタルデバイスからのクロックの高調波、 同一チャンネルの送信、隣接チャンネルの送信、混変調の発生な どが考えられる。スペクトラムアナライザでは、幅の狭い垂直の線、 または特定の周波数と関連したやや幅広の変調された垂直の帯域 として現れる。 広帯域: 主にスイッチング電源の高調波、架空電力線のアーク放電 (電源線ノイズ)、デジタル変調無線システム(例えば Wi-Fi または Bluetooth)、デジタルテレビジョンなど。スペクトラムアナライザでは、 幅の広い信号またはノイズフロアの増加として見える。電源線ノイ ズやスイッチング電源は、最も一般的な発生源である。 無線周波数妨害(RFI)の識別と特定 Kenneth Wyatt Wyatt Technical Services LLC [email protected] はじめに 無線デバイスなど増加する一方の放送・通信・RF源は全て電波スペクトルと競合しているので、無線周波数妨害(RFI)の機会は増すばかり である。本稿では、代表的な干渉源を識別してその特徴を明らかにし、原因を突き止める方法を説明していく。

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  • RFI

    26 2017.12 INTERFERENCE TECHNOLOGY 日本版

    1.システム保護レベルの必要性

    干渉のカテゴリは、狭帯域と広帯域の2つに大きく分けられる(図1参照)。狭帯域:連続波(CW: Continuous Wave)または変調された CW信号を含む。例えば、デジタルデバイスからのクロックの高調波、同一チャンネルの送信、隣接チャンネルの送信、混変調の発生などが考えられる。スペクトラムアナライザでは、幅の狭い垂直の線、

    または特定の周波数と関連したやや幅広の変調された垂直の帯域として現れる。広帯域:主にスイッチング電源の高調波、架空電力線のアーク放電

    (電源線ノイズ)、デジタル変調無線システム(例えば Wi-Fi またはBluetooth)、デジタルテレビジョンなど。スペクトラムアナライザでは、幅の広い信号またはノイズフロアの増加として見える。電源線ノイズやスイッチング電源は、最も一般的な発生源である。

    無線周波数妨害(RFI)の識別と特定

    Kenneth WyattWyatt Technical Services [email protected]

    はじめに無線デバイスなど増加する一方の放送・通信・RF源は全て電波スペクトルと競合しているので、無線周波数妨害(RFI)の機会は増すばかりである。本稿では、代表的な干渉源を識別してその特徴を明らかにし、原因を突き止める方法を説明していく。