確率と最小二乗法による境界復元(誤差&確率の基...

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1 確率と最小二乗法による境界復元(誤差&確率の基礎) 誤差と較差 確率論によって除く方法(確率論によって選ぶ) 較差の分布 標準偏差計算式(一変量) 誤差のバラツキの状態 正規分曲線と確率 誤差の三公理 誤差の三公理の確認 χ²(カイジジョウ)検定 期待値>観測値になるまで繰り返す (ティー)検定 エクセルで簡単に計算できます 有意水準とは 公差とは 信頼限界考え 信頼限界の計算 信頼区間の計算 計算(一変量) 二変量の較差(変数) 二変量標準偏差の計算式 二変量正規分布の確率の確認 二変量正規分布と確率 平均二乗誤差の式 平均二乗誤差と標準偏差の関係式 平均二乗誤差 平均二乗誤差と公差の関係 確率と最小二乗法による境界復元(最小二乗法の基礎) 図面があれば 公図(地引絵図) 筆界の三証 筆界の三理 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32

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確率と最小二乗法による境界復元(誤差&確率の基礎)

誤差と較差

確率論によって除く方法(確率論によって選ぶ)

較差の分布

標準偏差計算式(一変量)

誤差のバラツキの状態

正規分曲線と確率

誤差の三公理

誤差の三公理の確認

χ²(カイジジョウ)検定

期待値>観測値になるまで繰り返す

t (ティー)検定

エクセルで簡単に計算できます

有意水準とは

公差とは

信頼限界考え

信頼限界の計算

信頼区間の計算

計算(一変量)

二変量の較差(変数)

二変量標準偏差の計算式

二変量正規分布の確率の確認

二変量正規分布と確率

平均二乗誤差の式

平均二乗誤差と標準偏差の関係式

平均二乗誤差

平均二乗誤差と公差の関係

確率と最小二乗法による境界復元(最小二乗法の基礎)

図面があれば

公図(地引絵図)

筆界の三証

筆界の三理

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復元の基本は重ね図

その1 最小二乗法(回帰直線)1

その1 最小二乗法(回帰直線)2

その1 最小二乗法(回帰直線)3

回帰直線の使用例

その2 最小二乗法(図形では)1

その2 最小二乗法(図形では)2

計算値が筆界か

ヘルマート変換

アフィン変換

座標変換方法の選択 AIC(赤池情報量基準)

準拠点選択の意義

復元精度と準拠点数

平板での境界復元(交会法)

ベクトル図による確認

経年変化の例(方向杭)

計算の考え方

準拠点の配点バランス

確率と最小二乗法による境界復元(画地調整の基礎)

画地調整

図面の構成要素(座標値の無い図面)

座標化

三斜→画地調整プログラム

三斜→画地調整の使用例 1/2

三斜→画地調整の使用例 2/2

面積から画地調整(辺長が不明)

面積から画地調整

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時間の関係で,大まかな説明しか出来ません,マスターすれば他にことにも応用できますので是非マスターされることをお勧めします

境界(筆界)復元の基本は確率論と 小二乗法の二つです

つまり,較差は正規分布になっている

較差の二乗和が 小となる座標値が 適な値である

この計算を座標値,基になる図面の座標値(旧座標とここでは言います)と現存する境界の座標値(新座標とここでは言います)を使います

旧座標の無い図面では座標値を作成する必要があります,この座標値を作成する為には画地調整という技法が必要です

新旧の座標値が揃えば, 小二乗法座標変換によってと作成した座標値から境界を計算する座標変換です

日常の境界確認作業においてこの知識が必要かと問われれば条件によるでしょう,しかし,ほとんどの場面では必要です

当然,筆界特定申請書を作成する,筆界調査委員になっている,境界確定訴訟に意見を求められるという方には必須と言わざるをえません

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誤差論と確率論は境界測量に関しては同じです

誤差とは何か,と言われれば観測における誤差と,境界測量の誤差はチョット違います

土地家屋調査士が言っている誤差はいわゆる較差です

較差を得るには既存の図面なり現状が存在しなければならないという,条件がありあます

それらから得られたデータですが,データであればなんでもよいのか,そうではありません

一群のデータの中で,その群から外れているデータは除いて考えることが必要です

その結果,それらのデータは正規分布になっているということです

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数あるデータの中から適切なものを選ぶとはどのような意味があるのか

その方法はどのような方法なのか

選ぶということは逆に考えれば,不適なものを除くこと,実務ではこの除く,を実行して残ったものを選んだと言っています

ここでは,変数減少法によってデータの中から変数を取り出し,検定によって異常な値が無いかを調べることが必要です,と言うことを知って下さい

私が使っている変数減少法は,あるデータ群から標準偏差を計算します,データ群の中から較差の大きいデータを1個のぞきます

再び標準偏差を計算します,これを繰り返し標準偏差という変数を得ます

この変数に対して検定をします

この他に同じような方法で変数を得て,検定で判断していく方法を取っています

検定にはt検定、χ²二乗検定のどちらかを使います。

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数値を羅列しただけでは解りにくいので図のような棒グラフ,統計ではヒストグラムといっていますが作成します

グラフでは左端のデータが分布から離れています,右端のデータはどうでしょうか

これを分布から離れた異常なデータと判断するかどうかの,どうすればよいのかということを考えます

データを見た目で判断せずに

そこで,t検定で異常値かどうかを判断して除けばできます

結果は右のヒストグラムのようになります

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誰がやっても同じ結果を期待するにはルールを決めることです,ヒストグラムの幅を標準偏差で作成すると解りやすい

標準偏差には二つの式がありますがデータのバラツキを言う場合は,いわゆるN-1で割る方法を使います

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バラツキの状態,異常な値のない状態,あるいは偶然誤差のみの状態を表したグラフを正規分布曲線といいます

データはこの状態を期待しているのです,故意にコントロールされたデータでなければこの図の様に青の曲線に倣った形状になります

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変数が一つの正規分布の形と確率は図のようになります

曲線の内側全体100としたときの各幅の割合を確率といい、±1標準偏差に含まれる確率は68.3パーセント、 ±2標準偏差に含まれる確率は95.5パーセント、±3標準偏差に含まれる確率は99.7パーセントです

この変数が1つ,一次元正規分布の形、確率と変数が1つの一次元正規分布の形と確率の関係は是非、覚えておいてください

右に細かい表を載せましたので参考にしてください。

要は,データがこのような分布になっているかどうかを調べればよいことは確率論では知られたことですから,その理論を使います

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誤差の傾向を示す基本公理です

測量の勉強をしたときに 初に習った公理です

誤差の三公理に適合しないデータは常に除いて考えるという習慣が必要になります

誤差の三公理は知っていても,このことを理解している人は少ないのではないでしょうか

土地家屋調査士の先生方はこの点が抜けていると思われる場面によく出会います

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今までの説明を踏まえて誤差の三公理ですがこの辺も当たり前のことです再度説明します

1.絶対値の等しい正の誤差と負の誤差との起こる度数は相等しい。2.絶対値の小さな誤差の方が大きい誤差より現れる度数が多い。3.ある程度以上の大きな誤差は実際上起こらない の三つです。

これらの誤差は作業の標準化を測る事により小さくできます、標準化と言いますのは作業書のようなものです、使う測量機器、作業と作業の間に行う点検方法とか点検基準などを決めたものです

これに熟練が進むことと相まって必然誤差、過失誤差は小さくなり、その後に残った偶然誤差と小さな必然誤差、過失誤差は正規分布に従います

一時代に正規分布神話というのがあったそうです、測量の原則を守って測量された結果が正規分布になるのであってなんでも正規分布になるわけではないようです

さらに境界の復元では境界標の設置から復元までに長い時間経過があり、これに伴う経年変化を考慮しなければなりません

経年変化、計算誤差も誤差の三公理と同じ性質を持つと考えられますので経年変化も含めて図面対現地の相対的誤差を考えます

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数あるデータの中から正規分布に近いであろうデータを選ぶ,不適なデータを除くにはどうするかです

そこで,登場するのが統計の検定という方法です,検定にはt検定とχ²二乗検定とがあるらしい,と言うことがわかります

新たに,何かを考えるのではなく,既に証明されている方法を応用すればよい訳です

これは,χ²二乗検定についての説明です

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Χ²二乗検定値には期待値,既に決まった値があります

実測値からχ²二乗観測値を計算します

期待値が観測値より大きければ異常異な値が混じっていないと判断します

逆に実測値が大きければ異常な値があるとして,実測値と計算値で も乖離の大きいデータを除きます

この操作を期待値が観測値より大きくなるまで繰り返します

残ったデータが正規分布に も近い組合せと判断する方法です

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χ²二乗検定では30個以上で効果があると考えられています,では,30個未満での判定はどうするか

この場合はt検定を使います

データを大きい順(昇順)に並べたとき,一連のデータは一定のなだらかな減少をしながら減っていきます

このなだらかさがない状態をとらえる方法といえば解りやすいと思います

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t検定値には期待値,既に決まった値があります

実測値からt観測値を計算します

期待値が観測値より大きければ異常異な値が混じっていないと判断します

逆に実測値が大きければ異常な値があるとして,実測値と計算値で も乖離の大きいデータを除きます

この操作を期待値が観測値より大きくなるまで繰り返します

残ったデータが正規分布に も近い組合せと判断する方法です

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説明は省略

統計的仮説検定を行う場合に,帰無仮説を棄却するかどうかを判定する基準。5% あるいは 1% がよく使用される。

有意水準5% で検定を行うということは,第 1 種の過誤をおかす危険率が 5% であることを意味する。

すなわち,同様の調査・検定を行うと,20 回に 1 回は得られた結論が誤っていることを表す。

「有意水準 α で検定すると有意な差が認められた」ということと,「危険率 α のもとで有意な差があるといえる」は同じような意味で使用される。

詳しくは,検定の概念を参照のこと。・・・Webから引用

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公差内であってもその数値の持つ大きさによって内容が大きく異なります

国土調査法施行令別表4のから公差,平均二乗誤差の数値から,標準偏差と平均二乗誤差の関係を調べて公差に対してどの程度の確率を想定した表なのかを調べる

すると,確率99.99%,不良率0.01未満,つまり,公差外にあるかも知れない数値は1万個に1個以下を想定してあります

これを、4つのランクに分けて,その数値がどのランクに位置するかで判断する必要があります

法務局や土地家屋調査士会の考え方は「公差内ならよし」とする筆界特定書が見受けられます,いつまでこの程度のことをやっているのか疑問です

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データが無限にあることを前提に正規分布は考えられています

実際にはデータには限りがありますのでそのデータ数によって正規分布の状態とどの程度異なるかを知る必要があります

信頼限界とはバラツキに生じる幅です

信頼区間とはバラツキの形が振れる状態をイメージしてください

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信頼限界には安全な方向に向かう下限と危険な状態に向かう上限とがあります

境界復元測量に置いて,Χ²二乗分布では0に近いほうは問題にせずに

上の値が問題になります

これを,左上が一変量と右下が二変量でイメージした図です

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バラツキの中心がバラツキの形を保ちながら振れる状態をイメージしてください

これを一変量と境界の位置では二変量でイメージすることです

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これを,その都度計算していては大変なのでプログラムを作成して利用します

要素は,有意水準,データ数,標準偏差,平均値です

データを入力して,計算例のように計算して異なる2個以上のデータ郡の判断をします3

同じ図面で準拠点が少なくても精度(標準偏差)がよければ良いのではないかという疑問があればこの数値で判断できます

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境界復元測量には二通りの方法があります,境界を測ったときの与点,不動点としての与点ですが有る場合とない場合です

与点があり、多角点が亡失しているときに多角点を新設して測量をし、境界点を測った結果です

過去の図面値と現在の実測値の相対位置較差の計算になります

図面値と実測値があり、それぞれXとYがありますのでこのどちらかを基準にした変数を考えます

通常実測値が正確な事が多いので変数は図面値-実測値=較差を変数とします

Xの変数Xi=図面値x-実測値x、Yの変数Yi=図面値y-実測値yです

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求めた各点の較差から標準偏差を計算します

変数⊿xと⊿yからx軸の標準偏差,y軸の標準偏差を計算し,この二つの標準偏差から二変量の標準偏差を計算します

分布は誤差楕円ですから楕円長軸標準偏差と短軸標準偏差でも同時に求まられます,同じ式で標準偏差を計算します

この二つの二変量標準偏差は同じ値になります

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散布図でその標準偏差の円の中にある点の割合を見てみます

先ほど計算したXiとYiの平均値を赤の円で入れてみます、この直線の交点を基に先ほど計算した標準偏差の1倍、2倍、3倍の円を入れてみます

これが正規分布と言われるものです、この円の中にあるデータが確率というものです

この図からデータは原点を中心にしてるのではなく平均値を中心にあるということです

データ数が少ないので1標準偏差内では39.3%に対して35.7%と一致しませんがデータ数が千個単位に成ると期待される確率に近づきます

期待する確率の数値は次のスライドにあります、ここで注意していただきたいのは我々が普通耳にする確率はプラスマイナス1標準偏差で68.3%ですがこれは変数が1つの場合の確率であって座標値の場合は変数が2つの二変数/二次元正規分布になり1標準偏差の円の中にある確率は39.3%です

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二次元正規分布図で因数が二つ、座標値の場合はxとyの二つの変数からなりますのでこの分布になります

測量図と言われる点の表示は全て二変数正規分布になります、ですから確率が一次元正規分布とは異なります

詳しい数値は右の表にありますので参考にしてください。

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標準偏差と平均二乗誤差の違についての説明を求められることが多いので説明します,平均二乗誤差と標準偏差では使う変数の中味が違います

平均二乗誤差は点間距離をδを変数としています,標準偏差は⊿x・⊿yを変数としています

平均二乗誤差がδをそのまま二乗した総和を使いますが標準偏差は⊿x・⊿yから平均値を求めて平均値の差を二乗しその総和を使います

平均二乗誤差は国土調査法施行令別表4に登場します,それ以外はありませんので,あくまでも位置誤差にたいする合否判定の基準です

平均二乗誤差と二変量標準偏差の計算式は明らかに違いますので議論することではありません

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標準偏差と平均二乗誤差の関係です,但し,較差の分布中心が0の場合でという条件付です

相関係数との関係がありますので単純に標準偏差と平均二乗誤差を比較するのは適切ではありませんが

標準偏差の√2倍が平均二乗誤差になります

タダ,平均二乗誤差は統計指標では有りませんので,使う場面はありません

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平均二乗誤差は図解法による国土調査の成果にたいする合否の判定基準です

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公差があるのに何故,平均二乗誤差まで規程されているのか・・考えましたか

「公差内だから・・・・」と言うのは根本的に知識の無いものがいうことです

誤差論,確率論, 小二乗法を使うとすればこの程度の理解は必要ですが,法務局や調査士会の技術者にはチョット足りないとおもいます

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小二乗法とは何でしょうか

もっともらしい位置を計算で求める,計算で合否の判断をすると言うことです

もっともらしいと言うと結構,アバウトなのかと聞き取る方がおりますが「もっとも適切な値を求める」と言うことです

そのもとには必ず境界を画いた図面が必要です

私が座標変換を提唱した2000年頃は,座標変換で境界を計算すること自体知らなかった方が多くいました

中には「都合の良い計算している」という中傷もありましたが,現在では座標変換を知らない方はいません

私が座標変換を知ったのは1985年です,当時はヘルマート変換,アフィン変換などはありませんでしたので独自に工夫した方法でしていました

それが,それがあとで知ったことですがヘルマート変換と同じ結果が得られていたのです

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(この部分は省略)

公図(和紙公図)の基になっている地図は壬申地引絵図,地租改正地引絵図,地押調査更正図など様々です

作成方法も地域性があり,明治政府の布達に沿って作成されているとは限りません

その作成方法等を含めて,地域性を調査の上で図面を利用することが必要です

さらに,農耕地,市街地,山林原野によっても作成時期,作成方法が違いますので利用に際しては地域性を確認する必要があります

この風景画は秋田県の有名な絵です

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(この部分は省略)

左上が地形の丈量風景です,右下が面積の丈量風景です

農耕地(郷村地)の場合の境界は原則,地形の変換点,変換線が境界とされましたし,そのように所有者も管理してきました

そこで,地形測量と言ういい方をしています

面積丈量は市街地,農耕地,山林原野で丈量の方法が異なります

境界紛争の多くは明治時代に農耕地のところで,農耕地には面積に含めない免租地があり,面積丈量の結果から境界を求めるには充分な調査と注意が必要です

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書証ではアフィン変換が一般化されていなかった2005年前の公図は土地の配置などの資料としての機能が強かったのですがアフィン変換が使われてからは図面として重要な情報を含んでいることがわかってきました

中にはどうしようもない公図(和紙公図)もあります

物証は境界標が基本でほかに筆界を示す木とか構造物、地形が証拠となります。

人証は人の証言をいいますが「ここが境界でよろしいですか」と言って証言を得ることではなく、この境界標、境界は何時頃からどんな状況で継承されてきたかを聞き出すものです

都会では所有者の入れ替わりが多く、近隣との付き合いも薄くなっていますから情報が得られなくなりました

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前連合会会長の西本先生が提唱している筆界の三理というのがあります

法理、数理、心理の三つです、法理は筆界に関する法的な定義で平成18年に不動産登記法123条1項で定められました

今まではまず所有者,管理者の管理している境界の位置,あるいは認識している,それらしい位置に重点を置き,立会確認と称してその位置を境界,筆界としてきました

不動産登記法123条が制定される以前は境界(筆界)について,様々な解釈がありましたがこの法律によって一定の方向が決められました

そこで,これからは当事者が境界の認識を共有していてもその図面が作成された時の制度,数理の面,技術的な検証することが必用です

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境界復元の もオーソドックスな手法は重ね図です

境界鑑定などに多用される重ね図について考えてみます、この図面は日調連発行の土地境界基本実務Ⅴ,2006年の付録についてきた3セットの内の1セットです

この例は公図と実測図を重ねて境界を復元しようとするものです

実測図にあわせて公図を一定の法則の基で伸縮させて、点と線のバランスを見ながら重ねていきます

この時にどの点、あるいはどの線を基準に重ねるか,図面の伸縮、歪みをどうやって修正するか、異常な点、線をどうやって除いていくのか

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先ずは, 小二乗法の簡単な例,回帰直線です

とりあえず,基本的なことから説明します

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Sの 小値は0です

Excelでは散布図から簡単に回帰直線が求まられます

式も表示されます

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プログラムをつくって求める

注意点は必ず,検定をして異常な値が無いことを確認,異常点があれば除くことです

この,異常点を除かずに回帰直線を引く方がおりますが必ず異常値を取り除くことが重要です

土地家屋調査士にはこのことをしないだけでなく,回帰直線すら引いて見ない方が多い

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このデータは2番目の値が他の値に比べて問題が無いかを検証する物です

Xが登記面積,Yが実測面積です

この関係を検定で確認すると2番目が異常な値であると判定されます

筆界特定書では筆界特定委員の判断によって,土地台帳面積と実測面積には問題ないとしてその後の計算がされたものです

これは,ほんの一例です,考え方は 小二乗法によって計算し,判断することです

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次が,座標値での 小二乗法です

小二乗法による座標変換による方法の考え方です,つまり,Sの値が 小になるように図を重ねます

これでは座標を扱う実務家でも戸惑います

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解りやすく説明すれば⊿xの合計,⊿yの合計が0になるように重ねればよい

ヘルマート変換,アフィン変換,その他の変換でも相ですがこの⊿x・⊿yの合計を確認すればわかります

小二乗法だけでは駄目で,異常な値があれば除いて重ねるという処理が必要になります

そのためには較差を求めて,較差を検定で確認します

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計算で求まると,その位置が境界とする筆界特定,境界確定訴訟などが多く見受けられますが

計算された位置そのものに誤差があるわけですから,安易に計算値に飛びついてはいけません

境界を示すようなものがなにも無ければやむを得ませんが何か,境界として承継されてきた物,地形,構築物があれば慎重な判断が必要です

基準は先に説明したσ法が参考になります,あくまでの国土調査法施行令別表4の不良率が1万分の1未満という前提です

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ヘルマート変換は 小二乗法による座標変換の1つで,「相似変換」とも呼ばれます

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ヘルマート変換とは異なり、変換前と変換後の図形は相似形ではありません

変換前と変換後の図形の形が変わるので、面積が変わります

準拠点を直線的に配置しないこと(重要)

都市再生街区基本調査作業規定

公図標定 第30条

街区点測量によって得られた街区点成果を基準として,公図を標定し,その適合度を区分するものとする。

都市再生街区基本調査作業規定運用基準

公図の標定方法 第25条

街区点の測量成果を基準とする公図の標定方法は,別表第26に定めるところによる。

都市再生街区基本調査作業規定運用基準別表

別表第26

1.公図の標定は、公図現況重ね図をベースに,街区点を基準として,公図をヘルマート変換(縮尺補正を行わないもの)及びアフィン変換のそれぞれの方法により座標変換し, 小二乗法により街区点と変換後の当該公図上の対応点との残差が 小となるよう行う。

2.公図の標定は,座標変換の基準となる街区点を4点以上設定して行う。

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小二乗法による変換はヘルマート変換とアフィン変換です、このどちらが優位か迷うことがあります

この場合赤池のモデル検定式を使ってAICを計算し判断するのが一般的です

AICは次の式で計算します、同一点の組み合わせでヘルマート変換とアフィン変換のAICを計算し数値の差が1を超えれば数値の小さい変換方法を採用します

概念的には現地の座標軸と図面の座標軸の直行性で判断されるわけです

このことから公図、平板作成図面は図に歪があるのでアフィン変換が適しています

区画整理図のように図面を基に現地が作られているときはヘルマート変換がてきしています

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あるデータ郡から異常な値を除くことを準拠点選択といっています

この選択されたデータが座標変換の基準となる点です

何故,この操作をするかは図の通りです

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このグラフは復元点に対して準拠点の数、準拠点重心からの距離と復元精度の関係を調べた図です

縦に復元精度、下に来るほど復元精度が良くなっています

横に準拠点重心からの距離をとり、この関係を準拠点の数毎に表したグラフです、右側に赤字で書いてあるのが準拠点数です

このグラフでわかる事は準拠点の数が多いほど復元精度が高い、準拠点重心に近いほど復元精度が高いという当たり前の事が分かるグラフです

このことからいくつかの組み合わせで準拠点選択が成立していた場合あるいは正規分布になった場合は準拠点数の多い組み合わせを採用すれば安定した精度の高い復元値が得られる理由です

この説明は「誤差と確率の基礎」で説明した「信頼限界と信頼区間」の関係でも見て下さい,理論と多数データからの計算結果とほぼ同じ傾向にあります

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かなり、昔のはなしです

平板測量の時代の境界(筆界)復元は交会法でされていたわけです

交会法には前方交会,後方交会、側方交会とあったそうです

図にありますのが前方交会法の図です

これを見れば判りますように基本的にはa、b、cの各点に平板を据えて方向からP点を求めるものです

これで注目していただきたのが右上にあります示誤三角形からその中心をP点とすることです

要するに,誤差があることを前提に境界(筆界)復元がなされていたと言うことです

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旧成果と現成果の比較を簡単に目で確認する方法はベクトル図を書いて見ることです

準拠点におけるベクトル線は誤差の三公理と同じ見方をします

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座標変換によって境界復元をするためには可能な限り多くの点を準拠点にすることが求められます

特に区画整理図では高い復元精度が要求されますので点の数は多いほど良く、準拠点が図の全体に満遍なく散らばっている事が必要です

区画整理図では街区線=道路境界になっています、古い区画整理地区では街区線が明確でないため街区線上の点の多くは街区線から宅地内に下げていてれある場合が地域によってあります

理由は官民確定に多額の費用が掛かる、道路工事などで街区線に近い点は亡失の危険性があるなどの理由によるものと考えられます

つまり、方向杭の持っている線情報を点情報に変換して復元計算に使えばより精度の高い復元が可能となります

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この方向杭が確認できる区域では方向杭を活かした座標変換が必要です

市区町村で街区を決めるときに,この方法を取らずに行っているところがあります,この場合街区全体はどちらかの方向に移動している場合があります

すると,民々の境界が数センチ程,ズレて,計算され問題になることがあります

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次に準拠点の配置バランスについてです

準拠点の密度が偏っているとその方向に復元値は偏りますので注意が必要です

この場合はバランスをみながら密度の高い部分からランダムに何点かを除きます

プログラムではチャートの数値が50以下になることを推奨しています

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画地調整そのものは確率と 小二乗法による境界復元であるかないかに関係なく確認する為に行う手法です

いわば,境界(筆界)復元に必要な 低限の知識といえます

小二乗法による座標変換をする場合で基になる図面に座標値がないことがあります

この場合図面の持つ三大要素,点の相対委位置,辺長,面積データ(底辺と高さ,面積そのもの)を使って図形を調整して計算の基にする座標値を作成します

これを,画地調整といいます,境界復元の為に行うものでして,確率と 小二乗法による境界復元の為にだけ限定して行うものではありません

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あらためて説明することではありませんが境界復元測量で要求されることは図面上の点の相対位置,辺長,面積の三要素です

要は,座標値を作成することです

分割型画地調整は数学的に分割します,復元型画地調整は数学的には行われません,ここのところが重要です

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具体的には,図面の三大要素① 筆界の相対位置,② 辺長,③ 面積にたいして計算重量を与え座表値を調整していきます

①筆界の相対位置に重きを置けば,相対位置の較差が小さくなり,バラツキも小さくなります

その反動として,②辺長,③面積の較差,バラツキが大きくなります

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画地調整には三斜図の画地調整と面積が既知の図解法図面の画地調整があります

端的に言いますと,三斜→画地調整プログラム,面積⇒画地調整プログラムとかいう,たぐいのプログラムを用意しておき,それを使えばよいのです

画地調整の原則は,②元になる図面の誤差に対して現状実測の誤差が小さい,精度が高いことが前提にあります

この辺の説明は難しくなりますのでここでは省略いたします

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その上で,図の3つの重量と図面から得られたデータを入力して計算します

Cm単位の座標値からmm単位の画地調整も可能です

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昭和30年台後半の地積測量図です地積測量図①で分筆された土地が一ヶ月後に地積測量図②に合筆,分筆された地積測量図①は分割辺長,底辺,高さ とも幾何的に完全に近い地積測量図②は幾何的は一致しない,図を画いて,図上で読み取った数値と言える

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地積測量図から画地調整の計算ではAの点が南方向に0.230m移動されたBも南へ0.044移動された地積測量図の作図誤差を0.2mmとすれば縮尺300で画地調整誤差が0.060m程度あると考えるから0.210動かされたのはA点といえる筆界特定,原判決,相手方土地家屋調査士もB点が北へ0.210動かされたとしたが,誤った判断画地調整という概念がなく,技術力の未熟さからくる誤った判断

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これは,図解法地籍図のような辺長が不明の図面の場合の入力例です

図解法図面の標準偏差は0.3mm~0.5mm程度で縮尺500とすれば0.15~0.25mです

面積区分は公図,14条地図で確認

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これは,図解法地籍図のような辺長が不明の図面の場合の入力例の右半分です

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