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滝の上発電所 平成29年度 土木学会選奨土木遺産認定 1

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滝 の 上 発 電 所

平成29年度 土木学会選奨土木遺産認定

1

北海道企業局の紹介

滝の上発電所

夕張札幌

施 設 名 鷹 泊発電所

岩尾内発電所

ポンテシオ発電所

川 端発電所

滝 下発電所

清水沢発電所

滝の上発電所

シューパロ発電所

合 計

運転開始 S28.2 S45.12 S56.8 S37.12 H4.4 (S15.5)改修中

(T14.1)H28.10

H27.4

最大出力(kW) 5,700 13,000 11,000 4,200 16,600 3,400 1,900 28,470 84,270

道営電気事業

※ 清水沢発電所、滝の上発電所はH6.4に北炭真谷地炭鉱㈱から取得

(平成29年4月1日現在)

河川総合開発事業 ︓ 鷹泊発電所、川端発電所、岩尾内発電所シューパロ発電所

中小水力開発(エネルギー政策) ︓ ポンテシオ発電所、滝下発電所

産炭地振興・河川一貫運用 ︓ 清水沢発電所、滝の上発電所

3

夕張川水系発電所 平成27年夕張シューパロダムが完成

滝下の取水量はこれまでと同じ

4

大正14年

•北海道炭礦汽船株式会社が建設

•発電所形式:水路式

•水 車 形 式:縦軸露出型フランシス水車2台

•出 力:2,340kW(1台1,170kW )

•使 用 水 量:17.806m3/s

平成6年•炭鉱閉山に伴い北海道が譲渡を受ける

•以後、道営発電所として企業局運営

平成18年 •1号機がコイル絶縁低下のため運転停止

平成22年 •2号機がコイル絶縁低下等のため運転停止

滝の上発電所のあゆみ

大正14年、北海道炭礦汽船㈱が炭礦の電力確保のために建設し、

運転開始から平成22年時点で85年間が経過

建設時の技術者

発電機5

6

取 水 堰

7

導 水 路

8

水 槽

9

発 電 所

10

放 水 路

滝の上発電所の改修上流の夕張シューパロダム完成後の河川流況を考慮するとともに、周辺環境に配慮しながら老朽化した施設の補修と水車発電機の更新を行い、既存施設の有効活用を図ることで電力安定と地球温暖化防止などに寄与

効果

発生電力量は改修前の約2.7倍に増加

CO2削減量はトドマツ36万本相当

改 修 後

11

項 目 改 修 前 改 修 後

最大出力 2,340kW 1,900kW

発生電力量 2,542MWh 6,800MWh

有効落差 17.88m 18.95m

使用水量 17.806m3/s 12.0m3/s

CO2削減量 488t-CO2 1,400t-CO2

重油換算 640kℓ 1,700kℓ

改修範囲及び周辺状況 改修範囲は、取水堰から放水路までの全施設 国道274号線及びJR石勝線に平行、滝の上公園や住宅地が隣接

①取水堰

②取水口

③沈砂池④導水路

⑤水槽余水路⑦放水路

⑥発電所旧赤煉瓦発電所

流水方向

滝の上公園

住宅地国道274号線

JR石勝線

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➀取水堰

【 改修前 】

天端から下流面にかけて、表面コンクリートが剥離

水叩部のコンクリートは、大部分を消失

【 改修後 】 天端から下流面にかけて表面のコンクリートをはつり、コンクリート打設

水叩部は既存コンクリートを撤去し、新たにコンクリートを打設

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②取水口

【 改修前 】

ピアは、吹付けコンクリートや断面補修箇所の剥離が進行

劣化剥離の激しい箇所では骨材が露出

【 改修後 】 発電使用水量17.8m3/s⇒12.0m3/sの変更に伴い施設規模を縮小し、取水ゲート5門のうち、2門を使用

ピアは、撤去して新設

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③沈砂池

【 改修後 】 沈砂池幅を縮小 左岸及びインバートはコンクリート打替え、右岸側壁は新たに擁壁を設置

【 改修前 】

側壁は、特に右岸側が凍結融解の影響を受けて劣化

吹付けコンクリートや断面補修箇所の剥離が進行

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④導水路

【 改修前 】 他の施設と比べて劣化度は少ない 坑口付近で側壁の劣化がみられる

【 改修後 】 トンネル一般部…部分的な劣化に対し、補修を実施

トンネル坑口付近…坑口はコンクリート劣化が進行し、補修困難なため、新たに坑口を設置

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➄水槽余水路

【 改修前 】 右岸側が凍結融解や日射の影響を受けて、コンクリート劣化が激しく、浮き、剥離が進行

【 改修後 】 水槽右岸側及びインバート面は既存コンクリートを撤去し、新たに側壁を設置

余水路は表面をはつり、コンクリートを打設し、補修

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➅発電所

【 改修後 】 現施設を有効活用するため、水槽と放水路の間に半地下式の発電所を新設

【 改修前 】 既設の赤煉瓦建屋は、非常用発電機の保管や備品庫として活用するため耐震補強

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新旧発電所の位置新設する発電所は、既設水槽内に設置

旧発電所新発電所

19

旧発電所

発電機

水 車20

EL113.400

4500

EL108.300

EL114.940

16100

18500

31470

27800

5960

5700

3600

1200

2650 2650

軽量コンクリート

フリーアクセスフロア

EL110.840

水圧鉄管 L=19296

φ2020

EL96.100

5650 4250 5600

ギヤードトロリ用建屋梁

デッキプレート

φ2020

EL88.200

600 600 600 600

500

EL111.340▽取水位 EL111.350

80°

スクリーン

1500

EL109.440

450

3000

6001300

▽洪水位EL102.000

▽EL91.700

1/500

2470

EL87.640

1000

R=4040

18500 19004650

1630

2640

1200

8360

500

600

8314

19355

EL95.515

EL114.870

EL89.341

EL88.122

SP=436.894

SP=447.257

SP=441.161

60964267

発電所本館

▽EL89.341

381

車軸中心

堅坑中心

1000

100

475 300

75

1720

EL86.470

5600

2744

4981

11

22

33

44

無筋コンクリート

コンクリート閉塞

2765

600

600

1:1.367

6600

16690

1730

20330

28650

2040

7-7断面図

1200

743

457

▽EL89.341

工 事 名

滝の上発電所改修事業発電所基礎詳細設計業務委託

図面名称

第 号図

発電所構造図(4)

1200 1300 500

18134

▽EL92.706

1200

2294

1030

500 2750

3000 1975

4300

300

4171

3962

8137

6462

1500

1566

3843

31570

4650

▽水調下限水位 EL110.950

施工区分

(水圧管・水

車)

200

500

3D(6060)

1910

(水車発電機工事)

除塵機

6066

1610

EL104.890

EL106.800

3410

2991 2510 349

500

500

φ3030

4面ベルマウス

1.515 0.505+ = 1

YX2 2

22

3410 2610

EL82.970

水圧管(SM400)D=2.02m t=8mm

止水対策カラー FB-75×6

1:1.0

SP=436.180

714

SP=430.480

LEVEL

5700

600

2400

21830

8510

6060

2450

EL115.440

▽水位 EL112.000(負荷遮断時水位) 800

577

200

1389

2340

300480 1120

300

500300500

724

600

66

55

17320

2850 27002700 4002200

400 2700

350

1690

77

15530

防水塗装

EL.103.000

7310

防水塗装

EL112.200

1200

EL85.95

600600

7650

EL84.75

7108

6099

600

2040

通風ダクト

水膨張性止水材

200

1000

880

9650 1200

[email protected]=3250 6@900=5400800

トロリレールアンカー

トロリレールI-600×190×16×35

2000

2275

EL86.750

29801690

1780

2760 1570 1850 2230 20901000

140

512061804800

580

160

5600

770200600

310

6180 5520

6980

梁 H型鋼(建築工事 アンカー込)

梁 H型鋼(建築工事 アンカー込)

5@930=4650 10001000

100

100

100

100

均しコンクリート均しコンクリート

均しコンクリート均しコンクリート

100

均しコンクリート

6887.59212.5

100

5050

第9回設計変更

【 全 増 】水車・発電機室

既設放水路

既設赤レンガ建屋

ギヤードトロリー梁

配電盤室

天井スラブ

ドラフトシャフト及び放水路取水部及び

水圧鉄管

新発電所

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新 水車発電機水車 発電機

水圧鉄管ドラフト

水車発電機

22

➆放水路

【 改修後 】

劣化が進行していること、「カミの沢川」の流れを考慮し、明かり部を全撤去

放水路周辺の形状等に合わせ放水路出口に坑門を設置

【 改修前 】 トンネル明かり部は、凍結融解の影響を受けて劣化が進行

「カミの沢川」の影響により、トンネル明かり部が一部破損

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赤煉瓦建屋

【 改修後 】 耐震補強を実施 建具は基本的に木製建具とし、板ガラス等は再利用

外観のコールタールの汚れは存置

【 改修前 】 赤煉瓦建屋は、大正時代に建設された歴史的構造物

「滝の上公園」のランドマーク的な存在 建物は耐震構造物ではない 建具は歴史的価値がある

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赤煉瓦建屋(耐震補強)

改修前 改修後

鉄骨臥梁、鉄骨梁、水平ブレースにより、水平構面を形成し補強 既存鉄骨フレーム(天井クレーンの梁)を利用し、煉瓦壁体と接合

既存鉄骨

補強鉄骨

25

ステンドガラス

赤煉瓦建屋(施設見学会)

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土木施設としての機能継承 歴史的構造物の保存

今後とも地域の活性化に寄与

ご静聴、ありがとうございました。

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