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学校給食における危機管理マニュアル 【異物混入・食中毒・食物アレルギー事故対応】 丸亀市学校給食センター

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Page 1: 学校給食における危機管理マニュアル - Marugame · 行い、衛生管理の啓発に努める。 ③ 売買契約に当たっては、衛生管理に関する事項を取り決め、食品納入業者の衛生環境の整備等につ

学校給食における危機管理マニュアル

【異物混入・食中毒・食物アレルギー事故対応】

丸亀市学校給食センター

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はじめに

毎日を健康で生き生きと生活していくためには、食事・運動及び休養など調和のとれた生活

習慣を身につける必要があります。特に心身ともに成長発達の途上にある児童生徒にとって、

栄養バランスのとれた食事をきちんと摂り、合理的に栄養を摂取することは、健康な生活を送

るうえで基本となるものです。また、学校において友だちとなごやかに給食を食べることは、

豊かな心や望ましい人間関係を育成するうえからも非常に大切です。

丸亀市学校給食センターでは、栄養バランスがとれ、豊かな心を育成する学校給食の提供は

もちろんのこと、地域への理解や食文化の継承にも配慮するとともに衛生管理にも万全を期す

る必要があると考え、『児童生徒が安心してなごやかな給食時間を過ごせ、健康のための食事

について学べるようにすること』を学校給食の基本方針とし、安全・安心でおいしい学校給食

の提供に努めます。

学校給食における衛生管理の徹底については、文部科学省が定める「学校給食衛生管理基準」、

厚生労働省が定める「大量調理施設衛生管理マニュアル」等で規定されているところですが、

今回、幅広い学校給食業務の中で、異物混入・食中毒・食物アレルギー事故対応を重点的に捉

えた「学校給食における危機管理マニュアル」をここに策定いたします。

平成 25年 6月

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1.異物混入への対応

学校給食における異物混入の防止のため、学校給食センター及び各配送校において、次のことに留意

して作業にあたるとともに、日常作業の中で「ヒヤリ」「ハット」したことについて、その日のうちに

学校給食センター、丸亀市学校給食会、調理業務委託業者の全体で情報を共有し、対策を講じることと

する。

【異物混入防止対策】

(1) 食材の購入

① 施設の衛生面及び食品の取扱いが良好で衛生上信用のおける食品納入業者を選定する。

② 食品納入業者との連絡を密にし、学校給食の意義、役割及び衛生管理のあり方について意見交換を

行い、衛生管理の啓発に努める。

③ 売買契約に当たっては、衛生管理に関する事項を取り決め、食品納入業者の衛生環境の整備等につ

いて、自主的な取組みを促す。

④ 必要に応じて、食品納入業者の衛生管理の状況を確認する。

⑤ 原材料及び加工食品について、製造業者もしくは食品納入業者が定期的に実施する微生物及び理化

学検査の結果、又は生産履歴等を、必要に応じて提出させる。

⑥ 異物の混入した食品を納入した場合は、その程度により納入停止または登録取り消し措置をとる。

(2) 食材の検収

① 検収は、指定の検収室において、丸亀市学校給食会又は学校給食センター職員が行い、品名、数量

のほか、品質、鮮度、袋の汚れ、破れその他の包装容器等の状況、異物混入及び異臭の有無等につ

いて点検し、記録する。

② 食肉類、魚介類等生鮮食品は、原則として当日納入するとともに、1回で使い切る量を購入する。

③ 検収時に異物を発見した場合の対応

・ 食品納入業者に異物を示し、速やかに返品して、異物の混入していないものを再度納品させる。

・ 丸亀市学校給食会又は学校給食センター職員は、その場で食品納入業者に対して、再度発生しな

いよう注意をする。

・ 異物混入記録表に記録する。(業者名・食品名・異物名・内容・写真等)

・ 食品納入業者に、丸亀市学校給食会会長あてに文書を提出させる。

(3) 調理過程

① 検収、下処理及び調理の全ての段階で複数の調理員で目視を徹底することにより、異物混入を防ぐ

ように努める。目視は次の点に留意する。

(ア) 目視をする部屋の照度は十分に保つ。

(イ) 海藻類などの海産物は海のゴミが混入していることが多いので特に気をつける。

(ウ) 米等は精米工場で金属探知機、色彩選別機等数種類の機械で選別されているが、異物混入の

可能性はゼロにはならないとの認識の上で目視確認を行う。

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② フードスライサーについては、ボルトのゆるみや刃こぼれがないかを、使用前・使用途中・作業終

了後に確認し、その都度点検表に記録する。

③ ビニール袋に入っている食材をはさみで切って開封する際には、切れ端がでないように二度切りは

しない。また最後まで切り落とさない。シールの上は切らない。

④ 野菜、果物等の下処理は、流水で三度洗浄する。加熱せずに提供する場合は、その後消毒し、再び

流水で洗浄する。

⑤ 調理作業中に異物を発見した場合の対応

(ア) 混入原因が食品納入業者に起因する場合

・ 異物が混入している食品をそのまま保存し、学校給食センター長・丸亀市学校給食会・栄養教諭

等に報告する。

・ 食品納入業者に伝え、全ての異物を取り除くことが不可能であったり、発見した異物以外にも混

入している可能性があるなど、異物の状況によっては、再度の納品又は代替品の納入を依頼する。

不可能な場合は、使用しないで給食を提供する。

・ 献立変更が生じた場合は、受配校へ連絡する。代替食品を使用する場合は、アレルゲンを確認し、

食物アレルギーへの対応を学校へ依頼する。

・ 食品納入業者に、異物が混入している食品を見せて注意し、混入原因と今後の対策について、丸

亀市学校給食会会長あてに文書を提出させる。

・ 異物混入記録表に記録する。(業者名・食品名・異物名・内容・写真等)

(イ) 混入原因が調理場に起因する場合

・ 異物が混入している食品をそのまま保存し、学校給食センター長・丸亀市学校給食会・栄養教諭

等に報告する。

・ 食品納入業者に伝え、異物の状況によっては、再度の納品又は代替品の納入を依頼する。不可能

な場合は、使用しないで給食を提供する。

・ 全ての異物を取り除くことが不可能であったり、発見した異物以外にも混入している可能性があ

るなど、異物の状況によっては、再度の納品又は代替品の納入を食品納入業者に依頼する。不可

能な場合は、使用しないで給食を提供する。

・ 献立変更が生じた場合は、受配校へ連絡する。代替食品を使用する場合は、アレルゲンを確認し、

食物アレルギーへの対応を学校へ依頼する。

・ 異物混入記録表に記録し(食品名・異物名・内容・写真等)、混入原因を調査するとともに、今

後、発生させないための対策を講じ、実施する。

(4) 給食センター施設・設備の点検

① 調理室内は、関係者以外立入りを禁止する。

② 調理員は、調理場に入る前の日常の被服点検を徹底し、調理場に入る際にはエアシャワー等でゴミ、

髪の毛などを除去する。

③ 施設内の調理機器を調理開始前、終了後に必ず点検し、部品の破損による給食への混入を防ぐ。

(5) 各学校等への配送過程

① 給食センターから各学校等の配膳室入口までの、配送員の安全・衛生管理の徹底について指導する。

② 調理した給食はコンテナに入れて各学校等の配膳室入口へ配送し、配膳員に確実に受け渡す。

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(6) 学校内での衛生管理

① 配膳室、ランチルーム等の衛生管理に努め、生ゴミ・残菜等を置かない。

② 配膳室はみだりに人が出入りしないようにする。給食配膳員が配膳室から離れるときは、鍵をかけ

るなど、給食が置き去りにならないようにする。また、廊下に放置されるコンテナは、鍵をかけて

管理する。

③ 牛乳・パン・給食・デザートは必ず対面で立会い、納入時刻、品質、賞味期限、品温、異物の混入

及び破損の有無を確認し、衛生チェックリストに記録する。

④ 食器及び食缶に異常がないか確認する。

(7) 児童・生徒に対する指導

① 教室での配食は学級担任の管理・指導のもと、異物が混入しないように十分注意する。

② 給食当番は白衣・帽子・マスクを着用し、配食の過程で異物が混入しないように十分注意する。

③ 教室・ランチルーム内において、画鋲・ホチキスの針・コンパスの針・ピンなどが散乱しないよう、

整理整頓に心がける。

④ 金属片・ガラス片等の危険な異物が給食に混入した場合の危険性や命の大切さについて指導する。

(8) 丸亀市学校給食異物混入事故対策委員会

学校給食における異物混入事故発生時に原因究明のための調査及び再発防止について検討するため、

丸亀市学校給食異物混入事故対策委員会を設置する。

【給食に異物が混入していた場合の対応】

1 異物混入の発見 (異物の種類により対応を判断すること)

調理器具の部品、針、包丁の刃先など、児童生徒の健康に影響を及ぼすと判断される異物混入の場

合は、学校長は全クラスの給食を中断するよう指示する。

学校長は直ちに市教育委員会及び第二学校給食センターに事態を連絡する。

異物の混入状態によっては、市教育委員会は当該学校給食センターの全配送校へ緊急連絡して、当

該献立にかかる中止措置をとる。

異物が入っていた食缶、食器はできるだけ原状のまま学校給食センターに返却する。

2 異物混入における対応について (危険な異物の場合)

(1) 学校内の連絡体制

① 児童生徒 ⇒ 担任 ⇒ 学校長・教頭

・ 担任は児童生徒から異常の報告を受けたときは、ただちに当該クラスの給食を中断し、学校長に

報告する。

・ 学校長は全クラスの給食を中断し、児童生徒の被害状況を把握する。

・ 当該児童生徒並びにその児童生徒のグループからも異物混入の状況について聴取すること。

② 関係機関への連絡体制

異物発見後、直ちに連絡すること。

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・ 学校 ⇒ 市教育委員会 (学校教育課 ・総務課)

・ 学校 ⇒ 学校給食センター (第二学校給食センター)

※ 危険異物かどうか判断できない場合は、第二学校給食センターへ連絡する。

(2) 市教育委員会における連絡体制

① 市教育委員会 ⇒ 当該学校給食センターの全配送校に連絡し、当該献立の中止措置をとる。

〃 ⇒ 学校給食センター(献立中止の連絡)

〃 ⇒ 秘書広報課 → 市長

〃 ⇒ 議会事務局 → 市議会議長

〃 ⇒ 教育委員

② 学校給食センター⇒ 西部教育事務所 → 県保健体育課

〃 ⇒ 香川県中讃保健福祉事務所

〃 ⇒ 丸亀警察署

(異物の種類や児童生徒の被害状況を把握してから、学校長との協議により調

査依頼について検討する。)

(3) 献立を中止した場合の代替食

・主菜に混入した場合

常時缶詰を各学校等に保管しておき、それを使用する。

・主食に混入した場合

常時乾パン等を各学校等に保管しておき、それを使用する。

(4) 被害児童生徒の保護者への説明と謝罪(市教委・学校給食センター)

経過説明と当面の対応策並びに再発防止対策について説明する。

(5) 児童生徒の健康被害の有無の確認(全配送校)

当該学校給食センターの全配送校において、各クラス担任は養護教諭と連携をとり、児童生徒の体

調の変化に注意し、健康被害の有無を確認する。

(6) 保護者への報告(学校給食センター)

重大な異物混入について、市教育委員会において記者発表した場合は、同時に当該学校給食センタ

ーの全配送校を通じて保護者に対しても異物混入の概要について説明する。

(7) 原因の究明

① 当日の食材の検収時、調理時に異物や外観の異常の有無を確認する。

② 食材の包材や調理機器、器具の素材と一致していないかを確認する。

③ 調理工程を確認し、調理機器、器具の異常の有無を確認する。

④ 食材納入業者に確認し、製造、加工の工程における混入の可能性を調査する。

(8) 改善策の検討

① 調理場や食材で考えられる原因に応じて、再発防止対策を講じる。

② 食材納入業者、既製品の製造業者に指示した場合は、検査結果や再発防止策について報告書を提出させ

る。

③ 学校等に原因があった場合は、学校側と話し合い、必要な再発防止対策について協議する。

④ 原因が解明できず、効果的な改善策を講じることができない場合であっても、混入の可能性につい

て調査し、異物混入リスクの軽減に努める。

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2.食中毒への対応

(1) 食中毒の的確な把握

欠席者の欠席理由や異常を訴えた児童生徒の症状に、腹痛・発熱・嘔吐・下痢が共通にみられるな

ど、食中毒の疑いがあるときは、直ちに学校医、市教育委員会に連絡し、患者の措置に万全を期すと

ともに、次に示す基本的状況について把握する。

① 発症者の特定と人数(学年別、学級別、男女別)

② 症状の内容(腹痛・発熱・嘔吐・下痢)

③ 発症した日時と場所

④ 学校、学年、学級、地域等で行われた行事の有無

⑤ 医療機関への受診の有無

(2) 連絡体制

① 学校(校長) ⇒ 市教育委員会 (学校教育課・総務課)

② 市教育委員会 ⇒ 学校給食センター (第二学校給食センター)

③ 〃 ⇒ 香川県中讃保健福祉事務所

④ 〃 ⇒ 秘書広報課 → 市長

⑤ 〃 ⇒ 議会事務局 → 市議会議長

⑥ 〃 ⇒ 教育委員

⑦ 〃 ⇒ 西部教育事務所 → 県保健体育課

(3) 児童生徒への対応

① 全員の健康観察

② 保健福祉事務所の検便、喫食調査等への協力

③ 学校医・保健福祉事務所・市教育委員会と連携しながら、健康診断、出席停止、消毒その他の措

置について協議する。

(4) 保護者への対応

① 情報提供と依頼

(ア) 正確な発生状況、食中毒についての正しい知識、児童生徒及び家族の健康管理の注意事項、今

後の対策について、随時文書で周知する。その際、プライバシー等人権の侵害がないように配

慮する。

(イ) 児童生徒の健康状態に不安がある場合は、直ちに申し出るよう依頼する。

(ウ) 保健福祉事務所等の指示により検便、消毒、健康調査等を実施する場合は、その趣旨や実施方

法を説明し、協力を依頼する。

② 質問等への回答

保護者からの質問等については、窓口を一本化し回答する。(マスコミ対応も同様)

③ 発症児童生徒の保護者への対応

面会するなどし、今後の登校の可否については、医師の判断をもとに相談する。

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(5) 原因の特定

学校給食センターは、保健福祉事務所の検査に協力するため、次のとおり体制を整備する。また、

原因が特定されるまでは当該学校給食センターの給食を中止する。

① 下処理室、調理室などの現状維持

② 調理員、配送員等関係者の検便の実施(食材納入業者、パン・牛乳・デザート等納入業者も含む。)

③ 保存食の提供

④ 献立表、食材等一覧表、各種業務点検表など資料の提出

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3.食物アレルギー事故への対応

丸亀市学校給食における食物アレルギー対応

① 食べられない献立が確認できるように、アレルゲン特定原材料を記載した「アレルギー児童生徒用

加工食品一覧表」を保護者に配布する。

② 希望により、パン・牛乳を停止する。

③ アナフィラキシーショックを起こす可能性のある児童生徒は、家庭から弁当を持参する。

食物アレルギー対応給食の概要

1 基本的な考え方

食物アレルギーを持つ子どもたちも楽しく安全な給食時間を過ごせるよう、まず施設等が整っている中

央学校給食センターにおいて、管轄する小学校をモデル校と定め、子どもたちの安全確保が可能な範囲で、

医師の診断、指示に基づく対応を基本に、平成 24年度からアレルギー対応給食を次のとおり実施する。

2 アレルギー給食の内容

除去・代替対象食品は次のとおり。今後の拡大を検討するが、開始当初については、対象食品を

対象児童等の多い以下のものに限定する。

【除去食または代替食】 鶏卵、乳

【代替食】 鶏卵・乳の入ったデザート、果物(キウイ、メロン、バナナ)

3 アレルギー給食の対応基準

次の全ての項目に該当する児童等を対象にアレルギー対応食を実施する。

(1)食物アレルギーと医師から診断されていること

① 医師による診察・検査により食物アレルギーと診断され、保護者より医師の指示書等が提出され

ていること

② 医師から食事制限を指示され、家庭でも食事制限を行っていること

(2)症状が重篤でなく、学校給食センターでの調理対応が可能なこと

① アナフィラキシーショック発症の危険がないこと

② 微量でのアレルギー症状の発症の危険がないこと(よく洗った調理器具の微量残留や 離れた場所

の粉の飛散など微量での発症の危険がないこと)

③ アレルゲン(原因食品)が多岐にわたらないこと

(3)年に 1回、医師が診断した指示書等を提出するとともに、年度末には保護者と学校は面談すること

① 食物アレルギー給食の対応をしている児童等の保護者は原則、年に最低 1回、医師の診断を受け、

指示書等を提出すること

②食物アレルギー対応給食の継続者の面談では、アレルギー症状の経過を踏まえたうえで、除去・代

替食の中止・変更など翌年度以降の対応を協議すること

(4)配送用保温容器・袋の外部に該当児童等の氏名・クラス名等を表示することが可能なこと

① 配送は保温容器を個人用の袋に入れて配送すること

② 誤配送を防ぐため、個人用の保温容器・袋に学校名・クラス名・児童等氏名を表示すること

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4 学校等におけるアレルギー対応給食の受渡しと配膳

毎月分の個人の対応内容を記載している「食物アレルギー対応表」を保護者及び学校に配布するので、

それを確認しながら、以下の受渡しと配膳を行う。

5 緊急時の対応

(1)基本的な考え方

食物アレルギーの誘発症状は、軽いじんま疹から気管支ぜん息やアナフィラキシーのように緊急の対応

を要するものまで幅が広い。アレルギーをもつ児童等が何らかの体調の変化を訴えた場合は、常にアレル

ギー症状である可能性を考慮して観察し、迅速な処置のタイミングを逃さないことが大切である。

誤食が確認された場合は、数分から2時間後まで、あるいはその後も症状が出現する可能性を念頭に置

いて、体調の変化を観察する。児童等が何らかの症状を訴えた時点で誤食の事実が確認できない場合であ

っても、それに対する処置は症状に基づいて進めるべきである。

一般にアレルギー症状に対して処方されている頓用薬(抗ヒスタミン薬、ステロイド薬、気管支拡張薬

等)は安全性の高いものが多く、早期に服用することで問題となる重大な副作用はないと考えてよい。

症状が出現し始めてから走ったり、激しく動き回ったりすると、症状が急激に悪化する危険がある。局

所的なじんま疹等軽い症状を認めた場合でも、消失するまでは保健室で休ませる等、慎重な対応をとるこ

とが望ましい。対応する教職員が交代する場合には状況を確実に申し送って、症状が完全に消失するまで

観察を続ける。軽くとも症状が出現した児童等を、一人で帰宅させてはいけない。

ー 配 膳 室

職 員 室

学級担任・対象児童等

担当者が受取確認

(食物アレルギー対応給

食受渡し確認表【様式1

3】記入)

配 膳 室

学級担任等が受取確認

(食物アレルギー対応給食

受渡し確認表【様式13】

記入)

対応給食喫食

片付け

配 送

回 収

受渡し

受渡し

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(2)緊急時対応の流れ

第 1 段階

初期対応

第 2 段階 応援体制の 確保

第 3 段階

症状レベル

による対応

の実施

第 4 段階 救急車要請

アレルゲンが皮膚に付いた時

眼症状(かゆみ・充血・むくみ)

アレルゲンを口に入れた時

洗い流す(さわった手で眼をこすらないようにする)。

洗眼後、抗アレルギー薬、ステロイドがあれば点眼する。

口から出させたり、吐かせたりして口をすすぐ。

※発症した子どもを独りにしない

校長等 ・職員室への対応指示

養護教諭等 ・児童等の症状対応と状態観察 ・主治医、学校医への連絡等

学級担任等 ・保護者への連絡

<皮膚症状> 部分的なじんましん あかみ、弱いかゆみ <粘膜症状> 軽い唇やまぶたの腫れ <呼吸器症状> 鼻汁、鼻閉、単発の咳

<消化器症状> 軽い腹痛、単発の嘔吐 <全身症状> なんとなく元気がない

<皮膚症状> 広範囲のじんましん あかみ、強いかゆみ <粘膜症状> 明らかな唇やまぶたの腫れ <呼吸器症状> 時々繰り返す咳

<消化器症状> 明らかな腹痛、複数の嘔吐 <全身症状> 元気がない、横になりたがる

<粘膜症状> 飲み込み辛さ <呼吸器症状> 咳き込み、声がれ、ぜん鳴 (ゼーゼーヒューヒュー) 息苦しさ、呼吸困難、チアノーゼ

<消化器症状> 強い腹痛、繰り返す嘔吐や下 痢 <全身症状> ぐったり、意識喪失、立ち上がれない

・緊急時薬があれば内服 ・安静、厳重に経過観察 (症状が進まなくても最低1時間) ・必要に応じて主治医、校医に連絡し指示を受ける

・アドレナリン自己注射(エピペン)

があれば用意

グレード1

グレード2

グレード3

・緊急時薬があれば内服 ・主治医、校医に連絡し指示を受ける

・アドレナリン自己注射(エピペン)を用意、必要に応じて使用

・医療機関の受診(必要に応じて救急車要請を考慮)

・緊急時薬があれば内服 ・アドレナリン自己注射(エピペン)を使用

・救急車を要請し、医療機関を受診

・必要に応じて蘇生術を実施

※上記症状は一例であり、その

他の臓器症状で判断に迷う場

合は、グレード2以上の対応を

行う。

発見者(学級担任等)が医務室、保健室へ連れて行く。場合によっては現場に急行する。

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(3)エピペンについて

緊急時にエピペンを使用するのは、医師法違反にはならないと、文部科学省から全国の都道府県教育委

員会に通知されていることから、各学校においては、エピペンを処方されている児童生徒を把握し、アナ

フィラキシーのショック症状が出た場合は、躊躇せずにエピペンを使用できるよう、教職員に対して研修

を実施するなど、十分な知識を備えておくこと。

エピペンの使い方は、エピペン本体にわかりやすく記載されており、以下のとおりである。なお、以下

の使用法はエピペン注射液 0.3mgであるが、エピペン注射液 0.15mgも同じ使い方である。

マイラン製薬㈱「http:www.epipen.jp/user/hwto/use.html」より

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