群論入門 2lionfan/group2.pdf群論入門 2 -部分群・ 巡回群・ 剰余類-...

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群論入門 群論入門 -部分群・巡回群・剰余類- p443-p449また会えたね! 張り切っていこう!

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  • 群論入門 2群論入門 2

    -部分群・巡回群・剰余類-(p443-p449)

    また会えたね!張り切っていこう!

  • 部分群とは何か?

    ある群Gの元をいくつか集めると、群Gと同じ演算で(変えてはいけない!)

    ふたたび群になるとき、その集合を群Gの部分群(subgroup)といいます。

    すべての奇数は「足し算」では群にはなりません。奇数+奇数=偶数で、演算が閉じていませんから。

    …-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 4, 5…

    …-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 4, 5…

    群 G

    部分群 H任意の2元を足しても、

    やっぱり偶数でしょ?

    群Gの部分群は

    しばしばHと書きます。

    (Gの次の文字だから)

    たとえば整数と「足し算」は群ですが、

    偶数だけでも群となります。ですから偶数は「足し算」において整数の部分群です。

  • trivialの語源は tri(「3つの」)、via(ラテン語で「道」)=三叉路

    三叉路は人通りが多く、秘密の話ができず、会話は「つまらない」ものに限られるからなんだ。

    その他、via関連の単語を紹介すると…obvious (明白) 見逃すはずはない道の真ん中obviate (除去する) 道の障害物を片付ける

    出典 Norman Louis -Word Power Made Easy-

    自明な部分群・真部分群

    群Gそのものと、単位元だけの群は、いつでも部分群です。これを「自明な部分群」(trivial subgroup)といいます。

    この2つを除いた物を、「真部分群」(proper subgroup)っていうの。自分自身を除く部分集合を「真部分集合」っていうけれど、

    「真部分群」の場合は{e}も除くことに注意するのよ。

    それでは、部分群の例を見てみましょう。

  • 部分群の具体例

    30*n度の回転群を親として、120*n度の回転群は部分群。

    位数は12から3になる。

    S4の対称群を親として、偶置換だけ、つまり交代群A4は部分群。

    位数は 24(= 4!) から12よ。

    クラインの4元群において、{e、x}は部分群。位数は4から2。

    一般に部分群の位数は、親の位数を自然数nで割ったものだ。これをラグランジュの定理という。

    あとで証明しよう。

    0-11において12を法とする演算群が親なら、

    {0、4、8}は部分群。位数は12から3になるわ。

    群マシンで確認してね。

    (13) (14) (23) (24) (34) (12)(34)

    (13)(24) (14)(23) (123) (132)

    (234) (243) (1234) (1243)

    (124) (142) (134) (143)

    (1324) (1342) (1423)

    (1) (12)

    (1432)

    (1) (12)(34)(13)(24)(14)(23)(123)

    (124) (142) (134) (143) (234) (243)

    (132)

    交代群A4

    対称群S4

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    e x

    e xx e

    e x 

    クラインの4元

  • 部分群の判定法

    部分集合HがGの部分群であるかどうかの判定法は3つあります。

    部分群が無限集合の場合、a∈H,b∈H のとき a★b-1∈H ならHは部分群

    という判定法もあります。ほとんど上と同じことです。

    部分群が有限集合のとき、a∈H,b∈H のとき a★b∈H ならHは部分群です。閉じていればいいわけね。

    部分群が無限集合なら、(たとえばG=(整数,+)でH=(偶数,+)

    a∈Hのとき a-1∈H (逆元が存在すること)という条件が追加されます。

    ここでは、有限集合の場合の判定法に限って証明します。

  • 有限なら閉じてさえいれば部分群 その1

    Hを部分群と仮定します。aをHの元とすると、a★a、a★a★a…、つまりan タイプは、すべてHに属します。(nは自然数に限るけど)

    いまHは有限なのに、anのnを大きくすれば、元を無限につくれます。なぜでしょう? …重複があるからです。

    つまりai = aj となる、異なる自然数 i,jがあるのです。(ここで i<j と仮定しても問題ないわね)

    群Gの部分集合Hが 有限 のとき、a★b∈H(a∈H,b∈H)なら、

    Hは部分群である

    Hは閉じてるんでしょ?だから演算結果も

    やっぱりHに属すの。

    -群の4条件-

    A 閉じている

    AB 結合法則

    O 単位元

    B 逆元

    仮定より、Hは 演算★ において閉じています。(A)結合法則はGで満たされているので、Hでも満たされます。(AB)

  • 有限なら閉じてさえいれば部分群 その2

    ai = aj という整数 i,j があるなら、単位元は aj-i=eです。(両辺にa-iを掛けました)

    単位元もanタイプで、しかも(j-i>0 より)n は自然数です。よって単位元はHに含まれています。(O)

    群Gの部分群Hが有限集合なら、a∈H,b∈H のとき a★b∈H ならHは部分群である

    あと必要なのは「逆元がHに存在すること」の証明ね。つまり逆元もanタイプ(n=自然数)になってればいいの。

    aの逆元って、仮にXとすると、どんな元aに対してもX★a=e となる元のことよね。

    j-i≧2ならば、X★a=aj-i。両辺にa-1をかけてX★a=aj-i-1。j-i≧2だから、j-i-1は自然数。

    j-i=1ならば、aj-i=a1=e。 (つまりaは単位元で、それ自身で逆元よ)1はもちろん自然数。

    結局、Hのどの元も、逆元はanタイプ(nは自然数)でしょ?だから逆元はかならずHにあるの。(B)O、A、B、ABが集合Hでも満たされるので、Hは群。OK?

    -群の4条件-

    A 閉じている

    AB 結合法則

    O 単位元

    B 逆元

    -群の4条件-

    A 閉じている

    AB 結合法則

    O 単位元

    B 逆元

  • 巡回群の例を挙げましょう。

    たとえば整数と足し算は「群」だが、整数はすべて元1のn乗なんだ。

    えっ? 1のn乗は1じゃないかって?この場合、「積」とは「足し算」のことだろ?

    つまりn乗とはn回の「足し算」なんだ。だから整数nは1nとなる。

    ちなみにこの場合、1-n=-nだ。

    生成元と巡回群

    ある群のすべての元が、ある一つの元aのべき乗、つまりanであらわせる場合が、しばしばあります。

    このような群を巡回群 (cyclic group) といいます。

    そしてaのことを生成元 (generator) といいます。

  • 巡回群の具体例

    30*n度の回転群なら、30度の回転を生成元とした巡回群だ。ただし生成元は、たとえば330度回転(-30度回転=a11)でもいい。

    S4の対称群において生成元はないの。24枚のカードすべてを、ある1枚のカードをn枚つないで作るわけにはいかないから。

    ゆえに4次の対照群S4は巡回群ではないの。

    クラインの4元群も巡回群ではない。どの元の2乗も自分自身になってしまい、

    4つの元を覆えないから。

    (13) (14) (23) (24) (34) (12)(34)

    (13)(24) (14)(23) (123) (132)

    (234) (243) (1234) (1243)

    (124) (142) (134) (143)

    (1324) (1342) (1423)

    (1) (12)

    (1432)

    0-11において12を法とする演算群なら1が生成元。でも7とか11も生成元になるの。

    要するに12との最大公約数が1ならいいわけ。

    群マシンで確認してね。

    X軸

    Z軸

    Y軸

  • 巡回群はアーベル群

    a★b=b★aが成り立つ群がアーベル群なんだけど、巡回群はつねにアーベル群よ。

    だって、すべての元がanの形なんでしょ? だったらai★aj= ai+j = aj+i =ai★aj だから。

    巡回群なら群マシンで扱える、ということはわかると思う。0,1,2,3,…のかわりに a1 a2 a3 … an とすればいい。

    逆に巡回群でなければ、群マシンで扱うのは無理じゃないか?

    ええ、ちょっとした工夫で扱うことができます。例としてクラインの4元群を扱ってみましょう。

    (p445の図11.7のbも実はクラインの4元群)

    これはアーベル群ですが、巡回群ではない例です。

    あら、前に誰か、群マシンは有限のアーベル群なら扱える

    って言ってなかったっけ?

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    1章11ページ目「クラインの4元群 その3」を参照のこと

    クラインの4元群

  • X軸

    Z軸

    Y軸

    e、x、y、zを「対応表A」のように対応させれば、クラインの4元群は2次元の0,1ベクトルで表現できます。

    たとえばx★y=zは、(10)+(01)=(11)という、ベクトルの足し算に還元できます。

    つまりクラインの4元群は、

    0,1の円盤を乗せた群マシン2台で扱えるのです!

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    11

    00

    10

    01

    11

    00

    10

    01

    00

    10

    01

    11

    11

    00

    10

    01

    11

    00

    10

    01

    11

    00

    10

    01

    zyxe

    11

    00

    10

    01

    01 10

    01 10

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    コード化 デコード

    zyxe

    11

    00

    10

    01

    群マシン

    群マシンってお得だね!

    対応表A 対応表A’

    クラインの4元群クラインの4元群

    クラインの4元群を群マシンで扱う 1

  • X軸

    Z軸

    Y軸

    いま排他的論理和を演算とすると、x=(10)、y=(01)ですので、

    すべての元は=xnym

    と表わせることに注目してください。

    zyxe

    11

    00

    10

    01

    x0y0

    x1y0

    x0y1

    x1y1

    排他的論理和って、

    0+0=01+0=10+1=11+1=0

    のことだよ!

    クラインの4元群を群マシンで扱う 2

  • クラインの4元群を群マシンで扱う 3

    クラインの4元群のすべての元がxnymで表せるように、一般に有限のアーベル群は、

    元をx、y…とうまくとると、すべての元が xnym… と表現できることが証明されています。

    いいかえると、n個の巡回群に分解できるのです。

    このときx、y…を底 (basis)といいます。「てい」と読みましょう。

    つまり有限のアーベル群ならn台の群マシンで扱える、ってことだね!

    nは底の数だよ。

    クラインの4元群の場合、

    さっきは底をx、y に取ったけど、y、zとか、z、xを底にしても良かったの。

    底の取り方は一通りとは限らないってことよ。

  • もっと上手いやり方があるの。たとえば 13 で3をつくれば、

    あとは 315 で45になるでしょ?手数は17(=3+15-1)手で済むのね。

    加法鎖の求め方について

    生成元の話が出たところで、ちょっと寄り道しよう。最初に生成元{1}が与えられているとしよう。

    そして演算は + だけが許されている、としよう。

    与えられた値、たとえば45を素早く生成するには、どうすればいいだろう?

    たとえば 145 でも生成できるけど、45手かかってしまう。

    {1,2,3,4,5,6,7,8,…45}

    45手

    {1,2,3,6,9,12,15…45}

    17手

  • これを加法鎖(addition chain)という。代表的な手法を2つ紹介しよう。1つ目はnが因数分解できる場合のテクニックだ。

    加法鎖の作り方 その1

    pとqの加法鎖がそれぞれ{1,2,…p}、{1,2,…q}と生成できるとき、pqの加法鎖は 手順1 さっき生成したのと同じ方法でpをつくる。 手順2 qの生成方法と同様に、しかしスタートをpにして加法鎖をつくる。 手順3 すると{p×1,p×2,…pq}ができ、目的のpqが完成する。

    このように生成します。

    たとえば45=5×9の場合、5は{1,2,3,5}、9は{1,2,4,8,9}で作れるから、

    {1,2,3,5,10,20,40,45}が答えなの。

    1,2,3,5

    1,2,4,8,9×

    1,2,3,5,10,20,40,4545

     5

     9

    ×8手かかったわ

    8手

    すべて 5 倍!

  • 2つ目はゴールから逆算する方法だ。

    加法鎖の作り方 その2

    このテクニックだとnがどんな数でも大丈夫。その前に確認。仮に加法鎖がpまでできたとする。{1,2,…p}。そのとき次の1手で、つねに{p+1}か{2p}に行けることを確認してほしい。「持ち物」にいつも1とpがあるからね。…確認したかい? よぉぉぉし。

    それではnが1になるまで、手順1、2を繰り返してほしい。 手順1.偶数だったら2で割る。 手順2.奇数だったら1を引く。

    たとえば45なら、{45,44,22,11,10,5,4,2,1}ね。

    これを逆にした{1,2,4,5,10,11,22,44,45}が答えよ。9手かかったわね。

    さっきの答えが8手だから、少し能率が悪いけど、どんな問題でも簡単に解けるのがポイントよ。

    それでは寄り道から戻りましょう。

  • 剰余類

    一般に部分群の位数は、親の位数を自然数nで割ったものになります。

    これがラグランジュの定理 (Lagrange’s theorem)です。しかし証明の前に、まず「剰余類」(coset)を勉強しましょう。

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    クラインの4元群で、まず直感的な説明。色をつけたところが

    「部分群」だろ?

    ここが

    「右剰余類」(right coset)よ。

    ここが

    「左剰余類」(left coset)で

    クラインの4元群

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    クラインの4元群

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    クラインの4元群

  • 左剰余類

    群Gの部分群をHとします。群Gに属する元aを固定したとき、

    集合{a★h|{h∈H}}を

    「aに関するHの左剰余類」といいます。

    たとえば元yを固定したとき、H={e,x}だから、

    「yに関するHの左剰余類」はここです。

    e x y z

    z y x e

    e x y zx e z yy z e x

    e x y z

    なぜ左「剰余」類というのか。群マシンで説明しましょう。

    ラグランジュ著「数値方程式の解法」をエヴァリストが借り出したとき、図書館員はからかおうとした。「規則は知っているだろうね。八日間しか借り出せないんだぜ。それを八日で読み上げるつもりかね?」「やってみるよ」かれは序論にある代数学の定義を読み出した。

    -インフェルト「ガロアの生涯-神々の愛でし人-」日本評論社、p88-

    ラグランジュはガロアに強い影響を与えた。群論の概念の一部は、ラグランジュも気づいてたようだ。

    部分群H

  • 左剰余類と群マシン その1

    いま群Gを、12を法とする{0-11}の群とし、部分群をH={0,4,8} とします。

    つまり右の車輪には {0,4,8}しかない、とします。

    左の車輪に0(単位元)をセットすると、左の車輪は {0,4,8} しか行けません。

    0★H=H ってことよ。

    11

    54

    3 2

    78

    9 10

    部分群H群G

    群Gの元(この場合e)

  • 11

    54

    9 10

    左剰余類と群マシン その2

    右の車輪を変えないまま(つまり部分群はHのままで)左の車輪に1をセットしましょう。

    こんどは左の車輪は{1,5,9}に行きます。この{1,5,9}こそ、「1に関するHの左剰余類」です。

    4で割って1余る数の集合だろ? だから剰余類。

    1★H={1,5,9} ってことね。

    部分群H群G

    群Gの元(この場合1)

  • 「セットした数」のことを

    「代表」(representative)といいます。丸で囲ったのが「代表」です。

    「代表」は各左剰余類を代表しています。代表は好きに取ってかまいません。

    群Gを部分群Hで分類する

    11

    43 2

    78

    9 10

    ÷

    08

    11

    6 2

    10

    + ++

    群G 部分群H

    0★H 1★H 3★H2★H

    G =

    0★H

    +1★H

    +2★H

    +3★H

    Hで割った「余り」は左です。

    だから「左剰余類」なのです。a★H なら、小文字が

    左にあるから左剰余類。

    数式で書くとこうなる!

    本によっては逆の定義もあるらしいが、

    剰余の意味からしてこちらが正しい(はず)

  • 小難かしく言うと…

    このことを証明しよう。

    08

    11

    6 2

    10

    0★H 1★H 3★H2★H

    各左剰余類は、まったく異なる

    「a★Hとb★HをHの2つの左剰余類とする。このときa★Hとb★Hは、

    互いに素であるか、あるいは完全に一致する」

    各左剰余類はまったく共有する元を持ちません。4つの車輪で、同じ数字がないでしょ?

  • いまa★Hに属する好きな元、a★h3をとると、

    a★h3 = (b★h2 ★ h1-1 )★ h3

    = b★ (h2 ★ h1-1★ h3) ∈ b★H

    a★H、b★Hに共通な元 f があるとしよう。

    そのときa★h1=b★h2 (というh1、h2がH中にあるはずだ)

    両辺に h1-1 をかけて a= b★h2 ★ h1-1

    どれもHの元だから、いくら掛けても

    やっぱりHの元なの。

    つまりa★H に属するどんな元も、かならず b★H に含まれる。

    ゆえに a★H ∈ b★H。

    ところが同じ論法で a★H ∋ b★H。

    よって、a★H とb★H に共通な元が1つでもあれば、

    a★H = b★H となり、2つは完全に一致する。(終)

    これを利用している

    各剰余類は、まったく異なることの証明

    (注)右剰余類の証明もまったく同様なので省略!

  • だからHの剰余類は、+ 記号を使っていいの。G = a1★H + a2★H+ … + ar★H っていうようにね。

    この r を指数 (index)という。

    群Gを部分群Hで割ったときの、剰余類の数が 指数 だから、

    G / H とでも書きたいところだが、ま、(G:H) と書いてほしい。

    いま証明したとおり、異なる剰余類は共通な元をもたない。

    カッコよく書けば

    a、bが異なる左剰余類に属すなら(a★H)∩(b★H)=φ

    指数

    Gは部分群Hによって、a1,a2,… ,arを代表とする

    r個の左剰余類に分けられたのね。

    (注)この記法だと、群Gの位数 (=メンバー数) は

    #G = ( G : {e} ) と表現できるよ!

  • 分割したあとの

    円盤の数だから…4!

    具体例で覚えよう。この場合、指数はいくつ?

    指数を覚える

    11

    43 2

    78

    9 10

    ÷

    08

    11

    6 2

    10

    + ++

    群G 部分群H

    0★H 1★H 3★H2★H

    正解!位数12の群Gを、

    位数3の部分群Hで「割った」から、

    位数は4になったの。

  • この場合、右剰余類と左剰余類が完全に一致してるわ。

    アーベル群なら、いつも (右剰余類)H★a=a★H (左剰余類)。だってアーベル群は a★b=b★a が成り立つんでしょ?

    だったらa★h=h★a も成り立つから。

    この場合は右、左を区別する必要がないから「剰余類」っていうの。アーベル群でないなら、H★a=a★H とは限らないわ。

    右剰余類 が何かは、

    もう見当がつくと思う。

    そう、H★a のことだ。

    右剰余類

    11

    43 2

    78

    910

    ÷

    08

    11

    6 2

    10

    + ++

    群G 部分群H

    H★0 H★1 H★3H★2さっきとは逆に

    なっているよ!

    指数は、右剰余類でも左剰余類でも同じになるわ。

  • そろそろ概念が混乱しはじめたんじゃないか?

    私の経験では、これらの概念を覚えるだけで3日かかった。

    しかも、しばしば忘れた。復習しておこう!

    巡回群・アーベル群・部分群・真部分群

    巡回群 … すべての元が an であらわせる。

    アーベル群 … a★b=b★a がなりたつ。

    部分群 … 群Gの部分集合が、やっぱり群。

    真部分群 … 部分群-自明な部分群。

    自明な部分群 … 群G自身と、{e} 。

    数学の言葉、それは一種の速記術である。 -J・ヤング-

    「巡回群」が、忘れやすいと思うわ。

  • 復習の続き。すまんね!

    個人的には 位数 と指数 の区別が難しかった。

    生成元・底・位数・指数・右剰余類・左剰余類・代表

    生成元 … 群のすべての元が、そのべき乗であらわせる元のこと。

    底 … 群Gのすべての元が a1n,a2m,…, arp と表現可能なGの元a1,a2,…, arのこと。

    位数 … 群の元の数。(メンバー数)

    指数 … 群Gの部分群Hによる、異なる剰余類の数。

    左剰余類 … 群Gの部分群をHとすると、a★H。(ただしa∈G)

    右剰余類 … 群Gの部分群をHとすると、H★a。(ただしa∈G)

    代表 … (左剰余類の場合)a★H の a のこと。

    数学ほど、このことわざが物をいうところはない。

    「言いだしたからには途中でやめるわけにはいかない」。

    -コヴァンツォブ-

    右剰余類と左剰余類、

    どっちがどっちか、大丈夫?

    小文字のある方よ!

  • 2章の終わり

    2章は文字だらけだし、派手な定理がなくてつらい章だが、よくがんばった! いよいよ3章で、

    ラグランジュの定理バーンサイドの定理フェルマーの小定理

    を証明できる! 地道な努力のおかげだよ!ここまでの静聴、どうもありがとう!

    今後ともわれわれは、気合をいれてがんばるぞ!

    まーだ、やる?

    刺しちゃおうか。

    あのヒト、

    しつこいのよ。