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移動型の携帯電話用災害対策 無線通信システムに関する調査検討 2018年7月12日 KDDI株式会社 株式会社KDDI総合研究所 1 Copyright (C) KDDI and KDDI Reserach. All Rights Reserved. ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ展開戦略TF 4回会合資料 本内容には、総務省 技術試験事務「移動型の携帯電話用災害対策無 線通信システムに関する調査検討」で得られた成果を含んでいます 資料 展開TF4-6

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移動型の携帯電話用災害対策無線通信システムに関する調査検討

2018年7月12日

KDDI株式会社

株式会社KDDI総合研究所

1Copyright (C) KDDI and KDDI Reserach. All Rights Reserved.

ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ展開戦略TF第4回会合資料

本内容には、総務省技術試験事務「移動型の携帯電話用災害対策無線通信システムに関する調査検討」で得られた成果を含んでいます

資料 展開TF4-6

Miyajima
長方形
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ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジ展開戦略TF(第4回)

災害発生時に携帯電話が利用不可になる

被災者の数の把握、位置把握、情報配信、連絡などにスマホが役立つ

災害時に早い段階でスマホを活用可能

とするための技術が必要

検討の背景

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停電や回線切断で基地局の電波が停止

スマホが利用不可に

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ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジ展開戦略TF(第4回)

ケース①: 陸路が使える場合は車載型基地局

ケース②: 海が使える場合は船舶型基地局

ケース③ :どちらも使えない場合に「空飛ぶ基地局」(飛行体[ドローンやヘリ]による基地局) 通信エリアの確保だけでなく、上空から被災地の様子を撮影し、リアルタイムに被災地外に映像配信することも想定

検討の背景

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ケース③ケース①

ケース②

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ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジ展開戦略TF(第4回)

単独型システム• 災害発生直後から必要な機能を飛行体単独で実現• 外部通信路(※)なし

連携型システム• 通信機能の一時的復旧• 外部通信路(※)あり

【加入者情報なし】おおよその被災者数の把握、一斉の情報配信

【加入者情報あり】正確な位置確認、個別の情報配信、救助依頼(オペレータとの通話)

一時的な通信サービスの提供

加入者情報を保持せず、端末台数把握、情報配信(緊急時の報知システム/ETWS)を実現

加入者情報を保持し、正確な位置測位、情報配信(SMS等)、機上との通話を実現

加入者情報を保持せず(通信事業者自身の情報を利用)、外部通信路経由で、孤立エリア外との連絡を実現

飛行体基地局システムの概要

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基地局

情報配信システム

移動管理システム

基地局

加入者情報

呼処理 位置測位

情報配信 移動管理

システム

基地局等

飛行体(ヘリコプターやドローン)

被災エリアに対して上空からエリア構築

無線設備とコア設備を搭載

飛行体

被災エリアに対して上空からエリア構築

無線設備を搭載

中継車

外部通信路経由

通信事業者コア設備

コア設備

コア設備

※ 外部通信路飛行体基地局システムと免災地の設備を接続する回線

※ 加入者情報利用者を特定するために必要な情報(例:氏名、電話番号、認証情報)

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ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジ展開戦略TF(第4回)

災害により発生した孤立地域の状況に応じた通信機能の提供が可能

災害時における適用イメージ

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発生直後(~1日)

応急復旧期(1~3日)

仮復旧期(3日以降)災害発生

被災地の状況 • 災害により通信の途絶した孤立地域が発生

• 被災状況が把握できず

• 孤立地域に被災者がいることが判明

• 被災人数や状況の詳細が以前把握できず

• 孤立地域の解消には時間がかかる見込み

• 被災者の通信ニーズが高まる

必要な通信機能• おおよその被災者数の把握

(端末の台数把握)• 一斉の情報配信

• 正確な位置確認(GPS利用)• 個別への情報配信、救助依頼

• 孤立エリア外との通信

単独型で実現

連携型で実現

地上の携帯電話システムと連携できない状況でも、本システム自身の移動管理機能と携帯端末から発信される電波により、対象エリア内の在圏状況が確認できるため、災害時の救助要請や捜索活動にも効果が期待できる

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ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジ展開戦略TF(第4回)

(1) 通信孤立エリアにおける一般LTE端末向け災害時通信を可能にする、飛行体による単独型通信システムを日本で初めて実現 これまでは、Public Safety(専用)端末の導入が一般的 単独型を加入者情報なしで実現(災害時等の緊急時のみの利用を想定)

(2) 上空基地局からの無線伝搬状況 高度150mのドローンから約1kmの通信可能な信号レベルを確保できることを確認

(地上からの飛行体基地局の見通し状況、地形・樹木の影響等により変化)

上空伝搬特性は拡張秦式でモデル化の可能性 ビーム幅の広いアンテナは機体の揺れや振動の影響が少なく、ヘリやドローンに適用可能

技術的特徴(1/2)

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得られた電波伝搬特性

Ec[dBm]

送信点

約1km以内で通信可能な信号レベル

フィールドでの通信エリア確認結果

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ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジ展開戦略TF(第4回)

(3)モバイルコア設備、無線設備の小型化・軽量化

技術的特徴 (2/2)

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約75kg• 1Uサーバ3台• 2年かけて、75kgに軽量化

機能集約・処理負荷軽量化で実現

モバイルコア設備

無線設備

約0.1kg• Stick PC 1台

小型アンテナ広い通信エリアを形成可能なアンテナを開発(約170g)

超小型LTE基地局2GHz帯に対応 (約570g)

ドローン基地局の

飛行の様子

ヘリやドローンに搭載可能に(通信機材重量:約3kg、バッテリ含む)

ヘリコプターへの

搭載例

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ヨコスカ×スマートモビリティチャレンジ展開戦略TF(第4回)

これまでの取り組み: 要素技術について、フィールド等での実験により実証を完了 「無人航空機型基地局(ドローン基地局)」は、2017年12月に鹿児島県熊毛郡屋久島町において、国内通信事業者では初となる実証実験に成功

小型・軽量化により、新システムのヘリコプターへの持ちこみが可能となり、2018年3月に実機で確認

今後の予定: 実用化に向けて引き続き取り組みを進める予定 耐環境性の考慮、システム機材の更なる小型・軽量化といった技術面 実際の災害現場における運用方法 他用途への応用(例:山岳等における遭難者救助)

これまでの取り組みと今後の予定

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ヘリコプターへの搭載確認

(2018/3)

屋久島での実証実験(KDDIプレスリリース、

2017/12/14)

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