原子力発電に関する広報活動-22- 原子力発電に関する広報活動...

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- 22 - 原子力発電に関する広報活動 福島県では、原子力発電所周辺地域の環境放射能の監視、測定など安全確保対策の充実、 強化を図るとともに、原子力に関する知識の普及啓発等広報活動も重要であるとの観点か ら、昭和 47 年度以降原子力講演会の開催等の各般にわたる事業を実施している。 昭和 48 年度からは原子力広報誌「アトム福島」(昭和 60 年度から「アトムふくしま」 に名称変更)の発行を開始し、昭和 50 年度から目で見る広報活動の展開のため原子力セ ンター内に展示室や映像ホールを設け、原子力に関するパネル、模型などの各種展示物や マルチビジョン映像を設置した。さらに、昭和 52 年度から原子力広報連絡会議を設置し、 原子力発電所周辺地域住民に対し、研修、講演等を通じた情報提供を行い、原子力に関す る知識の普及啓発を図っている。 また、昭和 55 年度から広報・安全等対策交付金が原子力発電所周辺関係市町村にも交 付されることになったことに伴い、県と関係市町村が一体となって広域的かつ効率的な広 報活動を行う必要が生じたため、昭和 56 年4月1日、共同で㈶福島県原子力広報協会を 設立し、同協会のもとで種々の原子力広報事業を実施している。 平成5年度には、展示備品の老朽化が進んだことから展示室を増設するとともに展示備 品を全面的に入れ替え、さらに 200 インチの大型ハイビジョン映像装置の導入、エレベー ターの設置など住民の利用を促進するため広報施設の充実を図り、また、平成 14 年度は、 原子力発電所に対する県の安全確保対策をわかりやすく広報するため、3D映像ソフトの 制作や機器整備等を行った。

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Page 1: 原子力発電に関する広報活動-22- 原子力発電に関する広報活動 福島県では、原子力発電所周辺地域の環境放射能の監視、測定など安全確保対策の充実、

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原子力発電に関する広報活動

 福島県では、原子力発電所周辺地域の環境放射能の監視、測定など安全確保対策の充実、

強化を図るとともに、原子力に関する知識の普及啓発等広報活動も重要であるとの観点か

ら、昭和 47 年度以降原子力講演会の開催等の各般にわたる事業を実施している。

 昭和 48 年度からは原子力広報誌「アトム福島」(昭和 60 年度から「アトムふくしま」

に名称変更)の発行を開始し、昭和 50 年度から目で見る広報活動の展開のため原子力セ

ンター内に展示室や映像ホールを設け、原子力に関するパネル、模型などの各種展示物や

マルチビジョン映像を設置した。さらに、昭和 52 年度から原子力広報連絡会議を設置し、

原子力発電所周辺地域住民に対し、研修、講演等を通じた情報提供を行い、原子力に関す

る知識の普及啓発を図っている。

 また、昭和 55 年度から広報・安全等対策交付金が原子力発電所周辺関係市町村にも交

付されることになったことに伴い、県と関係市町村が一体となって広域的かつ効率的な広

報活動を行う必要が生じたため、昭和 56 年4月1日、共同で㈶福島県原子力広報協会を

設立し、同協会のもとで種々の原子力広報事業を実施している。

 平成5年度には、展示備品の老朽化が進んだことから展示室を増設するとともに展示備

品を全面的に入れ替え、さらに 200 インチの大型ハイビジョン映像装置の導入、エレベー

ターの設置など住民の利用を促進するため広報施設の充実を図り、また、平成 14 年度は、

原子力発電所に対する県の安全確保対策をわかりやすく広報するため、3D映像ソフトの

制作や機器整備等を行った。

Page 2: 原子力発電に関する広報活動-22- 原子力発電に関する広報活動 福島県では、原子力発電所周辺地域の環境放射能の監視、測定など安全確保対策の充実、

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 1.原子力広報事業予算

 原子力発電所周辺地域住民をはじめ、県民に原子力に関する知識の普及啓発を図るた

め、昭和 47 年度から予算措置をし、原子力広報連絡会議の開催、「原子力行政のあらまし」

の発行、㈶福島県原子力広報協会への委託事業として、「アトムふくしま」の発行や各種

研修会・講演会の開催等、各般にわたる事業を実施している。その予算の概要は次のと

おりである。

( 単位:万円 概算 )

年度 47 ~ 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21

原子力広報連絡会議

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

3回

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

4回

原子力広報連絡会議

4回

展示用備品の整備

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力センター業務年報発行

原子力行政のあらまし(S 60 原子力行政の現状の名称変更)発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力行政のあらまし発行

原子力センター展示室の整備

原子力センター展示室の整備

(委託事業)アトムふくしまの発行

6回

(委託事業)アトムふくしまの発行

6回

(委託事業)アトムふくしまの発行

6回

(委託事業)アトムふくしまの発行

7回

(委託事業)アトムふくしまの発行

8回

(委託事業)アトムふくしまの発行

8回

(委託事業)アトムふくしまの発行

8回

(委託事業)アトムふくしまの発行

6回

(委託事業)アトムふくしまの発行

6回

(委託事業)アトムふくしまの発行

6回

56 年より委託事業

テレビ広報4社

テレビ広報4社

アトムふくしまの発行

新聞広報7社

新聞広報7社

新聞広報4社

新聞広報2社

新聞広報2社

新聞広報2社

新聞広報2社

新聞広報2社

新聞広報2社

新聞広報3社

テレビ広報「原子力の日」記念行事

「原子力の日」記念行事

「原子力を考える日」事業

「原子力を考える日」事業

「原子力を考える日」事業

「原子力を考える日」事業

「原子力を考える日」事業

「原子力を考える日」事業

「原子力を考える」事業

新聞広報 パンフレットの発行

2回

パンフレットの発行

3回

パンフレットの発行

3回

パンフレットの発行

2回

パンフレットの発行

2回

パンフレットの発行

2回

パンフレットの発行

2回

パンフレットの発行

2回

パンフレットの発行

2回

パンフレットの発行

1回

「原子力の日」記念行事

研修会7回

研修会7回

研修会6回

研修会5回

研修会6回

研修会6回

研修会6回

研修会6回

研修会6回

研修会9回

パンフレットの発行

講演会4回

講演会4回

講演会2回

講演会5回

講演会5回

講演会5回

講演会5回

講演会5回

講演会3回

講演会3回

研修会 原子力ふれあいの広場

14 回

原子力ふれあいの広場

10 回

原子力ふれあいの広場

9回

原子力ふれあいの広場

11 回

原子力ふれあいの広場

11 回

原子力ふれあいの広場

11 回

原子力ふれあいの広場

11 回

原子力ふれあいの広場

13 回

原子力ふれあいの広場

13 回

原子力ふれあいの広場

13 回

講演会 住民意識調査

原子力広報協会事業アンケート調査

原子力ふれあいの広場

その他 その他 その他 その他 その他 その他 その他 その他 その他 その他

住民意識調査

その他

合計 178,932 7,770 7,890 14,137 7,501 7,303 7,614 7,205 7,581 7,275 6,572

うち国庫

170,542 7,539 7,890 14,134 7,466 7,301 7,606 7,115 7,560 7,274 6,567

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 2.広報事業の主な内容

⑴ 福島県原子力広報連絡会議

 原子力発電所が立地、または立地が予

定されている地域の住民に原子力に関す

る知識の普及啓発を図るため、昭和 52 年

5月 23 日「福島県原子力広報連絡会議」

を設置した。

 この会議は、原子力発電所の立地及び

立地予定隣接の7市町の一般住民を会議

員に委嘱し、原子力発電所周辺環境放射

能の測定結果や原子力発電の仕組み等に

ついての説明や研修会、講演会などを年

4回行うことにしている。

福島県原子力広報連絡会議会議員構成

構 成 人 数 内 訳 委 嘱 期 間

県 4

原 子 力 安 全 対 策 課 長

相 双 地 方 振 興 局 長

原子力等立地地域振興事務所長

原 子 力 セ ン タ ー 所 長 … 議 長

市・町 7

広 野 町 長

葉 町 長

富 岡 町 長

大 熊 町 長

双 葉 町 長

浪 江 町 長

南 相 馬 市 長

市長・町長の推薦 91

町 関 係 者

農 業 関 係 者

漁 業 関 係 者

畜 産 関 係 者

商 工 関 係 者

医 療 関 係 者

社 会 婦 人 関 係 者

区 長 会 関 係 者

青 年 会 関 係 者

その他市町長が特に適当と認める者

1年

会議員への委嘱状交付

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⑵ 原子力センター展示室の運営

 昭和 50 年4月、原子力センター内に展示室を整備し、原子力発電のしくみなどのパネ

ル、模型等を設置した。その後、毎年、展示物の充実を図るとともに、昭和 53 年度には

展示室を増築し、原子力関係の模型、映像装置を設置した。さらに平成5年度には展示

備品を一新し、200 インチの大型ハイビジョン映像装置を導入するなど、楽しみながら

原子力に関する基礎知識が得られるような展示室とした。その後、平成 14 年度にハイビ

ジョン3D映像装置へと更新し、原子力センターの役割について、わかりやすく紹介し

ている。

 昭和 56 年度からは、当該展示室の案内業務を㈶福島県原子力広報協会に委託し、見学

者等に対し、よりわかりやすい広報を行っている。なお、現在の展示室の主な展示内容

は次のとおりである。また、年度別見学者数は別表のとおりである。

原子力センターの広報展示内容

①原子力センターの紹介

 ・業務紹介パネル

 ・環境放射能等測定地点図

 ・モニタリングシアター

 ・電光情報ボード ( 発電所の運転状況 )

 ・モニタリングポスト実物展示

 ・サーベイメータ実物展示

 ・環境試料の前処理模型

 ・浜通りサイクリング

②原子力発電のしくみ

 ・原子力発電のしくみ

 ・原子炉の5つの壁

 ・アトムビジョン

 ・核燃料サイクル

Page 5: 原子力発電に関する広報活動-22- 原子力発電に関する広報活動 福島県では、原子力発電所周辺地域の環境放射能の監視、測定など安全確保対策の充実、

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③エネルギーについて

 ・エネルギーカルトQ

 ・エネルギージグソーパズル

 ・燃料キャッチゲーム

④放射線について

 ・電磁波のスペクトル

 ・いろいろな放射線

⑤情報ライブラリ

 ・閲覧用ビデオ

 ・図書

 ・アトムふくしまバックナンバー

( 人 )

年 度 50 ~ 14 年度 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 合 計

見 学 者 数 397,125 7,080 6,182 6,562 7,461 7,070 9,148 4,527 445,155

(休館日 : 毎週土、日曜日・祝日・年末年始)

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3.財団法人福島県原子力広報協会による広報事業

 財団法人福島県原子力広報協会は、県民に原子力平和利用の知識と安全性に関する普

及啓発を行い、地域社会の振興に寄与する目的をもって、昭和 56 年4月1日に県及び原

子力発電所周辺関係 11 市町村の出捐によって設立された。

 同協会は、主に県及び関係6市町がその広報事業の一部を委託し、原子力広報誌「ア

トムふくしま」の発行など下記の事業を実施している。

 ⑴ 設立出捐金 2,000 万円

 ⑵ 出 捐 団 体 福島県、広野町、 葉町、富

岡町、川内村、大熊町、双葉

町、浪江町、葛尾村、南相馬

市、田村市、いわき市

 ⑶ 所 在 地 双葉郡大熊町大字下野上字大

野 199 番地

         福島県原子力センター内

 ⑷ 代 表 者 理事長 渡辺利綱(大熊町長)

 ⑸ 職   員 常勤職員は、常務理事兼事務

局長外2名

 ⑹ 事 業 費 約106,033千円(平成21年度)

 ⑺ 事 業 内 容 ①原子力知識の普及啓発に関

する事業

          ●広報誌、パンフレット等

の発行

          ●新聞広報

          ●「原子力を考える」事業

の実施

          ●講演会、研修会、ふれあ

いの広場の開催

          ●移動展示館の開催

         ②原子力センター展示室の見

学者の案内

         ③原子力に関する資料の収集

と公開

理事会

「原子力を考える」体験学習事業

平成21年度「原子力を考える」事業

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● 原子力広報誌「アトムふくしま」について

 本県浜通り地方は、電力の供給基地として大きく発展している中で、原子力発電所周

辺地域の住民は、原子力発電所の安全性や運転状況に対する関心が強いことから、福島

県では、原子力に関する知識を深めるため、昭和 49 年1月、県の原子力発電所監視体制

のあらましを収録した「アトム福島」第1号を発行した。以来、平成 21 年度まで 202 号

の発行をみている。

 昭和 56 年度から㈶福島県原子力広報協会に発行業務を委託し、年6回発行、名称も昭

和 60 年度から「アトムふくしま」に改め、原子力関連記事や浜通り地方の話題など掲載

し、内容の充実に努めている。

 また、平成元年度から配布地域を原子力発電所周辺地域から県内の全市町村をはじめ、

医療機関、金融機関、理容所等にも範囲を広げた。

 さらに、平成 12 年度から「アトムふくしま」をベースとしてインターネットによる広

報を開始するとともに、平成 13 年度から県内外の希望者に無償郵送を行うなど、一層の

充実を図っている。

原子力広報誌「アトムふくしま」と各種パンフレット類

(件)

年  度 12 ~ 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 合計

インターネットアクセス件数

15,411 5,187 8,001 6,949 3,323 2,874 3,152 44,897