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建築設計情報特論 09/07/27 m510069 中島彩 力のかたち

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建築設計情報特論 09/07/27

m510069 中島彩

力のかたち

自然の中から学んだ比率から形態を制御することにより

美しくかつ構造的にも安定している構造形態を導き出す。

例えば、膜面構造が美しいのはその構造が自然界の生物や植物のように、力学的に無理がなく合理的な曲面が形成されているためである。

その形状を決定する手法のひとつであり、最も効率的なのがコンピュータを用いた数値解析である。

その中でも、私は特にGC(Generative Components)に着目し、数学モデルを用いて風や積雪など力学的に無理がなく合理的な形態の解を検証するとともに、その土地においての適した形態を模索してみる。

まずはGCに触れることによって、その特性を把握することを目指した。自然界に多く見られる曲線の例として今回この数式を取り入れた。

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円の作成

放射状にポイントの設定

ポイントに向かって線を配置

線の頂点をむすぶ

線を消す

新たに線を配置

先ほどと同じように線の頂点をむすぶ

線を消す

ポイントの設定

向きの指定

螺旋の作成

「美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければならない」( アントニ・ガウディ)

この模型では、網状の糸に重りを数個取り付け、その網の描く形態を上下反転したものが

垂直加重に対する自然で丈夫な構造形態と、方程式も使わずに導き出した。

比率でつくる形

扱う比率

力学的に安定している比率の例

黄金比

カテナリー

プラトン立体

唐戸橋

(正二十面体)

ゲートウェイ・アーチ錦帯橋

くねくねタワー

(正四面体)

クモの巣 ダイティンゲンのサービスエリア

コッホ曲線

ミョウバン

( 正八面体 )

黄鉄鉱

( 正六面体 )

送電線

オウム貝 ピラミッド 雪の結晶

ケーブルを2点間に吊り下げたときに自重で自然に形作られる曲線のことである。

吊り材に対する荷重が地面に対して均等なときファニキュラーは放物線となり、

吊り材の長さ方向に均等なときカテナリーとなる。

カテナリー上で頂点からの弧長が s0 であるような点 (x0, y0) において、

その接線が x 軸の正の向きと成す角を θ0 と置いたとき、この点に掛かる張力 T0 は s0 に比例し

T0 の鉛直成分 T0sin(θ0) は重力 g(に曲線の質量密度 w を掛けたもの)と釣り合っている。

水平方向の釣り合いを考えれば T0 は 1/cos(θ0) に比例する必要があるので、結局のところ適当な比例定数 l, k などを入れて

という条件が得られる。これを解いたカテナリーの標準的なモデルは

チェーンの両端を持った時、チェーンに

はチェーンを引っ張る力のみがかかる

引張る力 圧縮する力

反転させればアーチにはアーチを圧縮す

る力のみがかかる。

カテナリー(catenary)

操作手順重力のかたち

制御点の位置を指定して点を設定する

参考作品

プロジェクト”Catenary Respiration Roof”(Yukio Minobe 美濃部幸郎, 2009)天井の換気口のかたちとしてカテナリーを採用している。

制御点の範囲を指定して点を設定する

範囲内の制御点で自由にスタディできるプログラムをつくる

“Catenary Respiration Roof”第23回建築環境デザインコンペティション 「̶風と生きる建築」より

Rhinoceros

また、双曲線関数は指数関数 e を用いてx と定義されることから

よって、もともと組み込まれている双曲線関数の数値プログラムをもとに、プログラムを立てていくことができるといえる。

カテナリーの標準モデルと双曲線関数 y = cosh(x) が相似であることがわかる。

数式

力のかたちで何が作れるのか

実際に解析ソフトを使いながら何が作れそうなのか模索していく

線材や面材で、立体の輪郭をなぞるように組み立てるのではなくあらかじめ平面で組んだものからアーチを生み出す。

プロセス

長さの違う板材を並べて櫛状のパーツを作る。

工場などで生産し、現場に展開する折りたたみ可能な架構とする。

プレートをスライドし端部を引き寄せるとプレートが起き上がり、柔らかな空間が生まれる。

材が少し曲がることで、頂点部分が締め付けられたシェル構造を形成する。

移動可能建築を用いて、使われない空地を一時的に利用する。

あらかじめ組まれた伸縮する外壁を使うことで運搬と組み立ての簡便化をはかる。

外壁に膜を張ることで空間が出来上がる。外壁の伸縮の場合、外壁と外壁の組み合わせ、そして膜の張り方の組み合わせで、

大小さまざまな大きさの空間を作り出し、街の中の空地をにぎわいの場所に変える。

利用用途

全体がバネのように弾性域内でしなることで風圧力や地震力に耐える。

木のしなやかさを生かした構造システムとなる。

力の釣り合い

足元を引寄せることによって外材は内材に押し上げられ、

曲面を形成する。一方内材は圧縮力によってアーチ形状を描く。

外材を両端ピン支持の単純ばりとしてモデル化しスパンw、

内材が外材を押し上げる力を P、作用点 aをパラメータとして外材の形を検証する。

空間について

幅と高さ、しなり具合に合わせ、曲げる前の材長を算出。

両サイドからの力を加える事で、様々な大きさの空間が形成される。

W

a

PW=3~5m とし、アーチのアウトラインを検証する。

構造解析ソフト

STAAD.Proは骨組み構造専門なため、今回は面材を扱える構造解析ソフトの使用を試みる。

使用ソフト

形力 -2 では 面を張ることができる。

各面の受ける風荷重が架構の最適化に反映される。

「形力-2」(KeiRiki-2)は「形力-1」の発展版プログラムとして、壁や屋根のような「面」を持つ建築体を扱えるようにしたものである。

このプログラムの目的は、「必要な条件を解いた形態を発生させること」と、「その形態に与えた荷重を支持することに高い適合性を持つ(=高適(最適))な」構造を生成すること」である。

「形力-2」(KeiRiki-2)

「形力-1」は面を張らない「純」構造体を対象にしたプログラムであった。 これに対して「形力-2」では、ガラスや壁などの「面」を張った、より一般的な建築体を扱うことができる。

・Bentley Structural・Bentley RAM Structural System・STAAD.Pro

現在 Bentley で扱われている構造解析用のソフト

現在学校で扱うことの可能な Bentley の構造解析用のソフト

ビルディング、橋梁、プラント、土木建築の解析および設計:

•STAAD.foundation  •STAAD.Pro  •STAAD.beava  •Sectionwizard  •STAAD.Offshore  •STAAD(X).Tower •LEAP PRESTO  •LEAP VERTEX •LEAP PC-HELP  •Revit Structure Link  •RAM Elements  •RAM Concept •RAM Connection  •RAM Structural System  •RAM Steel  •RAM Frame  •RAM Foundation  •RAM Concrete

図面とビルディング インフォメーション モデリングの作成を可能にする文書化およびBIM製品

•Bentley Structural  •RAM CADstudio

鋼構造設計およびコンクリート補強の細部化に対応する細部化製品

•Bentley PowerRebar  •ProSteel  •ProConcrete

応力解析、配管応力解析、流体解析、振動解析、局部応力解析に対応した解析ツールを搭載するエンジニアリング解析(CAE)製品

•Bentley AutoPIPE

著作者 :渡辺 誠、大崎 純、千葉 貴史

構造解析ソフトの実践

1.全体の曲面を決定する 

5.構造の最適化を行う 6.最適化された構造の表示

3.点を移動して形態を形成する 4.荷重を設定する座標の向きを変える

サーフェスでの表示2.形態を発生させる

BIM48 を通して見えてきた可能性

解析ソフト(STAAD)で求めた各部材にかかる力の関係性を検証することで

柱の配置、細さを調整し、力のかかり方を空間のデザインへと反映できることが分かった。

BIM48 では STAADにて構造のスタディーを行った。

解析特性と設計特性を比較すると上の階になればなるほど柱は細く出来る。

柱の配置と組み合わせ方の検討をする。

プランの変更から柱の配置のスタディーを重ねていった。

考えられる空間のイメージ例

   蜘蛛の巣のようなラーメン構造

配置によって柱の太さが変わることから、上階の柱の置き方によっては一階の柱を長いスパンで飛ばす事が出来る。