筋力と感覚、姿勢をアシストする 上肢作業支援スーツsens -...
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筋力と感覚、姿勢をアシストする
上肢作業支援スーツSEnS
北海道大学 田中 孝之
広島大学 栗田 雄一
JST新技術説明会
(2016.1.19 JST東京本部別館)
本研究成果は北海道大学・広島大学の共同研究成果です
HumanCentric
Engineering軽労化®アシスト:スマートスーツ
1
腰を屈めると,
筋力補助と体幹安定化補助が発現!
【スマートスーツ®ライト】 【スマートスーツ® Pro】
動作パタンに最適な
腰の3次元補助を実現!
NEDO福祉用具実用化開発推進事業 (2009-2012)
科学研究費補助金事業 (2006-2008)
JST戦略的イノベーション推進プログラム(2010-)
各種作業の軽労化を実現!
Dual Back Support
Technology
Motion-Based
Assist Technology
「スマートスーツ」「軽労化」は(株)スマートサポートの登録商標です.
HumanCentric
Engineering軽労化技術のコンセプト
2
アシスト (たすける) / リスク回避 (まもる)
⼈の⼿による作業を持続的に安全かつ快適に⾏えるように⾝体にかかる
負担と疲労を軽減することで疾病リスクを低減すること
トレーニング (きたえる・たもつ)
継続的な作業によって得られる適度なトレーニング効果が体⼒(筋⼒・
持久⼒・気⼒)の維持・増進に寄与し、作業者の労働意欲を⾼めること
HumanCentric
Engineering軽労化技術による作業支援
軽労化技術適用分野=人手による作業
共通課題– 長時間・長期間の作業– 無理な姿勢での作業– 高い腰痛罹患リスク
農業 介護 建設 物流
消防救急 除雪 競走馬調教 漁業
– 労働力不足
– 作業者の高齢化
– 複雑なものは受け入れられない
9
HumanCentric
Engineering猫背になっていませんか?
4
HumanCentricEngineering
あるメーカーからの打診
5
� 内視鏡執刀医の手術作業を軽労化したい
HumanCentricEngineering
内視鏡医に聞きました
6
1
28%
2
14%3
8%
4
9%5
6%
6
21%
7
13%
8
1%
執刀時負担に感じる部位執刀時負担に感じる部位執刀時負担に感じる部位執刀時負担に感じる部位
1
21%
2
10%
3
4%
4
3%
5
21%
6
26%
7
9%
8
6%
執刀中姿勢に気を付けている部位執刀中姿勢に気を付けている部位執刀中姿勢に気を付けている部位執刀中姿勢に気を付けている部位
1.首
2.肩
3.腕
4.手
5.背中
6.腰
7.脚
8.ない
� 首,肩,腰に疲労を感じている
� 首,肩,腰だけでなく,背中の姿勢にも注意している
HumanCentricEngineering
解決しようとする課題
7
� 内視鏡手術やVDT作業では長
時間,腕を上げ続けて作業を行うことで腕,肩,背中に負担がかかる.その負担によって猫背となり,さらに背中や腰に負担がかかる.
� 従来の肩サポータは肩を固定することが主目的である.
� 従来の腕アシスト器具では,肩の補助しかできない.
� 従来の姿勢矯正ベルトでは,猫背防止しかできない.
HumanCentricEngineering
上肢作業・姿勢矯正アシストスーツSEnS-W
� 両腕挙上をアシストできる
� 両腕補助力の反力を用いて背筋を伸ばす(猫背防止)
� 腕を上げたままベルト長さを上腕部で調整できる
8
弾性材弾性材弾性材弾性材
上腕上腕上腕上腕
補助力補助力補助力補助力姿勢姿勢姿勢姿勢
矯正力矯正力矯正力矯正力
上腕上腕上腕上腕
補助力補助力補助力補助力
北大・広島大共同研究
特願2015-218662 「補助スーツ」
HumanCentricEngineering
上肢作業・姿勢矯正アシストスーツSEnS-W
9
【特願2015-218662 補助スーツ】
� 補助ベルトを両肩から各前腕に取り付ける.
� 同補助ベルトを右肩,背部,左脇下,胸部,右脇下,背部,左肩の順に通す(たすき掛け).
HumanCentricEngineering
肩サポータ SEnS
10
北大・広島大共同研究
2015.2.24 Engadget 英語版記事
2015.2.26 GIZMODO 記事 など
不要な筋力はなるべく使わせず,かつ運動を阻害しない身体サ
ポートにより,自分の身体をより自在に動かせるアシストウェア
HumanCentric
EngineeringSEnS: Sensorimotor-Enhancing Suit
11
• 伸縮性生地によるパッシブなアシスト法を採用• 上肢挙上時の肩関節屈曲モーメントをアシスト
HumanCentricEngineering
SEnS着用時の重量知覚実験
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目的
条件
SEnS着用による重量知覚への影響を調査
�被験者:12名
� 計測時間:3 [s]�負荷部位:手首
�試行数:3試行
�負荷重量:500,1000,1500,2000 [g](ランダム提示)
SEnS
タスク
※ SEnS着用・非着用の2条件で測定
力センサ負荷重量
おもり
を外す
①負荷重量の記憶 ②記憶した負荷重量の出力
HumanCentricEngineering
重量知覚実験結果
�計測知覚量 �知覚誤差
0
5
10
20
知覚量
[N]
1000 1500 2000500
負荷 [g]
0
5
15
知覚誤
差[N]
1000 1500 2000500
負荷 [g]
1510
25
*
: p < 0.05*
*
SEnS着用による重量知覚感度向上を確認
�SEnS非着用
�SEnS着用
�全被験者平均
13
HumanCentric
Engineering感覚運動機能アシスト
14
� 力知覚誤差
0
5
15
知覚誤
差[N]
1000 1500 2000500
負荷 [g]
10
*
: p < 0.05*
*
筋力補助で力知覚アシスト
�SEnS非着用
�SEnS着用*
0
11
12
作業
時間
[秒]
500 1000 15000リストウェイト [g]
13
14
15
~~
�SEnS非着用
�SEnS着用
作業効率・精緻性が向上
北大・広島大共同研究
HumanCentric
EngineeringSEnS-Wの応用分野
15
� 内視鏡手術,眼科手術などの医療支援
� VDT作業� 自動車運転
� 農業,建設,自動車整備などの腕挙上作業
北大・広島大共同研究
広島大学医学部での試験
HumanCentric
EngineeringSEnS-W 実用化に向けた課題
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� 装着性の向上
→ 素材,縫製� 上腕挙上以外の姿勢や動作を妨げない工夫
→ ベルト配置,能動化
HumanCentricEngineering
SEnSや軽労化ツールを作りませんか?
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� SEnSを一緒に作りませんか?� SEnS実用化タイプの製造,販売
� SEnSアクティブタイプの共同開発
� さまざまな作業を軽労化するアシストツールを作りませんか?
� 軽労化ツールの共同開発
� 軽労化研究会への勧誘
HumanCentricEngineering
軽労化研究会
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いつまでも生きがいを持って働き
楽しく暮らせる社会を目指して
さまざまな仕事の機械化、ロボット化が進む中、人だか
らできる仕事、人のぬくもりが必要な仕事は少なくありま
せん。そのような仕事は、人々の生きがいとなり、日々の
生活の糧となりますが、年齢とともに衰える体力で、離職
せざるを得ない人が増えています。人の手による仕事の
労力や、人の疲労を軽くし、いつまでも生きがいを持って
働き、楽しく暮らせる社会を支える技術、これが「軽労化技術」です。
私たちは、誰もが安心して使える「軽労化技術」を研
究・開発するだけでなく、「軽労化技術」によって労働意
欲のある方の身体機能をサポートし、誰もが持続的に参
画可能であるエイジフリーな「軽労化社会システム」の創造を目指します。
http://keiroka.org/
軽労化研究会会長
田中孝之 (工学博士)
北海道大学
大学院情報科学研究科准教授
株式会社スマートサポート
技術顧問
HumanCentricEngineering
お問い合わせ先
北海道大学大学院情報科学研究科
システム情報科学専攻 准教授
田中 孝之
E-mail: [email protected]ホームページ: http://www.ssc-lab.com/http://www.keiroka.org/
Tel/Fax: 011-706-6756