人工知能技術は使ってなんぼ - panasonic...

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© 2017 人工知能技術は使ってなんぼ Use AI or Lose AI 2017.10.5 パナソニック株式会社 先端研究本部 研究企画部/基盤技術研究部 部長 水野 1. 本資料の著作権は、パナソニック株式会社が保有しています。 2. 資料中の出典表示、©表示がある箇所の著作権は、表示先に帰属します。 3. 著作権の関係又は関係先の要請により、一部のページや図面が削除されている箇所があります。 CEATEC JAPAN 2017 カンファレンス AI-2-2講演資料

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© 2017

人工知能技術は使ってなんぼ Use AI or Lose AI

2017.10.5 パナソニック株式会社 先端研究本部

研究企画部/基盤技術研究部 部長 水野 洋

1. 本資料の著作権は、パナソニック株式会社が保有しています。 2. 資料中の出典表示、©表示がある箇所の著作権は、表示先に帰属します。 3. 著作権の関係又は関係先の要請により、一部のページや図面が削除されている箇所があります。

CEATEC JAPAN 2017 カンファレンス AI-2-2講演資料

© 2017

はじめに 産総研との先進型AI連携研究ラボ AIによる先端研究のイノベーション 社内AI人材教育 おわりに

アジェンダ

1.

2.

3.

4.

5.

/30 2

© 2017

1. はじめに

/30 3

© 2017

私どもの役割 /30 4

技術の新規性

ビジネスの新規性

非連続技術

新ビジネス モデル

非連続

非連続

カンパニー 事業部門

本社部門 イノベーション推進部門

アプライアンス社

エコソリューションズ社

コネクティッド ソリューションズ社

オートモーティブ& インダストリアルシステムズ社

既存

改良技術

新市場

© 2017

人工知能技術によるイノベーションがあらゆる分野で伸展

オープンイノベーション

データ

自社の強み オープンイノベーション

ビジネスモデル 問題

AI技術 (アルゴリズム、計算機)

他社との競争の中で、どこでリードして勝つか

/30 5

© 2017

アラン・チューリングが残したもの /30 7

電気機械式計算機 Bombe 展示:BLETCHLEY PARK

「量・スピード」のイノベーション

チューリング テスト

人間

機械 ? 知性

「質」のイノベーション

© 2017

AI技術で目指すイノベーション

熟練者のレベル1を目指し、AI技術による提供価値を検証

レベル1

熟練者

レベル2

/30 8

量・スピード 人間の能力

計算機による イノベーション

AI技術による イノベーション

データ・AI技術の革新でレベル2へ

© 2017

2. 産総研との先進型AI連携研究ラボ

/30 9

© 2017

産総研内に当社専用ラボを設置、産総研の研究資源を活用 先進AI技術による未来課題解決・顧客価値創出を加速

パナソニック・産総研 先進型AI連携研究ラボ

パナソニック-産総研 先進型AI連携研究ラボ

… … パナソニックでテーマを設定

先端アルゴリズム 先端計算機環境

実証ラボ 未来課題 顧客価値

出向・派遣

研究者 …

業務従事率をコミット

研究者 …

/30 10

© 2017

クラウドAIシステムによる映像解析

スポーツ映像

監視カメラ映像

画像解析

× …

画像認識 +大規模グラフ最適化

AIクラウド・大規模並列化

世界最速 AIクラウド・スパコン

/30 11

オクルージョン課題を解決し、数名規模で技術を確立

大規模・リアルタイム 動線追跡

商業施設、スポーツ観戦施設における多人数のリアルタイム映像解析を実現

AIクラウドの大規模並列化により100人規模のリアルタイム処理

© 2017

生活シーンで使える対話インタラクションに向け 食分野でのユーザ意図を理解する対話を実現

対話インタラクションAIシステム -1

× 自然言語処理研究の世界的権威 辻井潤一 センター長

アドバイザー

自然言語処理技術

/30 12

投稿写真や感覚的表現への応答を実現、さらにコーパス強化で高度な対話へ

対話応用

野菜たっぷりで ヘルシーですね

冷麺などは どうでしょうか?

あっさりした 中華が食べたい

料理画像に 基づく応答

食の知識を 考慮した応答

料理画像を アップロード

感覚的な 表現の発話

© 2017

画像診断での見落とし防止や診断補助に向けて、 胸部X線画像に対する異常検出・所見推定を実現

メディカルAIシステム

類似画像検索

医療データ

×

異常検知技術

異常状態+正常状態 の機械学習によりベテラン医師並み所見を データ拡充により疾患画像不足・未知病変への対応性を向上

/30 14

© 2017

物流倉庫での仕分け作業の自動化に向けた 汎用物のピッキング・搬送機能を実現

ロボティクスAIシステム

ピッキング動作/搬送動作

物流課題 強化学習

人からの教示無しで自律的に学習できる環境を構築 様々なデータで学習させ、汎用制御動作を習得

/30 15

取り出し動作 の学習

①ピッキング 動作制御

②搬送 動作制御

搬送時の 揺れ抑制の学習

物体把持等のマニピュ レーション制御技術

× ロボット技術

©AIST

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3. AIによる先端研究のイノベーション

/30 16

© 2017

AI技術による材料デバイス開発 「材料インフォマティクス(MI)」 新規材料開発を飛躍的に加速

材料デバイス研究の第4のパラダイム

順問題:計算科学

材料特性 デバイス性能 構造・組成 プロセス

Science relationships cf cause and effect

出典:米国物理学協会 応用物理 論文 Perspective: Materials informatics and big data: Realization of the “fourth paradigm” of science in materials, Ankit Agrawal and Alok Choudhary, Northwesten University. 15 April 2016

第4のパラダイム:データ駆動科学

経験科学

モデルベース 理論科学

計算科学

/30 17

逆問題:データ駆動科学 Engineering relationships of goals and means

© 2017

政府・大学・企業で2010年代初め活発な取り組みが進展

Material Genome Initiative(MGI)(2011年~) 製造業再建の切り札として、材料開発期間の半減化を目標 政 府

企 業 (ベンチャー)

材料インフォによる材料開発PFの開発・提供 (2013年~) 無料でデータを集める仕組みを構築、材料分野のGoogleを目指す

Gerbrand Ceder教授 ChiMaD※1 (2014年~2018年) OQMD※2 (2013年~)

大 学

Materials Project (2011年~)

※1 ChiMad: Center of Hierarchical Materials Design ※2 OQMD: Open Quantum Materials Database

Chris Wolverton教授

材料インフォマティクス動向:北米 /30 18

© 2017

公的機関のプロジェクトに企業が参加 材料インフォマティクス動向:日本

物質・材料研究機構 情報統合型物質・材料研究拠点 情報統合型物質・材料開発イニシアティブ(Mi2i) 無機では世界有数のDBを保有(MatNavi)

機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター(CD-FMat) 超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(NEDO 超超プロ) マルチスケール計算科学

戦略的イノベーション創造プログラム「革新的構造材料」 マテリアルズインテグレーション(パフォーマンスまで予測) 強く、軽く、熱に耐える革新的構造材料を開発

内閣府

無機機能材料

有機機能材料

構造材料

/30 19

© 2017

電子顕微鏡の解析にAI技術(セグメンテーション)を適用

3D構築 ネットワーク 抽出

性能解析により 特性影響因子を抽出

今後の展開

深さ方向の 連続画像

パナソニックでの取り組み例:1)高度解析技術

、今後性能解析まで展開 解析時間を数時間から数秒に短縮

/30 20

電池電極の断面構造

走査電子顕微鏡観察像 成分塗りわけ

負極

正極

電解質

概略構造

事例(リチウムイオン二次電池)

数時間

機能粒子 空隙 助剤

CAD+人手補正

→ 数秒 ニューラルネット

塗りわけ器 共同研究予定

電子顕微鏡写真 (省略)

© 2017

機械学習技術を活かすには最新性(質)と網羅性(量)が重要 パナソニックでの取り組み例:2)材料探索

新規材料・デバイス開発期間の半減を目指す

組成-特性の統合DB ・熱伝導率 ・キャリア濃度 ・イオン拡散係数 など

独自計算データ (第1原理計算)

計算科学 国内外

オープン・クローズDB

大規模DB

大規模DB

大規模DB 物性DB 共同研究

/30 21

自動化ツール

社内実験データ (成功&失敗も含む)

自然言語処理

電子ジャーナル

大規模DB

大規模DB 論文DB

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既存特性を超える未知材料の特性予測アルゴリズムを構築中 パナソニックでの取り組み例:2)材料探索

外挿性の獲得を反映した機械学習モデルにより、セレンディピティ領域へ

/30 22

目標特性

既存物質の 特性範囲

既存特性の限界

(B)競合学習

生成器: 幅広い物質候補を生成

識別器: 存在しうる物質か判別

離散外挿

目標特性 既存特性の限界

(A)自己再学習

隣接範囲を 望ましい方向に拡大

計算等で データ追加

既存物質の 特性範囲

隣接外挿

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4. 社内AI人材教育

/30 23

© 2017

今後、人工知能技術はあらゆる製品開発で必要に! 実務レベルでAI技術を活用できる人材育成が必須

2000年代 ネットワーク・クラウド

技術者に求められる基本スキルの変化

IoT/ロボティクス/AI 2015年~ 1990年代

組み込みシステム

/30 24

© 2017

「基礎・応用コース」と、実テーマ持込型の「実践コース」を設置 スキル認定試験やテーマ・成果発表で自ら使えるレベルへ

Panasonic AI人材育成プログラム /30 25

エキスパート育成コース ビジネスプロセス・コース

テーマ持込型研修

演習:Chainer、 Python 、Wekaなど

基礎・応用コース

実践コース

ディープ ラーニング 画像認識

機械学習

データ マイニング

データ アナリスティクス

データ分析 データ分析 データ分析

スキル認定試験

テーマ・成果発表

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大阪大学 情報科学研究科と学部・修士相当の講座を開発 2016年度から社内で実施

基礎・応用コースの概要

Deep Learning [画像認識]

機械学習 [データ分析]

データマイニング [データ分析]

講師 大学教授・准教授・講師 レベル 学部3年生 修士1年 修士1年

日程 全10回・6ヶ月コース 全10回・6ヶ月コース 全10回・6ヶ月コース

内容 統計的機械学習~ Deep Learning 基礎理論~演習

機械学習手法体系 学習プロセス実践

ビジネスデータ分析 科学計算データマイニング

手法とツール実践

/30 26

© 2017

大学より講師を招き講義を実施、実施済みコースはe-learning化 2021年にAI技術者を1,000人規模に

講義と e-Learning化 /30 27

© 2017

5. おわりに

/30 28

© 2017

AI技術は使ってなんぼ Use AI or Lose AI オープンイノベーションを活用し、AI技術によるイノベーションを加速 熟練者のレベルを目指し 、データ・AI技術革新のレバレッジで超える

自社の強み オープンイノベーション

ビジネスモデル 問題 データ AI技術

/30 29

量・スピード 人間の能力

レベル1

レベル2

熟練者

データ AI技術

AI技術による イノベーション

© 2017

その次のレベル3は? /30 30

ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき (NHK出版 2007/1/25) [著]レイ・カーツワイル [監訳]井上健 [共訳]小野木明恵、野中香方子、福田実

© 2017