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Page 1: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

理学部:物理学科専門科目 1・・・

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2020 春学期・月1・1学年・2単位

科 目 力学IA

(Mechanics ⅠA)

大江 純一郎担当教員

コースナンバー:P00-1231

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

古典力学で最も重要なニュートン力学を使いこなせるようになること。力学の基礎問題を通して、基本的な微分方程式を組み立て、解く能力を身につけることが、この科目の「到達目標」である。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 授業のガイダンス、力学において使用する数学の復習I(三角関数、指数関数と対数関数):力学をはじめとする物理学の構成をはじめに解説する。三角関数の加法定理、和積の公式等の導出および変形を行った後、指数、対数関数の確認を行う。

2 力学において使用する数学の復習II (ベクトル、微分、テイラー展開):力学を理解するうえで重要なベクトル量とスカラー量の違い、ベクトルの和と内積、ベクトル関数の微分の確認を行い、様々な関数の微分の練習を行う。

3 運動法則と基本概念:ニュートンの法則を示し、これを理解するうえで重要な座標系、次元、単位等について解説する。簡単な運動方程式の立て方を学ぶ。

4 ニュートンの法則(放物運動、重力):放物運動、摩擦がある時の運動等、基礎的で具体的な事例に関して運動方程式を立て、この解法を学ぶ。

5 運動量と力積(積分、運動量、力積):運動量について復習し、運動量を用いた運動方程式を解説する。これを用いて力積を学ぶ。

6 運動方程式の応用(弾性力、束縛力等):種々の力を紹介し、これが働いたときの運動方程式について解説し、運動方程式の定式化と簡単な解法を目指す。

7 ここまでのまとめと到達度チェック(中間試験)

8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ:三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、その物理的な意味を考える。

9 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅱ:指数関数の特性を確認した後、オイラーの公式を導出し、これを用いて複素数の極形式とガウス平面を解説する。

10 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅲ:一階の微分方程式の解法を特に変数分離型を中心として解説した後、二階の定係数の常微分方程式としての運動方程式の立て方を学ぶ。

11 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅳ:二階の定係数の常微分方程式としての運動方程式の特性方程式を用いた解法を学ぶ。

12 運動方程式の解法 I:単振動を具体例として、運動方程式の定係数の常微分方程式を紹介し、この解法を紹介するとともに、8.で解説した解との関係を学び、様々な境界条件における解の導出を目指す。

13 運動方程式の解法Ⅱ:抵抗がある時の落下等などの具体的事例を用いて運動方程式の定式化、解法、物理的意味の理解を目指す。

14 運動方程式の解法 Ⅲ:減衰振動、強制振動などを用いて運動方程式の定式化、解法、物理的意味の理解を目指す。

15 まとめと到達度のチェック(定期試験)

【3】 到達目標

物理で使用する数学を自由に使いこなせること。ニュートンの運動法則および力学の基本概念に関して説明できること。力学で使用するオイラーの公式を理解して使うことが出来る。定係数の常微分方程式の解法を具体的な事例を用いて計算できる。直交座標系おけるニュートン方程式を理解し、使いこなせるようになること。

【4】 授業概要および授業方法

この講義ではニュートン力学の基礎を学ぶ。ニュートン力学は物理学のあらゆる分野の基盤であるので、これを十分に学習しておくことは、他の講義を理解するためにも必要である。なお、学習上必要な数学の基礎的知識に関する授業が適宜挿入される。授業は講義、演習、解説から構成される。

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【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業前に教科書および参考書の該当する部分を1時間程度予習し、あらかじめ不明な点を確認しておく。講義の後、講義の中で解説した例題および授業中に課したレポート課題を中心として、2時間程度の復習が必要である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『力学』(近藤淳著、裳華房)    『基礎演習シリーズ 力学』(近藤惇著、裳華房)

〔参考書〕『考える力学』(兵頭俊夫著、学術図書出版社)    『物理のための数学』(和達三樹著、岩波書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

力学ⅠAと力学ⅠBは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。評価は期末・中間試験(80%)、レポート(20%)をもとに点数化を行い、100点満点で評価する。レポートに対して出来ていなかった点の解説を授業内で行う。

【8】 オフィスアワー

月曜日5時限 16:20-17:50木曜日5時限 16:20-17:50

【9】 関連科目

高校の数学の内容は、力学の授業の理解に大いに役に立つと思われる。

〔予め学んでおくとよい科目〕

力学IC 力学ID

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

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2020 春学期・月2・1学年・2単位

科 目 力学IB

(Mechanics ⅠB)

大江 純一郎担当教員

コースナンバー:P00-1232

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

古典力学で最も重要なニュートン力学を使いこなせるようになること。力学の基礎問題を通して、基本的な微分方程式を組み立て、解く能力を身につけることが、この科目の「到達目標」である。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 授業のガイダンス、力学において使用する数学の復習I(三角関数、指数関数と対数関数):力学をはじめとする物理学の構成をはじめに解説する。三角関数の加法定理、和積の公式等の導出および変形を行った後、指数、対数関数の確認を行う。

2 力学において使用する数学の復習II (ベクトル、微分、テイラー展開):力学を理解するうえで重要なベクトル量とスカラー量の違い、ベクトルの和と内積、ベクトル関数の微分の確認を行い、様々な関数の微分の練習を行う。

3 運動法則と基本概念:ニュートンの法則を示し、これを理解するうえで重要な座標系、次元、単位等について解説する。簡単な運動方程式の立て方を学ぶ。

4 ニュートンの法則(放物運動、重力):放物運動、摩擦がある時の運動等、基礎的で具体的な事例に関して運動方程式を立て、この解法を学ぶ。

5 運動量と力積(積分、運動量、力積):運動量について復習し、運動量を用いた運動方程式を解説する。これを用いて力積を学ぶ。

6 運動方程式の応用(弾性力、束縛力等):種々の力を紹介し、これが働いたときの運動方程式について解説し、運動方程式の定式化と簡単な解法を目指す。

7 ここまでのまとめと到達度チェック(中間試験)

8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ:三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、その物理的な意味を考える。

9 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅱ:指数関数の特性を確認した後、オイラーの公式を導出し、これを用いて複素数の極形式とガウス平面を解説する。

10 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅲ:一階の微分方程式の解法を特に変数分離型を中心として解説した後、二階の定係数の常微分方程式としての運動方程式の立て方を学ぶ。

11 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅳ:二階の定係数の常微分方程式としての運動方程式の特性方程式を用いた解法を学ぶ。

12 運動方程式の解法 I:単振動を具体例として、運動方程式の定係数の常微分方程式を紹介し、この解法を紹介するとともに、8.で解説した解との関係を学び、様々な境界条件における解の導出を目指す。

13 運動方程式の解法Ⅱ:抵抗がある時の落下等などの具体的事例を用いて運動方程式の定式化、解法、物理的意味の理解を目指す。

14 運動方程式の解法Ⅲ:減衰振動、強制振動などを用いて運動方程式の定式化、解法、物理的意味の理解を目指す。

15 まとめと到達度のチェック(定期試験)

【3】 到達目標

物理で使用する数学を自由に使いこなせること。ニュートンの運動法則および力学の基本概念に関して説明できること。力学で使用するオイラーの公式を理解して使うことが出来る。定係数の常微分方程式の解法を具体的な事例を用いて計算できる。直交座標系おけるニュートン方程式を理解し、使いこなせるようになること。

【4】 授業概要および授業方法

この講義ではニュートン力学の基礎を学ぶ。ニュートン力学は物理学のあらゆる分野の基盤であるので、これを十分に勉強しておくことは、他の講義を理解するためにも必要である。なお、学習上必要な数学の基礎的知識に関する授業が適宜挿入される。授業は講義、演習、解説から構成される。

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【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業前に教科書および参考書の該当する部分を1時間程度予習し、あらかじめ不明な点を確認しておく。講義の後、講義の中で解説した例題およびレポート課題を中心として、2時間程度の復習が必要である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『力学』(近藤淳著、裳華房)    『基礎演習シリーズ 力学』(近藤惇著、裳華房)

〔参考書〕『考える力学』(兵頭俊夫著、学術図書出版社)    『物理のための数学』(和達三樹著、岩波書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

力学ⅠAと力学ⅠBは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。評価は期末・中間試験(80%)、レポート(20%)をもとに点数化を行い、100点満点で評価する。レポートに対して出来ていなかった点の解説を授業内で行う。

【8】 オフィスアワー

月曜日5時限 16:20-17:50木曜日5時限 16:20-17:50

【9】 関連科目

高校の数学の内容は、力学の授業の理解に大いに役に立つと思われる。

〔予め学んでおくとよい科目〕

力学IC 力学ID

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

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Page 6: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 秋学期・月1・1学年・2単位

科 目 力学IC

(Mechanics ⅠC)

河原林 透担当教員

コースナンバー:P00-2231

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

目的:物理学全般の基礎となる力学の概念と数学的な技術を身につける。教育目標:ニュートンの運動方程式、エネルギー保存則、運動量の保存則、角運動量の保存則などを使って、回転運動や剛体を含む質点系の運動を解析する能力を身につけることを目標とする。期待される学習成果:力学の基礎的な概念の理解、数学的な技法、および、それを簡単な系に適用する技術を習得できる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 Newtonの運動方程式:春学期の復習。ベクトルの幾何学的な理解、ベクトルの場について学ぶ。

2 力学的エネルギーの保存(1):仕事、ポテンシャルエネルギーを中心力場の線積分として定義する。運動エネルギー、力学的エネルギー保存則について説明する。

3 力学的エネルギーの保存(2):中心力場とポテンシャル(球対称な場合)。

4 角運動量(1):角運動量の定義及び中心力による運動における角運動量の保存。

5 角運動量(2):いくつかの例における角運動量保存則。

6 角運動量(3):ベクトルの外積と角運動量。

7 惑星の運動:万有引力と楕円軌道、双曲線軌道。

8 ここまでのまとめと達成度のチェック(中間試験)

9 質点系の力学(一般的な取り扱い 1):質点系の運動方程式を導き、重心の運動と重心に対する相対運動に分離する手法を学ぶ。

10 質点系の力学(一般的な取り扱い 2):全角運動量、全力のモーメント、全力学的エネルギーなどについても、重心に関するものと重心に対する相対運動によるものと分離できることを学ぶ。

11 剛体の力学(1)剛体の釣り合い、固定軸を持つ剛体の運動を議論する。

12 剛体の力学(2)慣性モーメント、力学的エネルギーを導入し、いくつかの例を通して、剛体の運動を理解する。

13 ラグランジュの運動方程式ラグランジュの運動方程式を導入し、いくつかの応用例を通してその有効性について学ぶ。

14 加速度座標系:慣性系でない加速度座標系を導入し、コリオリの力などについて学ぶ。

15 まとめと達成度のチェック(定期試験)

【3】 到達目標

ポテンシャルと力の関係を理解する。重要な保存則(エネルギー保存則、運動量保存則、角運動量保存則など)の概念を理解し応用できるようになる。角運動量、力のモーメントなどのベクトル量を幾何学的に理解し、極座標、回転の運動方程式が理解できるようになる。質点系の力学、剛体の力学の考え方を理解し、簡単な問題が解けるようになる。回転座標系での力学的取り扱いができるようになる。

【4】 授業概要および授業方法

春学期に力学I A,Bで学んだことを基礎にして、仕事、ポテンシャルエネルギー、力学的エネルギー、角運動量、力のモーメントなどの概念を導入し、ニュートン力学の応用範囲を広げる技術を教授する。この際、さらに、ニュートンの運動方程式を多体系に使える形に変形する方法、それを用いて多質点系、剛体の運動を取り扱う方法について講義する。授業は、原則として黒板を用いた板書により行い、必要に応じて、資料プリントの配布、スライドを用いたプレゼンテーションを活用する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

講義内容について十分復習し、次の演習時間までに不明な点をなくすようにする。(3時間)。演習で解けなかった問題は次回の講義までに解けるようにしておく(3時間)。予習が必要になる内容の場合は、その旨、講義中に連絡する(1時間程度)。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

本講義では教科書として「力学」(近藤淳著、裳華房)を使用する。参考書はたくさん出版されている。以下にはその一部を示す。〔参考書〕『考える力学』(兵頭俊夫著、学術図書出版社)、『力学上、下』(今井功監訳、バークレー物理学コース1、丸善)、『理工系のための力学』(井口秀雄他著、東京図書)、『物理のための数学』(和達三樹著、岩波書店)、『自然は方程式で語る』(大島隆義著、名古屋大学出版会)、『ゼロからの力学I, II』(十河 清 ら著、岩波書店)、「こまはなぜ倒れないか」(安井久一、物理学演習One Point3、共立出版)、「詳解力学演習」(後藤健一 他、共立出版)、など

【7】 評価方法およびフィードバック

力学ⅠCと力学ⅠD(物理学Bと物理学C)は単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。評価は期末、中間試験、レポートを主に(85%)、演習時の提出物や講義中の質疑応答など(15%)とした点数化を行い、100点満点で評価する。演習については、必要な場合、コメントをつけて返却する。中間試験、レポートに関しては解答の概略を説明する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB数学(微積分、簡単な微分方程式の解法、ベクトル、ベクトル解析の初歩、できれば行列の対角化など)。ただし、必要な数学は本講義でも学ぶ。

〔予め学んでおくとよい科目〕

力学ⅡA、力学ⅡB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

講義と演習は入れ替わったり、二回続けて講義や演習を行ったりすることがある。変更があれば講義中に連絡するので注意すること。

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Page 8: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 秋学期・月2・1学年・2単位

科 目 力学ID

(Mechanics ⅠD)

河原林 透担当教員

コースナンバー:P00-2232

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

目的:物理学全般の基礎となる力学の概念と数学的な技術を身につける。教育目標:ニュートンの運動方程式、エネルギー保存則、運動量の保存則、角運動量の保存則などを使って、回転運動や剛体を含む質点系の運動を解析する能力を身につけることを目標とする。期待される学習成果:力学の基礎的な概念の理解、数学的な技法、および、それを簡単な系に適用する技術を習得できる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 Newtonの運動方程式:春学期の復習。ベクトルの幾何学的な理解、ベクトルの場について学ぶ。また基本的な力の場である中心力場について述べる。

2 力学的エネルギーの保存(1):仕事、ポテンシャルエネルギーを中心力場の線積分として定義する。運動エネルギー、力学的エネルギー保存則について説明する。

3 力学的エネルギーの保存(2):中心力場とポテンシャル(球対称な場合)。

4 角運動量(1):角運動量の定義及び中心力による運動における角運動量の保存。

5 角運動量(2):いくつかの例における角運動量保存則。

6 角運動量(3):ベクトルの外積と角運動量。

7 惑星の運動:万有引力と楕円軌道、双曲線軌道。

8 ここまでのまとめと達成度のチェック(中間試験)

9 質点系の力学(一般的な取り扱い 1):質点系の運動方程式を導き、重心の運動と重心に対する相対運動に分離する手法を学ぶ。

10 質点系の力学(一般的な取り扱い 2):全角運動量、全力のモーメント、全力学的エネルギーなどについても、重心に関するものと重心に対する相対運動によるものと分離できることを学ぶ。

11 剛体の力学(1)剛体の釣り合い、固定軸を持つ剛体の運動を議論する。

12 剛体の力学(2)慣性モーメント、力学的エネルギーを導入し、いくつかの例を通して、剛体の運動を理解する。

13 ラグランジュの運動方程式ラグランジュの運動方程式を導入し、いくつかの応用例を通してその有効性について学ぶ。

14 加速度座標系:慣性系でない加速度座標系を導入し、コリオリの力などについて学ぶ。

15 まとめと達成度のチェック(定期試験)

【3】 到達目標

ポテンシャルと力の関係を理解する。重要な保存則(エネルギー保存則、運動量保存則、角運動量保存則など)の概念を理解し応用できるようになる。角運動量、力のモーメントなどのベクトル量を幾何学的に理解し、極座標、回転の運動方程式が理解できるようになる。質点系の力学、剛体の力学の考え方を理解し、簡単な問題が解けるようになる。回転座標系での力学的取り扱いができるようになる。

【4】 授業概要および授業方法

春学期に力学I A,Bで学んだことを基礎にして、仕事、ポテンシャルエネルギー、力学的エネルギー、角運動量、力のモーメントなどの概念を導入し、ニュートン力学の応用範囲を広げる技術を教授する。この際、さらに、ニュートンの運動方程式を多体系に使える形に変形する方法、それを用いて多質点系、剛体の運動を取り扱う方法について講義する。授業は、原則として黒板を用いた板書により行い、必要に応じて、資料プリントの配布、スライドを用いたプレゼンテーションを活用する。

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Page 9: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

講義内容について十分復習し、次の演習時間までに不明な点をなくすようにする。(3時間)。演習で解けなかった問題は次回の講義までに解けるようにしておく(3時間)。予習が必要になる内容の場合は、その旨、講義中に連絡する(1時間程度)。

【6】 教科書・参考書・参考資料

本講義では教科書として「力学」(近藤淳著、裳華房)及び基礎演習シリーズ「力学」(近藤淳著、裳華房)を使用する。参考書はたくさん出版されている。以下にはその一部を示す。〔参考書〕『考える力学』(兵頭俊夫著、学術図書出版社)、『力学上、下』(今井功監訳、バークレー物理学コース1、丸善)、『理工系のための力学』(井口秀雄他著、東京図書)、『物理のための数学』(和達三樹著、岩波書店)、『自然は方程式で語る』(大島隆義著、名古屋大学出版会)、『ゼロからの力学I, II』(十河 清 ら著、岩波書店)、「こまはなぜ倒れないか」(安井久一、物理学演習One Point3、共立出版)、「詳解力学演習」(後藤健一 他、共立出版)、など

【7】 評価方法およびフィードバック

力学ⅠCと力学ⅠD(物理学Bと物理学C)は単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。評価は期末、中間試験、レポートを主に(85%)、演習や講義中の質疑応答など(15%)とした点数化を行い、100点満点で評価する。演習については、必要に応じてコメントをつけて返却する。中間試験、レポートに関しては解答の概略を説明する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB数学(微積分、簡単な微分方程式の解法、ベクトル、ベクトル解析の初歩、できれば行列の対角化など)。ただし、必要な数学は本講義でも学ぶ。

〔予め学んでおくとよい科目〕

力学ⅡA、力学ⅡB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

講義と演習は入れ替わったり、二回続けて講義や演習を行ったりすることがある。講義中に変更があれば連絡するので注意すること。

- 8 -

Page 10: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 春学期・月3・2学年・2単位

科 目 力学ⅡA

(Mechanics ⅡA)

田嶋 尚也担当教員

コースナンバー:P00-3231

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

(1)解析力学を習得してラグランジュの運動方程式を理解し応用できるようにすること(2)量子力学を学ぶ準備として正準形式を理解することを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ニュートンの運動方程式の復習

2 座標と座標変換I

3 座標と座標変換II

4 ラグランジュ方程式I

5 ラグランジュ方程式II

6 変分原理とオイラー方程式

7 仮想仕事の原理と作用積分の変分

8 対称性と保存則

9 ハミルトンの正準方程式

10 ポアッソン括弧と保存量

11 正準変換I

12 正準変換II

13 位相空間

14 量子力学への導入

15 総括とまとめ

【3】 到達目標

1. エネルギー、運動量、角運動量などの基本概念を使って、力学現象を理解・説明できる。2. ラグランジュ形式、ハミルトン形式の運動方程式を書き下し、解く事ができる。3. 量子力学、統計力学などの学習に必要な基本事項を習得する。

【4】 授業概要および授業方法

 ニュートンの運動方程式の問題点を論ずることから始め、一般化された座標・運動量の概念を用いたラグランジュの運動方程式を導く。また、応用例として多自由度系の微小振動論について述べる。ついで,変分原理であるハミルトンの原理からラグランジュの運動方程式が導かれることを示す。次にハミルトニアン、ハミルトンの正準方程式を中心として、ハミルトン形式の力学について述べる。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業前にシラバスで授業計画を確認し、関連する分野について調べること。授業後には各授業で与えられた課題を、授業の復習をすることにより解くこと。1回の授業ごとに180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕特定の教科書は使用しない。〔参考書〕 「量子力学を学ぶための解析力学入門」高橋康, 講談社 「解析力学」 久保謙一著,裳華房フィジックスライブラリー,2005 「よくわかる解析力学」 前野昌弘著,東京図書,2013 など

【7】 評価方法およびフィードバック

力学ⅡAとⅡB(解析力学の講義と演習)は単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。定期試験を70点、小テスト3回を合わせて30点とした点数化を行い、100点満点で評価し60点以上を合格とする。小テストは授業内で解答のポイントを解説する。

- 9 -

Page 11: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID

〔予め学んでおくとよい科目〕

電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 量子力学A 量子力学演習A 相対性理論

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

- 10 -

Page 12: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 春学期・月4・2学年・2単位

科 目 力学ⅡB

(Mechanics ⅡB)

田嶋 尚也担当教員

コースナンバー:P00-3232

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

(1)解析力学を習得してラグランジュの運動方程式を理解し応用できるようにすること(2)量子力学を学ぶ準備として正準形式を理解することを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ニュートンの運動方程式の復習

2 座標と座標変換I

3 座標と座標変換II

4 ラグランジュ方程式I

5 ラグランジュ方程式II

6 変分原理とオイラー方程式

7 仮想仕事の原理と作用積分の変分

8 対称性と保存則

9 ハミルトンの正準方程式

10 ポアッソン括弧と保存量

11 正準変換I

12 正準変換II

13 位相空間

14 量子力学への導入

15 総括とまとめ

【3】 到達目標

1. エネルギー、運動量、角運動量などの基本概念を使って、力学現象を理解・説明できる。2. ラグランジュ形式、ハミルトン形式の運動方程式を書き下し、解く事ができる。3. 量子力学、統計力学などの学習に必要な基本事項を習得する。

【4】 授業概要および授業方法

 ニュートンの運動方程式の問題点を論ずることから始め、一般化された座標・運動量の概念を用いたラグランジュの運動方程式を導く。また、応用例として多自由度系の微小振動論について述べる。ついで,変分原理であるハミルトンの原理からラグランジュの運動方程式が導かれることを示す。次にハミルトニアン、ハミルトンの正準方程式を中心として、ハミルトン形式の力学について述べる。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業前にシラバスで授業計画を確認し、関連する分野について調べること。授業後には各授業で与えられた課題を、授業の復習をすることにより解くこと。1回の授業ごとに180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕特定の教科書は使用しない。〔参考書〕 「量子力学を学ぶための解析力学入門」高橋康, 講談社 「解析力学」 久保謙一著,裳華房フィジックスライブラリー,2005 「よくわかる解析力学」 前野昌弘著,東京図書,2013 など

【7】 評価方法およびフィードバック

力学ⅡAとⅡB(解析力学の講義と演習)は単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。定期試験を70点、小テスト3回を合わせて30点とした点数化を行い、100点満点で評価し60点以上を合格とする。小テストは授業内で解答のポイントを解説する。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID

〔予め学んでおくとよい科目〕

電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 量子力学A 量子力学演習A 相対性理論

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

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Page 14: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 秋学期・水1・1学年・2単位

科 目 電磁気学IA

(Electromagnetism ⅠA)

金 衛国担当教員

コースナンバー:P00-2221

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業では静電場と静磁場に関連した電磁気学の諸法則を学び、ポテンシャルや「場」の概念を理解し、電磁気学的な問題の計算方法を身につける。また、電気双極子、電場中の導体、コンデンサー、磁気双極子についても学ぶ。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ガイダンス: 電磁気学の位置付け、特徴等を紹介し、本授業の内容、学習方法、使用テキスト、参考書、評価方法等を説明する。座標系、線積分・面積分を説明する。

2 ベクトル場の勾配・発散・回転: 物理学の現象から勾配・発散・回転を解説し、それらの定義を理解する。

3 クーロンの法則: クーロンの法則、ベクトル公式、比例定数、電荷の単位等を解説する。

4 静電場: 電場の概念を導入し、例題を通して点電荷の電場公式、連続分布の電荷による公式を解説する。

5 ガウスの法則: 点電荷の例でガウスの法則を解説する。法則の物理的な意味を重点的に説明する。

6 静電ポテンシャル: 保存力(場)の条件から静電ポテンシャルを導入する。電場との関係を解説し、静電ポテンシャルを理解する

7 静電エネルギー: 位置エネルギーとして静電エネルギーを導入する。特に静電ポテンシャルとの関係を注意し、理解する

8 導体: 導体内部の電場、静電ポテンシャル、電荷分布等の導体における性質を解説する。

9 電気双極子: 電気双極子の定義を説明し、それによる電場、静電ポテンシャルを計算する。また、電気双極子の物理的な意味を解説する。

10 コンデンサー: 導体とコンデンサーの関係からコンデンサーを導入し、コンデンサーの電気容量を定義する。また、コンデンサーの静電エネルギーを計算する。

11 磁場中の電流や運動する荷電粒子にはたらく力

12 電流のつくる磁場、磁気双極子

13 アンペールの法則と応用

14 内容のまとめ、定期試験向け復習

15 定期試験: 定期試験と総まとめ

【3】 到達目標

電場、磁場、ポテンシャル等の基本概念の説明ができる。基本法則とベクトル解析を用いた電磁気学的な計算ができる。

【4】 授業概要および授業方法

1.座標、線積分・面積分 2.ベクトル場の勾配・発散・回転 3.クーロンの法則 4.静電場 5.ガウスの法則 6.静電ポテンシャル 7.静電エネルギー 8.導体 9.電気双極子 10.電気容量とコンデンサー 11.磁場中の電流や運動する荷電粒子にはたらく力 12.電流のつくる磁場 13.磁気双極子 14.アンペールの法則

基本概念の説明を重点的に行い、例題を解きながら、講義を進めていく。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

毎回授業を受ける前に必ずテキストを予習し、授業を受けた後に出された宿題を解いてレポートの形式で提出してもらう。1回の授業ごとに90分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『物理入門コース 電磁気学Ⅰ』(長岡洋介著、岩波書店)〔参考書〕『物理入門コース/演習 例解 電磁気学演習』(長岡洋介・丹慶勝市著、岩波書店)    『電磁気学』(永田一清著、東京教学社)    『電磁気学 要論と演習』(原 康夫著、東京教学社)    『ファインマン物理学Ⅲ 電磁気学』(ファインマン・レイトン・サンズ著、宮島龍興訳、岩波書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験、レポート、小テスト、授業への参加状況で評価する。原則的に定期試験を70点、小テスト、レポート(授業への参加状況を含む)を30点とし、合計60点以上を合格とする。レポート(宿題)は回収して、添削し、授業内で解説した後に、返却する。小テストは実施後に授業内でテストに対して全体のできていなかった点や改善点について講評を行う。電磁気学ⅠAと電磁気学ⅠBは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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Page 15: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

電磁気学Ⅱ(ⅡA、ⅡB)は形式上電磁気学Ⅰ(ⅠA、ⅠB)とは独立に履修することが出来るが、現実には電磁気学Ⅱの講義は電磁気学Ⅰの知識を前提として行われる。このため、電磁気学Ⅰの単位を取得していないと電磁気学Ⅱの単位も取得できないと考えておくほうが賢明である。練習問題を解くことは講義を理解する上でも大切である。できるだけたくさんの問題を自ら解くことを期待する。

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Page 16: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 秋学期・水2・1学年・2単位

科 目 電磁気学IB

(Electromagnetism ⅠB)

金 衛国担当教員

コースナンバー:P00-2222

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業では静電場と静磁場に関連した電磁気学の諸法則を学び、ポテンシャルや「場」の概念を理解し、電磁気学的な問題の計算方法を身につける。また、電気双極子、電場中の導体、コンデンサー、磁気双極子についても学ぶ。。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 座標、線積分・面積分: 例題を通して練習する

2 ベクトル場の勾配・発散・回転: 勾配・発散・回転の計算方法を練習例題を通して学ぶ。

3 クーロンの法則: ベクトル公式を使って、例題を解いて、クーロンの法則を理解する。

4 静電場: 多数個の点電荷や連続分布の電荷による電場を例題として求め、電場の計算ができるようにする。

5 ガウスの法則: ガウスの法則を使って対称性のある系に対して電場を求め、法則を理解する。特に、無限に長い円筒、球に分布する電荷による電場にガウスの法則を応用できるようにする。

6 静電ポテンシャル: 対称性のある系、特に無限に長い円筒、球の静電ポテンシャルを計算できるようにする。

7 静電エネルギー: 多数個の点電荷の静電エネルギー、対称性のある系、特に、球の静電エネルギーを計算する。

8 第1回小テストとまとめ。

9 導体: 対称性のある系、特に導体球の静電ポテンシャル、電場を計算し、導体の性質を理解する。

10 コンデンサー:例題を通して練習する。

11 磁場中の電流や運動する荷電粒子にはたらく力:例題を通して練習する。

12 電流のつくる磁場、磁気双極子:例題を通して練習する。

13 アンペールの法則と応用:例題を通して練習する。

14 第2回小テストとまとめ。

15 定期試験: 定期試験と総まとめ

【3】 到達目標

電場、磁場、ポテンシャル等の基本概念の説明ができる。基本法則とベクトル解析を用いた電磁気学的な計算ができる。

【4】 授業概要および授業方法

1.座標、線積分・面積分 2.ベクトル場の勾配・発散・回転 3.クーロンの法則 4.静電場 5.ガウスの法則 6.静電ポテンシャル 7.静電エネルギー 8.導体 9.電気双極子 10.電気容量とコンデンサー 11.磁場中の電流や運動する荷電粒子にはたらく力 12.電流のつくる磁場 13.磁気双極子 14.アンペールの法則

基本概念の説明を重点的に行い、例題を解きながら、講義を進めていく。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

毎回授業を受ける前に必ずテキストを予習し、授業を受けた後に出された宿題を解いてレポートの形式で提出してもらう。1回の授業ごとに90分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『物理入門コース 電磁気学Ⅰ』(長岡洋介著、岩波書店)〔参考書〕『物理入門コース/演習 例解 電磁気学演習』(長岡洋介・丹慶勝市著、岩波書店)    『電磁気学』(永田一清著、東京教学社)    『電磁気学 要論と演習』(原 康夫著、東京教学社)    『ファインマン物理学Ⅲ 電磁気学』(ファインマン・レイトン・サンズ著、宮島龍興訳、岩波書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験、レポート、小テスト、授業への参加状況で評価する。原則的に定期試験を70点、小テスト、レポート(授業への参加状況を含む)を30点とし、合計60点以上を合格とする。レポート(宿題)は回収して、添削し、授業内で解説した後に、返却する。小テストは実施後に授業内でテストに対して全体のできていなかった点や改善点について講評を行う。電磁気学ⅠAと電磁気学ⅠBは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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Page 17: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【9】 関連科目

力学

〔予め学んでおくとよい科目〕

電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

電磁気学Ⅱ(ⅡA、ⅡB)は形式上電磁気学Ⅰ(ⅠA、ⅠB)とは独立に履修することが出来るが、現実には電磁気学Ⅱの講義は電磁気学Ⅰの知識を前提として行われる。このため、電磁気学Ⅰの単位を取得していないと電磁気学Ⅱの単位も取得できないと考えておくほうが賢明である。練習問題を解くことは講義を理解する上でも大切である。できるだけたくさんの問題を自ら解くことを期待する。

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Page 18: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 春学期・火1・2学年・2単位

科 目 電磁気学ⅡA

(Electromagnetism ⅡA)

酒井 康弘担当教員

コースナンバー:P00-3221

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

電磁場に関する基本的な概念の理解を深めるとともに、ベクトル解析を用いた電磁気学の計算法を習得することを目的とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 静電場の微分法則(1) 積分形から微分形へ

2 静電場の微分法則(2) ガウスの定理、ストークスの定理

3 静電場の微分法則(3) ポアソンの方程式

4 電磁気学の基本法則・マクスウェルの方程式

5 電流と静磁場(1)磁場中の荷電粒子、電流の作る磁場

6 電流と静磁場(2)ビオサバールの法則

7 電流と静磁場(3)アンペールの法則

8 静磁場までのまとめと確認

9 電磁誘導(1)運動する回路に生じる起電力

10 電磁誘導(2)時間的に変動する磁場と誘導電場

11 電磁誘導(3)複素インピーダンス

12 マクスウェルの方程式と電磁波(1)電荷の保存則と変位電流

13 マクスウェルの方程式と電磁波(2)マクスウェルの方程式

14 マクスウェルの方程式までのまとめ

15 マクスウェルの方程式までのまとめと確認

【3】 到達目標

電流や磁気に関連した電磁気学の諸法則が持つ物理的意味を説明できる。マクスウェルの方程式が電磁気学の集大成であることを説明できる。真空中の具体的問題に対してマクスウェルの方程式を解くことができる。

【4】 授業概要および授業方法

まず、電磁気学ⅠA・ⅠBの復習を兼ねて積分形の法則を復習、その後静電場の微分法則について学ぶ。次に、電流と磁場に関連した事柄から、電磁誘導、さらに電磁場を記述する基本法則であるマクスウェルの方程式にいたるまでの内容を学習する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習としては電磁気学ⅠA・ⅠBの内容を確実に理解し、その範囲で扱った問題を解けるようにしておくこと。復習としては電磁気学ⅡA・ⅡBの内容を確実に理解し、その範囲で扱った問題を解けるようにしておくこと。毎回180分の準備学習が必要である。演習時に提出した解答用紙は次回以降に返却するのでよく見直すこと。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『物理入門コース 電磁気学Ⅰ,Ⅱ』(長岡洋介著、岩波書店)〔参考書〕『ファインマン物理学Ⅲ 電磁気学』(ファインマン・レイトン・サンズ著、宮島龍興訳、岩波書店)     『マクスウェル方程式から始める電磁気学』(小宮山進・竹川敦共著、裳華房)

【7】 評価方法およびフィードバック

電磁気学ⅡAと電磁気学ⅡBは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。双方の授業における授業中の小テスト、レポートや中間テストを40点、定期試験を60点とし、合計60点以上を合格とする。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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Page 19: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【9】 関連科目

電磁気学IA 電磁気学IB秋学期には電磁気学ⅡC・電磁気学ⅡDが開講される。電磁気学ⅡA・電磁気学ⅡBの範囲は理解していることを前提に授業が進むので、夏期休暇期間中に理解をより深めておくことが望ましい。

〔予め学んでおくとよい科目〕

電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

講義の中では、電磁気学のイメージを作り上げることができるように留意する。その上で、具体的な例題をも扱う。「?」をそのままにしないことが大切である。

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Page 20: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 春学期・水2・2学年・2単位

科 目 電磁気学ⅡB

(Electromagnetism ⅡB)

酒井 康弘、松尾 友和担当教員

コースナンバー:P00-3222

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

電磁場に関する基本的な概念の理解を深めるとともに、ベクトル解析を用いた電磁気学の計算法を習得することを目的とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 電磁気学の概観(クーロンの法則、積分形のガウスの法則)の復習

2 クーロンの法則、積分形のガウスの法則

3 静電場の微分法則(1) 積分形から微分形へ

4 静電場の微分法則(2) ガウスの定理、ストークスの定理

5 静電場の微分法則(3) ポアソンの方程式

6 電流と静磁場(1)磁場中の荷電粒子、電流の作る磁場

7 電流と静磁場(2)ビオサバールの法則

8 電流と静磁場(3)アンペールの法則

9 静磁場までのまとめと確認

10 電磁誘導(1)運動する回路に生じる起電力

11 電磁誘導(2)時間的に変動する磁場と誘導電場

12 電磁誘導(3)複素インピーダンス

13 マクスウェルの方程式と電磁波(1)電荷の保存則と変位電流

14 マクスウェルの方程式と電磁波(2)マクスウェルの方程式

15 マクスウェルの方程式までのまとめ

【3】 到達目標

電流や磁気に関連した電磁気学の諸法則が持つ物理的意味を説明できる。マクスウェルの方程式が電磁気学の集大成であることを説明できる。真空中の具体的問題に対してマクスウェルの方程式を解くことができる。

【4】 授業概要および授業方法

主として、電磁気ⅡAの講義内容に関する演習を行う。まず、電磁気学ⅠA・ⅠBの復習を兼ねて積分形の法則を復習、その後静電場の微分法則についての演習を行う。次に、電流と磁場に関連した事柄から、電磁誘導、さらに電磁場を記述する基本法則であるマクスウェルの方程式にいたるまでの内容の演習を行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習としては電磁気学ⅠA・ⅠBの内容を確実に理解し、その範囲で扱った問題を解けるようにしておくこと。復習としては電磁気学ⅡA・ⅡBの内容を確実に理解し、その範囲で扱った問題を解けるようにしておくこと。毎回180分の準備学習が必要である。演習時に提出した解答用紙は次回以降に返却するのでよく見直すこと。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『物理入門コース/演習 例解 電磁気学演習』(長岡洋介・丹慶勝市著、岩波書店)〔参考書〕『物理入門コース 電磁気学Ⅰ,Ⅱ』(長岡洋介著、岩波書店)     『マクスウェル方程式から始める電磁気学』(小宮山進・竹川敦共著、裳華房)

【7】 評価方法およびフィードバック

電磁気学ⅡAと電磁気学ⅡBは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。双方の授業における授業中の小テスト、レポートや中間テストを40点、定期試験を60点とし、合計60点以上を合格とする。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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Page 21: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【9】 関連科目

電磁気学IA 電磁気学IB

〔予め学んでおくとよい科目〕

電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD秋学期には電磁気学ⅡC・電磁気学ⅡDが開講される。電磁気学ⅡA・電磁気学ⅡBの範囲は理解していることを前提に授業が進むので、夏期休暇期間中に理解をより深めておくことが望ましい。

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

講義の中で具体的な問題を解く演習を多く行う。練習問題を解くことは、講義を理解する上でも大切なので、出来るだけたくさんの問題を各自が解くよう努力すること。「?」をそのままにしないことが大切である。

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2020 秋学期・木4・2学年・2単位

科 目 電磁気学ⅡC

(Electromagnetism ⅡC)

小川 了担当教員

コースナンバー:P00-4221

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

電磁場に関する基本的な概念を理解し、ベクトル解析を用いた電磁気学的な計算を行うことができるようになることを「学習教育目標」とする。この授業ではMaxwell方程式の理解を深め、その解法を確実に身につけるとともに、物質中の電場と磁場、変動する電磁場と物質についても学ぶ。これまで学んできた電磁気学の知識がMaxwell方程式に統合され、Maxwell方程式を自由に扱い電磁気学の諸現象を理解できるようになる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 電磁誘導とインダクタンス

2 LCR回路

3 複素インピーダンス

4 変動する電流と電荷の保存

5 マクスウェルの方程式

6 中間試験とまとめⅠ

7 電磁波

8 誘電体と電気双極子

9 物質中の電場

10 磁性体と磁気双極子

11 物質中の磁場

12 中間試験とまとめⅡ

13 変動する電磁場と物質

14 物質中の電磁波

15 総括と学習到達度の確認

【3】 到達目標

Maxwell方程式の意味を理解し、自由に扱えるようになる。

【4】 授業概要および授業方法

1.Maxwellの方程式    2.電磁波3.物質中の電場と磁場  4.変動する電磁場と物質電磁場を記述する基本法則であるMaxwellの方程式を解き、電磁波の性質を理解する。さらに物質中の電場と磁場、変動する電磁場と物質などの電磁気現象の理解を深める。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

ベクトル解析および微分方程式の解法を身につけておく。授業1回に対して、180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『物理入門コース 電磁気学Ⅰ,Ⅱ』(長岡洋介著、岩波書店)〔参考書〕『物理入門コース/演習 例解 電磁気学演習』(長岡洋介・丹慶勝市著、岩波書店)    『電磁気学』(永田一清著、東京教学社)    『電磁気学 要論と演習』(原 康夫著、東京教学社)    『ファインマン物理学Ⅲ 電磁気学』(ファインマン・レイトン・サンズ著、宮島龍興訳、岩波書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

電磁気学ⅡCと電磁気学ⅡDは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。出席と学習成果双方を重視する。授業中の小テストやレポートを評価の対象とすることで緊張感を持続させる。評価の割合は、小テスト、レポート(授業への参加状況を含む)を30点、定期試験(中間テストを含む)を70点とし、合計60点以上を合格とする。中間試験の実施後、授業内で解説を行う。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数理科学特論B1 数理科学特論B2 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

量子力学A 量子力学演習A 量子力学B 量子力学演習B 相対性理論

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

講義の中で具体的な問題を解く演習も含めて行う。練習問題を解くことは、講義を理解する上でも大切なので、出来るだけたくさんの問題を各自が解くよう努力すること。電磁気現象の理解は今日の科学技術を理解する上で欠かせない大切なものである。真剣に学習することが望まれる。

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2020 秋学期・木5・2学年・2単位

科 目 電磁気学ⅡD

(Electromagnetism ⅡD)

小川 了、松尾 友和担当教員

コースナンバー:P00-4222

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

電磁場に関する基本的な概念を理解し、ベクトル解析を用いた電磁気学的な計算を行うことができるようになることを「学習教育目標」とする。この授業ではMaxwell方程式の理解を深め、その解法を確実に身につけるとともに、物質中の電場と磁場、変動する電磁場と物質についても学ぶ。これまで学んできた電磁気学の知識がMaxwell方程式に統合され、Maxwell方程式を自由に扱い電磁気学の諸現象を理解できるようになる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 電磁誘導とインダクタンス

2 LCR回路

3 複素インピーダンス

4 変動する電流と電荷の保存

5 マクスウェルの方程式

6 中間試験とまとめⅠ

7 電磁波

8 誘電体と電気双極子

9 物質中の電場

10 磁性体と磁気双極子

11 物質中の磁場

12 中間試験とまとめⅡ

13 変動する電磁場と物質

14 物質中の電磁波

15 総括と学習到達度の確認

【3】 到達目標

Maxwell方程式の意味を理解し、自由に扱えるようになる。

【4】 授業概要および授業方法

1.Maxwellの方程式    2.電磁波3.物質中の電場と磁場  4.変動する電磁場と物質電磁場を記述する基本法則であるMaxwellの方程式を解き、電磁波の性質を理解する。さらに物質中の電場と磁場、変動する電磁場と物質などの電磁気現象の理解を深める。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

ベクトル解析および微分方程式の解法を身につけておく。授業1回に対して、180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『物理入門コース 電磁気学Ⅰ,Ⅱ』(長岡洋介著、岩波書店)〔参考書〕『物理入門コース/演習 例解 電磁気学演習』(長岡洋介・丹慶勝市著、岩波書店)    『電磁気学』(永田一清著、東京教学社)    『電磁気学 要論と演習』(原 康夫著、東京教学社)    『ファインマン物理学Ⅲ 電磁気学』(ファインマン・レイトン・サンズ著、宮島龍興訳、岩波書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

電磁気学ⅡCと電磁気学ⅡDは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認めない。出席と学習成果双方を重視する。授業中の小テストやレポートを評価の対象とすることで緊張感を持続させる。評価の割合は、小テスト、レポート(授業への参加状況を含む)を30点、定期試験(中間テストを含む)を70点とし、合計60点以上を合格とする。中間試験の実施後、授業内で解説を行う。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数理科学特論B1 数理科学特論B2 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

量子力学A 量子力学演習A 量子力学B 量子力学演習B 相対性理論

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

講義の中で具体的な問題を解く演習も含めて行う。練習問題を解くことは、講義を理解する上でも大切なので、出来るだけたくさんの問題を各自が解くよう努力すること。電磁気現象の理解は今日の科学技術を理解する上で欠かせない大切なものである。真剣に学習することが望まれる。

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2020 春学期・木3・1学年・1単位

科 目 基礎数学演習Ⅰ

(Mathematics RecitationⅠ)

與口 卓志担当教員

コースナンバー:P00-1211

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学を学ぶ上で必要不可欠な解析学および線形代数学の基礎的内容を、数多くの問題を実際に解きながら習得することを目指す。具体的には、1変数関数の微積分、ベクトル、行列に関する基本演算ができるようになることを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

微積分、線形代数について週替わりで問題演習を行う(各7回)。それぞれを交互に行うが混ぜると見づらくなるので便宜上微積分と線形代数を区分けして記載する。

微積分は1変数関数の計算を主に行う。第1回: 三角関数の基礎事項のおさらい第2回: 指数関数・対数関数等の基礎事項のおさらい第3回: 初等関数の微分、積の微分法、合成関数の微分法第4回: これまで学習したことの復習、接線の求め方と利用、グラフの概形の調べ方第5回: 微分の応用(ロピタルの定理、テイラー展開、極値問題などから進度にあったものを)第6回: 不定積分の基礎事項のおさらい第7回: 定積分およびその応用

線形代数では行列とベクトルの計算を重点的に行う。具体的には以下の事柄を扱う。第1回: ベクトルの長さ、内積、外積第2回: ベクトルの応用、直線・平面の方程式第3回: 行列の基本計算・1(和、積、定数倍など)第4回: 行列の基本計算・2(転置行列や(i,j)成分、一次変換など)第5回: 行列の行基本変形と行列の階数、連立一次方程式の解法第6回: 行列式の計算第7回: 線形代数のまとめ

【3】 到達目標

1.三角関数や指数関数など基本的な関数の性質を理解し、計算に用いることができる。2.微分、積分の基礎的な計算技法を体得し、使いこなすことができる。3.微分を用いてある変量の極大値・極小値について考察することができる。4.微分を用いた簡易的な近似計算(2次程度のテイラー展開)を実行できる。5.数ベクトルや行列の具体的な数値計算を行うことができる。6.行列を用いる際に使われる基本的な専門用語について意味を説明できる。7.必ずしも解が1つに決まらない(自由度のある)連立一次方程式を解くことができる。8.行列式の性質を理解し、2~4次の行列式を計算できる。

【4】 授業概要および授業方法

教養教育科目の数学A1および数学B1と連携し、それらの進度を考慮した問題演習を毎回実施する。内容としては微分積分の演習と線形代数学の演習を1週ごとに交互に行う。なお、クラス分けについては履修ガイダンスおよび初回授業時に指示する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

この授業では演習内容の予習・復習を目的として毎週宿題を出題するので、積極的に取り組んでもらうことを期待します(演習内容の復習の他、次週以降の内容に関連する調べ物等を含めて3時間程度)。

【6】 教科書・参考書・参考資料

数学A1、数学B1と同一の教科書を用いる。演習問題に関しては、授業時に配布する。

【7】 評価方法およびフィードバック

各演習の得点の平均点により評価する。ここで、各演習の成績は授業中の演習問題の点数を85%、宿題の点数を15%として算出する。100点満点で採点し、60点以上を合格とする。各演習の答案は添削して返却し、間違いの多かった箇所等については授業中に解説を行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後(非常勤のため)

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【9】 関連科目

該当なし

〔予め学んでおくとよい科目〕

基礎数学演習Ⅱ

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

連携科目として、数学A1および数学B1の履修を前提とする。

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2020 春学期・木4・1学年・1単位

科 目 基礎数学演習Ⅰ

(Mathematics RecitationⅠ)

與口 卓志担当教員

コースナンバー:P00-1211

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学を学ぶ上で必要不可欠な解析学および線形代数学の基礎的内容を、数多くの問題を実際に解きながら習得することを目指す。具体的には、1変数関数の微積分、ベクトル、行列に関する基本演算ができるようになることを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

微積分、線形代数について週替わりで問題演習を行う(各7回)。それぞれを交互に行うが混ぜると見づらくなるので便宜上微積分と線形代数を区分けして記載する。

微積分は1変数関数の計算を主に行う。第1回: 三角関数の基礎事項のおさらい第2回: 指数関数・対数関数等の基礎事項のおさらい第3回: 初等関数の微分、積の微分法、合成関数の微分法第4回: これまで学習したことの復習、接線の求め方と利用、グラフの概形の調べ方第5回: 微分の応用(ロピタルの定理、テイラー展開、極値問題などから進度にあったものを)第6回: 不定積分の基礎事項のおさらい第7回: 定積分およびその応用

線形代数では行列とベクトルの計算を重点的に行う。具体的には以下の事柄を扱う。第1回: ベクトルの長さ、内積、外積第2回: ベクトルの応用、直線・平面の方程式第3回: 行列の基本計算・1(和、積、定数倍など)第4回: 行列の基本計算・2(転置行列や(i,j)成分、一次変換など)第5回: 行列の行基本変形と行列の階数、連立一次方程式の解法第6回: 行列式の計算第7回: 線形代数のまとめ

【3】 到達目標

1.三角関数や指数関数など基本的な関数の性質を理解し、計算に用いることができる。2.微分、積分の基礎的な計算技法を体得し、使いこなすことができる。3.微分を用いてある変量の極大値・極小値について考察することができる。4.微分を用いた簡易的な近似計算(2次程度のテイラー展開)を実行できる。5.数ベクトルや行列の具体的な数値計算を行うことができる。6.行列を用いる際に使われる基本的な専門用語について意味を説明できる。7.必ずしも解が1つに決まらない(自由度のある)連立一次方程式を解くことができる。8.行列式の性質を理解し、2~4次の行列式を計算できる。

【4】 授業概要および授業方法

教養教育科目の数学A1および数学B1と連携し、それらの進度を考慮した問題演習を毎回実施する。内容としては微分積分の演習と線形代数学の演習を1週ごとに交互に行う。なお、クラス分けについては履修ガイダンスおよび初回授業時に指示する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

この授業では演習内容の予習・復習を目的として毎週宿題を出題するので、積極的に取り組んでもらうことを期待します(演習内容の復習の他、次週以降の内容に関連する調べ物等を含めて3時間程度)。

【6】 教科書・参考書・参考資料

数学A1、数学B1と同一の教科書を用いる。演習問題に関しては、授業時に配布する。

【7】 評価方法およびフィードバック

各演習の得点の平均点により評価する。ここで、各演習の成績は授業中の演習問題の点数を85%、宿題の点数を15%として算出する。100点満点で採点し、60点以上を合格とする。各演習の答案は添削して返却し、間違いの多かった箇所等については授業中に解説を行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後(非常勤のため)

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【9】 関連科目

該当なし

〔予め学んでおくとよい科目〕

基礎数学演習Ⅱ

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

連携科目として、数学A1および数学B1の履修を前提とする。

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2020 秋学期・木3・1学年・1単位

科 目 基礎数学演習Ⅱ

(Mathematics RecitationⅡ)

與口 卓志担当教員

コースナンバー:P00-2211

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学を学ぶ上で必要不可欠な解析学および線形代数学の基礎的内容を、数多くの問題を実際に解きながら習得することを目指す。具体的には、多変数関数の微積分、正方行列の行列式、行列を通じた線形変換の取り扱い、行列の固有値・固有ベクトルに関する基本演算ができるようになることを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

微積分、線形代数について週替わりで問題演習を行う(各7回)。それぞれを交互に行うが混ぜると見づらくなるので便宜上微積分と線形代数を区分けして記載する。

微分積分では主に2変数関数の微分・積分を練習する。第1回: 春学期の学習内容の確認第2回: 2変数関数の偏微分の基礎、接平面の求め方第3回: 2変数関数の極値の候補になる点(停留点)の求め方、合成関数の偏微分第4回: 2変数関数の極値の求め方、条件付き極値の計算第5回: 累次積分の基本計算、重積分とのつながり第6回: 重積分の計算、ヤコビアンによる変数変換第7回: 積分のまとめ、微分方程式

線形代数では引き続き計算を重視しつつ、線形代数の基礎概念に慣れることを目指す。第1回: 行列の階数、連立1次方程式のおさらい第2回: 行列式の計算法のおさらい、行列式の応用(逆行列の計算など)第3回: 行列によって定まる線形変換の計算、線形独立・線形従属の判定第4回: 線形性を用いた線形変換の計算、ベクトルの直交系と正規直交化、直交行列第5回: 固有値と固有ベクトルの求め方第6回: 行列の対角化第7回: 固有値、固有ベクトル、対角化のまとめ

【3】 到達目標

1.2変数関数の偏微分を用いて接平面の計算などができる。2.2変数関数の極値を求めることができる。3.2変数関数の重積分がどのようなものか理解し、具体的に計算できる。4.極座標変換などの代表的な変数変換(置換積分に相当するもの)を使いこすことができる。5.線形変換の基本的な考え方を理解し、図形の変形などに用いることができる。6.数ベクトルにおける内積や直交の概念を理解し、ベクトルの組の正規直交化を実行できる。7.2~3次の正方行列の固有値、固有ベクトルを求めることができる。8.固有ベクトルを利用して行列の対角化を行うことができる。

【4】 授業概要および授業方法

教養教育科目の数学A2および数学B2と連携し、それらの進度を考慮した問題演習を毎回実施する。内容としては微分積分の演習と線形代数学の演習を1週ごとに交互に行う。なお、クラス分けについては履修ガイダンスおよび初回授業時に指示する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

この授業では演習内容の予習・復習を目的として毎週宿題を出題するので、積極的に取り組んでもらうことを期待します(演習内容の復習の他、次週以降の内容に関連する調べ物等を含めて3時間程度)。

【6】 教科書・参考書・参考資料

数学A2、数学B2と同一の教科書を用いる。演習問題に関しては、授業時に配布する。

【7】 評価方法およびフィードバック

各演習の得点の平均点により評価する。ここで、各演習の成績は授業中の演習問題の点数を85%、宿題の点数を15%として算出する。100点満点で採点し、60点以上を合格とする。各演習の答案は添削して返却し、間違いの多かった箇所等については授業中に解説を行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後(非常勤のため)

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【9】 関連科目

基礎数学演習Ⅰ

〔予め学んでおくとよい科目〕

該当なし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

連携科目として、数学A2および数学B2の履修を前提とする。

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2020 秋学期・木4・1学年・1単位

科 目 基礎数学演習Ⅱ

(Mathematics RecitationⅡ)

與口 卓志担当教員

コースナンバー:P00-2211

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学を学ぶ上で必要不可欠な解析学および線形代数学の基礎的内容を、数多くの問題を実際に解きながら習得することを目指す。具体的には、多変数関数の微積分、正方行列の行列式、行列を通じた線形変換の取り扱い、行列の固有値・固有ベクトルに関する基本演算ができるようになることを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

微積分、線形代数について週替わりで問題演習を行う(各7回)。それぞれを交互に行うが混ぜると見づらくなるので便宜上微積分と線形代数を区分けして記載する。

微分積分では主に2変数関数の微分・積分を練習する。第1回: 春学期の学習内容の確認第2回: 2変数関数の偏微分の基礎、接平面の求め方第3回: 2変数関数の極値の候補になる点(停留点)の求め方、合成関数の偏微分第4回: 2変数関数の極値の求め方、条件付き極値の計算第5回: 累次積分の基本計算、重積分とのつながり第6回: 重積分の計算、ヤコビアンによる変数変換第7回: 積分のまとめ、微分方程式

線形代数では引き続き計算を重視しつつ、線形代数の基礎概念に慣れることを目指す。第1回: 行列の階数、連立1次方程式のおさらい第2回: 行列式の計算法のおさらい、行列式の応用(逆行列の計算など)第3回: 行列によって定まる線形変換の計算、線形独立・線形従属の判定第4回: 線形性を用いた線形変換の計算、ベクトルの直交系と正規直交化、直交行列第5回: 固有値と固有ベクトルの求め方第6回: 行列の対角化第7回: 固有値、固有ベクトル、対角化のまとめ

【3】 到達目標

1.2変数関数の偏微分を用いて接平面の計算などができる。2.2変数関数の極値を求めることができる。3.2変数関数の重積分がどのようなものか理解し、具体的に計算できる。4.極座標変換などの代表的な変数変換(置換積分に相当するもの)を使いこすことができる。5.線形変換の基本的な考え方を理解し、図形の変形などに用いることができる。6.数ベクトルにおける内積や直交の概念を理解し、ベクトルの組の正規直交化を実行できる。7.2~3次の正方行列の固有値、固有ベクトルを求めることができる。8.固有ベクトルを利用して行列の対角化を行うことができる。

【4】 授業概要および授業方法

教養教育科目の数学A2および数学B2と連携し、それらの進度を考慮した問題演習を毎回実施する。内容としては微分積分の演習と線形代数学の演習を1週ごとに交互に行う。なお、クラス分けについては履修ガイダンスおよび初回授業時に指示する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

この授業では演習内容の予習・復習を目的として毎週宿題を出題するので、積極的に取り組んでもらうことを期待します(演習内容の復習の他、次週以降の内容に関連する調べ物等を含めて3時間程度)。

【6】 教科書・参考書・参考資料

数学A2、数学B2と同一の教科書を用いる。演習問題に関しては、授業時に配布する。

【7】 評価方法およびフィードバック

各演習の得点の平均点により評価する。ここで、各演習の成績は授業中の演習問題の点数を85%、宿題の点数を15%として算出する。100点満点で採点し、60点以上を合格とする。各演習の答案は添削して返却し、間違いの多かった箇所等については授業中に解説を行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後(非常勤のため)

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Page 33: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【9】 関連科目

基礎数学演習Ⅰ

〔予め学んでおくとよい科目〕

該当なし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

連携科目として、数学A2および数学B2の履修を前提とする。

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2020 春学期・金1・2学年・2単位

科 目 物理数学A

(Physical Mathematics A)

北山 哲担当教員

コースナンバー:P00-3211

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

自然科学を学ぶ上で基礎となる数学の習得を目指す。本講義で学ぶ複素ベクトル、複素行列、フーリエ解析などは、物理学や工学を含む幅広い分野の学習において必須となる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 複素数とオイラーの公式

2 複素ベクトル

3 ベクトルと行列

4 エルミート行列とユニタリー変換

5 関数空間

6 ガウス関数

7 フーリエ級数

8 フーリエ級数の性質

9 複素フーリエ級数

10 フーリエ変換

11 デルタ関数

12 ラプラス変換

13 応用問題(1)

14 応用問題(2)

15 学習到達度の確認

【3】 到達目標

複素ベクトル、複素行列、フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換などを学び、それらを使いこなせるようになることを「学習教育目標」とする。複素ベクトル、複素行列、フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換などに関して授業中に出題する基礎的な問題を、自力で解くことができるようになることを目指す。

【4】 授業概要および授業方法

この授業では、物理学を習得するのに不可欠となる数学のうち、複素ベクトルとフーリエ解析を中心に学ぶ。また、数学的手法に習熟するためには、実際に問題を数多く解くことが必要不可欠であるので、問題演習を合わせて行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業時間中に指定する問題演習を行い、レポートとしてまとめることが強く望まれる。必要時間は、物理数学Aと物理数学Bを合わせて、少なくとも週6時間程度である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書は指定しないが、参考書として以下を推薦する。演習問題については、授業中に配布する。『物理のための数学』(和達三樹著、岩波書店)『物理の数学』(薩摩順吉、岩波書店)『物理応用数学演習』(後藤憲一・他編、共立出版)

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【7】 評価方法およびフィードバック

成績の評価は、物理数学Aと物理数学Bで合わせて行う。片方のみの受講は原則として認めない。レポートの評価の合計を40点、小テスト(実施した場合)と定期試験の成績を60点として、100点満点で評価する。

レポートは内容を確認して返却する。小テスト及び定期試験は、レポート用演習問題に基づいて出題する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数学A1 数学A2 数学B1 数学B2 力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 電磁気学IA 電磁気学IB 基礎数学演習Ⅰ基礎数学演習Ⅱ

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理数学C 物理数学D 熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B 量子力学A 量子力学演習A 量子力学B 量子力学演習B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

本授業とは相補的な内容を扱う授業として、数理科学特論B1(常微分方程式)、数理科学特論B2(ベクトル解析)の受講を強く勧める。

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2020 春学期・金2・2学年・2単位

科 目 物理数学B

(Physical Mathematics B)

北山 哲、白石 卓也担当教員

コースナンバー:P00-3212

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

自然科学を学ぶ上で基礎となる数学の習得を目指す。本講義で学ぶ複素ベクトル、複素行列、フーリエ解析などは、物理学や工学を含む幅広い分野の学習において必須となる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 複素数とオイラーの公式

2 複素ベクトル

3 ベクトルと行列

4 エルミート行列とユニタリー変換

5 関数空間

6 ガウス関数

7 フーリエ級数

8 フーリエ級数の性質

9 複素フーリエ級数

10 フーリエ変換

11 デルタ関数

12 ラプラス変換

13 応用問題(1)

14 応用問題(2)

15 学習到達度の確認

【3】 到達目標

複素ベクトル、複素行列、フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換などを学び、それらを使いこなせるようになることを「学習教育目標」とする。複素ベクトル、複素行列、フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換などに関して授業中に出題する基礎的な問題を、自力で解くことができるようになることを目指す。

【4】 授業概要および授業方法

この授業では、物理学を習得するのに不可欠となる数学のうち、複素ベクトルとフーリエ解析を中心に学ぶ。また、数学的手法に習熟するためには、実際に問題を数多く解くことが必要不可欠であるので、問題演習を合わせて行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業時間中に指定する問題演習を行い、レポートとしてまとめることが強く望まれる。必要時間は、物理数学Aと物理数学Bを合わせて、少なくとも週6時間程度である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書は指定しないが、参考書として以下を推薦する。演習問題については、授業中に配布する。『物理のための数学』(和達三樹著、岩波書店)『物理の数学』(薩摩順吉、岩波書店)『物理応用数学演習』(後藤憲一・他編、共立出版)

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【7】 評価方法およびフィードバック

成績の評価は、物理数学Aと物理数学Bで合わせて行う。片方のみの受講は原則として認めない。レポートの評価の合計を40点、小テスト(実施した場合)と定期試験の成績を60点として、100点満点で評価する。

レポートは内容を確認して返却する。小テスト及び定期試験は、レポート用演習問題に基づいて出題する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数学A1 数学A2 数学B1 数学B2 力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 電磁気学IA 電磁気学IB 基礎数学演習Ⅰ基礎数学演習Ⅱ

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理数学C 物理数学D 熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B 量子力学A 量子力学演習A 量子力学B 量子力学演習B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

本授業とは相補的な内容を扱う授業として、数理科学特論B1(常微分方程式)、数理科学特論B2(ベクトル解析)の受講を強く勧める。

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2020 秋学期・金1・2学年・2単位

科 目 物理数学C

(Physical Mathematics C)

北山 哲担当教員

コースナンバー:P00-4311

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

自然科学を学ぶ上で基礎となる数学の習得を目指す。本講義で扱う偏微分方程式、ベクトル解析、テンソルなどに関する知識は、物理学の学習において必須となる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 スカラー場の偏微分

2 ベクトル場の偏微分

3 熱伝導方程式

4 波動方程式(1)

5 波動方程式(2)

6 ラプラス方程式

7 グリーン関数

8 No.1~7で学んだ事項の確認

9 連続体にはたらく力とテンソル

10 流体の基礎方程式

11 完全流体

12 粘性流体

13 テンソル解析の基礎

14 応用問題

15 No.9~14で学んだ事項の確認

【3】 到達目標

この授業においては、基本的な偏微分方程式の性質と解法を修得するとともに、流体力学を例としながらベクトル解析およびテンソルに関する知識を合わせて修得することを「学習教育目標」とする。

【4】 授業概要および授業方法

偏微分方程式は物理数学A,Bで学んだ内容の応用・拡張であり、電磁気学や量子力学の修得に必須となる。また、流体力学を例として学ぶベクトル解析とテンソルに関する知識も、物理学の幅広い分野で用いられる。これらをテーマとしたさまざまな演習問題を解きつつ、物理学の修得に必要となる数学を学ぶ。大学院進学を志望する学生は特に受講が望まれる。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業時間中に指定する問題演習を行い、レポートとしてまとめることが強く望まれる。必要時間は、物理数学Cと物理数学Dを合わせて、少なくとも週6時間程度である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

演習問題を含むプリントを配布する。教科書は特に指定しない。参考書は物理数学A,Bで指定した書籍に加え、適宜授業中に紹介する。

【7】 評価方法およびフィードバック

物理数学Cと物理数学Dは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認められない。原則として、中間試験の成績を50点、定期試験の成績を50点として、100点満点で評価する。演習問題への回答をレポートで提出した者に対しては、その評価の合計を20点を限度として加算する。総計が100点を越えた場合は100点とみなす。レポートは添削して返却する。中間試験および定期試験は、レポート用演習問題に基づいて出題する。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数理科学特論B1 力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 物理数学A 物理数学B

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学ⅡB 量子力学A 量子力学B 卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

本科目と相補的な内容を扱う科目として、数理科学特論B1(常微分方程式)、数理科学特論B2(ベクトル解析)、複素関数論(情報科学科)を合わせて履修することを強く勧める。

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2020 秋学期・金2・2学年・2単位

科 目 物理数学D

(Physical Mathematics D)

北山 哲担当教員

コースナンバー:P00-4312

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

自然科学を学ぶ上で基礎となる数学の習得を目指す。本講義で扱う偏微分方程式、ベクトル解析、テンソルなどに関する知識は、物理学の学習において必須となる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 スカラー場の偏微分

2 ベクトル場の偏微分

3 熱伝導方程式

4 波動方程式(1)

5 波動方程式(2)

6 ラプラス方程式

7 グリーン関数

8 No.1~7で学んだ事項の確認

9 連続体にはたらく力とテンソル

10 流体の基礎方程式

11 完全流体

12 粘性流体

13 テンソル解析の基礎

14 応用問題

15 No.9~14で学んだ事項の確認

【3】 到達目標

この授業においては、基本的な偏微分方程式の性質と解法を修得するとともに、流体力学を例としながらベクトル解析およびテンソルに関する知識を合わせて修得することを「学習教育目標」とする。

【4】 授業概要および授業方法

偏微分方程式は物理数学A,Bで学んだ内容の応用・拡張であり、電磁気学や量子力学の修得に必須となる。また、流体力学を例として学ぶベクトル解析とテンソルに関する知識も、物理学の幅広い分野で用いられる。これらをテーマとしたさまざまな演習問題を解きつつ、物理学の修得に必要となる数学を学ぶ。大学院進学を志望する学生は特に受講が望まれる。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業時間中に指定する問題演習を行い、レポートとしてまとめることが強く望まれる。必要時間は、物理数学Cと物理数学Dを合わせて、少なくとも週6時間程度である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

演習問題を含むプリントを配布する。教科書は特に指定しない。参考書は物理数学A,Bで指定した書籍に加え、適宜授業中に紹介する。

【7】 評価方法およびフィードバック

物理数学Cと物理数学Dは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認められない。原則として、中間試験の成績を50点、定期試験の成績を50点として、100点満点で評価する。演習問題への回答をレポートで提出した者に対しては、その評価の合計を20点を限度として加算する。総計が100点を越えた場合は100点とみなす。レポートは添削して返却する。中間試験および定期試験は、レポート用演習問題に基づいて出題する。

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Page 41: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数理科学特論B1 力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 物理数学A 物理数学B

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学ⅡB 量子力学A 量子力学B 卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

本科目と相補的な内容を扱う科目として、数理科学特論B1(常微分方程式)、数理科学特論B2(ベクトル解析)、複素関数論(情報科学科)を合わせて履修することを強く勧める。

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Page 42: 理学部:物理学科専門科目 ・・・ 1...8 運動方程式の解法に向けた数学的準備Ⅰ: 三角関数を用いた運動方程式の簡単な解法を紹介し、一般解の考え方を解説する。境界条件を用いて解の決定法を学び、そ

2020 秋学期・木1・2学年・2単位

科 目 熱・統計力学I

(Thermal and Statistical Physics Ⅰ)

赤星 大介担当教員

コースナンバー:P00-4241

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

巨視的な熱平衡状態にある系を対象とする熱力学の基本概念とその応用の解説を行う。この講義では、熱力学の法則、エントロピー、熱力学関数などを理解することを「学習教育目標」とする。この講義は熱・統計力学IIをより深く理解するために必要であり、これから得た知識は我々の身の回りの熱現象を理解するのに役立つ。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 巨視的系の物理(熱力学と統計力学、熱平衡)

2 温度、エネルギー、理想気体

3 熱力学第1法則

4 熱容量、比熱、マイヤーの関係式

5 理想気体の仕事(断熱過程・等温過程)

6 熱力学第2法則

7 熱機関とカルノーサイクル

8 クラウジウスの関係式

9 エントロピー

10 ヘルムホルツの自由エネルギー、ギブスの自由エネルギー

11 マクスウェルの関係式

12 熱平衡状態

13 熱力学の簡単な系への応用(化学ポテンシャル、相平衡)

14 実在気体

15 定期試験と総括

【3】 到達目標

内部エネルギー、熱、仕事の概念を理解し、熱力学第一法則(熱現象のエネルギー保存則)を説明できる。等温可逆変化、断熱可逆変化の違いを説明できる。ポアソンの法則を導くことができる。定積、定圧熱容量を理解し、マイヤーの関係式を導くことができる。カルノーサイクルを理解し、カルノーの熱効率を導くことができる。クラウジウスの式からエントロピーの概念を説明できる。ギブス、ヘルムホルツの自由エネルギーやエントロピーを使って、熱平衡状態について説明できる。熱力学関数からマクスウエルの関係式を導くことができる。ギブスの相律や化学ポテンシャルを使って、相平衡状態を説明できる。実在気体と理想気体の違いについて説明できる。

【4】 授業概要および授業方法

現象論的な熱力学と、微視的な立場の統計力学との関連を最初に論じ、「熱統計力学」的な方法を一部取り入れて講義してゆく。前半は、熱力学の第一法則(熱現象のエネルギー保存則)、熱力学第二法則(熱現象の変化に関する法則)の解説を行う。後半は、エントロピー、自由エネルギーなどの熱力学関数について解説してから、これらを用いて熱平衡、相平衡状態について解説を行う。そして、最後に実在気体について解説する。もし、時間的余裕があれば、非平衡状態の熱力学や相転移現象についても解説したい。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業計画を参考にして予習をすること。定期的に中間試験を行うので、しっかりと復習をして取り組むこと。一回の講義に対して90分程度の予習・復習が必要である。熱力学は力学、電磁気学などとは異なり独自のスタイルの学問である。この講義には演習は無いので、復習を兼ねて自主的に演習問題に取り組むことが肝要である。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

熱学 小出昭一郎著 東京大学出版会熱力学 押田勇雄、藤城敏幸著 裳華房

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験90%、中間試験・レポート10%で評価する。中間試験の実施後、授業内で試験の解説を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページのhttp://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/を参照すること。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

基本的な微積分の知識(特に偏微分、全微分)が必要である。この講義には演習は無いので、自主的に演習問題に取り組む必要がある。

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2020 春学期・木1・3学年・2単位

科 目 熱・統計力学ⅡA

(Thermal and Statistical Physics ⅡA)

河原林 透担当教員

コースナンバー:P00-5241

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

統計力学の基礎的な考え方およびその応用力を身につけることを目的としている。これにより、多数の粒子が絡んだ自然現象に対する新しい見方が習得できる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 熱力学と統計力学の関係についての概要、特に自然現象の確率論的記述の重要性について解説する。

2 確率論的記述に必要な数学的基礎(大数の法則と中心極限定理,中心極限定理、特殊関数)の解説

3 統計力学の基本概念(実現確率と確率密度関数,アンサンブルの概念)の解説

4 統計力学の基本的考え方,特にミクロカノニカルアンサンブルを導入し、ミクロな世界とマクロな世界をどのように結びつけるのかを解説。

5 ミクロカノニカルアンサンブルに起きて、エントロピーと温度の定義を行い、熱力学と統計力学の整合性(熱力学的温度と統計力学で導入される温度との関係)を確認する。

6 ミクロカノニカル分布の適用例として、最も簡単な自由粒子の場合について、具体的な計算を行う。

7 ミクロカノニカル分布の応用例としてゴム弾性の問題について述べる。

8 ミクロカノニカル分布からカノニカル分布の導出する。熱浴の役割やその適応範囲について解説する。

9 カノニカル分布におけるミクロとマクロをつなく関係式を導く。特に、分配関数と自由エネルギーの関係を示す。

10 カノニカル分布の応用として,自由粒子の場合に具体的な計算を行い、理想気体の状態方程式等を導出する。

11 グランドカノニカル分布の導入を行う。自由粒子を例にとって、具体的な計算を行い、3つのアンサンブルで結果が一致することを確認する。

12 不完全古典気体を統計力学的観点からどのように扱うか解説する。カノニカルアンサンブルとグランドカノニカルアンサンブルの応用を行い、ファン・デル・ワールス方程式をミクロなハミルトニアンから導出する。

13 不完全古典気体を格子ガス模型で取り扱い、ファン・デル・ワールス方程式を平均場近似の元で導出する。

14 量子統計力学への関連として、量子力学的状態密度について解説する。

15 試験により学習到達度の確認を行う。

【3】 到達目標

この授業の「学習教育目標」は、ミクロな法則から統計的手法によって、マクロな系の法則が導かれる原理を理解し、簡単な具体例を通してカノニカル分布などの統計力学的手法の応用力を身につけることにある。

【4】 授業概要および授業方法

この講義では、古典力学の範囲内で統計力学の基礎的な考え方を学び、秋学期に開講する統計力学B(熱統計力学ⅡB)では量子力学的な考え方を用いて統計力学の構造を明らかにする。このⅡA(A)の範囲では、最低限、カノニカル分布がどのような考え方に基づいて構築されるのかを理解することを目指す。授業は、原則として黒板を用いた板書により行い、必要に応じて、資料プリントの配布、スライドを用いたプレゼンテーションを活用する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業で扱う「統計力学的なのもの見方」という新しい概念を身につけるためには、授業について十分復習して、疑問点は質問するなどして解消しておくことが望ましい。180分程度の復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕特に使わない。〔参考書〕『統計力学』(市村 浩著、裳華房 基礎物理学選書),『大学演習 熱学・統計力学』(久保亮五著、裳華房), 『熱力学』(小野嘉之著、裳華房テキストシリーズ),『熱・統計力学講義』(河原林透著、サイエンス社)

【7】 評価方法およびフィードバック

原則として期末試験の成績を100%として評価する。途中で小テストを実施した場合は、小テストと期末試験の割合をそれぞれ20%と80%とする。課されたレポートに対する回答内容が特に優れたものや、講義中に質問などを通して理解を深めるような授業への貢献度が大きかった学生に対しては、20%を越えない範囲で評価に加算する場合がある。総点が100%を越えた場合は100%で打ち切りとする。小テストを含む試験の結果に関する講評をその都度行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB 物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 熱・統計力学I

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

この講義を履修するためには、1年次の力学IA,IB,IC,ID及び2年次の力学IIA,IIB、物理数学A,B,C,D、熱・統計力学Ⅰの単位を取得済みであることが望ましい。具体的な練習問題は同じく必修の熱・統計力学演習Aで行う。多くの練習を重ねることは、考え方を身につける上で大切なので、出来るだけたくさんの問題を各自が解く必要がある。また、時折量子力学の知識を用いることもあるので、量子力学Aも同時に履修していることが望ましい。

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2020 春学期・木3・3学年・1単位

科 目 熱・統計力学演習A

(Thermal and Statistical Physics Recitation A)

大江 純一郎、鈴木 健士担当教員

コースナンバー:P00-5242

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

統計力学で習った内容を実際の問題に適用して計算を行う。カノニカルアンサンブルの考え方を用いて、物理量の統計力学的期待値を計算することができる。力学では扱えなかった多粒子系のマクロな性質が、どのように導かれるのかを理解する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 数学的準備1初等的な微積分の復習。

2 数学的準備2統計力学で使用する数学の準備。

3 熱力学の復習

4 気体分子運動論一粒子の運動と統計量の関係について理解する。

5 ゴム弾性の統計力学

6 ミクロカノニカル分布1理想気体の例を用いて、ミクロカノニカル分布とはどのような分布か理解する。

7 ミクロカノニカル分布2ミクロカノニカル分布で与えられる自由電子気体の物理的性質を計算する。

8 中間試験とまとめ

9 カノニカル分布1カノニカル統計の考え方を理解する。

10 カノニカル分布2自由電子やイジングスピンなどの具体的な例を用いて、ミクロカノニカル分布との違いを理解する。

11 カノニカル分布3調和振動子について、カノニカル分布を用いた物理量の計算を行う。

12 カノニカル分布4イジングスピンモデルを用いて、磁化率の計算を行う。

13 グランドカノニカル分布化学ポテンシャルの考え方について学ぶ。

14 大分配関数大分配関数を用いた統計量の計算を行う。

15 定期試験とまとめ

【3】 到達目標

カノニカル統計の考え方を理解し、多粒子系の統計量を計算できる。

【4】 授業概要および授業方法

具体的な問題を数多く解くことにより、統計力学の考え方の基礎を身につける。黒板で問題を解くなど、積極的に演習に参加することを奨励する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

統計力学の復習に加えて、物理数学の復習も推奨する。授業で使用するプリントを事前に配布するので、予習を行う。一回の講義について90分程度の予習を必要とする。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕初回の授業の際にプリントとして配布する。〔参考書〕『熱・統計力学講義』(河原林透著、サイエンス社)『大学演習 熱学・統計力学』(久保亮五著、裳華房)『統計力学』(長岡洋介著、岩波書店)

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【7】 評価方法およびフィードバック

授業への参加と学習成果双方を重視する。毎回小テストをおこない、これを評価の対象にいれるとともに中間、期末試験を実施する。原則的に小テスト及び試験の合計を100点満点で評価し、60点以上を合格とする。その上で黒板で問題を解くなど積極的な授業への参加を評価し加点する。毎回の小テストの採点時にコメントを加えることで、学習のフィードバックを行う。

【8】 オフィスアワー

月曜日5時限 16:20-17:50木曜日5時限 16:20-17:50

【9】 関連科目

物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

量子力学の知識を必要とすることがたびたびあるので、こちらもしっかり勉強すること。関連科目:電磁気学、解析力学、熱力学、量子力学、統計力学

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2020 秋学期・木1・3学年・2単位

科 目 熱・統計力学ⅡB

(Thermal and Statistical Physics ⅡB)

河原林 透担当教員

コースナンバー:P00-6321

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

量子力学に基づく量子統計力学の基礎的概念、およびその応用例を学ぶこと、また、磁性体などの相転移を統計力学的視点から学ぶこと目的としている。これにより、様々な物質の低温での性質(超伝導や超流動など)を学ぶ上での基礎的な概念を習得できる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ミクロカノニカル及びカノニカル分布の量子力学的解釈

2 量子論に基づくカノニカル分布の応用例

3 グランドカノニカル分布と量子統計, フェルミ粒子とボーズ粒子

4 フェルミ粒子系の統計力学における基本概念のうち、状態占有数の期待値とフェルミ分布関数について述べる。

5 フェルミ粒子系の統計力学における基本概念のうち、化学ポテンシャルの決め方,絶対零度の場合のフェルミエネルギー等について解説する。

6 フェルミ粒子系の低温でのとり使いに必要な、ゾンマーフェルトの公式の証明

7 ゾンマーフェルトの公式を応用して、フェルミ粒子系(金属)の低温比熱を求める。

8 ボース粒子系の時計力学:ボーズ分布とボーズ・アインシュタイン凝縮について述べる。

9 量子統計と古典統計の関係について解説。

10 磁性体の統計力学、特にイジング模型の導入と1次元系の厳密解を用いて、相転移の解析に重要なスケーリング等の性質を議論する。

11 強磁性体の相転移の平均場近似による解析、特に自発磁化,比熱,帯磁率の計算を行い、臨界指数等の普遍性などについて解説する。

12 相転移におけるスケーリング仮設について、平均場近似、知られている厳密解の結果等を交えて解説する。

13 繰り込み群の基礎的概念を1次元のイジング模型を例に解説する。

14 繰り込み群のフロー解析により臨界指数が評価できることを2次元イジング模型を例にとって示す。

15 試験による到達度の確認を行う。

【3】 到達目標

この授業の「学習教育目標」は、量子論を適用すべき系における統計力学的手法の基礎を学び、フェルミ分布やボーズ分布の量子分布の使い方およびスピン系等における相転移を扱うための基本的手法を修得することにある。

【4】 授業概要および授業方法

量子力学的観点から統計力学の基本的構造を見直す所から始めて,終了までには、最低限、カノニカル分布の方法を自由に使いこなせるようになることを目指す。また,量子統計の使い方にも慣れて,現実の系への応用にも対応できるようにする。時間があれば、線形応答理論、密度行列の方法、物理量とゆらぎの関係などについても説明する。授業は、原則として黒板を用いた板書により行い、必要に応じて、資料プリントの配布、スライドを用いたプレゼンテーションを活用する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業内容を十分復習し、次回の授業で質問するなどして理解を深めることが望ましい。180分程度の復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕特に使わない。〔参考書〕『統計力学』(市村 浩 著、裳華房 基礎物理学選書),『大学演習 熱学・統計力学』(久保亮五著、裳華房),『熱力学』(小野嘉之著、裳華房テキストシリーズ),『熱・統計力学講義』(河原林透著、サイエンス社)

【7】 評価方法およびフィードバック

原則として期末試験の成績を100%として評価する。途中で小テストを実施した場合は、小テストと期末試験の割合をそれぞれ20%と80%とする。課されたレポートに対する回答内容が特に優れたものや、講義中に質問などを通して理解を深めるような授業への貢献度が大きかった学生に対しては、20%を越えない範囲で評価に加算する場合がある。総点が100%を越えた場合は100%で打ち切りとする。小テストを含む試験の結果に関する講評をその都度行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 量子力学A 量子力学演習A

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

この講義を履修するためには、熱・統計力学ⅡA、熱・統計力学演習A、量子力学Aの単位を取得済みであることが望ましい。具体的な練習問題は熱・統計力学演習B(統計力学演習B)で行うので、こちらも同時に履修するよう勧める。多くの練習を重ねることは、考え方を身につける上で大切なので、出来るだけたくさんの問題を各自が解く必要がある。重要な科目であるので全員履修することが望ましい。特に大学院進学を考えているものは必修のつもりで履修すること。

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2020 秋学期・木3・3学年・1単位

科 目 熱・統計力学演習B

(Thermal and Statistical Physics Recitation B)

大江 純一郎担当教員

コースナンバー:P00-6322

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

授業で習った統計力学の、より深い理解および物理的なイメージをつかむことを目標とする。ボーズ凝集や天体における統計力学など、具体的な物理現象を計算を通して理解できる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 統計力学の基礎1統計力学Aの復習。

2 統計力学の基礎2ミクロカノニカル分布、カノニカル分布の復習。

3 量子統計力学1フェルミ粒子系、ボーズ粒子系の違いについて理解する。

4 量子統計力学2フェルミ粒子系、ボーズ粒子系の分布関数を計算する。

5 量子統計力学3ボーズ・アインシュタイン凝集について物理量の計算を行う。

6 量子統計力学と古典統計力学1ボーズ・アインシュタイン凝集について物理量の計算を行う。

7 中間試験とまとめ

8 量子統計力学と古典統計力学2フォノンの比熱について計算を行う。

9 フェルミ粒子の統計力学1統計力学を用いて、様々な天体の物理量を計算する。

10 フェルミ粒子の統計力学2磁性体中の自由電子気体について物理量の計算を行う。

11 フェルミ粒子の統計力学3自由電子気体について物理量の計算を行う。

12 相転移の統計力学1イジングスピンモデルを用いて、自発磁化の発現について学ぶ。

13 相転移の統計力学2イジングスピンモデルを用いて、磁性体の様々な物理量を計算する。

14 揺らぎと応答摂動計算により揺動散逸定理について学ぶ。

15 定期試験とまとめ

【3】 到達目標

グランドカノニカル分布の考え方を習得し、古典的・量子的な場合の統計量が計算できる。

【4】 授業概要および授業方法

統計力学の具体的な応用問題を数多く解くことにより、統計力学的な考え方に対する理解を深める。黒板で問題を解くなど、積極的に演習に参加することを奨励する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

統計力学の授業の復習や統計力学演習Aの復習を推奨する。初回の授業時にプリントを配布するので、予習を行う。一回の授業に対して90分程度の予習を必要とする。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書:授業の際にプリントとして配布する。参考書:『熱・統計力学講義』(河原林透著、サイエンス社)『大学演習 熱学・統計力学』(久保亮五著、裳華房)『統計力学』(長岡洋介著、岩波書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

授業への参加と学習成果双方を重視する。毎回小テストをおこない、これを評価の対象にいれるとともに中間、期末試験を実施する。原則的に小テスト及び試験の合計を100点満点で評価し、60点以上を合格とする。その上で黒板で問題を解くなど積極的な授業への参加を評価し加点する。毎回の小テストの採点時にコメントを加えることで、学習のフィードバックとする。

【8】 オフィスアワー

毎週月曜日5時限 16:20-17:50毎週木曜日5時限 16:20-17:50

【9】 関連科目

熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 熱・統計力学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

量子力学の知識を必要とすることがたびたびあるので、こちらもしっかり勉強すること。

関連科目:電磁気学、解析力学、熱力学、量子力学、統計力学

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2020 秋学期・火1・2学年・2単位

科 目 原子物理学

(Atomic Physics)

古川 武担当教員

コースナンバー:P00-4251

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業の「学習教育到達目標」は量子物理学としてミクロの世界における古典力学の破綻と量子力学の形成過程で現れる諸法則を理解することである。これまでに学んだ力学、電磁気学、熱力学などの古典物理学を踏まえて、まったく新しい概念である量子力学への道案内を行う。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ミクロの世界への誘い

2 原子・分子の概念

3 電子

4 ミクロの世界の単位系

5 ラザフォード散乱I

6 ラザフォード散乱II

7 原子のスペクトル

8 ボーアの原子模型

9 比熱

10 黒体輻射 -エネルギー量子-

11 光の粒子性 -光電効果・コンプトン効果-

12 物質波の概念・電子の波動性

13 シュレーディンガー方程式I

14 シュレーディンガー方程式II

15 定期試験とまとめ

【3】 到達目標

この授業の「学習教育到達目標」は量子物理学としてミクロの世界における古典力学の破綻と量子力学の形成過程で現れる諸法則を理解することである。したがって次に挙げる事柄を到達目標とする。(1) 熱輻射と量子の関係、及び光の波動性と粒子性を説明できる(2) ボーアの原子模型、原子スペクトルとエネルギー準位の関係を説明できる(3) 光の粒子性、電子の波動性について説明できる

【4】 授業概要および授業方法

マクロな世界からミクロな世界への移行を、基本的には科学史に沿って追いかけていく。そのことによりわかりにくい概念も、当時の科学者の悩みを共有する形で考え、理解へと導いていく。あまり数式を多用することなしに、主として概念の形成に留意して講義を行うので、数学的記述についいては深く立ち入らない。そのためかえってわかりにくくなる部分もあると思うが、それは、3年生で履修する『量子力学』に任せることにする。なお、実際に数値を代入した計算を行ってイメージの確立の手助けにする。教科書に書いていないこと、黒板にも書かないことをしっかり記録し、学習してほしい。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習:教科書の該当部分を読んでくること。計算式なども自分で導いてみること(60分)復習:その日のノートをしっかり見直し、講義中に出題される課題をこなすこと。(120分)

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『わかりやすい量子力学入門』(高田健次郎著、丸善)〔参考書〕『量子力学入門』(前野昌弘著、丸善)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験、出席、レポート、小テストなど総合的に評価する。原則的に定期試験を65%、出席、レポート、小テストなどを35%として重みをつけた評価を行い、100点満点に換算する。希望者にはレポート、試験のコピーを返却するので自主学習に役立ててほしい。

【8】 オフィスアワー

月曜3、4限、火曜2限、木曜2限

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【9】 関連科目

力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

量子力学A 量子力学演習A

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

熱・統計力学Ⅰは同時履修となるが熱的な概念も扱うのでよく理解してほしい。これまでの古典力学と異なる考え方をすることもあるので「?」なことがあったら必ず自分で調べるなり、質問するなりして、しっかり理解すること。

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2020 春学期・月1・3学年・2単位

科 目 量子力学A

(Quantum Mechanics A)

関口 雄一郎担当教員

コースナンバー:P00-5251

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

目的:現代物理学の研究・応用に必須な量子力学の基礎を習得する。教育目標:量子力学的な世界の考え方を修得し、基礎方程式であるシュレーディンガー方程式を基本的な系に適応できる。期待される成果:量子力学の基礎的な枠組みが理解できる。調和振動子や水素原子などの基本的な系に対して具体的にシュレーディンガー方程式を解くことができる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 量子力学の基礎概念(1)・波と粒子の二重性から「物理量」と「状態」の分離へ・重ね合わせの原理が意味するもの:「状態」=(抽象的)ベクトル・測定結果を説明する魔法:確率原理

2 量子力学の基礎概念(2)・シュレーディンガー方程式:「状態ベクトル」を決める基本方程式・量子力学における「物理量」:演算子・正準量子化:古典から量子力学への橋渡し

3 エネルギー表示における量子力学・離散スペクトルの場合・基礎概念を具体的に整理する

4 位置表示における量子力学・連続スペクトルの場合・波動関数とは?・波束としての粒子概念

5 1次元調和振動子(1)・エルミート多項式を用いた解析的手法

6 1次元調和振動子(2)・生成消滅演算子を用いた代数的手法

7 これまでの事項のまとめと中間試験

8 1次元ポテンシャルによる散乱問題・確率の保存・トンネル効果

9 軌道角運動量・球面調和関数

10 水素原子(1)・3次元中心力ポテンシャル問題の変数分離

11 水素原子(2)・角度方向の波動関数

12 水素原子(3)・動径方向の波動関数

13 角運動量代数

14 スピン角運動量

15 講義内容のまとめと期末試験

【3】 到達目標

1. 量子力学体系の基礎的な枠組みを理解できる。2. 調和振動子ポテンシャル中のエネルギー固有値問題を解くことができる。3. 量子力学における角運動量とスピンの基本事項について理解する。4. 水素原子のエネルギー固有値問題を解くことができる。

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【4】 授業概要および授業方法

古典物理学では理解できない微視的な世界の物理理論である量子力学の基本枠組みを幾つかの原理を仮定して構築する。それらをもとに量子力学の基本方程式であるシュレディンガー方程式の解法を学び、いくつかの基本的な系に適応する。授業は事前に配布する講義ノートに基づいて板書で進め、毎回の講義内容の復習と補足に相当する出席課題と、応用問題やより進んだ内容を含む演習問題が課される。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

講義ノートについて少なくとも90分程度の予習を行うことが望ましい。これに加えて、講義ノートとレポート課題を通してしっかりと復習することが必要である。復習とレポート課題には、それまでの習得知識に大きく依存するが、少なくとも1日当たり1時間(合計で4時間)程度の時間がかかると見込まれる。

【6】 教科書・参考書・参考資料

講義ノートを配布するので特に教科書は指定しない。参考書は図書館などで気に入ったものを見つけて購入すればよいが、量子力学にはこの1冊で十分、という教科書は「無い」ので、いくつか読んでみる事が必要となる。演習書については、次のものを購入することを推奨する。『演習しよう量子力学』(鈴木久男・大谷俊介、数理工学社) ただし、かなり多くの誤植があるのでそのつもりで利用すること。

【7】 評価方法およびフィードバック

量子力学Aと量子力学演習Aは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認められない。中間試験と期末試験を合計70点とし、毎回の出席課題、レポート課題を30点として合計が60点以上が合格となる。また、演習レポート課題の発展問題の解答状況に鑑み、10点を限度として加点を行う。これらの加点問題を解くことを強く推奨する。試験問題は主にレポート課題に基づいて出題する。毎回のレポート課題は添削の上返却し、またほぼすべての問題についてやや詳しい解説を講義ノートに掲載する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数学A1 数学A2 数学B1 数学B2 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 熱・統計力学I 原子物理学 基礎数学演習Ⅰ 基礎数学演習Ⅱ

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B 量子力学B 量子力学演習B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

毎回の予習・復習を行わず、試験直前の詰め込みのみで単位を取得できる可能性は極めて低い。また、これまでの必修科目、特に物理数学、原子物理学、線形代数に不安がある学生はこれらの修得も並行して進めることを強く推奨する。

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2020 春学期・月2・3学年・1単位

科 目 量子力学演習A

(Quantum Mechanics Recitation A)

関口 雄一郎、長崎 晃一担当教員

コースナンバー:P00-5252

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

目的:現代物理学の研究・応用に必須な量子力学の基礎を習得する。教育目標:量子力学的な世界の考え方を修得し、基礎方程式であるシュレーディンガー方程式を基本的な系に適応できる。期待される成果:量子力学の基礎的な枠組みが理解できる。調和振動子や水素原子などの基本的な系に対して具体的にシュレーディンガー方程式を解くことができる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 量子力学の基礎概念(1)・ブラケット記号を用いた(抽象的)ベクトル空間

2 量子力学の基礎概念(2)・量子力学における演算子・行列の対角化

3 エネルギー表示における量子力学・行列表示・フーリエ変換とデルタ関数

4 位置表示における量子力学・エーレンフェストの定理・運動量表示

5 1次元調和振動子(1)・エルミート多項式を用いた解析的手法

6 1次元調和振動子(2)・生成消滅演算子を用いた代数的手法

7 簡単な1次元ポテンシャル問題・1次元井戸型ポテンシャル

8 1次元ポテンシャルによる散乱問題・確率の保存・トンネル効果

9 軌道角運動量・球面調和関数

10 水素原子(1)・3次元中心力ポテンシャル問題の変数分離・境界条件

11 水素原子(2)・角度方向の波動関数・同時固有状態

12 水素原子(3)・動径方向の波動関数

13 角運動量代数

14 スピン角運動量

15 講義内容のまとめと期末試験

【3】 到達目標

1. 量子力学体系の基礎的な枠組みを理解できる。2. 調和振動子ポテンシャル中のエネルギー固有値問題を解くことができる。3. 量子力学における角運動量とスピンの基本事項について理解する。4. 水素原子のエネルギー固有値問題を解くことができる。

【4】 授業概要および授業方法

古典物理学では理解できない微視的な世界の物理理論である量子力学の基本枠組みを、幾つかの原理を仮定して構築する。それらをもとに、量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式の解法を学び、いくつかの基本的な系に適応する。授業は配布する講義ノートに基づいて板書で進め、講義内容の復習と補足に相当する出席課題と、応用問題やより進んだ内容を含む演習問題が課される。

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【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

講義ノートについて少なくとも90分程度の予習を行うことが望ましい。これに加えて、講義ノートとレポート課題を通してしっかりと復習することが必要である。復習とレポート課題には、それまでの習得知識に大きく依存するが、少なくとも1日当たり1時間(合計で4時間)程度の時間がかかると見込まれる。

【6】 教科書・参考書・参考資料

講義ノートを配布するので特に教科書は指定しない。参考書は図書館などで気に入ったものを見つけて購入すればよいが、量子力学にはこの1冊で十分、という教科書は「無い」ので、いくつか読んでみる事が必要となる。演習書については、次のものを購入することを推奨する。『演習しよう量子力学』(鈴木久男・大谷俊介、数理工学社) ただし、かなり多くの誤植があるのでそのつもりで利用すること。

【7】 評価方法およびフィードバック

量子力学Aと量子力学演習Aは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認められない。中間試験と期末試験を合計70点とし、毎回の出席課題、レポート課題を30点として合計が60点以上が合格となる。また、演習レポート課題の発展問題の解答状況に鑑み、10点を限度として加点を行う。これらか天文台を解くことを強く推奨する。試験問題は主にレポート課題に基づいて出題する。毎回のレポート課題は添削の上返却し、またほぼすべての問題についてやや詳しい解説を講義ノートに掲載する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

数学A1 数学A2 数学B1 数学B2 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 熱・統計力学I 原子物理学 基礎数学演習Ⅰ 基礎数学演習Ⅱ

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B 量子力学B 量子力学演習B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

毎回の予習・復習を行わず、試験直前の詰め込みのみで単位を取得できる可能性は極めて低い。また、これまでの必修科目、特に物理数学、原子物理学、線形代数に不安がある学生はこれらの修得も並行して進めることを強く推奨する。

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2020 秋学期・月1・3学年・2単位

科 目 量子力学B

(Quantum Mechanics B)

関口 雄一郎担当教員

コースナンバー:P00-6311

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学においてのみならず、化学や生物学など科学諸分野の枠を超えて、物質の性質や諸現象の本質を理解するためには量子力学の知識が必要となる。この講義では、量子力学の理論構造や体系を理解するとともに、具体的な問題に取り組む際に必要となる基本的な知識(主に角運動量)と技法(摂動法を主とする近似法と散乱問題の初等的解法)を習得することを学習教育目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 エネルギー固有値問題の摂動法(1) -縮退のない場合-

2 エネルギー固有値問題の摂動法(2) -縮退のある場合-

3 時間発展問題の摂動法(1) -基礎理論-

4 時間発展問題の摂動法(2) -フェルミの黄金率、エネルギーの吸収と放射-

5 これまでのまとめと中間試験(1)

6 電磁場との相互作用 (1)・ラーモア歳差・スピン磁気共鳴

7 電磁場との相互作用 (2)・シュタルク効果・ランダウ準位

8 角運動量の合成・スピン軌道相互作用

9 黒体輻射・純粋状態と混合状態

10 これまでのまとめと中間試験(2)

11 散乱問題(1) -散乱問題の基礎-

12 散乱問題(2) -ボルン近似と部分波展開法-

13 WKB近似

14 多粒子系の量子力学の基礎

15 総括と確認

【3】 到達目標

1. 量子力学の基礎的な考え方を体系立てて説明できる。2. 摂動法を用いてエネルギー固有値と固有関数を導出できる。3. 摂動法を用いて時間発展問題を解いて確率計算ができる。4. 電磁場中の量子力学の基礎について理解する。5. 球対称ポテンシャルにおける散乱問題を解くことができる。

【4】 授業概要および授業方法

量子力学・演習Aでの学習をもとに、演算子による量子力学の数学的構造と定式化を再整理するとともに、厳密に解けない問題に取り組むため近似法を習得する。これらの知識を用いて、基本的な量子系である水素原子の構造を理解し、量子力学において重要な散乱問題の解法を学ぶ。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

配布された講義ノートについて少なくとも90分程度の予習を行うことが望ましい。これに加えて、講義ノートとレポート課題を通してしっかりと復習することが必要である。復習とレポート課題には、それまでの習得知識に大きく依存するが、少なくとも1日当たり1時間(合計で4時間)程度の時間がかかると見込まれる。量子力学の習得では多角的な視点が理解の助けとなることも多い。積極的に他者と議論することを推奨する。

【6】 教科書・参考書・参考資料

毎回講義ノート(演習問題込)のプリントを配布するため、教科書は特に指定しないが、次の演習書を購入することを推奨する。『演習しよう量子力学』(鈴木久男・大谷俊介、数理工学社)かなり多くの誤植があるのでそのつもりで利用すること。

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【7】 評価方法およびフィードバック

量子力学Bと量子力学演習Bは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認められない。中間試験と期末試験を合計70点とし、毎回の出席課題、レポート課題を30点として合計が60点以上が合格となる。また、演習レポート課題の発展問題の解答状況に鑑み、10点を限度として加点を行う。試験問題は主にレポート課題に基づいて出題する。毎回のレポート課題は添削の上返却し、またほぼすべての問題についてやや詳しい解説を講義ノートに掲載する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 原子物理学 量子力学A 量子力学演習A量子力学の導入的知識に加えて、フーリエ級数、フーリエ変換、デルタ関数、行列の対角化、ベクトル解析に関する基礎事項を必ず復習しておくこと。

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理の選択科目

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

授業は演習を交えて進む。演習では各自で配布したプリントの問題を解いてゆく。レポートも毎週提出する。

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2020 秋学期・月2・3学年・1単位

科 目 量子力学演習B

(Quantum Mechanics Recitation B)

関口 雄一郎担当教員

コースナンバー:P00-6312

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学においてのみならず、化学や生物学など科学諸分野の枠を超えて、物質の性質や諸現象の本質を理解するためには量子力学の知識が必要となる。この講義では、量子力学の理論構造や体系を理解するとともに、具体的な問題に取り組む際に必要となる基本的な知識(主に角運動量)と技法(摂動法を主とする近似法と散乱問題の初等的解法)を習得することを学習教育目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 エネルギー固有値問題の摂動法(1) -縮退のない場合-

2 エネルギー固有値問題の摂動法(2) -縮退のある場合-

3 時間発展問題の摂動法(1) -基礎理論-

4 時間発展問題の摂動法(2) -フェルミの黄金率、エネルギーの吸収と放射-

5 これまでのまとめと中間試験(1)・変分法

6 電磁場との相互作用 (1)・ラーモア歳差・スピン磁気共鳴・ゼーマン効果

7 電磁場との相互作用 (2)・シュタルク効果・ランダウ準位

8 角運動量の合成・スピン軌道相互作用

9 黒体輻射・純粋状態と混合状態

10 これまでのまとめと中間試験(2)・経路積分とアハラノフ・ボーム効果

11 散乱問題(1) -散乱問題の基礎

12 散乱問題(2) -ボルン近似と部分波展開法

13 WKB近似

14 多粒子系の量子力学の基礎

15 総括と確認

【3】 到達目標

1. 量子力学の基礎的な考え方を体系立てて説明できる。2. 摂動法を用いてエネルギー固有値と固有関数を導出できる。3. 摂動法を用いて時間発展問題を解いて確率計算ができる。4. 電磁場中の量子力学の基礎について理解する。6. 球対称ポテンシャルにおける散乱問題を解くことができる。

【4】 授業概要および授業方法

量子力学・演習Aでの学習をもとに、演算子による量子力学の数学的構造と定式化を再整理するとともに、厳密に解けない問題に取り組むため近似法を習得する。これらの知識を用いて、黒体輻射の基礎理論、電磁場中の量子力学、および量子力学において重要な散乱問題の解法を学ぶ。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

配布された講義ノートについて少なくとも90分程度の予習を行うことが望ましい。これに加えて、講義ノートとレポート課題を通してしっかりと復習することが必要である。復習とレポート課題には、それまでの習得知識に大きく依存するが、少なくとも1日当たり1時間(合計で4時間)程度の時間がかかると見込まれる。量子力学の習得では多角的な視点が理解の助けとなることも多い。積極的に他者と議論することを推奨する。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

毎回講義ノート(演習問題込)のプリントを配布するため、教科書は特に指定しないが、次の演習書を購入することを推奨する。『演習しよう量子力学』(鈴木久男・大谷俊介、数理工学社)かなり多くの誤植があるのでそのつもりで利用すること。

【7】 評価方法およびフィードバック

量子力学Bと量子力学演習Bは単一の授業として進め、同一の評価を与える。片方のみの受講は原則として認められない。中間試験と期末試験を合計70点とし、毎回の出席課題、レポート課題を30点として合計が60点以上が合格となる。また、演習レポート課題の発展問題の解答状況に鑑み、10点を限度として加点を行う。試験問題は主にレポート課題に基づいて出題する。毎回のレポート課題は添削の上返却し、またほぼすべての問題についてやや詳しい解説を講義ノートに掲載する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 原子物理学 量子力学A 量子力学演習A量子力学の導入的知識に加えて、フーリエ級数、フーリエ変換、デルタ関数、行列の対角化、ベクトル解析に関する基礎事項を必ず復習しておくこと。

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理の選択科目

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

授業は演習を交えて進む。演習では各自で配布したプリントの問題を解いてゆく。レポートも毎週提出する。

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2020 春学期・月3、月4、月5・1学年・1.5単位

科 目 物理学実験ⅠA

(Physics Laboratory ⅠA)

酒井 康弘、河原林 透、平口 学、齋藤 善雄、酒井 佐直、鈴木 忠幸担当教員

コースナンバー:P00-1261

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学の諸分野において不可欠な数学の演習を含めた基本的な物理実験を行う。これらにより、一般物理学の講義の知識に必要な数学力を涵養すると共に、物理現象に具体的なイメージを与え、物理法則が現実世界で成立していることを実感し理解する。また、現象を定量的に捉えるための基本的な実験器具の使用方法を含む実験基礎技術を習得するとともに、各実験の原理を理解すること、さらに実験を行い実験ノートに記録するという実験に関連した基礎的な学力を身につける。物理学実験ⅠAは物理学実験ⅠBと一体となっている授業である。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)コミュニケーション能力・リーダーシップ、外国語を含む文章の読み書き能力(3)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ガイダンス(演習の進め方)(担当 全教員)微分基礎(担当 全教員)

2 微分(担当 全教員)

3 いろいろな関数の微分(担当 全教員)

4 不定積分(担当 全教員)

5 定積分1(担当 全教員)

6 定積分2(担当 全教員)

7 微分方程式(担当 全教員)

8 微分積分中間試験(担当 全教員)実験ガイダンス

9 力学系予備実験(ノギス・マイクロメータの使い方、測定値の統計処理法、誤差の伝播の法則)(担当 全教員)実験は、力学系、電気系、熱・光系それぞれの系について用意された予備実験と本実験のうちのひとつを行う。ここで示されているのはまず力学系の実験を行うグループのものである。

10 ★重力加速度の測定(担当 全教員)★表面張力の測定★ヤング率の測定力学系の本実験として用意された3つのうちのいずれかを行う。

11 電気系予備実験(テスター・オシロスコープの使い方)(担当 全教員)

12 ダイオードとトランジスタ(担当 全教員)

13 ★熱・光系予備実験(水によるレーザー光の屈折の観察、回折格子を使ったレーザー光の干渉パターンの観察(担当 全教員)

14 ★ニュートンリング(担当 全教員)★分光計★比熱(コンピュータ活用を含む:データ収集、グラフ作成)熱・光系の本実験として用意された3つのうちのいずれかを行う。

15 補充実験(担当 全教員)

【3】 到達目標

1. 微分、積分の基礎的な計算が行える。2. 重力加速度、弾性定数、表面張力などの概念を理解し、説明できる。ノギス、マイクロメータなどの取り扱い技術を習得し、使用できる。3. 抵抗、ダイオード、トランジスターなどの動作原理を理解し、説明できる。テスター、オシロスコープの取り扱いを習得し、使用できる。4. ニュートンリング、分光計の実験を通して、光の回折、干渉、反射、屈折に関する理解深め、説明できる。6. 比熱の測定を通して、比熱の概念を理解し、説明できる。コンピュータを用いたデータ収集・処理の基本を学び、PCを活用できる。6. 最小自乗法、誤差の見積もり方など、実験データを処理するための技術を習得し、活用できる。実験内容をレポートに纏めることにより、その書き方、考察の仕方などを学び、高める事ができる。

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【4】 授業概要および授業方法

前15回のうち、前半の8回は物理学の諸分野において不可欠な数学の演習を行う。授業時間では、まず予習部分についての小テストを行い、次に同範囲の演習問題を解いていく。グループに1人の担当者がつくので、質問は自由にしてよい。その日に予定されたすべての問題を解き終え、確認を受けられれば終了となる。時間切れの場合は、次週にノートのチェックを受ける。後半7回は実験となる。実験項目は力学系、電気系、熱・光系に分類され、それぞれの系に用意された予備実験からスタートする。予備実験においては基本的な測定器の使い方(力学系、電気系)又は基本的な法則(熱・光系)について学ぶ。その後引き続き本実験として用意されたもののうち1つを行う。1例として、実験項目を授業計画に示した。なお、少人数のグループに分けて実験を行なうので、授業計画にあげた実験を行なう順序はグループにより異なる。それぞれの実験では、40分ほどの一般講義を行い、その後実験を行なう。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

演習:プリントの該当箇所を予習しておく。(90分)予習部分が小テストの出題範囲となる。演習で行った問題をもう一度やってみる等の復習にも90分程度必要とする。実験:あらかじめテキストを読み、実験題目、目的、原理、装置と器具、実験方法を実験ノートに要点をまとめて記載する。測定値を記入する表もあらかじめ作っておくと良い。この予習に90分程度、ノート整理に90分程度を要する。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書 演習:使用しない    実験:実験テキストを配布する。参加書:理工系の数学入門コース、微分積分、和達三樹著、岩波書店    理工系の数学入門コース/演習、微分積分演習、和達三樹・十河清著、岩波書店    なるほど!とわかる微分積分、松野陽一郎著、東京図書    物理数学、前野昌弘著、東京図書

【7】 評価方法およびフィードバック

演習:毎回行われる小テスト10点、演習ノートの評価20点、中間テスト20点とする。小テストは返却し、問題解説を随時演習の時間内に行う。実験:実験実施に対する評価20点、実験ノートの評価30点。解説を授業内で行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB(これらの科目は1年次に履修するため同時進行となる。)

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学実験ⅠB 物理学実験ⅡA 物理学実験ⅡB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

演習:演習用には各自A4版のノートを用意しておく。初回から必要になるので注意(ルーズリーフ不可)実験:A4版の実験ノートを配布する。対数グラフ用紙はこちらから支給するが、正方眼紙は各自用意すること。

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2020 秋学期・金3、金4、金5・1学年・1.5単位

科 目 物理学実験ⅠB

(Physics Laboratory ⅠB)

田嶋 尚也、平口 学、齋藤 善雄、酒井 佐直、鈴木 健司担当教員

コースナンバー:P00-2261

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学の諸分野における基本的な物理実験を行ない、一般物理学の講義の知識に具体的なイメージを与え、物理法則が現実世界で成立していることを実感し理解する。また、現象を定量的に捉えるための基本的な実験器具の使用方法を含む実験基礎技術を習得するとともに、各実験の原理を理解し、実験を行ない、レポートに纏めるまでの実験に関連した学力を身につける。また、物理学実験ⅠA、ⅠBは1年生対象であるため、PCによるデータの取り込みと解析(PCリテラシー)及び電子回路作成や自ら実験テーマを設定する課題探求実験(デザイン能力の涵養)を意識的に取り入れている。物理学実験ⅠAは物理学実験ⅠBと対となっている。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ★ニュートンリング(担当 全教員)★分光計★比熱物理学実験ⅠAに引き続き、熱・光系の本実験として用意された3つのうち、まだ行っていない2つのうちいずれかを行う。

2 ★ニュートンリング(担当 全教員)★分光計★比熱(コンピュータ活用を含む:データ収集、グラフ作成)No.1と同じカテゴリーの実験を行い、No.1、No.2の実験内容をレポートにまとめる。(No.3の実験日の冒頭で提出)

3 ★ニュートンリング(担当 全教員)★分光計★比熱(コンピュータ活用を含む:データ収集、グラフ作成)熱・光系の実験のうち、残った1つのカテゴリーの実験を行う。

4 No.1、No.2の実験内容をまとめたレポートに対するレポート指導(担当 全教員)

5 ★ニュートンリング(担当 全教員)★分光計★比熱(コンピュータ活用を含む:データ収集、グラフ作成)No.3と同じカテゴリーの実験を行う

6 抵抗・コンデンサー・コイルを含む回路のインピーダンスの測定を行いレポートにまとめる(担当 全教員)

7 オシロスコープによる音と誘導起電力の観察(コンピュータ活用を含む:データ収集、データ解析、グラフ作成)(担当全教員)

8 電気系自由課題(コンピュータ活用を含む:データ収集、グラフ作成)(担当 全教員)

9 電気系自由課題(コンピュータ活用を含む:データ収集、グラフ作成)を行いレポートにまとめる。(No.10の実験日の冒頭で提出)(担当 全教員)

10 ★重力加速度の測定(担当 全教員)★表面張力の測定★ヤング率の測定力学系の本実験として用意された3つのうち、まだ行っていない2つのうちいずれかを行う。

11 ★重力加速度の測定(担当 全教員)★表面張力の測定★ヤング率の測定No.10と同じカテゴリーの実験を行い、No.10、No.11の実験内容をレポートにまとめる。(No.12の実験日の冒頭で提出)

12 ★重力加速度の測定(担当 全教員)★表面張力の測定★ヤング率の測定力学系の実験のうち、残った1つのカテゴリーの実験を行う。

13 ★重力加速度の測定(担当 全教員)★表面張力の測定★ヤング率の測定No.10と同じカテゴリーの実験を行う

14 実験ノートの提出(担当 全教員)

15 補習実験(担当 全教員)

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【3】 到達目標

1. 重力加速度、弾性定数、表面張力などの概念を理解し、説明できる。2. 回路の交流インピーダンスの測定を通して、交流インピーダンスと共鳴現象に関する理解を深め、説明できる。オシロスコープによる単発現象の観察ができる。3.自ら電気系実験テーマを考え、実験を組み立てる事ができる。4. ニュートンリング、分光計の実験を通して、光の回折、干渉、反射、屈折に関する理解深め、説明できる。5. 比熱の測定を通して、比熱の概念を理解し、説明できる。コンピュータを用いたデータ収集・処理の基本を学び、PCを活用できる。6. 最小自乗法、誤差の見積もり方など、実験データを処理するための技術を習得し、活用できる。実験内容をレポートに纏めることにより、その書き方、考察の仕方などを学び、高める事ができる。

【4】 授業概要および授業方法

初回の実験ガイダンスを含めて実験ⅠAとⅠBそれぞれ14回の実験を行なう。実験項目は力学系、電気系、熱・光系に分類され、それぞれの系は予備実験と本実験から構成される。実験ⅠAでは、まず、3系の予備実験を行い、その後本実験を行なう。予備実験においては基本的な測定器の使い方(力学系、電気系)又は基本的な法則(熱・光系)について学ぶ。実験ⅠBでは引き続き本実験を行なう。1例として、実験項目を授業計画に示した。実験ⅠBには、自ら実験テーマを設定し習得した知識と基礎技術を駆使して実験に取り組む課題探求実験が含まれている。なお、少人数のグループに分けて実験を行なうので、授業計画にあげた実験を行なう順序はグループにより異なる。それぞれの実験では、40分ほどの一般講義を行い、その後実験を行なう。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

あらかじめテキストを読み、実験題目、目的、原理、装置と器具、実験方法を実験ノートに要点をまとめて記載する。測定値を記入する表もあらかじめ作っておく。この予習に90分程度、ノート整理の場合はそれに90分程度、レポート提出の場合は、その作成に3時間程度の時間を必要とする。

【6】 教科書・参考書・参考資料

物理学実験ⅠAで配布した実験テキストを使用する。

【7】 評価方法およびフィードバック

実験実施に対する評価40点、レポートと実験ノートの評価60点レポートの解説を授業内で行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理学実験ⅠA 力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 電磁気学IA 電磁気学IB(力学IA、力学IB、物理学実験ⅠA以外は1年次秋学期に履修するため同時進行となる。)

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学実験ⅡA 物理学実験ⅡB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

実験ノートは物理学実験IAで配布したものと同じノートを使用する。対数グラフ用紙はこちらから支給するが、正方眼紙は各自用意すること。

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2020 春学期・火3、火4、火5・2学年・1単位

科 目 物理学実験ⅡA

(Physics Laboratory ⅡA)

中 竜大、中嶋 善晶担当教員

コースナンバー:P00-3261

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

一年次で行った実験に引き続いて、基礎的な物理実験をおこなう。この授業においては、実験技術および実験結果の整理の技術を習得し、実験によって自然の体系を理解する。さらに、それを他人に説明する技術を習得することを「学習教育目標」とする。実験の物理的内容を理解し、実験によって検証することにより、実験科学の基礎を身につける。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ガイダンス(担当 中、中嶋)

2 実験の心得とレポートの書き方 (担当 中、中嶋)

3 実験テーマ1または実験テーマ5(担当 中、中嶋)

4 実験テーマ1または実験テーマ5(担当 中、中嶋)

5 実験テーマ1または実験テーマ5(担当 中、中嶋)

6 実験テーマ2または実験テーマ6(担当 中、中嶋)

7 実験テーマ2または実験テーマ6(担当 中、中嶋)

8 実験テーマ2または実験テーマ6(担当 中、中嶋)

9 実験テーマ3または実験テーマ7(担当 中、中嶋)

10 実験テーマ3または実験テーマ7(担当 中、中嶋)

11 実験テーマ3または実験テーマ7(担当 中、中嶋)

12 実験テーマ4または実験テーマ8(担当 中、中嶋)

13 実験テーマ4または実験テーマ8(担当 中、中嶋)

14 実験テーマ4または実験テーマ8(担当 中、中嶋)

15 講評(担当 中、中嶋)

【3】 到達目標

各実験テーマは、物理学で用いられる基本的な技術や物理定数の測定を含んでいる。それらを実際に実験をすることにより検証が出来る。さらに、レポートを通して得られた知見をもとに自らさらに深い洞察を行い、それを他人に伝えられる。

【4】 授業概要および授業方法

以下の実験を、1~2人のグループで1テーマにつき3週間かけて行う。物理学実験ⅡAと物理学実験ⅡBを通して4テーマずつ、計8テーマの実験を行う。実験テーマ番号と内容の対応は最初のガイダンス時に説明される。 A:演算増幅器          B:強制振動 C:線膨張率           D:ディジタル回路 E:光と偏光           F:GM管によるβ線の測定 G:光電子電流の測定       H:真空技術 I:レーザー回折         J:定電圧回路の作成と評価 K:光デバイスの基本特性     L:気柱の共鳴による音速の測定

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

実験テーマの進行表に従い、実験テーマの予習が必要。レポートを通して実験テーマの復習をして理解を深める。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕学年はじめにテキストを配布する。〔参考書〕『物理学実験』(学術図書)    『物理学実験』(吉田卯三郎、三省堂)    『粒子物理計測学入門』(福井崇時著、共立出版)

【7】 評価方法およびフィードバック

実験ごとのレポートを50点および実験への参加状況を50点として評価を行い、60点以上を合格とする。ただし、実験は自然との対話であり真摯に取り組む必要があるので実験に臨む態度が悪い場合には減点の対象とする。実験の終了時には、実験結果に対する議論、講評を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理学実験ⅠA 物理学実験ⅠB

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学実験ⅢA 物理学実験ⅢB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

レポートは次の実験の開始時に各実験担当者に提出すること。各実験の開始時、終了時、レポート提出時に出席表とレポート受付表に各実験担当者のサインを受けること。レポート受付表および出席表は、各学期の最終実験終了後に担当教員に提出すること。

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2020 秋学期・火3、火4、火5・2学年・1単位

科 目 物理学実験ⅡB

(Physics Laboratory ⅡB)

中 竜大、中嶋 善晶担当教員

コースナンバー:P00-4261

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

一年次で行った実験に引き続いて、基礎的な物理実験をおこなう。この授業においては、実験技術および実験結果の整理の技術を習得し、実験によって自然の体系を理解する。さらに、それを他人に説明する技術を習得することを「学習教育目標」とする。実験の物理的内容を理解し、実験によって検証することにより、実験科学の基礎を身につける。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)コミュニケーション能力・リーダーシップ、外国語を含む文章の読み書き能力(3)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 物理学実験ⅡAに対する講評と物理学実験ⅡBに向けたガイダンス(担当 中、中嶋)

2 実験テーマ1または実験テーマ5(担当 中、中嶋)

3 実験テーマ1または実験テーマ5(担当 中、中嶋)

4 実験テーマ1または実験テーマ5(担当 中、中嶋)

5 実験テーマ2または実験テーマ6(担当 中、中嶋)

6 実験テーマ2または実験テーマ6(担当 中、中嶋)

7 実験テーマ2または実験テーマ6(担当 中、中嶋)

8 実験テーマ3または実験テーマ7(担当 中、中嶋)

9 実験テーマ3または実験テーマ7(担当 中、中嶋)

10 実験テーマ3または実験テーマ7(担当 中、中嶋)

11 実験テーマ4または実験テーマ8(担当 中、中嶋)

12 実験テーマ4または実験テーマ8(担当 中、中嶋)

13 実験テーマ4または実験テーマ8(担当 中、中嶋)

14 プレゼンテーション (担当 中、中嶋)

15 講評(担当 中、中嶋)

【3】 到達目標

各実験テーマは、物理学で用いられる基本的な技術や物理定数の測定を含んでいる。それらを実際に実験をすることにより検証が出来る。さらに、レポートを通して得られた知見を自ら深く洞察し、さらに他人に伝えられる。

【4】 授業概要および授業方法

以下の実験を、1~2人のグループで1テーマにつき3週間かけて行う。物理学実験ⅡAと物理学実験ⅡBを通して4テーマずつ、計8テーマの実験を行う。実験テーマ番号と内容の対応は最初のガイダンス時に説明される。 A:演算増幅器          B:強制振動 C:線膨張率           D:ディジタル回路 E:光と偏光           F:GM管によるβ線の測定 G:光電子電流の測定       H:真空技術 I:レーザー回折         J:定電圧回路の作成と評価 K:光デバイスの基本特性     L:気柱の共鳴による音速の測定

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

実験テーマの進行表に従い、実験テーマの予習が必要。レポートを通して実験テーマの復習をして理解を深める。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕学年はじめにテキストを配布する。〔参考書〕『物理学実験』(学術図書)    『物理学実験』(吉田卯三郎、三省堂)    『粒子物理計測学入門』(福井崇時著、共立出版)

【7】 評価方法およびフィードバック

実験ごとのレポートを50点および実験への参加状況(プレゼンテーション含む)を50点として評価を行い、60点以上を合格とする。ただし、実験は自然との対話であり真摯に取り組む必要があるので実験に臨む態度が悪い場合には減点の対象とする。実験の終了時には、実験結果に対する議論、講評を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理学実験ⅠA 物理学実験ⅠB

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学実験ⅢA 物理学実験ⅢB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

レポートは次の実験の開始時に各実験担当者に提出すること。各実験の開始時、終了時、レポート提出時に出席表とレポート受付表に各実験担当者のサインを受けること。レポート受付表および出席表は、各学期の最終実験終了後に担当教員まで提出すること。

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2020 春学期・金3、金4、金5・3学年・1単位

科 目 物理学実験ⅢA

(Physics Laboratory ⅢA)

金 衛国、小川 了、赤星 大介、古川 武、川椙 義高、鈴木 健士担当教員

コースナンバー:P00-5261

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業においては、物理学実験ⅠA・ⅠB、物理学実験ⅡA・ⅡBで得た基礎実験技術を基に、比較的専門的な物理現象を対象として、物理実験を行う。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ガイダンス(担当 全教員)、実験テーマ1 第1回目(担当 全教員)

2 実験テーマ1 第2回目(担当 全教員)

3 実験テーマ1 第3回目(担当 全教員)

4 実験テーマ2 第1回目(担当 全教員)

5 実験テーマ2 第2回目(担当 全教員)

6 実験テーマ2 第3回目(担当 全教員)

7 実験テーマ3 第1回目(担当 全教員)

8 実験テーマ3 第2回目(担当 全教員)

9 実験テーマ3 第3回目(担当 全教員)

10 実験テーマ4 第1回目(担当 全教員)

11 実験テーマ4 第2回目(担当 全教員)

12 実験テーマ4 第3回目(担当 全教員)

13 プレゼンテーション準備(担当 全教員)

14 発表会(担当 全教員)

15 補習実験(担当 全教員)

【3】 到達目標

高度な実験方法・技術の習得と実験能力の向上を目指す。

【4】 授業概要および授業方法

①シンチレーション   ②コンピュータ制御   ③X線回折   ④真空技術   ⑤半導体   ⑥原子核乾板⑦計算機プログラミング   ⑧マイケルソン干渉計

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

必ずテキストを予習して、実験の後にデータを解析し、結果をまとめ、テーマ毎に実験レポートを提出する。1回の実験ごとに270分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕学年はじめにテキストを配布する。〔参考書〕必要に応じて担当教員が紹介する。

【7】 評価方法およびフィードバック

各実験テーマのレポートの成績(60点)および実験実施状況(40点)を考慮して総合評価を行い、合計60点以上を合格とする。実験中には、実験方法やデータ収集について確認と指導を行い、実験の終了時には、実験結果に対する議論、講評を行う。また、最終の実験テーマを用いて発表を行い、発表やその事前準備を通して、共同実験者と担当者との議論を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理学実験ⅠA 物理学実験ⅠB 物理学実験ⅡA 物理学実験ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

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【10】その他

4月のガイダンス時に、各学生の年間実験スケジュール表を配布するので、それに従って実験およびレポートの提出を行う。

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2020 秋学期・金3、金4、金5・3学年・1単位

科 目 物理学実験ⅢB

(Physics Laboratory ⅢB)

金 衛国、小川 了、赤星 大介、古川 武、川椙 義高、鈴木 健士担当教員

コースナンバー:P00-6261

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業においては、物理学実験ⅠA・ⅠB、物理学実験ⅡA・ⅡBで得た基礎実験技術を基に、比較的専門的な物理現象を対象として、物理実験を行う。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 実験テーマ1 第1回目(担当 全教員)

2 実験テーマ1 第2回目(担当 全教員)

3 実験テーマ1 第3回目(担当 全教員)

4 実験テーマ2 第1回目(担当 全教員)

5 実験テーマ2 第2回目(担当 全教員)

6 実験テーマ2 第3回目(担当 全教員)

7 実験テーマ3 第1回目(担当 全教員)

8 実験テーマ3 第2回目(担当 全教員)

9 実験テーマ3 第3回目(担当 全教員)

10 実験テーマ4 第1回目(担当 全教員)

11 実験テーマ4 第2回目(担当 全教員)

12 実験テーマ4 第3回目(担当 全教員)

13 プレゼンテーション準備(担当 全教員)

14 発表会(担当 全教員)

15 補習実験(担当 全教員)

【3】 到達目標

高度な実験方法・技術の習得と実験能力の向上を目指す。

【4】 授業概要および授業方法

①シンチレーション   ②コンピュータ制御   ③X線回折   ④真空技術   ⑤半導体   ⑥原子核乾板⑦計算機プログラミング   ⑧マイケルソン干渉計

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

必ずテキストを予習して、実験の後にデータを解析し、結果をまとめ、テーマ毎に実験レポートを提出する。1回の実験ごとに270分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕学年はじめにテキストを配布する。〔参考書〕必要に応じて担当教員が紹介する。

【7】 評価方法およびフィードバック

各実験テーマのレポートの成績(60点)および実験実施状況(40点)を考慮して総合評価を行い、合計60点以上を合格とする。実験中には、実験方法やデータ収集について確認と指導を行い、実験の終了時には、実験結果に対する議論、講評を行う。また、最終の実験テーマを用いて発表を行い、発表やその事前準備を通して、共同実験者と担当者との議論を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理学実験ⅠA 物理学実験ⅠB 物理学実験ⅡA 物理学実験ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

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【10】その他

4月のガイダンス時に、各学生の年間実験スケジュール表を配布するので、それに従って実験およびレポートの提出を行う。

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2020 春学期・時間外・4学年・5単位

科 目 卒業研究A

(Undergraduate Thesis in Physics A)

酒井 康弘、小川 了、金 衛国、田嶋 尚也、河原林 透、北山 哲、赤星 大介、大江 純一郎、関口 雄一郎、古川 武、中 竜大、川椙 義隆、鈴木 健士、中嶋 善晶

担当教員

コースナンバー:P00-7271

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

4年次の1年間をAおよびBに分けるが、物理学科にある7つのうちの同一研究室に計1年間所属して、教員や大学院生と一緒に特定の課題に関して研究を行い、卒業論文に仕上げ、研究発表することを「学習教育目標」とする。また、同様の主旨で他学科の研究室や外部の研究所等で行ういわゆる外部卒業研究も認められている。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)コミュニケーション能力・リーダーシップ、外国語を含む文章の読み書き能力(3)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

2 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

3 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

4 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

5 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

6 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

7 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

8 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

9 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

10 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

11 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

12 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

13 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

14 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

15 各研究室のスケジュールに従い、研究発表する。

【3】 到達目標

それぞれの研究分野に関する専門知識を習得する。問題を発見し、解決する能力、すなわちデザイン能力を身につけ、高める。

【4】 授業概要および授業方法

自らの研究テーマを追究するとともに、各研究室でゼミや実験を行い、研究分野に関する知識を習得する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

各研究室の指示による。

【6】 教科書・参考書・参考資料

各研究室の指示による。

【7】 評価方法およびフィードバック

学期を通してみた研究課題への積極的な取り組み姿勢(25%)、輪講等での勉学状況(25%)、卒業論文、卒業研究発表会や研究室での中間発表などにおける発表の準備や発表の仕方など(50%)を、研究室の指導教員が主となって総合的に評価する。このほか、卒業論文および発表の内容については、指導教員以外の教員の評価も参考にする。その評価は学生に開示するのでその指示に従って、最終版の卒業論文を完成させ、提出すること。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理学科の必修科目

〔予め学んでおくとよい科目〕

大学院の科目

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

注意:秋季入学等の理由で、秋学期から履修を始める学生は、これらの日程がそれぞれ半年ずれると解釈すること。

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2020 秋学期・時間外・4学年・5単位

科 目 卒業研究B

(Undergraduate Thesis in Physics B)

酒井 康弘、小川 了、金 衛国、田嶋 尚也、河原林 透、北山 哲、赤星 大介、大江 純一郎、関口 雄一郎、古川 武、中 竜大、川椙 義高、鈴木 健士、中嶋 善晶

担当教員

コースナンバー:P00-8271

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

4年次の1年間をAおよびBに分けるが、物理学科にある7つのうちの同一研究室に計1年間所属して、教員や大学院生と一緒に特定の課題に関して研究を行い、卒業論文に仕上げ、研究発表することを「学習教育目標」とする。また、同様の主旨で他学科の研究室や外部の研究所等で行ういわゆる外部卒研も認められている。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)コミュニケーション能力・リーダーシップ、外国語を含む文章の読み書き能力(3)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

2 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

3 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

4 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

5 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

6 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

7 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

8 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

9 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

10 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

11 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

12 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

13 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

14 各研究室のスケジュールに従い、研究する。

15 各研究室のスケジュールに従い、研究発表する。

【3】 到達目標

それぞれの研究分野に関する専門知識を習得する。問題を発見し、解決する能力、すなわちデザイン能力を身につけ、高める。

【4】 授業概要および授業方法

自らの研究テーマを追究するとともに、各研究室でゼミ、実験を行い、研究分野に関する知識を習得する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

各研究室の指示による。

【6】 教科書・参考書・参考資料

各研究室の指示による。

【7】 評価方法およびフィードバック

学期を通してみた研究課題への積極的な取り組み姿勢(25%)、輪講等での勉学状況(25%)、卒業論文、卒業研究発表会や研究室での中間発表などにおける発表の準備や発表の仕方など(50%)を、研究室の指導教員が主となって総合的に評価する。このほか、卒業論文および、発表の内容については、指導教員以外の教員の評価も参考にする。その評価は学生に開示するのでその指示に従って、最終版の卒業論文を完成させ、提出すること。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

物理学科の必修科目

〔予め学んでおくとよい科目〕

大学院の科目

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

注意:秋季入学等の理由で、秋学期から履修を始める学生は、これらの日程がそれぞれ半年ずれると解釈すること。

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2020 春学期・水2・1学年・2単位

科 目 物理学序説

(Introduction to Physics)

河原林 透、小川 了、金 衛国、赤星 大介、古川 武、関口 雄一郎、中 竜大担当教員

コースナンバー:P00-1341

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

大学における物理学から、それぞれの学生の興味に応じたテーマを選び、少人数のクラス編成によるゼミ形式の授業で学ぶ。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 各テーマ説明とクラス分け

2 各グループに分かれてゼミ1

3 各グループに分かれてゼミ2

4 各グループに分かれてゼミ3

5 各グループに分かれてゼミ4

6 各グループに分かれてゼミ5

7 各グループに分かれてゼミ6

8 各グループに分かれてゼミ7

9 各グループに分かれてゼミ8

10 各グループに分かれてゼミ9

11 各グループに分かれてゼミ10

12 各グループに分かれてゼミ11

13 各グループに分かれてゼミ12

14 各グループに分かれてゼミ13

15 各グループに分かれてゼミ14

【3】 到達目標

物理学の考え方を身につけ、それを人に伝える力を養うことを「学習教育目標」とする。

【4】 授業概要および授業方法

標準的な力学、電磁気学、物理数学のテキストの輪講を通じて、物理の考え方、学び方を身につけてゆく。各担当教員の指導のもと、少人数に分かれたゼミ形式で授業を行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

各クラスの担当者の指示に従うこと。概ね180分程度の予習、復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕物理のための数学(和達三樹著、岩波書店)、ファインマン物理学I「力学」(岩波書店)、考える力学(兵頭俊夫著、学術図書出版)、サーウェイ基礎物理学II電磁気学 (東京化学同人)、ランダウ=リフシッツ理論物理学教程「力学」(東京図書)、物理学(小出昭一郎編著、基礎演習シリーズ 裳華房)、改訂版 理工系のための力学(井口英雄、佐甲徳栄、 相馬 亘 、中原明生著、東京図書)。〔参考書〕なし。

【7】 評価方法およびフィードバック

授業内容の理解度を評価するために、授業中に随時口答による質問等を行い、その結果を点数化し、100点満点で評価を行う。定期試験は原則として行わない。授業中の口頭による質疑の際に、改善点などの指導を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

特になし

〔予め学んでおくとよい科目〕

特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

本講義の受講クラスは、ガイダンス時に呈示した授業内容をもとに希望調査を提出し、学生の学習状態と希望調査をもとに決定される。

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2020 春学期・火2・1学年・2単位

科 目 物理学概論

(Perspective of Modern Physics)

酒井 康弘、古川 武、北山 哲、田嶋 尚也、関口 雄一郎、中 竜大、城石 芳博、安田 仲宏、河田 道人、佐藤 崇文

担当教員

コースナンバー:P00-1331

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物理学は、さまざまなサイエンスの基礎である。本講義では、物理学とはどういう学問かというところからはじめて、現実の生活や社会の中に、またはもの作りの技術の中に、あるいはそれらを世に送り出し進歩させるのに「物理」がどのように活かされているのかを、これらの機器やシステムの開発に関わった人たちから直接講義してもらう。本講義の「学習教育目標」は、「世の中で物理学がどの部分でどのように活かされているのかを理解すること。そして同時に大学での聴講の態度それ自体を学ぶこと。」である。

(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 物理学への誘い ?物理学とはどんな学問か-(担当 酒井)

2 大学で物理学を学ぶということ(担当 酒井)

3 物理学を使う仕事 -計算物理学-(担当 河田)

4 もっとも物理らしい?素粒子物理学(実験)(担当 中)

5 宇宙に挑む物理学 ? 理論物理学 -(担当 北山)

6 情報の記録 -ナノテク、スピントロニクスと情報ストレージ産業-(担当 城石)

7 超伝導とはなんだろう?(担当 田嶋)

8 ものづくりに役立つ真空(担当 佐藤)

9 宇宙を織りなす原子・分子(担当 古川)

10 重力波(担当 関口)

11 医学への応用1(担当 酒井)

12 医学への応用2(担当 安田)

13 物理学のおきて -実験物理学の立場から-(担当 酒井)

14 物理学と社会(担当 酒井)

15 総合レポート(担当 酒井)

【3】 到達目標

(1) 物理学が社会の中でどのような位置づけにあるかを説明できる。(2) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を説明できる。(3) 技術者が社会に対して負っている責任に関して説明できる。

【4】 授業概要および授業方法

「物理学」をこれからはじめる初学者向けの講義である。数学等の知識はとくには必要としないが、扱う内容には高度なものもある。講義全般にわたり、物理学の考え方、技術の背骨としての物理学、現代のハイテク生活を支える物理学について概観する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

各回での内容をまとめておくこと。(何を学んだのかを考える。)これは、最終レポートの作成に必要となるだけでなく、引き続く回の授業の理解の助けにもなる。また、各回でレポートが課される場合があるので注意。トータルで180分必要

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書・参考書は使用しないが、各担当教員が授業時にレジメを配布することがある。

【7】 評価方法およびフィードバック

各教員が講義修了後にレポート課題を与えることがある。それらのレポート及び全講義修了後に課される総合レポートの内容により評価を行なう。授業への参加度(質疑応答等)、小レポートの合計約50%、総合レポート約50%とする。レポート内容については講評を行うが、希望者には返却する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

特になし

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学科のすべての科目

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

講師の何人かは企業や研究所などからの外部の方々である。私語はもとより、睡眠学習も許さない。出席とは、積極的に質問をする、考えるなど授業に参加することを意味する。大学生としての聴講する態度、レポートの書き方等も学んでほしい。なお、講義の順番は外部講師の都合で入れ替わることがある。その際には掲示等でアナウンスを行う

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2020 春学期・金2・1学年・2単位

科 目 情報科学概論A

(Introduction to Information Science A)

川椙 義高、平口 学担当教員

コースナンバー:P00-1351

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

コンピュータはどのように情報を扱うのかという問題意識を基本に置き、コンピュータの使用法を身近なソフトウエアとともに習得することを目的とする。具体的には、表計算ソフトを用いて処理したデータをワープロソフトに読み込み、作成したレポートを電子メールで提出する、といった基礎的な作業、及び関連するファイル操作の方法を習得する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ガイダンス(担当 平口、川椙)

2 コンピュータにおける情報の取扱い(担当 平口、川椙)情報の表現、信号、コード、情報量

3 ハードウエアの構造(担当 平口、川椙)基本論理回路、基本装置と構成、実習室のシステム、USBメモリーの使用について

4 ソフトウエアの構造(担当 平口、川椙)OS、プログラミング言語、実習室のソフトウエア構成、ファイル操作

5 文書作成(1)ワープロソフトによる入力作業(担当 平口、川椙)日本語文の入力、数式の入力、文字装飾、作表、図の挿入

6 文書作成(2)文書の加工(担当 平口、川椙)段組み、脚注、印刷、および課題提出作業

7 表計算ソフト(1)データの入力と加工(担当 平口、川椙)算術計算、関数、集計、並べ替え、IF文と論理演算

8 表計算ソフト(2)処理結果の表現と分析(担当 平口、川椙)グラフの作成、近似式

9 データ解析に基づく文書の作成(1)(担当 平口、川椙)データの読み込み、データの加工とグラフ化、ワープロ文書への読み込み

10 データ解析に基づく文書の作成(2)(担当 平口、川椙)課題文書の仕上げと印刷、およびメールによる提出作業

11 Cygwinの使用法(担当 平口、川椙)コマンドによるファイル操作

12 Emacsの使用法(担当 平口、川椙)簡単な例プログラムの入力と編集

13 プログラムによるコンピュータの使用(1)(担当 平口、川椙)例プログラムのコンパイルと実行①

14 プログラムによるコンピュータの使用(2)(担当 平口、川椙)例プログラムのコンパイルと実行②

15 まとめと試験(担当 平口、川椙)筆記試験、および試験レポートの作成・提出作業

【3】 到達目標

1.コンピュータ内での情報の扱われ方のイメージが持てる。2.ハードウエアおよびソフトウエアの構成を把握できる。3.記憶媒体の記憶容量の評価やフォーマットができる。4.測定データを表計算ソフトで処理できる。5.表計算ソフトで処理した結果をワープロソフトに読み込み、レポートを作成できる。6.インターネットを使用してデータの取得やレポートの提出ができる。

【4】 授業概要および授業方法

毎回、準備的な講義の後、一人ひとり端末を用いた実習形式の作業を行う。作業中は教員とTA(計5名程)が質問や指導に対応する。表計算ソフト、ワープロソフト、電子メールなどのほか、コマンドやプログラムによるコンピュータ使用の方法を学習すると同時に、コンピュータという機械が情報をどう扱うかということを理解するのに必要な情報科学の基本的知識を学ぶ。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

特別な予習は不要だが、授業でやった内容については各自の状況に合わせて復習にこころがけ、物理学実験等、他の教科での活用に目を向けることが望ましい。復習やレポート作成など、180分程度の自習が必要。なお、自分が普段使用しているコンピュータの規格、ソフトウエアの名前やバージョンをメモし、授業の際に持参すること。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕なし。プリントを使用する。〔参考書〕特に指定なし

【7】 評価方法およびフィードバック

提出課題と参加状況を基本にし、授業最終日に行う筆記試験、および試験レポートにより評価する。授業時間に行った課題提出と出席状況をセットとして60点、レポート、筆記試験を40点とした点数化を行い、100点満点で評価する。毎回、授業終了時に自己評価を含む理解状況を作業記録として提出してもらい、以降の授業で状況に応じた補足説明や解説を行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後に教室で質問を受け付ける

【9】 関連科目

特になし

〔予め学んでおくとよい科目〕

情報科学概論B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

プログラミングは含まない(「情報科学概論B」で学ぶ)

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2020 秋学期・金2・1学年・2単位

科 目 情報科学概論B

(Introduction to Information Science B)

中嶋 善晶、平口 学担当教員

コースナンバー:P00-2351

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

春期の「情報科学概論A」で学習した内容をベースに、リテラシーとしてのコンピュータ使用からさらに自然科学分野での技術的な使用法の初歩を学習することを目的とする。C言語を使用した簡単なプログラム作成を行い、プログラミングの考え方に慣れると同時にコンピュータ特有の動作イメージにも触れ、その後の応用の基礎を身に着けることができる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 コンピュータの基礎、C言語使用の準備(担当 中嶋、平口)

2 簡単なCプログラム、コンパイルと実行(担当 中嶋、平口)

3 データ型と変数宣言(担当 中嶋、平口)

4 データの入出力(担当 中嶋、平口)

5 数値データに対する演算と結果の出力(1)(担当 中嶋、平口)

6 数値データに対する演算と結果の出力(2)(担当 中嶋、平口)

7 制御構造と構造化プログラミング、反復構造(1)(担当 中嶋、平口)

8 反復構造(2)(担当 中嶋、平口)

9 選択構造と条件判断(担当 中嶋、平口)

10 複雑な条件式をともなうプログラム(担当 中嶋、平口)

11 配列の利用(1)(担当 中嶋、平口)

12 配列の利用(2)、関数(1)(担当 中嶋、平口)

13 関数(2)(担当 中嶋、平口)

14 関数(3)、再帰呼び出し(担当 中嶋、平口)

15 定期試験と学習到達度の確認(担当 中嶋、平口)

【3】 到達目標

C言語を使用した簡単なプログラム作成、実行ができるようになることが目標である。

【4】 授業概要および授業方法

UNIX環境をWindows上で仮想的に提供するCygwinを用い、Cygwin上でC言語によるプログラミングを行う。授業の概要は以下の通り;1)コンピュータとプログラムの役割2)プログラミングの考え方3)C言語によるプログラミング4)課題演習

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業で配られた資料を参照するなどして復習を十分し、疑問点は質問するなどして解消しておくことが望ましい。予習、復習、レポート作成など、180分程度の自習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

講義の際にプリントで配布。〔参考書〕授業で紹介する。

【7】 評価方法およびフィードバック

提出課題と参加状況を基本にし、授業最終日に行う筆記試験、および試験レポートにより評価する。毎回の授業時間に行った課題提出と出席状況をセットとして60点、レポート、筆記試験を40点とした点数化を行い、100点満点で評価する。毎回の授業の最後に、アンケート形式の設問に答えてもらい、個々の理解度を確認するとともに、理解不足と思われる点について、次回の授業で解説を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

情報科学概論A

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学実験ⅢA 物理学実験ⅢB 卒業研究A 卒業研究B 数値計算法

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

関連の深い科目は「情報科学概論A」(春学期開講)である。

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2020 春学期・木2・3学年・2単位

科 目 技術者倫理A

(Ethics for Engineer A)

酒井 康弘、朝倉 暁生担当教員

コースナンバー:P00-5331

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

「技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関して理解すること」を目的に本講義は開設された。科学・技術に関与するものとって不可欠な倫理を多くの事例を基に学び、考える授業である。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 なぜ技術者倫理を学ぶのか -技術者倫理の視点-(担当 酒井)

2 組織における技術者 Ⅰ-スペースシャトルチャレンジャー事故-(担当 酒井)

3 組織における技術者 Ⅱ-スペースシャトルチャレンジャー事故-(担当 酒井)

4 安全性とリスク Ⅰ(担当 酒井)

5 安全性とリスク Ⅱ(担当 酒井)

6 直面する問題をどう解決していくか -リスクの考え方-(担当 朝倉)

7 専門職の倫理とパターナリズム(担当 酒井)

8 技術と安全 Ⅰ -映画「訴訟」をみて考える-(担当 酒井)

9 技術と安全 Ⅱ フォードピント事件他(担当 酒井)

10 地球的視野を持つ技術者(担当 酒井)

11 倫理学の3理論(担当 酒井)

12 組織における技術者 Ⅲ-内部告発-(担当 酒井)

13 倫理的問題の解決策(担当 酒井)

14 技術者の資格(担当 酒井)

15 定期試験-「学習到達度の確認」-(担当 酒井)

【3】 到達目標

科学・技術に関与するものとって不可欠な倫理を多くの事例を基に学び、考えることができるようになることを目指す。(1)技術者としての倫理について説明できる。(2)技術者の倫理を学ぶ意義を説明できる。 (3) いろいろな事例につて、技術者倫理の立場から説明できる。 (4) 模擬的な設定事例につて、技術者倫理の立場から正しい行動を選択できる。 (5) 一方向からだけではなく多方面から考え、発信できる。

【4】 授業概要および授業方法

現在、技術者は単にその技術的興味に基づく技術開発を行うだけでは社会の中で十分な役割を果たしているとは言えない。技術開発の結果がもたらす社会的効果を考え、判断すること、すなわち、地球、生命、人類、環境、福祉への貢献と言った社会性に照らした判断が不可欠である。また、このような結果の当否だけでなく、その開発過程での公正な行動、例えば、情報の開示、秘守、合法的な手続きなどが求められる。そこで、本講義では技術者倫理を学ぶ意義から、問題解決の方策、倫理的な判断の方法などについて解説と事例の紹介を行う。また、技術活用が世界でどのように標準化されているのかを理解しグローバルな視点から技術者倫理を学ぶ。最終的には、ディスカッションを通して、技術者倫理的な考え方の総仕上げを行い、技術者倫理Bへと引き継ぐ。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習:該当部分の教科書を読んでおく。(90分)復習:各回で提示されるミニレポートの課題について考えレポートを作成する(90分)

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕技術者倫理の世界 第3版、藤本温編著 他、 森北出版〔参考書〕第五版 技術者の倫理入門 杉本泰治・高城重厚 著、丸善出版    他に、各講義で資料が配布されることがある。

【7】 評価方法およびフィードバック

授業中の質疑応答、討論、レポート等で約40%、定期試験約60%で評価する。レポートについては次の会の授業で講評を行うか、講義で取り上げる。試験答案は希望者に返却する。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

倫理学Ⅰ 倫理学Ⅱ

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B 技術者倫理B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

技術者倫理Bとは双子の科目であり、共に履修することを強く勧める。なお、技術者倫理Bは本科目(技術者倫理A)を前提としているので注意。

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2020 秋学期・木2・3学年・2単位

科 目 技術者倫理B

(Ethics for Engineer B)

酒井 康弘、安河内 正文、竹村 佳昭、久保谷 政義、上田 靖彦担当教員

コースナンバー:P00-6331

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

本講義の「学習教育到達目標」は、「技術者倫理Aで理解した技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任が、実際にどのように適用されているのかを知り、また模擬的な事例に対して実際に適用する方法を学ぶこと」である。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)科学的倫理をわきまえていること(3)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 技術者の倫理、科学者の倫理(その1 技術者と科学者の倫理は異なるか)(担当 酒井)

2 技術者の倫理、科学者の倫理(その2 研究不正を考える)(担当 酒井)

3 技術者の倫理、科学者の倫理(その3 軍事利用とデュアルユース)(担当 酒井)

4 企業の倫理:消費者を守る責任(担当 竹村)

5 グローバル化に向けて:国際商取引、輸出入関連法規・規制(担当 竹村)

6 技術者倫理と技術士の業務(担当 上田)

7 ネット社会の倫理1:インターネット、セキュリティー、個人の倫理、プロバイダの倫理(担当 久保谷)

8 ネット社会の倫理2:プライバシーと個人情報保護、匿名性の問題点、誰にでも発信できるということ(担当 久保谷)

9 特許と知財 1(担当 酒井)

10 特許と知財 2(担当 酒井)

11 ヘルスケアビジネスと知的財産 -現代の最新特許ビジネスー(担当 安河内)

12 研究者が社会に貢献する第一歩(担当 安河内)

13 科学リテラシー 科学の伝え方(担当 酒井)

14 プロフェッショナルとは(担当 酒井)

15 改めて、なぜ技術者倫理を学ぶのか(担当 酒井)

【3】 到達目標

(1)技術者が社会に対して負っている責任を理解し,それがどのように適用されているのかを説明できる.(2)いくつかの事例について技術者が社会に対してなし得た事柄を説明できる.(3)仮想的な事例について,それぞれが技術者としてふさわしい態度を行使できるかを考え、他者に伝えることができる. (4) 技術者倫理だけでなく科学者の倫理、研究不正などについて説明でき、科学人としてふさわしい態度がとれる.

【4】 授業概要および授業方法

本講義は、技術者倫理Aに引き続き行われる。講義では、技術開発の成果としての製品やシステムに対する責任、ネット社会での行動倫理などについても触れる。技術者が社会を牽引する重要な役割を演じるためにはどのように行動すべきか、また尊敬される専門家とは、といった答えの見えない問題についても、さまざまな事例研究や、現場での事項を通して議論を行う。特に、事例研究やディスカッションのときには、自分の意見を述べることが大切であり、自分の考えをどのように人に伝えるのかについても学んでほしい。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習として、教科書、技術者倫理Aで配布されたプリントを利用して講義内容に関連のある部分を読んで理解しておくこと。また、復習については、各回で提示されるレポート課題について考え提出すること。予習復習合わせて180分が必要である.

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕第五版 技術者の倫理入門 杉本泰治・高城重厚 著、丸善出版 (A,B共通の教科書)他に各担当教員が授業開始時に配布する。

【7】 評価方法およびフィードバック

授業中の質疑応答、討論、小レポート等で40%、最終レポート60%で評価する。定期試験は行わない。小レポートについては、授業で講評を行うほか、講義でその内容を取り上げる。最終レポートについてはコメントをつけてあるので、希望者には返却する。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

技術者倫理A

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

技術者倫理Aとは深い関連をもつので、技術者倫理Aと共に履修することを強く勧める。

外部講師の先生方の都合で講義順は入れ替わることがある。その場合は掲示板等で知らせる。

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2020 春学期・木1・2学年・2単位

科 目 数値計算法

(Numerical Computation Method)

鈴木 健司担当教員

コースナンバー:P00-3422

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

数値計算の手法は、複雑な事象において解析的に厳密に解くことが難しい現象、あるいは実験を行うことが難しい現象などを扱う場合において特に有用である。本講義では、物理現象の数値計算による解析方法の習得、実験データの計算機による取り扱い法を身につけることを到達目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ガイダンス

2 C言語の復習:条件分岐

3 C言語の復習:繰り返し、配列

4 代数方程式: Newton法、二分法

5 課題制作 (1)

6 連立方程式: ガウスの消去法

7 課題制作 (2)

8 データの扱い方: 誤差評価、最小二乗法、補完法

9 課題制作 (3)

10 常微分方程式: オイラー法、ルンゲ・クッタ法

11 課題制作 (4)

12 補間、数値積分: ニュートンコーツ法、モンテカルロ法

13 課題制作 (5)

14 物理現象への利用

15 課題提出とまとめ

【3】 到達目標

以下についてプログラミングを行い、その動作を理解し、説明できる。1.代数方程式を解く、2.連立方程式を解く、3.常微分方程式を解く、4.数値積分を行う、5.最小二乗法によるデータ解析を行う。

【4】 授業概要および授業方法

数値計算法の理論的な側面を説明し、これを踏まえて実際にプログラミングを行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

情報科学概論Bで配布されたプリントなどにより、C言語の基礎を予習しておくこと。予習、復習、レポート制作などに180分程度の自習を必要とする。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書、〔参考書〕特に指定しない。随時プリント等を配布する。

【7】 評価方法およびフィードバック

レポート・授業中の演習を100点満点に換算して評価する。また全出席を原則とし、欠席が多い場合は採点しない。レポートに対して履修者全体ができなかった点に関する講評を授業中に行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後に教室で質問を受け付ける

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【9】 関連科目

情報科学概論A 情報科学概論B特になし

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

パーソナルコンピュータを使ってほぼ毎回プログラム作成を行う。基本的なキーボード操作、C言語を理解していることを前提として授業を進める。

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2020 秋学期・水2・2学年・2単位

科 目 相対性理論

(Theory of Relativity)

中 竜大担当教員

コースナンバー:P00-4418

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

相対性理論は、現代物理学の柱であり、素粒子物理学のような自然の基本法則から宇宙工学といった含めたさまざまな分野に応用されている。本講義では、特殊相対性理論を中心に、その基本的な概念と考え方を学ぶ。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 相対性理論とは: 歴史とその概念

2 相対性理論以前の相対性の概念: 相対性原理

3 エーテルとマイケルソン-モーレー実験

4 特殊相対性理論: ローレンツ変換

5 仮想実験からみる特殊相対論効果

6 ミンコフスキー空間

7 No.1~6までの事項の確認

8 電磁気場における相対論的定式化

9 相対論的電磁気学

10 ニュートン運動学における相対論的定式化

11 相対論的エネルギーの概念

12 素粒子における相対論的効果

13 パラドックス問題

14 特殊相対論から一般相対論への導入

15 No.8-14までの事項の確認

【3】 到達目標

現代物理学を支える柱のひとつである相対性理論の基本概念を習得し、ローレンツ変換を基本とした相対論的物理法則の定式化を理解することを「学習教育目標」とする。

【4】 授業概要および授業方法

本講義では、古典力学と古典電磁気学の限界を把握した上で、慣性系を対象とした特殊相対性理論について重点的に学び、さらによりその効果が顕著に表れる素粒子物理の世界を垣間みる。また、最後に、更に進んだ一般相対性理論への導入を行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業中に行った式の導出などは、必ず各自で確認して欲しい。また、授業中に問題を出題した場合は、それにも取り組むことを強く勧める。必要時間は、週3時間程度である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書は指定しないが、参考書として以下を推薦する。〔参考書〕『相対性理論』(アインシュタイン著、岩波書店)    『相対性理論入門』(ランダウ、ジューコフ著、東京図書)    『相対性理論』(中野董夫著、岩波書店)    『相対性理論 入門講義』(風間洋一著、培風館)

【7】 評価方法およびフィードバック

基本的には、中間試験を50点満点、期末試験を50点満点とし、合計が60点以上を合格とする。出題する可能性のある課題については、授業時間内に可能な範囲で解説を行う。また、授業中に課題を出すことがあるが、それについては任意提出として、提出したものについては加点対象とする。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

原子核物理学 銀河天文学(2020年度開講せず) 素粒子物理学 宇宙物理学

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

なし

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2020 秋学期・木4・3学年・2単位

科 目 計測工学

(Instrumentation and Measurement)

古川 武担当教員

コースナンバー:P00-4421

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

計測技術は物理現象の実験的解明に必要不可欠な技術である。この授業では、計測技術の基盤となる電気計測を中心に各種物理量の計測に関する知識を習得することを目標とし、これを通して受講者が目的に合った適切な計測を行うことが可能になると期待される。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ※

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)※

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 計測とは何か

2 計測の誤差I:各種の誤差について

3 計測の誤差II:誤差の議論の具体例

4 電気計測の基礎:信号とノイズ、ノイズの原因

5 電気計測の具体例:極微の信号=光子1個を検出するには?

6 電気信号の増幅と選別:各種増幅回路

7 電気信号検出の具体例:埋もれた信号探索

8 時間の計測:各種の時間計測法

9 時間の計測例:世界最高性能の時計

10 質量の計測:質量だけで一酸化炭素(CO)と窒素分子(N2)を分けるには

11 磁場の計測:原子を用いた超高感度磁力計

12 温度の計測:nK(ナノケルビン)を測るには

13 粒子の計測:ニュートリノ検出

14 新しい物理事象の計測:ダークマターから超対称性まで

15 定期試験とまとめ

【3】 到達目標

受講者が各種物理量の計測に関する原理を理解し、物理現象の実験的解明を行う上でその目的に合った計測機器・方法をとることが出来るための基礎知識の習得を目標とする。

【4】 授業概要および授業方法

はじめに測定量の精度・確度など計測法の基礎について学習し、その後電気測定に関する基礎知識を学び、これをもとに各種物理量の計測技術について学習する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習・復習合わせて180分程度が必要

【6】 教科書・参考書・参考資料

授業時にプリントを配布する。参考書は授業冒頭で紹介する。

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験、出席、レポート、小テストなど総合的に評価する。原則的に定期試験を65%、出席、レポート、小テストなどを35%として重みをつけた評価を行い、100点満点に換算する。希望者にはレポート、試験のコピーを返却するので自主学習に役立ててほしい。

【8】 オフィスアワー

月曜4限、火曜2限、木曜2限

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【9】 関連科目

熱・統計力学I力学、電磁気学

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

授業計画は目安であり、受講者の状況などで授業内容の差換え、順番の変更などを行う場合がある。

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2020 春学期・火4・3学年・2単位

科 目 原子核物理学

(Nuclear Physics)

金 衛国担当教員

コースナンバー:P00-5413

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

原子核の基本的な性質や崩壊、核反応について学ぶ。液滴模型や殻模型を用いて、核力と核構造を理解する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 原子構造の復習

2 原子核の発見

3 原子核の構成

4 原子核の大きさ

5 質量公式

6 電磁気モーメント

7 核力

8 核崩壊の一般的性質

9 アルファ崩壊

10 ベータ崩壊

11 ガンマ崩壊

12 核反応

13 液滴模型

14 殻模型

15 定期試験とまとめ

【3】 到達目標

原子核の基本的な性質・構造及び原子核に関する物理現象の説明ができる。

【4】 授業概要および授業方法

原子核の発見から、原子核の大きさや質量、電磁気モーメント、核力などの基本的性質を理解する。原子核の崩壊と核反応を説明し、液滴模型や殻模型を用いて、核構造を解説する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

毎回授業を受ける前に必ず予習し、授業を受けた後に出された宿題を解いてレポートの形式で提出してもらう。1回の授業ごとに180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔参考書〕「原子核物理入門」 (鷲見義雄著、裳華房)「原子核物理学」 (永江知文・永宮正治著、裳華房)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験の結果とレポート、授業への参加状況で最終評価をする。原則として、定期試験を70点、レポート、授業への参加状況を30点とし、合計60点以上を合格とする。レポート(宿題)は回収して、必要に応じて解説し、学生の講義内容に対する理解度を確認して、全体のできていなかった点や改善点について講評を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページのhttp://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/を参照すること

【9】 関連科目

原子物理学

〔予め学んでおくとよい科目〕

特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

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【10】その他

原子物理学の基本知識を理解していることが望ましい

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2020 春学期・火1・3学年・2単位

科 目 物理光学

(Physical Optics)

中嶋 善晶担当教員

コースナンバー:P00-5415

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この講義では、光の基本的な性質を理解するために、光の伝搬、幾何光学、波動光学を学ぶ。また、光共振器、光と原子の相互作用、レーザー、非線形光学、光コムについても学ぶ。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 講義の概要、光学の歴史

2 光の伝搬:散乱、反射、屈折、フェルマーの原理

3 幾何光学1:レンズ、絞り、ミラー、プリズム

4 幾何光学2:光ファイバ、光学機器(カメラ、虫眼鏡、望遠鏡、顕微鏡)

5 幾何光学3:近軸近似、光線追跡、収差

6 波動光学1:波動

7 波動光学2:光の偏光

8 波動光学3:光の干渉

9 波動光学4:光の回折

10 光共振器

11 光と原子の相互作用

12 レーザー

13 非線形光学入門

14 光コム

15 定期試験とまとめ

【3】 到達目標

光の基本的な性質である、散乱・反射・屈折・偏光・干渉・回折などの物理的な説明と、これら物理現象の数式を用いた取り扱いができる。

【4】 授業概要および授業方法

光の発見の歴史から、幾何光学および波動光学の基本的な性質を理解する。さらに、身の回りにある光学機器やレーザーやその応用である非線形光学や光コムについても解説する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

毎回授業を受ける前に必ず予習し、授業を受けた後に出された宿題を解いてレポートの形式で提出してもらう。1回の授業ごとに180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕特定の教科書は使用しない。〔参考書〕 「ヘクト光学1,2,3」 (Eugene Hecht、丸善出版) 「光の教科書」 (黒田和夫・槌田博文著、オプトロニクス社) 「ヤリーヴ イェー 光エレクトロニクス 基礎編、展開編」 (Amnon Yariv、丸善出版)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験の結果とレポート、授業への参加状況で最終評価をする。原則として、定期試験を70点、レポート、授業への参加状況を30点とし、合計60点以上を合格とする。レポート(宿題)は回収して、必要に応じて回折し、学生の講義内容に対する理解度を確認して、全体のできていなかった点や改善点について講評を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

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2020 春学期・2020年度開講せず・3学年・2単位

科 目 レーザー物理学(2020年度開講せず)

(Laser Physics)

未定担当教員

コースナンバー:P00-5414

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

(2017年度開講せず)レーザーの基礎を学びレーザー光の特徴を理解して、レーザーの応用について基礎的な知識を身に付ける。これによりレーザーを応用した機器の働きを理解することができ、レーザーを用いた実験および実験装置を考案することができるようになることを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 光学の歴史におけるレーザーの位置づけ: 光学の長い歴史の最後に登場したレーザーは理想的な光源であることを学ぶ。

2 コヒーレント光とは何か?: レーザー光の特徴をコヒーレンスという概念から理解する。

3 コヒーレント光の応用Ⅰ: コヒーレンスは時間的、空間的な側面からとらえることができるが、それぞれの側面を用いた応用例を学ぶ。

4 コヒーレント光の応用Ⅱ: コヒーレンスは時間的、空間的な側面からとらえることができるが、それぞれの側面を用いた応用例を学ぶ。

5 電磁波の吸収と放出Ⅰ: 原子と光(電磁波)との相互作用は吸収や放出という形で観測される。光が原子と相互作用する様子を量子論的に取り扱って理解する。

6 電磁波の吸収と放出Ⅱ: 原子と光(電磁波)との相互作用は吸収や放出という形で観測される。光が原子と相互作用する様子を量子論的に取り扱って理解する。

7 共振器内の電磁波の分布Ⅰ: マックスウェルの方程式を導体で囲まれた空間という境界条件で解くと、共振という現象の生じることを理解する。

8 共振器内の電磁波の分布Ⅱ: 共振している電磁波の空間的な分布を、各モードごとに調べる。

9 レーザーの発振原理Ⅰ: 反転分布した物質を共振器内に置いたとき、光が増幅されるための条件を学ぶ。

10 レーザーの発振原理Ⅱ: 増幅された光を最も効率よく取り出すための条件を学ぶ。

11 各種レーザーⅠ: 初期に登場した気体レーザー、液体レーザーについて学ぶ。

12 各種レーザーⅡ: 現在広く用いられている固体レーザー、半導体レーザーについて学ぶ。

13 非線形光学Ⅰ: 強い電磁波や強い静電場が物体の電気感受率を変化させることを学ぶ。

14 非線形光学Ⅱ: 光によって変化した電気感受率が、二倍波や三倍波を発生させることができることを学ぶ。

15 総括とまとめ

【3】 到達目標

1.レート方程式を用いたレーザー動作が説明できる。2.レーザー装置の基本的仕組みが説明できる。3.レーザー光と自然光の違いが説明できる。4.レーザー光の簡単な応用実験を考案することができる。

【4】 授業概要および授業方法

光学の歴史におけるレーザーの重要性とレーザーが広い分野で応用されている状況を解説する。次に電磁波(光)と物質との相互作用を量子力学的に取扱い光増幅の原理を学ぶ。さらに共振器内の電磁波の分布を明らかにすることによりコヒーレントな光が発生する仕組みを学ぶ。最後に各種レーザーの構造と特徴を解説し、非線形光学の入門的な授業を行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業前にシラバスで授業計画を確認し、関連する分野について調べること。授業後には各授業で与えられた課題を、授業の復習をすることにより解くこと。1回の授業ごとに180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕特定の教科書は使用しない。〔参考書〕『レーザー物理入門』(霜田光一著、岩波書店)など

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験を80点、レポート、授業への参加状況を合わせて20点とした点数化を行い、100点満点で評価し60点以上を合格とする。課題のレポートは評価したのち授業内で返却し、解答のポイントを解説する。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA熱・統計力学演習A 熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B 量子力学A 量子力学演習A 量子力学B 量子力学演習B

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理光学 卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

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2020 春学期・水2・3学年・2単位

科 目 銀河天文学(2020年度開講せず)

(Galactic Astronomy)

北山 哲担当教員

コースナンバー:P00-5419

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

宇宙の成り立ちを解明することは、物理学のみならず、自然科学全般の最も根源的なテーマであると言える。本講義では宇宙物理学・天文学の入門的内容を学ぶことによって、その方法論と考え方の基礎を習得する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ(3)他者と協力して課題を解決する力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)問題解決のために積極的に他者と協働する態度(3)多様性を受け入れる態度(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 宇宙の概観

2 天体の階層構造

3 ハッブルの法則

4 ビッグバン理論とその証拠

5 膨張宇宙の方程式

6 膨張宇宙の解

7 宇宙定数とダークエネルギー

8 宇宙マイクロ波背景放射

9 重力不安定性による密度ゆらぎの成長

10 ジーンズ質量

11 銀河の成り立ち

12 ダークマター

13 星の構造

14 自己重力系のエネルギー

15 星の進化のあらまし

【3】 到達目標

力学、電磁気学、熱力学などの物理学の諸分野が、どのように複合されながら実際の天体現象の解明に用いられているかを説明できるようになることを「学習教育目標」とする。

【4】 授業概要および授業方法

銀河や星をはじめとして、宇宙には様々な大きさの天体が、階層的な構造を形づくりながら存在している。本授業では、これらの天体がいかなる性質を持っているか、またそれらが宇宙全体の進化とどのように関連しているかを学ぶ。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業中に行った式の導出などは、必ず各自で確認して欲しい。また、授業中に問題を出題した場合は、それにも取り組むことを強く勧める。必要時間は、週2時間程度である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書は指定しないが、参考書として以下を推薦する。〔参考書〕『宇宙物理学』(佐藤文隆、原哲也共著、朝倉書店)    『宇宙物理学』(高原文郎著、朝倉書店)    『観測的宇宙論』(池内 了著、東京大学出版会)    『宇宙創世はじめの三分間』(ワインバーグ著、ダイヤモンド社)

【7】 評価方法およびフィードバック

授業で出題した演習問題、課題についてのレポートを100点満点として評価し、60点以上を合格とする。これらについては、授業時間中に可能な範囲で解説を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 熱・統計力学I 原子物理学 相対性理論

〔予め学んでおくとよい科目〕

宇宙物理学

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

なし

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2020 春学期・金2・3学年・2単位

科 目 素粒子物理学

(Elementary Particle Physics)

小川 了担当教員

コースナンバー:P00-5418

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

素粒子物理学の領域は日々、新しい発見や知識で塗り代えられている。このことを踏まえ、随時新しい情報を加味しつつ、現代の素粒子抽象とその相互作用を実験、理論の両面から解説する。この授業においては、素粒子物理学の実験および理論の概観的な知識を得ると同時に、演繹的な内容も取り入れ、学習中の量子力学との関わりを理解することを「学習教育目標」とする。素粒子物理学的視点から、自然界の諸現象をとらえられるようになる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 素粒子の生成消滅、波動と粒子

2 量子力学と相対論

3 Klein-Gordon、Dirac方程式

4 素粒子研究法―加速器の原理と種類

5 素粒子研究法―検出器の原理と種類

6 衝突断面積の理解と計算

7 核力とπ中間子

8 ニュートリノの種類とベータ崩壊

9 自然界の4つの相互作用

10 素粒子の分類、クォーク模型

11 パートン模型

12 電磁相互作用と弱い相互作用の統一

13 重い粒子の発見(その生成と崩壊)

14 標準模型の彼方

15 総括と学習到達度の確認

【3】 到達目標

素粒子物理学の標準模型の体系を主に実験的な側面から理解し、素粒子物理学的な考え方を身につける。

【4】 授業概要および授業方法

20世紀のはじめに誕生し、理論と実験技術の発展とともに構築された素粒子物理学の体系は、20世紀の終わりに標準模型としてまとめられている。この授業では、その歴史を概観しながら、素粒子の世界の見方と考え方を解説する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

相対性理論および量子力学は身につけておくことが望ましい。授業1回に対して、4時間の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『素粒子物理学』(原康夫著、裳華房)〔参考書〕『素粒子』(原康夫著、朝倉書店)    『素粒子物理』(戸塚洋二著、岩波書店)    『素粒子物理学』(坂井典佑著、培風館)    『素粒子物理』(牧二郎、林浩一共著、丸善、パリティ物理学コース)    『高エネルギー物理学実験』(真木晶弘著、丸善、パリティ物理学コース)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験を80点およびレポートを20点として総合評価を行い、60点以上を合格とする。毎回の授業では宿題を出して、次の授業で解説を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

相対性理論力学、電磁気学、量子力学

〔予め学んでおくとよい科目〕

高エネルギー物理学(2020年度開講せず)

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし。

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2020 春学期・2020年度開講せず・3学年・2単位

科 目 高エネルギー物理学(2020年度開講せず)

(High Energy Physics)

未定担当教員

コースナンバー:P00-5416

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

物質の究極的構成粒子とそれらの間に働く相互作用を研究するには高エネルギー粒子を衝突させて内部構造を探ったり新粒子を生成させたりと光速度に近い粒子を扱う。そこで素粒子物理学はしばしば、高エネルギー物理学と呼ばれる。物質の内部構造がどのように解明されてきたのか、実験的側面を中心に最新の話題も含め、理解することを目的とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 自然の基本構成要素の探求の歴史

2 量子論の誕生

3 相対性理論と粒子の運動学

4 フェルミ粒子とボーズ粒子

5 ゲージ理論:量子電磁力学

6 ニュートリノ

7 パリティの破れと弱い相互作用

8 ニュートリノ振動

9 新粒子の発見とクォーク模型

10 クォークとグルーオンの実在性

11 中間子およびハドロンの物理

12 ヒッグスメカニズムとヒッグス粒子の発見

13 暗黒物質問題

14 素粒子物理学の最前線Ⅰ

15 素粒子物理学の最前線Ⅱ

【3】 到達目標

素粒子とその標準理論について概括的な知識を得る。また、素粒子の性質を明らかにする実験的方法論を理解し、説明できる。

【4】 授業概要および授業方法

まず、素粒子の世界とその特徴を概観する。その上で、物質の基本構成要素である様々な素粒子がどのように発見され、研究されてきたか、その背景にある物理体系と発見に至る道筋を学び、現在の素粒子物理がいかに構築されてきたかを学ぶ。さらに標準理論を超える現象を探る最前線の研究や宇宙物理との関係性についても紹介する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習としては、原子物理学と特殊相対性理論の概要を理解しておくことが望ましい。復習としては、授業で扱った具体的な問題に関して自分で計算ができるようになることが望ましい。毎回180分の準備学習が必要である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『素粒子物理入門』(渡邊靖志著、培風館、新物理学シリーズ)〔参考書〕『素粒子物理学』(原康夫著、裳華房、裳華房テキストシリーズ―物理学)〔参考書〕『現代素粒子物理 実験的観点からみる標準理論』(末包文彦、久世正弘、白井淳平、湯田春雄 共著、森北出版株式会社)〔参考書〕『宇宙素粒子物理学』(C. グルーペン 著, 小早川恵三 訳, シュプリンガージャパン)〔参考書〕『素粒子物理学の基礎Ⅰ,Ⅱ』(長島順清 著, 朝倉書店)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期的に出題する課題レポートによる総合評価を行い、合計60点以上を合格とする。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

原子物理学 相対性理論

〔予め学んでおくとよい科目〕

素粒子物理学

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

宇宙の初期はとても小さく、密度が非常に高くて熱い超高エネルギー状態であったと考えられている。そのため、宇宙進化のなぞを解明するためには素粒子物理学が必要不可欠で、近年、宇宙と素粒子の研究は密接な関わりを持つようになった。

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2020 春学期・火3・3学年・2単位

科 目 固体物理学A

(Solid States Physics A)

田嶋 尚也、川椙 義高担当教員

コースナンバー:P00-5411

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

現代の科学技術は、固体物理学の進歩、およびそれによってもたらされた固体素子の進歩と相まって発展してきた。これらを理解する上で重要な格子振動、自由電子論、バンド理論などの基本概念を身につけ、説明できることを「学習教育目標」とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 固体物理と低温の世界(担当 田嶋):固体物理のガイダンス、物理の構成の確認、多体系としての固体をどうとらえるのか。

2 格子振動とは(担当 川椙):固体の中のイオンの振動をどのように扱うのか解説する。

3 格子振動の古典論I(エネルギー等分配則)(担当 川椙):統計力学の考え方を紹介し、自由粒子の運動エネルギーの期待値の導出を行う。

4 格子振動の古典論II(エネルギー等分配則)(担当 川椙):古典論を用いて格子振動のエネルギーの期待値を導出し、実験との違いを議論する。

5 格子振動の量子論Ⅰ(アインシュタイン比熱)(担当 川椙):量子論を用いて、低温比熱の説明を試みる。

6 格子振動の量子論Ⅱ(デバイ比熱)(担当 川椙):連成振動を用いて格子振動による比熱を導出し、これが実験と一致することを解説する。

7 低温の物理(担当 川椙):低温生成、気体-液体-固体等の相転移の考え方を解説する。

8 低温実験、超伝導ほか(担当 川椙):液体窒素を用いて低温の世界を体験し、超伝導の現象に触れる。

9 自由電子論(担当 田嶋):固体金属中の電子を自由粒子としてどこまで理解可能なのか解説する。

10 フェルミエネルギーと状態密度(担当 田嶋):電子が従うパウリの排他則とフェルミ統計を考慮し、金属中の電子のエネルギー状態を考察する。

11 フェルミ分布と電子比熱・スピン帯磁率(担当 田嶋):電子の総エネルギーの温度依存性から電子比熱とスピン帯磁率を導出する。

12 電気伝導(担当 田嶋):電子に働くイオンなどの散乱から電気伝導を導く。

13 電場中の電子の運動(担当 田嶋):電子に電場をかけた時の運動方程式を考え、有効質量の概念を説明する。

14 磁場中の電子の運動(担当 田嶋):磁場中の電子の運動を考え、磁気抵抗効果とホール効果を説明する。

15 周期ポテンシャル中の電子(担当 田嶋):周期ポテンシャルにより自由電子状態がどのような変更を受けるのか説明する。

【3】 到達目標

多数の電子、イオンで構成される固体の内部エネルギー、比熱など固体の基本的な性格を理解し、説明できることを目指す。固体中のイオンの振動が調和振動子を基本として理解可能であることを理解する。多数存在するイオンの振動を統計力学の考え方を用いてエネルギーの期待値の導出を行う。量子論を用いて低温に於ける固体の比熱の急激な減少を理解する。金属固体中に多数存在する自由電子が従う量子的、統計力学的法則を学ぶ。結晶中の電子がうける周期的ポテンシャルの効果を学ぶ。

【4】 授業概要および授業方法

授業を前半の格子振動を川椙が、田嶋は後半の自由電子論の基礎を担当する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業前に教科書の該当する部分を読んで1時間程度の予習をしておくこと。授業の後、2時間程度の復習が必要である。また授業中に課したレポート課題に積極的に取り組むこと。

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【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕『物性論』(黒沢達美著、裳華房)    『固体物理学入門』(キッテル著、丸善)

【7】 評価方法およびフィードバック

各教員が適時課題をあたえる。課題内容を評価(70%)し簡単な解説を行う。さらに授業参加状況(30%)を考慮して最終評価をする。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 原子物理学 量子力学A 量子力学演習A

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡB 量子力学B 量子力学演習B 固体物理学B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

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2020 秋学期・火1・3学年・2単位

科 目 固体物理学B

(Solid States Physics B)

河原林 透、鈴木 健士担当教員

コースナンバー:P00-6411

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

今日の科学技術は、固体物理学の進歩、およびそれによってもたらされた固体素子の進歩と相まって発展してきた。その中でも重要な半導体、磁性体、超伝導体などの基本概念を身につける事を目的とする。これによって、固体の基本的な性質が理解できる。また、物性関係の研究室に進む場合は、卒業研究の基礎ができる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 序論(担当 鈴木)磁性一般の序論を展開するとともに、磁性に関連した物理量を説明する。

2 自由原子の磁気モーメント(担当 鈴木)自由原子の磁気モーメントを量子力学に基づいて説明する

3 磁気相互作用と磁気秩序(担当 鈴木)磁気モーメント間に働く相互作用と、その結果生じる磁気秩序について学ぶ。

4 分子場近似(担当 鈴木)磁気相互作用を近似的に扱う分子場近似について学ぶ。

5 磁気励起(担当 鈴木)完全な磁気秩序をもつ基底状態からの磁気励起について説明する。

6 金属の磁性(担当 鈴木)金属中の電子が示す磁性を、バンド理論に基づいて説明する。

7 実験的な磁性の観測(担当 鈴木)磁性を測る手法について学ぶ。

8 固体中の電子状態1(担当 河原林)周期ポテンシャル中の電子状態におけるブロッホの定理とエネルギーバンドについて学ぶ

9 固体中の電子状態2(担当 河原林)バンド理論に基づき、バンドギャップの生成メカニズム、バンド絶縁体などについて学ぶ

10 固体中の電子状態3(担当 河原林)反古典論の運動方程式に基づき、固体中の電子の外場に対する応答について学ぶ

11 マクロな量子現象1(担当 河原林)超伝導の理論、特に、マクロな波動関数からマイスなー効果および磁束の量子化について学ぶ。

12 マクロな量子現象2(担当 河原林)超伝導の理論のうち、ジョセフソン効果について学ぶ。

13 マクロな量子現象3(担当 河原林)量子ホール効果へつながる基礎として、2次元強磁場中の電子状態、ランダウ準位の形成について学ぶ。

14 マクロな量子現象4(担当 河原林)古典的なホール伝導度の表式、ランダウ準位の波動関数の性質、さらに量子ホール効果の概念などの解説を行う。

15 定期試験とまとめ(担当 鈴木、河原林)

【3】 到達目標

物質の様々な性質、特に磁性、電気的な性質、超伝導を、量子力学、統計力学などを通して理解できるようになる。

【4】 授業概要および授業方法

前半では、物質の磁性的性質について、後半では、固体中の電子状態、超伝導に代表されるマクロな量子現象について学ぶ。全体を通して、固体物理学の基礎的な概念を、初歩的な量子力学、統計力学に基づき解説する。授業は、黒板を用いた板書、資料プリントの配布、スライドを用いたプレゼンテーションを活用して効果的に行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

復習を十分して、疑問点は質問するなどして解消しておくことが望ましい。約180分程度の予習・復習が必要。また、この分野は日々進歩しているので、関連した現象などを、自分から関心を持って調べてみることを勧める。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書は使用しない。〔参考書〕『固体物理学入門』(キッテル著、丸善)、『物性論』(黒沢達美著、裳華房)、『強磁性体の物理(上)(下)』(近角聰信著、裳華房)、『磁性工学の基礎Ⅰ,Ⅱ』(太田恵造著、共立全書)『固体物理学』(川畑有郷著、朝倉書店)、『物性物理学』(塚田捷著、裳華房)、『固体の磁性ーはじめて学ぶ磁性物理』(Stephen Blundell、内田老鶴圃)など。なお、資料を配布する事もある。

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【7】 評価方法およびフィードバック

各教員が試験あるいはレポート課題により評価(70%)する。さらに出席およびその場での質疑応答(30%)を考慮して、全体の最終評価をする。提出レポートに関する講評を行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA熱・統計力学演習A 量子力学A 量子力学演習A

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

物性関係の研究室で卒業研究を希望する学生は受講する事が必須である。

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2020 春学期・水3・3学年・2単位

科 目 放射線物理学

(Radiation Physics)

吉井 裕担当教員

コースナンバー:P00-5412

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

私たちの生活環境には宇宙から、地球からなど様々な放射線が降り注いでいる。また、私たちの身の回りにはざまざまな種類の放射性物質が存在している。まさに私たちは放射線や放射性物質とともに生活しているのである。放射線は、様々な形で科学的、工学的に応用され、医学においても欠くことのできないものとなっている。一方、東京電力福島第一原子力発電所事故以来、放射線による人体への悪影響に対する不安が一般市民の間で広がっている。放射線は、影響を軽視するのでもなく、むやみやたらに恐れるのでもなく、「正しく怖がる」ことが肝要である。この授業では、放射線を正しく怖がるための基本的な知識を習得し、放射線への理解を深めることを目的とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 ガイダンス・放射線研究の歴史

2 原子と原子核

3 エネルギーの単位

4 放射壊変と半減期

5 α壊変・α線と物質の相互作用

6 β壊変(β-壊変、β+壊変、軌道電子捕獲)

7 β線と物質の相互作用

8 γ線とX線の放出過程

9 X線と物質の相互作用

10 γ線と物質の相互作用

11 放射線計測1

12 放射線計測2

13 加速器と核反応

14 放射線物理学の応用(原子炉や放射線生物学など)

15 定期試験およびまとめ

【3】 到達目標

放射線の種類と放出過程について概説できる。放射線計測の基礎的な技術について概説できる。原子力発電や医学利用を含む、放射線の応用技術について概説できる。

【4】 授業概要および授業方法

放射線の特性とその発生メカニズムについて、原子核や軌道電子との関係も示しながら説明する。また、物質と放射線の相互作用について示した後に、その各種の放射線を計測するために適切な放射線検出器について、その動作原理を含めて説明する。さらに、原子力発電、放射線を利用した分析技術、放射線の医学利用応用分野についても紹介する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業前は、シラバスに示された授業計画に基づきインターネット検索などで予習する(90分)。授業後は、配布した講義プリント、ノートに基づき、図書、インターネット検索などで復習する(90分)。

【6】 教科書・参考書・参考資料

特に教科書は指定しない。毎回資料を配付する。参考図書『放射線技術学シリーズ 放射線物理学』(日本放射線技術学会監修、遠藤真広・西臺武弘共編、オーム社)『放射線技術学シリーズ 放射線計測学』(日本放射線技術学会監修、西谷源展・山田勝彦・前越久共編、オーム社)『放射線計測ハンドブック』(K. Noll著(木村逸郎、阪井英次訳)、日刊工業新聞社)『アイソトープ手帳』(日本アイソトープ協会、丸善)

【7】 評価方法およびフィードバック

レポート1~2回程度(20%)+試験(80%)として評価する。ただし、無断欠席は減点の対象とする。また、授業中の質問に対する解答や出席カードへの質問事項の適切さによって加点する場合がある。(フィードバック)出席カードに記された質問事項について次の講義の冒頭で解説する。レポート回収後に講義の中で解説を行う。

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【8】 オフィスアワー

授業終了後に教室で質問を受け付ける。出席カードで質問した項目について、全員に対して示すべきものは次の授業の冒頭で紹介し、解説する。

【9】 関連科目

原子物理学 相対性理論

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学特論Ⅱ(宇宙線物理学)

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

物理学科以外の学生の受講も歓迎する。

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2020 春学期・火2・3学年・2単位

科 目 電子工学

(Introduction to Electronics)

坂口 浩一担当教員

コースナンバー:P00-5421

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業では,電子工学の主要な分野を学ぶことで,その基本的事項や技術を理解し,説明できるようになることを目的にしている.これによって電子回路,素子・デバイスとその応用,情報技術,通信技術などの概要が理解できる.

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 電子工学の概要(教科書1章)

2 電子工学の基礎理論(教科書2,3章)

3 回路理論の基礎(教科書4章)

4 半導体と整流回路(教科書5章)

5 トランジスタとその応用(教科書5,6章)

6 アナログ回路(教科書5,6章)

7 光エレクトロニクス(教科書7章)

8 無線通信(教科書8,9章)

9 ディジタル技術(教科書10章)

10 情報処理とコンピュータおよび情報と制御(教科書11,12章)

11 インターネット

12 無線技術(歴史と基礎)

13 最新の通信技術

14 電波応用技術

15 学習到達度の確認

【3】 到達目標

1.基本的な電子回路の構成や動作を説明できる2.電子素子・デバイスの基本動作とその応用について説明ができる3.基本的な情報技術について説明ができる4.通信技術の基礎技術について説明ができる

【4】 授業概要および授業方法

電子工学はさまざまな分野で利用される重要な科学技術となっている.授業では毎回テーマを定め,基礎的な事項から最新の技術・情報を含め,分かりやすく解説を行う.なお,教科書を利用するが,電子工学(エレクトロニクス)の分野の技術発展は目覚ましく,この分野全体をまとめた教科書は少ない.また内容はすぐに最新のものではなくなるため基礎部分しか書かれていない.そこで基礎部分は教科書を利用し,応用および最新の技術等については別途資料を利用し説明をする(著作権等があるため配布できる資料のみ配布の予定).

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業1~10回に対しては教科書の対応する章を参考に,毎回の授業テーマについて概観しておく.授業11~14回に対しては教科書ならびに参考書にて概要を予習しておく.予習・復習およびレポート作成など,180分程度の自習が必要.

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書:「エレクトロニクス入門」,樋渡涓二著,コロナ社 ISBN978-4-339-00595-0参考書:電子工学に関する参考書は多数出版されているので適宜求めること。

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【7】 評価方法およびフィードバック

評価は定期試験 70% + レポート課題 30%  60点以上を合格とする。

授業内容チェックシートを用い,授業の最後に授業内容および重要点を確認して結果を提出する.このチェックシートは次回授業時開始時に返却し,これを用いて前回授業の復習を行い内容について再確認をする.

【8】 オフィスアワー

毎週火曜日,授業終了後

【9】 関連科目

計測工学 電磁気学IA 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡC

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

各回の授業での情報量は膨大なものとなるので,シラバスを参考に,教科書を有効利用し,学習効果を上げてもらいたい.

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2020 秋学期・火2・3学年・2単位

科 目 化学物理学

(Chemical Physics)

酒井 康弘担当教員

コースナンバー:P00-6414

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

原子、分子の電子構造や化学結合などを量子力学的に理解することを「学習教育到達目標」とする。テーマは「量子力学を原子、分子に応用すること」である。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 はじめに -化学物理学とはどんな学問か-

2 波動方程式からシュレデインガー方程式へ

3 井戸型ポテンシャルモデルで考える共役ポリエン

4 水素原子のシュレデインガー方程式

5 角運動量とスピン、角運動量の合成

6 タームシンボル、電子遷移の選択則

7 分子のモデル、ボルン―オッペンハイマー近似

8 水素分子イオン、永年方程式

9 水素分子

10 分子軌道法σ結合とπ結合

11 ヒュッケル近似

12 混成軌道

13 分子の振動と回転

14 分子の対称性

15 定期試験「総括とまとめ」「学習到達度の確認」

【3】 到達目標

(1)原子や分子の量子力学的描像を数式を使って説明できる.(2)分子軌道法の基本を説明できる. (3) 軌道エネルギーを計算できる(3)分子の形の概念を説明できる.

【4】 授業概要および授業方法

原子や分子の量子力学的描像を、イメージだけでなく数式を使って説明する。ただし、わかりやすくするために一部厳密性を欠くところがあるかもしれないので、多くの参考書を下に揚げておいた。受講中あるいは受講後に物足りなくなったら、それらの本を紐解き、より高度な世界へと進んでいってほしい。量子力学B、原子物理学Ⅱとは並行履修の形になるのでその点に配慮し、この講義については量子力学の授業の副読本的な役割を担わせたい。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習としては、3年生の春学期に行う量子力学の内容を理解しておくこと。それに加えて、前回講義の内容を理解しておくこと。その意味で、参考書は必携だと考えてほしい。復習は、その日に出された問題を解いておくこと。すべて合わせて180分

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕特に指定しない〔参考書〕物理化学入門(真下清 他著、東京教学社)『化学新シリーズ 量子化学』(近藤保・真船文隆共著、裳華房)=かなり詳しい『原子分子物理学』(高柳和夫著、朝倉書店)=非常に詳しいが高度『分子物理学』(田中皓著、裳華房)『群論入門』(小野寺嘉孝著、裳華房)

【7】 評価方法およびフィードバック

評価は、定期試験70点、レポート、授業中の解答、小テストを合わせて30点とした点数化を行い、100点満点に換算して評価する。レポート内容については講義で触れる。試験は希望者には返却する。

【8】 オフィスアワー

毎週水曜日2時限毎週金曜日5時限以降

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【9】 関連科目

物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 原子物理学 量子力学A 量子力学演習A

〔予め学んでおくとよい科目〕

量子力学B 量子力学演習B 卒業研究A 卒業研究B 原子物理学Ⅱ上記のうち、量子力学B、同演習Bおよび原子物理学Ⅱは同じ秋学期に開講されている

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

授業中、後を問わず質問は歓迎する。酒井のオフィスアワーを活用して欲しい。原子物理学Ⅱとの平行履修を勧める

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2020 秋学期・金2・3学年・2単位

科 目 原子物理学Ⅱ

(Atomic Physics Ⅱ)

柳下 明担当教員

コースナンバー:P00-6413

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

ミクロな原子分子の世界を支配する量子力学は、マクロの世界で私達が経験しよく知っている力学とはかなり異なった性格をもっている。本講義では、原子の問題を題材として、量子力学の使い方を会得することを目的とする。量子力学の記述には、線形代数、関数解析的な考え方が重要な道具となるので、これらの数学に親しんでもらう。

(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ自分で考え、自分で問題を解くことによって、初めて理解できたことになることを体験させる。

<教育目標>

常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)能動的に勉学にはげむこと。

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 はじめに~本講義の位置づけ~

2 角運動量

3 中心力場における電子の運動

4 一電子原子

5 二電子原子(独立粒子模型、電子相関エネルギーの計算)

6 多電子原子(原子構造、電子配置、電子の波動関数)

7 多電子原子(電子状態のエネルギーの計算)

8 多電子原子(ハートレー・フォック近似、配置間相互作用の方法)

9 原子による電子の散乱1(境界条件、部分波展開)

10 原子による電子の散乱2(ボルン近似)

11 原子と光の相互作用(半古典論)

12 原子の光電子分光

13 分子の光電子分光1(実験室系)

14 分子の光電子分光2(分子座標系)

15 学習到達度確認および期末試験

【3】 到達目標

1. 多電子原子の電子配置とそのスペクトル・タームを記述することができる。2. 多電子原子の0次近似の波動関数を記述することができる。3. 一次近似の電子状態のエネルギーの表式を記述できる。4. 水素原子による電子の散乱断面積が計算できる。5. 水素原子からの光電子の角度分布が計算できる。

【4】 授業概要および授業方法

量子力学には見慣れない概念や考え方が次々に現れる。それらに慣れるために、授業では典型的な問題を解いてそれらに慣れるようにする。授業毎に講義内容を記述したテキストを配布する。受動的に授業を受けるのではなく、能動的に授業に参加すること。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習:講義内容を記述したテキストを良く読んでおくこと。90分以上。復習:テキストを良く読み自分で演算して、自分の頭で内容を理解すること。そして、テキストの演習問題を解くこと。90分以上。

【6】 教科書・参考書・参考資料

[教科書] 講義で配布するテキスト。[参考書] 新物理学シリーズ4「量子力学」(山内恭彦、培風館)「原子・分子の物理学」(村井友和、共立出版)「量子力学(II)」(江沢 洋、裳華房)“Electron Spectroscopy of Atoms using Synchrotron Radiation”,Volker Schmidt, Cambridge University Press.[参考資料] 「光電離過程の動力学」(柳下 明、http://molecule.kek.jp)

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【7】 評価方法およびフィードバック

期末試験80%+演習問題20%演習問題の解説は授業内でおこなう。期末試験の問題は、テキストの演習問題から出題する。授業毎に、ランダムに口頭で質問して、受講生の理解度をチェックする。

【8】 オフィスアワー

授業終了後に教室で質問を受け付ける。メールでの質問も受け付ける。

【9】 関連科目

物理数学A 物理数学B 物理数学C 物理数学D 原子物理学 量子力学A 量子力学B電磁気学IIC、電磁気学IID、化学物理学

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理の専門科目

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

自分の好みに合う量子力学のテキストあるいは本講義で配布するテキストを常に携帯すること。

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2020 秋学期・2020年度開講せず・3学年・2単位

科 目 表面物理学(2020年度開講せず)

(Surface Physics)

未定担当教員

コースナンバー:P00-6415

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

(2015年度開講せず)固体表面はバルクと異なり空間的な一様性が破れた系であり、その原子配列は一般にバルクの配列と異なりかつ表面特有の電子状態も出現する。近年、半導体を初めとする材料の超微細化により表面の性質は益々重要になってきている。また、表面は物質相の境界でもあり、触媒化学・人工物質創成等種々の分野で先端技術の進展に関わっている。この授業の学習教育目標は固体表面の化学量論的、幾何学的、電子構造的解析が実験的に行なえるための基礎知識を幅広く習得することである。

<教育目標>

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 表面物理とその応用 (表面実験の特殊性)

2 ミラー指数、表面緩和、表面再構成

3 表面構造表記法と実在表面

4 表面分析法概観

5 2次イオン質量分析法Ⅰ

6 2次イオン質量分析法Ⅱ

7 2次電子増倍管

8 X線光電子分光法Ⅰ

9 X線光電子分光法Ⅱ

10 オージェ電子分光法Ⅰ

11 オージェ電子分光法Ⅱ

12 低速電子回折法

13 走査型プローブ顕微鏡Ⅰ

14 走査型プローブ顕微鏡Ⅱ

15 定期試験

【3】 到達目標

結晶面の表示法(ミラー指数)を理解し使用できる。表面再配列を理解し説明できる。再配列表面の原子配列及び吸着表面の吸着子の配列表記法を理解し使用できる。スパッタリング現象及びイオンの質量分析法を理解し2次イオン質量分析法の説明ができる。荷電粒子電流の計測法及び荷電粒子・光子の検出器である2次電子増倍管の原理を理解し説明できる。原子構造、X線の発生機構、静電型エネルギー分析器及び固体中の電子の平均自由行程を理解し、X線光電子分光法について説明できる。原子構造、オージェ過程、微分型のエネルギースペクトルの測定原理を理解しオージェ電子分光法の説明ができる。電子線回折の原理を理解し低速電子回折法(LEED)の説明ができ、格子定数を求めることができる。トンネル効果及び原子間力を理解し走査型プローブ顕微鏡の説明ができる。

【4】 授業概要および授業方法

初めに、表面実験の特殊性と表面物理が関わる応用分野について概観する。表面は物質相の境界であり、表面原子・分子の他相への脱離及び他相からの原子・分子の吸着が起こる動的な場である。また、一般に、固体表面に現れる原子配列は、原子間の結合手の切断により、固体内の原子配列の延長として考えられる理想的な原子配列とは異なった再配列構造をとる。実際に現れる原子配列を具体例を挙げ解説するとともに再配列原子構造及び表面吸着原子構造の表記法を解説する。また、一般に市販されている表面分析機器の原理・装置・特徴を解説し、スパッタリング・固体内での電子のエネルギー損失過程・トンネル効果等、原理の理解に必要な物理現象を説明する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

板書による講義を行うため、講義後ノートを見直し、理解できない点は自ら調べるか担当者に質問し、補っておくこと。試験の際はノートの持込を可とする。※準備学習時間―

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕使用しない。必要に応じてプリントを配布する。〔参考書〕『表面の物理』(川路紳治訳、丸善株式会社)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験に対する評価70点、レポートと授業参加に対する評価30点※フィードバック―

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 原子物理学

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

原子物理学の講義を理解していることが望ましい。

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2020 秋学期・2020年度開講せず・3学年・2単位

科 目 極高真空技術(2020年度開講せず)

(Extremely High Vacuum Technology)

未定担当教員

コースナンバー:P00-6416

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この講義は、研究実験及び産業分野において、重要な技術の一つである真空技術に関する知識を習得し、真空装置を自らデザインできることを「学習教育目標」とする。なお、真空技術の習得には実習が効果的役割をはたすが、物理学実験ⅢA、ⅢBの実験テーマの一つである「真空蒸着」において真空排気の手順、圧力測定、真空中下での実験を体験する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 真空利用の現状

2 気体の性質Ⅰ(気体の圧力、熱運動速度、平均自由行程)

3 気体の性質Ⅱ(壁面をたたく分子数、排気の概念、気体の流れ)

4 真空排気Ⅰ(基礎方程式、到達圧力、排気時間)

5 真空排気Ⅱ(配管のコンダクタンス、実際の排気速度)

6 超高真空槽と排気の手順(超高真空槽概観、固体表面とガス放出、排気の手順)

7 真空ポンプⅠ(油回転ポンプ、ドライポンプ、油拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ)

8 真空ポンプⅡ(スパッタイオンポンプ、ゲッターポンプ、クライオポンプ)

9 真空計Ⅰ(ピラニ真空計、ペニング真空計、BA型電離真空計)

10 真空計Ⅱ(エキストラクターゲージ、四重極マスフィルター)

11 真空材料Ⅰ(金属材料)

12 真空材料Ⅱ(絶縁材料)

13 真空部品(フランジ、配管部品、バルブ、運動導入端子、電流導入端子)

14 レポート問題の解説

15 定期試験およびまとめ

【3】 到達目標

1.気体の分子運動論に基づいて、清浄表面を保つための超・極高真空の必要性を理解し説明できる。2.真空排気の概念を理解し、真空槽の圧力の時間変化および到達圧力を求めることができる。3.真空槽内壁からの気体放出と圧力の関係を理解し説明できる。4.実際の真空装置をデザインする際に必要となる配管のコンダクタンスの概念を理解し計算できる。5.真空槽における排気系の実効排気速度及び到達圧力を計算でき、使用するポンプの排気速度を見積もることが出来る。6.排気の手順と加熱脱ガスの原理と方法を理解し説明できる。7.各種真空ポンプの原理と動作圧力を理解し説明できる。8.各種真空計の動作原理、特徴と測定範囲を理解し説明できる。9.超・極高真空中において使用できる材料の性質と具体的な材料について説明できる。10.各種市販されている真空部品を記憶し真空装置をデザインする際に適宜利用できる。

【4】 授業概要および授業方法

真空装置をデザインする際に必要となる知識を学ぶ。使用する真空槽のサイズ、達成したい圧力、及び排気時間が設定されたときに、真空ポンプの種類と排気速度の選択及び真空槽とポンプとの配管の構成を含む排気系のデザイン法について学ぶ。超・極高真空まで排気する手順を学ぶ。圧力測定のための真空計の種類とそれらの原理と特徴について学ぶ。超・極高真空中で使用できる材料について学ぶ。市販されている真空装置用の部品について学ぶ。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

板書による講義を行うため、講義後ノートを見直し、理解できない点は自ら調べるか担当者に質問し、補っておくこと。試験の際はノートの持込を可とする。特に予習をする必要は無いが、1時間程度の復習が必要である。期末にレポートを課すが、その作成に2時間程度必要である。※準備学習時間―

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕使用しない。必要に応じてプリントを配布する。〔参考書〕例えば物理工学実験4『真空技術』(堀越源一著 東京大学出版会)

【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験に対する評価70点、レポートと授業参加に対する評価30点。レポートの解説を授業内で行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

熱・統計力学I電磁気学Ⅰ、Ⅱ

〔予め学んでおくとよい科目〕

物理学実験ⅢA 物理学実験ⅢB 卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし。

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2020 秋学期・月3・3学年・2単位

科 目 宇宙物理学

(Astrophysics)

鷹野 敏明担当教員

コースナンバー:P00-6419

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

我々の知っている宇宙は、約140億年前にビッグバンで始まった。それから素粒子ができ原子ができ、銀河や星ができ、地球ができ、長い年月をかけて生命が誕生し、そして我々が今ここにいる。我々人間が科学的な考え方を身につけてから、せいぜい数千年あるいは数百年しか経っていない。しかるに我々はその考え方―物理学を総動員することで、140億年の間に宇宙で何が起こってきたかを解明しつつある。この授業の目的は、われわれ人間がいかにして物理学をもちいて宇宙を明らかにしてきたかを理解することである。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 宇宙の大きさと拡がり:天体までの距離の測り方を知り、宇宙の広さを実感する。標準天体を用いた距離推定の考え方を知る。

2 宇宙を知る情報の観測とハイテク技術:宇宙からの情報として、電磁波による情報およびその他の情報があり、それによって得られるものを知る。

3 様々な波長でみた宇宙と拡がり:第3~7回のうち1回で、小テスト(30分程度)を行う予定。電磁波の X線から電波まで、それぞれの波長でどんな情報が得られるかを知る。

4 宇宙から来る電磁波以外の情報:電磁波以外の情報、宇宙線、ニュートリノ、重力波、などについて、どのような情報が得られるかを知り、その将来性を考察する。

5 星の構造はどのように解明するか-力のつり合い、第1回レポート課題提示:恒星内部の計算機シミュレーションの方法と、使用する方程式のうち力のつり合いの微分方程式を導く。

6 星の構造はどのように解明するか-熱的平衡、温度勾配 :恒星内部の計算機シミュレーションで使用する、熱的平衡と温度勾配に関する微分方程式を導く。

7 星の構造はどのように解明するか-方程式系と数値計算、第1回レポート提出:シミュレーションに必要な、状態方程式などのその他の方程式を見出し、この方程式系の数値計算の例を知り、その結果について考察する。

8 星はどのように誕生するか、惑星、衛星の誕生:恒星、惑星、衛星の誕生について知り、太陽系の概要を把握する。

9 星はどのように進化し、死を迎えるか、ブラックホールとは何か:恒星の内部構造のシミュレーションを進め、星の進化を追うシミュレーションについて知る。また、星の進化の最後、赤色巨星、白色矮星、中性子星、ブラックホールについて知る。

10 星団、銀河の構造、銀河はどのように誕生し進化するか:恒星の進化を手掛かりに、星団や銀河の進化、年齢などについて知る。また、銀河の分類や性質の概要を知る。

11 銀河団、宇宙の構造、第2回レポート課題提示:銀河団について知り、宇宙の構造を知る。また、ハッブルの法則について考察する。

12 宇宙の誕生:ビッグバンの証拠と、事実である可能性の高さ:ビッグバンの証拠として、ハッブルの法則、3K背景放射、軽元素の存在比、について知る。また、ビッグバンの可能性の高さについて考察する。

13 宇宙の進化、素粒子・原子・銀河・星・地球・生命、はどこでどのように生成されたか:宇宙の創生と進化、素粒子、星、銀河、惑星、生命の誕生について、知る。

14 宇宙のこれから、宇宙物理学のこれから、第2回レポート提出:宇宙のこれからの進化、宇宙物理学でどこまでわかるか、などを考察する。

15 宇宙物理学で未解明の問題は何か:宇宙物理学でこれから何がどこまでわかるか、未解明の問題は何か、考察する。

【3】 到達目標

この授業の到達目標は、以下である。誕生以来現在まで、宇宙で何がどのように起こったか、起こっているか、を知り、概要を説明できる。恒星内部のシミュレーションがどのように実行できるか、またその有効性を具体例で説明できる。宇宙創成は物理学でどのように考えられるかを説明できる。宇宙の現象は、どんな物理学を使ってどのように解明されたか、その概要を知り、説明できる。宇宙での現象を解明するためにどのように物理学が使われたか、物理学の有用性を知り、説明できる。

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【4】 授業概要および授業方法

太陽系から始まり、星、星団、銀河、銀河団、宇宙、と、対象を拡げて宇宙物理学の主要な問題について論じる。大学でこれまでに学んできた物理学が、どのように使われ、どんな仮定をすることで結論が導かれているかを、わかりやすくかつ詳しく説明する。「宇宙物理学」は、物理学を用いて「科学的」かつ「大胆に」宇宙で起こっている現象を明らかにしてきた。それを知り身に付ける。講義では板書を行い、理解する上でノートを取ることが必須である。また、天体の画像や動画などの視覚教材も多数使用し、宇宙の広大さ、多様さ、を実感する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業の進行に伴って課す予習課題を行なうこと。また、授業後にノートを読み直して理解を深め、授業時に課した計算や事柄整理などを行うともに、毎回の授業最後に課すメモ問題について、次の授業までに復習解きなおしを必ず行うこと。これらの予習・復習には、毎回180分が必要である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔参考書〕『進化する宇宙』(杉本大一郎・吉岡一男著、放送大学教育振興会、ISBN:978-4-595-30564-1)参考資料:理科年表(天文)の関連部分(資料として、前半の授業時に配布する予定)

【7】 評価方法およびフィードバック

1回の小テスト(中間テスト)25%、1~2回のレポート合計 60%、授業への取り組み態度 15% の重みで評価し、全体の 60% 以上の場合に合格とする。レポートでは、物理学の知識を応用して、自分自身で考えて解くような問題も課し、オリジナリティー(独自性、独創性)を重視して評価する。中間テストの返却時に、問題と解答の解説を行い、理解度の低い問題がある場合は、充分な説明を行う。毎回の授業最後のメモ問題は、次の授業の冒頭で解説を行う。

【8】 オフィスアワー

授業時(および授業後)に質問の機会を十分にとる。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 熱・統計力学I 熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 熱・統計力学ⅡB 熱・統計力学演習B 原子物理学 量子力学A 量子力学演習A 量子力学B 量子力学演習B 原子物理学Ⅱ

〔予め学んでおくとよい科目〕

原子核物理学 相対性理論 銀河天文学(2020年度開講せず) 素粒子物理学

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

関連科目:電磁気学、量子力学、熱・統計力学、原子物理学、原子核物理学、相対性理論、素粒子物理学、銀河天文学、などと関連が深い。しかし必ずしもこれらの科目をすべて履修している必要はない。高校で「物理」を学習していることは、授業を理解する上で必要であるが、これを履修の条件とするものではない。

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2020 春学期・2020年度開講せず・2学年・2単位

科 目 物理学特別講義Ⅰ(2020年度開講せず)

(Introduction to Contemporary Physics Ⅰ)

未定担当教員

コースナンバー:P00-3431

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この講義は、理学部の客員教授による特別講義である。通常の講義をこえて、最近のホットな話題を、世界的に活躍されている講師を招聘して、学部生に平易に提供する。今回は、最近の話題である「新奇な超伝導体や量子磁性体の開発」、「サイクロトロンの医療への応用」の二つのテーマについて今年度の客員教授である廣井 善二先生、涌井 崇志先生に講義してもらう。目的と教育目標は最近の実際の話題に触れて、どのように基礎的、専門的な知識が研究に活用されているかを理解する事と、最先端の研究の息吹を受ける事である。期待される成果は、細かい知識の理解は別として、通常の講義では得られない最近の研究に触れて刺激を受け、更なる勉学意欲を持てるようになることである。開講時期は9月の多目的補講期間を予定しており、各話題、2日程度の集中講義として行う。詳細は追って掲示する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 (廣井)固体中の電子と化学結合

2 (廣井)結晶と回折現象1

3 (廣井)結晶と回折現象2

4 (廣井)伝導と局在1

5 (廣井)伝導と局在2

6 (廣井)磁性と超伝導1

7 (廣井)磁性と超伝導2

8 (涌井)加速器とその利用

9 (涌井)サイクロトロンの利用 1. 医療応用(診断)

10 (涌井)サイクロトロンの利用 2. 医療応用(治療)

11 (涌井)サイクロトロンの利用 3. 産業応用

12 (涌井)サイクロトロンの原理

13 (涌井)サイクロトロンの技術

14 (涌井)サイクロトロンの今後の展望

15 (赤星、箕輪)レポート作成

【3】 到達目標

(廣井)固体化学・物理の基本的な概念を理解し、それをもとに様々な物理現象を大局的に説明できるようになることを目指す。(涌井)サイクロトロンにおけるイオン加速の物理的な原理と、それを実現する要素技術を理解し、医学利用や産業利用といったイオンビームおよびそれを用いて生成される放射性同位体の応用技術を説明できることを目標とする。

【4】 授業概要および授業方法

(廣井)固体物質の示す様々な興味深い性質は、原子が規則正しく並んで出来上がった結晶中に存在する無数の電子の振る舞いによる。これを理解するためには量子力学を基礎とした固体物理学を学ばねばならないが、固体物理学に現れる多くの概念はしばしば難解で抽象的であり、物質科学の面白さを理解する上で大きな壁となりかねない。本講義では化学的な概念を基礎として様々な物質(主に遷移金属酸化物)を例に挙げながら、その結晶構造、電気的性質、磁性、超伝導を大局的に理解することを目標とし、物質科学の重要性と面白さの一端を紹介する。(涌井)加速器とその利用を概観した後、サイクロトロンの利用についてがん治療・診断を中心に紹介する。その後、サイクロトロンの加速原理を説明し、加速を実現する要素技術を解説する。最後にサイクロトロン利用分野の現状と課題、その解決に向けた世界の開発状況を紹介する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

疑問点やわからないところは、関連の書籍を参照したり、本校の担当教員に直接質問すること。教科書や関連科目を参考に予習・復習を行うこと。予習・復習の時間は180分程度が目安である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

(廣井)一般的な固体物理の教科書、現代物性化学の基礎(講談社サイエンティフィク)(涌井)教科書は特になし。

【7】 評価方法およびフィードバック

(廣井、涌井)レポート70%、簡単な質疑応答を含む能動的受講30%で総合的に評価を行う。また、講義の後に質問の時間も設ける。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページのhttp://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/を参照すること。

【9】 関連科目

(廣井)量子力学A、(廣井)熱統計力学Ⅰ, ⅡA、固体物理学A、(涌井)電磁気学ⅠA、ⅠB、ⅠC、ⅠD、ⅡA、ⅡB、(涌井)原子物理学、(涌井)レーザー物理学など

〔予め学んでおくとよい科目〕

(廣井)固体物理学B、(廣井、涌井)卒業研究

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

開講時期は9月の多目的補講期間を予定しており、各話題、2日程度の集中講義として行う。詳細は追って掲示する。

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2020 春学期・2020年度開講せず・3学年・2単位

科 目 物理学特別講義Ⅱ(2020年度開講せず)

(Introduction to Contemporary Physics Ⅱ)

未定担当教員

コースナンバー:P00-3432

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

現代物理学は、今日の目覚しい科学技術の進歩を根底で支えるとともに、我々の世界観をより豊かなものにする上で重要な役割を果たしている。本講義では、現代物理学の諸テーマの中からいくつかトピックスを選び、それらについて3、4年次生向けに解説する。今年度は、 大槻東巳先生に「トポロジカル物質と機械学習」について、小形正男先生に「低次元電子物性」について講義していただく。この授業の「学習教育目標」は、現代物理学の先端において、どのような研究が進められているのか、どのような未解決の問題が残されているのか、などを入門的なレベルで理解することにある。また、それらを通じて、普段学んでいる基礎的な物理学の諸分野が、どのように複合されながら、現代物理学を支えているのかを学ぶことを目指している。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 (小形)1次元電子系

2 (小形)スピン系とスピン液体

3 (小形)超伝導

4 (小形)モット絶縁体?秩序変数のない相転移

5 (小形)グラフェンとディラック電子:固体中の相対論

6 (小形)量子ホール効果、スピンホール効果

7 (小形)熱電など輸送現象

8 (大槻)機械学習・深層学習とは

9 (大槻)ランダム電子系の金属絶縁体転移

10 (大槻)金属絶縁体転移を機械学習で調べる

11 (大槻)トポロジカル絶縁体の物理

12 (大槻)トポロジカル絶縁体を機械学習で調べる

13 (大槻)ワイル半金属の物理

14 (大槻)ワイル半金属を機械学習で調べる

15 (西尾、河原林)まとめ

【3】 到達目標

(小形)最近注目されている物質中の電子が繰り広げるエキゾチックな状態の理解を目標とする。

(大槻)トポロジカル物質や機械学習といった近年発展してきた新しい概念を具体例を通じて理解することを目標とする。

【4】 授業概要および授業方法

(小形)1次元系の電子状態を論ずることから始め、近年注目されている高温超伝導など物質中の電子状態を最近の具体的な研究例を通して解説し、最近の進展を分かりやすく論じる。 講議前半では、低次元系の超伝導を含めた強相関電子系について、後半では、質量ゼロディラック電子系およびその磁場・電場応答を具体的な物質例をあげて解説する。(大槻)機械学習が最近,格段の進歩を遂げており,その手法を固体物理に応用する試みが始まっている。この講義では機械学習のうちでも深層学習を使った画像解析に焦点を当て,絶対零度の量子系の相転移,いわゆる量子相転移について講義する。はじめに機械学習について,物理学者の立場から一般的な入門を行う。2週目から具体的な物性物理の話題に入る。始めに金属絶縁体転移への機械学習の応用を講義する。その後,3次元のトポロジカル物質の量子相転移について,トポロジカル絶縁体とワイル半金属を例に講義する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業後に配布資料・ノート等を見直し、180分程度の復習を行うこと。レポート課題等がある場合は自主的に取り組むこと。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書: 特になし参考書: 特になし

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【7】 評価方法およびフィードバック

レポート70%、授業参加状況30%で総合的に評価を行う。提出レポートに関する講評を行う。

【8】 オフィスアワー

西尾豊、河原林透のオフィスアワーで対応する。物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学演習A 量子力学A 量子力学演習A 固体物理学A

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B 固体物理学B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

この講義の日時等は追って掲示する。履修登録は春学期に行なうこと。

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2020 未定・集中・2学年・2単位

科 目 物理学特別講義Ⅲ

(Introduction to Contemporary Physics Ⅲ)

関口 雄一郎、中 竜大、小久保 英一郎、松本 重貴担当教員

コースナンバー:P00-3433

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この講義は、理学部の客員教授による特別講義である。現代物理学は、今日の目覚ましい科学技術の進歩を根底で支えるとともに、我々の世界観をより豊かなものにする上で重要な役割を果たしている。本講義では、現代物理学の諸テーマの中からいくつかトピックスを選び、それらについて2年次以上の学生向けに解説する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)根拠を求めて、科学的な手法で実験・実証を計画・実行する能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)問題を多角的に把握し、問題解決に必要な知識・技能を同定し、不足する知識・技能を自覚し、自ら獲得できる力(2)自然に対する畏敬の念、生命の尊重、人間としての謙虚な心をもつこと(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 (小久保) 太陽系概観、天体の分類と特徴

2 (小久保) 原始惑星系円盤

3 (小久保) ダストから微惑星へ

4 (小久保) 微惑星から原始惑星へ

5 (小久保) 原始惑星から惑星へ

6 (小久保) 系外惑星系

7 (松本) 何故我々の宇宙に暗黒物質が存在すると言えるのか?

8 (松本) 暗黒物質が我々の宇宙の歴史で果たした役割について。

9 (松本) 宇宙のどこに暗黒物質はいるの?つまり暗黒物質の分布。

10 (松本) 暗黒物質について、これまでに分かっていること、分かっていないこと。

11 (松本) 魅力的な暗黒物質候補達についての紹介とその分類。

12 (松本) 暗黒物質問題の解決に向けて現在頑張っていること。

13 (小久保、松本)

14 (小久保、松本)

15 まとめ、レポート課題の提示

【3】 到達目標

惑星系の形成、構造、進化の基本物理を理解する。(小久保)宇宙の暗黒物質(ダークマター)問題について正しく説明できる。本問題にたいする幾つかの魅力的な解決案について正しく説明できる。(松本)

【4】 授業概要および授業方法

(小久保英一郎)「惑星系の物理」太陽系は惑星、衛星、環、小惑星、太陽系外縁天体、彗星と、質量・組成・軌道の違う多様な天体から構成されている。これらの天体はどのような特徴をもち、どのようにして形成されたのだろうか。また、近年、観測によって銀河系には太陽系以外にも多様な惑星系が存在することが明らかになっている。これらの惑星系は太陽系とは何が違うのだろうか。ここでは惑星系の構造・起源・進化について、最新の観測・理論研究の成果を交えながら概説する。(松本重貴)「暗黒物質の物理」宇宙の暗黒物質問題について理論及び実験(観測)の両側面から言及し、暗黒物質が現代宇宙論において如何に重要な役割を果たしているのかにについて説明する。また暗黒物質について現在までに分かっていること、分かっていないことを丁寧にまとめ、その解決方法について、最近の進展を含め説明する。講義全体を通し、直感的に本課題を理解出来るような講義を目指す。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

週2時間程度の復習を推奨する。特に、興味がある内容については積極的により深く調べることを勧める。

【6】 教科書・参考書・参考資料

参考書(小久保)太陽系と惑星(渡部潤一他)、惑星形成の物理(井田茂・中本泰史)、Astrophysics of Planet Formation (P. J.Armitage)参考書(松本)見えない宇宙 (ダン・フーパー (著), 柳下 貢崇 (翻訳)), 宇宙素粒子物理学 (C. グルーペン (著), 小早川恵三 (訳))

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【7】 評価方法およびフィードバック

レポートの評価を80点、参加状況を20点として、合計が60点以上を合格とする。※フィードバック―

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

量子力学A 量子力学B 相対性理論該当なし

〔予め学んでおくとよい科目〕

素粒子物理学 高エネルギー物理学(2020年度開講せず)該当なし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

この講義は、集中講義として行なう。日時等は追って掲示する。履修登録は春学期に行なうこと。

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2020 秋学期・2020年度開講せず・3学年・2単位

科 目 物理学特別講義Ⅳ(2020年度開講せず)

(Introduction to Contemporary Physics Ⅳ)

未定担当教員

コースナンバー:P00-3434

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

現代物理学は、今日の目覚ましい科学技術の進歩を根底で支えるとともに、我々の世界観をより豊かなものにする上で重要な役割を果たしている。物理学特別講義では、現代物理学の諸テーマの中からいくつかトピックスを選び、それらについて3、4年次生向けに解説している。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 (高木・酒井)プロローグ

2 (板倉)固体の機械特性とその測定法

3 (板倉)薄膜の世界、表面の世界

4 (板倉)薄膜の機械特性とその測定法① 薄膜の作成方法について

5 (板倉)薄膜の機械特性とその測定法② 薄膜の物性・特性について

6 (板倉)薄膜の機械特性とその測定法③ 薄膜の機械特性について

7 (板倉)薄膜の機械特性を利用した先端技術の紹介

8 (山﨑)反物質の世界

9 (山﨑)水素

10 (山﨑)水素分子

11 (山﨑)反陽子

12 (山﨑)反水素

13 (山﨑)反物質の世界 今後の展望

14 (高木・酒井)エピローグ

15 レポート作成

【3】 到達目標

(板倉)薄膜の作成の仕方と、物性・機械特性の評価法のうち、主なものを理解すること。境界領域の分野であるため、広い範囲の知識とその選択・応用が必要となる。講義を通じて、自分の持つ知識を自由に出し入れするコツを学んでほしい。

【4】 授業概要および授業方法

(板倉)まず、固体とその表面や、バルクと薄膜の違いについて解説する。固体やバルクの物性や機械特性評価の方法を解説し、次にそれらを薄膜に展開して解説する。薄膜の物性や機械特性は、その作成法に大きく依存するので、薄膜作成方法についても触れる。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

開講時に記載集中講義を含むため、1日の講義に対し180分の予習・復習が必要である。※準備学習内容―

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕なし 〔参考書〕講義内で紹介 参考資料:講義内で配布

【7】 評価方法およびフィードバック

レポートの評価を80点、能動的受講に対し20点を加え、合計が60点以上を合格とする。※フィードバック―

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページのhttp://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/を参照すること。

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【9】 関連科目

特に設定しない

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

この講義は、理学部の客員教授による特別講義であり、集中講義として開講する。日時等は追って掲示する。履修登録は春学期に行なうこと。

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2020 春学期・木4・3学年・2単位

科 目 物理学特論Ⅰ(放射線バイオ利用論)

(Advanced Physics Ⅰ(Application of ion beam to biophysics))

池田 時浩担当教員

コースナンバー:P00-5422

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

わが国は加速器等を利用したガン治療において世界でもトップレベルの技術を有し、国民にも広く受け入れられてきている。したがって、物理学を大学で修めた者として関連技術について理解していることが望ましい。本授業では高エネルギーイオンビームを生成する加速器に関する技術と、原子核崩壊や放射線検出器等に関する知識、さらに最近数年間の最新技術も含めて学び、それを医学・生物学(DNA損傷の修復メカニズムの解明)・農学(品種改良:安全で高品質の品種創出)に応用している例について概観することを目的とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)科学的倫理をわきまえていること(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 放射線のバイオ利用とは:最近の新聞報道等を概観する。また、世界でも数か所にしかない大型加速器だけでなく、放射線バイオ利用の普及のため、徹底した小型化を追究したレーザー駆動誘電体加速器やレーザープラズマ加速技術など最新の加速技術や、産業連携や市場(地方都市などの特産品の創出や世界中で進む農地の塩害対策など)を強く意識したイオンビーム育種技術にも触れる。

2 加速器による粒子加速:エネルギーの単位[eV]に慣れる。ガン治療に使われるイオンビームの速度に関連して超高速で移動する物体内部の時間が遅れること、進行方向の長さが短くなること(特殊相対論)を学ぶ。また、GPSは地球の重力場を一般相対論によって補正していることも学ぶ。サイクロトロン、シンクロトロンなど様々な加速器の用途やメリットについて学び、巨額の費用にもかかわらず各国が建設にしのぎを削っていることを知る。

3 ビーム光学(I):磁場を使ってビーム軌道を曲げたり、ビームが広がるのを防いだりするビーム輸送を学び、電磁気学だけでなく、材料の物性の検討や、磁場測定の気の遠くなるような繰り返し作業、驚くべき測量精度について知る。イオンビームを1ミクロンオーダーに絞って、分析などに使う技術を概観する。カメラ撮影での風景写真、人物写真の違いに関係する収差について学ぶ。後半はノーベル賞で有名になった島津製作所の質量分析などを扱う。

4 ビーム光学(II):Maxwell方程式を使って電磁石にかかる力が計算できることを紹介する(試験からは除外)。後半は光子の波長とエネルギーの関係、および紫外線の殺菌作用と皮膚への影響、日焼けについて学ぶ。野外天体観測などでは、淡い天体を見るときに故意に視線をずらすことがあり、これは網膜上の光の感度が高い領域で観察する工夫である。これに関連して、生物が持つ光センサーの素子であり、ヒトの網膜にも存在する光子1個にも反応できるロドプシン分子などが、光子吸収による構造変化や酵素反応を経て脳への神経伝達に発展することについて学ぶ。

5 放射線と物質との相互作用(I):光電効果、コンプトン散乱、電子対生成の反応断面積のエネルギーおよび原子番号依存性と応用例を学ぶ。期末試験に出題される周期律表はこの回で登場する。光電効果を利用した初期の映画フィルムのサウンドトラック技術や、放射性物質の滞留箇所を画像化できる最新のコンプトンカメラ技術を紹介する。

6 放射線と物質との相互作用(II):中性子と物質との相互作用、その危険性と優れたガン治療技術や、原子力発電所にある原子炉(reactor)内での核反応を扱う。ここでは中性子の速度の制御がポイントになる。原子炉内では、水によって燃料を冷却し、かつ、水がないと核反応が起こらないことを紹介する。1999年の東海村JCO臨界事故にもふれる。そして荷電粒子と物質との相互作用(阻止能や飛程の質量およびエネルギー依存性)を学ぶ。この阻止能こそが粒子線ガン治療の原理に直結しており、教養のひとつとして身につけたい知識である。

7 放射線の生体内での相互作用(I):DNA、アミノ酸、タンパク質の関係やセントラルドグマ、活性酸素やフリーラジカル、DNA修復機構、線量の単位シーベルトなどを扱う。遺伝子という言葉の意味と、その喪失により何が起こるのかを学ぶ。(No.7,8,9と一部連続した内容となるため内容が前後することがある。)

8 放射線の生体内での相互作用(II):放射線の人体組織への影響を定量的に扱う方法を学ぶ。新聞等で扱われる一般常識よりも、さらに深い知識(線量概念、確率的・確定的影響など)を整理して学ぶ(第1種放射線取扱主任者試験と同等レベル)。細胞の生存率曲線と標的説の理解に必要なポアソン分布の考え方を扱う。100人の群衆に100個のミカンを均等にばらまくと、37人程度はひとつももらえないのに、6人くらいは3つも得ることができる。これがポアソンン分布である。実験データによく現れる確率分布である。

9 放射線治療(イオンビームをメインに):放射線による細胞死を利用した放射線治療のメカニズムと、放射線感受性を考慮した治療プログラムを概観する。また、日本での一人当たりの自然放射線被ばく量である年間2.1ミリシーベルトと海外での値、および治療時の値を比較検討する(第1種放射線取扱主任者試験と同等レベル)。

10 放射性壊変(原子核崩壊):半減期、放射能[ベクレル]、核図表、原子核崩壊図など放射性物質の基本と、遮蔽、自然被ばくに関する基礎知識を学ぶ。セシウム-137の半減期は約30年、プルトニウム-239では、約2万4千年であり、日常生活で考えると非常に長い。一方で、太古の昔から大気中に含まれる炭素-14は5730年で考古学では年代測定に利用されている。また、数時間の半減期の放射性同位元素は、加速器で生成された後、ガン治療のために体内に埋め込まれる。この回では、放射性物質の違いにより危険性の種類が異なることを学ぶ。期末試験に出題されるアルファ崩壊、ベータ崩壊、ガンマ崩壊はこの回で学ぶ。

11 放射線検出器:ここでは、被ばく線量測定に用いられるシンチレータ、電離箱、GM管、および個人被ばく線量計などの測定器のメカニズムを知ることで、測定したい放射線の種類に対応した検出器を用意する必要性を学ぶ。

12 放射線による診断技術:X線の発生、線減弱係数、X線CT(ヘリカルスキャン、マルチスライスによる冠動脈の診断)、PET(ポジトロン断層法)、骨シンチグラフィ、およびそれらの段階的組み合わせなど、核医学やラジエーション診断について説明できるようになることを目指す。また、放射線を一切使わず、脳脊髄液、脳白質、脳灰白質も高い位置分解能で識別できるMRI(磁気共鳴画像診断法)や、脳内の活動部分を可視化する機能的MRIもなくてはならない技術であるため扱う。

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13 マイクロビームによる細胞照射:1マイクロメートルオーダーの細さに絞ったイオンビームを、たった1個の標的細胞の細胞核や細胞内小器官(大きさは1マイクロメートルオーダー)のみに照射するという理化学研究所で進められている最先端の細胞内のマイクロサージェリー技術(ガラスキャピラリーマイクロビーム生成法)を紹介する。(※サージェリーとは外科手術の意味。)この講義で学んだ加速器パート、および放射線の細胞への影響パートをもとに議論していく。

14 まとめ

15 学習到達度の確認

【3】 到達目標

1.放射線の種類と特徴について理解し、応用例を説明できる。2.加速器の種類を理解する。3.真空中での電子やイオンの速度や軌道の制御方法の概略を説明できる。4.生体内でのイオンの速度や軌道、生体に与える影響の概略を説明できる。5.核医学として行われる診断・治療技術の概略が説明できる。6.放射線、放射能に関する情報に対して、その情報が正しいかどうか自ら調べることができる。7.粒子線ガン治療において細胞周期やDNA損傷の重要性の概略を説明できる。8.中性子について知っていることを増やす。

【4】 授業概要および授業方法

高エネルギー加速器による量子ビームの生成や加速、輸送などの制御方法について学び、その後、放射線が標的に入射した時の物質中での振る舞いを扱う。さらに、放射線治療、放射線を用いた診断について社会人として必要なレベルで概観し、最後に小線源療法に関連して加速器を用いない放射性物質からの放射線とその測定方法を扱う。適宜、生物系、医学系、農学系のトピックスにも触れる。教科書ではカバーできない広い範囲を扱うため毎回資料を配布するが、板書の内容は各自ノートに記録すること。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

予習よりも講義ノートの復習に力を入れることを想定している。授業後、配布テキストを使って理解度の確認に150分程度を費やすこと。例えば、授業で扱った電磁気学、統計学等の見直しを望む。また、予習・復習という見方にとらわれず、関連する新聞記事や報道番組から情報を得る(30分程度)ことで、実学としての放射線に関する正しい知識を身につける努力を期待する。新聞は大手新聞社の運営するweb版も可とするが、出来る限り、紙媒体の新聞を推奨する。

【6】 教科書・参考書・参考資料

教科書:特に指定しない。授業中に資料を配布する。参考書:「加速器科学」亀井亨・木原元央 パリティ物理学コース 丸善 ISBN:9784621038734参考書:「放射線計測ハンドブック」著者:Glenn F. Knoll著 神野 郁夫・木村 逸郎・阪井英次 共訳 オーム社ISBN:9784274214493参考書:「放射線概論(第1種放射線試験受験用テキスト)」 柴田徳思編 通商産業研究社 ISBN:9784860451103参考書:「Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments: A How-to Approach, Second Revised Edition」William R. Leo著 Springer-Verlag社 ISBN:3540572805参考書:「マイクロビームアナリシス・ハンドブック」 日本学術振興会 マイクロビームアナリシス第141委員会 編 オーム社ISBN:9784274504969

【7】 評価方法およびフィードバック

期末試験および不定期の小テストで評価し60%以上を合格とする。期末試験を90%程度、小テストを10%程度の比率で評価する。期末試験に対する救済措置は、今年度も行わない。小テストを実施後、翌週以降に講評を行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後に教室で質問を受け付ける。

【9】 関連科目

第2~6回の授業では、2年次までの電磁気学ⅡA・ⅡB、電磁気学ⅡC・ⅡDを学んでおくと理解の助けになる。ただし、前述の電磁気学を未履修でも、授業中に定性的に理解することで、目的とするバイオ利用論の学習には支障がでない構成になっている。

〔予め学んでおくとよい科目〕

特になし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

前半の授業では、物理学専攻の授業で扱うレベルの計算方法を紹介することは有り得る。期末試験での計算問題は物理学専攻以外の者でもできるレベルのものが出題される。

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2020 秋学期・水3・3学年・2単位

科 目 物理学特論Ⅱ(宇宙線物理学)

(Advanced Physics Ⅱ (Cosmic Ray Astrophysics))

大林 由尚担当教員

コースナンバー:P00-6412

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

宇宙から飛来する高エネルギーの素粒子である宇宙線について、発生、加速、伝播、相互作用の仕組みを相対性理論、量子力学との関連を含めて理解し、宇宙線観測を通して得られる最新の素粒子・宇宙物理学における成果を解釈する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 「宇宙線とは」宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線についてその定義、種類について解説し、最近の宇宙物理学・素粒子物理学で課題となっている話題を含め、講義全体計画を俯瞰する。

2 「素粒子と相互作用」宇宙線の正体である高エネルギーの素粒子と物質、電磁場との相互作用について解説し、加速機構、観測方法の議論の基礎とする。

3 「宇宙線のエネルギーと相対性理論」光速近くまで加速された粒子の振る舞いを理解するために必要な特殊相対性理論について説明し、宇宙線のエネルギーについて議論する。

4 「宇宙線の起源、加速機構」宇宙空間に存在する様々な種類の素粒子について、発生のしくみ、地上の加速器の限界よりもはるかに高いエネルギーまで加速される宇宙線の加速のメカニズムについて解説する。

5 「宇宙線と物質の反応・計測方法」そのままでは見ることのできない宇宙線をどのように観測、計測するのかについて素粒子の相互作用の復習とともに議論する。

6 「電磁波とX・γ線」宇宙線の正体のひとつである電磁波(マイクロ波・X線・γ線などを含む)の発生源、伝搬機構と観測研究について議論する。

7 「空気シャワーの観測」高エネルギーの宇宙線が大気と衝突して増殖する空気シャワーのメカニズムと観測研究について議論する。

8 「ニュートリノの観測 (I) ニュートリノの相互作用とニュートリノ振動」他の物質とほとんど反応しない「幽霊粒子」ニュートリノについて、観測の方法を概説するとともに、ニュートリノの特徴的な性質であるニュートリノ振動について解説する。

9 「ニュートリノの観測 (II) 超新星と太陽ニュートリノ」ニュートリノの観測研究について解説する。本回は太陽中心や超新星爆発の核反応から放出されるニュートリノについて議論する。

10 「ニュートリノの観測(III)大気ニュートリノと陽子崩壊」高エネルギー粒子が地球大気と反応して生成される大気ニュートリノの観測から得られる知見について解説する。また大気ニュートリノの研究が盛んになったきっかけとも言える陽子崩壊の研究についても触れる。

11 「暗黒物質の観測」未だ観測に成功していない宇宙線、暗黒物質について理論的予言、観測的証拠と直接検出を目指す実験について議論する。

12 「重力波の観測」検出が極めて難しく、2016年にようやく初検出が報告された重力波について理論的予言、観測的証拠と直接検出技術について議論する。

13 「宇宙線観測から明らかにする宇宙の歴史」宇宙マイクロ波背景放射、初期宇宙重力波、クエーサーなどの宇宙線観測を通した初期宇宙の研究や、超新星、重力波などの観測を通した宇宙の歴史の研究について議論する。

14 まとめ

15 総括及び試験

【3】 到達目標

宇宙線の種類、その特殊性、そして発生から伝播、観測方法およびそれから得られる物理的意味について理解し、科学の最先端について理解することを目指す。また、宇宙線による事象を通して相対論的現象や量子論的現象の具体的な取り扱いを習得する。

【4】 授業概要および授業方法

宇宙線の正体である素粒子の相対論的な扱い、フェルミ加速による宇宙線の加速機構と加速天体について示す。また、高エネルギー粒子と物質の反応の取り扱い方ついて説明し、宇宙線の観測方法を実際の観測実験を基に加速器実験との対比を交えて紹介する。これらを踏まえ、ニュートリノ質量の発見、重力波の観測、暗黒物質の探索など、宇宙線研究から得られた最先端の素粒子物理学、宇宙物理学における発見、近い将来期待される成果について議論する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

講義で配布する資料に次回までの予習・復習項目を記載する。(毎回予習90分、復習90分程度)

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【6】 教科書・参考書・参考資料

特に教科書は指定しない。毎回資料を配付する。参考図書『宇宙素粒子物理学』(C. Grupen著、小早川恵三訳、シュプリンガージャパン)『素粒子と宇宙物理』(T. K. Gaisser著、小早川恵三訳、丸善)『宇宙線』(小田稔著、裳華房)『放射線計測ハンドブック』(K. Noll著、木村逸郎、阪井英次訳、日刊工業新聞社)

【7】 評価方法およびフィードバック

レポート(50%)+試験(50%)で評価する。授業への参加度による加点あり。レポートについて解説を行う。試験についての解説をWebを利用して行う。

【8】 オフィスアワー

授業終了後に教室で質問を受け付ける。また電子メールによる質問も受け付ける。

【9】 関連科目

電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB 電磁気学ⅡC 電磁気学ⅡD 原子物理学 放射線物理学 相対性理論 素粒子物理学

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

物理学科以外の学生も歓迎する。

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2020 秋学期・火4・3学年・2単位

科 目 物理学特論Ⅴ(星間分子の分光学)

(Advanced Physics Ⅴ (Spectroscopy of interstellar molecules))

尾関 博之担当教員

コースナンバー:P00-5417

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

1960年代以降おこなわれるようになった宇宙電波分光観測(星間分子スペクトル観測)は、多数の星間分子の存在を明らかにし、宇宙における物質進化という新しい視点をもたらした。他の電磁波領域では窺い知ることのできない星形成の過程を、星間分子を手掛かりとして研究するようになった事はその良い例である。この授業の学習教育目標は、(1)分光学的手法を用いた物質の同定とは何か。(2)星間分子スペクトルがもたらす情報の中身、そして、(3)星間分子の天文学における役割を実例と共に理解することである。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 星間分子とは:宇宙空間における分子存在の意味を考える

2 宇宙の化学組成:元素の生成過程

3 宇宙空間における温度・密度環境

4 恒星の誕生にかかわる分子の役割

5 星間分子発見の歴史

6 星間空間における分子の同定法:分光学的手法の紹介・スペクトル測定による物質の同定

7 水素原子のスペクトルの解釈

8 分子の分光学:ボルン-オッペンハイマー近似

9 角運動量の定義と回転の量子論:二原子分子・直線分子の回転スペクトル

10 演習:電波望遠鏡で取得したデータを基にしたスペクトルパターンの帰属

11 スペクトル強度の情報を基にした物質量の推定(1):放射伝達方程式

12 スペクトル強度の情報を基にした物質量の推定(2):スペクトル形状がもたらす情報

13 電波望遠鏡による電波分光観測の実際:観測装置の概略

14 星間化学(1):星間空間における重水素濃縮現象

15 星間化学(2):イオン-分子反応を基本とする星間化学ネットワーク、H3+の果たす役割

【3】 到達目標

・分光学的手法を用いた物質の同定とは何かを説明することができる・星間分子スペクトルがもたらす様々な情報を基に、遠隔領域の宇宙空間に存在する物質が何かを知ることができる。・宇宙空間における物質輪廻の概略を理解することができる

【4】 授業概要および授業方法

星間空間に分子が存在し、それが恒星の進化・宇宙における物質循環に深くかかわっていることを物理学的観点から講義する。そのために量子論の考え方を駆使し、電波望遠鏡を用いて観測される星間分子のスペクトルの同定がどのように行われていくかを具体的な観測例を基に紹介する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

各回の講義内容への理解を深めるために、具体的な問題に取り組むための演習プリントを配布する。授業の復習(1時間程度)とともに、「実際に手を動かして」演習問題に取り組むこと(2時間程度)

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕授業中にプリントを配布する。〔参考書〕『電波を用いる分光』分光測定入門シリーズ9 日本分光学会編(講談社サイエンティフィック)    『宇宙電波天文学』(赤羽、海部、田原著、共立出版)

【7】 評価方法およびフィードバック

授業毎の演習プリントおよび期末試験で評価する。演習プリントについては次回講義の冒頭に解説を行う。

【8】 オフィスアワー

月曜日 16:20-18:00

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【9】 関連科目

(可能であれば)量子力学

〔予め学んでおくとよい科目〕

なし

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

特になし

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2020 秋学期・月4・2学年・2単位

科 目 物理学特論Ⅵ(基礎物理定数概論)

(Advanced Physics Ⅵ (Fundamental Physical Constants))

藤井 賢一、安田 正美担当教員

コースナンバー:P00-4422

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業では、SI単位の実現に用いられている各種の標準と、これらの標準を用いた計測技術、基礎物理定数を求めるための物理法則などについて理解することを「学習教育目標」とし、基礎物理定数発見の歴史や最新の研究事例などを交えながら、物理学体系の基礎について解説する。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)根拠に基づいて科学的な推論を行い、結論を導く能力(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 基礎物理定数とは(基礎物理定数の特徴):担当 藤井

2 基礎物理定数の推奨値(物理法則を検証するためのツール):担当 藤井

3 比電荷と黒体放射(物理現象と基礎物理定数):担当 藤井

4 プランク定数の発見(統計力学と量子力学から学ぶ黒体放射):担当 藤井

5 気体定数(ケルビンの新しい定義、気体定数の求め方):担当 藤井

6 アボガドロ定数(キログラムの新しい定義、原子の数の数え方):担当 藤井

7 プランク定数(ジョセフソン効果と量子ホール効果によるプランク定数の求め方):担当 藤井

8 国際単位系(SI)(単位の定義における基礎物理定数の重要性):担当 藤井

9 微細構造定数とリュードベリ定数(水素原子モデルと物質の多様性):担当 藤井

10 光の速さ(光速度測定の歴史、光が電磁波であることの発見):担当 安田

11 長さ標準(光速度に基づいたメートルの定義、レーザーや光周波数コムを用いた長さ標準の実現):担当 安田

12 周波数標準と原子時計(協定世界時、セシウム原子時計・光時計の原理と超精密計測):担当 安田

13 相対原子質量(イオントラップ、相対原子質量を求める方法、陽子電子質量比、重力加速度):担当 安田

14 基礎物理定数に関する最近の研究(基礎物理定数の恒常性など):担当 安田

15 試験による学習到達度の確認:担当 安田

【3】 到達目標

1、基礎物理定数がどのように決定されているかを理解し、その概略を説明できる。2、国際単位系(SI)の定義とその実現に用いられている各種の標準や計測技術について理解し、大まかな説明ができる。

【4】 授業概要および授業方法

自然現象を支配する物理法則の背後には普遍的な定数が存在する。理論と実験による実証に基礎をおく現代物理学では、幾つかの基礎物理定数と、その数値を決めるための尺度である標準によって理論やモデルの妥当性が検証され、物理学体系の基礎が構築されている。本講義ではこれらの基礎物理定数がどのように決定されているのかについて概説し、国際単位系(SI)の定義とその実現に用いられている各種の標準や計測技術について説明する。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

授業後に配布資料・ノート等を見直し、180分程度の復習を行うこと。練習問題等がある場合は自主的に取り組むこと。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕 特に指定しない。授業中に資料を配布する。〔参考書〕 1) The Fundamental Physical Constants and the Frontier of Measurement, B. W. Petley, Adam Hilger,Bristol and Boston

2) CODATA recommended values of the fundamental physical constants: 2014, Peter J. Mohr, David. B.Newell and Barry N. Taylor, Review of Modern Physics, Vol. 88, 035009 (2016)

3) D. Newell, F. Cabiati, J. Fischer, K. Fujii, S. Karshenboim, H. S. Margolis, E. de Mirandes, P. J. Mohr,F. Nez, K. Pachucki, T. J. Quinn, B. N. Taylor, M. Wang, B. M. Wood and Z. Zhang: The CODATA 2017 Values of h, e, k,and NA for the Revision of the SI, Metrologia, 55-1, L13/L16 (2018)

4) 〈はかる〉科学、坂上孝・後藤武編著、中公新書、2007、第2章「キログラムの再定義―単位の普遍性をめざして」、藤井賢一著

5) 藤井賢一: キログラムの定義改定に向けた質量標準の開発動向, 日本物理学会誌, 69-9, 606/612 (2014)6) 藤井賢一: プランク定数を決める!キログラムの定義改定へ, 応用物理, 87-10, 774/779 (2018)7) 安田正美著、 1秒って誰が決めるの?: 日時計から光格子時計まで (ちくまプリマー新書)8) 安田正美著、単位は進化する:(化学同人)

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【7】 評価方法およびフィードバック

定期試験で評価し60点以上を合格とする。レポート課題を出題する場合がある。この場合レポート課題の出題数に応じて10%~20%の割合で評価の対象とする。レポートを授業内で返却する。

【8】 オフィスアワー

授業終了後に教室で質問を受け付ける。電子メールでの質問も可。

【9】 関連科目

力学IA 力学IB 力学IC 力学ID 力学ⅡA 力学ⅡB 電磁気学IA 電磁気学IB 電磁気学ⅡA 電磁気学ⅡB

〔予め学んでおくとよい科目〕

熱・統計力学ⅡA 熱・統計力学ⅡB 量子力学A 量子力学B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

本講義では力学、電磁気学、統計力学、量子力学についての初歩的な知識を必要とするが、これらについては講義中に必要に応じて解説するので、予め熟知している必要はない。

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2020 春学期・水1・2学年・2単位

科 目 基礎化学

(Fundamental Chemistry)

今井 泉担当教員

コースナンバー:U00-1343

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

化学は「セントラルサイエンス」とも呼ばれ、多くの学問の基礎となり、自然科学の諸分野に密接に関わっている。将来、皆さんがどの分野で活躍するにせよ、物質に対する考え方を身につけることは極めて重要である。本授業では原子、分子から環境に至るまでの幅広い化学の概要を把握することが目的である。具体的には、次に示す①~⑦などの学習成果が期待できる。① 化学式に基づく計算ができる。② 原子の電子配置、原子間の共有結合、炭素の混成軌道について説明できる。③ 分子間に働く弱い引力について説明できる。④ 酸と塩基、pHなどについて説明できる。⑤ 酸化と還元、酸化剤と還元剤について説明できる。⑥ 元素の周期的な性質について説明できる。⑦ グリーン・サステイナブルケミストリー(GSC)について説明できる。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 【基礎化学入門】物質と測定・「ブラウン 一般化学Ⅰ」物質の構造と性質(原書13版)で化学を学ぶ・物質の分類・物質の性質・単位と測定・測定の不確実性・次元解析法

2 【基礎化学入門】原子、分子、イオン・原子説・原子構造の発見・現代の原子観・原子量・周期表・分子と分子性化合物・イオンとイオン性化合物・無機化合物の名称・簡単な有機化合物

3 【基礎化学入門】化学量論:化学式に基づく計算・化学反応式・単純な化学反応の型・式量・アボガドロ定数と物質量・元素分析から実験式を求める・つり合った反応式から得られる量についての情報・制限反応物

4 【基礎化学入門】水溶液の反応・水溶液の一般的性質・沈殿反応・酸塩基と中和反応・酸化還元反応・溶液の濃度・水溶液中の反応の化学量論

5 熱化学・エネルギー・熱力学第一法則・エンタルピー・ヘスの法則

6 原子の電子構造・輝線スペクトルとボーアモデル・軌道の表示・多電子原子・電子配置・電子配置と周期表

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7 元素の周期的な性質・周期表の発展・有効核電荷・原子とイオンの大きさ・イオン化エネルギー、電子親和力・金属、非金属及びメタロイド・1族と2族の金属、代表的な非金属元素

8 化学結合・ルイス記号とオクテット則・イオン結合・共有結合・結合の極性・ルイス構造の描き方・共鳴

9 分子の形と結合理論・分子の形・VSEPRモデル・分子の形と分子の極性・共有結合と軌道の重なり・混成軌道、多重結合・分子軌道

10 気体・気体の特徴、圧力・気体の法則、理想気体の法則・混合気体と分圧・気体分子運動論・分子の噴散と拡散・実在気体

11 分子間力と液体・分子間力・液体の代表的な性質・相変化・蒸気圧・相図・液晶

12 固体と先端材料・固体の分類、構造・金属性固体、金属結合・イオン性固体・分子性固体・共有結合性固体・ポリマー、ナノ材料

13 溶液の性質・溶解の過程・飽和溶液と溶解度・溶解度に影響を及ぼす因子・濃度の表し方・束一的性質・コロイド

14 環境の化学:グリーン・サステイナブルケミストリー(GSC)・GSC・超臨界流体染色法

15 内容のまとめと総括

【3】 到達目標

1. 化学式に基づく計算ができる。2.原子の電子配置、原子間の共有結合、炭素の混成軌道について説明できる。3.分子間に働く弱い引力について説明できる。4.酸と塩基、pHなどについて説明できる。5.酸化と還元、酸化剤と還元剤について説明できる。6.元素の周期的な性質について説明できる。7.グリーン・サステイナブルケミストリー(GSC)について説明できる。

【4】 授業概要および授業方法

教科書の問題を解くことにより、講義の理解を深めていきます。次に示す①~⑩は主な内容です。① 物質と測定   ② 原子、分子、イオン  ③ 化学量論:化学式に基づく計算 ④ 熱化学  ⑤ 元素の周期的な性質⑥ 化学結合     ⑦ 分子の形と結合理論  ⑧ 分子間力と液体  ⑨ 溶液の性質  ⑩ 環境の化学

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

教科書の問題を解くことにより講義の理解を深める。授業ごとに180分の予習・復習が必要。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕荻野和子監訳、「ブラウン 一般化学Ⅰ」物質の構造と性質(原書13版),丸善出版(2015)〔参考書〕・竹内敬人,「ベーシック化学」,化学同人(2015).・狩野直和・佐藤守俊訳,「トロウ 化学入門」,東京化学同人(2015),

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【7】 評価方法およびフィードバック

授業内で解き、提出する教科書の「演習」課題(55%)、定期試験(45%)の割合で総合的に評価する。定期試験回収後に模範解答を配布する。

【8】 オフィスアワー

水曜日の昼休み〔理学部Ⅳ号館3F 4372〕

【9】 関連科目

高校化学、有機化学、無機化学

〔予め学んでおくとよい科目〕

化学 化学物理学

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

・第1回目の授業から教科書を使うので、必ず用意すること。・授業では、毎回、教科書の「例題」・「演習」を解くのでノートを用意すること。

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2020 春学期・火4・1学年・2単位

科 目 物理入門A

(Introduction to Physics A)

石戸  茂担当教員

コースナンバー:U00-1332

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

自然科学においては一つの普遍的現象あるいは客観的な事実をもとに理論を構築し、これを数式によって表現するという手法は極めて一般的なものであり、この典型的な例は高等学校の物理に見られます。本科目では初歩の力学と電磁気学の授業を行い、物理現象を数式で表す手法の基礎を学び、大学で学ぶ物理学および物理実験を理解するのに必要な知識を補うことを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 はじめに

2 等加速度直線運動、落体の運動、放物運動

3 いろいろな力、運動の法則

4 剛体に働く力の作用、仕事とエネルギー

5 力学的エネルギー保存の法則、運動量と力積

6 等速円運動、慣性力

7 万有引力、単振動

8 ここまでのまとめと到達度チェック(中間試験)

9 静電気、電場・電位、コンデンサー

10 コンデンサーの接続、直流回路

11 キルヒホッフの法則、半導体・ダイオード・トランジスタ

12 磁場・電流の磁気作用、電流が磁場から受ける力

13 電磁誘導の法則、交流回路

14 電気振動、磁場中の荷電粒子の運動

15 まとめと到達度のチェック(定期試験)

【3】 到達目標

高等学校物理における力学、電磁気分野の手法を理解し、説明できる。1.変位・速度・加速度を導ける。2.等加速度直線運動を理解し、放物運動の式を導ける。3.ニュートンの運動の法則を用いて、運動方程式を導ける。4.力学的エネルギー保存の法則を理解し、物体の運動を説明できる。5.運動量と力積の関係を理解し、物体の運動を説明できる。6.等速円運動を理解し、物体の運動を説明できる。7.単振動を理解し、物体の運動を説明できる。8.万有引力の法則を理解し、天体の運動を説明できる。9.電場と電位の定義を理解し、荷電粒子の運動を説明できる。10.コンデンサーの性質を理解し、コンデンサーのはたらきを説明できる。11.キルヒホッフの法則を理解し、直流回路のはたらきを説明できる。12.磁場の定義を理解し、電流のつくる磁場を説明できる。13.電磁力を理解し、電磁力の利用について説明できる。14.ファラデーの電磁誘導の法則を理解し、誘導起電力を導くことができる。15.交流起電力を理解し、交流回路のはたらきを説明できる。

【4】 授業概要および授業方法

物理学科第1学年生で、高等学校において物理基礎のみの履修者および高校で履修した物理の基本を再確認したい者を対象とする。高等学校物理基礎・物理の内容を中心に授業を行い、毎授業終了前に練習問題を与え、氏名記入の上提出させ出席確認および成績評価の資料とする。高校物理の内容を習得することを目標とするが、高校では一般に用いない微分・積分も必要に応じて導入し、高校物理と大学で学ぶ物理の連携を心がける。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

配布された教材プリントの内容確認を予習とし、返却された小テストを解きなおすことを復習として勧める。三時間程度の予習、復習が必要である。小テストや定期試験の際には電卓が必要であるので、必ず用意し、電卓の扱いに習熟しておくこと。

【6】 教科書・参考書・参考資料

毎授業の際に教材プリントを配布し、それによって授業を行う。参考書としては高等学校物理基礎・物理の教科書及び問題集を推薦する。

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【7】 評価方法およびフィードバック

物理入門Aと物理入門Bは、1科目として扱い、同一の単位認定評価とする。中間考査、定期考査の結果を70%、毎時間ごとに出席確認を兼ねて小テストを実施し、この結果を30%と評価する。小テストの後、解説をおこなう。

【8】 オフィスアワー

火曜日4・5限の前後

【9】 関連科目

特にありません

〔予め学んでおくとよい科目〕

力学ⅠA・ⅠB、電磁気学ⅠA・ⅠB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

1回目のプレースメントテストの結果、履修を必要とされる学生に対しては物理入門Aと物理入門Bは、必修扱いとなる(掲示)。人数に余裕がある場合はそれ以外の学生の選択もゆるされる。必ず両方の科目を履修登録して受講する。

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2020 春学期・火5・1学年・2単位

科 目 物理入門B

(Introduction to Physics B)

石戸  茂担当教員

コースナンバー:U00-1333

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

自然科学においては一つの普遍的現象あるいは客観的な事実をもとに理論を構築し、これを数式によって表現するという手法は極めて一般的なものであり、この典型的な例は高等学校の物理に見られます。本科目では初歩の力学と電磁気学の授業を行い、物理現象を数式で表す手法の基礎を学び、大学で学ぶ物理学および物理実験を理解するのに必要な知識を補うことを目標とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

専門分野における十分な基礎知識・基本技能(1)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 はじめに

2 等加速度直線運動、落体の運動、放物運動

3 いろいろな力、運動の法則

4 剛体に働く力の作用、仕事とエネルギー

5 力学的エネルギー保存の法則、運動量と力積

6 等速円運動、慣性力

7 万有引力、単振動

8 中間考査とまとめ

9 静電気、電場・電位、コンデンサー

10 コンデンサーの接続、直流回路

11 キルヒホッフの法則、半導体・ダイオード・トランジスタ

12 磁場・電流の磁気作用、電流が磁場から受ける力

13 電磁誘導の法則、交流回路

14 電気振動、磁場中の荷電粒子の運動

15 定期考査と総括

【3】 到達目標

高等学校物理における力学、電磁気分野の手法を理解し、説明できる。1.変位・速度・加速度を導ける。2.等加速度直線運動を理解し、放物運動の式を導ける。3.ニュートンの運動の法則を用いて、運動方程式を導ける。4.力学的エネルギー保存の法則を理解し、物体の運動を説明できる。5.運動量と力積の関係を理解し、物体の運動を説明できる。6.等速円運動を理解し、物体の運動を説明できる。7.単振動を理解し、物体の運動を説明できる。8.万有引力の法則を理解し、天体の運動を説明できる。9.電場と電位の定義を理解し、荷電粒子の運動を説明できる。10.コンデンサーの性質を理解し、コンデンサーのはたらきを説明できる。11.キルヒホッフの法則を理解し、直流回路のはたらきを説明できる。12.磁場の定義を理解し、電流のつくる磁場を説明できる。13.電磁力を理解し、電磁力の利用について説明できる。14.ファラデーの電磁誘導の法則を理解し、誘導起電力を導くことができる。15.交流起電力を理解し、交流回路のはたらきを説明できる。

【4】 授業概要および授業方法

物理学科第1学年生で、高等学校において物理基礎のみの履修者および高校で履修した物理の基本を再確認したい者を対象とする。高等学校物理基礎・物理の内容を中心に授業を行い、毎授業終了前に練習問題を与え、氏名記入の上提出させ出席確認および成績評価の資料とする。高校物理の内容を習得することを目標とするが、高校では一般に用いない微分・積分も必要に応じて導入し、高校物理と大学で学ぶ物理の連携を心がける。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

配布された教材プリントの内容確認を予習とし、返却された小テストを解きなおすことを復習として勧める。三時間程度の予習、復習が必要である。小テストや定期試験の際には電卓が必要であるので、必ず用意し、電卓の扱いに習熟しておくこと。

【6】 教科書・参考書・参考資料

毎授業の際に教材プリントを配布し、それによって授業を行う。参考書としては高等学校物理基礎・物理の教科書及び問題集を推薦する。

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【7】 評価方法およびフィードバック

物理入門Aと物理入門Bは、1科目として扱い、同一の単位認定評価とする。中間考査、定期考査の結果を70%、毎時間ごとに出席確認を兼ねて小テストを実施し、この結果を30%と評価する。小テストの後、解説をおこなう。

【8】 オフィスアワー

火曜日4・5限の前後

【9】 関連科目

特にありません

〔予め学んでおくとよい科目〕

力学ⅠA・ⅠB、電磁気学ⅠA・ⅠB

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

1回目のプレースメントテストの結果、履修を必要とされる学生に対しては物理入門Aと物理入門Bは、必修扱いとなる(掲示)。人数に余裕がある場合はそれ以外の学生の選択もゆるされる。必ず両方の科目を履修登録して受講する。

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2020 春学期・水1・3学年・1単位

科 目 科学英語A

(Scientific English A)

赤星 大介、清水 治郎担当教員

コースナンバー:U00-5412

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

この授業は、学生諸君が英語による科学のコミュニケーションを自由にできるようになるための出発点として,英語で書かれた簡単な科学的内容の文章を読めること、科学的な文章を平明な英語で書けることを「学習教育到達目標」とする.

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ

<教育目標>

関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)コミュニケーション能力・リーダーシップ、外国語を含む文章の読み書き能力(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 <Reading>リーディングの基礎1

2 <Reading>数式、グラフ等の読み方

3 <Reading>論文でよく使われる表現1(文型を理解しよう)

4 <Reading>論文でよく使われる表現2(受動態)

5 <Reading>論文でよく使われる表現3(よく使われる言い回し)

6 <Reading>実際に科学的な英文を訳してみよう1

7 <Reading>実際に科学的な英文を訳してみよう2

8 <Writing>ライティングの基礎

9 <Writing>基本文型の確認

10 <Writing>主語の決め方(名詞の単数・複数)

11 <Writing>受け身

12 <Writing>時制の決め方

13 <Writing>否定文

14 <Writing>名詞の修飾(関係代名詞、現在分詞、過去分詞の使い方)

15 定期試験「学習到達度の確認」

【3】 到達目標

この授業では、(1)英語で書かれた科学的内容の文章(1ページ程度)を辞書を使えば、正確に読むことができる.(2)英語で書かれた科学的内容の平易な文章(250ワード程度)を、辞書なしでほぼ正確に読むことができる.(3)科学的な文章(250ワード程度)を辞書を使えば平明な英語で書くことができる.(4)科学的な文章(数ワード程度の1文)を辞書を使わずに平明な英語で書くことができる.

【4】 授業概要および授業方法

クラスを2つに分けて、1つのクラスはリーディング、ライティングの順に、もう1つのクラスはその逆の順番で授業を行う。リーティングでは、英語文書(論文、解説書、成書等)の読解の訓練を行う。単なる英語の勉強に終わるのではなく、科学的内容にも立ち入るつもりである。ライティングでは簡単な科学的文章を書く訓練を行う。課題を予習した結果を発表してもらうことになる。授業時間中はもとより必要に応じてレポートや小テストを課す。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

リーディング:授業前にプリントの該当部分を進度に応じて訳しておくこと。(予習60分)      :授業後に配布される宿題プリントを学習すること。(復習30分)ライティング予習:あらかじめ配布されているプリントをやっておくこと。(予習、復習で90分)

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕授業の際にプリントとして配布する。どちらの授業にも英和、和英の各辞典を用意し、持参すること。〔参考書〕:学術用語集「物理学編」、「化学編」(丸善)   :英英辞典   :「科学英語論文のすべて 第2版」(日本物理学会編 丸善)   :「これを英語で言えますか? 学校で教えてくれない身近な英単語」(講談社)   :そのほか科学英語に関する多くの本が出版されているので参考にしてほしい

【7】 評価方法およびフィードバック

演習科目の位置付けであるので出席は当然である。評価は、リーディング、ライティングのそれぞれにおいて、授業への参加状況(予習結果の発表、小レポート、小テスト)を約50%、期末試験を約50%とした点数化を行い、両者をあわせて100点満点に換算して評価する。小レポートについては授業で取り上げる。試験は希望者には返却する。

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【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

【9】 関連科目

英語A1~A4、B1~B4

〔予め学んでおくとよい科目〕

科学英語B 卒業研究A 卒業研究B

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

授業は2つのクラスにわけて行われる。一方のクラスは前半リーディング、後半ライティングを行い、もう一方のクラスは反対の順序になる。各自しっかり予習して授業にのぞむこと。予習なき出席は出席と認めない。電子辞書を新たに購入する人は、音声機能のあるものを勧める。

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2020 秋学期・水1・3学年・1単位

科 目 科学英語B

(Scientific English B)

北山 哲、田嶋 尚也、大江 純一郎、川椙 義高、鈴木 健士、中嶋 善晶担当教員

コースナンバー:U00-6412

【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・具体的な項目〕

授業の目的:専門分野の英語に慣れ、4年次の卒業研究に必要な英語力を身につけることを目的とする。

(1)十分な知識・技能と、科学的な探究心・思考力・批判力をもつ(2)自ら主体的に学ぶ力をもつ

<教育目標>

関連する分野における概括的な基礎知識・基本技能(1)常に問題を科学的に分析・解釈しようとし、そのための科学的探究を試みる態度(1)コミュニケーション能力・リーダーシップ、外国語を含む文章の読み書き能力(3)

<具体的な項目>

【2】 授業計画

内  容No.

1 文献購読 前半

2    〃

3    〃

4    〃

5    〃

6    〃

7    〃

8 文献購読 後半

9    〃

10    〃

11    〃

12    〃

13    〃

14    〃

15 質疑応答

【3】 到達目標

英語で書かれた文献の内容を正確に把握できるようになる。物理学の専門用語を習得し、使用できる。

【4】 授業概要および授業方法

科学英語Aで学んだことをベースに物理学に関連した文献を読む。10人程度のグループに分かれ、2つのテーマについて各テーマ1人の教員のもとに授業を行う。

【5】 授業外学修(予習・復習)および必要時間

事前に配布された文献をよく読み、わからない単語や表現は調べてくること。記述された物理学の内容を正しく理解することが重要である。その上で、英語の表現に慣れるのが望ましい。毎回1時間の準備学習が必要である。

【6】 教科書・参考書・参考資料

〔教科書〕担当教員が文献のコピーを配布する。各自英和辞典を用意すること。〔参考書〕学術用語集「物理学編」、「化学編」   :和英辞典、英英辞典

【7】 評価方法およびフィードバック

演習科目であるので出席は当然である。1テーマ100点を満点とし、2テーマの平均点で評価する。それぞれの評価の内訳は、授業中の解答(予習してきたものの発表)50%、レポートあるいは小テスト(実施の場合)を50%とする。定期試験は行わない。受け取ったレポートや小テストに関して改善点など講評は授業の中で行う。

【8】 オフィスアワー

物理学科ホームページの http://www.ph.sci.toho-u.ac.jp/curriculum/office_hour/ を参照すること。

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【9】 関連科目

科学英語A物理学科の各科目、英語A1~A4、英語B1~B4

〔予め学んでおくとよい科目〕

卒業研究A

〔この科目に続く内容の科目〕

【10】その他

各自しっかり予習して授業に出席すること。

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