特定行為研修をどう活用するか?068 国際情報のページ 鈴木 恵巨 特集1...

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JNA /日本看護協会 4 日本看護協会 機関誌 Journal of the Japanese Nursing Association 064 「看護がつなぐ地域包括ケアフォーラムin 静岡」が開催 065 平成27年度「地域母子保健の推進」シンポジウム開催 JNA NEWS 032 [総論] 「特定行為に係る看護師の研修制度」概要と制度活用への期待 洪 愛子 038 [報告 1 特定行為研修の実際] 認定看護師教育を基礎に置き、より実践能力を高める特定行為研修 溝上 祐子 042 [報告 2] 大学院における特定行為研修 藤内 美保 046 [提言 1 特定行為研修を活用しよう] 看護管理者として患者も看護師も守れる体制づくりを考えましょう 松本 恵子 049 [提言 2] 制度を有効利用してチームケアの要となる存在に 石神 昌枝 052 [提言 3] 重症化予防や急変時対応のみならず医師と看護師をつなぐ“架け橋”の役割を 甲斐 かつ子 020 会長の手帳 坂本 すが 021 副会長活動ダイジェスト 菊池 令子、大久保 清子、真田 弘美 022 専務理事からのワークリポート 井伊 久美子 024 常任理事のマンスリー通信 洪 愛子、齋藤 訓子、福井 トシ子、中板 育美、川本 利恵子、勝又 浜子 026 TOPICS 平成28年度診療報酬改定の速報 高島 尚子 028 TOPICS 平成28年度 看護関係予算 中野 夕香里 066 都道府県看護協会事業だより 熊本県 竹田 和子 067 看護研修学校の窓から 平成28年度インターネット配信研修[オンデマンド]診療報酬改定がわかる! 追加研修の配信決定! 中西 吉人、清水 明美、渋谷 美香 068 国際情報のページ 鈴木 恵巨 特集 1 チーム医療の中で看護の専門性を発揮するために 特定行為研修をどう活用するか? JNA information 056 平成 28 年度 日本看護協会教育計画 059 第6回「忘れられない看護エピソード」表彰式にご招待!他 061 2016年度 公益社団法人日本看護協会 奨学生募集 063 都道府県看護協会ナースセンター研修・イベント情報 058 第47回(平成28年度)日本看護学会学術集会参加者募集!! 060 2016年 専門看護師審査の日程 他 062 平成 28 年度 全国職能別交流集会 最新プログラムのご案内 APRIL 2016 Volume 68 / Number 5 4

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  • J N A / 日 本 看 護 協 会

    4APRIL 2014

    Volume 66 / Number 5

    日本看護協会機関誌

    Journal of the JapaneseNursing Association

    064■「看護がつなぐ地域包括ケアフォーラムin静岡」が開催065■平成27年度「地域母子保健の推進」シンポジウム開催

    J N A N E W S

    032■[総論]「特定行為に係る看護師の研修制度」概要と制度活用への期待 洪 愛子038■[報告1 特定行為研修の実際]認定看護師教育を基礎に置き、より実践能力を高める特定行為研修 溝上 祐子042■[報告2]大学院における特定行為研修 藤内 美保046■[提言1 特定行為研修を活用しよう]看護管理者として患者も看護師も守れる体制づくりを考えましょう 松本 恵子049■[提言2]制度を有効利用してチームケアの要となる存在に 石神 昌枝052■[提言3]重症化予防や急変時対応のみならず医師と看護師をつなぐ“架け橋”の役割を 甲斐 かつ子

    020■会長の手帳 坂本 すが021■副会長活動ダイジェスト 菊池 令子、大久保 清子、真田 弘美022■専務理事からのワークリポート 井伊 久美子024■常任理事のマンスリー通信 洪 愛子、齋藤 訓子、福井 トシ子、中板 育美、川本 利恵子、勝又 浜子 026■TOPICS平成28年度診療報酬改定の速報 高島 尚子028■TOPICS平成28年度 看護関係予算 中野 夕香里066■都道府県看護協会事業だより熊本県 竹田 和子067 ■看護研修学校の窓から平成28年度インターネット配信研修[オンデマンド]診療報酬改定がわかる! 追加研修の配信決定! 中西 吉人、清水 明美、渋谷 美香068■国際情報のページ 鈴木 恵巨

    特集 1 チーム医療の中で看護の専門性を発揮するために

    特定行為研修をどう活用するか?

    J N A i n f o r m a t i o n

    056■平成28年度 日本看護協会教育計画059■第6回「忘れられない看護エピソード」表彰式にご招待!他061■2016年度 公益社団法人日本看護協会奨学生募集063■都道府県看護協会ナースセンター研修・イベント情報

    058■第47回(平成28年度)日本看護学会学術集会参加者募集!!060■2016年 専門看護師審査の日程 他062■平成28年度全国職能別交流集会 最新プログラムのご案内

    APRIL 2016Volume 68 / Number 5

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  • 特集 2

    074●[メッセージ1]看護管理者としての感性はいつでも、どこでも磨ける 高橋 素子076●[メッセージ2]「こんな看護師になりたい」と思い描けるロールモデルに 依本 正恵079●[メッセージ3]新しいことにチャレンジする機会を自ら得る努力を 林 真樹081●[メッセージ4]理想の看護を実現するために恐れずに権限を行使しよう 別府 千恵084●[メッセージ5]「われこそは看護管理者」と言えるような自信とビジョン、意欲を持って

    本間 美知子

    2025年を支える看護職へのメッセージ

    初めて管理職になるあなたへ

    連載 コラム

    102,103 ●Information

    104 ●日本訪問看護財団からの お知らせ

    109●「看護」FAXご注文票

    110 ●読者FAXシート

    111 ●今月のおすすめBOOKS+

    112●次号予告/編集後記

    特別寄稿

    088●近畿地区看護協会の連携による災害支援ナース派遣と受け入れに関 する実態調査 その2

    ―災害支援ナースの派遣・受け入れに関する看護管理者の認識に焦点を当てて 西上 あゆみ、神崎 初美、堀内 淑子、寺師 榮、

    黒田 美也子、朝熊 裕美、中野 則子、小田 美紀子、中島 すま子、三上 房枝、西田 豊美

    S P E C I A L B O O K G U I D E

    070●少子超高齢社会の「幸福」と「正義」倫理的に考える「医療の論点」

    N E W S F L A S H

    087●日本看護系大学協議会40周年記念行事 “JANPU40年の歩み、そして未来へ”開催102●聖路加国際大学創立記念式典開催

    003●GRAPH 1人ひとりが自ら考え動く“フォロワーシップ”を意識化し 現場に還元 東京都済生会中央病院(東京都港区)006 ●かお ジュディス・シャミアンさん 看護師の親が死亡し、孤児となったアフリカの少女たちを支援する 国際看護師協会(ICN)会長

    069 ●WHONEWS 兵庫県立大学地域ケア開発研究所・WHO 看護協力センター

    093●看護管理者が元気になる! 看護と人事の協働で実現するWLB 有給休暇が集中しかねない2月・3月を“当たり前”の感覚で乗り切る! 竹中 君夫

    096●みっちゃんの気になる“ことのは”(13) 「中庸」という“美徳” 中島 美津子

    098●医療行政なるほど塾 療養病床の転換先に新類型3案 厚労省の検討会が整理 「社会保険旬報」編集部

    100●このひと月 大日方 公男

    ワーク・ライフ・バランス

    「医療安全 TOPICS」は都合により休載します。

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    本誌『看護』2014年 1 月号から、日本看護協会ホームページ内の「会員ダイレクト」で協会の重点政策・事業を取り上げる「特集1」や連載「TOPICS」など一部のページが見られるようになりました。閲覧するためには、日本看護協会ホームページのトップページにある会員ログインボタンをクリックし、「会員ダイレクト」に登録してください。

  • 特集

    チーム医療の中で看護の専門性を発揮するために

    特定行為研修をどう活用するか?

     2015年10月に「特定行為に係る看護師の研

    修制度」が創設されて研修がスタート。今後、

    同制度に基づいた研修修了者が活動を始めます。

     総論では、日本看護協会の洪愛子常任理事が、

    少子超高齢社会における国民のニーズに応える

    ため同制度が不可欠なものであることを説明。

    指定教育機関を代表して日本看護協会看護研修

    学校と大分県立看護科学大学には、それぞれの

    研修の概要をご紹介いただき、厚生労働省の試

    行事業に参加してきた病院等からは、これから

    研修に看護師を派遣する看護管理者に向けて、

    制度をどう活用すべきかをご提言いただきます。

  • チーム医療の中で看護の専門性を発揮するために特定行為研修をどう活用するか?

    特集 1

    046 看護 2016. 4

    看護管理者として患者も看護師も守れる体制づくりを考えましょう

    提言 1 特定行為研修を活用しよう

    JA埼玉県厚生連 熊谷総合病院 上席専門員前看護部長/認定看護管理者

    松本 恵子

     JA埼玉県厚生連熊谷総合病院では、看護管理者

    と看護師が相談しつつ、特定行為を行う看護師の役

    割を模索し、院内に周知、活動の仕方などを決めて

    いきました。患者も看護師も守れる体制づくりのた

    めに、何が大切なのかを述べていただきます。

    なぜ特定行為研修を受けた看護師が必要なのか

    1. 当院が抱える医師不足の問題 埼玉県の医師数は人口10万人当たりでは全国で

    最下位です。その中でも、JA埼玉県厚生連熊谷総

    合病院(以下:当院)のある北部保健医療圏は、県

    平均を下回る深刻な医師不足の現状があります。地

    域密着型病院である当院は、3割弱が内科の患者で

    す。内科外来は高齢の生活習慣病患者で慢性的に混

    雑しています。非常勤医師にも頼っていますが、補

    いきれていません。

    2. 必要とされた糖尿病分野での活動 当院において、厚生労働省の業務試行事業対象看

    護師として特定行為を行ってきた看護師は、事業開

    始前、外来を担当する中で、糖尿病患者にとって不

    利益な状況が生じていると感じていました。

     当院は週4回の糖尿病外来が非常勤医師のみで構

    成されているため、教育入院が必要と考えられても

    判断を躊躇する場合がありました。また、外科系の

    手術患者の中にも糖尿病患者がいますが、リアルタ

    イムな対応ができず、血糖コントロールのために入

    院期間が長期化することもありました。

    パイオニアとしての苦労

     当該看護師は2009年から大学院で厚生労働省の

    「養成調査試行事業」に参加し、卒業後は「業務試行

    事業」の中で活動。院内での当該看護師の呼称は

    「ナースプラクティショナー(以下:NP)」から「特

    定看護師(仮称)」へ変わり、「特定行為に係る看護

    師の研修制度」が創設された時点では研修を受けた

    看護師を指す名称がなくなっていました。

     納得いかないこともありましたが、現実を受け止

    め活動を継続しました。

    1. 理解ある医師とともに院内活動を開始 業務試行事業1年目は特に、一部のプロフェッ

    ショナル意識の高い医師の中に抵抗感がありました。

  • 提言1 特定行為研修を活用しよう看護管理者として患者も看護師も守れる体制づくりを考えましょう

    Vol. 68 No. 5 047

    当該看護師は、大学院(養成調査試行事業)のとき

    から理解を示して指導医としてかかわってくれた非

    常勤の糖尿病専門医とともに糖尿病外来から活動を

    始めました。

    2. 医師との連携で活動範囲を拡大 現在、当該看護師は指導医だけでなく他の医師と

    も分担、連携することにより、糖尿病外来患者、内

    科入院患者、外科系の術前・術後の血糖コントロー

    ルまで任せてもらえるようになりました。

    相談しながら役割を模索

    1. 大学院修了後の役割を考える 2008年ごろ、各地の大学院でNP教育が始まっ

    ており、当該看護師が教育課程を修了するころには

    NPが資格として制度化され、必然的に役割が決ま

    ると考えていたため、修了後についての具体的な計

    画は進めていませんでした。

     しかし、当該看護師の在学中に講義・演習、

    OSCEを含む試験など難しい内容で苦戦している

    ことや、他の大学院生・他施設の状況を聞きながら、

    大学院修了後の具体的な役割についても徐々に考え

    ていきました。

    2. 医師のとまどいへの対応 大学院2年目は疾病管理実習を当院で実施。教員

    から院長・診療部長・指導医(2人)へ説明があった

    ものの、開始してみると看護師が研修医のように学

    ぶことに対して医師の混乱がありました。

     予想していたような実習にならず、看護管理者と

    して焦りを感じましたが、医師への協力依頼と当該

    看護師を励ますことしかできませんでした。しかし、

    他の医療従事者からの反応は好意的で安堵しました。

    3. 院内での活動の仕方についてこまめに相談 業務試行事業開始後は、所属を看護部とし、活動

    状況の報告・連絡・相談に留まらず、給与・手当・

    名称・その他についても他施設の情報を聞きながら

    当該看護師と相談しました。

    受け入れの準備

     当院では事前準備が不十分で、当該看護師はハー

    ドな状況に耐えてきたと思います。ここでは、自身

    の反省も踏まえて、特定行為研修を受けた看護師の

    受け入れに関する留意点を述べたいと思います。

    1. 研修へ派遣する前に 優秀な看護管理者は、経験から人を見る目が養わ

    れています。研修に派遣する看護師のコミュニケー

    ション能力の高さは必須です。研修を希望している

    看護師が、キャリアアップや資格取得だけを目的に

    しているようであれば考え直したほうがよいと思い

    ます。また、医師の意見も聞いておくと、実際に活

    動する際の体制づくりに役立つと思います。

    2. 役割説明で活動周知 当該看護師が大学院に入学した2009年当時、当

    院には認定看護師も在籍しておらずNPの役割は誰

    にも想像できませんでした。“優秀な看護師”という

    期待があるのみで、埼玉県厚生連本所(本部)院内

    幹部、看護部への説明も漠然としたものでした。そ

    のような中でも、業務試行事業は病院全体でかかわ

    り、院長・診療部長・指導医に協力していただきま

    した。院内幹部会議の中でも診療部長に業務試行事

    業について発言していただきました。

     業務試行事業開始時は、当該看護師が直接各診療

    部長に自己紹介を兼ねて勉強してきたことを報告。

    看護部では、新人看護師や院内研修などで、その役

    割について説明しています。

     しかし、なかなか理解は進まず、「このような活動

    をするとは聞いてない」とまで言われ苦慮しました。

  • 112 看護 2016. 4

    編 集 後 記

    日本看護協会 機関誌 Vol. 68 No. 5 April 2016

    2016

    4

    発行・発売: 2016年3月20日

    発 行 所:(株)日本看護協会出版会

    東京都渋谷区神宮前5 - 8 - 2 日本看護協会ビル4階

    Tel.0436 - 23 - 3271(コールセンター:ご注文)

    振替00190 - 8 -168557

    東京都文京区関口2- 3 -1

    Tel.03 - 5319- 8017(編集直通)

    発 行 人: 井部俊子

    編 集 長: 濵田拓男

    編 集 者: 米丸未央子・工藤菜乃・遊佐なつみ・古川美穂子

    編集委員: 井伊久美子・和田幸恵・長田晋一・伊藤雄介(日本看護協会)

    D T P : 今村陽子・長谷川栄

    表紙イラスト: 平岡瞳

    本文イラスト: しおたまこ

    表紙デザイン: 新井田清輝

    本文デザイン: 手塚久美子(móno)・新井田清輝

    印   刷: 三報社印刷株式会社

    定   価: 本体1,400円+税

    ●今月から看護編集部に配属になりました。看護の分野は初めてなのですが、取材先でお会いした方や、お原稿そのものから、ポジティブなエネルギーやパワフルさをひしひし感じています。私も前向きにたくさん吸収&勉強させていただきながら、役立つ情報をつくっていけたらと思っております! よろしくお願いいたします。(遊佐)

    ●グラフ取材のため東京都済生会中央病院に伺い、お忙しい看護部の皆さまに対応いただきました。業務中ということで、マスクをかけたままのインタビューもあったのですが、わずかな隙間から見える“目”が“表情”が、きらきらと輝いていました。素敵な上司や同僚に囲まれ、日々充実していることが如実に伝わってきました。(工藤)

    ●今月の「かお」欄でご紹介した国際看護師協会のシャミアン会長。世界を飛び回る立場とはいえ「1カ月に2度の来日!」と驚きました。ちなみに、この記事の翻訳・執筆をした方は、小社を退職後に渡米したとか。私の活動範囲は国内専門(?)ですが、少しは皆さんを見習ってフットワークを軽くしていきたいと思います。 (米丸)

    ●3月臨時増刊号では昨年開催された「日本看護サミット2015」を丸ごと載録しました。看護労働政策に関するこれまでの取り組みをまとめ、現在の状況を多数の資料と現場の報告から明らかにしています。勤務場所や立場にかかわらず、すべての看護職がこの問題について考える上での大切な資料になると思います。 (濵田)

    次 号 予 告

    5月号

    ※予告内容は変更になる場合があります。

    特集 1

    平成28年度診療報酬改定 解説 本体プラス0.49%、全体ではマイナス1.03%となった平成28年度の診療報酬改定。特集では、今改定のねらいと全体像をまとめ、看護にかかわる主な改定事項のポイントの解説と、今後、看護の現場はどう変わるのかなどの課題・展望を紹介します。

    承認と支援がキーワード

    看護職が育つ働きがいのある職場 さまざまなスキルや背景を持つ看護職が活躍している昨今。看護管理者には、多様なキャリアを認めながら看護職を育てることが求められています。特集2では承認と支援をキーワードに看護職を育てている病院を紹介し、看護職が育つ働きがいのある職場づくりを考えます。

    特集 2

    3月臨時増刊号

    好評発売中

     看護労働政策を振り返り、2025年に向けて日本看護協会、都道府県看護協会、行政、自治体、職場・看護管理者などがどのような方針を持ち取り組むべきかを提言した「日本看護サミット2015」の載録号です。

    日本看護サミット2015 載録号少子超高齢社会における看護政策――看護労働政策に関する検証と提言

    総特集

    4月20日発行・発売