株式会社ダイナックス...整備、国内外seo対策を実施しました。展示会出展に合せて顧客訪問も実施し、信頼関係の構...

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株式会社ダイナックス 代表者:代表取締役社長 福村 景範 住所:北海道千歳市上長都1053-1 電話:0123-24-3247 URLhttp://www.dynax-j.com/dnx/ja/index/ 設立:1973従業員数:1,017採用:中途採用を通年で実施、定期採用は新卒者対象に実施(採用数未定) GNTとなっている製品・サービスとその内容・強みの理由 同社は、自動車のオートマチック変速機の構成部品である、パック・アッセンブリ、ディスクアッ センブリー、メーティング・プレート等を製造しています。 同社の製品には、同社が日本企業として初めて実用化した湿式摩擦材を使用したディスクが 用いられており、これが同社のコア技術となっています。同社は、紙素材による摩擦材の開発に 成功し、同社の製品を搭載したトヨタセルシオ(米国ではレクサスLSとして発売)が、米国フォード の目にとまったことが大きな転機となり、海外との取引が拡大しました。現在は、米国・中国・メキ シコ・タイに製造拠点を開設し、世界市場シェアは4割を超えています。 メーカーや車種によって変速機に要求される性能・規格が様々であることから、同社では、プロ ジェクトごとに営業・開発・設計・試 作の担当者を決め、顧客との協議 の中で製品開発を進めています。 開発プロセスにおいては、製品情 報・技術情報等を社内規程に基づき 厳重に管理するほか、製造装置の 内製化などにより、設計面・製造面 で他社が真似できないような措置を講じています。 ( ) GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、1973年、日本の自動車部品メーカーと米国の摩擦材メーカーとの合弁企業としてスタ ートしました。当時は、自社単独開発の製品はなく、摩擦材も米国からの輸入に頼っていました。 しかし、合弁相手の摩擦材の品質では、小型化する日本車用ミッションの需要に対応ができなく なり、ライバル企業に顧客を奪われる事態に陥りました。このことをきっかけに、同社では摩擦材 の自社開発に方向転換し、数々の試行錯誤の結果、1980年代には「紙」による摩擦材の開発に 成功。1989年には米国との合弁関係も解消し、自立化に踏み出しました。米国からの輸入摩擦 材は「アスベスト」を使用していたことから、同社のペーパー摩擦材開発の成功は、性能面のほ か、環境面でも従来製品を凌駕するもので、その後の同社の大飛躍と、オートマチック車の性能 向上に大きく貢献するものとなりました。 同社のグローバル展開は、既に1980年代から始まっていましたが、同社製品を搭載したトヨタ セルシオ(米国ではレクサスLSとして発売)が、米国フォードの目にとまったことが大きな転機とな り、海外との取引が拡大しました。現在は、米国・中国・メキシコ・タイに製造拠点を開設し、世界 市場シェアは4割を超えています。 パック・アッセンブリ クラッチディスク

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Page 1: 株式会社ダイナックス...整備、国内外SEO対策を実施しました。展示会出展に合せて顧客訪問も実施し、信頼関係の構 築も図りました。

株式会社ダイナックス

代表者:代表取締役社長 福村 景範 住所:北海道千歳市上長都1053-1

電話:0123-24-3247 URL:http://www.dynax-j.com/dnx/ja/index/

設立:1973年 従業員数:1,017名

採用:中途採用を通年で実施、定期採用は新卒者対象に実施(採用数未定)

GNTとなっている製品・サービスとその内容・強みの理由

同社は、自動車のオートマチック変速機の構成部品である、パック・アッセンブリ、ディスクアッ

センブリー、メーティング・プレート等を製造しています。

同社の製品には、同社が日本企業として初めて実用化した湿式摩擦材を使用したディスクが

用いられており、これが同社のコア技術となっています。同社は、紙素材による摩擦材の開発に

成功し、同社の製品を搭載したトヨタセルシオ(米国ではレクサスLSとして発売)が、米国フォード

の目にとまったことが大きな転機となり、海外との取引が拡大しました。現在は、米国・中国・メキ

シコ・タイに製造拠点を開設し、世界市場シェアは4割を超えています。

メーカーや車種によって変速機に要求される性能・規格が様々であることから、同社では、プロ

ジェクトごとに営業・開発・設計・試

作の担当者を決め、顧客との協議

の中で製品開発を進めています。

開発プロセスにおいては、製品情

報・技術情報等を社内規程に基づき

厳重に管理するほか、製造装置の

内製化などにより、設計面・製造面

で他社が真似できないような措置を講じています。

脱アスベスト、紙素材の国産摩擦材の開発でAT車クラッチディスクに革新

(

弛まぬ技術開発で、様々な変速機に対応する製品を供給)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1973年、日本の自動車部品メーカーと米国の摩擦材メーカーとの合弁企業としてスタ

ートしました。当時は、自社単独開発の製品はなく、摩擦材も米国からの輸入に頼っていました。

しかし、合弁相手の摩擦材の品質では、小型化する日本車用ミッションの需要に対応ができなく

なり、ライバル企業に顧客を奪われる事態に陥りました。このことをきっかけに、同社では摩擦材

の自社開発に方向転換し、数々の試行錯誤の結果、1980年代には「紙」による摩擦材の開発に

成功。1989年には米国との合弁関係も解消し、自立化に踏み出しました。米国からの輸入摩擦

材は「アスベスト」を使用していたことから、同社のペーパー摩擦材開発の成功は、性能面のほ

か、環境面でも従来製品を凌駕するもので、その後の同社の大飛躍と、オートマチック車の性能

向上に大きく貢献するものとなりました。

同社のグローバル展開は、既に1980年代から始まっていましたが、同社製品を搭載したトヨタ

セルシオ(米国ではレクサスLSとして発売)が、米国フォードの目にとまったことが大きな転機とな

り、海外との取引が拡大しました。現在は、米国・中国・メキシコ・タイに製造拠点を開設し、世界

市場シェアは4割を超えています。

パック・アッセンブリ クラッチディスク

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株式会社東和電機製作所

代表者:代表取締役社長 浜出 雄一 住所:北海道函館市吉川町6-29

電話:0138-41-4410 URL:http://www.towa-denki.co.jp/

設立:1963年 従業員数:51名

採用:不定期(採用随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容・強みの理由

同社は、漁船上において使用される全自動イカ釣り機を製造、販売しており、世界市場シェア

は約7割を占めています。

同製品は、船上に設置された多数(最大64台)のイカ釣機をブリッジにいる船頭一人でコントロ

ールできるほか、ワイヤの巻き上げを行う「ドラム」の回転を制御することで、熟練の漁師が獲物

を引きつけるために行う独特の動き(シャクリ)を再現しています。

また、ワイヤのたるみによる釣り逃し・

獲物の毀損(足切れ)を防ぐための揺動

補正、複数のイカ釣機の針の巻き上げタ

イミングの調整などの機能を実現していま

す。

これらにより、漁船員の負担の軽減を図

るとともに、効率的な漁獲を可能にしてい

ます。

コンピュータ制御の全自動イカ釣り機

(船上に設置されるイカ釣り機のブリッジからの一元コントロールや、イカ漁の現場の要

望に応える様々な機能が評価され、世界トップシェアの座を獲得)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1963年、函館ドックの下請工場として創業し、船舶の配電盤、分電盤などを製造してい

ました。

イカ釣り漁師が「糸が絡んで仕方が無い」と困っていることを先代社長が知り、開発した「手巻き

式」のイカ釣り機械が大当たりとなり、1970年には全自動イカ釣機を発売しました。

イカ釣漁が盛んだった当時は、40社近くの競合他社があり、トップシェアの地位をライバル企業

に奪われた時代もありましたが、「アルゼンチンからの呼び出しにも即座に函館から飛んでいく」と

いう徹底的なアフターサービス重視の姿勢と、開発部隊を実際の漁に同行させながら、製品の不

具合・改良を重ねるという現場主義を積み重ねたこと、さらに、「メンテナンスフリー」を目指して、

耐久性の高い、壊れにくい製品の開発を行うことを通じて、多くの顧客の信頼を勝ち取っていきま

した。

1984年、世界初のコンピュータ式イカ釣機発売以降は、世界シェアNo1の地位を奪還し、国内

はもとより、アジア、南米など世界中の海で活躍しています。

全自動イカ釣り機

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株式会社ティ・ディ・シー

代表者:代表取締役 赤羽 亮哉 住所:宮城県宮城郡利府町飯土井字長者前24-15

電話:022-356-3131 URL:http://mirror-polish.com

設立:1989年 従業員数:54名

採用:2014年4月:3名採用、2015年4月:若干名採用予定

GNTとなっている製品・サービスとその内容・強みの理由

同社は、「超精密鏡面加工」、そしてこの技術から派生した超精密領域での各種加工を主力

に、各分野の先端技術に関わる企業です。同社では、鏡面研磨技術の超精密化により、各種

の要素において高精度なものづくりを可能としました。同社の技術は、金属、セラミックス、ガラ

ス、半導体、新素材などあらゆる材質に対応でき、これらの加工精度は他社の追随を許してお

らず、国内外を問わずオンリーワンといえます。

-面粗さ(例:ステンレスRa1nm)-平面度・平行度(φ50mmの領域で30nm以下)-寸法管理(厚み

や長さの寸法公差±100nm)-角度管理(±3秒)-真球製作(真球度は50nm)

同社は、高い加工技術ときめ

細かい顧客対応により、国内外

の顧客から技術開発パートナー

として位置づけられ、信頼関係を

構築し、継続受注を獲得してい

ます。

また、海外マーケティングの強

化により、他国では実現不可能

な加工について、先進各国から

の受注を獲得しています。

あらゆる材質に、Ra1

nm

オーダーの面粗さ、究極の平面度、平行度、寸法・角度精度、真球

度が実現できる超精密鏡面加工でオンリーワン

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は1989年設立。独自の技術革新と営業活動を重ね超精密領域、多品種少量対応の独

自のマーケット開発を行い、国内ニッチトップとしての地位を確立しました。

しかし、リーマンショック、円高、産業空洞化と言った昨今の経済変動は同社の経営にも多大

な影響をもたらし、マーケットを国内に限定することには限界を痛感することとなりました。

そこで、海外市場を積極的に開拓するために、2008年から海外マーケティング強化を開始し

ました。具体的には、海外展示会への出展、海外専門誌への広告掲載、英文ホームページの

整備、国内外SEO対策を実施しました。展示会出展に合せて顧客訪問も実施し、信頼関係の構

築も図りました。

この取り組みにより、他国で実現できない超精密領域での加工案件の受注を獲得しました。

世界中の先端加工案件を受注し、取り組むことが、同社の更なる技術レベル向上に繋がり、継

続的なグローバルレベルでのオンリーワン技術・市場創造を可能にしています。

精密加工技術で先端産業に貢献するという企業ミッションを掲げ、「できないと言わない」とい

う行動指針のもとに粘り強くイノベーティブなものづくりに取り組んでいます。

世界初Ra2ナノ以下の長尺

金属箔精密鏡面技術を確立

Ra1ナノ前後の世界初の大面積ロール形状への超精密鏡面加工。金属、セラミックス、ガラスに対応

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当社のビジネスモデル

高分子材料分析システム

のハードウェア開発・製造

(熱分解装置を中心)

国内外の産学官連携

による基礎・応用研究

自社開発のハードウェアを

用いた解析ソフトウェアや

データベース開発

産 学

独自の営業は持たず、

国内外の販売代理店を通して、

世界中の顧客へ販売

1st ステップ 2nd ステップ 3rd ステップ

フロンティア・ラボ株式会社

代表者:代表取締役社長 渡辺 忠一 住所:福島県郡山市菜根1-8-14

電話:024-935-5100 URL:http://www.frontier-lab.com/jp/index.html

設立:1991年 従業員数:34名

採用:2015年度新卒者採用予定

GNTとなっている製品・サービスとその内容・強みの理由

同社は、ガスクロマトグラフで使用される、試料の前処理装置である熱分解装置とその周辺機

器ならびに金属キャピラリーカラムで構成される高分子材料分析システムを産学協同により開発

して、自社ブランドで全世界に販売する研究開発型企業です。

高分子材料分析システムは、

熱分解装置と分析結果の情報を

迅速かつ正確に解析する検索シ

ステムとデータベースで構成さ

れ、高分子材料・自動車・家庭電

気製品などの研究開発や生産現

場における品質管理はもとより、

資源・環境科学や鑑識などの広

範囲な分野で利用されていま

す。世界市場シェアは4割です。

同社の強みは、産学共同による基礎・応用研究を通じて、学術的に裏打ちされた技術をもとに

開発と改良を重ねてきたことです。熱分解装置は、その高いデータの再現性に評価を得て、主と

してGC/MSとの組み合わせで活用されています。

多機能型熱分解装置を利用する高分子材料分析システムを開発

(分析処理能力や信頼性を大幅に向上。素材の熱分解により発生したガスを解析し、材料の組

成を迅速かつ正確に同定)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1991年に創業しました。その当時は、同社の知名度、製品の認知度が低く、マーケテ

ィング活動は容易ではありませんでした。また、海外ビジネスについては、文化、商習慣の異なる

現地関係者とのコミュニケーションがうまく取れず、下記の同社方針の徹底に腐心しました。

独自の営業部門を持たない同社の唯一の営業活動は、国内外の主要な学会における研究成

果の発表や専門誌への論文投稿を積極的に行うことであり、それを通じて、ユーザー側への認

知を広める努力を地道に継続して行ってきました。合わせて各地域の公の機関、研究所への導

入を積極的に進め、ユーザーが営業マンとなる波及効果を誘導する戦略を重視しました。また、

全世界にGC/MSを供給している大手分析機器メーカー各社又はそれらの現地代理店と販売契

約を交わすこと

で、独自の営業

部門を持たずに

世界展開を可能

にするビジネス

モデルを展開し

てきました。

熱分解装置マルチショット・パイロライザーと島津製作所社製 GC との組み合わせ

自動熱分解装置Agilent社製 GCMS との組み合わせ

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株式会社冨士製作所

代表者:代表取締役社長 櫻澤 誠 住所:群馬県藤岡市篠塚15

電話:0274-22-2147 URL:http://www.fuji-mfg.jp

設立:1946年 従業員数:90名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、即席麺製造を原料の加工から包装まで一貫して行う「即席麺一貫製造ライン」(包

装の一部工程を除く)を開発しました。同社は、同製品の据付・メンテナンス・改造・修理、同製

品で製造する製品(即席麺)の製法等のソフトの開発・提案・提供、顧客の要請又は自社案に

よる新製品(即席麺等)の試作まで行っています。

同社の強みは、上流〜下流の一貫した工程の機器を製造できること、複数ある即席麺の製

法の全てに対応する機器を製造できること、及び製法等のソフトの提案・提供が可能なこと

等、即席麺製造ラインを総合的に提案・供給できる点です。また、顧客毎・案件毎の細かい仕

様への対応、急な修理・改造への対応等、きめ細かな対応ができる点も強みとなっており、国

内のほとんどの即席麺メーカーが同社のユーザーとなっています。1970年からは海外への販

売も手掛けており、同

製品は世界市場シェア

4割を有しています。

同社は開発力・開発

意欲・技術的柔軟性に

優れ、即席麺製造ライ

ン以外の省人・省力化

機器の開発・製造にも

実績を有する他、様々

な課題にチャレンジを続けています。

即席麺一貫製造ラインを開発、積極的な海外展開により事実上の世界標準化

(きめ細かな顧客対応により国内でオンリーワン企業としての地位を確立)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

輸出を始めた事により、業績も伸びましたが、現地の事情や言葉の問題等もあり、これまで

に様々なトラブルもありました。アジア通貨危機の際には大口のキャンセルが発生し代金回収

の問題にも直面しました。

また、ユーザーによって使用する原料や生産現場の環境も異なりますが、機器の出荷前に

は原料の入手や機械の大きさの問題でテストを行う事ができないため、現地で調整・テストを

行う必要があります。場合によっては想定外の問題が発生することもあり、例えば、据付・立ち

上げに行った技術者が、客先が用意したユティリティ(電気・蒸気・水等)の質による問題の発

生や、客先の使用する原料が聞いていたものと違い、契約の生産能力が出せない事等で長期

間帰国できない事もありました。この様に、主には技術的な問題ですが、様々な困難・トラブル

にも遭遇しました。その都度個別に、ひたすら状況に応じた対応を行なうことで、困難を切り抜

けてきました。元々、会社の風土として技術的な考え方に柔軟性がある事も、問題解決の一助

になっていると考えられます。

即席麺プラント

即席麺一貫製造ライン

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日特エンジニアリング株式会社

代表者:代表取締役 近藤 進茂 住所:埼玉県さいたま市南区白幡5-11-20

電話:048-837-2011 URL:http://www.nittoku.co.jp

設立:1972 年 従業員数:557 名

採用: 2015 年 4 月新卒 15 名のほか中途採用 5 名(随時)を予定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

電気を利用するあらゆる商品に不可欠なコイルは、電子部品、自動車、家電、産業機器あ

るいは各種モーターなど様々なセグメントで高性能、高効率化、微細化、省電力化のニーズが

高まっています。このため、独自の制御技術を備えた自動巻線機による高占積率、高品質、高

速化などが生産設備に要求されるようになりました。最近は巻線工程以外でも自動機導入が

進んでいます。コイルは、商品、部品ごとに形状や要求特性が異なるため一品一様で、それを

生産する設備はオンリーワンのものが求められます。そのため、自動巻線機は顧客に合わせ

て製造するしかなく、これらの設計、組立には匠の技が必要であり、研究開発、ノウハウの蓄

積、技術伝承が強みとなります。また、海外の顧客に対応するため、現地人を採用し、数年間

日本国内の工場、営業部門を経験させて送り出しています。中国、台湾、韓国、シンガポー

ル、ベトナム、インド、ドイツ、チェコなどで営業・サービス拠点を設け、現地化を進めてきまし

た。

さらに、ニッチであるが故に、狭い

領域の顧客に同社の業績が左右さ

れないよう、幅広いドメインの顧客と

取引をするために、特に競合他社

では「できない」と言われた案件でも

積極的に受注し、試行錯誤を繰り

返し要素技術を習得して、顧客要

求に幅広く対応して受注し、業績の

安定を図ってきました。同製品は世

界市場シェア4割を有しています。

自動巻線機及び周辺自動化装置を開発製造

(コイルは商品、部品ごとに形状や要求特性が異なり、競合他社ではできない設計、製造技術

を蓄積し高いシェアを獲得)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

25年ほど前から顧客の海外進出が加速し、自動巻線機の輸出も増加を始めました。その頃

から、電子機器・端末や自動車、家電など最終製品の高度化ニーズも増え、コイルやモーター

の高性能化、高効率化、小型化などが高度化のキーとなって、顧客間での製品開発競争が激

しくなり、同社には、信頼関係のあるメーカーから生産技術も含めての相談が来るようになりま

した。

同社は、顧客の単なる設備ではなく、顧客の製品がグローバルトップになるコイルやモータ

ーを研究し、その成果を製造するためのオンリーワンの設備を作るというパートナーシップを大

手2~3社と築く戦略を採りました。そのために、時には原価率が高くなることも承知で難度の

高い制御の開発、「巻く」を柱とした様々な要素技術の開発を行い、多種多彩なメカトロニクス

の構築に結びつけて、勝てる設備を創造するメーカーへの道を選択しました。

近年では前後工程を取り込んでライン化設備の提供を増やし、差別化を強化しています。ま

た、開発はすべて国内で行って情報流出を防ぐ一方、海外生産は、製品の差別化や競争力強

化によって売上高の5%前後に止め、技術流出を防いでいます。

また、世界で生産拠点のボーダーレス化が進む中、納品した設備のサポートは上述のよう

に現地採用、日本での育成、現地着任しての対応を中心にして行うこととし、そのほか海外採

用者を別の国に配置するなどの「人づくり」も進めました。これら海外拠点の存在は、顧客に安

定した生産活動を保障するほか、情報収集や情報発信基地としての役割も持たせ、顧客の海

外工場の生産技術の代行までを担えるエンジニアリング企業となることができました。

(例)Agilent社製GCと 熱分解装置の組み合わせ

CNC マルチスピンドル 巻線機

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ポーライト株式会社

代表者:代表取締役社長 菊池 眞紀 住所:埼玉県さいたま市北区日進町2-121

電話:048-653-2222 URL:http://www.porite.co.jp/

設立:1952年 従業員数:424名

採用: 新卒採用人数5名、募集期間:4月~3月 / 中途採用人数5名、募集期間:随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

焼結含油軸受は、各種モータの軸受に使用されており、静音性、長寿命、低コスト等の特徴

を持った総合的なコストパフォーマンスに優れた製品です。

同社は、次のトップシェア製品を有しています。

①ブラシレスDCファン用含油軸受は、パーソナルコンピューター等の冷却用ファンに使用され

ています。小型化、静音性、長寿命など顧客の改良要求に

素早く対応することで優位性を有しており、世界市場シェア3

割強を獲得しています。

②光ディスクスピンドルモータ用は、CD、DVD、BD等の光ディ

スクを回転させるためのスピンドルモータに使用されていま

す。同社の特許技術である軸受の中逃げ形状化により高精

度化、省エネ性を実現、世界市場シェア9割強を獲得してい

ます。

③HV車バッテリー冷却ファン用

は、ハイブリッド車メインバッ

テリーを冷却するためのファ

ンモータに使用されますが、

開発課題であった静音性、長

寿命、低価格を実現し、競合

他社に先駆けいち早く商品化しました。ファンのボールベアリング仕様を含む国内生産全体

の7割のシェアを、また、焼結含油軸受仕様におけるシェアは100%を獲得しています。

ニーズの先取り、カスタマイズ設計、独自ノウハウによるスピード感のある開発によって焼結

含油軸受で高い世界シェアを獲得

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

ユーザーからのニーズとして、常に省エネ化、長寿命化、小型化、静音化等が求められてお

り、特に自動車向け製品については、広範囲の使用環境温度での信頼性が求められていまし

た。

これらの要求事項への課題対応として、材料、含浸油に関しては、各供給メーカーと共同開

発を行い、使用用途に合わせた製品の開発を継続的に行っています。また同社から納入先に

対して、軸受部分だけでなく同社特許技術を用いたモータ構造を含めた提案を行うことにより、

課題解決が可能となりました。

ユーザーからの要求や課題に対しては、材料、含浸油、形状などの組み合わせを使用用途

に合わせて最適化したことで、高精度化、低摩擦係数化等を達成し、信頼性が高く、消費電力

が少ない製品を実現することができました。

ブラシレスDCファン用

HV車バッテリー冷却ファン用

光ディスクスピンドルモータ用

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どら焼機による製品例

株式会社マスダック

代表者:代表取締役社長 増田 文治

住所:埼玉県所沢市小手指元町1-27-20

電話:04-2948-0161 URL:http://www.masdac.co.jp/

設立:1957年 従業員数:259名

採用:新卒採用予定人数5名(職種:技術系)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

主力製品のひとつどら焼機は1959年開発のロングセラーで国内で圧倒的なシェアを有して

います。顧客の生産現場や生産量に応じて選定できるよう、幅広くラインアップしています。

本格的な海外展開は

2002年のユーロパン(フ

ランス)の出展からで

す。日本のどら焼をチョ

コレートクリームをはさ

んだパンケーキにアレ

ンジしたことで、海外に

受け入れられ、2003iba

展(ドイツ)の出展によ

り、「サンドイッチパンケーキマシーン」という名称で認知され、現在では欧州、ロシア、中東、北

米、中米、アフリカに販売が広がっています。

どら焼機、オーブン、充填成型機など製菓製パン機械メーカーとして世界に進出。世界各

国の現地事情に合わせた機能の機械を製造

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は 1957 年の創立以来、さまざまな製パン製菓機械を開発・製造し、和洋菓子業界の発

展とともに成長してきました。

今ではどら焼機は、「サンドイッチパンケーキマシーン」として、海外市場に認知されてきてい

ますが、その過程においては、市場開拓という課題がありました。「日本の伝統であるどら焼

を、欧米の人達に食べてもらうためにはどうしたらいいのか」そして、「日本と異なる欧州のマー

ケットに対して推進できる人物を誰にしたらいいのか」、海外展開する上でこのふたつは大きな

課題でした。

2002 年ユーロパン(フランス)の展示会において、日本製パン製菓機械工業会との共同ブー

スでどら焼機を初めて出品したときに、当時欧州の食品機械業界で長く活躍していたひとりの

オランダ人と出会いました。この外部人材の存在は大きく、パートナーとして彼の助けを得なが

ら、現地の菓子メーカーを交えて、どら焼を欧州で受け入れられるためにはどのような商品に

するかを研究しました。その結果、どら焼の中味の餡をチョコレートクリームにアレンジしたこと

により大成功を収めることができました。

このように海外営業の経験を持つ社長自らが、国際的展示会を全て視察し、市場の理解と

人脈の形成に努め、課題の克服への取組みに対しても率先して牽引していくことが、同社の企

業文化となっています。

現在、どら焼機はEU8ヶ国(ドイツ・フランス・イギリス・オーストリア・ベルギー・スペイン・イタ

リア)で特許を取得し、知的財産権により漏洩対策を講じています。

全自動どら焼機

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株式会社ワイピーシステム

代表者:代表取締役 吉田 英夫 住所:埼玉県所沢市牛沼607-6

電話:04-2968-5700 URL:http://www.yp-system.co.jp/

設立:1987年 従業員数:28名

採用:技術職5名、営業職5名(随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、「車両用緊急脱出機能付き二酸化炭素消火具”消棒 RESCUE”」、「低温黒色クロ

ム処理”CBC“」を製造しており、世界市場シェアは100%のシェアを有しています。

「消棒 RESCUE」は、シートベルトカッター、ガラス破砕、二酸化炭素による消火の3機能を

持つ世界で唯一の商品であり、日

本のみならず海外の自動車メーカ

ーで既に採用されています。

「CBC」は、低温黒色クロムメッキの

防錆、塗料の防食性能を持った高

性能表面処理技術であり、特に

ROHS規制に対応するものとして

は、同社製品はオンリーワンです。

世界市場シェア100%である社会支援ツール消火具、及び軍事産業でも使用される高機能セ

ラミック機能メッキを製造

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

1987年、現代表(吉田 英夫氏)が表面処理(めっき)事業を創業しました。同氏が44歳の

時、めっき事業に於ける廃液の公害性を憂慮し無排水めっき生産システム開発の為、東京農

工大学大学院の博士課程に入学。超臨界流体に出会い、NEDO委託費を獲得して完全無排

水超臨界めっき法「SNP」を開発しました。

この知見を基に二酸化炭素洗浄装置を開発し、自動車部品メーカーに納入。その納入先で

たまたまボヤが発生した際に、機転を利かせた担当者が洗浄装置を使って消火し、大変感謝

された経験から小型消火器の開発を発案、経済産業省「新連携」全国第1号認定を受け「消

棒」「消棒MINY」を商品化。さらに「消棒RESCUE」を大手カーメーカーと共同開発し「消火機

能」+「、シートベルト切断機能」+「ガラス破砕機能」を持つ世界初の製品を完成しました。

しかし、リーマンショックの影響で自動車の販売数が激減し、大手カーメーカーから納入延期

を求められ、在庫を抱えた状態で、経営上の危機が発生しました。そこで粘り強くカーメーカー

と交渉し、半年の納入延期と分納を提案して無事納入することができ、経営危機を乗り切り

GNT化できました。その後、行政の支援策を有効活用し、請われて中国上海市徐ワイ区に防

災事業の合弁会社を設立しました。

また、大手製造業の海外移転、廃液規制の強化やROHS指令による6価クロム規制で収縮

するめっき市場において、同社は経済産業省サポイン事業採択を得て、独自の「6価クロムイ

オン抽出除去技術」を開発し、厳しい規制をクリアした「めっきの防錆性能と塗装の防食性能」

を併せ持つ高付加価値表面処理技術を「CBC処理」として事業化、先端産業界の認知が高ま

り、GNT化できました。

現在はさらにカラー化も可能となり、市場拡大を図るため、めっき工場を中国上海市奉賢区

に設立しました。

CBC 処理品

消棒 RESCUE

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ペン糖度・濃度計

株式会社アタゴ

代表者:代表取締役社長 雨宮 秀行 住所:東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー23階

電話:03-3431-1940 URL:http://www.atago.net/japanese/

設立:1940年 従業員数:126名

採用:新卒・中途共に随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社が製造・販売するポケットサイズのデジタル糖度・濃度計は、市場を限定しない汎用性

とその潜在性、他原理に勝る簡便性から、代理店にとても魅力的な製品となっています。世界

市場シェアは約3割を有しています。

また、ユーザー視点からは、人間工学に基づいた「使いやすさ」「分かりやすさ」を追求した

デザインで、2003年には「日本グッドデザイン賞 特別賞」を受賞していること等、数多くの強み

を有しており、具体的には、以下のような特徴があります。

・使いやすいデザイン…握った時にしっくりく

る左右非対称のフォルム。サンプルステー

ジ周辺は、液体を乗せた時こぼれにくく、

計測後は拭き取りやすい形状となっていま

す。

・衛生設計…溝部分を減らし、さらに丸洗い

できる防水機能を有し、器具全体をいつで

も清潔に保てます。

・ボタン2つのみの簡単な操作性。

・自動温度補正機能付き。

・屋外等の強い外光での誤測定を防止するELI機能付き。

汎用性・簡便性・デザイン性を追求したポケット糖度・濃度計で世界的展開。使いやすさ、判りや

すさで数多くの強みを有する。

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

製品を普及させる過程では、あらゆるアプリケーションを想定した80以上の製品ラインナップ

の市場開拓と顧客ニーズに応じた拡大が必要でした。このため、既存の販売ルートにとらわれ

ない、各ユーザー、アプリケーション、マーケットに応じた販売網の確立や、購入後のエンドユ

ーザー等へのサービス提供、アフターフォロー等を強化し、課題を克服していきました。

具体的には、新規ディーラー開拓のためアプリケーション別に展示会を探し、出展者リストか

ら地道にディーラーを開拓、これまでの理化学の商社ではなく、それぞれのアプリケーションに

応じたその業界のユーザーに一番近いディーラーの開拓を行いました。例えば、パティシエ用

の製品は各国の製菓関係の展示会から、蜂蜜用製品は養蜂専門のディーラーを探しました。

特に海外展開においては、それまでの国別担当というやり方を残しつつ、アプリケーション毎に

全体で動くような部署内での横の動きも臨機応変に入れながら、一つのアプリケーションに特

化して集中的に販路を開拓する、といった試みも行いました。

そして、これらの販路開拓の可能性を大きく広げてくれたのは、製品開発時に挑んだ大きな

挑戦とその克服でした。

本製品の強みである、程よい重さと大きさからくる持ちやすいデザイン。当時の技術では、こ

の手軽な大きさにすることには大きな壁がありました。しかし、不可能を可能にしたのが当時の

開発部隊です。決して競合に追従されないレベルの製品に仕上げるために、敢えて半年という

限られた開発時間を決め、徹底的に議論し、常に妥協を許さない社風が作り上げたのが本製

品でした。こうして開発時からGNTとなりうる要素を製品に取り込んだこと、意匠権を取得したこ

と、加えて、販路開拓に携わった部署の縦割りと横割りの動きを自由に取り入れたアイディア

が課題克服の大きな要素となったと思います。

濃度計は潜在マーケットの可能性を多く持つ製品です。製品の持つ『使いやすさ』『手軽さ』

『手ごろな価格帯』が、新規のユーザーさえも取り込み易くし、またそこに、アプリケーションを

決め付けない「液体なら何でも測れます。ご相談ください」の謳い文句で、新しいアプリケーショ

ン開拓と、ユーザーの声からの新たなアプリケーションを生み出してきました。

製品発売から10年以上経ちますが、徹底主義、発想自由主義、ユーザー至上主義という会

社の企業文化が、この製品の強さを産み出しています。

ポケット糖度・濃度計

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英弘精機株式会社

代表者:代表取締役社長 長谷川 壽一 住所:東京都渋谷区幡ヶ谷1-21-8

電話:03-3469-6711 URL:http://eko.co.jp

設立:1927年 従業員数:87名

採用:次世代グローバルニッチ商品の開発・販売を一緒にやりませんか。人材募集中です。

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、世界に先駆けて2001年より太陽光をスペクトルに分解して計測する分光放射計を

開発してきました。分光放射計は、太陽電池評価などの分野で使われてきました。太陽エネル

ギーの計測機器は、屋外に長期間設置して連続的にデータ収集を行うため、長期安定性や信

頼性、保守性の良さが要求されます。同社は、長年にわたる日射計の製造のノウハウと最新

の電子回路技術の融合により、これらの要求を達成した全天候型分光放射計を開発し販売し

ています。

同社の分光放射計は、国際的に値付けされた標準ランプを使用し、温度湿度が管理された

暗室で校正をしています。この

技術により、同社の分光放射

計のみが太陽エネルギーの波

長ごとの絶対値を計測するこ

とを可能としています。屋外に

連続設置可能で太陽光スペク

トルの絶対値を計測できる全

天候型分光放射計は、国際的

にも同社製品のみとなっており、世界市場シェアは100%を有しています。

屋外に連続設置可能で、太陽光スペクトルの絶対値を計測できる全天候型分光放射計を

開発

(太陽光の波長ごとの絶対値を計測する技術においてオンリーワン技術を有する)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

全天候型分光放射計の開発にあたっては、海外展開を考慮し、長期安定性、故障の少なさ

などの信頼性、校正値の正確さを目標としてきました。全天候型とするため、気密構造とし、さ

らに外気温度が変動してもその影響を受けないようにするため、受光素子部を恒温に保つよう

にしました。

内部の回路はマイクロコンピュータにより構成し、温度制御、外部との通信を行うようにしま

した。高精度な分光放射計測を行うためにシャッタを採用しました。シャッタは確実に動作する

よう機械式を採用し、さらに民生用のシャッタ部品では耐久性に問題があったため、自社開発

を行いました。

また、ユーザーの要求は太陽光の分光放射データの絶対値の計測でしたので、同社の暗

室内に分光放射計専用の標準ランプを使用した校正装置を設置し、精密な絶対値の値付けが

できるようにしました。

全天候分光放射計の計測データ

全天候分光放射計

メーティング・プレート

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株式会社エリオニクス

代表者:代表取締役社長 岡林 徹行 住所:東京都八王子市元横山町3-7-6

電話:042-626-0612 URL:http://www.elionix.co.jp/

設立:1975年 従業員数:100名

採用:新卒、中途とも随時(ホームページの採用情報参照)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、他社の追随を許さない高性能・高付加価値の装置を開発・製造しており、3つの

GNT製品を有しています。1つ目は、電子をビーム状に放射して微細図形を描く「超微細(ナノメ

ータスケール)加工用電子ビーム描画装置」です。電子ビームを高安定かつ高精度に制御す

る技術や、振動、磁場などの外部擾乱を極限まで低減する技術により、他社を圧倒する性能

を保持しています。現在の最新機種は、世界最高性能の線幅5nm描画を保証しています。世

界市場シェアは約5割となっています。

2つ目は、次世代の大容量ハードディスク(パターンドメディア)用のマスター(原版)を作成す

るために不可欠な「ハードディスク用電子線ディスクマスタリング装置」です。回転するテーブル

上のディスクに電子ビームで、ドットを高密度、高精度に描くものです。高精度電子ビーム制御

技術と超高精度の回転ステージ制御技術により、世界で初めて実用化に成功しました。現在、

同レベルの性能の製品は他にありません。世界市場シェアは約8割以上です。

3つ目は、「超微小押し込み硬

さ試験機」です。機能性薄膜、

鍍金膜、高分子などの材料表

面の硬さを測定し、力学的特性

を定量的に評価するものです。

高精度の荷重制御機構と変位

測定技術が強みとなっていま

す。世界市場シェアは約3割で

す。

ナノテクノロジー分野において、世界有数の微細加工・計測装置を開発

(常に数年先を見越し、製品や性能、コストパフォーマンスで他社を圧倒する特性を持つ製品

を開発)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、製品開発において常に数年先を見越し、未だ世にない製品や性能、コストパフォー

マンスで他社を圧倒する特性を持つ製品開発に取り組んでいます。

「超微細加工用電子ビーム描画装置」では、当時最も細い電子顕微鏡用の電子源に目を付

け、これをベースに電子顕微鏡とは桁違いの高エネルギーと高安定性の両立を実現し、世界

のライバルを圧倒する10nm幅のパターンを広領域に加工する装置を完成させました。

本装置の海外展開においては、有名大学への販売を優先、そこでの稼動実績を着実に積む

事で顧客の信頼を獲得し、その実績を示すことで他への拡販をする戦略を推進しています。

「ハードディスク用電子線ディスクマスタリング装置」は、数nmの精度で電子ビーム及び回転

ステージを制御する必要があります。同社は資金面では経産省の創造技術研究開発費補助

金を、技術面では東工大の技術指導を得て目標をクリアし、世界で初めて実用化しました。

ハードディスクは微細化の要求が年々高まっており、同社はこのニーズに先行して次々と装置

開発を進めメーカーへの提案を行う戦略を推進しています。

「超微小押し込み硬さ試験機」は、長岡技術科学大学との共同研究で開発し、産業技術総

合研究所の協力により、国際規格に準拠した測定が可能となる高機能化を実現しました。より

軽荷重でより薄い材料へとユーザーニーズが広がりつつあり、初代機の1/10の軽荷重機の開

発、更に1/100の超軽荷重機の開発と常にニーズを先取りして装置開発を進めています。

電子線ディスクマスタリング装置

電子ビーム描画装置

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株式会社小森コーポレーション

代表者:代表取締役会長兼社長兼最高経営責任者(CEO) 小森 善治

住所:東京都墨田区吾妻橋 3-11-1

電話:03-5608-7811 URL:http://www.komori.co.jp/

設立:1946 年 従業員数:1,814 名

採用:2015 年度 新卒 30 名予定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、1923年の創業以来90年にわたり、一貫して「オフセット印刷機」の専業メーカーとし

て開発・製造を行ってきました。その間に精密加工や印刷ソフト等の技術を培い、また、APC

(刷版交換装置)や生産性向上システム等の自動化、省力化装置を世界に先駆けて開発し、

製品・技術の優位性を確保してきました。世界市場シェア1割強を有しています。

また、直近では、速乾印刷を可能にするH-UV技術の確立により、究極の小ロット・短納期対

応を実現し、全世界で既に約400台が稼働しており、同社の強みの一つとなっています。

さらに、証券印刷機では、独立行政法人国立印刷局をはじめとして、世界十数カ国に紙幣

印刷機を納入し、高い生産性と偽造防止技術を確保しています。

オフセット枚葉印刷機を中心に欧米輸出に強み。国内唯一の紙幣印刷機メーカー

(世界に先駆けた製品技術やソフト技術の開発により、究極の小ロット・短納期対応を

実現)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社の主力製品のオフセット印刷機は、ドイツが先行し全世界で圧倒的なシェアを持ってい

たため、これをいかに切り崩すかが課題でした。

そこで、国内では販売・サービス拠点の強化に努め、海外では、米国、欧州、香港等に現地

法人を設立し、中国、インド、アセアン、南米等の新興国では代理店を設定し、世界の主要地

域をカバーする販売・サービスネットワークを構築しました。次に、国内の生産工場を集約・強

化し、生産能力、コスト競争力、品質確保を実現しました。

こういった開発、生産、販売、サービスの各活動は全て同社の経営理念である「顧客感動企

業の実現」をベースに行われており、世界中のお客様に感動していただける商品とサービスを

提供することに専念してきました。その結果、国内はもとより、米国、欧州、中国においてもお

客様の信頼を勝ち取りシェアを拡大しGNTになることができました。

オフセット輪転印刷機

オフセット枚葉印刷機

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フロイント産業株式会社

代表者:代表取締役社長 伏島 巖 住所:東京都新宿区大久保1-3-21

電話:03-5292-0240 URL:http://www.freund.co.jp/

設立:1964年設立 従業員数:348名(連結)

採用:未定、中途採用は状況に応じて実施

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は医薬業界に向けて、世界に先駆けて『自動フィルムコーティング装置』と『フィルムコ

ーティング液』の開発に成功し、世界市場シェアは2割強となっています。長年に亘る製薬メー

カーからの錠剤フィルムコーティング業務で蓄積したノウハウと独自の技術を活かして、製薬

業界の製造加工のソリューションビジネスで全世界の製薬産業に貢献することが同社の強み

となっています。現在、国内市場における造粒・コーティング装置(主要6製品群)市場では7割

に及ぶ圧倒的なシェア、世界市場に

おいて2割強のシェアを有し、最大手

3社の一角を担っています。特に、遠

心転動型コーティング造粒装置、シ

ームレスミニカプセル製造装置の販

売は世界で同社のみです。

2013年には、従来の印刷装置で

は出来なかった素錠(コーティング前

の錠剤)・OD錠(口腔内崩壊錠)の表面に文字を印字する錠剤印刷装置「タブレックス」を発

売。今後は化成品分野はじめ多方面への応用も期待されています。

医薬品・食品業界向け造粒・コーティング装置を開発・製造

(従来の印刷装置では出来なかった素錠・OD錠の表面に文字を印字する錠剤印刷装置「タ

ブレックス」を発売)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1964年創立後まもなくから海外市場、特に当時世界の一大医薬品市場である米国

の製剤機器市場に進出しました。直接販売に始まり、その後代理店販売(後に子会社となるフ

ロイント・ベクター社前身)、また同社への技術ライセンスを実施してきました。また、1997年に

は同社を買収し子会社としました。その後は、フロイント産業及びフロイント・ベクター社が市場

を分担しながら、製剤機器のグローバル市場においてリーダー的立場を実現しています。

同社及びグループの顧客は、グローバルもしくは地域の製薬企業が中心ですが、入札、販

売に関する商慣習も異なります。また、このような地域性と同時に、多くの国際的に統一されて

いる規制が存在するのも製薬業界の特徴です。

同社グループがグローバルでドミナントなポジションを実現するためには、商品開発、販売・

マーケティング、顧客への個別アプローチ、設置及びその後のメンテ等のサービスというビジネ

スの重要なプロセスにおいて、顧客及び顧客の現地市場に近い立ち位置で、柔軟に対応し、

顧客満足度を上げるということが最重要課題の一つです。

同社は、上記の海外子会社及び現地代理店等のパートナーをフルに活用し、顧客、現地市

場との距離を縮めています。また商品についても独自の技術、顧客のTCO(Total Cost of

Ownership)を低減させる製品機能により、他社との差別化を実現してきています。

シームレスミニカプセル製造装置

自動錠剤コーティング装置

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太陽光の3倍の紫外線を照射

可能なウェザーメーター

300時間連続運転が

可能なウェザーメーター

スガ試験機株式会社

代表者:代表取締役社長 須賀 茂雄 住所:東京都新宿区新宿5-4-14

電話:03-3354-5248 URL:http://www.sugatest.co.jp

設立:1920年 従業員数:270名

採用:新卒/中途採用 予定人数10名、募集期間(通年)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社の「促進耐候性試験機」は、GNT製品であり、試験槽内に太陽光(特に紫外線)を再現

する人工光源を配し、さらに雨や温度湿度を加え、人工的に過酷な自然環境をつくり出し、自

然環境下における製品材料の耐久性をいち早く試験するもので、製品材料の開発、品質確認

においてあらゆる産業分野で広く用いられています。

太陽光を再現する人工光源として、現在、ISO規格に規定され世界的に認められている光源

は、①キセノンアーク、②紫外線蛍光灯、③カーボンアークの3つの光源です(ISO 4892シリー

ズ参照)。このうち、①②は米国2社、日本では同社の計3社が製造販売しており、③について

は同社のみが製造販売しています。①②③全ての光源の促進耐候性試験機を製造販売して

いるのは、世界的にも同社だけです。

昨今のグローバル経済化の中

で①②③による試験が世界的に

様々な産業分野から要求されてお

り、③カーボンアーク光源の要求

には、同社の試験機が選定され、

世界市場シェア100%を占めてい

ます。①キセノンアークでは、同社

開発の高照度キセノン試験機を用

いた、日本発の高促進試験方法

が、ISO規格に規定されています。

国際規格規定の光源による「促進耐候性試験機」の全機種を自社開発し製造販売

カーボンアーク光源の試験機は、世界市場シェア100%

高照度キセノンアーク光源の試験機は、日本発の高促進試験方法としてISO規格に

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

現在、同社が世界市場シェア100%である上記③カーボンアーク光源の促進耐候性試験機

は、米国1社も長年に亘り製造販売していました。カーボンアーク光源は、炭素棒を一定の電

圧電流で放電することで一定の分光放射照度分布を持つ光を放射するものですが、炭素棒は

ある時間で燃え尽きるため、人の手で新たな炭素棒に交換する必要があります。この手間を

省くために、炭素棒の寿命(連続放電時間)が長いロングライフカーボンの開発が強く望まれて

きました。同社はこのロングライフカーボンの開発に成功し、当初24時間だった連続放電時間

を、60時間、78時間、更にカーボン自動交換機構の開発により300時間まで伸ばしていきまし

た。ユーザーのニーズに応え実現していくことが、創業以来一貫した同社の哲学です。

更に、上記①キセノンアーク光源についても、約 30年前からその製作に着手、ランプ専用工

場を立上げ、電極から全ての工程を自社内で一括製作し、経時変化の少ない安定した光エネ

ルギーを持つ促進耐候性試験機専用のキセノンランプを独自に開発しました。このキセノンラ

ンプを用いて、日本の自動車メーカーと共同で促進性の高い“高照度キセノン試験”ができる

促進耐候性試験機(スーパーキセノンウェザーメーター)を開発し、積極的に拡販、国内市場を

広げた後、ISO 提案しました。現在では様々な産業分野の ISO 規格に“日本発の高照度キセノ

ン試験法”が規定され、その存在感を世界に示しています。

ランプと装置を一貫生産する技術を生かし、日々ユーザーのニーズに応えるべくオンリース

ガ製品の開発を行っている点が同社の最大の強みとなっています。

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株式会社東日製作所

代表者:代表取締役社長 辻 修 住所:東京都大田区大森北2-2-12

電話:03-3762-2451 URL:http://tohnichi.jp

創業:1949年 従業員数:200名(連結)

採用:若干名 (随時) 2013年実績6名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社はネジ・ボルトの締め付けに用いる手動式・動力式のトルク機器を製造する専門メーカ

ーです。トルク機器はネジ・ボルトを締結する際に使用される工具及び検査機器です。同社の

メイン製品となるトルクレンチは測定

をしながら締付作業に使用される

為、作業工具としての堅牢性、測定

工具としての精度、品質の高さを同

時に求められます。

同社製品は国内外でその堅牢性

及び品質の高さが評価され、輸送

機器業界をはじめ多くのユーザーに

使用され、国内シェアはおよそ

70%、海外シェアはおよそ30%とい

われています。

精密部品に使用される小ネジか

ら、橋梁の建設現場などで使用され

る大型ボルトまでユーザーの幅広い締結ニーズに応えるため、製品の標準化をすすめ、製品

ラインアップは現在1500種以上で世界トップと自負しています。

トルク機器の専門メーカーとして堅牢性、精度、品質の高さを兼ね備え、国内外で高く評価

される。ユーザーの幅広いニーズに応えるための製品の標準化を進める。

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

社内の人員にも制限がある為、海外を意識しながら仕事ができる人材が不足していました。

海外でユーザーの要望を直接聞くことができる技術者、弊社製品を現地語でわかりやすく説明

することができる営業、海外生産において現地社員の指導にあたることができる社員などを如

何に育てていくか、また、国内において常にグローバルを意識しながらモノづくりに取り組んで

いく社内風土を作ることも大きな課題でした。

そこで同社では二つの取り組みを行うことでその課題を克服しました。

①語学研修:社員の多くが外国語を苦手とする中、定期的にTOEIC受検の義務付けを行い、

それに伴い社内で語学クラスを開講させました。また定期的に社内の技術者を一年間海外

の代理店へ預け、ユーザーの生の声を聞かせるという試みを行いました。これらにより個人

的に外国語に興味をもったものや、社内的にも海外を意識できる体制が徐々にですができ

てきました。

②自社ブランドの確立:Your Torque Partner というブランドメッセージを全社展開することで多

くの社員の意識が全般的に高くなり、それと同時に海外により良い製品を届けるという社内

風土ができあがりました。

デジタルトルクレンチテスタ

半自動電動トルクレンチ

トルクドライバ

トルクレンチ

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株式会社南武

代表者:代表取締役 野村 伯英 住所:東京都大田区萩中3-14-18

電話:03-3742-7377 URL:http://www.nambu-cyl.co.jp/

設立:1965年 従業員数:217名

採用:新卒2名/中途2名程度予定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、「ロータリージョイント」及び「金型用油圧シリンダー」という2つのGNT製品を製造し

ています。「ロータリージョイント」は世界市場シェア3割、「金型用油圧シリンダー」はASEAN、

北米を含む日系自動車マーケットで7割を有しています。「ロータリージョイント」は、回転継手と

も呼ばれ、回転体に流体を供給する役割を果たす製品です。用途は主に、製鉄ラインの熱延・

冷延の最終工程である鋼鈑巻取りにおいて、巻き芯の拡縮機能を行う油圧シリンダーへの作

動油供給に使用されます。同製品は、

高圧・高回転という厳しい作動環境の

中での高い信頼性と耐久性が評価さ

れており、鉄鋼業界以外では、シール

ド堀進機、高速道路の送排風機等に採

用されています。

「金型用油圧シリンダー」は、主に自

動車エンジン製造を中心とするダイカ

スト分野で使用され、金型に附属し、金型内の中子を引き抜くための油圧機構を提供していま

す。同製品は、中子の引き抜きだけでなく、シリンダーのロッド位置を検知するセンサーや、さ

らに中子を回転させてから引き抜く機構などの機能と、製品の耐久性に強みを持っています。

両製品とも受注、設計、製造を一貫して行っており、設計・製造・メンテナンスノウハウの蓄積

が強みとなっています。

高い信頼性・耐久性を有するロータリージョイントと金型用油圧シリンダーを設計から社内

で一貫生産。ニッチ市場を取り込むためのグローバル人材を積極的に育成

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

単なる製品の改良・改善だけでなく、グローバル人材の育成、ニッチ市場の要求事項を取り

入れる営業力、それを商品化する開発力、また、情報漏洩等よる模倣への対策が、同社が過

去だけでなく現在も継続して努力している課題です。

その実現には、まず良い社員に長く勤めてもらうことが大切であり、社員を大切にする経営

を最優先事項としています。継続して勤務し、同社の技術を学ぶことを通じて、高いレベルの

開発者、技能者、そして営業担当者の育成に取り組んでいます。

また、情報漏洩対策として、システム的な仕組みだけでなく、社員の意識と会社に対する気

持ち、忠誠心が結果として情報漏洩への対策につながると考えています。そのことを日本人従

業員だけでなく、海外の従業員についても同様に考え、対応しています。

グローバル人材の育成では、経験が浅い社員も海外支援に出し、実体験で研修を行い、社

内で無料英会話教室を開くなど、経験を教育の場としています。また社長自らが海外現法の応

援団長となり、現法責任者への権限付与や、現法とのネット会議を導入するなど、海外駐在員

のモチベーションとコミュニケーションUPを図っています。

金型用油圧シリンダー

ロータリージョイント

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ミズホ株式会社

代表者:代表取締役社長 根本 裕司 住所:東京都文京区本郷3-30-13

電話:03-3815-3191 URL:http://www.mizuho.co.jp

設立:1939年 従業員数:550名

採用:新卒10名程度 募集期間(6月~9月)、中途採用若干名随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社が製造・販売する「杉田クリップ(脳動脈瘤クリップ)」は、脳動脈瘤(血管壁の瘤状変

成)基部の血管を閉塞して、脳動脈瘤の破裂を防ぐための製品です。同製品は、国内約70%、

米国約50%、欧州約30%のシェアを有しています。世界市場シェアは約4割となっています。

同製品の強みは、チタン合金など生体適合性の高い素材を使用することにより長期間の体

内留置が可能であること、豊富な形状ラインナップ(現在134種類)を取り揃えることにより様々

な形態の脳動脈瘤に対応できること、非磁性金属を材料に用いることによりMRI検査での高磁

場環境下で使用可能なことなどです。

このような優位性により、脳動脈瘤クリップ

手術を行う多くの医療現場でこの製品が採

択され、現在、約50カ国で年間合計約10万

個を出荷供給しています。

医療現場の声に応え独自の血管閉鎖クリップを開発(弾力性、柔軟性及び高い生体適合性を

あわせ持つ金属材料を用いて、小さくても強い血管閉鎖力があり、体内に長期間留置できる

血管閉鎖クリップを開発、脳動脈瘤手術の発展に貢献)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

1970年代まで主流であった脳動脈瘤クリップの課題を当時名古屋大学医学部の杉田虔一

郎先生が明らかにされ、製品コンセプトを明確に設定されました。杉田クリップのコンセプトは、

素材は脳内に永久留置できること、形状は小さく細いが充分な閉鎖力と開き幅があること、さら

に脳動脈瘤の形態は様々であるため、多くの種類を設定することでした。

課題に対し、まず同社技術者によって、弾性力と耐久性、耐食性を併せ持つ素材を探し出

すことができました。ものづくりには、杉田先生も自ら加わり、試行錯誤を繰り返し最初の14種

類を完成させました。当初より世界への普及を意識し、学会や出張手術などの機会を通して製

品の有用性が世界中のドクターに認められました。また、各国の法規制適応にも早くから取り

組み、相当な時間と労力を使いながらもクリアしていきました。製品力が強く、ユーザーである

ドクターの評価が高いことが、各国の代理店との販売網の構築に寄与しました。

杉田クリップは、年を追う毎に品種の増加や材質の進化などでラインアップを充実させて

GNTとしてのポジションを固めていきました。今日では、主力は杉田チタンクリップⅡとして、

134種類を数えています。

杉田先生は惜しくも1994年に亡くなりましたが、脳神経外科の分野で世界的に多くの実績を

残されました。先生の患者を救いたいという熱い情熱と発想力、行動力に感化され、同社の技

術、技能陣が粘り強く応えて、世界に誇れる強い製品を作り出したことが成功へのスタートだっ

たことは間違いありません。

現在では、学会等で、ユーザーのドクターから長期安定性と耐久性などの臨床データの提

示を受け、聴講される先生方の信頼を新たにしています。

杉田クリップ(脳動脈瘤クリップ)

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株式会社メトロール

代表者:代表取締役社長 松橋 卓司

住所:東京都立川市高松町1-100 立飛リアルエステート25号棟5F

電話:042-527-3278 URL:http://www.metrol.co.jp/

設立:1976年 従業員数:107名

採用:2015年度 新卒採用(技術系・海外営業)受付中

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、「精密位置決めスイッチ」のコア技術となる「精密機械技術」を軸に、オリジナリティ

の高い工業用センサーを開発しました。加工前に工具の刃先を原点確認し、加工中に刃の摩

耗折損等をフィードバックする「CNC工作機械用ツールセッタ」は、世界市場シェア6割前後を

有しています。

同製品の強みは、世界でも他社に例のない、精密機械構造の接点式である点です。同製品

はアンプを使わないため、悪環境に強く、外部環境の影響を受けにくくなっています。繰り返し

精度(信号点のバラツキ)は、300万回の製品寿命で1/1000mmの性能を発揮します。

また、組立て装置や生産治具の

内製化により、生産技術のノウハ

ウを社内に蓄積しながら、受注生

産、短納期で低コスト化を推進して

います。センサーを構成する7000

点にも及ぶ精密部品のほとんど

が、自社設計によるものです。

工場自動化に必要な「精密位置決めスイッチ」を開発

(工作機メーカーごとにオーダーメイドで豊富なラインナップを少量多品種で受注生産し、

CNC工作機械の自動化とユーザーの精密加工を実現)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1976年に創業し、センサー一筋で事業を実施してきました。工作機械メーカーの海

外進出とあわせて、同社製品も海外へ進出。国際的にビジネスが拡大するに従い、海外の工

作機械メーカーや、EMS企業など(大口工作機械ユーザー)への直販へと移行しました。

世界各国からの少量多品種の注文が増える中、従来のアナログシステムでは、納期遅れ・

収益率低下・部品在庫調整の課題が浮上しましたが、「生産管理システムMRP」を導入する事

で、完成品在庫をほとんど持つことなく、多品種少量・短納期の市場ニーズに対応した受注生

産システムを工場に導入しました。

海外展開においては、コピーメーカーの台頭、円高による価格高騰によるシェア低下の課題

が浮上。海外の工作機械ユーザー向けに、直販サイトを立ち上げ、即時電子決済する事で、

世界中どこへでも、7日以内にドアtoドアで配送する独自の流通体制を構築しました。また、海

外工作機械メーカー市場の大きい中国・台湾・インドにおいては、独資で海外販売拠点を設

立。流通マージンをカットした販売・保守メンテナンス体制を構築しました。その結果、コピーメ

ーカーの台頭を抑え、世界60カ国で販売し、高い収益性を維持。シェアを拡大しています。

また、30年以上に渡る高い技術力・製造ノウハウと世界に張り巡らせた幅広い販路・高い市

場シェアによって入手できるマーケット情報や顧客ニーズを結びつけ、日々の製品の改良・改

善を行い、ローカル市場ニーズに応えた新製品を毎年、市場に投入しており、競合他社に先ん

じています。

悪環境でも高い精度を発揮

CNC工作機械用ツールセッタ

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アイダエンジニアリング株式会社

代表者:代表取締役社長兼CEO 会田 仁一 住所:神奈川県相模原市緑区大山町2-10

電話:042-772-5231 URL:http://www.aida.co.jp/

創業:1917年 従業員数:1,728名

採用:新卒-大卒・院卒計10名程度/高卒20名程度 中途-技術・開発職中心に通年採用

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、「サーボ駆動式プレス機」、「機械プレス」等を製造しています。これらの機械の精度

は、加工される製品精度に直接影響します。同社のプレス機は、その剛性や部品加工レベル

から、こだわった動的精度の高さに加え、周辺機器との連動が加わり、高精度な加工を実現し

た成形システムとして、長年にわたり高い評価を受けています。特に、自動車・家電等の小型

部品加工用の汎用プレス機やHV車などのモーターコア成形用の高速精密プレス機などは高

い市場シェアを誇っています。

また、サーボ駆動式プレス機においては、プレス加工に最適な低速・高トルクのサーボモー

ターを世界に先駆けて自社開発

し、さらにモーターを駆動部に

直結させた独自構造により、他

社にない高い応答性、高エネル

ギー性を実現しました。特に、

加圧能力1,000トン以上の大型

プレス4~5台で構成する自動

車外板パネル成形用タンデム

ラインは、世界最速クラスの生

産性を誇り、世界の自動車メー

カーに採用されています。

同社のサーボ駆動式プレス機、機械プレスは、世界市場シェア1割強(推定)を有していま

す。

プレス機は、高精度な加工を実現した成形システムとして高評価。また、プレス加工に最適な

低速・高トルクなサーボモーターを世界に先駆けて自社開発し、高い応答性、高エネルギー性

を実現

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

安定した市場シェアを持つ国内市場のみならず、1960年代後半には、国産初の世界レベル

の大型プレス機を開発し、70年代に同社初の海外現法を米国に設立、世界市場へ本格進出し

ました。しかし90年代にはバブル崩壊による国内景気悪化、超円高などの環境変化に晒され

ました。

そこで、それまでの国内中心+輸出による海外展開という事業構造を転換し、「顧客に近い

ところで顧客ニーズに合った製品を作り、販売する」という考えのもと、95年に米国、マレーシア

に生産工場を立ち上げました。その後も2003年に中国、04年には企業買収によりイタリアでも

生産拠点を立ち上げ、現在は日本を含めた世界5拠点にてグローバル生産を行っている他、

40近い都市に営業サービス拠点を配備しています。

グローバル展開に伴い増加する技術漏洩リスクへの備えについては、多くの特許権取得・

契約における機密保持など法的枠組みによる保全のほか、加工設備等のインフラを整えるこ

とで製品の主要構成部品を内製化するなど、様々な手当てを講じています。

同社は創業時より、技術力を武器に国内でのブランドを築き、財務基盤を確立した上、いち

早く海外進出して顧客基盤を着実に拡大し、生産体制を整備するなど、リスク分散を進めつ

つ、世界的な自動車関連および電機・電子産業の需要の伸びとともに成長してきました。今後

も、「新たな商品・新たな市場・新たな顧客の開発と開拓」を常に押し進めることで、グローバル

市場でのトップブランド確立が期待されます。

世界最速サーボ タンデムプレスライン

大型サーボトランスファー プレスシステム

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コジマ技研工業有限会社

代表者:代表取締役 小嶋 實 住所:神奈川県相模原市中央区中央5-3-14

電話:042-755-7300 URL:http://www.kojimagiken.co.jp

設立:1981年 従業員数:12名

採用:営業及び工場スタッフ募集中

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

焼鳥のように串に刺す食品は日本に限らず世界中に多数あるものの、それを生産する食品

加工機械は世界を見渡してもほとんど見られません。これは食材によって、形状や厚み、硬さ

の違いや筋の有無など様々な違いが有る上に、天然素材である竹や木で作られた串を、正確

に手作業に負けない仕上がりで刺さねばならず、これが非常に困難で機械化ができなかった

からです。そのためそれまで世に出た串刺し機は、単に突き刺すことはできても仕上がりが悪

いものでした。

同社の串刺機は、それらの

問題点を解決した製品で、

様々な食材を様々な串で刺す

ことの機械化を可能にし、世

界シェア9割を占めています。

この製品は、手作業でしかで

きなかったような仕上がりの

串刺しの機械化を実現したも

のであり、単純に突き刺すだけの串刺機とは一線を画しています。

食品向け串刺し機械製造のパイオニア的企業として多彩なラインナップで高い世界シェア

を有する

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

串刺機は、日本では40年以上も昔から、多くの企業が手掛けている食品加工機械ですが、

その多くが正確に串を刺す事ができず、かろうじて刺せたとしても単純に食材を突き刺すだけ

のものでした。その為、串刺しされた食材は熱を加えると食材が縮み、また、食材が串を中心

にして回転してしまうため、均等に熱が加えられないなどの問題があり、多くの串刺機はでき上

がりの品質面において手作業には勝てず、串刺機メーカーは廃業していきました。

同社は、創業当時から食品加工業者の工場作業員の動作を観察し続け、布に糸を縫うよう

な手元の作業を機械化する事が最大のポイントである事を発見し、それを機械化することに成

功しています。

その後、同社の技術を模造したメーカーが国内外で登場したものの、その技術を完全に真

似する事はできないでいます。そんな中で同社は独自の技術をさらに進歩させ、新技術と新製

品を毎年発表していった結果、他社の追随を許さず、国内外から多くの引き合いを得ていま

す。

現在では顧客からの様々な要望に応えるよう、4シリーズ20数機種のラインナップを揃えて

います。

卓上串刺機

万能自動串刺機

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株式会社サイベックコーポレーション

代表者:代表取締役社長 平林 巧造 住所:長野県塩尻市広丘郷原南原1000-15

電話:0263-51-1800 URL:http://www.syvec.co.jp/

設立:1973年 従業員数:74名

採用:毎年2~3名(随時募集)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

ドットインパクトプリンタは、ヘッドピンと用紙の間に配置されたリボンをインパクトすることに

よって文字を形成するプリンタです。現在インクジェットプリンタなどが主流とされていますが、

通帳などへの印刷需要や改ざん防止や耐久性の優位性から、中国市場では、ドットインパクト

プリンタの需要が高くなっています。このプリンタのリボンは、最大で24個にも及ぶワイヤピン

から構成されていますが、製品の板厚差があり、従来は金属粉末射出成型法と呼ばれる工法

で製造されていました。しかし、従来の工法は、耐久性及びコスト高という点で大きな課題があ

りました。

そこで、同社は、CFPと呼ばれる冷間鍛造と板金成形を組み合わせた複合加工技術の確立

により、プレス加工にてハイスピードで板厚差のある精密ピンを実現することが可能となりまし

た。これにより大幅な低コスト化を実現しました。世界シェアは4割を有しています。

一時は海外生産

を検討しましたが、

製品品質の安定性

から20年近く自社

生産及び供給をし

ています。

板金成型と冷間鍛造技術を組み合わせた革新的なプレス工法を確立

(焼結品や切削品などでしか対応できなかった製品をプレス化し、大幅なコストダウンを実

現)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

顧客の海外シフトに伴う、製品の現地生産化が進み海外拠点を持たない同社においては顧

客の要望に応えることが出来ず、大幅な売上減少といった経営上の課題に直面します。しか

し、ものづくりとして成熟化された製品は何れ海外シフトし、価格競争の波に飲まれてしまいま

す。そういった製品をいつまでも追求していたのでは、真の付加価値は得られないと割り切り、

本製品を生み出したコア技術を自動車市場へ活かそうとします。

しかし市場が変ると製品も大きく様変わりしますし、それに応じた設備関係への投資も必要

となります。売上減少に見舞われていた同社においては、このような経営状況下で次なる市場

を見越した積極的な投資を行う資金繰りをするのは困難な状況でした。そこで海外シフトしてい

く成熟化製品においては製造技術をパートナーとなる海外企業を選定し、そこに同社の製造技

術を供与しました。

これを同社では技術供与戦略と呼んでいます。お客様にとっても現地で同社と同じ製品技

術と品質が確保でき安心を提供できます。また同社にとってもその技術供与から得られるロイ

ヤリティーで次の市場への資金として確保することが出来ます。さらにパートナー企業におい

ても自社成長の高度化に繋がるのでまさに全ての関係者にとってWin-Winの関係にとなるビジ

ネスとなります。まさに困難な状況になっても次に挑戦する、そしてあきらめないという精神お

よび企業文化がこのような理想のパートナーを引き寄せ、企業としても事業転換をすることが

できた原動力となりました。

今日に至っては、技術供与によって得られたロイヤリティーを自動車分野への経営資源に

あて、多くの自動車部品を手がけています。

ドットインパクト用ヘッド

精密ピンが組み込まれている

ドットインパクトプリンタ用精密ピン

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株式会社ジェイテクト

代表者:代表取締役社長 安形 哲夫 住所:愛知県名古屋市中村区名駅4-7-1

電話:052-527-1900 URL:http://www.jtekt.co.jp/

設立:1921年 従業員数:11,026名(2013年9月30日現在)

採用:2015年度新卒採用は、事務、技術、技能合わせて290名を予定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、「電子制御4WDカップリング(商品名:ITCC)」を製造し、世界シェア約4割を有してい

ます。同製品は、自動車のエンジンから出力された駆動力を4輪に伝える4WDシステムの基幹

部品であり、路面状況や走行状況に応じて、通常時は2WD、滑りやすい路面などではコンピュ

ータ制御で前輪と後輪に駆動力を最適に配分することで、走破性と環境性能(燃費性能)の両

立を実現する、電子制御式4WDシステム用のカップリングです。また、同社は、自動車用歯車

式差動制限装置(商品名:トルセン

LSD)を製造し、世界シェア9割弱

を有しています。同社は、4WDカッ

プリング及び制御用コンピュータの

設計・開発、制御ロジック開発、チ

ューニングまでを一貫して行うこと

のできる数少ないサプライヤーで

あり、多くの実績を有しています。

電子制御4WDカップリングと自動車用歯車式差動制限装置で多くの実績と高い信頼

を有する

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

電子制御4WDカップリングについて、近年、世界の自動車市場において燃費が重視される

ようになり、電子制御オンデマンド4WDの大型車両への適用(カップリング容量拡大)、ユニット

の小型化(高効率化)といったニーズの高まりへの対応のため、摩擦板(駆動力を制御するカ

ップリングのクラッチ)の画期的な耐久性向上が必須となっていました。

これに対して、同社は摩擦板の耐久劣化メカニズムの解明を始め、数々の実験解析を繰返

しました。その結果、前述のDLCコーティングという答えにたどり着きました。また摩擦板のみな

らず潤滑油の劣化メカニズムにも着目することで、専用潤滑油を新たに開発、性能と耐久性を

飛躍的に向上し、適用車両範囲を拡大しました。

歯車式差動制限装置も同様に、過酷な使用に耐えうる摩擦特性の作り込みと、軽量化・小

型化を実現するとともに、従来からの直交歯車式「タイプA」に加え、万能用途で平行軸式の

「タイプB」、さらに前後不等配分4WD用途には、遊星歯車式の「タイプC」を開発生産すること

で、ラインナップを充実し、顧客ニーズに応えました。また、歯車で直接差動制限する特徴から

歯車の加工精度と生産性の背反する事象をバランス取りながら成立させ、開発生産すること

ができました。

トルセン LSD(タイプ C)

ITCC

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新東工業式会社

代表者:代表取締役社長 永井 淳 愛知県名古屋市中区錦1-11-11 名古屋インターシティ

電話:052-582-9211 URL:http://www.sinto.co.jp/

設立:1934年 従業員数:1,702名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社を代表する商品である鋳造装置は、80年にわたるノウハウ、静圧造形法やエアレーショ

ン砂充填技術などの独自技術を武器に、枠付と抜枠にわたる幅広いラインナップを提供し、世

界シェア6割強を有しています。

特に、1972年には、世界で初めてとなる高い寸法精度を可能とする鋳造方式「Vプロセス」を

商品化しました。1979年には、高品質でありながら省エネによる環境対応・低コストを実現した

画期的な「静圧造型法」を開発し、「SEIATSU」ブランドとして世界の鋳物づくりのデファクトスタ

ンダードとなっています。

2000年には、革新的な砂投

入技術である「エアレーション砂

充填技術」を開発しました。この

製品は、従来品よりも高精度、

均一高強度な鋳型づくりができ

ることから、さらなる鋳物製品の

高品質化と省エネ、低騒音を可

能とし、世界の多数の顧客に採

用されています。

独創的な技術で高精度・高強度な鋳物づくりを実現

(静圧造形法やエアレーション砂充填技術などの独自技術を武器に世界市場に供給)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、豊田式織機の鋳物づくりを一手に引き受け、その機械化を促したことに始まりま

す。以来、鋳造事業を1本の太い幹として、鋳造装置の高度化を進め、自動車メーカーとともに

成長、そこで培った技術やノウハウを鋳造以外の様々な素形材産業分野へと応用、展開する

ことで成長してきました。現在、海外拠点は12カ国に及びます。

海外展開にあたっては、海外市場ニーズを理解し、独創的で高度な技術を開発し、世界で

認められ、受け入れられるような新しい商品を投入し続けることが課題でありました。

本装置を開発するにあたっては、国内外の技術者や学会研究者との技術交流等も行い、海

外の主要な展示会に出展するなど知名度を高め、高い技術評価を得ながら性能向上を図って

きました。

また、同社のコア技術はグローバルで統一しつつ、仕様、コスト等は各国の市場で受け入れ

られるものにした上で、市場投入を行って、同社の海外子会社における生産能力の増強、モノ

づくりのスキルアップを行うなど、世界市場での販売台数やシェアを伸ばしてきており、現在20

ヶ国以上に製品を供給しています。あわせて、顧客に満足して同社商品を利用してもらうため

に、顧客に納入した装置を止めないことが重要であり、世界中どこでも同じ装置を届けるととも

に、納入後のアフターサービスを提供できるようサポート体制を強化し、GNTへの道を進めて

います。

抜枠造型機

枠付造型機

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久野金属工業株式会社

代表者:代表取締役社長 久野 修 住所:愛知県常滑市久米字池田174

電話:0569-43-8801 URL:http://www.kunokin.com

設立:1947年 従業員数:約290名

採用: 新卒のみ10名ほど採用予定(2014年実績は20名) 募集期間(随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

ハイブリッド自動車(HV)の次の次世代自動車といわれる電気自動車ベースのハイブリッド

車(HEV)は、エンジンの代わりとなる大型モーターを使用して、充電した電気で走りながら小容

量の2次電池で走り、2次電池の電気がなくなる前に小型エンジンで発電して充電しながらモー

ターからの動力で走ることにより、従来のHVと比べ飛躍的に燃費が向上します。

HEVに必要な新しい部品として、発電用小型エンジンと共存できるコンパクトで大容量のモ

ーターがあり、同社の製品は大容量コンパクトを可能とした高強度の大型モーターハウジング

です。同製品は世界シェア4割を有しています。

通常、電気自動車で用いられる

大容量モーターは大型でHEVのエ

ンジンと共存できませんが、同社

はプレス機械や金型を開発し、厚

板高張力材の高精度絞り加工に

より、HEVで求められる高強度・大

容量・コンパクト化したモーターハ

ウジングの製作を可能としました。

コンパクトで高強度のモーターハウジングを開発し、次世代自動車(HEV)に採用

(厚板高張力材の高精度絞り加工により、HEVに求められる高強度・大容量・高精度・コン

パクト化を可能とするモーターハウジング作成が可能となった)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

発生した課題として、同製品を成形するための精度や剛性面で適合するプレス機械が世の

中に存在しなかったことや、厚板高張力鋼板の絞りに大きなシワ押さえ圧力が必要ですが、長

いストロークで大きな圧力を発生させるとプレス能力不足となることなどがありました。

課題解決のために講じた処置として、適合するプレスをプレスメーカーと共同開発したこと

や、クッションレス絞り金型機構(CLD)(特許取得済み)により、プレス能力をほとんど減少させ

る事なく、大きなシワ抑え圧力を発生させたことにより高精度な成形を実現できたこと等があり

ます。

海外展開のプロセスは、国内ほとんどの顧客が様々な海外展開を既に進めている事から、

直接海外に売り込むのでなく、顧客の日本にある開発部門に対して、初期開発プロセスから共

同開発等を通じて、次世代自動車や海外に展開するスタンダードとなる高度な製品の開発を

多数手がけていることにより、日本で開発した設計開発した製品が海外市場に出て行き、海外

と直接取引しなくても売上における海外輸出製品の比率は40%以上となっています。

同社の企業文化として、常に顧客や他社の製品で問題となった製品に取り組み、数々の実

績を上げてきた成果によって、GNTになりえる全く新しい分野のプレス製品に対しても違和感

なく取り組む事ができました。

同社における情報漏洩対策として、プレス技術の根幹となる金型は外売りしていないことが

挙げられます。また、社内で使うほとんどの金型を社内製作しています。これにより、最も重要

な情報は社内から外に出る事なく、情報が漏洩しないようになっています。

大型モーターハウジング

自社開発のプレス機械

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東洋精鋼株式会社

代表者:代表取締役社長 渡邊 吉弘 住所:愛知県弥富市馬ヶ地3-195-1

電話:0567-52-3451 URL:http://www.toyoseiko.co.jp

設立:1975年 従業員数:56名

採用:新卒/中途 若干名 随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、過去20数年、部品の高強度化のためのショットピーニング加工(ショットをぶつける

ことにより、表面を強化するシステム)において使用される「コンディションドカットワイヤー」を、

日本の自動車並びにその関連の国内、海外工場、航空機業界のユーザー向けに提供してい

ます。2008年には、高靭性化を図った新商品「高靱性ラウンドカットワイヤー」を開発し、ユーザ

ーからコスト低減の切り札として絶大な評価を獲得しています。日系ユーザーのみならず、海

外企業に対し開発商品を日本およびタイ工場より拡大販売し、世界シェアは3割を占めるに至

りました。

また、ピーニング加工における信頼性を高めるべく、世界初の検査機器「カバレージチェッカ

ー」を開発、販売しています。同商品に関しては、現在のところ競合はなく、米仏加のパートナ

ー企業を

通じて各

国ユーザ

ーに販売

し て い ま

す。

ショットピーニング加工用コンディションドカットワイヤーで世界シェア3割を獲得

(ピーニング加工の検査装置も自社開発し、ユーザー製品の信頼性向上に貢献)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は国内の自動車メーカーとの共同開発により投射材の開発を進めてきました。ショット

ピーニング加工を行うと部品の強度が上がるため、部品を小さくすることが可能となり自動車

全体の軽量化につながり、燃費が向上します。

また、航空宇宙産業向けにも進出し、米国の航空エンジンメーカー並びに機体メーカー向け

のラウンドカットワイヤーのサプライヤーとしての認証を取得したほか、航空宇宙部品へピーニ

ング処理の特殊加工を行うための認証であるNadcapを取得し、ショットピーニングの受託加工

を始めています。特に、これらの取り組みは世界の競合他社では行っていないので、顧客から

のピーニング加工における同社の信頼が高くなり、また強い差別化が図られ、シェア拡大の一

助になっています。さらに、同社の渡邊社長は、ピーニング加工で学位(博士)を取得し、国際シ

ョットピーニング委員(International Scientific Committee of Shot Peening)となっており、グロー

バルな情報収集や交流を積極的に行っています。

「高靱性コンディションドカットワイヤー」の開発にあたっては、政府系金融機関の利子補給

制度を活用しています。また、検査装置については、同社が保有する技術では開発は困難で

あったため、銀行主催のビジネスマッチングにおいて開発パートナーを探しました。こうした技

術開発は「アンチをファンに」のスローガンのもとピーニングの信頼性と適用範囲拡大を目的と

しており、現在も様々な取り組みにチャレンジしています。

技術流出を防ぐため、重要技術に関しては敢えて特許申請を行わないなど、ブラックボック

ス化を行っているほか、製造装置の内製化を通じて、製造のノウハウが流出しないように措置

しています。

カバレージチェッカー

高靱性ラウンドカットワイヤーの性能

● 高靭性ラウンドカットワイヤーの性能について

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株式会社AIKIリオテック

代表者:代表取締役 松本 一 住所:愛知県稲沢市井之口小番戸町39

電話:0587-21-9191 URL:http://www.aiki-japan.com/jp/index.html

設立:1976年 従業員数:50名

採用:技術職・営業職共に随時(海外企業との仕事、創意工夫し独創的な機械の製造販売)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、加工前の生糸であるナイロン、及びポリエステル等の長繊維を任意の速度に設定

したローラーで空気加工ノズルに送り込み、その内部の圧縮空気によって起こされた乱流を利

用し、送り込まれた糸を空気混繊又は交絡させることにより、糸の形状を変化させ 「ATY」、

「ACY」と呼ばれる加工糸を製造する機械「空気加工機」を製造しています。

同社は、繊維機械を主力商品とする産業機

械メーカーであり、その中でも合繊用空気加工

機は、同社が世界で初めて商品化に成功しまし

た。

長年の技術の蓄積をもとにした安心・安全性

に加えて、定期的に新しい装置を開発し客先へ

提供することで、常に市場を一歩リードすること

が可能となっています。

「AIKI」 ブランドとして世界で広く知られた存在

になっており、世界シェア5割を確保していま

す。

合繊用空気加工機で世界シェア5割以上を獲得

(高い技術力に加え、海外も含めたきめ細かなサービス体制の構築により競争力を向上)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は創立から約40年を経ていますが、新興国製の安価なコピー製品の登場による価格

競争の激化や、販売先が世界に広がるにつれて、アフターサービス面で十分に顧客の満足を

得る事が出来なくなる等の課題が発生しました。こうした諸課題に対して、価格面においては

柔軟な設計変更による部品の共通化や簡略化を行い、一括購入・製造を可能として組立て工

数を短縮するなどコストダウンへの取り組みを実施してきました。この様な地道な対応で競合

他社に対する価格競争力を高めてきました。

また、ユーザーからの改良要望の声を真摯に受け止め、迅速に改善する事で、斬新かつ作

業性と品質を向上させた機械の提供を行い、顧客満足の獲得に成功してきました。

過去の具体例としては本来、次工程で行う作業を同社製機械に取り込み、作業工程の省略を

実現させました。簡単な事ではありませんでしたが、同社の「創意工夫の心で、世の中に無か

った斬新な機械を作る」という経営理念が課題の克服に繋がっています。

さらには、技術に通じた営業マンと世界各地に独自の代理店、常時世界中に点在するスー

パーバイザーと呼ばれる技術指導者を充実する事で、大企業にはない小回りの良いサービス

を実現。このような努力が世界中の顧客に認められ、高シェアの維持に繋がっています。

空気加工機の外観

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KTX株式会社

代表者:代表取締役社長 野田 泰義 住所:愛知県江南市安良町地蔵51

電話:0587-54-5131 URL:http://www.ktx.co.jp/

設立:1975年 従業員数:156名

採用:自動車関連の樹脂成形金型の設計(3D)の経験者で樹脂等の素材に詳しい方を若干名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

「ポーラス電鋳®金型」は、同社が開発したニッケル電気鋳造金型で、ミクロの孔が開いてい

る点が大きな特徴です。ミクロの孔の開いた金型により、薄い材料シートを加熱し、金型でサン

ドイッチして真空で引く新しい成形方法である凹引き真空成形工法が誕生しました。同製品

は、自動車内装部品のインパネやドアライングの成形用金型として、世界中で採用されていま

す。同製品は世界シェア9割を有しています。

同製品は、従来金型であるスラッシュ成形工法と比較して5

つの強みがあります。

①人件費の削減:生産に必要な人数を従来工法の5名から3

名に削減できます。

②省エネルギー生産:一枚の表皮を成形するための消費エ

ネルギーが1/14です。

③金型の削減:従来工法は電鋳型が6型必要ですが、1型で

対応可能です。

④成形サイクルが短い:成形サイクルが3分の1になります。

⑤商品が軽い:生産された製品が軽量です。

このように、同製品は、安く・早く・省エネで環境に良い製品

を生産することが可能となっています。

独自の電気鋳造金型(ポーラス電鋳®

金型)の開発により、材料シートを加熱、バキュームし、形

成する新しい成形工法である凹引き真空成形工法が誕生

(安く・早く・省エネで環境にも良い製品の生産を実現)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

世界初となる、ミクロの孔の開いたニッケル電気鋳造金型であるが、ポーラス電鋳への顧客

要望も次第に高くなり、孔の大きさ、穴の数、孔の開く位置をよりコントロールする必要があり、

その点が課題として発生しました。

その課題解決の為、メッキ液管理、電流管理、入槽用モデル(マンドレル)の製作方法など

研究開発を再スタートさせる事となり、約10年以上の研究や試作開発を繰り返し、現在では孔

の大きさを100μ~300μの間で自由に調整可能で、また孔の開く位置や個数も自由に調整で

きるまでとなり、さらに複雑な幾何学模様、ステッチ(縫製糸目)、革絞模様、などのデザインに

も対応可能な、電気鋳造金型と評価されるまでとなりました。

また、海外展開に関しては、新しい成形工法である為、ポーラス電鋳金型の採用にはお客

様も不安要素があり二の足を踏むお客様もありましたが、安心して金型を発注して頂くため

に、国内生産で培った実戦的ノウハウで、設計~製品成形まで、社員一丸となってサポートす

ることにより、信頼と実績を積み重ね海外の顧客数を増やすことに成功しました。

現在では、さらにお客様に安心して頂くため、ポーラス電鋳金型の製造だけではなく、高機

能で使い勝手の良いポーラス電鋳金型を成形する凹引き真空成形装置を自社で研究開発を

進め製造し、凹引き真空成形機の販売も海外を中心に急速に伸びています。

ポーラス電鋳金型の技術漏えいに対しての対策は、ポーラス電鋳金型の製造は、国内本社

工場の特定の技術者だけで製造、管理し、海外現地生産の要望はありますが、海外には持ち

出さ無い事を基本とし、ポーラス電鋳金型の製造技術が流出しないように対策を講じていま

す。

ポーラス電鋳®金型を

採用した自動車内装

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ジェットルーム

ジェットルームの緯入れ部分

津田駒工業株式会社

代表者:代表取締役社長 菱沼 捷二 住所:石川県金沢市野町5-18-18

電話:076-244-9000 URL:http://www.tsudakoma.co.jp/

設立:1909年 従業員数:967名(2013年11月)

採用:新卒採用予定人数:20~30名、中途採用:随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、世界的な人口増加に伴い成長する繊維産業において、世界トップブランドを目標

に、新規参入が困難な特殊技術・ノウハウを持ち、繊維(糸)を製品化するための繊維機械(ジ

ェットルーム=以下「JL」、サイジングマシン=以下「サイザ」)を製造しています。

同社のJLは、極めて高い生産性と品質織物、汎用性、省エネ、操作性、耐久性があり、

257,000台の販売実績は世界最多となっています。その最大の強みは、織機としての基本性能

の高さと最先端の電子制御で

す。エアJLの緯糸挿入方式

は、同社が開発した「変形筬+

サブノズル」方式が世界標準と

なっています。ウォータJLは、

水を噴射するノズルの形状開

発により、4m以上の織り幅に糸

を挿入できます。また、人工知

能ウィーブ・ナビゲーション・シ

ステムは、最適な製織条件の自動設定や稼動監視を可能とし、緯糸自動補修装置など他の自

動化機能とともに、織布工場の革新を支えています。

経糸に糊付けを行うサイザは、日本では同社のみが製造を続けています。同社は、長繊維糸

に対する世界初の「低張力制御」技術を確立しており、極細糸織物の拡大に貢献しています。

同社の長繊維糸用サイザは、世界シェア9割を占めています。

新規参入の追随を許さない高度の機械・電子技術の集積で繊維機械を開発

(ウォータージェットルーム、エアジェットルーム、サイジングマシンで世界最多の販売実績)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は1909年に創業。メートル法や規格公差を織機開発に取り入れるなど織機生産の近代

化に貢献するとともに、最新の織機を開発し、繊維産業の近代化に貢献しました。

同社の大きな転機は1971年のニクソンショックでした。これ以降、日本の繊維産業が急速に

国際競争力を失い、織機メーカーも淘汰が進みました。同社は生き残りをかけて「専門内の多

角化」という経営方針を貫き、JLの開発と海外展開に注力しました。

その後の海外展開の中で直面した最大の課題もやはり為替変動でした。また、先進国から

新興国への市場の移動も対応すべき重要な課題でした。

こうした課題を克服する上で原動力となった企業文化は、社是にも掲げる「最高の品質をめ

ざす」ことでした。常に厳しい価格競争と経済変動の中で、高度な機械要素と最新の人工知能

を組み合わせることで、高生産性と数値化されにくい「風合い」や欠点のない高品質を両立しま

した。また、細やかなサービスを実現するネットワークを世界に構築することで、ブランドを維持

してきました。さらに、製織技術やインフラに乏しい新興諸国の状況に対応するために自動化・

IT化を進め、使いやすい織機を実現、また、省エネ技術の開発を進めました。さらに、中国で織

機の現地生産を行い、顧客層の開拓に取り組んでいます。

新興国の模倣製品の対策として、業界団体を通じた交渉、相手に対する警告を進めました

が、圧倒的かつ容易に模倣できない製品開発やサービスが最大の防御になっています。

こうした取り組みの結果、先進国の織機メーカーは同社を含め、日欧に数社を数えるのみで

す(ウォータJL、サイザは世界に各2社のみ)。

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株式会社明石合銅

代表者:代表取締役社長 明石 寛治 住所:石川県白山市横江町1484

電話:076-276-5533 URL:http://www.akashigo.com/index.html

設立:1954年 従業員数:220名

採用:新卒・中途 計4~6人 (4月~10月)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、昭和50年に、銅合金の鋳造技術を応用した鉄系材料に銅合金を溶着接合させる

技術の開発に成功し、その複合材をAGバイメタルとして販売してきました。AGバイメタルは、

鉄系材料の持つ高い強度と銅合金の持つ優れた軸受け性能を同時に有する理想的な複合材

料です。アキシャルピストンポンプのシリンダブロックに代表される油圧機器部品に多数採用さ

れ、近年の高速・高圧化に寄与してきました。

ピストンが挿入されるボア穴とバルブプレートと接触するスラスト面に、同時に銅合金を接合

させる技術は、同社独自の強みです。同社のシリンダブロックは、世界の競合他社が追随でき

ない、耐摩耗性、耐焼付性、強度面

に優れた性能を持つダントツ製品で

す。パワーショベル等に使われるアキ

シャルピストンポンプ用ボア溶着タイ

プのシリンダブロックの世界シェアは

5割を超えています。

同製品は、パワーショベルの一部

分ですが、もし不具合が出ればパワ

ーショベルは全く動かなくなる、文字

通り心臓部品です。同社は、製品の

一つ一つに誇りを込めて、ものづくりに取り組んでいます。

アキシャルピストンポンプ用バイメタルタイプのシリンダブロックを開発

(高速・高圧化に対応したAGバイメタルによる油圧機器部品)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

AGバイメタルの開発でも最も苦労した点は、溶着技術開発です。収縮率が大きく異なる異

種材料の接合では、剥離欠陥や鋳巣欠陥が発生しやすく、開発当初は、数個の試作品を製作

するために数十個の不良品が発生していました。量産開始が決定した後も、良品率が数十%

と採算度外視のスタートで、トライアンドエラーの繰り返しが1年以上も続き、撤退を検討したこ

ともありましたが、顧客の開発担当者の多大な支援と、当時の専務(現会長)のトップ判断によ

り、諦めずに改善を続けたことにより、最適な条件を見つけ出し、現在では安定した生産がで

きる様になりました。

また、昭和50年代にシリンダブロックの海外販路拡大のため、営業活動を実施しましたが、

採用にはなかなか至りませんでした。油圧機器の心臓部品であるシリンダブロックでは、客先

の評価に1年以上の期間がかかり、その結果のフィードバックにもface to faceのコミュニケー

ションが必要でした。そこで、現地の営業マン(スイス人)を雇い、欧州顧客との意思疎通を円

滑にしたことで採用に至るケースが徐々に増えて来て、販路を拡げることが可能となりました。

海外への販路開拓に際し、言葉の問題も大きな壁となりましたが、地元金沢に留学に来て

いた流暢な日本語を話すことが出来るアメリカ人を通訳として採用したことにより克服すること

ができました。

アキシャルピストンポンプのシリンダブロック

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株式会社BBS金明

代表者:代表取締役 川原 幸夫 住所:石川県白山市旭丘4-12

電話:076-275-6131 URL:http://www.bbskinmei.co.jp

設立:1956年 従業員数:88名

採用:新卒採用(3月初~4月末日)予定人数5名 中途採用(随時受付)予定人数1名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のEDGE Polishing System – FINE SURFACE E-300は、半導体デバイスの基盤となる

300mmシリコンウェハのエッジを超精密研磨により鏡面に仕上げ、洗浄・乾燥させる

Dry-In/Dry-Outの装置で、シリコンウェハの強度向上、パーティクル抑制、歩留り向上に寄与

し、微細化が進む半導体製造において増々重要度が高くなっています。近年要求が厳しくなっ

ている「オーバーポリッシュ量のコントロール」と「エッジ研削工程で成形されたエッジの形状維

持」については、同社独自の遠心力追従構造による研磨モジュールにより、ウェハエッジ形状

に合わせた研磨プレートが、回

転時に生じる遠心力を加工荷重

に変換させ、ウェハエッジに追従

させながら研磨することで、より

均一で安定した品質を得ること

ができます。

ウェハ外周を同時に研磨する

この構造は、他社製の1/2以下

の加工時間を達成し、300mmシリコンウェハ製造分野では、ウェハサイズが200mmから300mm

へ移行した2000年以降、国内主要企業のほか、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、韓国、台湾、

シンガポールなどの海外主要企業にも採用され、世界シェアの約8割を有しています。

半導体シリコンウェハの鏡面仕上げ装置でオーバーポリッシュ量のコントロールとエッジ形状を維

持した制御技術を有する。さらに、他社の半分以下の加工時間でエッジ研磨を実現

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社がエッジ研磨装置を開発し半導体業界へ参入した年はφ200mmウェハが主流でした。

その当時、他社製のエッジ研磨装置が市場を独占していましたが、必ずしも顧客が求めるエッ

ジ研磨品質を達成できていませんでした。

当時の装置には研磨方式の構造的な問題、検査機器や設備などの開発環境に問題がある

と分析し、これら2つの問題を開発課題として装置開発を進めてきました。装置の核となる研磨

方式では、他社製はウェハエッジと研磨パッドが点接触であるのに対し、同社ではウェハエッジ

全周を研磨パッドで包み込む研磨方式を開発しました。これにより他社の2分の1以下の加工

時間でエッジ研磨できるようになりました。(多数の特許取得)

この研磨方式は研磨パッドを固定する研磨ドラムの形状を変えることで、様々なウェハ形状

に対応できる多様性もあります。また、装置開発を進める開発環境にも力を注ぎ、顧客の生産

工場と同じクリーンルーム(class1000)を設置、使用する検査機器も業界標準機を購入するこ

とで、信頼性の高いデータが得られるようになったのです。

EDGE Polishing System FINE SURFACE E-300

Device Wafer Edge Polishing System e-CMP300

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株式会社東振精機

代表者:代表取締役 中村 敬 住所:石川県能美市寺井町ハ18

電話:0761-58-5222 URL:http://www.tohshin-inc.co.jp/

設立:1956年 従業員数:430名

採用:2015年新卒採用予定12名程度(募集期間12月~5月) 2014年中途採用は必要に応じて

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、ころがり軸受向けのころ全品種を生産している日本で唯一のころ製造専門メーカー

です。ユーザーである軸受メーカーは、ボールベアリング用のボールと異なり、これまでころ軸

受用のころは自社又は系列子会社での内製が主体であり、外注(購入)は限定的でした。

こうした中で、同社は自社グル

ープ内で高生産性、高精度のころ

生産設備を開発し、積極的な設

備展開を図ったことにより、国内

はもとより海外軸受メーカーの受

注を獲得してきました。中でも、産

業機械に使用される球面軸受用

ころについては、多品種小ロット

で加工が難しいことから、ラインで

の大量生産に適しておらず、軸受

メーカーは内製から外注(購入)化を徐々に進めているところがあり、同社は高生産性、高品質

を武器にこれに応えていきました。現在では、中国・インド・トルコ等の新興国市場の販路を開

拓するなど、グローバルシェアの拡大に取組んでおり、特に、球面ころについては、世界市場

シェアは2割超を有しています。

また、新たな市場ニーズに対応するため、風力発電機向け等の大型球面ころ生産に対応可

能な加工設備の開発に、石川県工業試験場の協力を得つつ取り組むなど、積極的に技術開

発に挑戦しています。

高精度の球面ころ生産設備を自社グループ内で開発・製造し、高い生産性を実現

(高精度かつ複数同時加工を可能とする設備を自社開発し、付加価値の高い産業機械向け球

面ころの大量生産に成功)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

球面ころの特徴は、ころの外径(ころの外側の部分)が他のころが直線であるのに対して曲

線(樽のような膨らみ)となっており、外径加工においては加工支持が点接触となるため加工が

難しく、原則個別の加工となり、生産性が上がらないことにあります。

これに対して、同社は同時複数加工(一動作で複数個を同時に加工する)によって生産性の

向上を狙うこととし、そのための加工設備を自社グループ内で開発・製造し、生産能力の急速

な増強を図りました。この結果、2個同時加工からスタートし、現在では6個同時加工までを可

能とし、設備生産性は3倍程度にまで拡大しています。

こうした新規設備開発と積極的な設備導入を実施したことから、2003年の球面ころ生産能力

が月産4百万個であったのに対して、現時点では月産9百万個と倍増しています。

精度においても、真円度・表面粗さともサブミクロン(10,000分の1㎜)単位で加工し、工程能

力1.67以上を通常加工工程で実現しています。

同社の社是は『創る 考える』です。どんなニーズに対しても、頭で結論を出す前に、まず自

分の手でやってみる、そこから、付加価値も問題点も見えてくるという考え方です。付加価値は

「どう活かすか」、問題点は「どう解決するか」を『考える』、それによって、『創る』が『考える』こ

とで全うされる、という基本姿勢が、顧客からの要求に応えてこられた原点といえます。この姿

勢を海外拠点においてもやり続けることによって、真のグローバルニッチトップになれるものと

考えています。

同時加工を実現した設備

軸受に使用される球面ころ

球面ころ

軸受

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株式会社堀場製作所

代表者:代表取締役会長兼社長 堀場 厚 住所:京都府京都市南区吉祥院宮の東町2

電話:075-313-8121 URL:http://www.horiba.com/jp

設立:1953年 従業員数:5,787名(2013年12月31日現在)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のエンジン排ガス測定装置「MEXA」は、規制対象ガス成分の分析計として世界シェア8

割を有しています。初号機「MEXA-1型」は、1964年、医学用の呼気分析機器の技術を元に開

発しましたが、その後、先進国で自動車排ガスによる大気汚染の問題が顕在化するのにあわ

せ、MEXAの需要が高まりました。その間、同社は、エンジン排ガス測定分野のパイオニアとし

て、時代と共に変化する各国排ガス規制や自動車開発の要求にも応えつつ、新技術の採用や

技術改良により、装置の性能・操作性を

向上させてきました。その結果、多くの

国の国家認証機関や世界の主要自動

車メーカー、自動車部品メーカー等で採

用され、「世界標準機」ともいえる信頼を

得るに至りました。

また、2012年には新製品MEXA-ONE

をグローバル市場に投入し、さらなる販

売拡大を目指しています。

各国排ガス規制や自動車開発の要望に対応

(排ガス成分(CO

,NO

x,HC

,CO

2

など)の濃度を測定、新型車・新型エンジンの認証試験

やエンジン・触媒を評価可能)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、自動車計測事業におけるコア技術(赤外線分析の技術など)を、環境分野、工業プ

ロセス分野、医用分野、半導体分野などの分析機器に適用することにより、事業範囲を拡げて

きました。また、単に要求された「もの」だけ売るのではなく、要求の根底にある真のニーズや

その先の可能性を見据えた製品を開発し、提供することを目指しています。さらに、各顧客の

要求にあわせたカスタマイズや、アプリケーションにあわせた製品群として提案できるプロバイ

ダーとなることを指向しています。

このような中、販売面において日本国内では、当初、実績の無いMEXAは販売に苦しみまし

た。そこで、実績よりも技術が正当に評価される米国に先に装置を持ち込み、米国大手の自動

車メーカーへ売り込んだ結果、日本国内での販売増にも繋がりました。また、技術面において

は、当初、排ガス分析は赤外線分析の技術があれば事足りましたが、排ガス規制の対象拡大

や強化により、新しい測定原理や手法が要求されるようになり、顧客ニーズが変化したため、

その都度、新たな分析技術やサンプリング法を確立する必要に迫られることになりました。そこ

で、自社技術開発や他社からの技術供与を柔軟に使い分けることにより、その要求にタイムリ

ーに応えていくことができました。

MEXA-ONE

MEXA-1

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TOWA株式会社

代表者:代表取締役社長 岡田 博和 住所:京都府京都市南区上鳥羽上調子町5番地

電話:075-692-0250 URL:http://www.towajapan.co.jp

設立:1979年 従業員数:425名

採用:新卒:15名 中途:若干名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、半導体の素子を保護するために樹脂で覆い、規格寸法に成形する装置の開発か

ら、販売・アフターサービスを行っています。同装置の世界シェアは5割弱を超えます。

同社は、4分の1歩を先んじることを意味する「クォーターリード」という標語により、顧客のニ

ーズを想定した開発を行っています。具体的には1980年には半導体の品質向上、樹脂歩留ま

りの大幅改善、およびモールド工程の完全自動化を実現したマルチプランジャー金型構造と全

自動半導体樹脂封止装置を、1994年には生産量によって増減可能なモジュール構造全自動

半導体樹脂封止装置Yシリーズを、2009年には樹脂有効使用率100%、樹脂流動レス量産向け

半導体圧縮成形樹脂封止装置を、とい

った大きな3つの進化をもたらしました。

これらの開発や発明を軸に、市場の

少し先を見た商品設定を行い、他社と

の競争優位性を保ちながら事業活動を

行っています。

また、台湾、韓国、中国、シンガポー

ル、マレーシア、タイ、アメリカ、オランダ

など世界各地のユーザーの近くにフィールドサービス拠点を構成しています。

金型・装置の設計から製造まで最先端技術を融合し半導体製造の後工程中核プロセスを大幅に

改善(マルチプランジャー成形金型を原点に、モールディング、シンギュレーションという半導体製

造の後工程における中核プロセスで最先端のソリューションを提供)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、マルチプランジャー金型の利点を広く市場に普及させることと、樹脂メーカーにタブ

レット状樹脂の生産を促すため、敢えて保有する特許権の行使を控えました。

全自動装置の開発販売は競合よりも確実に先行しておく必要があり、人材、協力会社など

の確保や開発の組織化が重要でした。

1980年代は、売上高の約80%は国内半導体メーカーであり、残りの20%はアメリカの大手

で占めている状態でしたが、80年代後半から、東南アジアでの半導体の生産が活発になり、ア

メリカに情報の拠点、シンガポールに金型生産の拠点を置き、その後、シンガポールを東南ア

ジアの営業・製造の拠点としました。

韓国、台湾、中国と半導体の生産拠点が拡がる中で、海外販売ネットワークを作り、現在

は、韓国 台湾 中国 シンガポール フィリピンに営業拠点をフィールドサービスと合わせて設

けております。アメリカ、ヨーロッパは営業に加え、情報の確保や新たなプロセスを現地で探れ

るよう実験設備とエンジニアを配置し、数々の試作実験を行っています。

現在の製造の拠点は日本 マレーシア 中国ですが、海外の競合相手の台頭により価格競

争が厳しくなっており、海外生産拠点の充実と現地購入比率を上げています。

発足当初は、半導体製造装置のカテゴリーの中で市場規模として数字の小さかったモール

ディング装置の分野が今日では市場規模400億円となり、この装置にて生産される製品は巨大

な市場を動かすことになりました。技術革新を継続的に行い、基礎技術の構築からデファクト

スタンダードとなる提案を市場へ提供し続けています。

モジュール構造全自動 半導体樹脂封止

マルチプランジャー金型

YPM1180

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株式会社イシダ

代表者:代表取締役社長 石田 隆英 住所:京都府京都市左京区聖護院山王町44

電話:075-771-4141 URL:http://www.ishida.co.jp

設立:1948年 従業員数:2,951名(連結)、1,342名(単独)

採用:新卒46名(2014年) グローバルに活躍できる人材を求む(中途も積極採用)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社が1972年に第一号機を開発したコンピュータスケールは、ピーマンなど形状・単重の異

なる品物を高速かつ極めて精度よく計量・袋詰め包装することに成功、固形物の定量計量で

生産効率が飛躍的に向上しました。それまで誰も計量と組み合せ演算を融合させるという着想

がなかったため関連業界に大き

な衝撃を与えました。同製品は世

界シェア5割超を有しています。

食品・流通業界から高い評価を

得て、作業現場の合理化、省力

化に大きく貢献しました。

同社は、農産物にとどまらず、

スナック菓子全般、ソーセージや

冷凍食品、海産物、工業製品など、単重のばらついた品物を高速で定量計量できる自動計量

機を次々に世に送り出し、「組み合わせ計量機=イシダ」は世界のブランドとして定着し、業界

をリードしています。

コンピュータスケールを自動包装機に連動させ、個別重量の異なる品物の高速かつ高精度

な計量・袋詰め包装を実現

(生産スピードや歩留まりを飛躍的に向上)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

コンピュータスケールは受注生産が中心であり、顧客の要望する仕様や性能をよく吟味して

機械の開発に取り入れることで、顧客満足度を高めています。また、海外での販売を伸ばすた

めには以下の3点を特に強化することで、課題を解決しました。

①保守・サービス対応

日本国内に比べ言葉も時差も異なる遠方のユーザーが安心して使用できるよう、メンテナン

ス体制の整備は優先しました。同社は代理店の開拓、直販店の設置を通じて、駐在員の派遣

や技術出張教育・来日研修で繰り返し交流を深めました。

②顧客ニーズ対応

欧州市場ではCE規格の高まりから1993年よりイギリスで現地生産を開始。以来日本以外に

4か所の海外工場が稼働しています。投げっぱなしではなく日本国内のマザー工場と設計・生

産情報を共有・更新させながら、品質を維持し規模を拡大しています。

③低価格ニーズ対応

2000年に上海に機能を限定した機種を生産する工場を建てました。世界の隅々までシェア

を取りに行くためには、アジア中心の廉価機も重要な市場です。ここでも設計・生産業務を日

本と連携させています。

導入例

コンピュータスケール

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株式会社エンジニア

代表者:代表取締役社長 高崎 充弘 住所:大阪府大阪市東成区東今里2-8-9

電話:06-6974-0028 URL:http://www.engineer.jp/

設立:1972年 従業員数:30名

採用:開発・貿易担当、新卒/中途を問わず若干名、募集時期は随時。

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

錆びたりなめたネジの頭を掴んで簡単

に外す、プライヤー型の専用工具は、国

内はもちろん、世界のどこにも存在しな

かったことから、2002年に販売開始以

来、180万本を販売して国内では大ヒット

商品となりました。世界シェアはほぼ

100%を占めています。

ヒットの理由は、まずはマーケティング

により開発すべき製品が、本当に市場が

要求している製品であったことと、特許も取得している先端の特

徴ある形状により、ネジ外しの能力に秀でていたからです。従来

にはなかったコンセプトの製品であり、ネジのトラブルを簡単に解

決できる工具であることから、実際に店頭で試したお客様や、ネ

ジのトラブルをこのネジザウルスで解決できた人が、口コミやマス

コミを通じて多くの人に周知をしてもらえたことです。

欧州では、ドイツのデザイン賞であるiFの受賞をきっかけに、

徐々に売上げを伸ばしており、米国では競争力のある外国商品

を戦略的に販売拡大する有力バイヤーと協力して、現在売上げ

が伸びてきています。

マーケティングにより、本当に市場から要求されている製品を開発し、ヒットを実現

(「M(マーケティング)

、P(

パテント)

、D(

デザイン)

、P(

プロモーション)

」の4つの要素=「M

PDP」を理論化し、経営戦略を構築)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

ネジザウルスは、2002年発売以来、主に業務用として3シリーズで展開してきました。

リーマンショックで収益が激減し、経営的に苦しい局面に遭遇した際、販売中の従来品に対

する更なるお客様の要望を分析し、どんなネジでも外せる工具として家庭向けに改良・進化さ

せたのが4代目「ネジザウルスGT」です。

「一家に一本、ネジザウルス」を合言葉にして2009年に発売したところ、今までの3シリーズと

比べて飛躍的に売り上げが伸びていきました。この急激な売り上げ増を要因分析した結果、

「M(マーケティング)、P(パテント)、D(デザイン)、P(プロモーション)」の4つの要素=「MPDP」が

大事であることに気づき、「ネジザウルスGT」の強みは「MPDP」であることを理論化しました。こ

れら4つの要素は、すべて揃って初めて成功し、ヒットに結びつくのです。

海外展開をする上で、最も注意を払ったのは模倣品対策で、知的財産権の確実な管理に努

めました。そのために活用したのは、国家資格である知的財産管理技能士の制度で、全社員

30人中9名が取得しています。また、経済産業省の施策の外国出願助成金の制度が使えるこ

とが分かり、特許を始め、意匠や商標の出願費用の半分を助成金で充当できました。

最後に、海外全般に共通することですが、海外への展開をする際に大手の会社のように海

外駐在員などを派遣する余裕はないので、同社の製品やその価値とともに、進出先のマーケ

ットを十分熟知しているアドバイザーが、大変役立つことが分かりました。

ネジザウルスシリーズ販売実績

製品外観

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大阪精密機械株式会社

代表者:代表取締役 吉岡 功二 住所:大阪府東大阪市御厨6-5-16

電話:06-6782-0646 URL:http://www.osk-corp.co.jp/jp/index.html

設立:1951年 従業員数:85名

採用:新卒4名採用予定(募集期間は随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は歯車測定機の設計・製造を行う計測機メーカーで、1976年、世界に先駆けて電子制

御式の測定機である「電子創成式・全自動歯車測定機GC-HPシリーズ」を開発し、発売しまし

た。1987年には、現在の主力機種であるGNT製品「CNC全自動歯車測定機CLP-35」を開発す

るなど、歯車測定機の業界では国内外で高いシェアを有し、特に世界シェアは2割強を有して

います。

同社の歯車測定機の摺動面(往復運動により摺り合わさって動く平面)は、伝統的な加工法

であるキサゲ加工を行っており、これにより±0.001mmの精度で摺動面は仕上げられていま

す。また、キサゲ加工によって作られた0.001mm程度のくぼみが油だまりとなり、摩擦熱による

変形を防いでいます。このキサゲ

加工により歯車測定機の精度維持

が可能となって高い顧客満足度と

市場シェアに繋がっています。

海外には販売・サービス拠点とし

て、中国・インド・韓国の3カ国に駐

在事務所を開設しています。さらな

る販売・サービス活動強化のため、

インド及び韓国の駐在事務所の現

地法人への移行に取り組むなど、

積極的な海外展開に取り組んでいます。

NCによる自動化と伝統の技・キサゲ加工により、高精度の歯車測定機を開発

(歯車の校正機関としてJCSS認定を受けるなど技術力が評価され、歯車業界に大きく貢

献)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

より精度の高い歯車測定機を求めるユーザからの要求に対応するため、2008年、本体ベッ

ドを鋳物から石定盤に、また駆動モータをステッピングモータからサーボモータに換えたダイレ

クトドライブ方式のCLP-35DDSを開発しました。この結果、モータの発熱による測定機への影

響が抑えられ、高精度の測定機が実現しました。

また、これまで日本国内に歯車を校正する機関がなかったことから、“日本国内に歯車校正

機関が必要”との業界の要望を受け、2008年、品質システム・測定技能・測定室環境(温度・湿

度・振動等)の厳しい審査を受けた後、「歯車」校正機関として認定登録(JCSS0190)されまし

た。この認定取得により、それまで海外に依頼していた歯車校正を日本国内で実施できるよう

になり、コストと時間の両面で歯車業界に大きく貢献することになりました。

さらに2011年には、歯車校正機関用として、サブミクロンの精度を保証可能にした超高精度

歯車測定機DAT-1を開発しました。当該測定機は歯車校正機関の基準機として採用されるに

至っています。

歯車測定機(機構図)

Air bearing

Artifact

Rotary encoder

Torque motor

Laser Interferometer

Air slider StylusLinear encoder

Detector

Linear motor

歯車測定機(外観)

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向陽技研株式会社

代表者:代表取締役社長 山下雅伸 住所:大阪府堺市西区草部1214

電話:072-275-1300 URL:http://www.koyogear.com/

設立:1961年 従業員数:60名

採用:新卒採用予定人数 3~5名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、座椅子・ソファーの背もたれ、ひじ掛け、ヘッドレスト、フットレストの角度を自由に調

節できるリクライニングパーツであるラチェットギアの設計開発・製造・販売を行っています。

コンパクトサイズのラチェットギアでありながら高荷重の耐久性と機能性が世界で認められ、

同製品の現在売上に占める海外比率は7割を超えています。さらに、世界市場シェアは、5年

間1割以上を維持し、現在3割強にまで至っています。

1990年代から海外市場の拡大を目指

し、市場競争力を国内のみならず世界

規模で考え、その重要な役割を果たし

ているのが同社の中国工場です。ヨー

ロッパ市場のパイプ役として、また、中

国で同社の顧客への短納期輸送やき

め細やかな対応に注力しています。ま

た、ドイツに現地法人を立ち上げ、より

きめ細やかなフォロー体制を整えてい

ます。

座椅子・ソファーの背もたれ、ひじ掛け、ヘッドレスト、フットレストの角度を自由に調節できる

リクライニングパーツであるラチェットギアを開発

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

グローバルニッチトップとなるプロセスで生じた課題は市場展開と模倣品対策です。

市場展開については、ドイツ・ケルンで2年毎に開催される家具部品などの展示会に10年以

上前から出店し海外市場にチャレンジしています。まさに岩盤に穴を開けるような作業でした

が、新しい技術研究をし、市場のニーズを敏感に察知しながら努力を重ねることにより信頼

性、安全性の高いKOYOブランドを構築。欧州市場では同業である現地の2大勢力メーカーと

肩をならべるまで成長しています。また中国市場においての模倣品対策については自社で設

計開発から金型生産まで一貫して行っており、特に重要なコアな部分はすべて日本で生産し、

組立作業を中国工場で行うことにより技術の外部流出防止策を講じています。中国市場で出

回るコピー製品に対しては法的手段も辞さない強い姿勢で対処するため中国や欧州でも特許

を取得し対応しています。

これらの課題の克服に取り組む原動力となったのが「Heart&Technology」 …心と技術をよ

り高め国際社会に貢献できる企業を目指す… 同社の経営理念です。「Heart」とはモノづくり

にこめられた想いです。「Technology」とは新しい技術を研究しながら、あらゆる角度から新た

な分野へ挑戦することです。つまり人間性が向上してこそはじめて技術や知識を活用すること

ができ、まごころのこもった完成度の高いパーツを世に送り出すことができると考えています。

この経営理念の浸透によって社員全員がベクトルを合わせ「MEDE IN JAPAN」の誇りを持っ

てクローバルニッチトップに挑戦した結果、世界的シェアを獲得することができました。

ラチェットギア

ラチェットギア

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株式会社フジキン

代表者:代表執行役社長兼 COO 野島新也 住所:大阪府大阪市北区芝田 1-4-8

電話: 06-6372-7141 URL:http://www.fujikin.co.jp

設立:1954 年 従業員数:2100 名(グループ全体)

採用:約 50 人(2014 年度予定)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

日本が世界に誇る半導体技術においては、パーティクル(極微細なゴミ)の混入防止や多品

種の流体の混入防止を図り、残留流体を残さず、超微量のガスを正確にコントロールする必要

があり、極微細なごみ(微粒子)をも極端に嫌います。

同社は、この半導体製造工程におけるプロセス流体をコントロールする半導体製造装置用

超精密バルブにおいて、世界シェア4割を有しています。

同社では、この半導体製造装置に用いられる超精密バルブを清浄度世界No.1を誇るウルト

ラスーパークリーンルーム(1ft³中に0.1um以上のパーティクルが一ケ以下)で生産し、一切のゴ

ミ・油脂分をシャットア

ウトし、高い品質を維

持しています。

2005年には第1回も

のづくり日本大賞優秀

賞、2013年第5回もの

づくり日本大賞 経済

産業省優秀賞(海外展

開部門)を受賞しています。

半導体製造装置を支える超精密バルブ機器

(ウルトラスーパークリーンルームで生産される世界N

o1

の品質の超精密バルブ)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

半導体製造装置用超精密バルブを製造する上では、その製造工程において極微細なごみ

(微粒子)を極限まで排除する必要があり、清浄度を極限まで高めるため「より精密に、よりクリ

ーンに」をキーワードに、1982年に大阪柏原事業所を設立しました。また、アメリカのシリコンバ

レーにならって、ピュアーバレイ“大阪柏原事業所”と呼ばれるなど、ここでは半導体製造装置

用ながれ(流体)制御機器をはじめ、ユニット装置類の制作など、業界オンリーワンである熱間

鍛造からの一貫生産システムを採用しています。

1989年には清浄度世界一のレベルを誇るクラス1のウルトラスーパークリーンルームを新

設。半導体製造装置用ながれ(流体)制御機器などの超清浄度が要求される製品の生産・検

査活動を行っています。また、同年に筑波研究工場を設立し清浄度世界一のレベルを誇るクラ

ス1のウルトラスーパークリーンルームをはじめ、数々のハイテク対応技術が随所に配され、環

境制御装置や超精密ながれ(流体)制御機器の研究開発と生産を行っています。

現在では、国内外に生産拠点と営業ネットワークを広げ、お客様の多様なご要望にお応え

する体制を構築しています。

フローレシオコントローラ

100%気化システム FALVS

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大東プレス工業株式会社

代表者:代表取締役 吉田 隆司 住所:大阪府大阪市鶴見区横堤4-1-31

電話:06-6911-4751 URL:http://www.daito-press.co.jp/

設立:1937年 従業員数:136名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、「商用車用バックミラーと関連製品」を製造し、世界的な高いシェアを有しています。

同製品の強みは、(1)車両の燃費向上に配慮した軽量化ミラーであること、(2)環境に優しい

分解、単品交換可能なミラーであること、(3)少

量多品種の注文対応できる生産体制であるこ

と、(4)今後注目すべき中国・東南アジア市場

に生産拠点の設置があることです。

元々、国内で同社のミラーが拡販されたき

っかけは、同社が独自の販路と修繕のネット

ワークを有していたことが評価されました。

同製品は、自動車製造業において車の燃

費向上に貢献しています。また、同製品は、少

量多品種の注文に対応できるため、グローバルに顧客の採用が進んでいます。

車両の燃費向上に配慮した環境に優しいミラーで、少量多品種の注文対応できる生産体制

を実現

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社にとって、ASEAN(ローコストカントリー)での競合が増える中、海外品との競争は今でも

脅威です。

これに対する対策として、第一に、今までの経験を生かした設計・営業力を基に新しい提案

を続けており、新規案件に対してはPATや日本にしかできない品質安定を基に新しいものを作

り込んでいます。重視しているのは次の点です。

・新規材料・高品質仕上げ

・ワンランク高い要求性能製品

・軽量化設計とモノづくり(型・治具設計開発)

・ばらつきの少ないモノづくり品質

また第二に、既存の技術で製品化できるものは当然海外工場を利用して生産・輸入し、本社

の価格競争力に寄与させています。

過去に国内で手をかけていた製品をローコストカントリーで生産することにより、既存技術・

製品部分では価格の競争力を保っています。そのポイントは同社海外生産における、PPMを

意識したモノづくりです。 一方、海外工場の生産では、不具合の多さに大きな課題がありまし

た。現在はいろいろなゲートを設けることで改革・改善により、国内外で求められる品質水準を

クリアしています。

・できたものに対してSTAFFの意識改革(喜びを見出させる)

・モノづくりで日本のポカヨケを導入、誰が作ってもできるモノづくり

・日本的な物の見方での検品から前工程での改善

その結果として、 QCDで顧客の満足を得て、現状のニッチな分野で頑張っています。

ONBU ミラー

ハイウェイミラー

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石油プラントでの使用

淡水化装置での使用

株式会社竹中製作所

代表者:代表取締役社長 行俊 明紀 住所:大阪府東大阪市菱江6-4-35

電話:06-6789-1555 URL:http://www.takenaka-mfg.co.jp/

設立:1948年 従業員数:155名

採用:2015年度大卒3~4名を予定、高校卒は未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNT製品である「タケコート」は、錆びないネジをつくりたいという強い思いから生まれ

たオリジナル製品です。フッ素樹脂を用いた独自の表面処理技術により、橋梁や石油プラン

ト、海洋構造物など、耐腐食性が求められる環境下でも錆びないネジの開発に成功し、様々な

場所で採用されています。世界シェアは7割を有しています。

また、「タケコート」がGNT製品であることを示す特徴の一つとして、初めての大型受注が、

国内企業でなく米国の石油会社からのものであったことも挙げられます。1980年にマレーシ

ア沖の石油掘削工事のボルトに米国企業から採用された実績がきっかけとなり、日本企業か

らも数多く採用されることとなりました。いわゆるメイドインジャパン製品の逆輸入と呼べるも

のです。現在は、国内外の様々なプラントや建築物などで使用さ

れ、ユーザーからは海水などの厳しい環境下でも耐え得るネジ

として高い評価を得ており、同

社の25年以上のベストセラー

製品となっています。

同社は海外市場の獲得も

精力的に行っており、2013年3

月には海外での主要顧客が

多数あるUAEのアブダビに同

社初の海外営業所を設立しま

した。現地密着型のよりきめ

細やかなサービスの実現に取

り組んでいます。

フッ素樹脂による独自の表面処理技術により、耐食性の高いネジを開発

(橋梁や石油プラント、海洋構造物など、耐腐食性が求められる環境下で高いシェアを有

する)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

製品の開発に当たり、金属をフッ素樹脂でコーティングすることによって耐食性、防錆性を上

げることはできるものの、その膜と金属との密着性が課題でした。同社では、金属とフッ素樹脂

をうまく密着させるための中間被膜を開発し、5年の年月をかけ「タケコート」を完成しました。

また、「錆びないねじ」を作りたいという構想から始まったモノづくりには、様々な課題があり

ました。社内技術陣だけでは解決できない問題にぶつかった時は、高分子学が専門である京

都大学の故稲垣名誉教授の御指導をあおぎ、研究開発に励みました。

まさに産学連携から生まれたオンリーワン製品と言えます。

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株式会社ムラタ溶研

代表者:代表取締役 村田 倫之介 住所:大阪府大阪市淀川区木川東4-6-11

電話:06-6390-6768 URL:http://www.mwl.co.jp/

設立:1994年 従業員数:11名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNT商品は、円筒形の自動溶接装置と、タングステン不活性ガス溶接(TIG溶接)向

けのトーチで他に類を見ない独自構造です。小型金属部品の打ち抜き材料であるフープ材

や、洗濯機の回転ドラム、電気温水器の内外槽、配管設備用のベローズ管などのもととなる円

筒形材料の端面溶接には、難度の高い薄板の「突き合わせ溶接」が必要となります。

今まで高度な熟練工の技術に支えられてきたこの溶接を、「誰もが」、「簡単な操作で」、「高

品質」な溶接が短時間で行えるように開発したのが、同社の極薄板の突き合わせ溶接装置で

す。作業者の熟練度とは関係なく、常に最高品質で実現できる機構を備えており、0.2mmの極

薄板であっても、難なく溶接できる構造となっています。

数時間の操作方法のレクチャーを

受けるだけで、初めてのスタッフでも、

安全に、その日から生産力として参加

することが可能となります。そのような

理由で、アジアをはじめとする各国で

比類なき装置として販売が伸びてい

ます。

高品質溶接が可能なタングステン

不活性ガス溶接(TIG溶接)は、溶接

スピードが遅いなど問題点があります

が、高価なプラズマやレーザー溶接

に迫るTIG溶接で、生産性及び溶接品質の向上を実現しています。

高速速円筒形材料溶接装置とTIG溶接用狭窄ノズルの他に類を見ない独自構造

(狭窄ノズルを用いることで高価なプラズマやレーザー溶接に迫るT

IG

溶接で、生産性お

よび溶接品質の向上を実現)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

溶接は今まで高度な熟練工の技術によって支えられてきた分野です。しかし、同社では「誰

もが」「簡単な操作で」「高品質」な溶接を短時間で行なえる溶接装置ができないか? 高品質

な溶接が可能なTIG溶接の可能性をもっと広げることができないか? といった課題を40年近く

追及してきました。その結果、極薄板の突き合わせ自動溶接装置と新発明・狭窄ノズルが誕生

しました。

まず取り組んだことは、熟練工の技術を数値化・可視化することで、そこではIT技術を駆使す

る必要がありました。また、TIG溶接法は、アーク発生時に強力なノイズが発生します。当時

は、国内外でノイズ対策も確立されておらず解決に苦労しましたが、独自の機構で解決するこ

とができました。

次に、TIG溶接法は、溶接速度が遅くガス等の経費がかさむ、風の影響を受けやすい等、他

の溶接法と比較していくつかの問題点がありますが、この問題を解決したのが「狭窄ノズル」で

す。評価については大阪大学接合科学研究所の田中学教授の支援を受け、学術的にも解明

され、高い評価が得られました。また、自動溶接装置・タングステン自動研磨機も公的機関か

らの認定・技術基準の承認を受け、高い技術力という評価を得られました。

同社では、「情熱」「熱意」「執念」という3つのスローガンのもと、「すぐやる」、「かならずや

る」、「出来るまでやる」の行動規範実践・精神で日々努力を積み重ねています。このようなポリ

シーが狭窄ノズルという新発明を生み出しました。

狭窄ノズルは海外での使用も念頭に置いて、米国、韓国、中国での特許取得の手続きを行

っています。

狭窄ノズルを使用した TIG トーチ

円筒自動溶接装置

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内山工業株式会社

代表者:代表取締役社長 内山 兼三 住所:岡山県岡山市中区小橋町2-1-10

電話:086-272-7557 URL:http://www.umc-net.co.jp/

設立:1898年 従業員数:880名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、自動車をはじめ産業機械等に用いられるガスケット・シール材を主力製品としてい

ます。多くの自動車で標準装備となっている安全装置ABS(アンチロックブレーキシステム)に

使われる同社の「車輪速検知用着磁ゴムロータ」は、国内のほぼ全ての乗用車に使用されて

おり、また、国内のみならずグローバルに供給しています。同製品の世界シェアは3割を有して

います。

同製品は、自動車のハブベアリング用シールに磁性材料を混合・成形し、N極・S極交互に

多極磁化した着磁ゴムロータにより車輪速検出機能を持たせたもので、着磁ゴムロータ技術だ

けでなく、相手側部品のハブベアリ

ング用ゴムシール技術を従来から保

有していたこと、磁性ゴム材料と生

産技術を自社開発してきたことなど

が強みとなり、従来品(焼結金属製

の歯車ロータ)に比べ、軽量化、省ス

ペース化、高精度化、低コスト化を

実現しました。

また、関連特許を20件以上保有

し、製品供給においてグローバル体制を敷き、拡大販売を継続しています。

ゴム部品メーカーが自らの素材に新機能を付加し、新たなゴム部品市場を開拓

(豊富な材料ノウハウで、従来の車輪速検知部品(金属製)を自社ゴムシール材に機能統合し

た新たな部品を生み出した)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は「コルク」作りを創業し、その業界ではトップメーカーにまで上りつめました。そして、コ

ルクの特質を活かしたものづくりとして「密封と絶縁」をドメインとし、自動車業界の合成ゴム・合

成樹脂分野に進出しました。自社で材料開発から試験・評価、生産技術までを担い、たえず社

会のニーズに対応すべく、新しい技術の開発に挑戦しています。

「車輪速検知用着磁ゴムロータ」に関しては、磁力が高く耐熱環境にも応じた磁性ゴム材料

の開発を自社で行い、また、その磁性ゴムを成形し着磁検査する生産技術の開発も自社で行

って量産を開始しました。しかし、磁性粉を多く含んだ磁性ゴムは今までのゴムより極端に硬

く、従来とは生産面での取り扱いが大きく異なるため、不良率が高くなるという問題が発生しま

した。

この磁性ゴムの硬さという課題に対し、成形金型構造の最適化や着磁ゴムロータ専用とした

生産工程や生産設備へ改善する対策を講じました。その後は、本対策を標準化することで品

質の良い製品を安定的に量産しており、また、その金型、生産工程、設備を海外工場へ展開

することによって、品質の高い製品のグローバルでの生産が可能となりました。

その品質面の安定した生産方法を展開していることで、市場回収品での判断において、市

場不具合の無い信頼性の高い製品を供給し続けています。

内輪

ボール

外輪

着磁ゴムロータ

付きシール

ハブシール

ベアリングシール

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シグマ株式会社

代表者:代表取締役 下中 利孝 住所:広島県呉市警固屋9-2-28

電話:0823-28-0121 URL:http://www.sigma-k.co.jp/

設立:1937年 従業員数:200名

採用:新卒/中途 5名 (4月~12月/随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、主に自動車用のダイカスト部品や切削部品の傷を発見する「レーザー傷検査装置

【穴ライザーロボ】」を製造しています。この製品はオンリーワン技術であり、世界シェア100%を

占めています。

同製品の強みは、レーザー回転式検査方式が採用されていることであり、検査経は4mmを

実現し、これまで検査が行いにくかった円筒形の製品にも幅広く適用が可能である点です。ま

た、半導体レーザーを使用していることから、外乱光の影響を受けにくく、独自アルゴリズムで

画面処理を行い、製品の良否判定を

自動で行うことが可能となっていま

す。

このため、自動車・建機などの製

造業において、製造の最後の段階に

行っている目視検査を大幅に効率化

し、また正確性が高まったことから、

顧客での採用が進んでいます。

速度、精度を高めるため独自半導体レーザーを開発し、高精度な量産検査を実現

(半導体レーザーを使用し、外乱光の影響を受けにくく、独自アルゴリズムで画像処理を行

い、製品の良否を検査員に代わり自動で行うことが可能となった)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1937年に創業しました。1947年に国内自動車メーカーの指定工場となり、金属加工

技術を保有し、変速機部品や、プラスチック成形技術を有しています。また、海外企業から認

定を取得しているほか、一部の製品については、海外にも生産拠点を有しています。また、セ

キュリティ分野の製品を有するなど、コア技術の拡大にも積極的です。

本装置の開発に当たっては、ユーザーとなる自動車メーカー及び部品メーカーからニーズを

集めつつ、共同研究開発を実施しました。国の研究開発補助制度を積極的に活用しました。

開発は2006年に完了しましたが、リーマンショックにより、販売できない時期がありましたが、

2010年に再度本格的に販売できるようになるまで、導入顧客や見込客のニーズを集め、性能

を向上させました。

海外販売については、現状では国内拠点のみで生産しているため、海外でのメンテナンス

拠点がないことから、いかにメンテナンスフリーである製品に仕上げるかが課題となっていま

す。海外展開の具体的な手法としては、展示会への出展や国内商社を通じたPRを進めていま

す。他方、海外展開する上で課題となったのは、海外工場では検査前工程の洗浄精度が日本

に比べて低かった点です。洗浄工程の精度は判定率に大きく影響してくるため、ユーザーに、

洗浄方法、洗浄液の交換周期、乾燥方法等を見直す様に調整を図りました。

また、日本国内と比較し活用技術が劣る場合は、活用の為のレクチャーにも力を入れてきまし

た。その結果、自動車や建設機械の部品メーカーを中心に、世界10カ国に製品を展開してい

ます。

レーザー傷検査装置

レーザー傷検査装置 【穴ライザーロボ】

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株式会社ヤナギヤ

代表取締役社長 柳屋 芳雄 住所:山口県宇部市善和 189-18

電話:0836-62-1661 URL:http://www.ube-yanagiya.co.jp/

設立:1950 年 従業員数:150 名

採用:新卒/中途 (随時応募受付)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、水産練り製品の世界規模ヒット商品である「カニカマ」の製造装置において、世界シ

ェアほぼ70%を占めています。

昭和初期に蒲鉾屋であった同社は、蒲鉾の原料を効率的に生産する蒲鉾用撹拌擂潰機を

開発したことをきっかけとして、蒲鉾製造の機械化を実現しました。その技術をもとに、1979年

にカニカマの自動生産設備を開発しました。その後、「もっと本物のカニの味や食感に近づけら

れないか」と考え、カニカマ製造会社との連携により、同社で改良を重ね、繊維の形状に着目

し、斜め繊維、短繊維の連結、V型斜短繊維などの製品を開発し、さらにカニの「つめ肉」の食

感や「うで肉」のよりリアルな食感を追求し、本物以上といわれるまでに深化したカニカマ製造

装置を開発しました。

同社のカニカマ製造装置は、海外

販売により現在世界中で導入されて

おり、「カニカマ」が生産される21カ国

のうち、19カ国で同製品が使用されて

います。

カニカマの日本国内の生産量は約

5万トンですが、海外でその約8倍が生

産され、その商品の約7割は同社の製造装置が使用されています。

本物以上の味と食感といわれるカニカマ製造装置の開発で、世界シェアほぼ70%を獲得

(カニカマ製造において、カニの繊細な繊維質を再現する研究を重ね、本物以上の食感を味わ

うことができるカニカマ製造技術を確立した)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

海外への輸出に関しては当初、安全基準を満たす機械的なハード面、事務的なソフト面共

に様々な課題が発生してきました。例えば、アメリカでは「UL規格」、ヨーロッパでは「CE規格」

という国内仕様とは異なる独自の安全対策が求められており、輸出国の安全基準に応じた製

造装置の仕様変更が必要など、装置の各箇所にその対策措置を講じなければならない課題

がありました。近年では韓国では「KCS規格」、中国では「CCC」と電気関係の安全基準対策が

求められており、モーターなどその基準に合格したものしか使えない状況です。

こうした状況から各国に提出する事務的資料も増す中で、特に中国では輸入手続きの煩雑

さもあり、船下ろしされた後の税関手続きも時にはスムーズに認められないことも生じるなど、

思いがけなく労力を要することもありました。特に、突然各国の法律が変更されている場合な

どもあり、急な変更を余儀なくされることなども生じました。

こうした課題解決のために、海外の販売協力会社とのネットワークを強化し、輸出国それぞ

れの安全基準等について絶えず情報収集することで、輸出後に仕様変更等などが生じないよ

うな解決策を図っています。

製品のカニカマ

カニカマ製造装置

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四国化工機株式会社

代表者:代表取締役社長 植田 滋 住所:徳島県板野郡北島町太郎八須字西の川10-1

電話:088-698-4141 URL:http://www.shikoku-kakoki.co.jp/

設立:1961年 従業員数:692名

採用:新卒20名前後(募集期間12月~3月)中途・随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、屋根型の紙パックに飲料を詰める「屋根型紙容器成形充填機」を、1977年に国内

で初めて、高速化に成功しました。今では、同機の後継機は、世界最高速の充填能力を持ち、

牛乳から果肉の入ったジュースまで多様な液体を高速充填することが可能です。また、高い技

術力とノウハウで、小さな容器サイズから大きな容器サイズまで安定した「充填・成形・シール」

を実現し、衛生・メンテナンス面では「容器殺菌から装置洗浄まで」制御が可能となっていま

す。

同社は、世界に先駆けた無菌技術の研究・開発に

よりニーズに応じた無菌技術を提案しているほか、

機械のトラブル対応はもちろんのこと、トラブルを未

然に防ぐためのケア(巡回サービス)も展開し、きめ

細かなアフターサービス(メンテナンス対応)を行って

います。

時代の変化を先取りした独創技術の開発を手が

け、安心・安全の日本品質を国内はもとより欧米を中心に世界40カ国以上へ提供し、国内シェ

ア7割、世界シェアも1割以上に伸ばしています。

世界最高速の屋根型紙容器成形充填機を開発

(屋根型紙容器形成充填機の高速化、無菌化技術で製造能力向上、食品の長期保存を

可能にするとともに、多様な容器に対応し、幅広い顧客ニーズに応えている)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

参入前、当該機械は海外企業1社のほぼ寡占状態でしたが、受注生産企業であっても容器

形態が国内、世界で共通する充填機は魅力的と考え参入に挑戦しました。

「安全・安心・品質」を基本とした日本企業のきめ細かな機械づくりや、牛乳・果汁・酒・食品

調味料・洗剤まで幅広い充填物、多様な容器へ対応できる技術とサービスを開発することで顧

客のニーズに応え、世界に認められる品質を確立しました。

また販売ネットワークはもちろん、販売後のアフターサービス(メンテナンス対応)が必要不

可欠であり、その課題を解決するために国内外の販売代理店(製紙会社・紙容器メーカー)と

提携し、充填機と紙容器をシステムで販売してきました。

その結果、現在では日本国内はもとより、海外においても一定の評価を得ています。また、

中国(上海)に現地法人を設立し、アジア地域での市場開拓も積極的に行っています。

近年では、急激な円高による海外市場での価格競争力低下を受け、高性能かつ低価格の

新型機を開発しました。部品数を約30%削減し大幅なコストダウンを実現すると共に、ランニン

グコストやメンテナンスコストを含めたトータルコストの低減を実現。海外市場向け主力機として

市場拡大を図っています。

屋根型紙容器成形充填機

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坂東機工株式会社

代表者:代表取締役 坂東 和明 住所:徳島県徳島市金沢2-4-60

電話:088-664-1225 URL:http://www.bandoj.com/

設立:1968年 従業員数:185名

採用:3~4名(2015年度予定)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、一台の装置に切断部、折割部、研削部を備え、ガラス板を順送りしながら、ガラス

板の切断(切線入れ)、折割、外周研削して、自動車ガラスを連続生産する装置を製造してお

り、世界シェア6割を有しています。

その特徴は、切断部と研削部を共通の制御軸手段に装置し、一つの制御プログラムで同一

軌跡の動きをさせて、切断と研削を同時並行して行うこと、切断工具(カッターチップ)と研削ホ

イールは同一角度制御され、常に加工輪郭線の法線方向を向いて移動すること、折割は、切

断と研削が行われている間に、ガラス板に上下に折割装置を数値制御移動させて、上下から

行うこと、にあります。

同製品の強みは、切断と研削を一つの制御プログラ

ムで並行して行うことによって、それぞれの輪郭加工に

差が無く加工寸法精度が高いこと、工品種のサイズ、

形状変更に即座に対応でき作業能率が高いこと、多品

種少量生産において、生産能率の向上が著しいこと、ト

ラブルが無く、常に安定稼働すること、切断カッターチッ

プと研削ホイールは角度制御されるため、研削ホイー

ルの消耗に応じて、ホイールの法線方向位置調整で、

仕上がり寸法変更可能、位置決め機構省略できるこ

と、など多岐に渡ります。また、装置全体がコンパクトで

省スペースであり、据付時間が短いという特徴を有して

います。

一台の装置に切断部・折割部・研磨部の機能を搭載、圧倒的な生産スピードを実現

(生産スピードの向上には研磨スピードの更なるアップが必要と判断。自社で研磨ホイール制作

会社を設立、高速研磨ホイールで他社の追随を許さない生産スピードを実現した)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、約35年前からガラス板の自動連続研削加工装置を開発し、ガラスメーカー、商社を

通じて少数ながら海外展開を行って参りました。 そして27年前頃から、完全自動の連続自動

車ガラス加工装置を開発し、本格的に海外展開をするようになりましたが、この時既にヨーロッ

パのメーカーが活躍中であり、これらのメーカーと競合することになりました。 ところがある時

期から同社の装置は海外において出荷台数が伸びなくなりました。原因を調べたところ、生産

枚数でライバルメーカーが優位に立っていると判明。ガラスの送りスピード、研削加工スピー

ド、加工ヘッド待機時間等の機械的な面や制御的面から見直しを行い、この問題を新しいアイ

デアやノウハウにより克服しました。

同じ頃、営業部にヨーロッパの商社からグローバルビジネスマンを迎え入れ、各国の顧客と

直接グローバル営業を展開し、直販体制をとることにより、客からの情報を直接正確に聞ける

よう努力しました。また、国際的センスを養うため、社員をヨーロッパやアメリカに駐在派遣し、

現地でアフターサービスや営業を行うことによって、試運転技術者の語学力や技術力の向上

を目指しました。

同社は常に顧客の側に立ち、顧客を満足させることをモットーとして活動し、各顧客の要求

仕様に合わせた装置を提供することにより、顧客との末長い付き合いによる共存共栄の関係

を築きたいと考えています。

自動車用窓ガラス加工装置

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株式会社西部技研

代表者:代表取締役社長 隈 扶三郎 住所:福岡県古賀市青柳3108-3

電話:092-942-3511 URL:http://www.seibu-giken.com/

設立:1965年 従業員数:200名

採用:新卒5~6名程度(3月~5月頃)、中途4~5名程度(都度)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、世界に先駆けて新機能材料である特殊合成ゼオライトを用いた「VOC濃縮ロータ

ー」を製品化しました。これにより高濃度・小風量濃縮を実現し、VOC無害化処理装置のイニシ

ャル、ランニングコストの大幅な低減を可能としました。世界シェアは5割強を有しています。

濃縮ローターの開発にあたっては、吸着材であるゼオライトは化学品メーカーと、基材となる

ペーパーは製紙メーカーと、それぞれ共同

開発を行いました。さらに、ハニカムロータ

ーの製造装置は、自社開発により、常に技

術の高度化を継続実現しています。

種類の異なるVOCや、混合VOCにも対

応できるよう6種類の濃縮ローターのライン

ナップを揃え、膨大な性能試験データを蓄

積するとともに、実績に基づく性能予測プロ

グラムを用意しています。これにより様々な

業種や用途のVOC排出源に対応が可能と

なっています。

また、実使用において発生する性能劣化

や、塗料ミストによるハニカム閉塞などの問

題にも、自社技術による対策を用意してい

ます。

世界に先駆けて特殊合成ゼオライトを用いた有機溶剤(V

OC

)

濃縮ローターを製品化

(活性炭製ローターでは処理不可能な有機溶剤等の課題に対応するV

OC

無害化処理装置の大幅

なコスト低減を可能とした)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

・1988年に当該製品を開発・商品化した後、国内で数件の納入に成功しました。その後日本

のエンジニアリング会社と組んで、米国カリフォルニア州の粘着テープメーカーに大型システム

を納入しました。濃縮ローターの性能は要求条件を十分に満たしていましたが、全体のシステ

ム設計に不備があった為、ローターの性能が劣化する不具合が起こり、その対応に大変苦労

しました。組んだ会社がVOC処理システムに対して経験が乏しかった為です。

・濃縮ローターはVOC処理システムの心臓部分ですが、あくまでもモジュールの一つである

為、適切な全体システムの設計能力を有するメーカーと組む事が必須である事を、この件で学

びました。そこで当時米国に駐在していた現社長が、当時活性炭を使ったVOC処理システムで

No.1の実績を持つミシガンのD社に直接アプローチし、ゼオライトの優位性を納得していただ

き、同社の製品を全面的に採用して頂く事に成功し、以来濃縮ローターの需要が大きく伸びま

した。

・同社は海外との取引についても、当初から商社等を使わずに、自ら潜在的需要を持つ現

地の企業に売り込みをかけて、直接取引を行ってきました。そうする事により、顧客からの技術

的要求事項に素早く対応する為です。今回のケースも米国のシステムメーカーからの要求に

応えるべく、製品の改良を行い、実証テストを何度も実施する事で、厚い信頼を勝ち取り、その

後20年以上も継続的な取引を行っています。

・現在、濃縮装置そのものは中国や欧州等で製作していますが、心臓部である濃縮ローター

は全て日本にて製造しており、今後も続けていく考えです。それは、最も付加価値が高い部分

をブラックボックス化する為です。

VOC 処理システム全体図 点線で囲った部分が濃縮装置。低濃度大風量の排ガスを、例えば10倍に濃縮、10分の1に減容できるため、後段の燃焼装置を小型化でき、燃焼無害化のランニングコストを大幅低減

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上野精機株式会社

代表者:代表取締役 上野 昇 住所:福岡県遠賀郡水巻町下二西1-2-18

電話:093-202-4353 URL:http://www.ueno-seiki.co.jp/

設立:1972年 従業員数:180名

採用:・2015年度 新卒5~10名採用予定、中途で実力ある人は随時積極採用中

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社が開発した「ディスクリート半導体向け高速テストハンドラ」、「超小型半導体向け高速テ

ストハンドラ」、「WLCSP向け外観検査高速ダイソータ」は、世界シェア80%を占める製品です。

「ディスクリート半導体向け高速テストハンドラ」は、業界ナンバーワンである56,000個/1時

間の製品処理能力を持つ世界最速のテストハンドラです(60,000個/1時間、100,000個/1時

間の特別仕様モデルも有する)。競合他社の最速機でも45,000個/時間であり、同社の製品

は生産性で約25%の優位性を有しています。2005年の発売以降もスピード向上を続け、常に世

界最高速の地位を維持してきました。

「超小型半導体向け高速テストハン

ドラ」は、業界最小である0.6mm×

0.3mmパッケージのダメージレス搬送

に世界で初めて成功した製品です。

ダメージレスを実現する荷重管理技

術を特許化し、オンリーワン商品を確

立しています。

「WLCSP向け外観検査高速ダイソータ」は、テストハンドラで培った高速高精度搬送技術を

WLCSPに応用し、ダイソータとして世界最高速の30,000個/1時間を実現したものです。さら

に、デジタル画像処理技術の開発成果を活かし、半導体チップのマイクロクラックを最小10μ

mの幅まで検出できる機能を実現し、高速ダイソータに融合させることでオンリーワン商品に進

化させました。

世界最速のディスクリート半導体向けテストハンドラ等の開発・生産

(半導体製造装置の開発・製造等により培った小型製品の高速、高精度、ダメージフリー

搬送技術で、ナンバーワン・オンリーワンの技術・製品を提供)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

商品企画と技術開発では常に(a)ナンバーワン技術・商品であること(比較優位)、(b)オン

リーワン技術・商品であること(絶対優位)の二つの方針を徹底しました。この取り組みにより、

海外市場においても価格競争に陥らない技術、商品を実現しており、高シェア、高収益に結び

ついています。

商品開発で生じた課題は、ナンバーワンの高速性とオンリーワンのダメージフリー搬送を実

現する技術力です。これには創業以来一貫して強化してきた技術人材強化と、世界一を目指

すブレの無い経営方針が課題克服に大きく寄与しました。2004年当時の開発技術者数が約40

名であったのに対し、2013年現在は76名に倍増しました。分野も機械設計、制御・電気ソフト設

計、画像処理技術、半導体テスト技術と自社技術の優位化に必要な全分野をカバーしており、

更なる人材強化と内部の人材育成に取り組んでいます。また、技術流出を防ぐため、特許を含

む技術情報の管理は徹底的に行い、経営効率化の対象外にしています。

さらに、海外展開に関しては10年以上前から現地拠点を設け、顧客や市場のニーズを直接

把握することに努めてきました。

高速ダイソータ

高速ハンドラ

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株式会社西村鐵工所

代表者:代表取締役 西村 明浩 住所:佐賀県小城市牛津町柿樋瀬286-4

電話:0952-66-0001 URL:http://www.nisitec.co.jp/index.html

設立:1945年 従業員数:49名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、液体乾燥機で、従来型の円筒ドラムよりコンパクトかつ省エネルギーなコンパクトデ

ィスク(CD)ドライヤーを開発しました。同製品は、熱源から熱伝導によって材料を間接加熱し

て乾燥を行う乾燥機で、従来の円筒ドラムの外周表面丈を利用するタイプに比べて、中空ディ

スクの両側面を伝熱面として利用するため、高性能でコンパクト性、省エネルギー性等におい

て優位性を誇っています。その省スペー

ス、高効率により、それまで設置できな

かった工場でも乾燥処理が可能となりま

した。世界シェアは100%を占めていま

す。

従来廃棄されていた低圧蒸気を乾燥

熱源に使用できるため、エネルギーコス

ト「0」で運転している企業、CDドライヤー

による乾燥物を再利用・再資源化し「ゼロエミッション」を実施している企業もあり、環境問題に

取り組んでいる多くの企業に貢献しています。

高性能で、省スペース・省エネルギー性の高い液体乾燥機を開発

(中空ディスクの両側面を伝熱面として利用し、従来型のドラム型乾燥機に比べ、高性能、コ

ンパクト、省エネルギーな乾燥機を開発・生産)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、異業種交流会での「焼酎廃液の海洋投棄ができなくなる」という情報を契機に、焼

酎の製造過程で生まれる廃液処理を目的として、産学連携の共同研究を行い、CDドライヤー

を開発しました。しかし、当初は焼酎メーカーからの発注は多くはありませんでした。

そこで用途を廃液処理に限定せず、生産工程での使用に着目し営業を行ったところ、まず

大手食品メーカーからの受注が相次ぎました。その後、ターゲットとする業界を特定せず、受注

前の乾燥テストや納入の過程でさまざまな液体の乾燥実験を行ってきた結果、多種多様な液

体の乾燥ノウハウを獲得し、食品業界を始めとしてCDドライヤーの新たな用途が広がり、電子

部品、自動車部品、電池の製造工程などの生産過程で、食材や部品の乾燥に使われるように

なりました。

これまで、400台以上を生産し、国内はもとより、10ヶ国以上の海外納入実績があります。今

後は東南アジアとヨーロッパを中心に海外展開を考えています。

製品のコアとなる部分は特許を登録し、知的財産として保護するとともに、その製作にあた

っては、外部委託等を一切行わず、専属の部署を設け製作を行っています。

従来型のドラム式ドライヤーに比べて初期投資は大きいのですが、CDドライヤーの特性が

生かされる分野では国内外で独占的な地位を維持しています。

CD ドライヤー

CD ドライヤー

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森鉄工株式会社

代表者:代表取締役社長 森 孝一 住所:佐賀県鹿島市大字井手2078

電話:0954-63-3141 URL:http://www.moriiron.com/

設立:1922年 従業員数:115名

採用:若干名随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、自動車用部品の加工に多く採用されているファインブランキング(以下、FB)プレス

の自社開発、製造を行っています。

FB加工法は、1921年にスイスで考案された工法で、材料に静水圧をかけて加工する特殊な

加工方法です。FBプレスで加工した部品は、平滑なせん断面が得られ、3次元形状の複合化

ができ、高精度な成形が可能となります。また、切削や研磨などの2次加工が不要で、生産工

程の短縮と原価低減ができます。FBプレスは、世界的に自動車部品の製造に欠かすことので

きない加工機械であり、部品設計段階からFB加工法と図面に明記されるように、コストパフォ

ーマンスや品質安定に長けた特殊なかつ非常に難しい金属加工法です。

同社のプレスは国内トップシェアを誇り、ここ10年間は7割以上の実績があります。また、年

間製造機の半数以上は

海外へ輸出しており、世

界シェアは3割を超えてい

ます。

同社の強みは、ユーザ

ー要望に応えるオーダー

メイドのものづくりであり、

リピート受注が多くなって

います。

徹底した顧客第一主義で、世界シェア3割のファインブランキングプレスを製造

(平滑な剪断面が得られ、切削や研磨などの2次加工が不要で生産工程の短縮と原価

低減が可能なファインブランキングプレスを開発)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社がFBプレス市場に新規参入した1981年には、国内外のメーカーが6社ほど競合先とし

て存在する寡占状態で、今から参入するのかと言われました。他社に対向するために市場ニ

ーズに合致した機械作りを目指し、徹底した顧客第一主義を貫くため、設計メンバー自身を現

場に派遣して、要望を拾い上げて次期モデルに反映させ続けました。顧客ごとに違いの出せる

機械作りをし、差別化ができるプレス加工実現に徹底して協力しました。

先行していた欧州勢の技術力を地道な現場技術で踏破して、きめ細かなサービスを実現

し、後発メーカーとして顧客の信頼を勝ち取りながらブランドイメージアップに繋げました。ま

た、プレス技術だけでなく金型や加工技術を含めたトータル技術でのサービスも実現して、いち

早く海外展開を図り、技術セミナー、金型技術指導などPR活動を実施し、「ファインブランキン

グの森」というブランドを構築、これを生かして、アジアへの生産拠点移管にも対応しており、世

界13カ国に輸出実績を有しています。

従来のプレスで加工した切り口(上) FB加工した平滑な切り口(下)

6500kN ファイン ブランキングプレス

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JDC株式会社 代表者:代表取締役社長 橋川 義人 住所:長崎県佐世保市干尽町5-29

電話:0956-34-7500 URL:http://www.jdc-inc.co.jp/

設立:1968年 従業員数:15名

採用:CAD(3D)機械設計経験者随時(Uターン者歓迎)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、薄板金属のスリット(縦割り剪断)加工用機械に取り付ける巻取り機に「ベルト式張

力付与装置」という独創的な技術・装置を開発しました。同社のこの装置は、世界シェア9割を

占めています。

金属メーカーからコイル状に巻かれて出荷される薄板金属素材は、自動車や家電、電気電

子、建材など、あらゆる産業に利用されますが、用途に応じてスリット加工するスリッターライン

と呼ばれる装置で加工されます。近年、コイル素材表面に各種のメッキや塗装などの表面処

理された素材が増加するのに伴い、この素材表面に擦り傷や汚れなどが付着しない巻取り装

置のニーズが増大しました。同社は、エンドレスベルトを用いる「ベルト式張力付与装置」を開

発し、スリッターラインに設備することにより、処理される金属帯板コイル材の表面に擦り傷な

どが発生することなく高速度

で加工す巻き取ることを可能

とし、品質と生産性を著しく向

上させました。

この装置は、世界的に類

のない新型装置として世界主

要国の特許登録となったこと

もあり、日本国内はもちろ

ん、近隣の韓国、台湾、中国はじめ世界中の金属コイル加工業界、特に高級表面処理素材の

スリット加工分野で採用されています。

独創的技術で金属帯板コイルの高品質、高速度での巻取り加工を実現

(薄板金属素材のスリット加工にあたり、金属表面にキズを付けず高速巻取り加工が可能

なエンドレスベルトを用いた独自のベルト式張力付与装置を開発)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社が1980年代初頭に新型巻取り装置を開発発表した際、あまりにも独創性が高く、既存

製品とは原理がまったく異なっていたので一般ユーザーへの浸透には労力と時間を要しました

が、80年代半ばからの金属素材の表面処理の高級化にともない、無キズ巻取り装置のキャッ

チフレーズで装置の販売は大きく伸張しました。

90年代のバブル崩壊とともに国内の新規設備投資はストップしましたが、将来的な国内マー

ケットの飽和も予測して並行的に海外に販路を求める必要があるとの認識のもと、同時期に進

めていた近隣諸国へのPRと5カ国語による自社ホームページ立ち上げと電子メールにて商談

を可能にしたことが功を奏し、売上を維持拡大できました。

その後、2000年の旧型装置の特許満了を控えて、類似分野での新製品開発に成功し世界

主要国に特許を登録しました。折しも中国経済の急成長の下での設備投資拡大局面となり、

周辺諸国も含めて設備新設ブームにのって、装置の販売を維持発展することができました。

海外での販売の躍進ができた理由としては、「壊れない装置、メンテフリーの装置」づくりと

「消耗部品を届ければ、現地ユーザーが自身の手で交換復旧できる機械」の提供を実現した

ことにあります。また、世界主要国の特許登録までには大きな費用が必要ですが、コピー製品

防止に役立っており投資効果は出ています。

新型機種"RB21"巻取り 張力付与装置

先行機種"BELTBRIDLE" 巻取り張力付与装置

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株式会社日本製鋼所

代表者:代表取締役社長 佐藤 育男

住所:東京都品川区大崎 1-11-1 ゲートシティー大崎ウエストタワー

電話:03-5745-2001 URL:http://www.jsw.co.jp

設立:1950 年 従業員数:4804 名(連結)、2154 名(単体)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、世界最大600Ton鋼塊から製造される原子力発電プラントの心臓部となる「原子炉

圧力容器」および「発電機用の超大型一体化鍛鋼品」を供給しています。世界市場では高いシ

ェアを持っています。原子力プラン

トに使用される大型・一体化鍛鋼品

には、機械的・冶金的性質の均一

当方性、高い破壊靭性値、内部欠

陥が少なく被検査性に優れている

などの高品質な要求(仕様)が規定

されていますが、これらの要求を満

たすために、製鋼、鍛練、熱処理の

各製造工程にて最善の製造技術と

生産プロセスがとられています。特に焼入れ・焼戻しは所定の機械的性質の付与を目的とする

重要な工程で、これまでの数多くの製造実績から最適な条件を見出しています。

大型・一体化鍛鋼品に要求される高品質な製品を生み出す製造技術(製鋼技術、

鍛錬技術および熱処理技術)を開発し、技術優位を獲得

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1907年に創業しました。太平洋戦争後、蓄積した高度な技術・ノウハウを基盤に平

和産業へ転換。優れた「鋼」づくりと、それらを活かした「機械」の開発、さらに新規事業分野の

開拓に努めてきました。その活動は、電力・鉄鋼・造船・石油化学などの重化学工業のみなら

ず、自動車・電器・情報機器などの幅広い分野にわたり、「鋼と機械の総合メーカー」として、国

内はもちろん世界的にも高い評価を得ています。

原子力プラントに使用される大型・一体化鍛鋼品には、機械的・冶金的性質の均一当方性、

高い破壊靭性値、内部欠陥が少なく被検査性にすぐれているなどの高品質な要求(仕様)が

規定されています。これらの要求を満たすため、各製造工程にて最善の製造技術と生産プロ

セスがとられています。

不純物元素、非金属介在物などの低減のための製鋼技術や、鋼塊内部に形成される空隙

を圧着させる特殊鍛錬技術の開発、これまでの数多くの製造実績から適正な温度と時間によ

る熱処理技術を駆使し、本製品を開発しました。

原子炉圧力容器用の部材 鍛鋼品製造現場

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コバレントマテリアル株式会社

代表者:代表取締役社長 長浜 敏夫 住所:東京都品川区大崎1-6-3 日精ビルディング5階

電話:03-5437-8411 URL:https://www.covalent.co.jp/index.html

設立:2006 年(旧・東芝電興㈱1938 年創業) 従業員数:1308 名(連結)、927 名(単独)

採用:新卒採用予定人数: 6~10 名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、半導体製造の川上工程にあたるシリコン単結晶の製造から、シリコンウエハの熱

処理・エッチング・回路形成といった川下工程に至るまで、半導体製造装置に必要不可欠な部

材を供給しており、特に熱処理プロセス等に用いられる「炭化珪素部材」については、世界市

場シェア6割を有しています。

同製品の強みは、半導体製造装置用部材に求められる高純度、高強度、高耐食性といった

特性を有しながら、さらに精密加工

技術を取り入れている点にあり、多

くの半導体製造装置に組み込むこ

とを可能としています。

同社のGNT製品は半導体のサプ

ライチェーンになくてはならないと言

っても過言ではありません。国内外

の主要な半導体製造装置メーカー

の各種装置の中に、同社のGNT製

品が組み込まれています。このた

め、国内外の主要な半導体製造装置メーカーの認定サプライヤとして、各種装置への採用が

進んでいます。

半導体製造装置に必要不可欠な部材を開発

(日進月歩の技術革新で成長する半導体業界のニーズを先取りし、常に新しい製品を生み

出す)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は1928年の発足後、産業用部材メーカーとして1938年に炭素製品、翌年に石英ガラス

製品の製造を開始しました。その後、半導体産業の創成期から装置用部材を提供しており、日

進月歩の技術革新で成長する半導体業界のニーズを先取りし、常に新しい製品を生み出し市

場に送り続けています。

また、半導体業界では「シリコンサイクル」と呼ばれる需要の増減が周期的に繰り返されてき

ましたが、同社は需要低迷期には経営体質の強化や合理化により切り抜けてきました。特に、

2008年には金融危機と未曾有の半導体業界の不況により需要が激減し、同社も大幅な損失

計上を余儀なくされましたが、その後、生産性の向上、事業の再編等の構造改革施策を進め、

確かな経営機動力により顧客の信頼を得て、業績を回復しています。

縦型炉芯管、ボートセット

横型炉芯管

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千住金属工業株式会社

代表者:代表取締役社長 長谷川 永悦 住所:東京都足立区千住橋戸町 23

電話:03-3888-5151 URL:http://www.senju-m.co.jp/

設立:1938 年 従業員数:1,000 名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社の製造する「はんだ」は、電子部品の極小化、部品実装の高密度化を支える接合材料

として欠かせないものです。特に同社のはんだボール、成形はんだ、ペーストはんだの3商品

はいずれも高い世界シェアを誇るGNT製品となっており、具体的には、電子部品をプリント基板

に実装する際や、LSI等の内部配線用などで使用されています。

同社の強みは一貫してこれらの製品の開発・製造・販売を行っているところにあります。この

開発力は高く評価され、インテルのサプライヤー・コンテニュアス・クオリティー・インプルーブメ

ント賞(SCQI)を10回に渡って受

賞しました。世界市場シェア5割

弱を占め、グローバルなサプラ

イチェーンを高いレベルで支え

ています。また、研究、開発投

資に力を入れ、優れた生産技

術、製造方法の確立に心血を

注いでいます。

開発・製造・販売の一貫体制を築き上げ、高い開発力を実現

(電子部品や部品実装の要求水準の高まりにトップマネージメントで対応)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 GNTへの階段を上り始めた頃、鉛による地下水の汚染が問題視され、環境負荷物質である

鉛の全廃を望む声が高まり、2003年のRoHS指令により、鉛使用禁止への動きをもって本格

的なものになっていきました。ローマの時代から使用されてきた錫鉛はんだは、鉛を使用しな

い鉛フリーはんだへと大きな転換を迫られました。

しかし、この歴史的な技術転換は容易なものではありませんでした。鉛を含まないため、は

んだの流動性が低下し、はんだ付け性が悪くなることや、錫鉛はんだに比べて融点が20~

45℃高くなるため、部品や基板にも影響するケースが懸念される等、多くの課題を抱えていま

した。

この解決を図る為に、営業、開発、製造の垣根を取り払うプロジェクトが発足し、これが功を

奏し、後に同社がGNTとなることにも貢献しました。

GNT商品の一つであるはんだボールはICパッケージの実装用として、顧客である半導体・

電機メーカー各社から、最先端の実装技術や素早い開発・生産に対応できる、より厳しい品

質、納期が要求されました。これに対し、経営トップは従業員を集めて半導体業界に進出する

ことを宣言。従業員の心を一つにまとめ上げ、トップ自らが指揮を執りました。

ペーストはんだ、成形はんだ、はんだボール

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東京鉄鋼株式会社

代表者:代表取締役社長 吉原 毎文

住所:東京都千代田区富士見 2-7-2 ステージビルディング 12 階

電話:03-5276-9702 URL:http://www.tokyotekko.co.jp

設立:1939年 従業員数:449名

採用:新卒14名(総合職8名、技能職6名)/中途5名(総合職、募集期間4月~9月)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、主に建設用に使用される鉄筋を製造しています。同社が開発した「ネジテツコン」は

世界市場シェア5割であり、鉄筋の表面にネジ状の節を持つ高強度の異形鉄筋です。

同製品の強みは、従来の鉄筋は、加熱することによって鉄筋を接合させるガス圧接を行う必

要があるのに対して、同製品は、ナットやカプラーという「継手」を使って、ネジ締めで簡単に接

合ができることにあります。しかも、全長に渡るネジ形状のため、どこで切断しても接合が可能

であり、どのような長さにも対応できます。

このため、大型機械や

熟練した職人が不要であ

り、加熱作業がないため

雨や風等の天候の悪い日

でも作業が可能となり、全

天候型の製品として建築

工事を計画通りに進めら

れるというメリットもあり、

建築コストの大幅な削減と品質の向上につながっています。

高強度異形鉄筋「ネジテツコン」を開発し、鉄筋の高強度化と施工の合理化を実現

(鉄筋の表面にネジ状の節を作り、継手を使用してネジ締めで簡単に接合可能)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 1939年に創業した同社は、日本の電気炉メーカーで初めて「ネジテツコン」と「継手」の開発

に成功し、1983年には(一財)日本建築センターの評定を取得しています。

本製品の開発に当たっては、大学・他企業との連携による共同開発、営業・施工現場からの

情報のフィードバック、ニーズに直結した開発体制の整備等を行い、また、鉄鋼メーカーであり

ながら建築系の学生を毎年採用する等、技術力のレベルアップを図り、顧客であるゼネコンの

ニーズを具体化してきました。

海外販売については、商品の性能、信頼性及びトータルエンジニアリングサービスによっ

て、海外の顧客からも高い評価を得ており、採用実績が増加するとともに、多くの照会を受け

ています。

海外展開の具体的な手法としては、同社製品の良さをPRするとともに、よりきめの細かい

技術提案を行う営業活動を展開しています。他方、海外展開をする上での課題は、商品を現

地の要求にあった仕様に改造することや周辺分野への展開を図ることが必要となります。その

ため、中国、韓国に現地法人を設立し、高い技術力による同社製品の良さを理解してもらえる

ように提案型の営業を行っています。

建設現場での使用状況

ネジテツコン

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日本パーカライジング株式会社

代表者:代表取締役社長 里見 多一 住所:東京都中央区日本橋 1-15-1

電話:03-3278-4333 URL:http://www.parker.co.jp/

設立:1928 年 従業員数:3,355 名(連結)、790 名(単体)

採用:新卒 19 名 中途未定 (募集期間 新卒 1 月~5 月、中途 随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNTとなっている代表的な処理として「自動車塗装下地表面処理」があります。塗装

密着性、防錆性等を付与することにより、錆や磨耗による損失を最小限に留める役割を果たし

ています。同社の海外市場における上記製品の強みは大きく二つあります。ひとつは、国内市

場で顧客より評価頂いたサービスを展開先の海外においても同等の水準で提供出来る体制を

備えていること、もうひとつは、充実した研究開発体制です。

同社はシーズ開発から製品開発までを一貫して行い、国内から海外までの製品展開を視野

に入れた迅速で柔軟な

研究開発活動を行うこ

とによって、自動車塗

装 下地表面処理の世

界シェア2割を獲得して

います(対日系自動車

メーカーにおける世界

シェアは約7割)。

世界で有数の表面処理専業メーカー

(塗装密着性、防錆性等を付与した表面処理薬剤により、錆や磨耗による損失を最小限

に)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は海外展開の歴史が比較的長く、1965年に台湾に現地法人を設立以降、アジア・欧米

など14ヶ国余に海外拠点を展開しています。主に日系自動車メーカーの進出に合わせ、現地

での製造・販売体制を強化し、グローバルなサービスネットワークを構築しています。

当初は、進出先のさまざまな規制や異文化の理解不足もあり、また工場投資が過剰となっ

たことや、市場情報の不足から需要予測の精度が低下し、収益改善が思うに任せず、現地事

業の経営が長期に亘り苦戦を強いられたこともありました。

これらの課題に対し、粘り強い姿勢で経営体質の強化に励みました。同時に顧客に対して

は、国内で培った信頼関係を基礎に、海外拠点においても、国内と同等の水準での製品・サー

ビスを提供出来る体制の構築に努めてきました。そうした結果、近年は海外業績が堅調に推

移し、海外売上比率は40%近くに達しています。海外展開の歴史が長くなった拠点では、現

地の人材が育ち、役員等経営に携わるスタッフも増えつつあります。

同社は技術立社を旨としており、創業以来、一貫して表面改質技術を通じて社会に貢献して

いく強い意志を持つとともに、「表面に機能」を念頭に、様々な顧客のニーズに応えるべく、

日々開発を行っています。

専業メーカーとして、表面改質分野において世界のリーダーであり続けたいという熱い想い

が、海外展開への大きな原動力ともなっています。

新型液体表面調整剤

自動車ボディの表面処理ライン

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株式会社フルヤ金属

代表者:代表取締役 古屋 堯民 住所:東京都豊島区南大塚 2-37-5

電話:03-5977-3388 URL:http://www.furuyametals.co.jp/

設立:1968 年 従業員数:270 名

採用:新卒採用:技術職10~15名、営業職・管理業務5~10名程度、中途採用:適宜、若干名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、「イリジウムルツボ」と「ルテニウムターゲット」において卓越した強みを持っていま

す。イリジウムルツボは、世界市場シェアは約6割強のシェアを持つものですが、半導体の基

礎素材であるセラミックス単結晶の製造過程で使用され、融点2,000度にも耐えられるため、高

い歩留を確保できます。同社の強みは、(1)希少価値金属から作られるイリジウムルツボの加

工・修理・精製(リサイクルも含む)・販売を一貫して行っている点、(2)硬度があり加工・精製難

度の高いイリジウムを独自技術により高品質で提供できる点にあります。

ルテニウムターゲットは、世界市場シェアは約2割強を

占め、ルテニウム層(ハードディスクドライブの記録層の

一部)の原材料スパッタリングターゲットを提供します。

同社の強みは、(1)高純度のターゲットの製造・精製(リ

サイクルも含む)販売を一貫して行っている点、(2)展性

がなく硬く脆い特性を持ったルテニウムに対して、ニアネ

ットシェイプ成型法を用いることで効率的に製造している点にあります。

両者に共通する課題として、原材料が南アフリカ鉱山に偏在し、また、公の取引市場がない

ため、原料調達や価格の安定性に欠ける点が挙げられます。同社は、リサイクル技術の開発

に取り組むことによって課題解決を図っています。

加工の困難な希少材料の加工・リサイクル技術を開発し、競争優位を獲得

(イリジウムルツボ、ルテニウムターゲットの製造・精製・リサイクル・販売を一貫して実施)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 以下の記述は、上記のうちハードディスクドライブ(以下、HDD)メディア製造用ルテニウム・

ターゲットの経験です。

HDD 製造に使用されているルテニウム・ターゲットのビジネスを展開していく上で、最初に直

面した課題は、地金価格の高騰でした。ルテニウムは 2000 年代初めまで、ほとんど用途があ

りませんでしたが、2005 年頃より、ルテニウムを使う新記録方式の HDD が急速に普及したこと

から地金価格が急騰しました。

そこで、当社は世界に先駆けて、使用済ルテニウム・ターゲットを高純度原料パウダーに再

精製する独自リサイクル技術を開発しました。その結果、ルテニウム地金の国際価格は適正

レベルで安定し、お客様に安心してルテニウムを使用いただける環境を作ることができました。

第ニの課題は海外展開です。HDD 国際競争の激化につれ、需要地は日本から海外各地に

分散していきました。海外市場で、ライバル企業に勝つために同社が採った対応は次の 2 点で

す。第一に“日本のものづくり”を活かして品質で差別化を図る、即ち、高度な精製技術・製造

時の精確な温度制御技術等で、超高純度ターゲット製造に成功しました。第二に、それまで国

内市場に対応していた同社の体制でしたが、周囲のサポートを受けながら、独自に、海外営業

の強化・拠点網の整備を進めました。

同社は、グローバルな競争優位確保のために、“日本的ものづくりの維持(強みは守り)”と

“独自の海外展開充実(同じ土俵で勝つ)”を 両立させることが重要と考えています。

イリジウムルツボ(左) ルテニウムターゲット(右)

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株式会社環境経営総合研究所

代表者:代表取締役社長 松下 敬通

住所:東京都渋谷区南平台町 16-29 グリーン南平台ビル 2 階

電話:03-5428-3123(問合先) URL:http://www.ecobioplastics.jp/

設立:1998 年 従業員数:151 名

採用:中途採用随時実施、新卒定期採用(採用数は未定)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、紙を独自の乾式粉砕技術で25~50μmと微細に磨り潰した紙パウダーを主原料

に、バインダーとなるポリオレフィン樹脂と均一に混練してペレット化し、従来のプラスチック材

料と同様に成形が可能な新たな「複合素材」を開発しました。

この複合素材の強みは、従来のプラスチック材料との比較で、紙本来の性質である低収縮・

高剛性・耐熱性といった優れた物性を持ち合わせていることに加え、原料となる紙は製紙工場

や紙加工工場から排出される裁ち落としなどの産業古紙を中心に利用して低価格での市場へ

の提供が可能なことです。

このため、プラスチック材料の代替として食品容器業界や

文具・玩具・アメニティ業界で採用が進んでいるほか、混練

時に澱粉を加えることで次いで開発した発泡剤を使用しない

発泡体製品は自動車・家電業界や建築資材業界でも採用さ

れ始めています。世界市場シェアは約1割を獲得していま

す。

【参考】応募日現在の海外特許出願は12か国39件、うち特許取得は10か国9件

紙を乾式で粉砕する独自技術で創り出したパウダーを主原料に新たな複合素材を開発

(自社が目指した環境配慮型ビジネスの提案が可能に)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社が紙とポリオレフィン樹脂を均一に混ぜ合わせた複合素材を創り上げるためには、微

細なパウダー状の紙が不可欠でしたが、通常の粉砕機は紙のように柔らかくて軽いモノを砕く

には適しませんでした。このため、松下社長の直感で石臼状の粉砕機を試作したところ、この

課題は解決されましたが、でき上がる紙パウダーの量が少なく時間がかかり過ぎることから試

行錯誤を続け、磨り潰す刃を改良し、2005年に量産化に目処を付けました。また、素材を均一

に混ぜ合わせることにも苦労しましたが、専任の技術者を育成し、4年に渡る低温で混練する

独自技術の開発で解決しました。

大手損保会社の市場開発部長からの転身で起業した松下社長は、環境志向の時代の流れ

やターゲットとなる市場の見極めには自負があったものの、技術的なバックグラウンドが不十

分、かつ、商業生産の経験もほとんど無いという弱みがありました。これを補うため、中小企業

基盤整備機構の経営実務支援による工場生産体制の確立や専門家継続派遣による複合素

材の物性向上に2005年から2010年まで傾注しつつ、日本政策投資銀行から事業化のための

設備や人材投資に必要な資金を調達するなど、公的制度を最大限活用しました。

幾多の課題を克服した同社の技術と製品は、2010年に米国で開催された国際プラスチック

環境会議で環境管理賞を受賞したことを契機に、海外大手プラスチック企業から注目されるこ

とになりましたが、外国語に精通した内部人材が手薄で具体的な対応が難しかったため、2012

年に大手企業OBを中心とした海外チームを社内に組織して対応強化を図り、今では海外2カ

国にも生産拠点を設けるなど、国際的な展開を着実に進めています。

新素材紙パウダー

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株式会社シルド

代表者:代表取締役社長 吉川 伍郎 住所:東京都中央区日本橋堀留町 2-3-3

電話: 03-3662-5331 URL:http://www.sild.co.jp

設立: 1955年 従業員数:126名(内臨時、パート17名を含む)

採用: 高卒 2名(募集期間9月~)/大卒 1~2名(募集期間4月~)、中途: 随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNTとなっている製品は、特殊鋼・ステンレスの「異形引抜製品」です。少量多品種の

異形断面形状を、機械加工ではなく塑性加工(熱間圧延と冷間引抜のコンビネーション)によっ

てフルオーダーメイドで生産しています。主な用途は機械部品ですが、用途は多岐にわたって

います。機械一台あたりの使用量は少ないものの、その多くは、機械の心臓部の部品であり、

同社の製品がなくてはその機械が成り立たないものが多くあります。同社製品はそういった高

品質の機械を支えています。このようなハイエンド製品は海外においても大きなシェアを獲得し

ており、結果として同社の製品も、

海外においてかなりのシェアを獲

得しています。原子力発電制御棒

タイロッドの製造によって培われた

製造技術は、熱核融合炉( ITER)

のトロイダルコイルのカバープレー

ト、発電機回転子部品、ステンレス

製LMガイドレール等に生かされ、

その多くが輸出され、海外で高いシェアを占めています。

複雑な形状、高精度の特殊鋼・ステンレス等の異形製品を熱間圧延と冷間引抜のコンビネー

ションに依る塑性加工によって製造し、機械部品の高品質化を実現

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、1955年に創業しました。1966年に鉄鋼流通業から鉄鋼二次製品の製造業に転身

し、技術開発等の努力の結果、1970年代には、原子力発電制御棒タイロッドの製造を認定さ

れるなど、高い技術力により異形引抜製品の認知度を向上させました。

同社製品の開発に当たっては、顧客のニーズを設計段階から用途を踏まえて打ち合わせを

行い、形状、スペック等についてきめの細かい調整を行い、ユーザーが満足する製品の生産

を行っています。特に、原子力発電制御棒タイロッドの製造によって培われた技術は、他分野

の製品開発にも生かされ、LMガイドなどの海外で高いシェアを占める製品の重要部品となりま

した。

海外販売については、同社製品は、機械の心臓部の部品であり、同社の製品がなくては、

その機械は成り立たないものが多く、海外で競争力のある高品質の機械を支えています。この

ようなハイエンド製品は海外においても大きなシェアを獲得しており、結果として同社の製品

も、海外において、大きなシェアを獲得しています。海外展開の具体的な手法としては、展示会

への出展等を通じたPRを進めるともに、ユーザーの海外での競争力を高めるために、社是で

もある「技術開発に積極的にチャレンジしよう」のもと技術開発等を行っています。

「顧客満足度の向上」、「顧客との信頼関係の構築」をベースに、世界に役立つもの作りを目

指しています。

異形製品

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日化精工株式会社

代表者:代表取締役社長 杉本 隆 住所:東京都世田谷区野沢 2-2-1

電話:03-3424-1511(国内営業部) URL:http://www.nikkaseiko.co.jp/

設立:1962 年 従業員数:73 名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、電子部品材料、半導体材料、光学材料等の材料を加工する場合に、材料の保持

に用いる剥離可能な「仮止め用接着剤(以下、ワックス)」がGNTであり、世界市場シェア7割強

を確保しています。

同社の強みは、創業以来ワックスの開発、製造、販売に従事し、ユーザーのニーズに合わ

せたワックスをユーザーとともに開発し、自らワックスの応用分野を広げ市場の拡大を行い信

頼とブランドを確立したことです。

ワックスによる加工品の保持は、精密加工の分野で無歪み支持と呼ばれ、精密加工には必

須な要素技術として、世界中の精密加工分野に貢献して

います。

ワックスによる保持の応用分野は広く、特に半導体ウエ

ーハの製造分野では、液体状のワックスを応用する方法

を開発し、半導体ウエーハの高精度で安定した大量生産

に貢献し、太陽電池用シリコンのスライシング時の仮止め

用エポキシ接着剤においても大いに貢献しています。

電子部品材料、半導体材料、光学材料等に欠かせない仮止め用接着剤をユーザーと一体とな

って開発

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 ①製品が化学品である為に、海外展開に伴い船舶航空輸送の規制に関する知識や現地の法

規に関する情報収集が必要となりました。 また、英文だけでなく多数の言語によるカタログや

ラベル・製品安全データシート(MSDS)の用意が必要になってきました。

②当初は英語の出来る担当者が現地顧客や現地代理店と連携することで対応し、徐々に法

務関連の要員追加や外部コンサルティング会社との契約、外国人の貿易担当社員の増強な

どを行って参りました。 ラベルや製品安全データシート(MSDS)については、独自の発行シテ

スムを構築するなどして多言語化に対応しています。

③創業者の口癖であった「誠実・感謝・人の和」「一人三役」の言葉を念頭に、少人数ながらも

全社員が協力し合うことで、海外顧客からの問い合わせや注文、輸出業務に取り組んできまし

た。

④海外顧客や通関業者などに製品の成分を開示する際には、機密保持契約書を取り交わし

たり、法的要求以外の内容については非開示とするなどしております。 また、海外での生産

についても原料の具体的商品名の開示や重要な設備機器に関する事項の通知については一

部の幹部社員のみに限定するなどの策を講じています。

剥離可能な仮止め用接着剤

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株式会社オキサイド

代表者:代表取締役社長 古川 保典 住所:山梨県北杜市武川町牧原 1747-1

電話:0551-26-0022 URL:http://www.opt-oxide.com/

設立:2000年創業 従業員数:73名(パート、嘱託等を含む)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、独立行政法人物質材料研究機構が開発した結晶育成技術の実用化を目指して

2000年に設立した大学発ベンチャーであり、可視から紫外線領域のレーザ応用に優れた「非

線形結晶SLT(定比組成タンタル酸リチウム)」の量産化に成功した、世界唯一のメーカーで

す。同製品の世界市場シェアは100%です。また2006年には、大阪大学の発明した非線形結晶

CLBO(セシウムリチウムボレート)のライセンスを受けて独占で製造を開始し、現在拡大しつつ

あるDUV(深紫外)レーザ市場において、世界のレーザメーカ20社

超に独占的に供給しています。これは創業以来蓄積した結晶育成

のノウハウが、安定的な生産体制の構築と継続的な品質改善に

結びつき、市場の創造・拡大を可能としたものです。さらに同社で

は、結晶材料の強みを活かした応用製品の事業化も進めていま

す。2010年にはソニーからDUVレーザの事業譲渡を受け、その後

NEDOなどの支援を得て新製品開発に成功しました。自社製結晶

の搭載による競合他社を圧倒する品質が強みとなり、差別化の源

泉となっています。

可視から紫外領域のレーザ応用に優れた非線形結晶SLTの量産化に成功した唯一のメーカ

ーで、安定的な生産体制と品質改善によって市場の創造・拡大を実現

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 国立研究所からライセンスされたSLT結晶は当初、製造歩留まりの低水準が課題でしたが、

新会社設立に参集した大手企業出身者の技術・ノウハウを融合する事により、短期間に歩留

まりが98%の水準まで向上しました。

CLBO結晶は潮解性が高く、製造プロセスにおいて厳しい温度や湿度の管理が不可欠であ

り、加えて4元素で構成されるため、均質結晶を得ることが困難でした。同社は20種類を超す結

晶育成技術のノウハウ、二重ルツボ法などの独自の育成方法、習熟した社員の継続的な品質

改善への取組により、複数の大手企業が断念したCLBO結晶の事業化に成功しました。

DUVレーザは、製品競争力の回復と開発人材の確保が課題でした。事業譲渡前5年間は品

質向上や能力アップの投資が凍結されたため、シェアは世界トップから5%以下にまで低下し

ました。このため事業譲渡後、ソニーでの開発経験者を中心に一本釣りで採用を進め、3年間

で20名以上を採用すると共に、2011年春にNEDOの補助事業採択で開発資金を確保して新製

品開発を加速し、シェア回復に成功しました。

同社は設立以来、要素技術、生産技術の完成度向上、品質管理の徹底を重視し、それに

見合う人材の確保・育成に注力してきました。海外市場も主要市場であるため、海外市場での

認知度向上のため、展示会出展、有力学術誌寄稿、特許取得等を継続的に実施し、開発・設

備資金の充足も、各種補助金の支援を受けてきました。GNT企業として、海外展開を意識した

人材の確保・育成とグローバル意識高揚が成功の大きな要因となっています。

SLT 結晶

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オキツモ株式会社

代表者:代表取締役社長 山中 重治 住所:三重県名張市蔵持町芝出 1109-7

電話:0595-63-9095 URL:http://www.okitsumo.co.jp/

設立:1945 年 従業員数:141 名

採用:2014 年 2 名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

「シリコーン系耐熱塗料」は、自動車、モーターサイクル、ガス器具、調理器具、暖房器具

等、熱がかかる部品の熱損傷を防ぎ、加飾を行い、必要な機能を付与する、当該分野ではなく

てはならない商品です。

同社は耐熱分野におけるシリコーン耐熱塗料を日本で初めて開発して以来、あらゆるニー

ズに対応するため、多種多様な商品を開発してきました。そして同製品の世界市場シェアは3

割強まで成長しました。例えば、シリコーン樹脂を用いた耐熱塗料は500℃以上の高い温度域

においても耐熱性を発揮。また、3000℃の高温と高圧に曝さ

れるロケット発射台を保護するため利用される塗料も製造し

ています。

カスタマイズを支える商品開発力、少量多品種対応およ

び、世界ベスト価格、世界同時供給を実現するグローバル

ネットワークをシリコーン耐熱塗料業界で唯一実現している

ことが同社の強みです。シリコーン樹脂を使用した耐熱塗料

を日本で最初に開発して以来、顧客満足を得るために耐熱

塗料に留まらず、遠赤外線放射塗料や高効率輻射塗料、フ

ッ素樹脂塗料や潤滑塗料等、様々な機能をもつ塗料の開発

を進めています。

自動車やガス・調理器具などで広く利用されるシリコーン耐熱塗料で、業界で唯一世界

展開を実現

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 シリコーン樹脂を使用した耐熱塗料を日本で最初に開発して以来、顧客満足を得るため、耐

熱塗料に留まらず、遠赤外線放射塗料や高効率輻射塗料、フッ素樹脂塗料や潤滑塗料など

様々な機能をもつ塗料の開発を進め、これまでに数千の商品を開発し世に送り出しています。

また、開発に必要な材料、人員、設備、経費を捻出し、ユーザーの求めに応じ、海外展開を推

し進めるなど、ユーザーニーズを着実に捉えながら、限られた経営資源を効率的かつ効果的

に投入して積極的に事業を展開しています。具体的には、アメリカからスタートし、その経験を

生かして、タイ、台湾、インド、韓国との技術提携と海外進出を進めてきました。

現在は、技術提携を取りやめ、現地生産工場を設置して同社の考え方が徹底できるような、

現地生産拠点つくりを進めています。トヨタやホンダといった日系企業現地法人を中心に供給

していますが、今後は現地ローカル企業への販売展開を促進するため現地にあった品質コス

トを実現すべく、商品開発を進めています。

同社はこうした取り組みの積み重ねによって、世界シェアNo.1を実現するとともに、購買力、

収益力、成長性、財務基盤の強化によって、高い成長性を維持しています。

シリコーン系耐熱塗料

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江南化工株式会社

代表者:代表取締役 大谷 淨治 住所:三重県四日市市楠町北五味塚 1515

電話:059-397-2612 URL:http://www.konanchemical.com/jp/index.htm

設立:1952年 従業員数:63名

採用:新卒/中途の採用予定人数(若干名)、募集期間(随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

「p-クレゾール」、「p-トルエンスルホン酸」、「キシレノール」とも国産化第一号として誕生し、

国内トップシェアを維持しています。生産数量の6割が輸出で、販売先は北米・ヨーロッパ・東

南アジア・アフリカ・南米など世界各国にわたっています。自前の商社機能を生かした営業力

が強みで、輸出の9割以上が直接貿易です。

スルホン化反応・アルカリ溶融反応技術、分離精製技術、分析技術を基にニッチ分野向け

の高純度品の製造に特化しています。電子材料、医薬品分野でも高度なコンタミ防止策を講じ

た高純度品として高評価を得ています。

海外に同業者は存在しますが、同社の製品は原料の選

択から差別化を図っており、物質名は同じでも全く別の商品

として顧客に認識され指名買いが入るので他国の商品と競

合することはありません。

p-クレゾールはp-トルエンスルホン酸を原料として一貫生

産することで、他社と異なりコストの低減が図れています。

原料の選択から差別化を図り、ニッチ分野向けの高純度化成品バルクの製造に特化

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、国内は成熟市場であり拡大の可能性が低いため、海外での市場拡大を目標に掲

げました。当初は代理店を介して輸出を行っていたため利益率が低く、直接貿易を行う態勢を

整えて、海外市場の新規顧客開拓と併せて既存の商流の見直しを行いました。

米国市場向けでは既存の代理店から大きな抵抗を受けましたが、米国の新規顧客と親しい

関係にあった日系化学会社の子会社の敷地にある事務所を借りることができ、そこに現地法

人を設立しました。さらに、現地社員は雇用せずにアウトソーシングで実質的な直貿体制を整

えた上で既存の代理店の説得を試みました。併せて、のれん代を支払う等の手段も講じまし

た。

また、輸出業務の担当者の教育は乙仲に協力を仰いでOJTを行い、実務の経験を積み上

げながら海外市場を逐次拡大しました。その結果、2000年当時と比べ、現在の輸出数量は倍

増となっています。

海外市場での新規顧客開拓に当たっては、国内の既存顧客からその技術を供与された海

外の客先の紹介を受け、成約に至りました。また、欧州の同業他社が廃業する際には、供給

の肩代わり先として同社を欧州の優良顧客の紹介を受けました。

同社の企業理念「顧客に満足される商品づくりに徹し、社会に貢献する」と品質方針「顧客

の信頼と満足を得る品質を提供する」を長年にわたり無骨に貫いてきた結果として築かれた同

社製品の品質に対する市場の信頼感があればこその展開であり、口コミも同社の海外市場拡

大の重要な要素となっています。

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株式会社大阪合金工業所

代表者:代表取締役社長 水田 泰成 住所:福井県福井市白方町 45-5-9

電話:0776-85-1811 URL:http://www.osakagokin.co.jp/profi_j.html

設立: 1949年 従業員数:50名

採用:若干名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

「Nb3Sn超電導線」は、タンパク質の構造解析に欠かせない分析装置である核磁気共鳴装

置(NMR)や現在建設中の日欧米中露韓印7極による国際熱核融合実験炉(ITER)に用いられる

10テスラ以上の超高磁場マグネットを作り得る、唯一の実用材です。その主要素材がTi添加高

錫ブロンズで、同製品の世界市場シェアは約7割であり、最終製品が先端的な研究開発に用

いられるため、要求仕様は非常に厳しくなっています。同社は、Ti添加ブロンズの製造法水田

式溶製法を1997年に発明、組成がインゴット内で均一という高品位製品を適正価格で国内外

メーカー各社に、この15年間安定的に供給してきました。

水田式溶製法は、溶湯を坩堝ごと直接冷却する画期的

なインゴット新製法です。溶湯が動かないためガスシール

ドのみでの溶解が可能であり、Tiのような活性金属元素は

真空中でなければ添加できないとの常識を覆し、加工費

を大幅に低減しました。当該技術は権利化され公表され

ていますが、生産上のノウハウが数多くあり、生産量が限

られることもあって他社からの参入は皆無であり、実績と

相俟ってほぼ独占的な市場シェアを継続達成しています。

核磁気共鳴装置や国際熱核融合実験炉等に欠かせない超高磁場マグネットの製造に

必要とされるN

b3 S

n

超電導線の主要素材Ti添加高錫ブロンズをほぼ独占的シェアで安

定的に供給

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 Nb3Sn超電導線は、日本で発明されたこともあって我国のシェアが高く、製造各社は海外展

開も活発に図っていましたが、そのキーマテリアルとなるTi添加高錫ブロンズインゴットの製作

は真空溶解法に依存しており、品質とコストの両面で課題を抱えていました。先端的技術であ

るが故に、社外には秘匿され、一方で需要増も期待できず、開発費削減を余儀なくされていま

した。

同社はそのうちの一社から上記課題解決の相談を受けました。開発費を要求しない見返り

として、成功すれば他社にも素材提供することを条件として開発に着手しました。価格半減技

術としては雰囲気溶解法に着目し、坩堝ごと溶湯を動かすことなく凝固させることでTi添加を実

現することができる水田式溶製法を発明するまでに3年を要しました。凝固速度の制御によっ

て錫やTiの不均質化も激減させることができ、真空溶解特有のArガス噛み込みもないなど品

質は大幅に向上しました。

ブロンズ法Nb3Sn超電導線製造各社に素材提供を呼びかけたところ、現在では全てのメー

カーにインゴットを提供する状況になっています。これは、各社がこれまで真空溶解法で如何

に問題を抱えながら製造していたかの証です。

同社が大手各社から相談を受けた背景は、従来から同社が大手各社と等距離外交の関係

にあったこと、大手企業からみてニッチな生産技術分野での開発力を高く評価してもらえる人

材と開発設備を有していたことが大きく寄与していると思われます。現状、特段の技術漏洩対

策はなくとも狭い業界での海外展開に問題はなく、ニッチ分野固有の現象と理解しています。

ブロンズ法 Nb3Sn 超電導線用 Ti 添加高錫ブロンズ

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ダイソー株式会社

代表者:代表取締役 社長執行役員 佐藤 存 住所:大阪府大阪市西区阿波座 1-12-18

電話:06-6110-1560 URL:http://www.daiso.co.jp

設立:1915 年 従業員数:798 名

採用:2015 年度採用計画 25 名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社では、飲料パック用などのUV硬化インキに配合される「ダップ樹脂」を製造していま

す。UV硬化インキにダップ樹脂を配合することによって優れた速乾性が得られ、高速印刷が可

能となります。また、その配合に揮発性

有機化合物を使用しないため、環境に

やさしいインキを製造することができま

す。同社は、ダップ樹脂を原料であるア

リルクロライドから独自の技術で一貫生

産することにより、安定した品質で、世

界に供給しています。結果として、世界

市場シェアは100%となりました。

同社では独自に開発した重合、精製

技術により、歩留の課題を解決し、製造

コストを削減するとともに、様々な分子

量のダップ樹脂を高品質かつ安定的に

生産することに成功しました。

UV硬化インキや電子部品など、幅広い用途で使用されるダップ樹脂のオンリーワンメーカ

ー (高度な重合、精製技術により高品質かつ安定生産を実現)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 ダップ樹脂はジアリルフタレートモノマーを重合して得られますが、その際に高度な製造管理

を必要とします。また、ダップ樹脂は一般的な樹脂とは異なり、モノマーの特性上ポリマーの収

率を低くしなければならない点が課題となっていました。そこで、同社では独自に開発した重合

技術と、効率的なポリマーの

分離精製技術の確立、原料か

らの一貫生産による品質安定

化のノウハウによって、これら

の課題を解決し、様々な分子

量のダップ樹脂を高品質かつ

安定的に生産することに成功

しました。

同社の圧倒的な技術力によ

り、ダップ樹脂のオンリーワン

メーカーとしての地位を築いて

います。

ダップ樹脂

ダップ樹脂は

ジアリルフタレートを

重合することによりポリマー化

ダップ樹脂

(1) 優れたUV硬化性(高速印刷可能)

(2) 浸し水による過乳化の防止

(3) 優れた耐摩擦性

(4) 耐ミスティング性の向上

(5) インキのチキソトロピック性の向上

UV硬化インキ用途

ダップ樹脂を

UV硬化インキに使用すると・・・

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テイカ株式会社

代表者:代表取締役社長 名木田正男 住所:大阪府大阪市中央区北浜 3-6-13

電話:06-6208-6400 URL:http://www.tayca.co.jp/

設立:1919 年 従業員数:474 名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は長年蓄積してきた顔料酸化チタンの分散技術や表面改質技術を駆使して、機能性製

品である「微粒子酸化チタン」を開発しています。当該製品は一般の酸化チタンに比べて、はる

かに小さい10~50nmの超微粒子であり、紫外線の遮蔽性が高く、可視部の光透過性が高い

ことから、主にUVカットの日焼け止め化粧品に使用されています。

また、微粒子酸化チタンはコピー用トナーの電荷調整剤としての利用や、自動車塗料に意

匠性を付与したフロストカラーにも

使用されています。用途ごとの顧

客ニーズに沿った品質改良を継続

的に進めていることが大きな強みと

なっており、日焼け止め用微粒子

酸化チタンの世界シェアは約6割、

微粒子酸化亜鉛は約3割のシェア

を獲得しています。

一方、近年、ナノ物質に関する安全性問題に対して、国内外で検討が進められています。今

後も、微粒子酸化チタン等を安心して顧客に使用していただくために、化粧品業界や酸化チタ

ン業界と歩調を合わせて対応を行っていきます。

長年の技術の蓄積により、また用途ごとに絶え間なく顧客ニーズに応えた製品を開発

(激しく移り変わる時代の要求と共に特殊化していく顧客ニーズに応えた製品を開発し、

微粒子酸化チタンの新たな可能性を追求)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 微粒子酸化チタンの開発は約30年以上前に遡ります。当初は用途が見つからずに悪戦苦

闘の連続でしたが、ある時、その紫外線吸収特性が日焼け止めに使用できる可能性があると

分かり、本格的に化粧品への取り組みを始めました。

主な用途である化粧品は人の肌に直接触れるものであることから、国内外において様々な

規制や基準が設けられています。これらの規制等をクリアするとともに、顧客が安心して使用

できる製品の開発に当たっては、当初から化粧品会社と二人三脚で取り組み、技術開発力を

高めてきました。更に、微粒子酸化チタンはUVB紫外線遮蔽効果が優れているものの、シミや

皮膚老化を引き起こすとされているUVA紫外線遮蔽効果が若干低いことから、UVA遮蔽効果

に優れる微粒子酸化亜鉛も開発し、総合的に紫外線を遮蔽する材料を取りそろえるなど、ニー

ズオリエンテッドな製品開発を行っています。

また、国内とともに海外への事業展開の際には特許出願によりパテントポートフォリオを構

築し、模倣品の排除など、他社へのけん制を進めています。

一方、近年、ナノ物質に関する安全性問題に対して、国内外で検討が進められています。

EUでは化粧品中に含まれるナノ物質の表示が義務づけられており、また、国内においても、経

済産業省がナノ物質製造事業者の自主管理の取組等を公表し、広く情報提供を行っていま

す。

今後も、微粒子酸化チタン等を安心して顧客に使用されることを可能とするために、国内外

の化粧品業界等と歩調を合わせて対応を行っていく方針です。

微粒子酸化チタン UV 化粧品

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東洋炭素株式会社

代表者:代表取締役社長 野網 明 住所:大阪府大阪市西淀川区竹島 5-7-12

電話:06-6472-5811 URL:http://www.toyotanso.co.jp

設立:1947年 従業員数:2026名 (2013年5月期)

採用:2014年度採用予定 新卒若干名、中途6~7名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、1974年に世界で初めて大型「等方性黒鉛」の工業化に成功、以来、等方性黒鉛を

主とする高機能カーボンのパイオニアとして、高純度化・高密度化・コーティング技術等の付加

価値を追求。「どこにもないモノをつくる」との創業来のDNAを堅持・進化させ、市場を創出・リ

ードしてきました。等方性黒鉛関連製品は、同社コア製品として総売上高の6~7割を、また世

界市場シェアは約3割を占めています。等方性黒鉛は、製造に半年以上を要し品質制御も難

しい、まさに「超ハイテク陶芸品」。その高い特性から、半導体や原子力用等の先端用途から

冶金用等まで、幅広い産業に必要不可欠な部材として活躍しています。産業の高度化に伴い

金属等の代替として発展中です。

同社の強みは、等方性黒鉛の素材メーカーのパイオニアとし

ての強み(ノウハウ蓄積・高度な生産技術による高い品質・安

定性・コスト競争力等)に加えて、高純度・コーティング等の高度

な処理も含めた加工技術体制を社内に有し、強力な一貫体制

をもって顧客ニーズを迅速に開発・生産に結び付ける等、質・量

とも業界最高水準のサービスが提供可能なことです。

「超ハイテク陶芸品」とも評される等方性黒鉛の素材メーカーのパイオニアとしての強みを

生かし、幅広い産業に不可欠な同関連製品について質・量ともに業界最高水準のサービス

を提供

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 特に創業期において、同製品の技術確立・事業性確保に至るには、長きに亘るトライ&エラ

ーが必要でしたが、それを実現するリソース(人材・資金)の確保・捻出に加えて、大学等の外

部の知見・支援等、様々な機会や人に恵まれたことも大きかったと言えます。まだ体力のない

中小企業にとって、これらの公式・非公式の外部からの支援は、重要なファクターでした。

ただし、「良い製品・技術」が確立しても、特にそれが今までにない革新的な製品・技術であ

る場合は、販路や信用等が壁となることも多く、同社もその例外ではありませんでした。同社の

場合、その「良さ」を純粋に認めてくれる海外の顧客企業の評価を先に得ることができたことに

加え、半導体や原子力用をはじめ、新たに時代を牽引していく用途・顧客に逸早く積極的に展

開を進めたこと等が弾みとなり、事業拡大が進展しました。実績での評価が良い連鎖を生んだ

結果ですが、顧客ニーズを的確・早期に掴み、その要求に耐え得る高い特性と品質を逸早く提

供出来たことが鍵でした。また試行錯誤の中で培った様々なノウハウを蓄積・ブラックボックス

化したことにより、同分野におけるパイオニアの地位を更に強固にしました。

これらのチャレンジ・取組みを基底部分で支え、原動力となったのは、同社が創業来から大

切にする「どこにもないモノをつくる」とのパイオニア精神でした。このDNAは、今も脈々と受け

継がれています。

その後の成長過程でも市況の波や多くの課題に直面しましたが、例えば早くから着目し注

力してきたLED用製品が時代の潮流とともに拡大が実現したり、創業製品でもあるカーボンブ

ラシ製品がエレクトロニクス用途の不振時にはカバー役を果たす等、先を見据えたグローバル

かつ幅広い用途展開が功を奏しています。

大型等方性黒鉛

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扶桑化学工業株式会社

代表者:代表取締役社長 赤澤 良太 住所:大阪府大阪市中央区高麗橋 4-3-10

電話:06-6203-4771 URL:http://www.fusokk.co.jp/index.html

設立:1957 年 従業員数:809 名(常用パートタイマーを含む)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

「超高純度コロイダルシリカ」:

世界初、最大のゾルゲル法製造設備を有し、純度6Nの超高純度コロイダルシリカを顧客の

要望に応じ、粒子サイズ、粒形、表面修飾の制御を自在に行い、ますます高度化する高品質

要求に迅速に対応する生産・生産技術・品質管理体制を有しています。主な用途は、半導体

CMPやシリコンウエハの研磨砥粒です。世界市場シェアは約8割です。

「果実酸及びその塩類」:

国内で製造しているリンゴ酸及びその塩類、中国・青島の精製工場で高品質に仕上げるク

エン酸及びその塩類、米国で生産するグルコン酸ナトリウム等々、世界唯一の果実酸総合サ

プライヤとして、世界市場シェアは、品種により約2割から10割です。

「電子材料及び機能性化学品」と「ライフサイエンス」二つの事業で高い世界シェア(様々な

果実酸を製造できる、世界唯一の総合果実酸サプライヤ)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 ①超高純度コロイダルシリカについて

半導体の進歩、拡大に合わせて全方位的に多くのユーザーと向き合い、多種多様な要求を

受けたことが高機能研磨砥粒の誕生、現在の生産能力並びに品質保証体制の確立に結び付

きました。能力以上の要求を受ける度に、役員、社員全員が危機意識を共有しその克服に一

丸となって事に当たりました。社内的には危機管理の整備を行い、TPM等の生産活動を通じて

社員の意識を変えることを行いました。リーマンショックの際は、電子材料事業としては前年対

比で売上高22%減、営業利益87%減となりましたが、需要に合わせた経費の見直し、合理化、

用途拡大、新製品開発等の施策を実行することで乗り切りました。加えて、更なる品質向上の

ため中国に金属硅素粉砕工場、またシリコンウエハ、半導体研磨分野以外のシリカ需要開拓

に注力するため、東京に研究所を新設しました。

②果実酸及びその塩類について

顧客が要求する高品質と低コストの両立を実現するため、他社に先駆け国外(中国・米国)

に製造拠点を持ち、その拠点にて日本品質を定着させました。

また、拡大するアジア市場に対応するためタイに開発・営業拠点を新設。顧客と特定用途向

けの共同開発も実施しており、「果実酸」という用語のブランド化(有機酸との差別化)にも成功

しました。

真球状 紐状 塊状 金平糖状

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有限会社新喜皮革

代表者:代表取締役 新田 常喜 住所:兵庫県姫路市花田町小川 1166

電話:079-224-8136 URL:http://shinki-hikaku.jp/

設立:1951 年 従業員数:19 名

採用:選考随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

食肉の副産物である馬革原皮を原料に、原皮の仕入れからコードバンの製造・販売まで一

貫してできる会社は世界で数社しかありません。同社は、その中でも馬革専門に高品質の「コ

ードバン」を産出する世界屈指のタンナー(製革業者)です。コードバンとは馬革臀部であり、革

の内部の繊維層を鞣して削り出し磨き上げ仕上げしたものですが、原皮から完成に至るまで

およそ10ヶ月を要し、その希少さと完成までの製造工程、牛革の2~3倍の強度を誇る緻密な

繊維構造などから『革のダイヤモンド』と呼ばれています。

同社は、創業から60年以上経っ

た今も、市場へ安定的に供給できる

よう、世界中から良質の馬革原皮を

調達するなど、原皮の仕入れから製

造までこだわり続け、安定したもの

づくりを基本にさらなる技術力の強

化や製品の高付加価値化に取り組

んでいます。

60年以上の歴史、確かな技術に裏打ちされた世界屈指のコードバン製造タンナー

(世界に誇る馬革タンナーに成長) GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

同社は、1951年に創業しましたが、20年以上前までは、ほとんどのコードバンは小学生のラ

ンドセル用に製造されていました。その当時は、同社もコードバンの仕上げはしておらず、クラ

スト(下地)で別の仕上げ専門の業者に販売していましたが、以後、少子化の影響で徐々にラン

ドセル用の注文が減少し、在庫が増えてきました。その解決策として、現在主流になっている

革小物、靴やベルト用のコードバンの仕上げに挑戦することを決断しました。

そのために独自設計の設備を導入するとともに、数年にわたる研究により試行錯誤を重ね

た結果、市場に受け入れられる製品の開発に成功しました。

同社は、開発した製品を積極的に展示会に出品したり各種ファッション雑誌に掲載したりす

るなどにより数々の賞を受賞し、その技術力や品質の高さが証明され、徐々に市場に浸透、定

番化し現在に至っています。

コードバンは、製造工程が長期にわたることや良質な原皮が減少している等の要因から、市

場に供給できる絶対的なコードバン製品の数量には限度があります。そこで、販売先の絞り込

みや関係会社で製造している最終製品は全て同社製造の革のみを使用することによって、よ

り良い馬革製品が消費者へ渡るよう品質管理を徹底しブランド化に取り組んでいます。

海外販売については、現在は、国内商社を通じた販売のみですが、今後は、TPP等による

市場開放の進展を見据え、安定的な原皮の確保と並行して一層のグローバル展開を検討して

います。

コードバンの製品

革の乾燥工程

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メック株式会社

代表者:代表取締役社長 前田 和夫 住所:兵庫県尼崎市昭和通 3-95 アマックスビル 8 階

電話:06-6414-3451 URL:http://www.mec-co.com/

設立:1969 年 従業員数:288 名

採用:新卒 8 名予定(4 月~6 月)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のメックエッチボンドCZシリーズ(以下CZ)は銅表面を数μmエッチング(溶解)することで

表面に超微細な凹凸形状を形成するプリント配線板用薬品です。銅と樹脂との密着性を高

め、信頼性を向上させます。パソコンやスマートフォン、タブレットPCに使用されているCPUや

AP等の中央演算処理用半導体は、通常パッケージ基板に実装されています。このCPUやAP

は発熱するため、パッケージ基板の中の銅と樹脂との密着が非常に重要です。CZシリーズを

使用することによって、銅と樹脂との密着が保たれるため、ほとんど全てのパッケージ基板に

CZが使用されており、これまで一度も不適合は発生していません。独占的な世界シェアを獲得

しています。

表面処理薬品を研究・開発し、電子基板の小型化・高性能化に貢献

(セラミックで生産されていたパッケージ基板を銅と樹脂との密着を高めることでプラスチ

ック化への移行を可能にした)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社のCZは1990年代に開発されています。それまでのパソコンのCPUのパッケージ基板

はアルミとセラミックスで製造されており、発熱があっても剥がれなどの問題はありませんでし

た。その当時に大手半導体メーカーが設計の自由度とコストとの兼ね合いから銅と樹脂で製

造しようとしましたが、大きな課題としてCPUの発熱により樹脂が膨張し、銅と樹脂との剥がれ

が発生するという問題がありました。

そこで同社は銅の表面を超微細な凹凸形状にし、樹脂が凹凸の間にはいりこむことと銅の

表面積を飛躍的に向上することで、剥がれが生じないための薬品の開発を進めました。それ

が同社のCZです。

しかし、発売当初は銅表面に凹凸形状を形成する技術が主流ではなく、市場が受け入れる

のに時間がかかりました。また、薬品の製造が複雑であったため、均一な品質を保てないとい

う時期もありましたが、根気よくCZの有益性や信頼性を啓発していくことで、徐々に市場に受け

入れられたほか、製造工程の見直しや品質管理の徹底を図り、早期に解決することができまし

た。

スマートフォンで使用

CZ の凹凸形状が密着を向上

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四国化成工業株式会社

代表者:代表取締役会長 兼 C.E.O.山下 矩仁彦 住所:香川県丸亀市土器町東 8-537-1

電話:0877-22-4111 URL:http://www.shikoku.co.jp

設立:1947 年 従業員数:974 名(連結:2013 年 3 月末時点)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

「タフエース」はパソコンやスマートフォンなど高機能電子機器に用いられるプリント配線板用

水溶性プレフラックス(OSP: Organic Solderability Preservative、はんだ付け性保護剤)で、世界

市場シェアは5割、「ミュークロン」はスチールラジアルタイヤに用いられるゴムの改質剤(加硫

剤)、「キュアゾール」は高機能電子機器に用いられるプリント配線板やIC・LED等の電子部品

で使用しているエポキシ樹脂に用いられる高信頼性硬化剤で

す。

特にプリント配線板等の電子化学材料分野では、製品自体

の高い特性、品質はもとより、顧客ごとの様々な要求に的確に

応える技術対応力が不可欠ですが、同社では開発部門から生

産、営業部門までが緊密に連携して問題解決に向けた提案と

指導ができる体制を整えることで顧客の信頼を勝ち得ており、

これがさらにスピードのある次世代製品開発につながるサイク

ルを生み出しています。

はんだ付け性保護剤、高信頼性硬化剤等において顧客要求にきめ細かく応える技術対応

力で顧客からの信頼を得ると共に、次世代製品の開発につなげる好循環を生んでいる

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社の製品を顧客が新たに採用するにあたり、顧客の技術部門と生産部門が異なる国(例:

評価は日本、使用は中国)に所在している事例が多くなっています。この場合、同社製品の納

入工場で当該製品使用時にトラブルが発生した場合、同社製品の特性を十分理解した技術者

不在のため、工場サイドのみでの迅速な問題解決が難しくなっています。

同社は、常に顧客の技術部門・工場との情報共有を図っており、問題発生時には同社が顧

客技術者に代わり工場での問題解決に取り組むことができるよう、営業担当者が対応していま

す。また、同社顧客の販売先(川下ユーザー)とも技術交流を保つことにより、川下ユーザーで

生じた問題に対しても、素材、加工双方の立場から迅速な問題解決を図ることができるビジネ

スモデルを構築しています。

ただ、これらのサービスには、多くのノウハウが含まれます。このため、同社代理店や顧客

に対し一般的な技術指導を行い、定常的な薬剤管理ができる様教育しますが、製品の組成な

ど機密情報に関する対応は同社従業員のみが実施することで、機密情報の漏洩対策を施して

います。

これらのサービス提供により、同社は直接取引のある顧客のみならず、川下ユーザーからも

信頼を勝ち得ており、企業文化が異なる海外市場においても成長を続けています。

この発想は、独創的な技術力で開発した素材を顧客と一緒に育て上げていくという同社の

考え方に基づくものであり、後発品の追従を許さない同社の強みの一つです。

タフエース

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株式会社ウエノ

代表者:代表取締役社長 上野 隆一 住所:山形県鶴岡市三和字堰中 100

電話:0235-64-2254 URL:http://www.uenokk.co.jp

設立:1984 年 従業員数:96 名

採用:6 名/新卒(2014 年 4 月)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、家電の誤作動を防止する電源用ノイズ除去コイルにおいて、約1割の世界シェアを

有しています。同社は、全生産工程の自動化装置を世界で初めて実用化し、性能のバラツキ

の少ない製品を低コストで製造することを可能としました。これにより、製造拠点の国内回帰も

進めています。

従来、電源用ノイズ除去コイルはトロイダルコイ

ルとギア型コイルとに二分されますが、同社では、

これらよりも広い周波数帯域においてノイズ除去

特性の高い「ウエノコイル」を開発しました。これま

で低周波帯域と高周波帯域に一個ずつ使用され

ていたコイルを、同社コイル一個に置き換えること

が可能になりました。また、コイルの主材料である

銅線の消費量を少なくしたデザインを考案し、材料

コストにおいても従来タイプより2割の削減を実現しました。

同社の製品は、優れたノイズ除去特性、実装面積の削減、自動巻線機による高品質な製品

の提供、銅線使用量削減によるコストの削減等により、国内外の大手電機メーカーで採用され

ています。

電源用ノイズ除去コイルを海外に展開

(高性能のコイルを低コストで提供)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、1984年設立。長らくトロイダル(リング状)コイルを製造してきましたが、手巻きの作

業に依存するため、常に抱えてきた課題は労働コストの低減でした。人手作業を克服しようと

10年前から自動化製造を試み、試行錯誤の末、エアコン用のコイルにおいては完全自動化に

成功しました。ところが今ではノイズ除去のためのコイルはほとんどの電気製品に使用されて

います。せっかくの自動機ですが、エアコン以外の分野では効果が発揮できません。そこで、4

年前、コイルデザインを一新させ、巻き線方式を変えれば速度が飛躍的に速くなることを思い

立ち、新コイル製作のための実験機を作りました。製作は成功し、早速国内の大手電機メーカ

ーに売り込みに行ったところ、「良いコイル」だと褒めてはくれましたが契約には至りませんでし

た。価格も他社より安いのですが、「実績がない」のが採用にならなかった理由でした。いった

んは落胆しましたが、性能が良くて価格が安ければ買い手は必ずあるはずと気を取り直し、今

度は韓国の大手メーカーに行ったところ、トントン拍子に話が進み、「実績をつくる」ことに成功

しました。

その後、中国、台湾等世界の工場といわれる地域の大手メーカーから引き合いをいただき、

海外展開を拡大することができました。

世界のどこでもが使っている製品を自社に特定させるには、従来品よりも特性は向上し、コ

ストは削減されること、さらにその検証結果を明確に相手に示すことが大切となります。

高性能 UC コイル

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日本電子株式会社

代表者:代表取締役社長 栗原 権右衛門 住所:東京都昭島市武蔵野3-1-2

電話:042-543-1111 URL:http://www.jeol.co.jp/

設立:1949年 従業員数:2742人(2013年3月末)

採用:新卒(35名)/中途(15名) 新卒は2013年12月より募集(採用は2014年4月より)、

中途は随時募集

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、原子レベルで物体の情報を観察できる「透過電子顕微鏡」を製造。同社のGNT商

品数は11にのぼり、最も世界シェアの高い製品は実に約7割になります。

透過電子顕微鏡は、試料表面に電子線を照射し、透過した電子をレンズで拡大投影し、サ

ンプルを観察することを基本原理としています。電子線を数ナノメートル以下まで細くすると、

光学顕微鏡では観察不能な微小構造まで鮮明に観察することができます。そのため、物質構

造の解析や原子レベルの情報を得ることを可能とし、半導体をはじめとした各種材料開発分

野、微生物観察などの医学分野において画期的な機器として世界中で活躍しています。

同社は戦後直後から、「今後の

日本は科学技術が重要である」と

いう創業者の理念のもと、透過電

子顕微鏡の開発をスタートし、量産

型電子顕微鏡を世界で初めて開

発した企業です。その後も電子顕

微鏡にとって最も重要である電子

線収束技術を長年社内で蓄積し続

け、この結果、顧客である多く研究

者・技術者が求める製品を市場に出し続けています。

世界ではじめて量産型電子顕微鏡を開発し、11種類のGNT製品を輩出

(国内外の一流のユーザーと切磋琢磨することで、彼らのニーズを満たすオンリーワン製

品を上市)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社の電子顕微鏡事業は1985年のプラザ合意以降の円高に伴い、海外市場での競争が激

化と収益が悪化しました。同時に、国内市場においても市場の成熟にともない、競合他社との

価格・性能面での競争が顕在化しつつありました。

これらの課題を克服するため同社は、①コア技術である電子線収束技術に技術資源を集

中、②技術のニーズ及び市場への出口を意識しながら商品開発を行うことを徹底しました。具

体的には、電子顕微鏡の主要ユーザーである国内外の大学の研究者と共同でプロジェクトに

参画し、彼らのニーズに即した世界最高性能の製品開発を行いました。数多くの共同プロジェ

クトに参加することは、一流の研究者・技術者との交わりを通して、同社電子顕微鏡の開発者

の世界最高技術への挑戦精神に非常に刺激を与えました。その結果、同社の強みである電子

線収束技術をコアとする技術を育てました。この結果、従来製品にとらわれないオンリーワン

製品を次々と社会に出すことができ、これらの製品を通じ、科学技術分野をさらに揺り動かす

ことにより電子顕微鏡市場の拡大に成功しました。

今後は、オンリーワン製品を断続的に生み出す技術(製品開発、調整技術など)の伝承を試

みると同時に、顧客の課題解決をサポートする装置連携の仕組みを構築することにより、先端

技術開発のための総合ソリューションを提供する「YOKOGUSHI戦略」を推進し、さらなる市場

占有率向上を目指しています。

透過電子顕微鏡

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株式会社エルエーシー

代表者:代表取締役社長 村井 秀世 住所:東京都町田市小山町800-5

電話:042-751-6110 URL:http://laccorp.com

設立:1983年 従業員数:37名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社の代表的なGNT製品である「オートボディプリンター」は、自動車、トラック、バス等のボ

ディへダイレクトにプリントを施す装置で、同社による世界オンリーワン製品です。同社では独

自のプリンターヘッドを開発し、様々な素材(凹凸、湾曲面)に印刷することを実現しました。

自動車ボディへの文字・図柄等の表示は、印刷されたマーキングフイルムを貼り付ける施工

方法が一般的ですが、フィルム代や貼り手間がかかる等の課題がありました。一方、オートボ

ディプリンターによる施工は、フィルム貼りと

比較して費用、作業手間等が格段に少な

く、容易に描き替えることも可能となってい

ます。

さらに同社では、この発展形として「タイ

ヤプリンター」、「航空機プリンター」等を開

発しており、様々な分野での応用が期待で

きます。

世界で唯一の自動車ボディプリンターを開発

(独自のプリンターヘッドを使用した各種プリンターを開発・製造・販売、世界に類を見ないプリ

ントを実現)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社の経営陣は某大手メーカーに在籍していたことがあり、そこでの経験からある教訓を得

ました。つまり、大きなマーケットで誰もが欲しいとされる製品を開発するのは、必ずメーカー同

士の過当競争に陥り、結果としてメーカーの経営を不安定にさせる傾向があるということです。

同社はこの教訓を設立時からの経営ポリシーに取り入れ、まさにGNT企業の実現を目的に

設立されました。

会社設立時から経営陣が技術的素養として保持していたプリントヘッドに関する知識を応用

してニッチなマーケットではあっても、そのマーケットで絶対必要とされる製品の開発と商品化

に邁進してきました。

開発した商品はマーケットが小さくて明確であることから容易に販売できます。また世界的に

ユニークな製品であるため、新聞やテレビが取り上げてくれるというメリットがあります。

経営の最優先課題として、当社固有の技術の改善と新しい応用製品の開発を途切れること

のないように継続することを実践しています。

少ない人数の社員と少ない売上の中で研究開発を継続するためには、業務内容と人員の

手当てと資金の遣り繰りに無駄のないようにマネジメントする努力が欠かせません。

当社の技術者はすべて中途採用ですが、採用時にGNT企業の実現に賛同してくれることを

条件として採用していることもあり、仕事に対するモチベーションは高いのが強みです。

また、毎年多額の研究開発費を充当するために金融機関から多額の資金を借りる必要が

ありました。そのため、関係金融機関には継続的に弊社の活動を報告し、研究開発資金の必

要性とその成果の予想を理解してもらうための努力をしました。

タイヤプリンター

オートボディプリンター

ービス

の写真

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水上印刷株式会社

代表者:代表取締役 水上 光啓 住所:東京都新宿区西新宿5-14-3

電話:03-3372-2431(本社) URL:http://www.mic-p.com/

設立:1946年創業 従業員数:120名

採用: 2015年度 新卒採用15名を計画(25年間新卒の定期採用を続けています)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、複写機メーカーが工場での出荷検査、サービスマンのメンテナンス、新機種開発な

どで使用するテストチャートを製造し、複写機メーカーに販売しており、約9割の世界シェアを占

めています。

複写機の評価に必要な要素は、グレースケール濃度、MTF用微細線(最小40ミクロン)の濃

度と線幅、カラー色相などですが、これらの基準を数値化し、ベタ濃度、線幅、線濃度、色相

(Lab)などを濃度計、マイクロデンシトメーター(MDM)、分光光度計などの測定器で測定し、基

準値に入っていることを保証しています。このテストチャートに要

求されるスペックを満足させる印刷会社は、現時点で同社のみ

であり、他社の追随を許さない圧倒的な技術力を有しています。

現在では、各複写機メーカーに対して、新機種の画質評価や

出力ターゲットの提供、画像不良サンプルの作成、印刷技術の

勉強会やセミナーなどを通して、複写機メーカーのシンクタンク

的な存在にもなっています。

業界最高精度のテストチャート製造を実現

(複写機メーカーが使用するテストチャート製造において、世界シェア約9割を占める)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 テストチャートに要求されるスペックは非常に高く、同社がテストチャート製造にチャレンジし

た当時は、要求スペックを満足させる印刷はできませんでした。印刷の結果を左右させるもの

には、材料の選定や印刷条件の設定、印刷環境など100項目ほどの変動要素があります。こ

のうち99項目を固定し、1項目だけを変動させてその結果を解析するという膨大な作業を続け、

最適な条件設定を研究しました。連日、通常業務が終了してから、テストチャートの試作を行

い、1年を費やして、ノウハウを集積し、要求スペックをクリアしていきました。また、線幅、線濃

度においてはマイクロデンシトメーター(MDM)を特注で製造することによって、線幅、線濃度の

精度ある測定を実現し、開発を成功に導きました。「ノートライ、ノーサクセス」を掲げる同社の

企業文化が、どの印刷会社もなし得なかった困難な技術開発を成功させたといえるでしょう。

また、印刷機は自動化、標準化が進み、従来に比べてスキルレスになりつつありますが、テス

トチャートの印刷ではオペレーターの高い技能、判断力が必要です。同社では、この技術を若

手オペレーターに継承し、高い技術力を維持しています。

こうした取り組みによって、他社が参入しにくい高度な品質管理を確立し、更に現在では「ワ

ンストップサービス」を標榜することで、下請けが多い印刷業界の中で、大手・中堅の製薬会社

や小売流通会社を直接クライアントとする独自のポジションを構築してきました。ものづくりの

技術力にサービス力を付加させ、印刷だけでなく、企画、デザイン、製造、アッセンブリ、配送、

在庫管理など、顧客のビジネスプロセスをすべて請け負うアウトソーシングサービスを展開す

る、顧客にとってなくてならないパートナー企業へと成長しています。

線幅・線濃度測定

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東京応化工業株式会社

代表者:代表取締役 阿久津 郁夫 住所:神奈川県川崎市中原区中丸子150

電話:044-435-3000 URL:http://www.tok.co.jp/

設立:1940年 従業員数:1,557名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

フォトレジストとは、光に反応して化学的に作用・変化する樹脂で、感光性樹脂とも呼ばれて

います。このうち、同社のGNT製品である半導体用フォトレジストは、パソコン、携帯情報端末、

家電製品、自動車など、産業活動や社会生活に不可欠とも言えるこれらの製品の中枢をなす

半導体を製造する際に使用される材料で、世界シェアの約3割を占めています。

半導体業界は、半導体製造プロセスにおける微細化の進展に伴い、要求される技術の高度

化・多様化が進み、新技術を導入し続けることが常に求められています。この事業環境下にお

いて、同社は、国内初のフォトレジストメーカーとして、日本お

よび世界の半導体産業の成長とともに、長年にわたり、国内

外の半導体メーカーからのさまざまなニーズに対して、迅速

かつ的確に対応し、安定した性能を有する高品質の製品・サ

ービスを継続的に提供することで、半導体業界から高い支持

を得ています。すなわち、GNT製品とそれを通じたソリューシ

ョンの提供が強みとなっています。

半導体用フォトレジストで世界シェア約3割を保有

(顧客のニーズに迅速かつ的確に応える組織体制の構築により、高シェアを維持)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、1960年代に唯一の国産品メーカーとなり、海外製品からの切り替えのため海外製

品の品質を凌駕できる技術の確立を推進。その後、1980年代における半導体デバイスの約半

数が日本市場で生産されていたため、安定供給、危険分散を目的として日本国内に複数の生

産工場を有するに至りました。

さらに、半導体製造に求められる技術要求を満たすため、ユーザーが使用している製造装

置を同社ではフォトレジストの開発や品質管理を目的として導入しています。

近年半導体製造装置は益々高額になっているため、神奈川県の助成金交付プログラム「イ

ンベスト神奈川」に参加し、財務的な支援を受けました。

また、半導体製造拠点が日本から海外(特に新興のアジア地域)にシフトしてきている事と

半導体の微細化進展に素早く的確に対応するため、海外ユーザーの所在する国(地域)にお

いて研究開発・製造を目的とした拠点を設立しました。

半導体用フォトレジスト

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UHFアンテナ

HFアンテナ

日本パッケージ・システム株式会社

代表者:代表取締役 真神 孝男 住所:神奈川県相模原市南区相模大野2-11-30

電話:042‐745-0075(本社) URL:http://www.jpsys.net/

設立:1995年 従業員数:20名

採用:新卒/中途計2~3名、 募集期間:随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、RFID(Radio Frequency Identification「電波による個体識別」)タグアンテナの製造、

デザインと研究開発を専門的に行っており、RFID用アルミエッチングアンテナにおいて世界シ

ェア約3割を有しています。RFIDは、ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用

いた近距離(周波数帯によって数cm~数m)の無線通信によって情報をやりとりするものです。

同社は、上記RFIDに使用する通信用のアンテナ(UHFアンテナ、HFアンテナなど)を高精度

なアルミエッチング方式で製造して

います。これは、銅アンテナに近い

性能を保ちながら、銅アンテナより

高いコストパフォーマンスを得ること

ができ、主に物品・流通管理、履歴

管理、セキュリティ管理、金融、医

療など広い分野で使われていま

す。

RFID用アルミエッチングアンテナにおいて、約3割の世界シェア獲得

(従来の銅エッチングアンテナと同等の性能を保ちながら、高いコストパフォーマンスを達

成した)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 RFID業界では、アルミアンテナの歴史が比較的短い為、当初教科書もマニュアルも存在しま

せんでした。同社が工場を立ち上げた当初は、未熟な技術の為、基材、印刷、エッチング工

程、後加工など、全てにおいて模索しながらアルミエッチングアンテナの製造方法を確立し、基

材(アルミ箔、ベースフィルムなど)の選定やインキの開発に数年を要したほか、印刷やエッチ

ング、後加工も繰り返しテストを行い、ベスト条件を確立させてきました。

そのような状況の中、RFID業界の動向が早く、更なる技術の向上を図る為、弊社も流れに

沿って進化しなければならず、新基材を追加採用。エッチングの精度を上げ、加工後のバリエ

ーションを充実、顧客のニーズに応えられるよう日々努力を重ねてきました。同時に、確立した

新しい加工技術や開発した新製品は特許を申請し、世界市場においてりーダーシップを取れ

るよう日々研究開発を進めています。

そして、日本市場の成長がヨーロッパやアメリカに比べて遥かに遅く、規模も小さかった為、

約10年前から積極的に海外進出を果たしてきました。

そのような状況の中、ビジネス習慣の違いに当初はかなり苦労しましたが、その国その相手

を知ることから一つずつ勉強し、現在はスムーズに活動できるようになりました。

今後、一層の品質向上及び安定した製品供給を図る為、製造ライン強化、技術開発及び人

材の育成に力を注ぎますとともに、より早く顧客の情報やニーズをキャッチできるよう、海外に

拠点を置く計画を立てています。

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チップ抵抗器保護用 コーティング剤使用例

フリップチップ使用例

ナミックス株式会社

代表者:代表取締役社長 小田嶋 壽信 住所:新潟県新潟市北区濁川3993

電話:025-258-5577 URL:https://www.namics.co.jp/

設立:1947年 従業員数:447名

採用:新卒/中途採用:若干名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、導電材料・絶縁材料・フィルム材料の開発・販売を行い、チップ抵抗器保護用コー

ティング剤、フリップチップ用アンダーフィル剤など6種類のGNT製品を有しています。中でも、

フリップチップ用アンダーフィル剤では約45%の世界シェアを占めています。同社の強みは、国

内、海外を問わず、顧客価値の創造を目指し、商社等を通じた間接的な取引ではなく、直接顧

客と一体となった共同開発を実施することにあります。顧客価値を顧客のイメージの段階から

共有しながら製品開発を進め、その実現を図っています。

同社のGNT製品は、いずれもスマートフォン、携帯電話、ゲーム、コンピュータ、液晶テレビ

などに内蔵される電子基板の実装部品に使用されていますが、それら最終製品の要求仕様の

変化は早く、その変化に細かく対

応することが必要です。同社は、

電子・半導体用の導電・絶縁液状

材料の事業ドメインを意識した製

品開発を行い、3つの基盤技術

(液状物性制御、熱物性制御、硬

化物性制御技術)の強化を図ると

ともに、常に変化を先読みし、競

合他社よりも早く顧客の要求事項に対応して製品改良を行っています。

顧客価値の創造を目指し、変化を先読みした開発、顧客と一体になった開発を実践

(顧客価値創造を目指し、常に変化を先読みした開発で自社の基盤技術を強化し、顧客

とはイメージ段階から一体となった開発を実践し、複数のGNT製品を創出)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 GNT商品の多くは、開発初期の段階では、顧客も同社も具体的な製品仕様を詰めていない

状況から開発に着手します。このため、大まかな開発期間はあるものの、開発中の仕様変更

等は多岐にわたり、これらに細かくかつスムーズに対応する力が必要です。そのため円滑なコ

ミュニケーションのもとで製品化を行うためには海外拠点が必要でした。

そこで、同社が自らの力でGNT商品を創出するためにはじめに着手したのは、新しく海外販

路を開拓することでした。そのために、経営者を含めた上位職が世界各地を巡り、文化慣習の

違いに直面しながら、自ら新たに海外顧客を訪問し、コンサルタントに依頼することなく海外販

社を立ち上げてきました。この経験が、同社の徹底したニーズ志向の技術開発と、顧客価値の

創造を海外でも次々と実現してきました。昨今は、これらの経験を活かし海外ベンチャー企業

のM&Aに挑戦し、技術深化も図っています。

加えてこの徹底したニーズ志向の実践には、国内顧客と同様の対応が海外顧客でもできる

ことが必要でしたが、これを実現するために、直接「英語」をツールとしたコミュニケーションと文

化も含めて理解する工夫を行うこととしました。その結果、担当営業および技術者の海外出張

には通訳を付けず、直接顧客と打ち合わせを行い、顧客ニーズを理解して開発につなげまし

た。

その機動力の高いスタイルの採用により、他社の半分程度の開発期間で技術改良された新

製品サンプルの開発を行い、顧客開発速度のアップを実現しています。GNT商品は、上記のよ

うに顧客価値の創造を行ってきた結果として、顧客に恵まれ、実現に至ったものです。

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太平洋精工株式会社

代表者:代表取締役社長 小川 貴久 住所:岐阜県大垣市桧町450

電話:0584-91-3131 URL:http://www.pecj.co.jp/

設立:1961年 従業員数:341名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、創業以来、自動車用ヒューズ専門メーカーとして、国内トップの地位を長年維持して

きました。1990年代からは海外への進出を開始し、米国、タイ、中国、ドイツ、韓国の海外関連

会社を展開しています。現在では世界シェア4割超となり、世界のトップメーカーとして良質な

製品を提供しています。特にHEV、EVに使用されている高電圧ヒューズについては、世界で初

めて自動車用高電圧ヒューズを開発し、トヨタの初代プリウスに採用されて以来、世界の名立

たる自動車メーカーで採用・検討されており、そのシェアは8割を超えています。また、同製品

の国内外の規格化において、中心的な役割を果たし続けると同時に、常に顧客の一歩先を考

え、当該製品の進化形を提案しています。こうした技術力、提案力の礎となっているのが、一

歩先のニーズに応える「最先

端技術・設備」と、製造と同

時に作り込む、優れた「世界

共通品質」、そして、開発・設

計段階から顧客とともにひと

つの製品を作り上げていく

「パートナーシップ」です。

世界で初めて自動車用高電圧ヒューズを開発、世界シェア8割を獲得

(海外現地法人の粘り強い営業活動で北米自動車メーカーへの販路を開拓)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、元々、日本と韓国を中心としたアジアをメイン市場としてヒューズを販売していまし

た。1994年の米国法人設立を機に、北米の大手自動車メーカー(GM, Ford, Chrysler)と取引開

始すべく営業活動を行いましたが、その道は平坦ではありませんでした。米国のヒューズメー

カーと自動車メーカーとの関係が強固であり、それを切り崩すのはとても困難で、最初は門前

払い、会えても15分だけという期間が続きました。

こうした課題に対して諦めずに、デトロイトに技術サポートセンターを設置しながら粘り強い

営業活動を継続し、10年懸りでGMに参入する事に成功しました。その後も順調にFord、

Chryslerにも採用されるようになり、今では北米市場のシェアは30%を超えています。

2012年にはドイツに販売・技術サポートセンターを設立し、欧州自動車メーカーへの営業活

動を展開しています。北米での経験を生かし、粘り強く、且つ、顧客の要望にタイムリーに応え

るスタイルで、徐々にシェアも増加しています。

高電圧自動車用ヒューズ

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日本電産テクノモータ株式会社

代表者:代表取締役社長 郷坪 智史 住所:福井県小浜市遠敷36-1-1

電話:0770-60-2111 URL: www.nidec-tecnom.com/

設立:2009年(前身の会社は1943年創業) 従業員数:5,941名(連結)、793名(単体)

採用:2015年度新卒採用予定人数 50名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

世界的にモータの効率化と省エネ化が求められていますが、これを実現する「ブラシレス DC

モータ」の海外での普及が、今後期待されています。同社は、エアコンを始めとする空調機器

の送風ファン用のブラシレスDCモータ分野において、世界シェア約6割を占めています。これ

は、1982 年に同社が世界で初めてインバータエアコン用に DC モータを開発・製品化して以

来、この分野で圧倒的な技術優位性を確保し続けてきたためです。さらに世界の潮流となって

いる省エネ規制にもいち早く取り

組み、グローバルな省エネに貢献

していることが市場に認められ、

GNT の地位を維持しています。

また、技術の独自性だけでなく、

常にグローバルな顧客へのソリュ

ーション提供を行うことにより、市

場の高い信頼を得ています。世界

で最も歴史があり、先進的な技術

力、高い信頼性そして市場に真摯

に対応できるメーカーは世界中で

同社だけです。

空調機器用のブラシレスDCモータ分野においてグローバルシェア約6割

(世界を舞台に新しい国へ一番で参入、顧客へのソリューション提供を実践)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 グローバル市場においては、新興国の競合との価格競争は熾烈になっています。同社はこ

れまで、常に類似品を安価に提供する新興国メーカーとの競合に直面してきました。

機能や性能が良いだけでは、安値競争を勝ちぬくことはできないため、高い品質や性能と同

時に、価格競争力も身につける必要がありました。

このため、常に最新の生産システムを開発・導入するとともに、希土類磁石の代わりに、安

価なフェライト系磁石を採用した設計・解析技術を構築しました。さらに、日本での先端技術を

消費地生産に取り込むことで、高品質と低価格の両立を実現しました。

また、同社では、世界を舞台に新しい国へ一番参入し、地域ごとに異なる顧客の要望をいち

早く取り込み、製品開発を進めてきました。

今でも欧米は勿論のこと、アジア、中近東、南アメリカの顧客のニーズを探り、世界市場制

覇を目指しています。

ブラシレス DC モータの構造

空調用モータ

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オプテックス株式会社

代表者:取締役会長兼代表取締役社長 小林 徹 住所:滋賀県大津市雄琴5-8-12

電話:077-579-8000 URL:http://www.optex.co.jp/

設立:1979年 従業員数:279名(連結1,214名)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、屋外向け侵入検知センサで約4割の世界

シェアを有しています。従来、防犯システムは、建物

内への侵入後に検知する「事後通報」が主流でし

た。

同社は建物への侵入前に屋外で検知し、犯罪を

未然に防ぐ「事前抑止」にいち早く着目。屋外では、

屋内に比べセンサの自然環境の変化による誤動作

要因が多く、確実な侵入者検知が難しいと言われて

いましたが、同社は、1996年に画期的な新技術を開

発・提案し、屋外環境に左右されない、誤報の少ない

防犯センサを市場に送り出しました。

上市した当初は事前抑止の重要性が注目されませんでしたが、2001年のアメリカ同時多発

テロを契機とした危機管理意識の高まりもあり、「事後通報から事前抑止へ」という防犯概念の

普及が加速しました。現在では世界中で建物・施設のプロテクションの一環として受け入れら

れています。このように世界に先駆けて屋外侵入検知という概念と製品を世に送り出し、屋外

環境で安定した性能を発揮する信頼性の高さが同社の強みとなっています。

独自のセンシング技術を活用した屋外向け侵入検知センサで世界4割のシェアを獲得

(センシング技術で安心・安全・快適に暮らせる社会づくりに貢献)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社では、メーカーは何に着目し何を創るかというのが大切だと考えています。創業当時、

同社のコア技術である遠赤外線技術は揺籃期で、この技術にどこよりも早く着目し、世界的視

野で発展・成長するかを予見していました。そのため、業界の中でも前例がほとんどなくユニー

クな製品となったのが防犯センサや自動ドアセンサです。しかし、ユニークであるがゆえに営業

開拓でも技術の面でも未成熟で、顧客にすぐには受け入れていただけないこともありました。

創業から5年間は、世界各国、地域特有の誤作動要因となる事象データを回収・蓄積し、現

場固有の課題を着実に解決していくために、現場に出向くだけでなく、事象を日本で再現し過

酷な設置環境下でのテストを繰り返し技術改良を行っていました。そうして競合他社が追いつ

けない独自性やノウハウを積み重ねました。

大変地道な活動ではありますが、これは技術や製品に対して細部にわたって誠実に取り組

む企業文化が起因しています。

他社が目をつけていないところを開拓し先行して取り組むこと、そして独自の価値を創ること

で真似されにくい技術、製品を開発することができます。

同社は、ビジネスの開発から技術・製品の開発、品質すべてをグローバル視点で取り組ん

でいます。

防犯センサ

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エスペック株式会社

代表者:代表取締役社長 石田 雅昭 住所:大阪府大阪市北区天神橋3-5-6

電話: 06-6358-4741 URL: http://www.espec.co.jp/

設立: 1954年 従業員数:1318名(連結)、844名(単体)

採用: 今後の採用は未定(2014年度は新卒採用14名)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は1960年代初めより、家電製品などの工業製品の開発や信頼性、耐久性の確保に必

要な環境試験に使用する「環境試験器」を日本ではじめて開発・発売しました。発売以来、環

境試験器の改良を重ね、高品質・高性能製品メーカーとしてのブランドを確立し、約3割の世界

シェアを獲得しています。1960年代初めより海外へ輸出しており、70年代には韓国、台湾に販

売代理店を設置、80年代には米国に現地法人を設立、中国(上海)に合弁会社を設置しまし

た。現在では、米国、中国、韓国、ドイツに100%子会社、中国(上海)、マレーシアに合弁会社を

設け、世界の市場に向けて製品の生産、販売を行っています。また、同社は世界43か国に販

売代理店33社を設置。販売

およびアフターサービスを行

い、世界中の顧客が安心し

て製品を使用できるサービス

を提供しています。他社を引

き離す豊富な品揃えで、世界

中のお客さまの要望に添っ

た製品を希望納期で提供し

ています。

高性能、信頼性、安全性に独自の省エネ技術を融合させることに成功した「環境試験器」

を開発

(エレクトロニクス、自動車、医薬品、環境やエネルギーの分野で先端技術の発展に貢献)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 世界中の顧客に同社の高品質で高性能な環境試験器を、顧客の要望どおりの仕様・価格・

納期で提供する、という課題を克服するために、他社より一歩を先んじる技術を開発し、世界

各国の異なる電源電圧や安全規格への対応など進めるとともに、一味違う製品をいち早く市

場に投入してきました。

また、主力工場である日本の福知山工場からの輸出に頼るだけでなく、米国、中国、韓国に

生産工場を設置しました。異なる文化圏での生産工場を立ち上げでは想定外のことが頻繁に

起こり、現場での試行錯誤の連続でしたが、日本からの指導者の派遣、或いは、海外子会社

の社員を日本で教育研修を受けさせるなど、地道な努力を重ねることで解決へとつなげまし

た。

さらに、海外で開催される国際的な展示会への出展やセミナーを実施し環境試験の必要性

を広めるとともに、国際会議等に積極的に参加し技術的評価を高める努力を行いました。

一方、広く世界にマーケットを開拓する課題に対しては、工業化が進み環境試験器の需要

が見込まれる地域において、いち早く海外販売代理店網を開拓し、海外販売ネットワークおよ

びアフターサービス網の構築を進めてきました。

冷熱衝撃試験装置

恒温恒湿器

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サンユレック株式会社

代表者:代表取締役社長 大西 清春 住所:大阪府高槻市道鵜町3-5-1

電話:072-669-1231 URL:http://www.sanyu-rec.jp/

設立:1963年 従業員数:145名

採用:新卒の採用予定 若干名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、洗濯機や給湯器・自動車の車載部品などの電子制御基板用の防湿材料として用

いられる「電子制御基板防湿用ウレタン樹脂」を製造しています。この樹脂は、耐熱衝撃性、耐

湿性に優れるほか、難燃性を付与できるグレードもあり、過酷な環境下でも確実に電子制御基

板を守り、信頼性の向上に役立っています。中でも、 同社が開発した柔軟性のある高耐熱性

ウレタン樹脂は、車載部品用防湿材料として電子制御ユニットや車載用センサーに広く用いら

れ、世界シェア2割強を獲得しています。

また、電子制御基板の小型化・防湿に欠かせな

い「様々な粘性を持つ防水・防湿ウレタン樹脂」を開

発し、基板の必要な部分だけに防水・防湿加工を施

すことを可能にしました。その他にもエポキシ樹脂、

ウレタン樹脂を主原料に、エレクトロニクス関連だけ

でなく、独自の耐水性と環境対応技術を用い、上下

水道の防食用材料、建設資材向け材料等、幅広い

分野に展開しています。

耐熱衝撃性や耐湿性、難燃性や作業性に優れた電子制御基板用ウレタン樹脂を開発

(60℃から220℃までいろいろな温度で物性を追求、各社からの信頼を徐々に得ることに

成功)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は1963年に創業。当初ウレタン樹脂と言うと発砲ウレタンのイメージが強く、電気絶縁

材料に使う概念が一般的ではなかったため、全く顧客からの信頼が得られませんでした。

そこで、長期信頼性のバックデータを取るために国際認証機関も認める様な試験として、

60℃から220℃までいろいろな温度で数万時間の機械強度、電気特性、難燃性などの物性を

追跡し、各社からの信頼を徐々に得ることができました。しかしながらその為の資源(乾燥機に

数十台、人的に数名)にはかなり費やしました。

日本の顧客は性能や品質の高さで国内外に同社製品を提供していましたが、顧客からの強

い要望で海外工場進出する事となり、その国の法律や国民性(習慣)には苦労しました。

また、海外工場の信用を高めるために海外工場でもISO認証取得し、現地スタッフのレベル

も向上させ、同社の製品の品質の良さを顧客に説明して行きました。以前の海外工場は見た

目、非常に汚い状況でしたが、日本工場でスタッフを研修させ、5S運動の導入や綺麗で清潔

な職場環境の維持など、意識改革も進め、やる気を起こさせる事で顧客の信頼性も高めて行く

ことができました。

現在、海外工場にもクリーンルームでの樹脂製造設備の導入中で、さらに品質の高い製品

の生産を目指しています。

電子制御基板防湿用ウレタン樹脂

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富士電子工業株式会社

代表者:代表取締役社長 渡邊 弘子 住所:大阪府八尾市老原 4-16

電話: 072-991-1361(営業部) URL:http://www.fujidenshi.co.jp/

設立:1960年 従業員数:114名

採用:【新卒】経常的に1~6月に就職サイトを通じ数名、【中途】必要に応じ随時数名

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、高周波誘導加熱(IH熱処理)による高精度な焼入技術のエキスパートです。

特に自動車の心臓部にあたるエンジン動弁系の主要部品であるクランクシャフトに、高周波を

用いて焼入を施す設備は世界2~3割のシェアを有しています。

同設備には、エロテルム方式と呼ばれる独特な焼入方式を採用し、さらには回転角度に応

じて出力の調整をしながら円周方向の硬化層深さを調節する同社独自のパワーリダクション

方式で歪みを最小限に低減。今

やエンジンの高強度・軽量化に

は欠かせない高品位な焼入を

実現しています。

特に、フィレット部焼入につい

ては他の追随を許さない優れた

技術を確立しています。確立さ

れた技術だけを武器にするので

はなく、節目に様々な改良を繰

り返し、工夫を凝らしてより良い

製品の開発に持続的に取り組んでいます。

IH熱処理の応用研究を重ね、独特な焼入方式を実現

(エンジンの高強度・軽量化に不可欠の高品位な焼入が可能)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は1960年に創業し、安定した確実な焼入方案に拘り、創業以来培ってきた技術、ノウハ

ウに加え、それらを時代や顧客のニーズに合わせて改良しており、海外でも高いシェアを獲得

し続けています。

本設備の開発に当たっては、歪制御、均一な硬化層、割れに対する安全性等数多くのノウ

ハウを蓄積してきたことにより、「クリーン」「省エネルギー」「高強度」「軽量化」「前後工程削減」

「生産効率の向上」等の特徴を持つ高精度な加工品質を実現しています。

海外展開においては、当初、クランクシャフト焼入設備のコイルはある種の消耗部品であり

要の技術製品である為、製造は同社で行っていましたが、やがて海外にてコイルのコピー製品

が出回るようになりました。その時には、一時的ではありましたが売上が大幅に減ることになり

ました。その教訓を踏まえ、その後、納入先の多い地域に関しては、現地の会社との協力関係

を結んだり、子会社を現地に作ったりして、メンテナンス等の部分でサポート体制を敷いて対応

しています。

現在では自動車メーカーを中心に20ヵ国以上に設備を販売しています。

クランクシャフト

クランクシャフト焼入設備

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株式会社ユニソク

代表者:代表取締役 駿河 正次 住所:大阪府枚方市春日野 2-4-3

電話: 072-858-6456(問合せ先) URL: http://www.unisoku.co.jp/

設立:1974 年 従業員数:37 名

採用: 随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、超伝導材、グラフェン、半導体、有機薄膜等をナノメートルオーダー(原子、分子サ

イズ)で形状が観察できる「超高真空走査型プローブ顕微鏡」を製造しており、世界シェア6割

を有しています。GNT製品の技術的な強み、特長は極低温(30mK-400mK)と強磁場(~16T)を

実現し、さらに安定したSTM画像やトンネル分光データを得ることができます。また、世界初多

探針走査で表面観察を可能にして、配線の影響を受けず局所微小領域の抵抗値が測定でき

る装置を開発しました。同社は注文を受けてから、顧客の用途に合わせ、製造しています。製

品の納入後は、質の高いアフターサービスとサポー

トで、ユーザーの期待しているデータの取得に協力し

ています。

同社の製品を利用した研究者の研究成果は”

Nature“、”Science”等に多数掲載されており、ここ数

年、同社の知名度向上にもつながっています。

最先端の科学研究に用いられる低温・強磁場 「超高真空走査型プローブ顕微鏡」で世界

シェア6割、設計からフルオーダーメイドで対応しています。競合他社に比べ最先端のデ

ータが得られる優位性から指定して頂いています。

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は設立当初、光分析機器(旋光計、分光システム等)を中心に製造販売していました。

本GNT製品である「超高真空走査プローブ顕微鏡」の製品化のきっかけは1986年の大気中走

査型トンネル顕微鏡の製品化から始まり、真空バージョンの「超高真空走査プローブ顕微鏡

鏡」の特注品を受注し、顧客による指導の下に商品化しました。

顧客のニーズに応えながら、世界最高性能商品の開発に取り組み、材料選択等に試行錯

誤を重ね液体ヘリウムを使用した極低温環境でかつ、超伝導マグネットを使用した強磁場中で

動作するSTM装置を完成させました。さらに、産学連携による開発から、400mK,16Tの極低温

強磁場STM装置の商品化に世界で初めて成功し、これらオンリーワンの製品により世界市場

へ進出が果たせました。

世界市場への進出後、多くの顧客からよせられた製品の性能向上や新しい機能の要求に

辛抱強く挑戦し性能を達成しました。また、顧客サポートを重視し、顧客のニーズ、トレンドを敏

感にとらえ、製品開発の指針としました。競合会社らは市場の狭さ、顧客の難しい技術要求、

及び手放れの悪さから本市場からの撤退を余儀なくされました。

新製品開発は、産学連携と国の研究開発資金の支援を受け、世界初40mK-STMや多探針

STMなど、同社の基本方針であるチャレンジ精神に基づき、積極的に顧客のニーズに応え、

納入後の質の高いサポートから、世界市場で高い信頼を勝ち得ています。

超高真空走査型プローブ顕微鏡

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ナイトライド・セミコンダクター株式会社

代表者:代表取締役 村本 宜彦 住所:徳島県鳴門市瀬戸町明神字板屋島115-7

電話:088-683-7750 URL:http://www.nitride.co.jp/

設立:2000年 従業員数:8名

採用:中途/若干名 期間/随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、徳島大学との産学連携で設立されたべンチャー企業で、世界で初めて、波長

380nm以下の紫外線を発光するLED(UV-LED)の開発・事業化に成功しました。

主に海外で使用されるATMの紙幣を真贋判定するための光源は、従来、効率の低い紫外

線(水銀)ランプが使用されていました。近年、この紫外線ランプに代わって、小型の紫外線

LED(UV-LED)が採用されています。紫外線LEDは、従来の紫外線ランプに比べて高い信頼性

と低消費電力であることに加え、水銀を含まない地球環境に優しい光源である点が注目され、

世界的に普及しつつあります。

同社は、世界のあらゆるATM用に関し

て、ATMメーカーに納入実績があり、世界

シェア5割以上を占めています。

このほか、樹脂を硬化させるための化

学反応用光源、金属の表面の微細な傷や

欠陥を見つける画像処理機器の光源、殺

菌・空気清浄機用光源等、幅広い用途に

使用されています。

省エネ・長寿命で環境に優しい新たな光源として紫外線LEDで世界シェア5割を獲得

(高効率発光を実現、事業化に成功) GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容

従来、LED(化合物半導体)で、青色LEDより更に波長の短いLEDを実現することは困難と考

えられていました。同社は、徳島大学窒化物半導体研究所の酒井士郎教授と共同で、半導体

結晶の積層構造を工夫し、結晶成長条件を最適化することで、380nm以下での高効率発光を

実現し、紫外線LED(UV-LED)の開発、事業化に至りました。

具体的には、GaN(窒化ガリウム)系LEDは発光効率を高めるためにIn(インジウム)の組

成ゆらぎの効果を利用しますが、短波長化するためには、Inの組成を減らす必要があり、一方

で短波長化のためにAl(アルミニウム)を加えることで急激に発光効率が悪化します。AlInGaN

を発光層に用い、特殊な結晶構造を構築することで(特許済45件)、短波長化と高出力化とい

う相反する要素を両立することができました。

紙幣の真贋判定は間違いがあってはいけないため、波長だけでなくスペクトルに関しても専

用の形が要求され、また、性能が劣化した状況に於いても機能を維持することが求められま

す。UV-LEDは半導体なので、紫外線ランプと違って製品の性能を均質にすることが容易な

上、省エネ、長寿命と、多くのメリットがあったため、UV-LEDの登場によって、急速に置き換

えが進みました。半導体の結晶構造は当然の事ながら、結晶成長の装置を独自設計している

ことから、技術の模倣が困難であり、また、他社に先駆けて特許を海外にも出願していること、

更には、常に新しい技術を提案し続けることで、優位性を確保しています。

また、ただ単にUV-LEDを供給するに留まらず、アプリケーションに応じて、最適な光源をカ

スタマイズして提供することで付加価値を高めています。

ATM 用紫外線 LED

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株式会社ビクセン

代表者:代表取締役 新妻 和重 住所:埼玉県所沢市東所沢5-17-3

電話:04-2944-4000 URL:http://www.vixen.co.jp/index.html

設立:1949年 従業員数:87名

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社が開発したポータブル赤道儀である星空雲台「ポラリエ」は、星の日周運動に合わせて

駆動し、長時間の露光でも輝く星たちを点像で撮影できる、動くカメラ雲台です。満天の星と

山々、街の景色と星など、星と風景を一緒に写しこむ「星景写真」の撮影が可能です。

従来から星を撮影するための機材はありましたが、複雑な形状や重量、大きさなどの点で持

ち運びにくく、初心者が気軽に使えるものではありませんでした。「ポラリエ」は、新ジャンルの

赤道儀を目指して開発され、非常にコンパクトで、洗練された外

見を持っています。ポケットサイズの箱型に機能を集約、軽量な

ため携帯性にとても優れており、星景写真の自由度を拡げま

す。従来の赤道儀と比べて価格を抑え、初心者にも星景写真を

始めやすい設定です。機能面では、優れた追尾精度を実現。

星・星景(1/2倍速)・月・太陽にそれぞれ対応した4つのモータ

ー速度での追尾が可能で、星景写真だけでなく月や、日食時の

太陽撮影にも力を発揮します。

「ポラリエ」は、中国製の廉価品の登場により世界シェアを奪われている同社の状況打開の

ため、入門者市場の新規開拓を目指して開発されたものであり、世界シェア約1割を確保して

います。

手軽に星景写真を撮影できる新ジャンルのポータブル赤道儀を開発

(本来の機能を維持しつつ、強度を保ちながらコンパクトに収めるため、部品素材

にアルミ合金や真鍮を使用)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、1949年に創業しました。1976年に国内初のダイキャストによる本格的赤道儀を発売

して以降、家庭用天体望遠鏡メーカーとして入門者用からマニア層向けの製品まで多く取り揃

え、現在まで国内シェアは50%以上を確保、世界市場ではトップスリーメーカーとして、シェアも

約20%確保していた時期もありました。

昨今は中国製の廉価品が次々と登場し、世界シェアは低下しています。状況打開のため、

新規市場の開拓を目指し、より手軽に入門者でも楽しんで星景写真を撮影できる新ジャンル

のポータブル赤道儀「ポラリエ」の開発に至りました。

「ポラリエ」は星景写真の魅力を知らない層に向け、撮影方法や楽しみ方などを広告だけで

なく、イベント等で実際に体験してもらう活動に取り組み、世界47の国と地域で紹介されていま

す。また、「宙(そら)ガール」の商標権を取得し雑誌等で自由に掲載してもらったり、自治体と

協力した天体観望会の開催や教育分野における理科教員向けに観測方法の研修会、天文部

への直接指導などの普及活動を通じたビクセンブランドの確立と製品技術の特許化も行いつ

つ、知識・技術が少ない入門者市場の開拓に取組んでいます。

星空雲台「ポラリエ」

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株式会社日立ハイテクノロジーズ

代表者:執行役社長 久田 眞佐男 住所:東京都港区西新橋1-24-14

電話:03-3504-7111 URL:http://www.hitachi-hitec.com/index.html

設立:1947年 従業員数:10,436名(連結)4,351名(単独)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社の開発した遺伝子配列を解析するキャピラリ電気泳動型DNA解析装置は、ビジネスパ

ートナーであるThermo Fisher Scientific 社のLife Technologiesブランドが提供する試薬と組み

合わせて使用され、2003年に完了したヒトゲノムプロジェクトを始め、生物学、医学などのライ

フサイエンスに関わる研究分野に広く用いられてきました。また同装置は近年、DNA型鑑定や

遺伝子診断などの応用分野でも利用されています。

同社の持つ検出部の基本特許(レーザ照射)とキャピラ

リを複数組み合わせるモノづくりの技術に加え、Life

Technologiesの4色蛍光検出方式を実現する試薬やアプリ

ケーションが強みです。同社の信頼性の高い装置と全世界

で販売・サービスを展開するLife Technologiesブランドとの

コラボレーションが評価され、遺伝子配列解析の業界標準

となり、極めて高いシェアを世界で獲得しています。

ビジネスパートナーと提携し、ライフサイエンスに関わる研究分野に大きく貢献

(両者の強みを活かし、ライフサイエンス研究から新たな応用分野までワールドワイド

に展開)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 1995年、日立製作所中央研究所で開発されていた技術を実装したマルチキャピラリ方式の

DNAシーケンサを開発、製品化しました。この技術特許はその後、Thermo Fisher Scientific社

(当時の米国Applied Biosystems社(AB社))との事業提携の礎となりました。

AB社とは当初、競合関係にあり、お互いに重要な特許を保持しており、それぞれが独立に

ビジネスを行うために特許のライセンシング交渉を進めていましたが、同社はハードウェアを中

心にものづくりに強みをもち、AB社は試薬開発や解析ソフト、ワールドワイドの販売チャネルを

持つことから、互いの強みを活かしたコラボレーションビジネスとした方がwin-winの関係を構

築できると判断し、方針を変更しました。

結果として、1997年にコラボレーション契約を締結し、その後、世界トップシェアのビジネスに

することができました。このようにビジネスパートナーと役割分担をすることにより、ブランド力を

高め、顧客の信頼性を獲得することができました。

Applied Biosystems® 3500

ジェネティックアナライザ

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株式会社あいや

代表者:代表取締役社長 杉田 芳男 住所:愛知県西尾市上町横町屋敷15

電話:0563-56-2233 URL:http://www.matcha.co.jp

設立:1888年 従業員数:84名(本社)

採用:若干名(随時募集)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、抹茶をはじめとする茶類の製造・販売をする会社です。GNTとなっている製品の抹

茶(食品加工用抹茶、茶道用抹茶)に、同社の強みは5つあります。

1)伝統の茶臼方式による抹茶製造です。高品質な抹茶を作り出すのに欠かせない茶臼を

1,000台以上保有し、その茶臼をメンテナンスする卓越した技術職人が4人在籍しています。2)

徹底的な品質管理体制です。品質管理部では、充実した分析設備の下で、抹茶を科学的に分

析しています。その上第三者機関から多くの認証を取得し食品安全に高い評価を得て、これを

基に新たな抹茶の需要を開拓しています。3)海外現地法人です。同社はアメリカ、ヨーロッパ、

中国に現地法人を設立し、世界各地へ積極的に抹茶を紹介し

て、日本の伝統の味と文化を伝え続けています。4)有機栽培抹

茶の供給力です。海外、特にヨーロッパ市場において重要視さ

れる有機栽培に1978年より取り組み、現在では日本の有機JAS

認定をはじめアメリカ、ヨーロッパの有機栽培認証を取得し、日

本のみならず世界に抹茶を展開するための基盤を整えていま

す。5)商品開発力です。抹茶の用途の多様化を目指して、退色

防止抹茶の開発や消費者の嗜好変化への対応に取り組むな

ど、果敢な商品開発、提案を行っています。日本から世界を視野に入れて、シェアを拡大して

います。

徹底的な品質管理と世界を視野に入れた戦略で国内、海外市場を果敢に開拓

(日本の有機JAS認定をはじめアメリカ、ヨーロッパの有機栽培認証を取得し、世界に抹

茶を展開するための基盤を整備)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 GNTとなった要因の1つとして、抹茶をより広く一般の方に知ってもらうため、1970年以降、茶

道用抹茶から食品加工用抹茶の製造・販売に同社が大きくシフトしたことが挙げられます。今

では抹茶は様々な食品に取り入れられ広く親しまれていますが、1970年当初、抹茶の需要は

茶道用が主流でした。そのような中で、販売先である食品業界において「抹茶を食品に使うこ

と」の優位性を認めてもらうことに苦労しました。

そこで同社は食品供給者として、品質管理部を開設し、抹茶の分析施設を設けました。抹茶

の色調、水分、粒度をはじめとし、顧客からの多様な要望に応えた独自の製品規格書を提供

できる体制を整えました。抹茶を「お茶」としてではなく、「食品」として厳格に安全管理したこと

が国内のみならず海外での展開につながる一手であったと考えています。

海外展開における課題の1つとしては、欧州での食品の安全性に対する規制に対応するこ

とが挙げられます。有機栽培に挑戦し、標高が高く自然に恵まれた場所で、耐寒性の苗木を

作り、度重なる試練に立ち向かいました。開拓の結果、欧州の有機栽培認証を取得し、第3者

評価を活用することで、抹茶を欧州に輸出することが可能となりました。

「日本の抹茶を世界へ」という強い思いを胸に市場ニーズに対して柔軟に適応していくこと

が、次に繋がる原動力になっています。

同社は、今後も常に次なる一手を考えて走り続けていく方針です。

茶臼方式による製造

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小松精練株式会社

代表者:代表取締役社長 池田 哲夫 住所:石川県能美市浜町ヌ167

電話:0761-55-1111 URL:http://www.komatsuseiren.co.jp/

設立:1943年 従業員数:1,306名(連結)

採用:35名(随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

世界初の改質技術(繊維を異性質化する技術)によって開発した『ビンテージ繊維』は、本来

ソフトな合繊素材に、匠の染色技術によって適度なハリ・コシ・独自の形状記憶性を付与し、合

繊でも化合繊でも天然繊維でもない新しい素材となっています。さらに、『KONBU』は独自の特

殊加工技術によるナイロンファイバー自体の改質技術により、自立する堅さを持ちつつ独自の

形状と手触り感を持つスタンディング・ファブリックです。さらに、継続的な研究開発により従来

の2倍の鮮やかな発色性を可能にしました。

これらの合成繊維素材に対する数多くの世界的特化技術は、同社の研究開発・技術力によ

るものであり、同社の

みが保有しているも

のです。本ファブリッ

クをもって国内外市

場に事業展開を拡大

しています。これらの

製品は、世界のラグ

ジュアリーブランドか

らも注目され、世界

シェア5割を獲得して

います。

グローバル市場において合繊を主とした先端オリジナルファブリックの開発とその商品化

(繊細かつ高精度技術を確立し、世界に類を見ない付加価値の高いファブリックが製造可

能に)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 重要ターゲット市場(洋風文化の世界の先端地域)であるヨーロッパ市場開拓の壁として、①

現地で彼らが求めるニーズを掴むための語学、②文化や市場特性の理解、③法律を含む貿

易実務の自己完結、④市場を開拓するためのコーポレートブランドの知名度向上、⑤商品ブラ

ンドの認知度の向上、これらの克服が課題でした。

このため、ブランドロゴの統一化による当社の知名度や認知度の向上を図り、セールスレッ

プを各国に設けるなど、徹底的に訴求を継続して行いました。

また、同時並行して、自社社員の国際人としての育成を図り、語学力を強化し、貿易実務の

スキルアップに努めました。

製品・サービス

の写真

独自開発素材「コンブ」 を使用した製品

ブランド統一ロゴとデジタルプリントを施した商品

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天池合繊株式会社

代表者:代表取締役社長 天池 源受 住所:石川県七尾市国下町卜部 59-1

電話:0767-57-3633 URL:http://amaike.jp/

設立:1965 年 従業員数:43 名

採用:国際感覚を持ってお客様の事を考え開発販売意欲のある方を随時募集

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

『天女の羽衣®』は、太さ5~7デニール(約40分の1ミリ)という、蜘の糸のような超極細糸で

織り上げた世界一の極薄最軽量織物です。糸は細くて切れやすく、粗密にするとスリップが起

きやすいため、従来技術で織物にすることは至難の業でした。同社では独自に開発した設備を

用いて、1ミリ幅に5~6本という、この細さの糸では比較的粗い密度で均等に配列したメッシュ

織物の実用化に、初めて成功しました。独自の後加工によるスリップ防止技術が施されている

ことも、他社ではなし得ない技術です。5g/㎡という軽さと、薄さ、柔らかさ、光沢、透明感にお

いて、従来の高級ファッション用

薄地織物(シルクオーガンジー)

にない独特の質感を有し、伝説

の「天女の羽衣」を彷彿とさせま

す。パリのオペラ座や多くの欧州

有名ブランドからパリコレクション

に毎年採用され、この重量が一

桁グラムの織物分野で世界シェ

アのほぼ100%を獲得しています。また、自社製オリジナル製品として、日本の伝統工芸手描き

加賀友禅を施した高級スカーフも株式会社三越伊勢丹等で販売しています。

世界一の極薄ファッション織物を実現

(従来の高級衣料用薄地素材を遥かに凌ぐ、軽さ、薄さ、柔らかさ、光沢、透明感を実現

し、欧州有名ブランドへの訴求が可能に)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社では、メッシュ織物『天女の羽衣®』は当初、産業資材(プラズマディスプレイ電磁波シー

ルド)用メッシュ素材として開発した経緯がありますが、諸事情により用途変更を図る必要が生

じました。そこで着目した新たな用途が、高級ファッション衣料分野です。ただし、同分野の他

素材と比べて優位に立つには、素材の品質(軽さ・柔らかさ・薄さ・透明感等)を極限まで追究

する必要がありました。同社では、様々な設備改良を重ねることにより技術的課題を克服し、

「世界一軽く薄いファッション衣料用織物」としての現行仕様を確立しました。

一方、営業面では、類似素材との明確な差別化と知名度の向上が課題でした。そこで、ブラ

ンディングのために国内展示会等では、「“天女の羽衣”の様」といつも呼んで頂けるようになっ

ていた為、日本古来の伝説にちなんだ『天女の羽衣®』を自社ブランドとして商標登録し、神秘

的なイメージの素材として国内外の展示会や行商(いずれもJETRO支援)で紹介しました。

そして、2013年2月から世界一のテキスタイル素材展でパリのPremiere VisionのMaison

D’Exceptionsにご招待出展して頂いています。その結果、多くの海外有名ブランドに採用され

て知名度が飛躍的に高まり、市場からの信用も獲得することに成功しました。

『天女の羽衣®』拡大写真(50 倍:矢印長は1㎜)

天女の羽衣®

毛髪

『天女の羽衣®』の糸

200倍に拡大

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セーレン株式会社

代表者:代表取締役会長兼社長 川田 達男 住所:福井県福井市毛矢 1-10-1

電話:0776-35-2111 URL:http://www.seiren.com/

設立:1923 年 従業員数:6,062 名(連結)

採用:新卒 31 名(2014 年 4 月)、中途 7 名(2013 年 4 月~2014 年 3 月)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、世界に唯一のグループ一貫機能『商品企画・開発~原糸~織・編~染色・機能性

付与加工~裁断・縫製~販売』を用い、オンリーワンの差別化商品を展開。商品ラインナップ

は「ファブリック」「合成皮革」「本革」「エアバッグ」「加飾」と、車輌内装材全般を網羅し、自動車

メーカーの車種開発段階から、トータルソリューションの視点で企画・提案を行い、お客様から

高い評価を得ています。その核となっているのが「ビスコテックス」です。「ビスコテックス」は、

当社が長年培ってきた染色技術にIT技術を融合させ、全て自社開発で具現化した革新的なシ

ステムで、従来の染色手法では実現できなかった1,677万色

を用いた多彩なデザイン表現力を多品種・小ロット・短納期

で実現します。ビスコテックスに加え、環境生活分野やメディ

カル分野へ幅広く展開してきた中での研究開発成果を応用

し、従来になかった新たな機能(防汚、消臭、蒸れ防止、高

耐久、柔軟性等)を付加することにより、今までにない高付

加価値商品を提供しています。また、当社は合繊繊維によ

る自動車シート材を開発・生産した先駆者であり、特に、全

ての日系自動車メーカーとの良好な関係を構築しています。現在は世界9カ国に生産拠点や

営業拠点を展開し、業界トップの世界シェアを獲得しています。

染色技術とITの融合により、企画から製造、販売まで行う独自の一貫生産ビジネスモ

デルを確立

(従来の染色手法では実現できなかった1677万色を用いた多彩なデザイン表現力を多品

種・小ロット・短納期で行うことが可能に)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、事業展開初期の頃は、主に「染色加工」機能しか保有していなかったため、「染色

加工」の工程のみの差別化に甘んじていました。その後、グループ内で繊維製品の製造に必

要な工程の拡充を進め、2005年に旧カネボウの繊維素材事業を買収することで、世界に同社

だけの原糸から最終製品までの一貫生産機能を保有するに至りました。この実現で、原糸、織

編、染色・機能性付与加工、裁断、縫製の全ての工程における差別化が行えるようになり、競

争力が格段に向上しました。

また、1990年代に入り取引先である日系企業のグローバル化が本格化していく中で、さらな

る事業拡大に向け、当社もグローバルサプライへの道に舵を切りました。1994年のタイ生産拠

点の設立を皮切りに、現在までに海外9カ国に生産拠点・営業拠点を構築しています。

高級車から廉価車までの多種多様なニーズに対応するため、研究開発センターを設立して

高付加価値な新技術を開発するとともに、生産工程の合理化・自動化にも積極的に取り組み、

生産コストの極小化を追求し続けています。

ビスコテックス

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株式会社ホプニック研究所

代表者:代表取締役 髙木 俊治 住所:福井県鯖江市下野田町 27-46

電話: 0778-62-2629 URL: なし

設立:1988 年 従業員数:40 名

採用:若干名、随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNT製品である視力矯正用高屈折率偏光レンズは、1)一方のガラス母型をガスケッ

トに固定し、2)厚さ40μmの偏光フィルム(ポリビニールアルコールフィルム)を内部にセッティ

ングし、3)他方のガラス母型を固定した後、4)高屈折率(1.60、1.67)ウレタンモノマーを注入、

重合し、5)できあがったレンズをハードコート液で加工したものです。

現在国内(福井県)で製造し、代理店経由で国内外に販売されており、今後はコスト力強

化、納入先に対する納期対応を目的とした海外拠点(生産、販売拠点)の設置による事業展開

が検討されています。

同製品は汎用品(屈折率1.50)と比

較し、レンズの薄型化・軽量化が可能

となり、耐衝撃性にも優れています。ま

た、当偏光レンズに使用する偏光フィ

ルムは同社の独自技術により開発さ

れたもので、品質、コスト面でも他社と

比較し優れています。そのため、市場から高い評価を受け、視力矯正用高屈折率レンズとし

て、世界の主なレンズ会社で採用され、世界シェア9割超を獲得しています。

独自技術の開発により、視力矯正用高屈折率偏光レンズの薄型化・軽量化を実現、世界市

場において9割超のシェアを獲得、コスト力強化および納期対応を目的に海外拠点の設置に

よる事業展開を図る

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 【発生した課題】

①偏光フィルムの品質向上

GNTとなる以前は、外部から調達した偏光フィルムを使用して屈折率1.50の汎用偏光レンズ

を製造していました。高屈折率偏光レンズの製造には、色むらや曲率のばらつきの原因となる

熱安定性が悪く、使用することができませんでした。そのため、熱安定性の高い偏光フィルム

の開発が必要となりました。

②市場開拓

汎用偏光レンズは国内顧客中心の販売でしたが、国内販売のみでは市場規模が小さく、全

世界を対象とした販売体制の構築が必要となりました。

【課題解決のための措置】

①熱安定性の高い偏光フィルムの開発

創造技術研究開発費補助金の交付を受け(平成15年度)、M氏(元大手染料メーカー技術

者)及びS氏(元繊維メーカー技術者)の指導により開発を行いました。

②全世界を対象とした販売体制の構築

市場開拓先として、販売コンサルタントK氏(元光学製品メーカー)の指導によりO社(米国の

光学製品専門商社)及びN社(大手レンズメーカー)を中心とした市場開拓を開始し、販売に成

功しました。

視力矯正用高屈折率偏光レンズ

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株式会社SHINDO

代表者:代表取締役 CEO 新道 忠志 住所:福井県あわら市伊井 11-1-1

電話:0776-73-7111(本社 総務・経理) URL:http://www.shindo.com/jp/

設立:1978 年 従業員数:272 名

採用:2015 年春卒採用については進行中(中途採用:随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

トリミングテープやリボン類は、スポーツウェアやアパレル衣料の服飾を差別化(ファッション

性・機能性・意匠性などの付加価値)する際に必ず使用されますが、服飾デザインの最終工程

に近い段階でデザインや素材が決定するケースが多く、短いリードタイムを強いられます。ま

た、使用量は生地に比べると少量のため、差別化を求められ多品種にわたります。多品種小

ロットでの即納体制を構築した同社オリジナルブランド『S.I.C』は、企画段階からモノづくりに参

画し小ロット短納期で納入する別注の組合せを強みとし、

世界的に著名なラクジュアリーブランドやスポーツブランド

に必ずと言っていいほど使用されています。またアパレル

以外では、チタンネックレス等の健康グッズにも使用され、

多くのスポーツ選手が愛用しています。2005年に、世界最

大規模のテキスタイル見本市(premier vision/moda mont)

に日本企業として初出展。700社以上の出展者中、来場者

が上位3傑に入り世界のアパレル、デザイナーおよびテキ

スタイルメーカー等業界の様々な企業から期待され、世界

シェア2割を獲得しています。

多品種小ロットで短納期が要求されるトリミングテープやリボンにおいて、企画段階からモノ

づくりに参画することで小ロット短納期での納品を実現

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は、市場の流行に合わせたデザインの見直しが頻繁で、対応が後手になりがちでした

が、企画機能を強化することで市場のスピードに対応しています。また、在庫を持って販売する

自社ブランドは現在約45,000点ですが、常に市場ニーズに応じた廃番、新商品の投入を行い

顧客が求めやすい環境、サービスを追求しています。

一般的に小ロットの業界ですが、著名ブランドにおいて一度に大量に使われることもあり、最

適在庫を維持するための仕組み・システムを独自で開発・導入し、生産体制についても幅広い

ロットで対応できるよう、設備を柔軟に組み合わせています。

また、顧客から品質に対する要望を満たすため、会社独自の品質基準SDSを策定し、品質

保証を行っています。納品先は世界各国に渡り、販売網充実のために、日本だけでなく中国

(香港・上海・天津・広州)・タイ(バンコク)・米国(ニューヨーク・ロサンゼルス)、欧州(パリ・ミラノ・

ドイツ)の販売拠点を設立しました。

業界が小規模で供給が不安定な面もありますので、今後同社では「MADE IN JAPAN」

「MADE by SHINDO」で安心できる会社・社員・品質をキーワードに世界に進出します。

小ロット・即納提供が可能な 自社ブランド『S.I.C』

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自転車用変速機関連部品

株式会社シマノ

代表者:代表取締役社長 島野 容三 住所:大阪府堺市堺区老松町 3-77

電話:072-223-3210 URL:http://www.shimano.com/

設立:1921 年創立 従業員数:1,155 名(単体) 12,368 名(連結)

採用:新卒 52 名 キャリア採用 23 名(2014 年予定)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、自転車部品およびサイクリングシューズ・ウェア等の自転車用品の企画・開発、製

造・販売を行っています。これらの製品は全世界向けに販売され、中でも変速機関連部品では

高い市場占有率を持っています。特にロードレース

の自転車競技では、トップレーサーたちからの絶大

な信頼を得ており、その好影響が一般のユーザーに

も及んでいます。

同社の強みは、市場や顧客との双方向のコミュニ

ケーションを基本に、「こころ躍る製品」の提供を通じ

て、新たな価値を創造し、自転車そのものの魅力を

高め、ユーザーとの信頼の絆を強くする、トータル・

バリューでの提案能力にあります。

自転車の変速機関連部品を一つのシステムに統合し独自の価値を提案

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 我が国でかつてモータリゼーションが急速に進行した時代には、自転車は安価な移動・運搬

の道具と見なされ、社会的な価値を失っていく危機的な状況に陥りました。そのような状況の

中で、自転車が趣味・レジャーの道具として認知されている欧米市場に早い時期から目を向

け、積極的な海外進出に活路を見出しました。

商社等に頼らず自前で販路開拓と顧客サービスを行うべく、販売会社を1965年にはアメリカ

に、1972年にはドイツに設立、海外工場も1973年にシンガポールに設立し、顧客満足度を高め

ていくことにより、今日に至る国際展開の礎を築きました。アメリカ進出の初期には不良品の回

収を大規模に行う危機的な状況に陥りましたが、販売店を一軒一軒訪問して回収を行う過程

で、顧客のニーズを細かく丹念に収集・把握することができ、顧客と双方向のコミュニケーショ

ンを通じて市場の声を聴きつつ、自らも独自の提案を行うことを企業の組織的な姿勢・仕組み

として確立し、顧客満足度の向上に活かしています。

また、競合他社との差別化を図るため、部品一つ一つの性能を高めるだけでなく、それらの

高性能部品を一つのシステム・コンポーネントとしてデザイン・開発し、製造・販売を行うことで、

個別の部品のみでは実現できない独自のトータルデザインと機能価値を1972年から継続的に

提案し、市場における同社の存在価値と地位を高めています。

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太陽工業株式会社

代表者:代表取締役会長兼社長 能村 光太郎 住所:大阪府大阪市淀川区木川東4-8-4

電話:06-6306-3111 URL:http://www.taiyokogyo.co.jp/

設立:1922年創業 従業員数:523名

採用:2015年度新卒25名採用予定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、大型膜面構造物(テント構造物)の分野において、圧倒的なシェアを有し、大型ドー

ムやサッカーW杯開催スタジアムの屋根などで日本国内のみならず、世界各地で豊富な実績

を誇っています。その強みは日本特有のきめ細やかなものづくりと、競合他社にはない独自の

素材開発力です。特に素材開発については、光触媒の技術を膜構造の分野に導入することに

成功し、セルフクリーニング機能を有するテント素材の製品化を世界で初めて実現しました。

現在、光触媒のテント素材は、美観性に加え、窒素酸化物などの有害物質も除去する素材

として高い評価を獲得し、膜構造の分野における新しいスタンダードとして普及しつつあり、世

界シェア6~7割を獲得しています。

セルフクリーニング機能を有する光触媒のテント素材を開発、独自の素材開発力を武

器に世界シェア6~7割を獲得

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は1922年に創業しました。1970年の大阪万博で、世界屈指の膜構造を多数実現しまし

たが、法的な問題により一気に日本国内の膜構造市場が活性化する事はありませんでした。

このような中、当時日本のメーカーが海外進出する事は非常に珍しい時代でしたが、いち早

くアメリカに進出、海外市場の開拓をスタートさせました(それによる海外でのネットワーク構築

が業界内での地位向上をもたらし、後に行われたM&Aや自社技術の確立を成功させたとも

言えます)。

一方、日本国内に於いては業界全体を巻き込んでテント構造物の法的整備を推進し、最終

的には一般の建築物と同等の建築様式として認められる事で、日本国内での市場を巨大なも

のへと発展させることにつながりました。

W 杯ブラジル大会のスタジアム

聖地メディナのモスク

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YSテック株式会社

代表者:代表取締役 揚 康次 住所:大阪府吹田市南清和園町40-11

電話: 06-4860-7770 URL:http://www.ys-tech.jp/

設立:2005年 従業員数:22名

採用:新卒/中途の採用予定人数 各1名、募集期間(随時)

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNT製品は、最高1,200℃まで使用可能な耐熱バーコードラベルです。従来、未管

理、手書き、刻印など人による管理しかできなかった高温製品の工程管理や製品管理を耐熱

バーコードラベルを使用することで、電子情報として確実に管理することが可能になります。よ

って省力化も実現することができます。使用される分野は、高温で熱処理をする鉄鋼・非鉄分

野、窒素や真空雰囲気を含む熱処理分野、薬品処理などをする化学分野など多岐にわたり、

高温処理だけでなく企業の使用条件やニーズに適合した製品を開発し供給し続けています。

また、大手企業には対応しにくい少量生産にも柔軟に対応し、より多くの分野で使用していた

だけるよう生産体制を整備し

ております。高温生産工程管

理の蓄積されたノウハウを活

かし耐熱バーコードラベルの

供給だけでなく、熱処理工程

の自動化システムの提案や

供給も行っており、トータルな

高温生産管理の手法を世界

に提供しています。現在、こ

の耐熱ラベル分野では世界シェア100%を獲得しています。

「高温生産工程」を一貫管理できる、耐熱バーコード管理システムを開発

(新しいトレーサビリティー手法を提案)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 このビジネスは化学品商社の「ものづくり」への挑戦から始まり、まず500℃対応の製品の開

発を目指しました。開発の人材および設備の確保からはじまり、2005年にカナダの大手アルミ

精錬工場で初めて採用となりました。その後海外のアルミや鉄鋼メーカーなどへ広がり、近年

になって国内でも採用が始まりました。製品の新規性により当初国内より海外の顧客で本格に

採用が検討されるケースが多くありました。

1) 本製品の採用を受けるにあたり、耐熱ラベルを貼る装置やバーコードを運用するシステム構

築などもあり本ビジネスは提案後採用まで数年を要しました。すべての活動が試行錯誤でし

たが、ラベル開発・装置/システムに関わる技術者の確保および海外営業の人材確保が切

実な問題でした。

2)まずは開発環境の整備を進め、北米に営業拠点を設置し日本から派遣しました。海外での

営業活動はもっとも難しい課題でした。現在では、地域あるいは国ごとに営業手法を変えて

います。北米の営業拠点にはカナダ人を採用し、欧州・アジア・中東では優秀な代理店を選

定し現地のビジネス流儀・文化で対応が可能となりました。また海外展示会への出展、近年

はWeb戦略をすすめ認知度向上、ブランド化、新規市場の発掘を進めています。

3)現在も新規顧客開拓、新規市場発掘もあり思考錯誤の状態ではありますが、「あきらめない

ことが智慧」と粘り強く又時間軸を経営的に許容する文化があります。

4)同社では、技術情報管理を当初から意識していました。自社内開発、国内生産、効果的な特

許出願および権利化を推し進め、すべての技術および営業部門からの社外への発信情報も

コア技術部分に関しガイドラインを作成しています。

耐熱バーコードラベルの例

耐熱バーコードラベルの例

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カイハラ株式会社

代表者:代表取締役社長 貝原 潤司 住所:広島県福山市新市町大字常1450

電話:0847-57-8111 URL:http://www.kaihara-denim.com/

設立:1951年(創業:1893年) 従業員数:645名(グループ合計)

採用:未定

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNT製品であるパウダーデニムは、たて糸のデニム本来が持つ色相、色落ち感はそ

のままに、よこ糸に人間の髪の毛の10分の1以下の細さの極細ポリエステル繊維を使用し、生

地裏面に起毛加工を施すことで得られるパウダリータッチの肌触り(気持ち良いサラサラ感)を

特徴としています。さらに、織組織等の変更により伸縮性を付加して、誰でも心地良さを感じら

れる全く新しいジーンズの穿き心地の確立に成功、同社だけの商品として、国内および世界の

ジーンズブランドから継続採用されています。特徴である極細ポリエステル繊維と起毛加工の

組み合わせは、安定製織が難しく、整理加工も品質管理が困難で容易に模造できないことが

類似品の参入を防ぎ、同社の占有率を高め、世界シェア100%を獲得しています。

極細繊維と織物・加工技術を改良した『パウダーデニム』を開発し、やわらかな穿き心地

を実現

(生地裏面に起毛加工を施してサラサラ感のある肌触りを実現するとともに、伸縮性を

付加)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 同社は1970年に国内初のロープ染色機を自社開発して、デニム製造工程の一部である染

色事業をスタートしました。その後、織布、整理加工、紡績と自社工程を拡大し、伝統的に分業

制となっていた繊維業界において、国内唯一の一貫生産設備を保有することで、高いトレーサ

ビリティ(追跡可能性)を実現。これにより、海外素材を大きく上回る品質安定性と、糸質・色合

い・風合いなどの多様化による商品開発力を獲得しました。

また、繊維業としては珍しく、早期から海外への販売活動を行っており、1973年にはリーバ

イ・ストラウス社から高い品質を認められて取引を開始。世界中のジーンズブランドから一目置

かれる存在となりました。現在も海外ジーンズブランドへの定期的なプレゼンは欠かしていま

せん。

海外の安価な素材に対抗し続けるために、常に市場に無い商品を開発し、安定した品質を

提供することが同社の永遠の課題です。パウダーデニムも例外ではなく、国内合繊メーカーと

協業で新素材のアイデアを出し、極細繊維使用下での品質安定の難しさを、織組織の見直し

や、専用部品への交換・設定調整など一貫生産の強みを生かして改善。日本繊維産業の技術

力・先進性を世界に強くアピールしました。

従来品(左)とパウダーデニム(右)

では、肌に触れる白いよこ糸の量・

質感が異なる

触れば驚く、穿けば買いたくなるジ

ーンズとして、バイヤー・消費者とも

に好評

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日プラ株式会社

代表者:代表取締役 敷山 哲洋 住所:香川県木田郡三木町井上 3800-1

電話:087-864-4111 URL:http://www.nippura.com/

設立:1969 年 従業員数:85 名

採用:随時

GNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、高品質の水槽用アクリルパネルを製造し、これを使用した水族館を世界各地で施

工しており、世界シェア7割を占めています。

同社の強みは、アクリルパネルを何層重ねても強度と透明度を落とさない独自の積層技術

とパネルを接合する技術にあります。さらに、水槽の企画提案、設計、パネル製造、現地での

据付工事まで、一切下請けを使わず一貫して

製品を熟知した自社技術者のみで行い、最高

の品質を提供していることにあります。

水族館では、多数の来場者の中、水槽窓と

して数千トン、時には数万トンの水量を支え、

水槽建物のコンクリート耐用期間以上にわた

り、強度と透明度を維持し続けることが不可欠

ですが、同社は商社等を通さず、顧客との直接

取引で廉価に実現、世界で高い顧客満足度を

獲得しています。

国内においても、2002年に「沖縄美ら海水族

館」に大型パネル(幅22.5m×高さ8.2m×厚さ

0.6m)を納品しているのをはじめ、多くの実績を有しています。

パネル製造から水槽の企画設計・据付工事まで一貫して自社で行い最高品質を提供

(独自の積層技術と現場でパネルを接合する技術をベースに)

GNTとなるプロセスで生じた課題とその克服の内容 会社設立当初は、製品として優れていても、企業規模の小ささや、ネームバリューの低さ、

信頼度の観点から大手に仕事が流れ、国内では経営がままなりませんでした。

このため海外市場の調査を開始、アメリカ、モントレーベイ水族館での増設計画における入

札に参加する機会を得ました。入札の際の強度計算等品質試験における数値が他社よりも優

れていたため、入札金額が他社よりも10%程高かったにも拘らず採用され、初めての本格的

大型水槽の受注は海外からでした。

採用決定後、購入者が支払うべき当時の材料としてのアクリル樹脂板に対する高率関税の

問題が発覚、これを解決すべく東奔西走し、結果的に水槽パネル商品として輸出することで、

関税を10分の1以下に抑えられました。

このことが、品質のみならず顧客に対するサービスについても高い評価をいただくこととな

り、同水族館のオープニングセレモニーで世界中の水族館関係者に紹介されたことが、販路を

世界中に拡大していく転機となりました。

珠海長隆海洋王国(中国)の世界最大 アクリルパネル(W39.6mxH8.3mxT65cm)

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株式会社ニッコー

代表者:代表取締役 佐藤 厚 住所:北海道釧路市鶴野 110-1

電話:0154-52-7101 URL:http://www.k-nikko.com/

設立:1977 年 従業員数:90 名

採用:2015 年度新卒(大卒、高専卒)機械設計技術者及びシステム設計技術者各 2 名採用予

定。左記職種の中途採用は随時募集中

ネクストGNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は水産加工機械を中心とした食品関連機械を製造・販売しています。同社の製品はメ

カトロニクス技術により、素早く、大量に、素材を傷めることなく、均一に処理することを得意とし

ています。

海外展開している代表的な製品は、鮭をコンベアに並べる

だけで、①オートヘッダでヘッドカット、②ガッターマシンへ転

送、③魚体の腹を下向きにベルトで固定し、ガッターマシンで

内臓除去、という一連の作業を自動処理する「鮭のヘッダー

ガッターシステム」です。これは、多数のバネにより魚の形状

や堅さを微細に認識し、適切な力加減で、高速(25~30匹/

分)に処理することができ、品質(鮮度等)の保持や生産コス

トの低減に資するものであり、ロシアに輸出されています。

また、生ホタテ貝の殻の上から蒸気を当て、貝柱の結着部をゲル化・分離させることで、手

作業よりも繊維を損なわずに貝柱を取り出すことができる「オートシェラー」も中国に輸出してい

ます。

メカトロニクスにより、水産物の品質を損なわない高速処理を実現

(魚の形状の認識、装置のスピードや圧力の制御により、自動的に鮭の一次処理を行うシス

テムを開発)

これまでの発展や海外展開の中で生じた課題とその対応策の内容 本製品の開発に際しては、試作機により数トンの鮭を加工処理、実証を重ねて実用機を製

作し、ユーザーの工場に設置し、実証することを通じて、販売を拡大する方式を取りました。し

かし、鮭の腹を仕様どおりに切れないという事態が生じ、納入予定が危機にさらされました。

必死の検証で、自社では冷凍物を解凍したものを実証に活用しましたが、ユーザーの工場

で加工する鮮魚では違いがあり、スプリング圧が微妙に異なることが判明しました。この一件

で、ユーザーが使う環境を機器構成に最適化して反映することができたことから、この経験が、

本製品のコア技術の基礎となっています。

海外への輸出に関して、当初は商習慣の違いから難航しましたが、交渉先を選定し直し、数

年をかけて相互の信頼関係を構築しました。具体的には、現地大手企業に対しては、プレゼン

を幾度も実施しましたが導入に至らなかったため、数年をかけて、試供機提供、現場での実

証、現場のニーズを実現する装置改良を繰り返すことで、ようやく同社の技術と商品開発力の

革新性について理解が促進され、信頼を得ることができました。

これにより、本装置の販売が実現し、継続した注文と新たな製品開発の要望を受けられる様

になっています。

鮭の連続加工処理装置

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マイクロ・トーク・システムズ株式会社 代表者:代表取締役社長 橋本 純一郎

住所:東京都千代田区神田岩本町1-5 清水ビル8階

電話:03-5294-0411 URL:http://mts.greentag.to/index_j.html

設立:1994年 従業員数:16名

採用:新卒/中途の採用予定無

ネクストGNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNTとなっている商品は、セミアクティブ型のRFIDを活用したマラソン計測用のタグで

あり、オンリーワン技術となっています。

世界で最初に普及したマラソン計測用のタグは、パッシブ型(電池を内蔵しないタイプ)であ

り、通信距離が短く、マラソンの公式記録である胸での計

測ができませんでした。また、マラソン以外の競技(たとえ

ば自転車、インラインスケート、トライアスロン、ノルディック

等)では、移動速度が速いこと、アンテナマットが厚すぎる

こと、機器の設置に時間がかかる等色々と問題がありまし

た。そこで同社は、セミアクティブタグ型(電池を内蔵するタ

イプ)とすることによって、十分な電波の飛距離が得られ、

また、移動速度への対応、アンテナマットの薄物化、機器

の設置の簡易化等の改良を行ったことで、パッシブ型の問題を克服し、胸での計測を可能なも

のとするとともに他のスポーツ競技での利用を可能とすることが出来ました。

マラソン計測において、セミアクティブタグ型のタグを開発。世界標準も獲得

(インターナショナル・トライアスロン・ユニオンより標準計測機器として認定)

これまでの発展や海外展開の中で生じた課題とその対応策の内容 会社設立当初より、マラソンの走者タイムを計測するタグの製造を構想していましたが、外

国企業が足に装着して計測するパッシブタイプのタグを発売し、多くの大会で採用されたため

一旦は断念しました。

その後、陸上競技における正式な計測ルールが、胸の通過タイムでの計測であることから、

ゼッケンに装着して計測することが可能なタグに対するニーズがあることを知り、従来のパッシ

ブタグの弱点である通信距離の制約等を克服するため、電池を内蔵し通信距離の長いセミア

クティブタイプのタグの利用により、胸で計測する事が可能となるシステムの開発に着手しまし

た。

マラソンの計測は、数万人の走者がスタート地点を数分の間にいろいろな動きをしながら通

過するのを漏れなく捉えなければならないため、市民マラソンの計測の現場を利用させてもら

うことで実証実験を繰り返し、周波数、電波の強さ、発信間隔等を調整しながら改良を重ね、5

年の歳月を経て胸で計測できるシステム「J-chip」を完成しました。

国際展開にあたっては、当初は東京都や経済産業省の支援事業を活用しながら海外での

営業活動を行いましたが、普及するにつれて計測精度の高さやマラソン以外の競技でも使え

る汎用性がスポーツ関係者の間で評価され、さらに利用が拡大しました。トライアスロンでは、

2013年に国際トライアスロン協会(International Triathlon Union)認定の標準計測機器となりま

した。

製造面では、ベンチャー企業であるため、製造設備を持たないファブレス企業の形態を選択

し、設備投資や減価償却の負担のない事業構造となっています。

スポーツタイム計測用タグ

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ショーダテクトロン株式会社

代表者:代表取締役社長 庄田 匡宏 住所:静岡県浜松市西区桜台5-1-1

電話:053-414-6111 URL:http://www.stech.co.jp/top.html

設立:1957年 従業員数:70名

採用:未定

ネクストGNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

プリント基板は、集積回路、抵抗器、コンデンサー等多数の電子部品を表面に固定し、その

部品間を配線で接続することで電子回路を構成しています。製品の小型化に伴いプリント配線

基板が高密度化するのに伴い、基板の製造工程で生じるごみやバリ等は、配線パターンの断

線やショートなどの重大な欠陥をもたらします。

同社は、プリント基板加工において、この不良率を大幅に改善する技術を確立した企業で

す。1980年頃までは、プリント配線板を分割する際に、分割する位置にミシン目状に小さな穴を

入れる等の方法が採用されていましたが、断面がギザキザになるため研磨が必要になるほ

か、基板が割れてしまうトラブルも発生していました。これを回避するため、同社はダイヤモンド

刃物を基板の上下に相対させV形

状の溝加工する「Vカットマシン」を

開発しました。

「Vカットマシン」によって、部品

実装後の分割工程で発生してい

た部品の欠落、クラック等の不良

率が大幅に改善しました。今やV

カットによる切断は、プリント基板

分割の国際標準の方法となっています。

プリント配線基板切削加工装置でトップシェア

(プリント配線基板の進化に伴い、次々と新加工技術を開発し、基板製造工程の効率化

に貢献)

これまでの発展や海外展開の中で生じた課題とその対応策の内容 発展過程において大きく二つの課題を克服する必要が有りました。

その一つは市場要求です。前述したようにミシン目による分割をVカット加工は大幅に改善

することから始まりましたが、プリント基板の需要が高まるにつれ、処理能力の高速化が求め

られるようになり、最速機種では0.5秒代の加工タクトを実現しています。さらに多品種少量化

に入った現在では、汎用性が高く、柔軟性のある加工プログラムによる加工が可能な機械もラ

インナップすることになりました。

二つ目は技術的課題です。初期の製品から数えて現在の機械は7世代目になります。当初

は1/100mm台の加工精度をどう確保するのか加工精度の向上に苦慮しました。さらにプリント

基板技術の進歩による材料変化への対応は、最も大きな課題と言っても過言ではありませ

ん。切る・削ると言う技術は機械本体はもとより、直接仕事をする刃物開発も同時に行わなけ

ればなりませんでした。

プリント基板産業は装置産業とも言われ、主な消費地が海外へシフトするに従い、販売地域

もヨーロッパ、アジアへと広がりました。海外では加工基準が異なることや、ワークサイズも大

きく、操作言語も英語に止まらず、中国語、韓国語などへ対応し、国内仕様のままでは販売す

ることができませんでした。またCE対応、安全保障貿易など法規制の知識も学ぶことになりま

した。

そして今では、新興国において競合メーカも増えたため、今後は代理店技術者への技術指

導や、現地駐在によるきめ細い営業活動を視野に入れた対応が必要となっています。

V カット加工装置

V カット加工技術

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山八歯材工業株式会社

代表者:代表取締役 遠山 昌志 住所:愛知県蒲郡市西浦町大知柄 54-1

電話:0533-57-7121 URL:http://www.yamahachi-dental.co.jp/

設立:1963 年 従業員数:75 名

採用:採用未定

ネクストGNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

“入れ歯”の一部である歯の部分を“人工歯”といいます。同社の人工歯は硬くて変色しない

という特徴を併せ持つ世界に誇れる日本製品です。一般的な人工歯は、摩耗しやすいアクリ

ル材質であるため、噛むと摩耗して噛み合わせが変わるという問題を抱え、噛み合わせを悪く

し、偏頭痛や難聴等の一因ともなっています。これに対し

多くの人工歯メーカーが材質変更、充填材添加などの策

を講じてきましたが、アクリル材質と比較して汚れが付き

やすく、変色するという新たな問題を抱えることとなりまし

た。

そこで同社は、二律背反関係にあるこれらの問題を解

決するため、今まで蓄積したノウハウを活かし、世界一の

硬さ(樹脂製)と優れた耐変色性を併せ持つ人工歯の開

発に成功しました。

人工歯は形や大きさの違いこそあれ、世界中で使用さ

れています。同社は十数年前から海外進出を図り、人工歯”YAMAHACHI”のブランド化と、独

自の販路ネットワークの構築を図り、グローバルな販路展開を図っています。

世界の競合人工歯メーカーに先駆けて、高硬性と耐変色性を併せ持つ人工歯の開発に成功

(

人工歯”YA

MA

HA

CH

I

”のブランド化を実現)

これまでの発展や海外展開の中で生じた課題とその対応策の内容 世界で普及している人工歯はアクリル材質ですが、耐磨耗性や耐変色性の面で課題を抱え

ていました。また同社が海外進出するにあたり、いかに差別化と高付加価値化を図るか、検討

する必要に迫られていました。そこで同社は”材質”に目をつけ、同社の強みである無機物質と

樹脂の複合技術ノウハウを活かした研究開発に取り組み、「高濃度フッ素ポリマーの合成」及

び「ナノフィラーの充填」による、世界で最も硬く、かつ汚れない人工歯の開発に成功しました。

性能の良い製品はできても、後発参入組の同社において販路開拓は当初困難を極めまし

た。そこで地道に世界各地で行われる歯科展示会での営業活動を展開し、顧客から厚い信頼

を得るため、ニーズを汲み、速やかに製品・サービスに反映させたのです。そして一国一代理

店制を採用し、代理店との相互発展こそが信頼を揺るぎないものとし更なる発展につながる、

との信念で販路を拡張していきました。

さらに海外では日本ブランドの高品質性は当然との認識が高いため、生産拠点を海外に移

しても、品質については妥協を許さず日本品質を維持し、高品質・低コストを可能にしました。

その結果、性能・品質・コストと3拍子そろった製品を実現し、現在では80ヶ国で流通を確保

するに至ります。

また医療機器(人工歯)を海外販売するにはISO、CEをはじめ各国特有の国際規制があり

ます。しかし同社は海外進出前から国際品質規格ISO13485を取得していたため、スムーズに

参入することができました。

人工歯”YAMAHACHI”を更に多くの国々に紹介し、揺るがぬ信頼で結ばれた代理店を増や

し、名実ともにグローバルニッチトップを目指しています。

硬質レジン歯

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音羽電機工業株式会社

代表者:取締役社長 吉田 修 住所:兵庫県尼崎市名神町 3-7-18

電話:06-6429-3541 URL:http://www.otowadenki.co.jp

設立:1946年 従業員数:250名

採用:毎年数名程度

ネクストGNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNT製品である酸化亜鉛素子は、電気機器を雷の過電圧から守る避雷器に用いら

れます。酸化亜鉛素子は、通常適用される電圧に対しては絶縁体として働き、雷のような大き

な過電圧に対しては導電体として働く、非直線形の抵抗素子です。雷は自然現象であり、世界

中のほとんどの地域で発生し、電気機器に被害を及ぼします。したがって、避雷器は世界中で

使用されており、この避雷器のキーとなる要素が酸化亜鉛素子です。

同社では酸化亜鉛を主原料とし、数種類の金属酸化

物や化学添加物を混ぜ合わせ、良質の造粒粉を生成

し、その後焼結させて、非直線形の抵抗特性を発現させ

ています。この時の粉の配合、調合を研究段階から進め

ることで、品質の高い造粒分を生産し、その後の成形プ

レス圧や焼成温度などの独自ノウハウを有することが同

社の強みです。原料から厳密な製造工程の管理により

生産することが可能ですので、顧客の要望に合わせた

高い品質の製品が生産可能です。同社工場では24時間稼働を行い、より高い品質の粉を生

産することを目指し、粉の研究にも日夜取り組んでいます。

避雷器に用いられる酸化亜鉛素子の製造において、原料の調合段階から顧客の要望に合わせた

生産管理を実現

これまでの発展や海外展開の中で生じた課題とその対応策の内容 酸化亜鉛素子を輸出するにあたり、従来の製品のままではグローバルな顧客の満足を得ら

れないことが分かり、新たな原材料による製造方法を生み出す事が急務となりました。一方、

海外へ展開するに際し、国際感覚を持った人作りが急務でありました。製品では、グローバル

に認知されるための課題をクリアするため、主として下記内容につき研究開発に励みました。

・新たな原料の配合

・混合した後の所定の均一な造粒粉を生産すること。

・均一に成形プレスし、焼成すること。

このように、製品は多くのパラメータにより左右され、所望の特性に各パラメータを調整する

ためには、多くの試作と試験を繰り返してきました。この中には、当然多くのノウハウも含まれ

ています。また、製品を実験室レベルでなく大量に生産するため均一性が必要であり、次の措

置を継続的に行ってきました。

・生産設備の開発および改良

・厳密な製造工程の管理

・歩留まり向上

このように一定の安定した生産を行うのには隠れた多くのノウハウが含まれており、他業界

からの参入が困難であることの一つと考えられます。グローバル展開については海外営業部

を設置し、顧客情報の入手に努め、顧客要望に合った新製品開発にも発展しています。

酸化亜鉛素子

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末廣精工株式会社

代表者:代表取締役 津村 敏弘 住所:兵庫県三木市別所町高木910

電話:0794-82-0765 URL:http://www.suehiroseiko.jp/

設立:1967年 従業員数:43名

採用:予定なし

ネクストGNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社のGNTとなっている製品はチェンソーガイドバーです。チェンソーガイドバーとは、チェン

ソー(木を切る機械)の刃(ソーチェン)が回転するのをガイドする鋼板を指します。ソーチェンが

秒速25m以上の高速でガイドバー

と直接接触しながら木を切っていく

ため、ガイドバーには硬度(硬さ)と

靱性(粘り強さ)という、相反する

特性が要求されます。

同社は、この相反する特性を最

大限可能にするため、他に採用例

のない塩浴熱処理を採用しまし

た。また、ガイドバーの先端部分は、最も耐久性が要求される部分であるため、コバルトをベー

スとするステライト合金を職人の技術である「手盛り」ガス肉盛溶接して製造しています。「手盛

り」ガス肉盛溶接とは、鋼がガスの炎で溶け出す直前にステライト合金を一滴ずつ丁寧に落と

していく溶接です。海外製はプラズマ溶射やレーザー溶接のみですが、同社は「手盛り」ガス肉

盛溶接により、耐摩性、耐熱性、耐衝撃性のあるチェンソーガイドバーを供給することができて

います。

硬さと粘り強さを両立したチェンソーガイドバー

(チェンソーの刃(ソーチェン)は、秒速25m以上のスピードで回っており、硬度と靱性が求めら

れる。職人技である手盛りの技法を使い、ハイエンドなガイドバーを製造)

これまでの発展や海外展開の中で生じた課題とその対応策の内容 プラザ合意後の急激で大幅な円高により、同社は、米国中心の輸出販売であったため、大

きなダメージを受けました。その対策として、

・輸出販売先の分散

・新規輸出販売先の建値を円建てに変更

・国内販売強化を目的に直販体制の構築

・品質の向上とコスト低減のため、QC、 改善活動の実施

などの対策を実施しました。

国内販売に直販体制を取り入れることによりエンドユーザーから直接ニーズを収集すること

が可能となり、その後の新製品開発につながりました。

改善活動は外部コンサルタントの指導で5Sから開始し、毎月1回全員参加による発表会を

実施し、品質向上、コスト低減に取り組みました。

ISO9001の認証取得をめざし2010年から外部コンサルタントによる指導を導入し、管理職を

中心に毎週1日8時間、18か月受けました。最初はISOの認証取得が目的として実施したもの

ですが、指導を受けている中でISOは経営品質を高めるものだと気付きました。

QC、改善活動、ISO等は費用も掛かり、すぐに効果のでるものではありませんが、長期的視

野にたってやり続けることで、効果がでてくるものだと考えられ、取り組まれています。同社は、

こうした短期的に利益にはならなくても、継続して改善活動に向けた取組を続けることが同社

の企業文化であると考えています。

チェンソーアートの世界 チャンピオンとのコラボ

チェンソーガイドバーの外観

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オーエヌ工業株式会社

代表者:代表取締役社長 中村 政弘 住所:岡山県津山市神戸 466

電話:0868-28-0171 URL:http://www.onk-net.co.jp/

設立:1964 年 従業員数:165 名

採用:新卒 5 名~10 名 4 月~6 月、 中途 若干名 随時

ネクストGNTとなっている製品・サービスとその内容、強みの理由

同社は、建築用ステンレス屋内配管、工業用ステンレス配管、水道用ステンレス埋設配管

の継手、バルブなど、鋳造から加工、完成まで完全な品質管理のもと行っています。業界トップ

クラスの技術を持ち、ステンレス製継手の国内シェア6割を有しています。

同社は、独自の継手構造を考案し、圧縮されたゴムが外側に拡がる力で、JIS G 3448の管

の末端を太鼓状に膨らませる製造方式(拡管方式)を開発するとともに、耐久性の高いゴム材

料を開発しました。独

自の継手構造による

耐震性は、阪神・淡路

大震災でも圧倒的な

耐震性が実証され、

業界から絶大な信頼

を得ています。

耐久性は80年以上

で、継手の取り替えが

不要であり、羽田空

港、六本木ヒルズ、デ

ィズニーランド、スカイツリーなど、重要建築物にも採用されています。

独自構造で優れた耐震耐久性を備えたステンレス製給排水継手を開発

(耐震性強度を実証試験で数値化し、業界の信頼性を獲得)

これまでの発展や海外展開の中で生じた課題とその対応策の内容 1.発売以来、給水、給湯用としての継手として高い信頼性を確保していましたが、大型病院、

製薬研究所への対応として80℃を超える高温水・蒸気還り管水への耐久性、超純水への耐久

性、及びオゾン水への耐久性が求められ、研究者の方々との研究を通してゴム材料を開発、

評価し、学会での発表を通して、根拠の無い宣伝に頼るのではなく、耐久性の根拠を学術的に

明確にすることにより高い信頼性を獲得することができました。

2.神戸の震災を経験し、自社内での簡易的な耐震試験により一定の耐震性は確認していまし

たが、東日本大震災以後、業界でのキーワードが「耐震」となる中で、実体に即した試験により

耐震性の根拠を示すため、「平成23年度グローバル技術連携・創業支援補助金」により、愛知

工業大学の委託試験制度を活用し、施設使用と試験に対する指導を受けることができ、実物

大耐震試験を実施しました。そして、この試験により建築基準法で定められた加速度400Galの

2.5倍の1000Gal以上を超える耐震性を確認することができました。また、大学、建築設計事務

所、建設会社からの視察を受入れ、高い耐震性の確認を受けています。

ナイスジョイント

ナイスジョイントの構造