火山ガラスの化学組成から兄た大阪層群のテフラ...にむかってma-1,ma-o,ma1,ma2,ma3,ma4,ma5,ma6,ma7,ma8,ma9,ma10と呼ばれる12層の海成粘土...

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島根大学教育学部紀要(自然科学)第24巻一第2号 1頁~36頁 平成2年12月 火山ガラスの化学組成から兄た大阪層群のテフラ 清* Kiyoshi lMIURA Tephra aeposits i皿the Osaka Grou=p as see皿 from chemical compositions of their yo1ca皿ic Abstract The P1io-P1eistocene Osaka Group was deposited in the Second thickness attains up to1,000m. Osaka Group has twe1ve mar1ne c1ay beds m the upper part(Ma interga1ated by about fifty1ayers of thin volcanic ash as marker-tephra The author stud1ed ma]or element chem1ca1compos1t1on of g1ass o microprobe ana1yzer and described the successfu1characterization fo marker-tephras. 1.まえがき 大阪層群は淡路島,播磨盆地,大阪盆地,奈良盆地, 京都盆地に分布する鮮新世から更新世にわたる堆積物で あって,そρ中には鍵層となる約50枚に及ぶ火山灰層を 含むと云われている。 これらの火山灰層の火山ガラスの化学組成とその特性 はテフラの同定に極めて重要なものであり,最近では電 子顕微鏡を使用したEPMA分析などが使用されるよう になった。西田(1990)はこれら大阪層群の火山灰層の 火山ガラスの化学組成について最近総括している。 筆者は町田ら(1980)による屈折率の精密な測定試料 を含めて今回研究する機会を得た。扱った試料は殆んど 鍵層として使用されている火山灰である。 測定結果は西田(前出)の測定値と必ずしも一致しな い。 島根大学教育学部地学研究室 大阪層群に含まれる火山灰層は中・四国地方はもとよ り周辺地域に広範に分布している可能性がある。その研 究にとって,今独自に火山ガラスの分析値を総括してお く必要がある。ここに分析値を公表し,多くの情報を期 待したい。 本研究に際し,貴重な試料を提供していただいた群馬 大学新井房夫先生に対し,心から御礼申し上げたい。 2 大阪層群と火山灰層 吉川(1984),市原ほか(1975),鳥居ほか(1974)に よると大阪層群は前述のような地域に分布し,主として 未固結な礫,砂,シノレト,粘土層からなり,下半部は陸 水成の砂礫,シノレト層からなり,上半部は一下位から上位 にむかってMa-1,Ma-O,Ma1,Ma2,Ma3,Ma4 Ma6,Ma7,Ma8,Ma9,Ma10と呼ばれる12層の海 層が陸水成の砂礫層,シノレト層と規則的な互層を形成し ている。 下半部と上半部の境界は後述する表一1の国分累層の

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  • 島根大学教育学部紀要(自然科学)第24巻一第2号 1頁~36頁 平成2年12月

    火山ガラスの化学組成から兄た大阪層群のテフラ

    三  浦 清*

               Kiyoshi lMIURA

      Tephra aeposits i皿the Osaka Grou=p as see皿

    from chemical compositions of their yo1ca皿ic g1asses

                       Abstract

     The P1io-P1eistocene Osaka Group was deposited in the Second Setouchi depression and its

    thickness attains up to1,000m.

     Osaka Group has twe1ve mar1ne c1ay beds m the upper part(Ma-1,Ma-O,Ma1-10)and are

    interga1ated by about fifty1ayers of thin volcanic ash as marker-tephra,

     The author stud1ed ma]or element chem1ca1compos1t1on of g1ass of these marker-tephras usmg a

    microprobe ana1yzer and described the successfu1characterization for corre1ation to be made forthese

    marker-tephras.

    1.まえがき

     大阪層群は淡路島,播磨盆地,大阪盆地,奈良盆地,

    京都盆地に分布する鮮新世から更新世にわたる堆積物で

    あって,そρ中には鍵層となる約50枚に及ぶ火山灰層を

    含むと云われている。

     これらの火山灰層の火山ガラスの化学組成とその特性

    はテフラの同定に極めて重要なものであり,最近では電

    子顕微鏡を使用したEPMA分析などが使用されるよう

    になった。西田(1990)はこれら大阪層群の火山灰層の

    火山ガラスの化学組成について最近総括している。

     筆者は町田ら(1980)による屈折率の精密な測定試料

    を含めて今回研究する機会を得た。扱った試料は殆んど

    鍵層として使用されている火山灰である。

     測定結果は西田(前出)の測定値と必ずしも一致しな

    い。

    * 島根大学教育学部地学研究室

     大阪層群に含まれる火山灰層は中・四国地方はもとよ

    り周辺地域に広範に分布している可能性がある。その研

    究にとって,今独自に火山ガラスの分析値を総括してお

    く必要がある。ここに分析値を公表し,多くの情報を期

    待したい。

     本研究に際し,貴重な試料を提供していただいた群馬

    大学新井房夫先生に対し,心から御礼申し上げたい。

          2 大阪層群と火山灰層

     吉川(1984),市原ほか(1975),鳥居ほか(1974)に

    よると大阪層群は前述のような地域に分布し,主として

    未固結な礫,砂,シノレト,粘土層からなり,下半部は陸

    水成の砂礫,シノレト層からなり,上半部は一下位から上位

    にむかってMa-1,Ma-O,Ma1,Ma2,Ma3,Ma4,Ma5,

    Ma6,Ma7,Ma8,Ma9,Ma10と呼ばれる12層の海成粘土

    層が陸水成の砂礫層,シノレト層と規則的な互層を形成し

    ている。

     下半部と上半部の境界は後述する表一1の国分累層の

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  • 三  浦

    ラスの分析値を図一5に示す。SiO。はほぼ69.5から

    71.3%程度の範囲を示す。K.O>Na.0で,その値はサ

    クラ火山灰層に類似する。しかし,A1.0。,CaO,Fe0の

    各値にかなりの差が見られるので容易に区別され得る。

     なおサクラ火山灰層の火山ガラスの屈折率が1,505で

    あるのに対してこの栂火山灰層の火山ガラスのそれは

    1,502で,両者にはかなりの差が見られる。

     (2)泉北累層下部の火山灰層

     上位層準から下位層準にむかって八町池,今熊II,今

    熊I,狭山,アズキの5枚の鍵層となるテフラが識別さ

    れている。

     (a)八町池火山灰層

     Ma5の層準を示す鍵層テフラである。この火山ガラス

    の分析値を図一6に示す。SiO。も64.5%から69%程度と

    その含量は低く,K.OもO.5~O.7%と極めて低含量の火

    山ガラスを含んでいる。それに対してFe0,CaOが多

    く,特にSiO。含量が65%程度と少ない粒のものでは

    FeOも6.5%程度まで増加する。Na皇0はほぼ3%から

    3.6%前後で,CaOもこれに近い。FeO,CaO含量に富

    み,K.Oが極端に少ないと云うことのほか,Si㏄含量も

    低いことがこの火山ガラスの特徴であろう。町田ほか

    (前出)による屈折率も1,521と特に大きい値を示すこ

    とも,その化学組成の特徴を反映している。

     (b)今熊II火山灰層

     Ma5とMa4の間の層準を示す鍵層テフラである。こ

    の火山ガラスの分析値を図一7に示す。SiO。含量の範囲

    はほぼ70.5%から73.3%程度の値を示す。Na.O>K.O

    で共に3.2%から3.6%前後に配列する。例えば図一7と

    図一5に示す梅火山灰の火山ガラスを比較すると両者の

    MgO,CaO,FeOは極めて類似するが,よく見ると

    TiO。はこの今態IIにおいてやや少なく,K.OとNa.0の

    量的関係は逆になっており,また,A1.O、含量も今態II

    においてやや少ないことなどが区別のポイントである.

     (C)今態I火山灰層

     Ma5とMa4の間の層準を示す鍵層テフラである.こ

    の火山灰ガラスの分析値を図一8に示す.Si0。含量の範

    囲はほぼ72%程度から74.5%ぐら.いの値を示し,今態II

    火山灰のそれよりもやや高含量側に移動している、

    Na.O>K.Oであるが今態IIに比してNa.O含量が大き

    く,それとK.O差が大きくなっている.FeO,CaOは今

    態IIよりも明らかに大きい値を示す.一方でA1.O。は逆

    にそれよりも低い値を示す.MgO,Ti0。含量は今態IIよ

    りもやや高い値を示す.結果的に,本火山灰と今態II火

    山灰層は図一8と図一7の差として明瞭に区別される.

    屈折率の差は,今態I火山灰の火山ガラスで1,502,今

    清 3

    態IIの火山ガラスで1,500であって結果的にO.O02となっ

    ている.

     (d)狭山火山灰層

     Ma4とMa3の問の層準を示す鍵層テフラである.そ

    の火山ガラスの化学組成を図一9に示す.Si0。の含量の

    範囲は大体66%から69.3%前後である.この範囲は八町

    池火山灰の火山ガラスに似ているが,他の成分に関して

    は,両者はまったく異なっている.K,O>Na。で,

    K.Oも4%をかなり上まわり,かつ,Na.0も3%をか

    なり上まわる例はこれまでに述べたテフラの火山ガラス

    にはなく,このアルカリ成分の和は8%に近い.Fe0も

    1.5%近くの値を示し,Ca0も多いがFeOと分離する.

    MgO,Ti0。もやや多くなっている.

     (e)あずき火山灰層

     Ma3の層準を示す鍵層テフラである.この火山ガラス

    の化学組成を図一10に示す.SiO。の範囲はほぼ66%から

    68%近くに及んでいる.K.O>Na.0で,その値はやや

    狭山火山灰層のそれに似ている.SiO、の範囲も,このア

    ノレカリ成分の量も,狭山火山灰層に似てはいるが,Fe0

    は2%以上に達し,かつ,A1.O。の値はおよそ13.5%以

    上の値を示すものが多いのも狭山火山灰層と本火山灰層

    の大きな違いである.また,MgOもTi0。と共に本火山

    灰層がやや多い.町田ほか(前出)による屈折率も狭山

    火山灰層の火山ガラスで1.5061~1,508を示すのに対し

    て本火山灰層の火山ガラズの屈折率は1.5145とかなり高

    い値を示す.

     (3)国分累層上部の火山灰層

     上位層準のものから下位層準に向って山田I,光明池

    IV,光明池III,光明池II,ピンク,竜ケ池,イエロー

    IV,イエローIII,イエローI,千里山III,千里山IIの11

    枚の鍵層テフラが識別されている.竜ケ池については除

    く.

     (a)山田I火山灰層・

     Ma2の層準を示す鍵層テフラである.その火山ガラス

    の化学組成を図一11に示す.SiO。含量の範囲はおよそ

    71.5%から74.3%程度である.Na.O>K,Oで,K.0は

    2%ラインよりやや上に配列される程度でその含量が少

    ないことも一っの特徴であろう.Fe0,C.O合量も1.6~’

    1.7%前後で共に多く,両者はあまり分離した位置にな

    い.アルカリ総量の少ないことも一つの特徴となるであ

    ろう.

     (b)光明池IV火山灰層

     Ma2とMa1の間の層準を示す鍵層テフラである.そ

    の火山ガラスの化学組成を図一12に示す.SiO,含量の範

    囲は68%付近から71%程度に及んでいる.Na.O>K.O

  • 4 火山カラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ

    であり,K.Oの値は3%ラインの下に並ぶ.CaO,Fe0

    は大約1.5%ラインを挟んで上下に配列し,CaO>

    Fe0である.MgO,TiO。共にやや高い.

     (・)光明池III火山灰層

     Ma2とMa1の問の層準を示す鍵層テフラである.そ

    の火山ガラスの化学組成を図一13に示す.Si0。含量の範

    囲は71%付近から74.3%ぐらいであって,光明池IVテフ

    ラよりも高含量側に位置する.Na.O>K.Oであるが

    K.O,Na.O共に光明池IVの火山ガラスよりも低い.ま

    た,CaO>Fe0,で1%ラインをはさんで配列する.こ

    れも光明池IVよりも低含量である.そのような事から光

    明池III火山灰層は光明池IV火山灰層から識別出来る.

     (d)光明池II火山灰層

     Ma2とMa1の間の層準を示す鍵層テフラである.

    SiO。含量の範囲は64.5%前後から68%前後であって,光

    明池IV,光明池III両火山灰の火山ガラスよりもさらに低

    含量側に位置する.Na.O>K.Oではあるが共に極めて

    低含量でユ%を大きく割っている.Fe0は4.5%前後,

    CaOは3.5%程度とこの二成分も異状に高含量を示す.

    また,Mg0も高含量を示し,3%から3.5%前後に配列

    する.この様子が図一14によく示され,全体的に極めて

    特徴ある火山ガラスといえよう.

     以上のように,Ma2とMa1の問の層準には,光明池。

    IV,光明池m,光明池IIと3枚の鍵層テフラが見られる

    が,その火山ガラスは図一12,13,14に示すように,そ

    れぞれに特徴を有し,相互の区別は容易である.

     (・)ピンク火山灰層

     Ma1層準の直下を示す鍵層テフラである.その火山ガ

    ラスの化学組成を図一15に示す.SiO。含量の範囲はほぼ

    72.5%前後から75.3%ぐらいである.Na.O>K.Oで,

    K.Oはおよそ4%ライン上に乗り,Na.0もほぼ3%ラ

    イン近くに並らぶ.FeO,CaO共に1%ラインのやや下

    方に配列し,両者は殆んど分離しない.

     (f)イユローIV火山灰層

     Ma-1の層準を示す鍵層テフラである.その火山ガラ

    スの化学組成を図一13に示す.Si0。含量の範囲は71.5%

    ぐらいから75%までぐらいにわたる.Na.0>K.Oで

    ■あってK,0は大約2.5%から2.9%ぐらい,Na,Oは3%

    ぐらいから3,7%ぐらいの範囲を示す.CaOとFeOは

    1%ラインをはさんで配列し,Ca0>FeOである.

     (9)イエローIII火山灰層

     Ma-1層準を示す鍵層テフラある。その火山ガラスの

    化学組成を図一17に示す。SiO。含量の範囲は71.5%ぐら

    いから75%までぐらいにわたる。Na.O>K.Oであって

    K.0は大約2.5%から2.9%ぐらい、Na.0は3%ぐらい

    から3.7%ぐらいの範囲を示す。CaOとFeOは1%ライ

    ンをはさんで配列し、Ca0>FeOである。

     (h)イエローI火山灰層

     Ma-1の層準を示す鍵層テフラである.その火山ガラ

    スの化学組成を図一18に示す.SiO。の範囲はほぼ70%か

    ら72%ぐらいまでである.Na.O>K.Oで共に3%以上

    の値を示しながら捧近するものもある.Ca0,Fe0共に

    1%以下である.

     イエロー火山灰層としてIV,III,Iの三枚の鍵層テフ

    ラの火山ガラスを示したが,いずれもCaO>K.Oで

    あってもその含量のパターンは大きく異なっており,ま

    た,CaO,FeOの含量とその分布パターンもそれぞれに

    特徴があってその区別は容易である.

     (i)千里山III火山灰層

     Ma-1より下位の層準を示す鍵層テフラである.その

    火山ガラスの組成を図一19に示す.Na。>K.Oであっ

    て,K.Oはほぼ2.4%前後に並ぶ.Na.Oは3%から3.

    5%ぐらいの範囲を示すがやキバラツキがある.CaOは

    1.5%ライン近くに配列し,FeOは1%以下である.

    A1.O。は12.3%から12.7%ぐらいの位置にややまとまり

    を見せる.

     (j)千理山II火山灰層

     Ma-1より下位の層準を示す鍵層テフラである.その

    火山ガラスの組成を図一20に示す.SiO。含量の範囲は6

    9.5%から74%ぐらいであり,各成分ともややバラツキ

    が大きいように見える.Na.0とK.0の関係は必ずしも

    一定の傾向を示さないでK.O>Na.Oの場合もNa.O>

    K.Oの場合もある.大体においてNa.Oの値は3%前後

    で千里山III火山灰より低い値を示す傾向がある.K.Oは

    2.5%ぐらいから2.9%前後の値を示し,これも千里山III

    火山灰のような一定性を示さず,バラツキが大きい.

    CaO,FeOについても千里山IIIと似た値を示すがやはり

    バラツキが大きい.Al.O。は千里山IIIに比してや>小さ

    い値を示す.全体にこの千里山II火山灰層の火山ガラス.

    は千里山IIIのそれとや・似てはいるが,バラツキが大き

    い点で性格を異にする.

     (4)国分累層下部の火山灰層

     これは鮮新統に属する火山灰層で福田火山灰層一枚が

    これに相当する.

     (・)福田火山灰層

     国分累層下部を示す重要な鍵層テフラであり,同時に

    鮮新統を示す最上位のテフラでもある.その火山ガラス

    の化学組成を図一21に示す.SiO・含量の範囲は70.6%ぐ

    らいから71.6%ぐらいである.K.0>Na.Oであって,

    SiO。の増加と共にK.0は増加して4%以上となり,逆

  • 5清浦三

    表一1 大阪盆地南部の大阪層群の地質層序と火山灰眉

    大阪層群の地質 大阪層群の 放射年代(Ma)

    層序と年代 火山灰層 (F.T.年代)

    八 田(Ma10の上) ↑

    大 第 更 上 ・泉 上 和 田(Ma1O/Ma9) 0.34+O.09 駐

    カスリ(Ma8直下) 」一1

    グミノキ(Ma8直下) ~北

    部 サクラ(Ma7直下)ト

    栂 (Ma6直下) 向

    累 八町池(Ma5)]

    温下 今熊II(Ma5/Ma4) 辰

    今一熊I(Ma5/Ma4) 緊層

    部 部 挾 山(Ma4/Ma3)亀

    アズキ(Ma3) O.77+0.31四 新

    阪 山田I(Ma2) 蝉

    下 上 光明池IV(Ma2/Ma1)掻

    国光明池III(Ma2/Ma1) 劃

    光明池II(Ma2/Ma1) 刈

    ピンク(Ma1直下) (O.92+O.52分

    竜ケ池(Ma0) 胃)

    イエローIV(Ma-1)

    累 哩

    イエローIII(Ma-1) ■

    イエローI(Ma-1)契

    層 掻紀 世 部 部 千里山III(Ma-1の下) 鍵

    層 千里山II(Ma-1の下) 1.24+0.17 ↓一

    下福 田 1.59+O.22

    部↑

    第 鮮 最 三ツ松井

    真ノ池←

    上泉

    朝 代 紬

    土生滝II南

    一一一 新 下 土生滝I 2.71+O.49 ぐ

    Q部 水問II累 鯉

    水問I鞍

    下 土丸II怪

    層く

    群 紀 世 部 土丸I劃↓

    部 岬

  • 6 火山ガラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ

    にNa.0は減少する.FeO>CaOで両者は1%ライン

    を中心にして配列する.千里山III火山灰層とはNa.0と

    K.0の関係,Fe0とCa0の関係で明瞭に区別される

    し,A1.O、含量もその区別に役立つ.

     (5)扉南累層上部の火山灰層

     上位層準のものから下位層準のものに向って三ツ松,

    真ノ池,朝代,土生滝II,土生滝I,水問II,水間Iの

    7枚の鍵層テフラが識別されているが,水間II,水問I

    からは火山ガラスが検出されないので,こΣではこれを

    除く.前述のように,これらはいずれも鮮新統に属する

    ものである.

     (・)三ツ松火山灰層

     泉南累層上部の最上位の鍵層テラフである.その火山

    ガラスの化学組成を図一22に示す。SiO。含量の範囲は

    71%から73.5%ぐらいであり,Na.OとK.0の含量はこ

    めSiO。含量の範囲でK.0>Ca0でFe0はおよそ1%ライン上に配列する.福田火山灰とはNa.O,K.0

    の性格,A1,O、含量によって区別されるし,Fe0が三ツ

    松火中灰の場合にはや㌧低含量を示すことによっても載

    別される.

     (b)真ノ池火山灰層

     三ツ松火山灰層より下位層準を示す鍵層テフラであ

    る二その火山ガラスの化学組成を図一23に示す・SiO・含

    量の範囲はほゴ70%ぐらいから72%ぐらいでNa.O>

    K,Oの性格をもつ,Na,O.はほゾ4%程度,K,Oは3完

    よりや㌧低く2,7~2.8%程度で一定性をもつ.この点,

    前述の三ツ松火山灰層と性格を異にする.さらに,・CaO

    メFeOで,両者は1%ラインの上下に平行的配列を示

    す.Ca0とFeOの関係によっても,さらにA1.O。の値

    に関しても三ツ松火山層と本火山灰層の識別は容易であ

    る.

     (・)朝代火灰層

     真ノ池火山灰層の下位の層準に来る鍵層テフラであ

    る.その火山ガラスの化学組成を図一24に示す.SiO。含

    量の範囲は71%から73%ぐらいである.Na.O>K.Oの

    性格をもち,Na.Oは全体に4%よりも多くて4.2から

    4.3%ぐらいの値をもつ.K.Oも3%よりや\高い.

    FeO>Ca0で,共に1%ラインよりも上に配列する.

    アルカリ含量,CaOとFeOの関係,A1.O。含量などが真

    ノ池火山灰との区別に役立つ.

     (d)土生滝II火山灰

     朝代火山灰層の下位層準に来る鍵層テフラであ名.そ

    の火山ガラスの化学組成を図一25に示す.Na.O>K.O

    の性格をもち,K.Oが3%ラインのや㌧上に配列するに

    対してNa.Oは3.5%前後の値を示す.真ノ池,朝代両火

    山灰のそれに対してNa.Oの含量は低くな1っている.ま

    たFeO>Ca0の性格をもち,Ca0が1%ライン上に乗るに対してFe0は1,2から1.4%近傍の伯をとってい

    る.朝代火山灰層とは火山ガラスにおける、Al.O。,Na.O,

    FeO,CaO含量によって容易に区別される.

     (・)土生滝I火山灰層

     土生滝II火山灰層の下位に来る鍵層テフ7である.そ

    の火山ガラスの化学組成を図一26に示す.SiO。含量の範

    囲は71%から73.3%ぐらい亡ある.Na,OとK,Oの関係

    は一定しないが共に3.5%近傍でバラツキをもって分布

    する.FeO>CaOで共に1%以下の値を示すが両者は

    よく分離する.A1.O。についても10%代の値をもつ.土

    生滝II火山灰層とはA1,0、の値,、K,0とNa,0の関係,

    FeO,CaO含量などによって容易に識別される.

     (6)泉南累層下部の火山灰層

     これに属するものとして上位層準のものから下位層準

    のものに向かって土丸II,土丸I,岬の3枚の鍵層テフ

    ラが識別される.共に鮮新統の火山灰層である.

     (a)土丸II火山灰層

     泉南累層下部の最上位鍵層テフラである.その火山ガ

    ラスの化学組成を図一27に示す.Si0、の範囲はおよそ

    72%から74%程度である.K,O>Na,0の性格をもち,

    共に3.5%から4%程度の歯囲にあって接近する.また,

    FeOとCaOはFe0>Ca0で1%ラインを挟んで平行的に配列する.

     (b)土丸I火山灰層

     土丸II火山庚層の下位に来る鍵層テフラである.その

    火山ガラスの化学組成を図一28に示す.Sib2含量の範囲

    はおよそ68.5%から72%ぐらいである.Fe0に富み,

    3.5%程度から2.2%ぐらいの値を示し,SiO。の値と逆に

    なるようなパタンをとる.K.0は3~4%ぐらいの値を

    示す粒が多いように見える.Na.Oはバラツキが大きい.

    CaOが大きいのも一つの特徴で2,8%前後から1.7%前

    後まで不規則な変化を示す.TiO。が大きい値を示すの

    も特徴の一つである.土丸iI火山灰層とくらべて全く異

    なった性格を示すのがこの火山灰層である.

     (C)岬火山灰層

     泉南累層下部の最下部の鍵層テフラである.その火山

    ガラスの化学組成を図一29に示す.Si0。含量の範囲は

    70%近くから71.5%ぐらいである.K.O>Na.0で,

    K.Oは4.5%近傍から4.8%近くまで分布、し,Na.Oは

    3.5%前後に分布する.アルカリ成分の和は8%前後と

    なり,大阪層群の中では大きい.FeOは1%よりやや低

    く,ほぼ1%ラインに沿う.CaOはO.5%前後で,FeO

    とはよく分離している.

  • 三  浦

     以上述べて来たように,大阪層群の各テフラはそれぞ

    れの化学的特性をもっ火山カラスを含むものが多く,少

    なくとも火山ガラスを含むテフラではその化学組成の特

    徴から相互に識別可能である.

    4 火山ガラスによるテフラの対比と図的表現

     三浦ほか(1985)はアイラTn火山灰AT,アカホヤ

    火山灰Ahの火山ガラスに関して横軸にSiO。(Wt%)

    をとり,縦軸にTiO。,Mg0,Ca0,FeO,Na.O,K.O,

    Al.0。,H,Oの重量パーセントをとって組成を表現し,各

    地におけるこれら火山灰を識別した.テフラの火山ガラ

    スはその堆積場所やその後の地表環境,経過時間,化学

    組成の差などにより,同じテフラであっても採集場所に

    よって微妙な差を示す.しかし,このような表現法に

    よって火山ガラスの一粒ごとの組成を示すと各成分はテ

    フラごとに同じようなパタンを示す.このようなパタン

    こそテフラの識別法として最も確かなものと考えてい

    る.同じような手法は三瓶火山噴出物としての火山ガラ

    スにも適用され,例えば三蒲ほか(1987),三浦

    (1988.1990)などに示されるように,テフラの識別に

    成功している.

     大阪層群の各テフラについても同じような表現法を

    とって図示した.この表現法でわかるように,各テフラ

    はそれぞれに特徴的で固有なパタンを示し,この図その

    ものがテフラの識別に役立つものと見られる.また分析

    粒数は必ずしも多くを要せず,ある一つの特徴的パタン

    が表現される程度でよい.

            5.あとがき

     大阪層群の鍵層テフラの火山ガラスの化学組成を

    EPMA分析法によって求め,それを図化してテフラの

    識別法に利用しようとした.中国地方や四国地方には,

    この時代のテフラが分布する可能性もあり,供給源との

    関係を明らかにしようと思えば,かなり精度の高い研究

    法に依存しなければならない.その目的に,この図は十

    分有効なものとして使用出来ると考える.

    文   献

    7

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  • 8

    12

    Wt o/o

    ~~Lu;~ ~ ;~ ~)4~~~"f~I~~~> ~ ~~7t~~~~~F~+~~6D f 7 ~

    11 Al203 o

    o o O 5

    4

    3

    2

    1

    o o K20 ocb

    O

    o Na20 O o

    A移   ム

    CaOa~)~ aA' Fe O ~ ~ o

    ^ MgO Ti02

    Oo O 71

    ~l- 1

    oo o 72 73 Si02 /¥~EI~~UJ ~~ ~~ ~)~~UJ ~~ ~ )~ ~)4~~~~,f>"~I~~

    74 Wt o/o

  • E ~~ ~~

    Wt o/o

    11

    5

    4

    3

    ㊥側203鴫

    ⑮ ㊥

    2

    1

    o e(~g

    7 O S i 02 Wt o/o

    ~l-2 ~~~EI)~LLI~~~~~))~uLl~~~c~)4~~F~,~+~I~i~

    K20 eq. O o

    o o

    o ooo Na20

    CaO Fe O ^ MgO ^ . Ti02

    ~~A~ ^~^ O e(~g

    72

    9

  • 10 火山カラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ

    Wto比

    13

    12

    l0

    6

    4

    3

    o

    o o

    o

    o

    o

    Al203 o

    o o

    C]

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    K20 o

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    A Q A A rvlgo --~~ A o @ Q_

    A @ 73ム      ◎

    74    75 76    77  Si0乞Wt%

    図一3 グミノキ火山灰層の火山ガラスの化学組成

  • ~ ~: ~~ ll 13

    Wt o/o

    12

    ~l- 4

    4

    3

    2

    FeO A A~

    CaO __ A'

    MgO. ~ .

    Ti02 o o o oQ*

    69 S i 02 Wt o/o

    t~_ ~7 ~~~,LLI~~r~Ol)~C~LI~~~ ~~)f~~~~,~"~l~i~

  • l 2

    12 Wt o/o

    ~~LLI;~ ~ ;~ ~)4~~~,~,"~l~~~> ~ ~~7t ~~ ~~~ ~~=~1~~) ~ 7 ~

    11

    o

    o & Ar203

    o e

    4

    3

    2

    1

    K20 O

    O

    'I

    ~) o O e o 8

    o

    Na20 e

    o

    PeO A A

    l cao o

    MgO A 4~ A A

    Ti02 o o A O o

    O

    72 S i02 wto/o

    ~l-5 ~~;~~uLI~~~~*~))~ULI;~7;~O~4~~,~>"~l~~

  • 三 浦   清

    12

    Wt%

    ⑧⑧⑧

    ⑧A1203⑧⑧

    ⑧ ⑧

    6

    4

    3

    A Fe O A

    t t , t t t t t , t I t t IL t , t t t t t t t

    t , t t t l ~ t t t , t t t t , t t t , t t t ~

    o'

    o-------- CaO

    o ~ o o..

    A CD A ~~OO O O

    ~

    ',bl,~1b,. .,

    "'~l.

    o "・Na20

    8

    A A Mgo A O K20 o o @ T i 02 AAA OOo O GoC @

    A 1 O l O

    65      66      67      68

     図一6 八町池火山灰層の火山ガラスの化学組成

       ム

       O

       ◎

      69S日0・Wt%

    13

  • 火山ガラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ14

    Al203 o c~ o

    o

    o o

     程W脇

    1   卑

    Na20 o

    o o

    o

    O o o e O

    oo K 2 O oo

    O

    CaO A

    ~~~ ~ ~ o o FeO A

    AA A Mgo A ^ A A A O Ti02 cb~) o O  0

    72) ・一一

          73

    S薗0・W脇コ707

    図一7 今熊II火山灰層の火山ガラスの化学組成

  • 15

    三浦清

    A12039⑲⑲

    ⑧⑧ ㊥

    Wt% 加

    O ,,

    N_ a20 o o o

    O o oo

    K20 O O ooO O o o

    FeO A A ~~~ ~

    A

    o ~ ' cao

    A A

    MgO A A A A A A

    O 'L

    o Ti02 O o o o O

    5    毎

    74      75S102   W概

    3727

    図一8 今熊I火山灰層の火山ガラスの化学組成

  • 16

    13

    Wt o/o

    12

    )~LLl;~ ~ ;~ ~){~~~-,f,'~I~~~> ~ ~~; j:: ~~~~~~~~~~) ~ 7 ~

    ⑬比 12

    o o o

    o Al203 o o

    o

    o

    5

    4

    3

    2

    1

    O

    O K20 O

    o

    o O

    O

    OO

    eo OG O!

    o o Na20

    o

    o

    A

    AA A Fe O

    o A A A

    O A

    O ooo CaO o o A

    o A A MgO A

    A A A O A O O OO A

    T i 02 I

    o O O

    66

    ~l- 9

    67 68 Si02 ~~VJ)~ LLI~i~1~ ~) ~~~J ~ ~ ;~ oD4~~~,~,'~l~~

    69 Wt o/o

  • 17清浦三

    A屹03     ㊥㊥

    ⑭」

     14Wt%

    K20 o' o

    o Oo oO

    o

    e o o

    oe o NazO

    FeO A AA A~ A A

    O o oo o O o

    Cao

    MgO ^ A ・A A AA

    A

    OO o oO Ti02 oo

    67S豆O. 6     W閉

    66

    35

    1

    4   3

    2    4固

    図一10 アズキ火山灰層の火山ガラスの化学組成

  • 火山ガラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ

    喝 ㊥⑬

    緯 ㊥⑮㊥

    ⑧ ⑧

    A1203

    Na20 o e o e

    o o o oe o o e o

    K20 O O ~

    )

    cb oO O o o FeO ~A A

    A ~

    AA o:~ oO

    o~A A A O o ~

    CaO

    MgO A

    AA A A 4~ A A A A A A ~)

    l

    Ti02 cP oo o OO O o

    o O

        て

      %1

      t

    ㎎W

    硲   3

    望   1

    73 74S厨O1軸1比

    27コ7

    図一11 山田I火山灰層の火山ガラスの化学組成

  • 19清浦三

    ⑲⑲A12◎認 ㊥⑲⑲一㊥

    Na20 l- o e o

    o

    o

    e

    oO K20 O o o ~ ・o O

    o

    Cao o o o

    o o' O A

    A

    o A

    OA A A A

    Fe O

    MgO A A A A A A A

    O Ti02 O

    lO O

    o O O O

    招%

     t

     W

    蟹51

    3   望

    7⑪    7て S102     W岬o

    86

    図一12 光明池IV火山灰層の火山ガラスの化学組成

  • 火山ガラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ

      %

      t

    。。W

    ’㊥ ㊥

    ⑲㊥

    ⑲A屹0黎

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    図一13光明池III火山灰層の火山ガラスの化学組成

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  • 21三浦清㊥

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  • 23三浦清

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    図一16 イエローIV火山灰層の火山ガラスの化学組成

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  • 火山ガラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ26

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    図一19 千里山III火山灰層の火山ガラスの化学組成

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  • 29清浦三

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    3一   2一

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    図一22 三ツ松火山灰層の火山ガラスの化学組成

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    31

  • 火山ガラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ

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    図一25 土生滝II火山灰層の火山ガラスの化学組成

    32

  • 33清浦三

    A屹03 ㊥㊥

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    図一26 土生滝I火山灰層の火山ガラスの化学組成

  • 34

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  • 火山ガラスの化学組成から見た大阪層群のテフラ

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    36