地球表層のダイナミクス： プレートテクトニクス -...
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地球表層のダイナミクス：プレートテクトニクス
「地球の表層は、十数枚の固いプレートで構成されている。その相対運動によって、プレート境界に地震や火山が起きる。」
今日のお題
2008年4月28日Visual地球科学概説（京大・理・地球物理 久家慶子）
世界のプレート
世界の浅い地震（100km以浅；M>5）
演習（ 4月9日）
世界の深い地震（100km以深；M>5）
深い地震
西 東
演習（4月9日）
東北地方の地震分布
0
100
200
300
400
500
600
700
130 132 134 136 138 140 142 144 146
経度
深さ（km
）
プレートの誕生と沈み込み
●●
●●
深い地震
● ●●
●
●
●
●
●
●
●
浅い地震
ベースの図は防災科学技術研究所のホームページから引用
世界でおこる浅い地震の断層の種類
プレートの誕生と沈み込み
正断層
横ずれ断層
逆断層
▲▲▲
火山
世界の地形（高度分布）
図はNOAAのホームページから引用
プレートテクトニクス
プレートとは何か？
「プレート」表層の固い部分
力学的な定義
物質境界ではない！地殻とマントル最上部からなる
「アセノスフェア」軟らかい部分
地表
地球の中心 表は朝倉書店「地球ダイナミクスとトモグラフィー」から引用
２つのプレート
●海洋プレート
どんどんつくられて、どんどん沈み込む
古さによって厚さ０～100ｋｍぐらい
●大陸プレート
ずっとぷかぷかと浮いている
深さ200ｋｍあるいはそれ以上の根っこをもつ
海洋底の年代
現存するのは古くても2億年ぐらい前のもの百万年
図はNOAAのホームページから引用
大陸地殻の年代分布
２５－４０億年
０－６億年
６－２５億年数十億年前のものもある
図は朝倉書店「地球ダイナミクスとトモグラフィー」から引用
プレートテクトニクス
プレートが動いている証拠は？
ここは、講義のときに配布したノートを
参照のこと
プレートテクトニクス
プレート内部にもひずみをつくる：
日本列島や周辺のひずみ
GPS観測をもとにした「日本列島の変形のアニメーション」は、4月16日の
演習のホームページを参照のこと
日本列島はおよそ東西方向に圧縮されている
【証拠】地震を起こした断層の向き・ずれの規則性
プレートテクトニクス
プレートはなぜ硬いのか？
冷却による海のプレートの成長
海嶺
「プレート」表層の固い部分
「アセノスフェア」軟らかい部分
朝倉書店「プレートテクトニクスの基礎」から引用
地震波トモグラフィー
地震波の到達がはやい
地震波速度がはやい領域
プレートは地震波でみるとどうみえるか？
地表
地震波の波線
図は朝倉書店「地球ダイナミクスとトモグラフィー」から引用
深い地震
西 東
演習（4月9日）
東北地方の地震分布
0
100
200
300
400
500
600
700
130 132 134 136 138 140 142 144 146
経度
深さ（km
）
プレートを地震波でみると
• 伝播する速度がはやく
• 波の振幅の減衰が小さく
みえる
遅い 速いP波速度
東北日本の断面
図は「Exploring Earth 2nd ed」Prentice Hallより引用
表層200ｋｍの地震波の伝播速度
遅い 速い
地震波速度表は朝倉書店「地球ダイナミクスとトモグラフィー」から引用
世界のプレート
プレートテクトニクス
プレートは
どこまで沈みこんでいるのか？
東北地方の下へ沈みこむ高P波速度の太平洋プレート
2900km（マントルと核の境界）
地表
660km
青：速度が速い黄：標準赤：速度が遅い
西 東
図はFukao et al. (2001)から引用
660km
P波速度分布の断面図：
沈み込むプレートの行方
青：速度が速い黄：標準赤：速度が遅い
図は朝倉書店「地球ダイナミクスとトモグラフィー」から引用
今日のまとめ①：プレートテクトニクス
●地震の原因となる地面のひずみの蓄積を説明する。
●プレート（リソスフェア）は物質境界ではなく、力学的に「硬い部分」。主に温度が低いことにより、硬い。
●プレートには、海洋プレートと大陸プレートがある。大陸プレートは、長いものは数十億年、表層に安定に存在。海洋プレートは、海嶺でどんどんつくられ、表層を水平方向に移動しながら冷却され、海溝で深部へ沈み込む。このサイクルは、長くて数億年。
「地球の表層は、十数枚の固いプレートで構成されている。その相対運動によって、プレート境界に地震や火山が起きる。」
今日のまとめ②：プレートテクトニクス
●海溝から沈みこんだ海洋プレート内で、深い地震が起こっている。また、プレートは、地震波を速く伝播する領域でもある。これらをもとに、深い地震の分布や地震波速度の高速度領域の位置から、地球の中にあるプレートの位置が推測できる。
●地震波の伝播する速度の速い領域としてみえるプレートは、地震が起こっている部分よりも更に深いところまで伸びている。地表から沈み込んだプレートは、決してまっすぐに沈み込んでいるわけではなく、多くは、途中で水平方向に曲がっているようにみえる。
「地球の表層は、十数枚の固いプレートで構成されている。その相対運動によって、プレート境界に地震や火山が起きる。」
プレートはなぜ動く？
なぜ沈み込む途中で曲がるのか？
を考えながら、次回（５月７日）は
マントル
のはなしです。