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Page 1: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

一15一

地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月

�楳�瑳畎敷�����������礬��

地震の化石一ジュードタキライト

高木秀雄1)

はじめに

ジュードタキライト(pseudotachy1yte)という岩石名

は,わが国の地質学者にはまだたじみカミ薄いかもしれな

い.しかし,海外では同様の岩石の存在について19世紀

初頭から報告されており,その成因について数多くの議

論がなされてきた.Shand(1916)は,南アフリカOrange

FreeStateのパリース(Parys)地域に存在する,黒色

・綴密だ,党かげ上タキライト(tachy1ite:玄武岩質火山

ガラス)によく似た岩石についてジュードタキライトと

命名した.このジュードタキライトは,Vredefort環状

構造の中心部を構成する花庸岩体内部において認めら

れ,脈状,ネットワーク状あるいは角礫化した部分の隙

間を充填する形で存在する.

同様肢岩石の産出は世界各地から報告されており,地

域によって固有の名前がづけられてきた.例えほ,スコ

ットランドやOuterHebrides諸島では“且intycrush

rock"(C1ough,1888),インド南部では“trap-shotten

gneiss"(King&Foote,1864),オーストリアでは“Gang-

my1onit"(Hammer,1915),フランスでは“pureepar-

fait"(昌perfectsoup:Termier&Boussac,1911),ヒマラ

ヤでは“cryptomy1onite"及び“hya1omy1onite"(Scott

&DreYer,1953),たどである.たお,中国語訳では候玄

武薮璃(例えばYangeta1.,1981),和訳でも偽玄武岩波

璃(地団研地学事典編集委員会,1970)として紹介されてい

る.このような脈状岩石の最初の記載はスコットランド

西方OuterHebrides諸島からMaccu1och(1800)によ

ってたされたとされている.OuterHebrides諸島のジ

ュードタキライトはその露出状況が大変良好で,その後

も多くの地質学者カミ研究対象としてきた.

今回紙面を借りて,圧砕岩類の中でも特異た成因を持

つジュードタキライトについてのレビューを行たい,そ

の認定の重要性について述べたい.たお,1960年代~70

年代初頭におけるジュードタキライトに関するレビュー

については,Phi1potts(1964),Higgins(1971),Francis

(1972)カミある.

1)早稲田大学教育学部地学教室:〒169東京都新宿区西早

稲田1-6-1

ジュードタキライトの形成場

ジュードタキライトに関するこれまでの研究をまとめ

ると,その形成場としては,(1)断層に伴うもの,(2)地滑

りに伴うもの,(3順石の衝突に伴うもの,たどがあげら

れる.これらはジュードタキライト形成の外的要因とし

て捉えられる.いずれも地殻浅所もしくは地表付近で生

じる現象で,地震の直接の原因になったり,地震に伴う

可能性が高い.表題を「地震の化石」とした所以であ

る.それでは,ジュードタキライトの各形成場と成因論

について詳しく述べてみよう.

且.断層に伴うジュードタキライト(模式地:

○嚇鮒亙的地曲sT血豆蝸t)

分布

断層童たは勇断帯に伴うジュードタキライトの産出

は,世界各地から報告されている.1950年代以降の主た

文献を国別にあげると,イギリス(Park,1961;Sibson,

�������ち�慣慵摩敲�����㈻���

&Macaudiさre,1984;Macaudiさreeta1.1985;Maddock,

�������摯捫整�������攬���

Piper&Popp1eton,1988),フランス(Passchier,1982.

1984a),スペイン(Dob1as,1987),オーストリア(Masch,

1973),スイス(Irouschek&Huber,1982),ギリツヤ

(Andriesseneta1.,1979),ノルウェー(Dietrichson,

1953;Bryn,1959;Sinha・Roy,1981),スウェーデン(Beck,

ho1men,1982),グリーンランド(Jensen,1968;Grocott・

1981),アメリカ(Swanson,1982.1988;Mag1ough1in,

1989;Peterman&Day,1989),カナダ(Phi1potts&Mi11er,

1963;Philpotts,1964;Emano∀icseta1.,1972),南アフ

リカ(Phi1potts,1964;Ki11icketa1.,1988;Brand1&Rei・

㎜old,1990),ソ連(Daskova&Sose砿。,1981),インド

(Picha血uthu,1959;Gupta1967;Sinha・Roy&Kumar,

1985),中国(Yangetal.,1981;Zhai,1988),日本(Toyo-

shima,1990),オーストラリア(A11en,1979;Wenk&

キーワード:ジュードタキライト

1991年1月号�

Page 2: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

一16一

高'。木秀雄

Weiss,1982;Hobbsetal.,1986),ニュージーランド(Wa1・

慣攬���楢��������睡��楢�測���

南極(Sandiford&Wi1son,1984)たどである.ジュード

タキライト形成の時代は,始生代(例えばカナダ,Charron

測地域:Emanovicseta1.,1972)から第四紀更新世後期

(例えばニュージーランド,A1pine断層:Seward&Sibson,

1985)に至るまで様々である.

産状

断層に伴うジュードタキライトは,通常片麻岩や深成

岩などの結晶質岩を母岩とし,それを貫く派として存在

する.ジュードタキライトを構成する脈は,それカミ生々

した断層脈と,断層脈から分岐する注入脈に区分できる

(第1図:Sibson,1975).OuterHebridesThrustの例

では,断層脈は通常面状割れ目に沿って発達しており,

多くの場合母岩中の面構造にほぼ平行である.脈は部分

的に膨縮することもあるが,その幅が10cmを越吏るこ

とはほとんどない.一方注入脈の形態は不規則で,最大'

幅10mに達し(写真1),変位を示さたい展張割れ目に沿

って注入している.しほしぽ注入脈はネットワーク状に

入り乱れ(写真2),その脈の部分が厚い場合は全体とし

て角礫状または礫状の形態を示し,それらの“礫"の回

転を伴う(口絵写真1,2).また,断層脈の申には,しばし

PlNCH&SW吐L

L1…NSlNG

は平行に対をなして発達するもの(pai・edshea・)が報告

されている(Grocott,1981;Irouschek&Huber,1982エ1

卷慮�測���慧�畧栱楮����

ジュードタキライトはスラストに伴って産するものカミ

多いが,横ずれ断層に伴うもの(Gr・cott,1981;Swanson,

1988;Peteman&Day,1989;Toyoshima,1990)も報告

されている.Swanson(1988)は,横ずれデューフレッ

クス構造に伴うジュードタキライトを報告している.

組織

ジュードタキライトの組織は,一般に母岩から由来す

る破片と,それを取り巻くガラス質,隠微晶質ないし微

晶質の基質部から構成されている.破片は通常破砕組織

が認められ,構成鉱物の波動消光が強い.基質部や破片

の周縁部では,かつて融解し,急冷したと考えられる特

徴がしばしば認められている.その証拠として,ガラス

質物質の存在カミ報告されている(Park,1961;Phi1potts&

��敲��㌻��������湯癩�整�����慳捨�

1973;A11en1979;Sibsoneta11.1981;Toyoshi血a,1990).

しかし,多くの場合は脱ガラス作用を被っており,透過

電子顕微鏡観察やX線解析からガラスの存在の確証をあ

げた論文は少ない.一一方,融解一急冷を示す樹枝状(den

dritic),球頼状(spheru1itic),杏仁状(amygda1oida1)だ

との組織や,マイクロライト,気孔

(vesi㎝1e),急冷周縁相(chi11edmar一

◎1」ASl・

CONG1-OM1…RATE

第1図ジュードタキライトの産状(Sibson,1975,Fig.2より抜粋).

gin,写真3),融良縁(corrosionri㎜)

などの存在カミ各地で報告されている

(例えばPhi1potts,1964;Maddock,

1983;MaddocketaL,1987),口絵

写真3にHebrides諸島のジュード

タキライト中の様夫な融解一急冷組

織を示す.

また,ジュードタキライト派内部

の比較的粗粒な破片が,脈の中央部

に集まる傾向が報告されている.こ

れはチャンネルまたはパイプ内部に'

ニュートン流体が流れる時,その速

度勾配カミ最大の部分(縁の部分)か

らゼロの部分(中央部)に向かって

粒子が移動する現象として知られて

いるBagno1d効果(Barriさre,1976)

によるものと考えられている(Ma-

caudiさreeta1.,1985)。

化学組成

ジュードタキライトと母岩の全岩

組成は,大体において一致している

��汰潴瑳�����湯癩�整��

地質ニュース437号�

Page 3: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

地震の化石一ツユードタキライト

一17一

、ぐ=ミSlL66..

、、_、、、、“_

、\㌔㌧、、

㌧叩奥ぐポ\業

㌍,'“蜘1蝸\、1

榊イ1蛤災

}蟻蒜、、。,叫灘蟻繋議湊

蟻鷲蟻鍵

写真10uterHebridesThmstとN.Uist島Eava1山中

腹のThrust沿いに分布するジュードタキライト(下

図のハッチで示した部分,幅約10mの露頭)・多量の母

岩(Lewisian片麻岩)を角礫状に含む、口絵写真1参

照.

1991年1月号

写真3Harris島南部Rode1の変アノーソサイトを貫くジュ

ードタキライト脈(中央).周縁急冷相が認められる.

周辺の黒い斑点はコケ.

1972;Masch,1973;Sibson,1975;Sinha・Roy&Ku㎜ar,

1985;Macaudiさreeta1.,1985;Maddock,1986a;Mag1ou・

gh1in,1989,Toyoshi皿a,1990).従って,ジュードタキラ

イトが自家生産(inSitu)であることは疑いない.しか

しながら,各元素について詳細に見てみると,両者の問

に不一致が認められる1また,ジュードタキライト脈の

化学組成は,母岩が同一でも,脈によってあるいは同じ

脈の中でも縁辺部と中央部では異なることがある(Er・

manovicseta1.,1972;Toyoshima,1990).これらの不一

致や不均一性の原因としては,母岩の不均一性の反映,

鉱物種による融点の違いあるいは融解の局所性,冷却速

度の不均一性だとが考えられる.

ジュードタキライト脈中の鉱物破片は,通常石英,長

石であり,母岩中に黒雲母や角閃石が含まれる場合でも,

ジュードタキライト中の破片としてはほとんど認められ

たい.これは,含水鉱物である黒雲母や角閃石が優先的

に融解することによると考えられている(A11en,1979;

Madd㏄k,1986a).母岩の組成に限らずジュードタキライ

トが通常黒色を示すのは,基質中に多量に存在する磁鉄1

鉱徴晶の存在によるが,その鉄は含水苦鉄質鉱物の融解

によりもたらされたものであると考えられている(Dieト

物捨�測�����潴瑳����

年代測定

ジュードタキライトは長大た地質時代の中で,極めて

写真2(左)Harris島西部Scaristaの変閃緑岩を貫くジュー

ドタキライト脈1�

Page 4: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

一18一

高木秀雄

瞬時に形成したものであるので,その年代カミ正確に決定

できれば,断層活動即ち地震活動のパルスの1つが求ま

ることが期待される.

Sibson(1977b)は,0uterHebridesThrust沿いの

ジュードタキライト12試料につき,そのK-Ar全若年代

を求めた(測定は・D.Rex,S.Moorbathによる).その結果,

年代値は442~2056Maの問で大きくぱらつき,原岩の

年代と一致するものから,カレドニア造山期を示すもの

まである.この点については,ジュードタキライト形成

時の温度(1,000℃以上)カミ半減するまでの時間が,毅大

でも10分前後と短いため,K-Ar同位体における閉鎖系

が多かれ少かれ保たれたことによるものと考えられてい

る.Peterman&Day(1989)はSuperior地域西方の

始生代の横ずれ断層に沿ったジュードタキライトにつき

Rb-Sr全岩アイソクロン年代を求めた.その結果,2つ

の断層沿いから得られたプロットは各々ほぼ一直線上に

乗り,両者は誤差範囲内でほぼ一致し,1947±23Maと

いう値を得ている.この値は,ジュードタキライト形成

を伴う初期原生代の再活動の時期を示すと考えられた.

Seward&Sibson(1985)は,ニュージーランドA1pine

断層のジュードタキライトを構成するガラスのフィッ

ショントラック年代を求めた.その結果,0.43±0.17

Maという値が得られている.一方,ジュードタキライ

トの古地磁気年代の測定がHoar&Seyfert(1981),

PiPer(1981),Piper&Popp1eton(1988)等により求め

られている.Piper&Popp1eton(1988)によると,Ou-

terHebridesThrust沿いのジュードタキライトには,

原生代中期とカレドニア造山期を示すものが得られてい

る.

成因

a)内的成因論

ジュードタキライトの成因として,古くから2つの対

立する意見がある.その1つはジュードタキライト脈の

一部ないし全体が摩擦熱により融解一急冷の過程を経て

形成したという考え(例えばPhi1potts,1964;Sibson,1975;

A11en,1979;Maddock,1983;Macaudiさreeta1.,1985;

Maddocketa1.,1987;Toyoshima,1990),もう1つは,

粉砕作用により著しく細粒化して形成したもので,融解

の証拠は見られないとする考え方(Waters&Campbe11.

�㌵��������坥楳����慳捨整��

1985)である.後者はどちらかといえば小数派の意見た

ので,その論点とそれに対する反論について,かいつま

んで述べてみたい.

Wenk(1978)は,オーストラリアのMusgraveran-

ges,OuterHebridesThrustそして北イタリアのIns・

brickLineから得られたジュードタキライトについ

て透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行なった.

その結果,それらは微小た再結晶粒子からたり,鉱物内

の変形が著しく転位密度も大変高い反面,ガラスや脱ガ

ラス作用の存在は極めて踊であることを示した.それに

基づき,ジュードタキライトの成因が摩擦熱融解による

という考え方に疑問を投じた.まだ,Wenkはその形

成場として,地殻中部~深部まで考えているカミ,それに

対する反論がGoode,Watts&Wi11iams(1979)にょっ

てたされている.その後,Wenk&Weiss(1982)は,

Musgraverangesのジュードタキライト中にA1宮む輝

石を見いだし,その存在から3GPaという衝撃変成作

用の領域の圧力のもとで形成したと考えた.そして彼ら

は,摩擦熱融解説に代わるジュードタキライトの形成機

構として,そのようた高圧力のもとでの衝撃粉砕機構を

提示した.さらにWeiss&Wenk(1983)は斑糠岩の変

形実験を行ない,2.0~4.OGPaといった高い差応力のも

とでジュードタキライトによく似た脈を作り上げた.そ

の脈にはガラスが確認されているが,それがdiap1ectic

g1ass(融解を伴わずに衝撃波によって形成した非晶質物質)と

区別カミつかたいことを述べている.ただし,この様た異

常に高い応力が地殻内の断層活動で生じ得るか否かにつ

いては,今後の課題として残されている.

Mascheta1。(1985)はネパールLangtangとオース

トリアKδfe1sの巨大た地滑りに伴って分布するhya1o-

my1onite(ジュードタキライト)についてTEM観察とX

線解析を行たった結果,ガラスの存在を明かにし,摩擦

熱融解の存在を示した.Maschらは議論の中で,地滑

り面上に生ずる摩擦勲融解は,非常に欠きた変位速度

(50m/sec)によって生じ,断層面での変位速度(数10cm

/sec)はそれに比べると極めて遅いので,ジュードタキ

ライトと地滑りに伴うhya1o㎜y1oniteの成因は同じでは

たいことを主張している.これに対しMaddock(1986b)

はSibson(1975)を引用し次のように反論した.いま,

単位面積あたりの摩擦熱発生率Qは,

ρ=τ〃(1)

で与えられるここでτブは平均勇断摩擦強度,リは平均

変位速度である.もし滑り面が水平であるとすると,

τグ=μ庇σ犯=μ此ρσ2(2)

で表される.ここでμ庇は動摩擦係数,σ榊は垂直応

力,ρは密度,gは重力加速度,2は断層面の深度であ

る.従って,摩擦勲発生率は変位速度のみたらず勇断摩

擦強度または滑り面にかかる垂直応力が≡効いて来るの

で,地表での現象(深度数100m以内)である地滑りに対

し,地下敷㎞ユで活動する断層運動でも十分融解を促す

だけの摩擦熱が発生しうるとした.

地質ニュース437号�

Page 5: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

地震の化石一ジュードタキライト

一19一

融解の証拠として,ガラスの存在は重要である.しか

し,通常新第三紀よりも古い岩石中のガラスの存在はま

れであり,多少なりとも脱ガラス作用を被っている.シ

皿一ドタキライトのなかでTEMによる観察でガラス

の存在を示している例として,A1pine断層沿いのもの

がある(Sibsoneta1、,1981).このガラスの形成時期は上

述のようにα43Maと極めて新しい.もっとも,これまで

報告されているガラス質物質は火山岩が主であるので,

熱水変質を伴うことが多く,もし熱と水の影響の無いと

ころでは,ガラスはかたり安定である(Marsha11.1961).

Phi1potts&Miuer(ユ963)は,先カンブリア時代のジュ

ードタキライト中にガラスの存在を報告しており,脱ガ

ラス作用を免れていることから,その形成以後温度が

200℃を越えたかったものと推定している.

衝撃波によるdiapユecticg1assは別にしても,融解を

経ずに粉砕のみによってもガラス質物質が生ずることは

実験的に知られている(島津,1962).それによると,石

英を長時間乾式磨砕した結果,結晶の構造が乱され,非

晶質シリカに変化することが確認されている.断層活動

による粉砕によって,どの程度まで鉱物が細粒化するか

は今後の課題であるが,ガラスの存在が必ずしも融解の

証拠とはたり得たい可能性もある.

もう1つの融解の証拠とLてLはLぼあげられるの

は,すでに述べたようにマイクロライト,樹枝状,球頼

状,気孔,杏仁状,急冷周縁相,融良縁といった組織で

ある.

それらのうちマイクロライトや球頼状組織は変成作用

でも生じ得る(Waters&Campbe11.1935;Mascheta1.,

1985)として,それらが騒解の証拠にはたり得ないとい

う反論がある.Lかしその様た形態を示す変成鉱物は限

られており,例えば口絵写真3に示したようだ組織は明

かに融解一急冷を示すものであろう(L・fg・・n,1974参照)、

以上述べてきた点を総括すると,ジュードタキライト

の成因を粉砕機構のみに当てはめることは難しい.たと

え融解を示すようだ組織やガラスの存在が無かったとし

ても,Francis(1972)も述べているように,流体を含ま

だい粉体のみの挙動で,断層脈から分岐した形態を示す

注入脈が生じ得るのであろうか?という疑問が生ず

る.

これまで述べてきたように,ジュードタキライトの成

因論は融解が,粉砕かという二元論に集中してきたきら

いがある.しかし,ジュードタキライトは通常粉砕破片

と基質部からたり,従来の多くの観察結果や筆者が観察

したOuterHebridesThrust沿いのジュードタキライ

トでは,明かに融解を示す組織を持つものでも,必ず粉

砕鉱物片を伴っている.従って,融解が,粉砕かという

議論は意味がたく,むしろ粉砕に伴って融解が部分的に

苦よあったか無かったかという議論をすべきであろう.

融解一急冷を経たものと粉砕のみによるものとでは全

く形成機構が異たるので,本来の定義に従えば,ジュー

ドタキライトという語は何等かの融解の証拠が得られた

ものに対して限定すべ害であり,全く融解の証拠が無い

ものについてはウルトラカタクラサイトと呼ぶべきであ

る.しかし,これまで述べてきたように,野外はもとよ

り薄片でも両者を区別するのが困難な場合がある.従っ

て,岩石名をつげる場合は両者を含めざるを得たいであ

ろう1以上をふまえ,第1表にジュードタキライトの分

類を示す.

b)形成条件

次にジュードタキライトの形成条件について述べてみ

よう.dryた条件の場合,摩擦すべりによる温度上昇1τ

は次式で与えられる(Sibson,1975).

〃一芸厚一竿呼(・)

ここでKは熱拡散率,みは熱伝導度である.ここで一般

的な定数を与え,深度5㎞の断層につきすべり速度uを

第1表ジュードタキライトの昇類(C1assi丘。ationofpseudotachy1yte)

内ぶ

摩擦型__r

断層型地滑り型

F側1士一genera七edLandslide.genera七ed

衝突型

lmPaCt-genera七ed

融解型断層一・融解型

Par士iallyorrault-fused・type

七〇七allyfused

wi七hcrushin9

粉砕型断層一粉砕型

。rushedonlyrau1七一。rushed七ype

地滑り一融解型

Land・1ideIf…d卿・

地滑り一粉砕型

Landslide-crushed七シpe

衝突一融解型

1mPac七・fused七We

衝突一粉砕型

1㎜pac士一。rushed七ype

1991年1月号�

Page 6: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

一20一

高木秀雄

50cm/sとすると,1T~800℃といった値が得られる.

上式は融解開始の領域でのみ意味を持つので,変位量

∂は最も薄い断層脈について得られた値0.5㎝に見積

っている(Sibson,1975).一方,注入脈を平板と仮定し

た場合,その中心部における温度の半減期については,

ま。=0.27α2ガ1(4)

という式で与えられる.ここでαは脈の幅である.いま

K=O.O07cm2s-1とすると,幅1cmの脈の場合温度半

減期は40秒と肢る(Sibson,1975).従って,大部分の脈

は数分以内で冷却すると考えられる.

摩擦熱の発生については,多くの理論的研究(McKen-

zie&Brme,1972;Cardwe11etaユ.,1978;Lachenb伽。h,

1980;Sibson,1980b;Mase&Smith,1985)カミある.一方,

実験的に摩擦勲を発生させ,ガラスの存在を報告したも

のとして,Friedmaneta1.,(1974),Jackson&Dunn

(1974),Weiss&Wenk(1983);Spray(1987.1988)が

ある.また,ボーリングや掘削を通して人工的に発生し

た摩擦部分よりガラスの存在が報告されている(Bowen

&Aurousseau,1923;Spray,1989;Ki11ick,1990).これら

の実験で,融解は800℃~1700℃といった温度で生じて

いる.ジュードタキライトの融解温度も,その組成から

1加0℃(OuterHebridesThurust:Sibson,1975)や750℃

(A1pineF・uItZ・n。:Wa11。。e,1976)といった値が見積ら

れている.Toyoshima(1990)は,複輝石マイクロライ

トの地質温度計から,mO℃といった融解温度を見積っ

ている.ただし,断層のすべりに伴う粉砕一細粒化や,

含水鉱物からの水の放出などにより,融点が低下する可

能性が高いので,厳密に融解温度を求めるのは難しい

����������������

ジュードタキライトの形成深度については,ガラスや

急冷組織の存在と,粉砕作用を伴っていることから,地

殻浅所であることは疑う余地がたい.Sibson(1975)は

ツユードタキライトの形成深度については,地震を伴う

深度工0㎞以内(τ<250℃)の領域であり,断層の応カ

ー摩擦強度の解析から4~5㎞の可能性が高いとした.

A11en(1979)はジュードタキライト中のガラスの存在か

ら,その形成深度が5㎞を越えることはたいとした.

Seward&Sibson(1985)は,アルパイソ断層のジュー

ドタキライトのフィッショントラック年代から,第四紀

の隆起速度(5mmノ年)と地温勾配(25~30℃/km)を仮

定して,ジュードタキライトの形成深度を約2.2㎞と

した。Maddocketa1.(1987)は,グリーンランドのジ

ュードタキライト中の気孔の体積比とH20,CO竃の溶解

度の圧力依存性(Macpherson,1984)から,その形成深

度を1.6㎞と見積った.Toyoshima(1990)は,安山岩

質マグマ中の水の溶解度から,晴帯のジュードタキライ

トの形成深度を4㎞一と見積った.以上をまとめると,

ジュードタキライトの形成深度は1~5㎞の問であると

いうのが大半の研究者の意見の一致する所である.これ

は断層の断面(Sibson,1977a)を考えた場合,完全に脆性

的な領域であり,マイロナイトの形成深度(>10~15km)

とジュードタキライトの形成場にはギャップがあると考

えざるを得たい.OuterHebridesThrustをはじめ,多

くの断層では,ツユードタキライトはマイロナイトと密

接に伴っており,断層脈は多くの場合マイ団ナイトの面

構造に平行である.Lかし,この点は,必ずしもマイ目

ナイトとジュードタキライトが同時に形成しだというこ

とを意味してはいたい.これまでの多くの報告では,ジ

ュードタキライトは,マイロナイト形成以降の脆性領域

における変形であることが明らかにされている(例えば

A11en,1979;ErmanoマicsetaI.,1972;Sibso仙1977a).

筆者の観察したOuterHebridesThrustの場合,注入

脈は明らかにマイロナイト面構造を切っており,ジュー

ドタキライトが集中している場所とマイロナイト化の最

も強い場所カミ必ずしも一致してはいたい.

これに対し,ツユードタキライトがウルトラマイロナ

イトに移化しているという注目すべき報告がある(Sib-

son,1980a;Passchier,1982).Passchier(1982)はピレネ

ー山脈SaintBarthe1emyMassifに分布するウルトラ

マイロナイトの細脈の少たくとも一部が,変形し面構造

を有するジュードタキライト脈から生女したことを明ら

かにした.変形時の条件は緑色片岩相高温部(450~550℃)

で,石英中の流体包有物申のC02濃度から圧力は2~

3.5kbと見積られている(Passchier,1984b).それによ

ると,ツユードタキライトの形成深度は,10㎞前後あ

るいはそれ以上の場合もあり得ることにたる.H=obbs

eta1.(1986)も,オーストラリア中部Redbank勢断帯

でマイロナイトと密接に伴うジュードタキライトを報告

しており,少くとも一部のジュードタキライトは塑性流

動していることを示した.これらの報告から,ジュード

タキライトとマイロナイトの形成深度に重複した領域カざ

存在する可能性があり,今後さらに詳しい検討が期待さ

れる.

婁。地滑りに伴うジュードタキライト(模式'

地:才一ストリアK6蝕s)

既に述べたように,摩擦熱融解の証拠は,断層のみな

らず巨大地滑りでも報告されている.その有名恋例とし

て,ネパールヒマラヤのカトマンズ北方Langtang(Ma-

sch&Preuss,1977)と,オーストリア・インスブルック

西方のKδfels(Preuss,1974;Erismam,1979)カミあげら

地質ニュース437号�

Page 7: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

地震の化石一ジュードタキライト

一21一

れている.Langtangのジュードタキライト(hyalo㎜y-

1onite)はかつてScott&Drever(1953)がスラストに

伴うものと考え,摩擦熱融解によって形成したガラスを

最初に記載したものとして有名である.Mascheta1.

(1985)によると,地滑り面の直径は約4㎞,移動量の

水平成分は2.2㎞におよぶ.地滑りの時期は氷河地形の

証拠から少なくとも2.5~3万年前であると推定されて

いる.

一方,K6fe1sは,Preuss(1974)によって初めて地滑

りによる摩擦熱融解説が提唱された場所である.地滑り

面の直径は約5㎞,地滑りの時期は14Cから8710年前

であるとされている.Langtangの地滑りがかつてはス

ラストと考えられたのに対し,K6fe1sの地滑りに伴うガ

ラスは,火山活動,あるいはもう一つのジュードタキラ

イトの外的要因である隈石の衝突によってもたらされた

�瑯�敲整������慴�楣桴敲��㈻���湮�

1977)と考えられてきた点,大変興味深い.ただし,

Kδfe1s地域で明石の衝突の明確在証拠はあがっていな

い(Preuss,1974;Mascheta1.,1985).Mascheta1.

(1985)はLangtangの地滑りにともたい,圧力20MPa

のもとでのシリカガラスの存在から,その生六温度を少

なくとも1520℃と見積っている.

地滑りに伴うジュードタキライトと,断層帯に伴うジ

ュードタキライトの成因論の対比については,前項でも

述べた.Sibson(1975)は断層に伴うジュードタキライ

ト形成の条件として,dryた環境をあげている.これ

は,構造水として鉱物中に含まれる水については含めて

いない.融解が黒雲母などの含水鉱物から優先的に進む

ことは,既に述べた通りである.むしろ問題は間隙水の

存在であり,特に地滑りの場合,間隙水の存在の可能性

カミ高いので,摩擦熱発生に関してはそれを考慮に入れる

必要があろう.即ち,滑り面内の間隙水圧の上昇は,勇

断強度の低下をもたらすので,温度上昇率も低下させる

(Voight&Faust,1982).LangtangとK6fe1sの地滑り

は,母岩がそれぞれミグマタイトと片麻岩であり,生六

したガラス中の水が少友く(Scott&Drever,1953;Masch

eta1.,1985),変質も報告されていないので,dryた環境

であったと思われる.両者は,その規模の大きさから考

えても,摩擦勲融解を伴った地滑りのまれな例であると

言えるかも知れたい.

臥衝突に伴うジュードタキライト(模式地:

南アフリカV蝸伽施曲環状構造)

衝突に伴うジュードタキライト(“Astrob1e㎜epseud0-

tachy1yte")についての研究は,南アフリカYredefort環

1991年1月号

状構造に集中している(Shand,1916;Ha11&Mo1e㎎raa丘,

工925;Wi11emse,1937;Diez,1961;二Bisscho氏ユ962;Wi1shire,

1971;Schreyer&Abraha血,1978;Schwarzmaneta1.,

1983;Reimo1deta1.,1985.1990;Frickeeta1.,1990な

ど).Yredefort環状構造以外では,カナダのChar1evoix

環状溝造(Rondot,1968),フランスのRoch㏄houartク

レーター(ReiIno1deta1.,1987),ナミビアのRoterKamm

クレーター(Rei㎜o1d&Mi11er,1989)などの隈石孔から

ジュードタキライトの産出が報告されている.Shand

(1916)によるジュードタキライトの最初の定義は,

Yredefort地域の研究によってたされた.従って,ここ

でVredefort地域のジュードタキライトについて,少

し詳しく述べてみたい.

Vredefortは南アフリカの首都ヨハネスブルグの南西

約100㎞に位置する.Vredefort環状構造は,直径約

100㎞ユに達し,地球上で最も大きい。ryptoexp1osion

構造であるとされている.始生代の花嵩岩を中心とする

ドーム状構造をなし,外側に向かって原生代のWitwa-

tersrand系の堆積岩,Ventersdorp系の安山岩類そし

てTransvaa1系の堆積岩が取り巻き,その南半部は石

炭紀Karroo系の堆積岩に覆われている(第2図).

Vredefort環状構造が,明石の衝突の跡であると考えら

れるようになった証拠として,シャッターコーソの存在

(Diez,1961),coesiteおよびstishoviteの産出(Martini,

1978),石英中の高圧を示す変形ラメラの存在(Li11y,

1981;Grieveeta1.,1990)などがあげられている.

Vredefort地域のジュードタキライトの産状は,脈状,

ネットワーク状,角礫状などを示し(Shand,1916),す

でに述べた断層沿いのジュードタキライトの産状とよく

似ている.脈の幅は1㎜mから20mに至る.このジュー

ドタキライトは,母岩の化学組成との類似性(Shand,

1916;Wi工1emse,1937;Hai1&Mo1engraa筑1925;Wi一一

shi・e,1971)と多くの脈が母岩中に孤立して存在するこ

と(Diez,1961)から,自家生産であることが示されて

いる.しかし,断層に伴うジュードタキライトと異な6

点として,Vredefort地域のジュードタキライトの母岩

には全く勇断の影響が見られない点があげられている

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Vredefort地域のジュードタキライトの組織は,断層

沿いのジュードタキライトの組織と同様である.融解の

証拠となるようた組織として,マイクロライト,球頼状

組織,急冷周縁楯,融良縁などが知られている(Shand,

1916;Bisscho丘,1962).しかし,そのような融解を示す

証拠はむしろまれで,多くの場合は粉砕一細粒化といっ

た機械的な機構カミ優勢であるとされている(Wi1sh呈・e,

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一22一

高木秀雄

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Vredefort環状構造の地質概略図(Grieveeta1.,1990,Fig.1より作成)・

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第2図

WedefOrt地域の!ユードタキライトの成因論として

は,様六た説が提示されている.Shand(1916)は,勇

断作用によるものではたく,地下深部での爆発的なイベ

ント、もしくはgaS一且uXingというようた機構を考えた.

Bischo丘(1962)は貫入岩体からもたらされたガスの注入

により形成した,貫入性の凝灰岩(t雌Site)の一種であ

るとした.それに対しDiez(1961)は,隈石の衝突によ

り10GPa余りの圧力によって生々Lた“shockimpac-

tite"であるとし,衝撃による融解を示唆した.Wi1shire

(1971)も,ジュードタキライト中に存在する高圧型変形

ラ4ラ:や,ツヤッターコーソ構造を有する岩片の存在な

どから,衝突に関係した衝撃変形により形成したと考え

た.Schwarzmaneta1.(1983)は,衝突にひき続く構

造運動に伴ったカタクレーツスによって形成したと考え

た.Frickeeta1.(1990)はジュードタキライトの母岩

中の石英に見られる面構造から,その形成条件を7.5~

10GPa以上と見積った.また,流体包有物の研究から,

ジュードタキライトはdiap1ecticg1assの再結晶したも

のとみたした.

この様に,近年多くの研究者は,Vredefort地方のジ

ュードタキライトの成因を明石の衝突に関係づけている

が,異論もある.Schreyer&Abraham(1978)は,ジ

ュードタキライトと母岩の変成作用の研究から,シュー

ドタ・キライトは母岩の変成時に迷入Lたもので,隈石の

衝突ではたくむしろVredefort内部の高歪速度の変形に

よって形成したと考えた.また,Reimo1deta1.(1990)

はジュードタキライトの40Ar-39Ar年代測定から,Vre-

defort地方のジュードタキライトは,単一の。atastro-

phicたイベントで形成したものではなく,2.2~1.1Ga

の問で何回かの地震を伴う変形によって形成した可能性

を示した.

以上のように,Vredefort環状構造のジュードタキラ

イトの成因については,研究者の問で必ずしも意見が一

致してはおらず,今後さらに詳細た検討が必要であろ

う.

おわりに

これまで述べてきたように,19世紀初頭に認定された

ジュードタキライトの成因論については,様《な意見が

出されており,おそらく今後ともこの特殊た岩石の成因

論について議論が続くものと思われる.わが国では,ジ

ュードタキライトのまとまった研究はToyoshima(1990).

による日高帯からの報告が最初であるが,そのほかの地

域からもその産出が認められており(例えば林,1989),

今後もその発見が相次ぐものと思われる.ジュードタキ

ライトの研究は地震を伴う断層活動の形成場や形成時期

を考察する上で大変重要であり,今後の研究が期待され

る.

謝辞:本解説は,筆者が1989年夏に0uterHebrides

地質ニュース437号�

Page 9: Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 · 一15一 地質ニュース437号,15-25頁,1991年1月 Ch楳h楴獵N敷s湯.4㌷,p.15-㈵,J慮ua特,1991 地震の化石一ジュードタキライト

地震の化石一ジュードタキライト

一23一

Thrustを訪れ,多くのツユードタキライト脈を観察し

たことカミきっかげとなった.当地を案内していただいた

M.Lai1ey博士,Tiree島の試料を提供していただいた

A.J.Barber博士に厚く御礼申し上げる.たお,口絵写

真3(1),(2)に掲げた試料(HT89072701a)は,地質標本

館に寄贈された.

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高木秀雄

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<受付:1990年9月12日>

1991年1月号�