2015 年 12 月 1 日

CO2分離膜の実証試験に成功 国内化学メーカーへの設備導入に向けた検討を開始

住友化学の子会社 CO2 M-Tech は、開発中の CO2分離膜の実証試験で良好な結果を得ら

れ、2017 年初頭を目途に、国内化学メーカーの工場内に CO2分離膜の商業設備を導入する

検討を進めていくことで、同社と合意いたしました。 住友化学が開発中の膜分離法による CO2分離技術は、既存の化学吸収法に比べプロセス

がシンプルでエネルギー消費を大幅に削減でき、かつ、設備の大きさを 2 分の 1 以下に小

型化できる点が特徴です。当社は、2013 年に合弁会社 CO2 M-Tech を設立し事業化に取り

組んできました。2014 年 5 月から当社の愛媛工場で、また 2015 年 9 月からは国内化学メ

ーカーの工場内にパイロット設備を導入し、実際のプラント稼働環境下での実証試験を行

い、分離膜の CO2透過性能や耐久性などを確認してきたものです。

CO2分離技術は、主に水素の製造や天然ガスの精製において、目的のガスから CO2を除

去するために使われており、今後、水素エネルギーの利用拡大に伴い、需要の拡大が見込

まれています。さらに、温室効果ガス削減の有望技術である CCS※1においても、コストの

過半を占める CO2の分離・回収コストを抑える観点から、当社が開発しているような「膜

分離法」の実用化が期待されています。 住友化学は、「環境・エネルギー」分野を次世代事業開発の重点のひとつと位置づけてい

ます。今回事業化に向けて大きく進展した CO2分離膜では、さまざまな用途に適した膜の

開発に取り組んでおり、引き続き、環境問題の解決や効率的なエネルギー利用の促進への

貢献を目指してまいります。

※1 Carbon dioxide Capture and Storage の略。CO2を回収し、地中に貯留する技術

＜CO2 M-Tech の概要＞ 会 社 名 CO2 M-Tech 株式会社 所 在 地 東京都中央区 資 本 金 4.9 億円 出資比率 住友化学 97%、ルネッサンス・エナジー・リサーチ 3% 社 長 宮田 和彦 設立年月 2013 年 6 月

以上