第二十九款 鉱業所得の課税の特例2003/01/29  · 第三章 第一節...

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》 -1396- 第二十九款 鉱業所得の課税の特例 探鉱準備金又は海外探鉱準備金(適用期限の延長) 準備金積立額の損金算入 探鉱準備金積立額の損金算入 青色申告書を提出する法人で鉱業を営むものが、昭和40年4月1日から平成25年3月31日までの期間(以下①において 指定期間」という。)内の日を含む各事業年度(解散の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除く。)において、鉱 業法第3条第1項《適用鉱物》に規定する鉱物(以下において「鉱物」という。)に係る新鉱床探鉱費の支出に備えるた め、次の表に掲げる金額のうちいずれか低い金額《積立限度額》以下の金額を損金経理の方法により探鉱準備金として積 み立てたとき(当該事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法により探鉱準備金 として積み立てたときを含む。)は、当該積み立てた金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。 (措法58①) (一) 採掘収入基準 当該法人が採掘した鉱物の販売による当該事業年度の指定期間内における採掘収入金額として 《採掘収入金額の計算》に掲げる金額の 12 100 に相当する金額 (二) 採掘所得基準 に掲げる採掘収入金額に係る採掘所得金額として《採掘所得金額の計算》に掲げる金額の 50 100 に相当する金額 税効果会計を適用する場合には、剰余金の処分による探鉱準備金の積立額は、税効果相当額を控除した純額になるが、この場合でも確定申告 書等に税務上の探鉱準備金積立額を明らかにするための明細書を添付しているときは、税務上は、剰余金の処分による積立額とこれに対応する 税効果相当額との合計額を探鉱準備金として積み立てたものとして取り扱われる。(編者) (鉱業法の適用鉱物) 鉱物とは、金鉱、銀鉱、銅鉱、鉛鉱、そう鉛鉱、すず鉱、アンチモニー鉱、水銀鉱、亜鉛鉱、鉄鉱、硫化鉄鉱、ク ローム鉄鉱、マンガン鉱、タングステン鉱、モリブデン鉱、ひ鉱、ニッケル鉱、コバルト鉱、ウラン鉱、トリウム鉱、 りん鉱、黒鉛、石炭、亜炭、石油、アスファルト、可燃性天然ガス、硫黄、石こう、重晶石、明ばん石、ほたる石、 石綿、石灰石、ドロマイト、けい石、長石、ろう石、滑石、耐火粘土(ゼーゲルコーン番号31以上の耐火度を有する ものに限る。)及び砂鉱(砂金、砂鉄、砂すずその他ちゅう積鉱床をなす金属鉱をいう。)をいう。(鉱業法3①) 採掘収入金額の計算 ①の表の(一)に掲げる採掘収入金額は、当該法人が採掘した鉱物に係る当該事業年度の指定期間内の次の表に掲げる収 入金額の合計額とする。(措法58①、措令34①) (イ) 当該鉱物の販売による収入金額 (ロ) 選鉱後の当該鉱物の販売による収入金額 当該鉱物を原材料として製造した物品の販売による収入金額のうち(ロ)に掲げる収入金額に相当する金額 (ハ) (採掘収入金額とする金額) 上記に掲げる「(ロ)に掲げる収入金額に相当する金額」は、当該物品の販売による収入金額(当該物品の原 材料として購入した鉱物又は鉱物に係る鉱さい、銅、鉛その他の金属のくず若しくは粗銅、粗鉛その他これら に準ずるもの〔以下(ハ)において「鉱物等」という。〕がある場合には、当該鉱物等の取得に要した金額を控 除した金額)に、Aに掲げる金額がBに掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額(当該計算した 金額が当該物品の原材料である選鉱後の当該法人の採掘した鉱物を販売するとした場合にその対価として通 常受けるべき金額と著しく異なるときは、その通常受けるべき金額)とする。(措規21の16①) 当該物品の原材料である当該法人の採掘した鉱物に係るその採掘から選鉱までに要した原材料費、労務

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1396-

第二十九款 鉱業所得の課税の特例

一 探鉱準備金又は海外探鉱準備金(適用期限の延長)

1 準備金積立額の損金算入

① 探鉱準備金積立額の損金算入

 青色申告書を提出する法人で鉱業を営むものが、昭和40年4月1日から平成25年3月31日までの期間(以下①において

「指定期間」という。)内の日を含む各事業年度(解散の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除く。)において、鉱

業法第3条第1項《適用鉱物》に規定する鉱物(以下一において「鉱物」という。)に係る新鉱床探鉱費の支出に備えるた

め、次の表に掲げる金額のうちいずれか低い金額《積立限度額》以下の金額を損金経理の方法により探鉱準備金として積

み立てたとき(当該事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法により探鉱準備金

として積み立てたときを含む。)は、当該積み立てた金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

(措法58①)

(一) 採掘収入基準当該法人が採掘した鉱物の販売による当該事業年度の指定期間内における採掘収入金額として

イ《採掘収入金額の計算》に掲げる金額の12

100に相当する金額

(二) 採掘所得基準イに掲げる採掘収入金額に係る採掘所得金額としてロ《採掘所得金額の計算》に掲げる金額の

50

100

に相当する金額

注 税効果会計を適用する場合には、剰余金の処分による探鉱準備金の積立額は、税効果相当額を控除した純額になるが、この場合でも確定申告

書等に税務上の探鉱準備金積立額を明らかにするための明細書を添付しているときは、税務上は、剰余金の処分による積立額とこれに対応する

税効果相当額との合計額を探鉱準備金として積み立てたものとして取り扱われる。(編者)

(鉱業法の適用鉱物)

  鉱物とは、金鉱、銀鉱、銅鉱、鉛鉱、そう鉛鉱、すず鉱、アンチモニー鉱、水銀鉱、亜鉛鉱、鉄鉱、硫化鉄鉱、ク

ローム鉄鉱、マンガン鉱、タングステン鉱、モリブデン鉱、ひ鉱、ニッケル鉱、コバルト鉱、ウラン鉱、トリウム鉱、

りん鉱、黒鉛、石炭、亜炭、石油、アスファルト、可燃性天然ガス、硫黄、石こう、重晶石、明ばん石、ほたる石、

石綿、石灰石、ドロマイト、けい石、長石、ろう石、滑石、耐火粘土(ゼーゲルコーン番号31以上の耐火度を有する

ものに限る。)及び砂鉱(砂金、砂鉄、砂すずその他ちゅう積鉱床をなす金属鉱をいう。)をいう。(鉱業法3①)

イ 採掘収入金額の計算

 ①の表の(一)に掲げる採掘収入金額は、当該法人が採掘した鉱物に係る当該事業年度の指定期間内の次の表に掲げる収

入金額の合計額とする。(措法58①、措令34①)

(イ) 当該鉱物の販売による収入金額

(ロ) 選鉱後の当該鉱物の販売による収入金額

当該鉱物を原材料として製造した物品の販売による収入金額のうち(ロ)に掲げる収入金額に相当する金額

(ハ)

 (採掘収入金額とする金額)

 上記に掲げる「(ロ)に掲げる収入金額に相当する金額」は、当該物品の販売による収入金額(当該物品の原

材料として購入した鉱物又は鉱物に係る鉱さい、銅、鉛その他の金属のくず若しくは粗銅、粗鉛その他これら

に準ずるもの〔以下(ハ)において「鉱物等」という。〕がある場合には、当該鉱物等の取得に要した金額を控

除した金額)に、Aに掲げる金額がBに掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額(当該計算した

金額が当該物品の原材料である選鉱後の当該法人の採掘した鉱物を販売するとした場合にその対価として通

常受けるべき金額と著しく異なるときは、その通常受けるべき金額)とする。(措規21の16①)

A 当該物品の原材料である当該法人の採掘した鉱物に係るその採掘から選鉱までに要した原材料費、労務

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1397-

費及び経費の額の合計額

B当該物品の製造に要した原材料費、労務費及び経費の額の合計額(当該物品の原材料として購入した鉱

物等がある場合には、当該鉱物等の取得に要した金額を控除した金額)

原材料である当該法人の採掘した鉱物に係るその採掘から 選鉱までに要した原材料費、労務費及び経費の額の合計額採掘収入

金額とする金額

製品の販売による収入金額

原材料として購入した鉱物等の取得に要した金額

× 製品の製造に要した原材料費、労務費及び経費の額の合計額 -

原材料として購入した鉱物等の取得に要した金額

(鉱業を営む法人の範囲)

(1) ①に掲げる「法人で鉱業を営むもの」には、鉱業法による鉱業権者又は租鉱権者として鉱業を営む法人のほか、

鉱業権者又は租鉱権者として登録は受けていないが、鉱業権者又は租鉱権者である者との契約に基づいて鉱業経営に

関する費用及び損失を負担し、採掘された鉱物(当該鉱物に係る収益を含む。)の配分を受けることとしているため、

実質的に自ら鉱業を営んでいると認められる法人が含まれるものとする。(措通58-1)

(鉱物の販売による収入金額)

(2) 石灰石等鉱業法第3条第1項《適用鉱物》の非金属法定鉱物の採掘を業とする法人が、その採掘した石灰石等の

相当部分を砕石等の土建用として販売している場合においても、当該法人は砕石業を営む者ではないから、一の探鉱

準備金又は海外探鉱準備金の適用に当たっては、砕石等として販売した額についても、イに掲げる採掘収入金額に含

まれることに留意する。(措通58-1の2)

(鉱物を原材料として製造した物品の範囲)

(3) イの表の(ハ)又は②の(3)《海外採掘所得金額の計算》の表の(三)に掲げる「当該鉱物を原材料として製造した

物品」は、法人が採掘した鉱物を原材料として製造し販売する 終製品をいうのであるが、銅鉱、鉛鉱、亜鉛鉱等の

鉱物を原材料として一貫工程により銅製品、鉛製品、亜鉛製品等を製造する場合には、当該鉱物を原材料として製錬

工程(地金の改造等を含む。)において製造された中間製品(例えば、地金、硫酸、焼鉱等)を当該物品として取り扱

うことができるものとする。したがって、この場合には、販売された 終製品の原材料とされた中間製品に係る収入

金額がこれらの「当該鉱物を原材料として製造した物品の販売による収入金額」に該当するものとする。(措通58-2)

(鉱物を原材料として製造された中間製品の販売による収入金額等)

(4) (3)により製錬工程において製造された中間製品をイの表の(ハ)又は②の(3)《海外採掘所得金額の計算》の表

の(三)に掲げる物品としている場合には、当該中間製品に係るこれらの採掘収入金額は、他に販売された中間製品の

販売価額(他に販売された中間製品が少量で、かつ、その販売が継続して行われているものでないためその販売価額

が適正でないと認められる場合には、中間製品の建値)を基礎として計算するものとする。当該中間製品のイの表の

(ハ)のB又は②の(3)の表の(三)の(ロ)に掲げる原材料費等の原価の額の計算についても、これに準ずる。(措通58

-3)

(原材料として購入した鉱物)

(5) イの表の(ハ)の《採掘収入金額とする金額》のかっこ書の「当該物品の原材料として購入した鉱物」とは、法人

が製造した物品の原材料(その原材料が製錬加工等を通じて当該物品に直接化体される場合のその原材料とする。)と

して購入した鉱物をいうものとする。したがって、原材料として購入したものであっても、燃料として使用されるよ

うなものは、これに該当しないことに留意する。②の(3)《海外採掘所得金額の計算》の表の(三)の《海外採掘収入

金額とする金額》のかっこ書の場合も同様とする。(措通58-4)

(鉱物の販売対価として通常受けるべき金額)

(6) イの表の(ハ)の《採掘収入金額とする金額》のかっこ書の「当該物品の原材料である選鉱後の当該法人の採掘し

た鉱物を販売するとした場合にその対価として通常受けるべき金額」は、法人がその採掘した鉱物の一部を販売して

いる場合にはその販売価額により、採掘した鉱物を販売していない場合には建値を基礎として計算した金額によるも

のとする。ただし、販売された鉱物が少量で、かつ、その販売が継続して行われているものでないためその販売価額

が適正でないと認められる場合には、建値を基礎として計算した金額による。②の(3)《海外採掘所得金額の計算》

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

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の表の(三)の《海外採掘収入金額とする金額》のかっこ書の「当該物品の原材料である選鉱後の自主開発鉱物を販売

するとした場合にその対価として通常受けるべき金額」についても、同様とする。(措通58-5)

ロ 採掘所得金額の計算

 ①の表の(二)に掲げる採掘所得金額は、当該法人が採掘した鉱物に係る当該事業年度の指定期間内のイに掲げる採掘収

入金額に係る所得の金額の合計額から当該収入金額に係る損失の金額の合計額を控除した残額とする。ただし、当該法人

が、前適用年度(当該事業年度開始の日の前日までに開始したいずれかの事業年度で①の適用を受けた事業年度をいう。)

終了の日から当該事業年度開始の日の前日までの期間内の日を含む各事業年度につき①の適用を受けなかった場合におい

て、次の表の(イ)に掲げる合計額が(ロ)に掲げる合計額を超えるときは、採掘所得金額は、前段にかかわらず、当該採掘

所得金額からその超える部分の金額を控除した金額とする。(措法58①、措令34②③)

(イ)当該各事業年度の採掘損失金額(上記前段に掲げる採掘収入金額に係る損失の金額の合計額が採掘収入金額に係る

所得の金額の合計額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)の合計額

(ロ) 当該各事業年度の採掘所得金額の合計額

(採掘所得金額に係る益金の額)

(1) 採掘所得金額を計算する場合の益金の額は、イ又は②の(3)《海外採掘所得金額の計算》に掲げる採掘収入金額

の合計額によるから、次に掲げるような金額はこれに含まれないことに留意する。ただし、貸倒引当金、海外投資等

損失準備金等の引当金、準備金の益金算入額のうちこれらの引当金、準備金を繰り入れた事業年度において採掘所得

金額の計算上損金の額に算入された繰入金額に相当する金額は当該益金の額に算入する。(措通58-6)

(一) 国庫補助金、補償金、保険金その他これらに準ずるものの収入による益金の額

(二) 固定資産又は有価証券の譲渡又は評価に係る益金の額

(三) 受取配当金、受取利子、固定資産の賃貸料等営業外収益の額

(採掘所得金額に係る損金の額)

(2) 採掘所得金額を計算する場合の損金の額は、法人が採掘した鉱物に係る収入金額に対応する売上原価の額並びに

販売費、一般管理費その他の費用及び損失の額のうち鉱業に係る金額によるのであるから、次に掲げる金額はこれに

含まれることに留意する。(措通58-7)

(一) 鉱業に属する棚卸資産の評価換えによる損失の額

(二) 鉱業に専属して使用される減価償却資産又は繰延資産の償却費の額

(三) 鉱業と鉱業以外の業とに共用される減価償却資産又は繰延資産の償却費の額で鉱業に係るもの

(四) 鉱業に専属して使用される減価償却資産の除却、滅失、評価換え又は譲渡による損失の額(保険金、補償金そ

の他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。(五)において同じ。)

(五) 鉱業と鉱業以外の業とに共用される減価償却資産の除却、滅失、評価換え又は譲渡による損失の額で鉱業に係

るもの

(鉱業に係る損金の額の区分)

(3) 採掘所得金額を計算する場合の損金の額(支払利子を除く。)で鉱業に係るものの区分は、鉱業に係ることが明ら

かであるものについてはその区分によるが、鉱業と鉱業以外の業とに共通するもの又はその区分が明らかでないもの

については、その損金の性質に応じ、収入金額、売上原価その他合理的と認められるものの割合によって区分する。(措

通58-8)

(災害損失の区分の特例)

(4) 鉱業に専属して使用される減価償却資産の滅失損その他の鉱業に係る損失の額で災害その他やむを得ない事由に

より生じた臨時巨額なものについては、鉱業と鉱業以外の業の収入金額、所得金額その他合理的と認められる割合に

より区分した金額を鉱業に係る損金の額として計算することができるものとする。(措通58-9)

(支払利子の区分の特例)

(5) 支払利子の額で鉱業に係るものの金額は、各事業年度における支払利子の額を基礎として鉱業と鉱業以外の業と

の収入金額、売上原価その他合理的と認められる割合により計算する。この場合において、各事業年度における支払

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1399-

利子の額のうちに次に掲げる金額があるときは、当該金額は支払利子の額に含めないことができるものとする。(措通

58-10)

(一) 受取配当金の益金不算入額の計算上株式等に係る部分の金額として益金不算入額から控除した金額に相当する

金額

(二) 子会社等のために借り入れて子社会等へひも付融資をしている負債の支払利子の額で子会社等からの受取利子

の額に相当する金額

(共通損金の区分基準の継続)

(6) 鉱業と鉱業以外の業とに共通する損金の額又はその区分が明らかでない損金の額の区分計算について適用した基

準は、その後の事業年度においても継続して適用しなければならないものとする。(措通58-11)

② 海外探鉱準備金積立額の損金算入

青色申告書を提出する法人で国内鉱業者((1)《国内鉱業者の意義》に掲げるものをいう。以下一において同じ。)で

あるものが、昭和50年4月1日から平成25年3月31日までの期間(以下②及び8の①において「指定期間」という。)内の

日を含む各事業年度(解散の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除く。)において、国外にある鉱物に係る新鉱床

探鉱費の支出に備えるため、海外自主開発法人から取得した当該鉱山に係る鉱物(当該鉱物の引取りに関する契約に基づ

き、当該海外自主開発法人以外の法人を経由して取得したものを含む。)の販売による当該事業年度の指定期間内における

収入金額に係る(3)《海外採掘所得金額の計算》に掲げる海外採掘所得の金額の50

100に相当する金額《積立限度額》以下の

金額を損金経理の方法により海外探鉱準備金として積み立てたとき(当該事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分

により積立金として積み立てる方法により海外探鉱準備金として積み立てたときを含む。)は、当該積み立てた金額は、当

該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。(措法58②)

注 税効果会計を適用する場合には、剰余金の処分による海外探鉱準備金の積立額は、税効果相当額を控除した純額になるが、この場合でも確定

申告書等に税務上の海外探鉱準備金積立額を明らかにするための明細書を添付しているときは、税務上は、剰余金の処分による海外探鉱積立額

とこれに対応する税効果相当額との合計額を準備金として積み立てたものとして取り扱われる。(編者)

(国内鉱業者の意義)

(1) ②に掲げる「国内鉱業者」とは、当該法人又は当該法人がその発行済株式若しくは出資(その有する自己の株式

又は出資を除く。)の総数若しくは総額の95

100以上を有している他の会社が国内に鉱山を有し、かつ、当該法人の営む

事業が、当該法人及びこれらの会社の営む鉱業及びこれに付随する事業に係る収入金額、資産その他の状況からみて、

鉱業を主とするものであることにつき当該法人の申請に基づき上記に該当する旨を経済産業大臣が認定した法人をい

う。(措法58②、措令34⑦、措規21の16②)

注 経済産業大臣の認定に関する手続については、平成15年経済産業省告示第99号に定められている。(編者)

(海外自主開発法人の意義)

(2) ②に掲げる「海外自主開発法人」とは、その開発に必要な資金の相当部分が当該国内鉱業者及びこれと共同して

投資をする内国法人によって直接又は間接に負担された鉱山を有し、かつ、その営む事業が本邦における資源の安定

的供給に著しく寄与するものとして、当該国内鉱業者の申請に基づき次の表に掲げる要件のすべてに該当する旨を経

済産業大臣が認定した外国法人をいう。(措法58②、措令34⑧、措規21の16③)

注 経済産業大臣の認定に関する手続については、平成15年経済産業省告示第99号に定められている。(編者)

(一)

当該国内鉱業者及び共同出資法人(当該国内鉱業者と共同して出資又は長期の資金の貸付けをする内国法人を

いう。)から直接に又は他の法人を通じて出資又は長期の資金の貸付け(第十八款の一《海外投資等損失準備

金》の2の⑥《新増資資源株式等》の表のハに掲げる事情がある場合の貸付けで、その償還期間が10年以上で

あるものに限る。以下(2)において同じ。)を受けている金額が当該外国法人の資本金の額又は出資金の額の50

100に相当する金額以上であること。

(二)(一)に掲げる出資又は長期の資金の貸付けに係る資金によって開発された鉱山で国外にあるものを有してい

ること。

(三)(二)に掲げる鉱山から採取される鉱物の

50

100に相当する数量以上の鉱物が内国法人により引き取られているこ

と。

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

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(海外採掘所得金額の計算)

(3) 海外採掘所得の金額は、海外自主開発法人から取得した②に掲げる鉱物に係る当該事業年度の指定期間内の次の

表に掲げる収入金額に係る所得の金額の合計額から当該収入金額に係る損失の金額の合計額を控除した残額とする。

なお、①のロのただし書は、国内鉱業者である法人が②の海外探鉱準備金積立額の損金算入の適用を受ける場合につ

いて準用する。この場合において、①のロのただし書において「採掘所得金額は」とあるのは「②の(3)に掲げる残

額(以下ロにおいて「海外採掘所得金額」という。)は」と、「採掘所得金額から」とあるのは「海外採掘所得金額か

ら」と、「採掘所得金額の」とあるのは「海外採掘所得金額の」と読み替えるものとする。(措令34⑨⑩③)

(一) 当該鉱物の販売による収入金額

(二) 選鉱後の当該鉱物の販売による収入金額

(三)

当該鉱物を原材料として製造した物品の販売による収入金額のうち、(二)に掲げる収入金額に相当する金額

 (海外採掘収入金額とする金額)

 上記に掲げる「(二)に掲げる収入金額に相当する金額」は、当該物品の販売による収入金額(当該物品

の原材料として当該法人が採掘した鉱物等がある場合には、①のイの表の(ハ)に掲げる金額を控除した金

額とし、当該物品の原材料として当該法人が購入した鉱物等で②に掲げる鉱物〔以下(三)において「自主

開発鉱物」という。〕以外のもの〔以下(三)において「単純買鉱鉱物」という。〕がある場合には、当該単

純買鉱鉱物の取得に要した金額を控除した金額とする。)に、(イ)に掲げる金額が(ロ)に掲げる金額のう

ちに占める割合を乗じて計算した金額(当該計算した金額が当該物品の原材料である選鉱後の自主開発鉱

物を販売するとした場合にその対価として通常受けるべき金額と著しく異なるときは、その通常受けるべ

き金額)とする。(措規21の16④)

(イ)当該物品の原材料である当該法人が取得した自主開発鉱物の取得に要した金額の

90

100に相当する金

(ロ)

当該物品の製造に要した原材料費、労務費及び経費の額の合計額(当該物品の原材料として当該法

人が採掘した鉱物がある場合には、①のイの表の(ハ)の「採掘収入金額とする金額」のAに掲げる

金額を控除した金額とし、当該物品の原材料として当該法人が購入した単純買鉱鉱物がある場合に

は、当該単純買鉱鉱物の取得に要した金額を控除した金額とする。)

海外採掘収入金額とする金額

製品の販売による収入金額

①のイの表の(ハ)に掲げる金額及び単純買鉱鉱物の取得に要した金額

×

当該物品の原材料である当該法人が取得                    ×

90

100 した自主開発鉱物の取得に要した金額            ①のイの表の(ハ)の《採掘 製品の製造に要した原 収入金額とする金額》の 材料費、労務費及び経-Aに掲げる金額及び単純 費の額の合計額    買鉱鉱物の取得に要した            金額

2 新鉱床探鉱費の意義

 1の①及び同②に掲げる新鉱床探鉱費とは、次の表に掲げるもののために要する費用をいう。(措法58③、措令34⑪⑫、

措規21の16⑤)

① 探鉱のための地質の調査

② 地震探鉱、重力探鉱その他これらに類する探鉱

③ 探鉱のためのボーリング

④ 鉱量が推定されていない鉱床につき鉱量を推定するための坑道の掘さく(当該推定に必要な範囲内のものに限る。)

国外にある鉱物の探鉱のための①から④までに掲げる費用に充てられることが確実である出資又は長期の資金の

貸付けで、当該出資又は長期の資金の貸付けに係る資金が当該費用に充てられることが確実であることにつき当該

国内鉱業者の申請に基づき経済産業大臣が認定した出資又は長期の資金の貸付け

注 ⑤に掲げる経済産業大臣の認定に関する手続については、平成15年経済産業省告示第99号に定められている。(編者)

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1401-

(金属鉱業における新鉱床探鉱費の範囲)

(1) 金属鉱業における新鉱床探鉱費の範囲については、租税特別措置法関係通達58-12に定めるところによる。

(石炭鉱業における新鉱床探鉱費の範囲)

(2) 石炭鉱業における新鉱床探鉱費の範囲については、租税特別措置法関係通達58-13に定めるところによる。

(石油及び可燃性天然ガス鉱業における新鉱床探鉱費の範囲)

(3) 石油及び可燃性天然ガス鉱業における新鉱床探鉱費の範囲については、租税特別措置法関係通達58-14に定める

ところによる。

3 探鉱準備金又は海外探鉱準備金の益金算入

① 据置期間(3年)経過による益金算入

探鉱準備金又は海外探鉱準備金を積み立てている法人の各事業年度終了の日において、前事業年度から繰り越された探

鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額(当該事業年度終了の日までに②《廃業等の場合の益金算入》により益金の額

に算入された、若しくは算入されるべきこととなった金額又は前事業年度終了の日までにこの①により益金の額に算入さ

れた金額がある場合にはこれらの金額を控除した金額とする。以下一において同じ。)のうちにその積み立てられた事業年

度(②において「積立事業年度」という。)終了の日の翌日から3年を経過したものがある場合には、その3年を経過した

探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額は、その3年を経過した日を含む事業年度の所得の金額の計算上、益金の額

に算入する。(措法58④)

(探鉱準備金又は海外探鉱準備金の差額積立て等の特例)

(1) 法人が探鉱準備金又は海外探鉱準備金につき、当該事業年度の取崩額と当該事業年度の積立額との差額を積み立

て又は取り崩している場合においても、確定申告書等に添付する明細書にその相殺前の金額に基づく積立て等である

ことを明らかにしているときは、その相殺前の金額によりその積立て及び取崩しがあったものとして取り扱う。(措通

55~57の9(共)-1、基通11-1-1参照)

(探鉱準備金又は海外探鉱準備金の経理)

(2) 探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額は、原則として、その積み立てられた事業年度の翌事業年度から3

年を経過したときに益金の額に算入することになるのであるから、補助簿等においてその積み立てられた事業年度別

に区分し、益金算入の経理を明確にするものとする。(編者)

(適格合併等により引継ぎを受けた探鉱準備金又は海外探鉱準備金の均分取崩し)

(3) 合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。以下(3)において同じ。)が

6《適格組織再編成における探鉱準備金の引継ぎ等》により探鉱準備金又は海外探鉱準備金の金額の引継ぎを受けた

場合において、当該合併法人等の適格合併等(適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立をいう。以下(3)

において同じ。)の日を含む事業年度以後の各事業年度における当該探鉱準備金又は海外探鉱準備金に係る①の適用に

ついては、当該適格合併等に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。以

下(3)において同じ。)において当該探鉱準備金又は海外探鉱準備金が積み立てられた事業年度と当該合併法人等の事

業年度とは区分して、かつ、当該被合併法人等において積み立てられた事業年度に当該合併法人等が自ら積立てをし

たものとみなして取り扱うものとする。(措通58-15、55-7の2・編者補正)

② 廃業等の場合の益金算入

 探鉱準備金又は海外探鉱準備金を積み立てている法人が次の表の左欄に掲げる場合(当該法人を被合併法人とする適格

合併が行われた場合又は適格分割若しくは適格現物出資により鉱業事務所〔鉱業法第68条《鉱業事務所》に掲げる鉱業事

務所をいう。以下一において同じ。〕を移転した場合〔2に掲げる新鉱床探鉱費を支出している試掘権を併せて移転した場

合に限る。〕を除く。)に該当することとなった場合には、それぞれ同表の右欄に掲げる金額に相当する金額は、その該当

することとなった日を含む事業年度(ロに掲げる場合にあっては、合併の日の前日を含む事業年度)の所得の金額の計算

上、益金の額に算入する。この場合において、ロ及びニに掲げる場合に該当するときは、ロ及びニに掲げる探鉱準備金の

金額又は海外探鉱準備金の金額をその積み立てられた積立事業年度別に区分した各金額のうち、その積み立てられた積立

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1402-

事業年度が も古いものから順次益金の額に算入されるものとする。(措法58⑤)

鉱業を廃止した場合

(ロに該当する場合

を除く。)又は国内鉱

業者でないこととな

った場合

その廃止し、又はないこととなった日における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額

当該法人を被合併法

人とする合併が行わ

れた場合

その合併直前における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額

解散した場合(合併

により解散した場合

を除く。)

その解散の日における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額

①《据置期間経過に

よる益金算入》、イ、

ロ、ハ及び③《青色

申告の取消し又は取

りやめがあった場合

の益金算入》の場合

以外の場合《目的外》

において取り崩した

場合

その取り崩した日における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額のうちその取り崩し

た金額に相当する金額

注1 ――線部分(ロに係る部分を除く。)は、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日以後に分割又は現物分配

が行われる場合について適用され、平成22年9月30日以前に分割又は事後設立が行われた場合の適用については、「若しくは適格現物出資」と

あるのは「、適格現物出資若しくは適格事後設立」と、「合併の日」とあるのは「合併又は分割型分割の日」とする。(平22改法附82①)

注2 ロは、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日以後に分割又は現物分配が行われる場合について適用され、

平成22年9月30日以前に分割又は事後設立が行われた場合の適用については、次による。(平22改法附82①)

当該法人を被合併法

人とする合併が行わ

れた場合又は分割型

分割により分割承継

法人に鉱業事務所の

全部又は一部を移転

した場合

その合併直前における探鉱準備金の金額若しくは海外探鉱準備金の金額又は分割型分割直前における探鉱

準備金の金額のうちその移転することとなった鉱業事務所に係るものとして分割型分割直前における探鉱

準備金の金額に、当該分割型分割の日の前日を含む事業年度における当該分割型分割により移転すること

となった鉱業事務所に係る1の①のイ《採掘収入金額の計算》に掲げる収入金額の合計額(以下ロにおい

て「収入金額の合計額」という。)が当該事業年度における収入金額の合計額に占める割合を乗じて計算し

た金額(当該分割型分割により分割承継法人に当該鉱業事務所の全部を移転した場合には、その分割型分

割直前における探鉱準備金の金額)(措令34旧⑬)

③ 青色申告の取消し又は取りやめがあった場合の益金算入

 探鉱準備金又は海外探鉱準備金を積み立てている法人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による

申告をやめる旨の届出書の提出をした場合には、その承認の取消しの基因となった事実のあった日又はその届出書の提出

をした日(その届出書の提出をした日が青色申告書による申告をやめた事業年度終了の日後である場合には、同日。以下

③において同じ。)を含む事業年度から当該事業年度開始の日以後2年を経過した日の前日を含む事業年度までの各事業年

度の所得の金額の計算上、当該事実のあった日又は届出書の提出をした日における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金

の金額のうち、当該金額に当該事業年度の月数を乗じてこれを24で除して算出した金額(当該金額が当該事業年度終了の

日における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額〔その日までにこの③又は(2)《廃業等の場合の益金算入》によ

り益金の額に算入された、又は算入されるべきこととなった金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下この③

及び(2)において同じ。〕を超える場合には、当該探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額)に相当する金額は、益金

の額に算入する。この場合においては、当該探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額については、①、②及び6《適

格組織再編成における探鉱準備金の引継ぎ等》は、適用しない。(措法58⑥、措令34⑬、32の2⑬)

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1403-

        青色申告の取消しの基因となった事実のあった                              当該事業年度の月数  益金算入額=日又は取りやめの届出書を提出した日における×                                  24        探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額

(月数の計算)

(1) ③に掲げる月数は、暦に従って計算し、1か月に満たない端数を生じたときは、これを1か月とする。(措法58

⑥、措令34⑬、32の2⑬⑯)

(廃業等の場合の益金算入)

(2) ③の場合において、当該法人が次の表の左欄に掲げる場合(当該法人を被合併法人とする適格合併が行われた場

合又は適格分割若しくは適格現物出資により鉱業事務所を移転した場合を除く。)に該当することとなったときは、そ

れぞれ同表の右欄に掲げる金額に相当する金額は、その該当することとなった日を含む事業年度((三)に掲げる場合

にあっては、合併の日の前日を含む事業年度)の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。(措法58⑥、措令34⑬、

32の2⑮)

(一) 解散した場合 その解散の日における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額

(二)

鉱業を廃止した場合又は

国内鉱業者でないことと

なった場合

当該廃止し又は当該国内鉱業者でないこととなった日における探鉱準備金の金額又

は海外探鉱準備金の金額

(三)当該法人を被合併法人と

する合併が行われた場合その合併の直前における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額

(四)

③及び(一)から(三)まで

の場合以外の場合《目的

外》において取り崩した

場合

その取り崩した日における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額のうちその

取り崩した金額に相当する金額

注1 ――線部分((三)に係る部分を除く。)は、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日から適用され、

平成22年9月30日以前の適用については、「若しくは適格現物出資」とあるのは「、適格現物出資若しくは適格事後設立」と、「合併の日」

とあるのは「合併又は分割型分割の日」とする。(平22改措令附1Ⅲ)

注2 (三)は、平成22年度改正により改正されており、改正規定は、平成22年10月1日から適用され、平成22年9月30日以前の適用について

は、次による。(平22改措令附1Ⅲ)

(三)

当該法人を被合併法人と

する合併が行われた場合

又は分割型分割により分

割承継法人に鉱業事務所

の全部を移転した場合

その合併又は分割型分割の直前における探鉱準備金の金額又は海外探鉱準備金の金額

(青色申告を取り消された場合等の探鉱準備金又は海外探鉱準備金)

(3) 探鉱準備金又は海外探鉱準備金勘定を設けている法人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告に

よる申告をやめた後、再び青色申告書の提出の承認を受け、その後において探鉱準備金又は海外探鉱準備金勘定を積

み立てた場合において、当該取り消され、又はやめる前に積み立てていた探鉱準備金又は海外探鉱準備金勘定(以下

(3)において「旧準備金勘定」という。)の金額があるときは、旧準備金勘定と新たに積み立てた探鉱準備金又は海外

探鉱準備金勘定とは区分して経理するものとする。この場合において、当該旧準備金勘定の処理については、①《据

置期間(3年)経過による益金算入》及び②《廃業等の場合の益金算入》の適用はないが、③の適用があることに留意

する。(措通58-16、55-17)

4 適格分割等があった場合の期中探鉱準備金積立額の損金算入《適格分割・適格現物出資》

 青色申告書を提出する法人で鉱業を営むものが、1の①に掲げる指定期間内の日を含む各事業年度(清算中の各事業年

度を除く。)において、適格分割又は適格現物出資(以下4において「適格分割等」という。)により分割承継法人又は被

現物出資法人(以下4において「分割承継法人等」という。)に鉱業事務所を移転する場合(2に掲げる新鉱床探鉱費を支

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1404-

出している試掘権を併せて移転する場合に限る。)において、鉱物に係る2に掲げる新鉱床探鉱費の支出に備えるため、当

該適格分割等の直前の時を事業年度終了の時とした場合に1の①により計算される金額のうちいずれか低い金額に相当す

る金額以下の金額を探鉱準備金として積み立てたときは、当該積み立てた金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、

損金の額に算入する。(措法58⑨)

注 ――線部分は、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日以後に分割又は現物分配が行われる場合について適

用され、平成22年9月30日以前に分割又は事後設立が行われた場合の適用については、「適格分割又は適格現物出資」とあるのは「適格分社型分

割、適格現物出資又は適格事後設立」と、「適格分割等」とあるのは「適格分社型分割等」と、「又は被現物出資法人」とあるのは「、被現物出

資法人又は被事後設立法人」とする。(平22改法附82①)

(期中探鉱準備金の損金算入に関する届出)

(1) 4は、当該法人が適格分割等の日以後2か月以内に次に掲げる事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提

出した場合に限り、適用する。(措法58⑩、措規21の16⑥)

(一) 4の適用を受けようとする法人の名称及び納税地並びに代表者の氏名

(二) 分割承継法人等の名称及び納税地並びに代表者の氏名

(三) 適格分割等の年月日

(四) 鉱業事務所の名称及び所在地並びに当該鉱業事務所に係る鉱業法第68条に規定する鉱区の所在地

(五)鉱業事務所に係る試掘権の鉱区(鉱業法第5条《鉱業権》に規定する鉱区をいう。〔以下(五)において同じ。〕)

の所在地及び当該鉱区に係る4に掲げる新鉱床探鉱費の額

(六) 4の探鉱準備金として積み立てた金額及びその積み立てた金額の計算に関する明細

(七) その他参考となるべき事項

注1 ――線部分は、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日以後に分割又は現物分配が行われる場合につ

いて適用され、平成22年9月30日以前に分割又は事後設立が行われた場合の適用については、「適格分割等」とあるのは「適格分社型分

割等」とする。(平22改法附82①、平22改措規附1Ⅲ)

注2 (六)に掲げる事項の記載については、別表十(二)の書式によらなければならない。(規27の14)

(適格分割等による期中探鉱準備金の損金算入を行った法人の探鉱準備金積立額の計算)

(2) 4の適用を受けた法人が、当該適格分割等の日を含む事業年度において、1の①の適用を受ける場合における同

①の表の(一)に掲げる収入金額は、当該収入金額から4により積立限度額(適格分割等の直前の時を事業年度終了の

時とした同①の表の(一)又は(二)により計算される金額のうちいずれか低い金額に相当する金額をいう。)を計算する

ときにおいて同①の表の(一)に掲げる収入金額とされた金額を控除した金額とする。(措法58⑮、措令34⑭)

注 ――線部分は、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日から適用され、平成22年9月30日以前の適用に

ついては、「適格分割等」とあるのは「適格分社型分割等」とする。(平22改措令附1Ⅲ)

5 適格合併における未処理採掘損失金額の引継ぎ等

 1の①に掲げる法人が適格合併に係る合併法人である場合において、当該適格合併に係る被合併法人につき未処理採掘

損失金額があるときは、当該合併法人である当該法人の当該適格合併の日を含む事業年度(以下5において「合併事業年

度」という。)の採掘所得金額は、1の①のロにかかわらず、次の表の左欄に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ同表の右

欄に掲げる金額とする。(措法58⑮、措令34④)

①当該合併事業年度開始の日の前日を含む事

業年度において1の①の適用を受けた場合

当該合併事業年度の採掘所得金額から当該未処理採掘損失金額に相

当する金額を控除した金額

当該合併事業年度開始の日の前日を含む事

業年度において1の①の適用を受けなかっ

た場合

1の①のロの表の(イ)に掲げる合計額に当該未処理採掘損失金額に

相当する金額を加算して、同ロを適用して計算した採掘所得金額

(未処理採掘損失金額の意義)

(1) 5に掲げる未処理採掘損失金額とは、当該被合併法人が当該適格合併の日の前日を含む事業年度(以下(1)にお

いて「 後事業年度」という。)開始の日の前日までに開始したいずれかの事業年度で1の①の適用を受けた事業年度

終了の日から当該 後事業年度開始の日の前日までの期間内の日を含む各事業年度(以下(1)において「不適用事業

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1405-

年度」という。)につき1の①の適用を受けなかった場合における当該不適用事業年度の1の①のロの表の(イ)に掲げ

る採掘損失金額の合計額が当該不適用事業年度の同表の(ロ)に掲げる採掘所得金額の合計額を超えるときのその超え

る部分の金額をいう。(措法58⑮、措令34⑤Ⅰ)

(合併事業年度において探鉱準備金積立額の損金算入を行わなかった場合における合併事業年度後の採掘所得金

額の計算)

(2) 5に掲げる合併法人である法人が当該合併事業年度において1の①の適用を受けなかった場合には、当該合併事

業年度後の各事業年度(その適格合併後1の①の適用を受けることとなった 初の事業年度までの各事業年度に限

る。)の採掘所得金額の計算については、5に掲げる未処理採掘損失金額に相当する金額は当該法人の1の①のロ《採

掘所得金額の計算》の表の(イ)の採掘損失金額とみなして、同ロを適用する。(措法58⑮、措令34⑥)

(海外探鉱準備金に係る準用)

(3) 5の本文、(1)及び(2)は、国内鉱業者である法人が1の②の適用を受ける場合について準用する。この場合に

おいて、5の本文中「採掘所得金額」とあるのは「海外採掘所得金額」と、「1の①のロにかかわらず」とあるのは「1

の①のロのただし書及び同②の(3)の前段にかかわらず」と、(1)及び(2)中「採掘所得金額」とあるのは「海外採

掘所得金額」と読み替えるものとする。(措法58⑮、措令34⑩)

6 適格組織再編成における探鉱準備金の引継ぎ等

① 適格合併における探鉱準備金の引継ぎ等

 1の①の探鉱準備金又は1の②の海外探鉱準備金を積み立てている法人が適格合併により合併法人に当該探鉱準備金又

は海外探鉱準備金に係る鉱業事務所を移転した場合には、その適格合併直前における探鉱準備金又は海外探鉱準備金の金

額は、当該合併法人に引き継ぐものとする。この場合において、その合併法人が引継ぎを受けた探鉱準備金又は海外探鉱

準備金の金額は、当該合併法人がその適格合併の日において有する1の①の探鉱準備金又は1の②の海外探鉱準備金の金

額とみなす。(措法58⑪、55⑪)

(合併法人における益金算入)

(1) ①に掲げる合併法人のその適格合併の日を含む事業年度に係る3の①の適用については、同①に掲げる前事業年

度から繰り越された探鉱準備金又は海外探鉱準備金の金額は、①により当該合併法人が有するものとみなされた探鉱

準備金又は海外探鉱準備金の金額を含むものとする。(措法58⑪、55⑬前段)

(合併法人が青色申告法人でない場合の益金算入)

(2) ①の場合において、その合併法人がその適格合併の日を含む事業年度の確定申告書等を青色申告書により提出す

ることができる者でないときは、当該事業年度終了の日における探鉱準備金又は海外探鉱準備金の金額は、当該事業

年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。(措法58⑪、55⑫)

(合併等に伴う探鉱準備金又は海外探鉱準備金の表示替え)

(3) 探鉱準備金又は海外探鉱準備金で損金経理の方法により積み立てられたものと剰余金の処分の方法により積み立

てられたものとを有する法人が、その準備金の積立方式の統一を図るため、例えば、損金経理の方法により積み立て

られた準備金の全部を取り崩して益金の額に算入するとともに同額(取り崩して益金の額に算入すべき金額を除く。)

を剰余金の処分の方法により準備金として積み立てる経理をした場合において、その経理をしたことが合併に伴う合

併法人と被合併法人の準備金の積立方式の不統一を改める等合理的な理由によるものであるときは、その準備金は、

当初からその統一後の積立方式によって積み立てられていたものとして取り扱う。(措通55~57の9(共)-2)

注 この準備金の積立方式の変更を行った場合には、その内容に応じ、申告調整による当該準備金の額に相当する金額の加算又は減算をしな

ければならないことに留意する。

② 適格分割における探鉱準備金の引継ぎ等

 1の①又は4に掲げる探鉱準備金を積み立てている法人が適格分割により分割承継法人に当該探鉱準備金に係る鉱業事

務所の全部又は一部を移転した場合(2の《新鉱床探鉱費の意義》に掲げる新鉱床探鉱費を支出している試掘権を併せて

移転した場合に限る。)には、その適格分割直前における探鉱準備金の金額に、当該適格分割の日の前日を含む事業年度に

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

-1406-

おける当該適格分割により移転することとなった鉱業事務所に係る1の①のイに掲げる収入金額の合計額(以下②及び③

において「収入金額の合計額」という。)が当該事業年度における収入金額の合計額に占める割合を乗じて計算した金額(当

該適格分割により当該探鉱準備金に係る鉱業事業所の全部を移転した場合には、その適格分割直前における当該探鉱準備

金の金額)は、当該分割承継法人に引き継ぐものとする。この場合において、その分割承継法人が引継ぎを受けた探鉱準

備金の金額は、当該分割承継法人がその適格分割の日において有する1の①の探鉱準備金の金額とみなす。(措法58⑫、55

⑭、措令34⑮)

注1 ――線部分は、平成22年度改正により追加された部分で、改正規定は、平成22年10月1日から適用される。(平22改措令附1Ⅲ)

注2 ②により、分割承継法人に引き継がれた探鉱準備金の金額は、分割法人が積立てをしたものとして、準備金の取崩し規定等が適用される。(編

者)

(分割法人における益金算入)

(1) ②において、1の①に掲げる探鉱準備金を積み立てている法人のその適格分割の日を含む事業年度(同日が当該

法人の事業年度開始の日である場合の当該事業年度を除く。)については、当該適格分割の日の前日を当該事業年度終

了の日とみなして、3の①を適用する。(措法58⑫、55⑮前段)

注1 ――線部分は、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日以後に分割又は現物分配が行われる場合につ

いて適用され、平成22年9月30日以前に分割又は事後設立が行われた場合の適用については、「1の①に掲げる」とあるのは「その適格

分割が分社型分割であるときの1の①に掲げる」と、「のその適格分割」とあるのは「の当該適格分割」とする。(平22改法附82①)

注2 引き継ぐ探鉱準備金の金額のうちにその積立てをした事業年度終了の日の翌日から3年を経過したもの《据置期間経過準備金》がある

場合には、その探鉱準備金の金額を引き継ぐのではなく、その分割法人において、当該適格分割の日の前日を当該事業年度終了の日とみ

なして、据置期間経過準備金として益金の額に算入される金額を取り崩した上で分割承継法人に引き継ぐこととなる。(編者)

(分割承継法人における益金算入)

(2) ②に掲げる分割承継法人のその適格分割の日を含む事業年度に係る3の①の適用については、同①に掲げる前事

業年度から繰り越された探鉱準備金の金額は、②により当該分割承継法人が有するものとみなされた探鉱準備金の金

額を含むものとする。(措法58⑫、55⑰前段)

(分割承継法人が青色申告法人でない場合の益金算入)

(3) ②に掲げる場合において、その分割承継法人がその適格分割の日を含む事業年度の確定申告書等を青色申告書に

より提出することができる者でないときは、当該事業年度終了の日における探鉱準備金の金額は、当該事業年度の所

得の金額の計算上、益金の額に算入する。(措法58⑫、55⑯)

③ 適格現物出資における探鉱準備金の引継ぎ等

 1の①又は4に掲げる探鉱準備金を積み立てている法人が適格現物出資により被現物出資法人(外国法人である被現物

出資法人を除く。)に当該探鉱準備金に係る鉱業事務所の全部又は一部を移転した場合(2に掲げる新鉱床探鉱費を支出し

ている試掘権を併せて移転した場合に限る。)には、その適格現物出資直前における探鉱準備金の金額に、当該適格現物出

資の日の前日を含む事業年度における当該適格現物出資により移転することとなった鉱業事務所に係る収入金額の合計額

が当該事業年度における収入金額の合計額に占める割合を乗じて計算した金額(当該適格現物出資により当該探鉱準備金

に係る鉱業事業所の全部を移転した場合には、その適格現物出資直前における当該探鉱準備金の金額)は、当該被現物出

資法人に引き継ぐものとする。この場合において、その被現物出資法人が引継ぎを受けた探鉱準備金の金額は、当該被現

物出資法人がその適格現物出資の日において有する1の①の探鉱準備金の金額とみなす。(措法58⑬、55⑱、措令34⑯)

(現物出資法人における益金算入)

(1) ③において、1の①の探鉱準備金を積み立てている法人のその適格現物出資の日を含む事業年度(同日が当該法

人の事業年度開始の日である場合の当該事業年度を除く。)については、当該適格現物出資の日の前日を当該事業年度

終了の日とみなして、3の①を適用する。(措法58⑬、55⑲前段)

(被現物出資法人における益金算入)

(2) ③に掲げる被現物出資法人のその適格現物出資の日を含む事業年度に係る3の①を適用については、同①に掲げ

る前事業年度から繰り越された探鉱準備金の金額は、③により当該被現物出資法人が有するものとみなされた探鉱準

備金の金額を含むものとする。(措法58⑬、55前段)

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

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(被現物出資法人が青色申告法人でない場合の益金算入)

(3) ③に掲げる場合において、その被現物出資法人がその適格現物出資の日を含む事業年度の確定申告書等を青色申

告書により提出することができる者でないときは、当該事業年度終了の日における探鉱準備金の金額は、当該事業年

度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。(措法58⑬、55⑳)

④ 適格事後設立における探鉱準備金の引継ぎ等(平22.4改正により廃止)

 適格事後設立における探鉱準備金の引継ぎ制度は、平成22年度改正により、廃止されたが、平成22年9月30日以前に分

割又は事後設立が行われた場合については、なお平成22年度改正前の租税特別措置法第58条第14項の適用がある。(平22

改法附82①、平22改措令1Ⅲ)

 1の①又は4に掲げる探鉱準備金を積み立てている法人が適格事後設立により被事後設立法人に当該探鉱準備金に係る

鉱業事務所の全部又は一部を移転した場合(2に掲げる新鉱床探鉱費を支出している試掘権を併せて移転した場合に限

る。)には、その適格事後設立直前における探鉱準備金の金額に、当該適格事後設立の日の前日を含む事業年度における当

該適格事後設立により移転することとなった鉱業事務所に係る収入金額の合計額が当該事業年度における収入金額の合計

額に占める割合を乗じて計算した金額(当該適格事後設立により当該探鉱準備金に係る鉱業事業所の全部を移転した場合

には、その適格事後設立直前における当該探鉱準備金の金額)は、当該被事後設立法人に引き継ぐものとする。この場合

において、その被事後設立法人が引継ぎを受けた探鉱準備金の金額は、当該被事後設立法人がその適格事後設立の日にお

いて有する1の①の探鉱準備金の金額とみなす。(措法58旧⑭削除、55旧、措令34旧⑰)

(事後設立法人における益金算入)

(1) ④において、1の①の探鉱準備金を積み立てている法人のその適格事後設立の日を含む事業年度(同日が当該法

人の事業年度開始の日である場合の当該事業年度を除く。)については、当該適格事後設立の日の前日を当該事業年度

終了の日とみなして、3の①を適用する。(措法58旧⑭削除、55旧前段)

(被事後設立法人における益金算入)

(2) ④に掲げる被事後設立法人のその適格事後設立の日を含む事業年度に係る3の①の適用については、同①に掲げ

る前事業年度から繰り越された探鉱準備金の金額は、④により当該被事後設立法人が有するものとみなされた探鉱準

備金の金額を含むものとする。(措法58旧⑭削除、55旧前段)

(被事後設立法人が青色申告法人でない場合の益金算入)

(3) ④に掲げる場合において、その被事後設立法人がその適格事後設立の日を含む事業年度の確定申告書等を青色申

告書により提出することができる者でないときは、当該事業年度終了の日における探鉱準備金の金額は、当該事業年

度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。(措法58旧⑭削除、55旧)

7 他の準備金の積立て等の禁止

① 海外投資等損失準備金の積立て及び貸倒引当金の繰入れの禁止

 国内鉱業者である法人が指定期間内に取得する1の②の(2)《海外自主開発法人の意義》に掲げる海外自主開発法人の

第十八款の一《海外投資等損失準備金》の1に掲げる特定株式等については、第十七款の一の1《貸倒引当金繰入額の損

金算入》の①から④まで並びに第十八款の一の1《投融資に係る海外投資等損失準備金積立額の損金算入》及び同一の4

《適格分割等があった場合の期中海外投資等損失準備金の損金算入》は適用しない。(措法58⑭)

注 ――線部分は、平成22年度改正により改正された部分で、改正規定は、平成22年10月1日以後に分割又は現物分配が行われる場合について適

用され、平成22年9月30日以前に分割又は事後設立が行われた場合の適用については、「①から④まで」とあるのは、「①から③まで」とする。(平

22改法附82①)

② 探鉱準備金及び海外探鉱準備金の積立ての禁止

 第十八款の三の表の13《海洋油田・ガス田廃鉱準備金》に掲げる法人で平成11年3月31日以前に開始した事業年度にお

いて積み立てた海洋油田・ガス田廃鉱準備金の金額を有するものの昭和61年4月1日から平成17年3月31日までの間に開

始する各事業年度のうち海洋油田・ガス田廃鉱準備金を積み立てる事業年度については、一《探鉱準備金及び海外探鉱準

備金》は適用しない。(措法旧55の6⑧、平11改措法附27③)

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

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8 探鉱準備金積立額又は海外探鉱準備金積立額の損金算入の申告

 探鉱準備金積立額又は海外探鉱準備金積立額の損金算入は、その適用を受けようとする事業年度の確定申告書等に探鉱

準備金又は海外探鉱準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告《別表十(二)》の記載があり、かつ、当該確定

申告書等にその積み立てた金額の計算に関する明細書《別表十(二)》の添付がある場合に限り、適用する。(措法58⑧、55

の5⑥)

(積立限度超過額の認容)

 法人が探鉱準備金又は海外探鉱準備金勘定の金額を益金の額に算入した場合において、その益金の額に算入した金

額が3の①により益金の額に算入すべき金額を超えるときは、その超える金額は3の②の表のニに掲げる任意の取崩

額に該当することに留意する。この場合において、法人が計上していた探鉱準備金又は海外探鉱準備金勘定のうちに

積立限度超過額があり、法人がその超える金額のうち既往の積立限度超過額に達するまでの金額について既往の積立

限度超過額の取崩しとして確定申告書等において損金の額に算入したときは、その計算を認めるものとする。(措通58

-16、55の5-1)

二 新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除

1 新鉱床探鉱費の特別控除

 探鉱準備金の金額(一の3の③《青色申告の取消し又は取りやめがあった場合の益金算入》の適用を受けるものを除く。)

を有する法人が、各事業年度において、一の2《新鉱床探鉱費の意義》に掲げる新鉱床探鉱費の支出を行った場合又は3

《探鉱用機械設備の範囲》に掲げる探鉱用機械設備(2において「探鉱用機械設備」という。)について償却をした場合に

は、当該事業年度の所得の金額の計算上、これらの支出又は償却に係る損金の額に算入される金額のほか、次の表に掲げ

る金額のうち も少ない金額に相当する金額は、損金の額に算入する。(措法59①)

新鉱床探鉱費支出額及

び探鉱用機械設備償却

額による基準

当該事業年度において支出する当該新鉱床探鉱費の額に相当する金額(当該事業年度にお

いて探鉱の実施のために交付される国の補助金がある場合には、当該補助金に相当する金

額を控除した金額)と当該事業年度の当該探鉱用機械設備の償却額(当該機械設備に係る

償却限度額を超える場合には、当該償却限度額に相当する金額)との合計額

②探鉱準備金益金算入額

基準

前事業年度から繰り越された探鉱準備金の金額(前事業年度の終了の日までに一の3の①

《据置期間(3年)経過による益金算入》又は同②《廃業等の場合の益金算入》により益

金の額に算入された金額がある場合には当該金額を控除した金額とする。)のうち、当該

事業年度において同①又は同②により益金の額に算入された、又は算入されるべきことと

なった探鉱準備金の金額に相当する金額

③ 所得基準 当該事業年度の所得の金額

(所得基準)

(1) 1の表の③に掲げる「当該事業年度の所得の金額」は、次に掲げる規定を適用しないで計算した場合の当該事業

年度の所得の金額(申告書別表十(二)の「所得基準額(41)」欄の金額)とする。(措法59②、措令35②)

(一) 租税特別措置法第59条第1項及び第2項《新鉱床探鉱費及び海外新鉱床探鉱費の特別控除》

(二) 租税特別措置法第59条の2第1項及び第5項《対外船舶運行事業を営む法人の日本船舶による収入金額の課税

の特例》

(三) 租税特別措置法第61条第1項及び第3項《商工組合等の留保所得の特別控除》

(特別控除額と留保金額等との関係)

(2) 1及び2《海外新鉱床探鉱費の特別控除》により損金の額に算入された特別控除額は、第二節第一款の二《特定

同族会社の特別税率》の2《各事業年度の留保金額》及び同二の3《留保控除額》に掲げる所得等の金額にそれぞれ

含まれるものとする。(措法59④)

(特別控除額と利益積立金額との関係)

(3) 1及び2《海外新鉱床探鉱費の特別控除》の適用を受けた法人の利益積立金額の計算については、1及び2によ

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第三章 第一節 第二十九款《鉱業所得の課税の特例》

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り損金の額に算入される金額は、第二章第一節の二の表の18《利益積立金額》の加算欄の①のイに掲げる金額に含ま

れるものとする。(措法59⑤、措令35③)

2 海外新鉱床探鉱費の特別控除

 海外探鉱準備金の金額(一の3の③《青色申告の取消し又は取りやめがあった場合の益金算入》の適用を受けるものを

除く。)を有する法人が、各事業年度において、国外にある鉱物に係る一の2《新鉱床探鉱費の意義》に掲げる新鉱床探鉱

費(以下2において「海外新鉱床探鉱費」という。)の支出を行った場合又は専ら国外において事業の用に供される探鉱用

機械設備(以下2において「海外探鉱用設備」という。)について償却をした場合には、当該事業年度の所得の金額の計算

上、これらの支出又は償却に係る損金の額に算入される金額のほか、次の表に掲げる金額のうち も少ない金額に相当す

る金額は、損金の額に算入する。(措法59②)

海外新鉱床探鉱費支出額

及び海外探鉱用設備償却

額による基準

1の表の①に掲げる合計額のうち、当該事業年度において支出する海外新鉱床探鉱費の

額に相当する金額と当該事業年度の海外探鉱用設備の償却額との合計額(1の表の②

《探鉱準備金益金算入額基準》に掲げる金額が同表の①に掲げる金額から当該合計額を

控除した金額を超える場合には、その超える部分の金額に相当する金額を控除した金

額)

②海外探鉱準備金益金算入

額基準

前事業年度から繰り越された海外探鉱準備金の金額(前事業年度の終了の日までに一の

3の①《据置期間(3年)経過による益金算入》又は同3の②《廃業等の場合の益金算

入》により益金の額に算入された金額がある場合には当該金額を控除した金額とする。)

のうち、当該事業年度において同①又は同②により益金の額に算入された、又は算入さ

れるべきこととなった海外探鉱準備金の金額に相当する金額

③ 所得基準1の表の③に掲げる所得基準の金額から1により損金の額に算入された金額を控除し

た金額

3 探鉱用機械設備の範囲

 探鉱用機械設備は、地質及び鉱物の埋蔵の状況の調査、試掘、試掘された鉱物の品質の試験及び鑑定その他探鉱のため

に使用する機械その他の設備で次の表に掲げるものとする。(措法59①、措令35①、措規21の17)

① 地質調査等鉱物の埋蔵の状況を調査するために要する試すい機、探鉱機その他これらの機械に附属する機械設備

②探鉱のために必要な道路、橋りょう等を建設するために要するロードローラー、コンクリートミキサー、パワーシ

ョベル、くい打機その他の建設用の機械設備

③試掘のために要するロータリーマシン、ドリルパイプ、コンプレッサー、巻上機、エンドレス、ポンプその他の機

械設備及びこれらの機械設備に附属する機械設備

④試掘された鉱物の品位等を試験し、又は鑑定するために要する測定器、分析機、ひょう量器、顕微鏡その他の機械

設備

⑤ 探鉱のために要する通信設備、保安設備、送配電設備、変電設備又は索道設備

⑥ ①から⑤までに掲げる機械設備の修理のために要する旋盤、ボール盤、溶接機、のこぎり盤その他の機械設備

4 特別控除額の損金算入の申告

 新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除の特例は、その適用を受けようとする事業年度の確定申告書等に特別控

除により損金の額に算入される金額の損金算入に関する申告《別表十(二)→別表四》の記載があり、かつ、当該確定申告

書等にその損金の額に算入される金額の計算に関する明細書《別表十(二)》の添付がある場合に限り、適用する。この場

合において、損金の額に算入される金額は、当該申告に係るその損金の額に算入されるべき金額に限るものとする。(措法

59③)

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