男女が共に生きる情報紙 vol.1 15 -...

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「考えよう!性 のコト」 ~子どもとの向き合い方、夫婦の性とコミュニケーション~ ●講演 ●感想 かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」 「相手も自分も大切にするコミュニケーション」講演会 編集後記 インフォメーション ~子どもとの向き合い方、夫婦の性とコミュニケーション~ 考えよう 性 の コト 2市1町(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)広域連携事業 共に生きるフォーラムふじさわ2017 フォーラム特集 藤 沢 市 藤 沢 市 熟年世代の 性のあり方 デートDV 子どもへの 性教育 性暴力事件 望まない妊娠 リベンジポルノ 男女が共に生きる情報紙 VOL.115 2018年 冬号

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Page 1: 男女が共に生きる情報紙 VOL.1 15 - Fujisawa...また、子育て後の夫婦の性とコミュニケーショ ン等、大人の性意識変革に積極的に取り組む。

●「考えよう!性のコト」 ~子どもとの向き合い方、夫婦の性とコミュニケーション~ ●講演 ●感想●かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」●「相手も自分も大切にするコミュニケーション」講演会

●編集後記●インフォメーション

~子どもとの向き合い方、夫婦の性とコミュニケーション~考えよう!性のコト

2市1町(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)広域連携事業共に生きるフォーラムふじさわ2017

フォーラム特集

藤 沢 市藤 沢 市

熟年世代の性のあり方

デートDV

子どもへの性教育

性暴力事件

望まない妊娠

リベンジポルノ

男女が共に生きる情報紙 VOL.1152018年 冬号

Page 2: 男女が共に生きる情報紙 VOL.1 15 - Fujisawa...また、子育て後の夫婦の性とコミュニケーショ ン等、大人の性意識変革に積極的に取り組む。

これまでとくに男の子は大人から正しい性知識を教えられることなく、性情報の氾濫する現状に放っておかれてきた。知的レベルは上がっても性の問題には未熟なままであるため様々な問題が起こってくる。欲望や好奇心の赴くままに人の性を蹂躙することは人権侵害であるということに気づかせることが重要だ。知識や教養の中に性のあり方などの問題意識を含めていけば、抑圧・差別のない関係を築くことができるようになる。子どもの性をやさしく柔らかく育てるためにはタッチ

ングとリスニングが必要だ。タッチングとは、肌と肌がふれ合うことから得られる一体感・ぬくもり・安心。いかにふれられたかということが、自分は愛されているという実感につながる。また、さわることによって愛しさが湧いてくるためタッチングは重要であり、自己肯定感を育てる上で不可欠のプロセスである。リスニングとは、相手の話にシッカリ耳を傾けることである。初経や精通経験は親子関係に変化をもたらす。この頃にはタッチングではなくリスニングが大切になってくる。自立する時期の子どもは親から離れようとするが、子どもの話に耳を傾け続けることで子どもとの信頼関係ができ、会話につながる。知識を伝えるための言葉を親がしっかり持ち、命の成り立ちやつき合い方など性にかかわる不安や疑問についても親子で話をすることができる。思春期は子どもにとって性的な成熟とともに精神的な

自立に向かうとき。欲求を自己管理できれば自信と安心を得ることができる。同時に、自分の性の仕組みや働きをうしろめたいものと思うことがないよう注意が必要だ。こういったことを踏まえ、子どもとの接し方について考えてほしい。子どもたちが思春期を迎えるのと同じ頃、親は更年期

と向き合うことになる。男性は性的な能力がゆるやかに減退し、女性は閉経を迎える。今までの夫婦関係をそのまま続けるような“若さ幻想”に振り回されることなく、年齢とともに自分の振る舞いなどを変えていくことで、知的で文化的な柔らかい関係を築くことができるのではないか。支配しようとせず、互いに気持ちを伝えることで、男女とも悩みの深いこの時期を理解し乗り越えていけたら、ずっと生きやすくなるだろう。人と人との関係においてこだわりからの解放・細やかな心づかいは重要だ。夫婦も日常において感謝を伝えあうこと、積極的にコミュニケーションをとることを面倒がってはならない。関係は自然に生まれるものではなく意識してつくるもの。後半生の「性」を支えるのは「生」の共感である。あらためて性のこと、よく考えてみてほしい。

(鈴木 記)

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ご専門の先生だから、と思いつつも、失礼ではあるが性をここまではっきりとよく話せるようになられたナアというのが正直な実感。今回の話の中で、「抑圧や差別のない関係」が最も大切な基本、あらゆる面に共通するだろうが、性の面からみてもその意味が分かりやすく、あらためて刻み込まれる言葉となった。この基本は同時に私自身や多くの人を楽にしてくれるのではと思われる。“男性がひたすらリードすべき!”等の言いようのないプレッシャーからも少し解放されそうだ。ふれあいや相手の話をよく聞くという「タッチングとリスニング」も、抑圧や差別のない関係が前提で成り立つのだろう。思うに、「性に関する正しい教育がなされれ

2017年11月11日(土)、2市1町(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)広域連携事業「共に

生きるフォーラムふじさわ2017」(共に生きるフォーラム2017実行委員会・藤

沢市主催)を藤沢市役所で開催しました。

ば、不正確な情報から学ぶこともなく、性の悩みを一人で抱え込むことはない」との考えで中学生あたりの頃に明快な指導を受けていれば、表現できない苦悩やハートの痛みも半分以下で済み、人間関係として考えるべき部分にもっと集中でき、また他からも学びやすくなったのではないだろうか。私自身、性について芽生えて以来“あれこれとやりく

り”し、およそ半世紀かけて構造・機能や感情とのつながりも少しずつ分かってきたように思うが、もしもその途中、特に若い時代に家族的にあるいは社会的に不遇な事態が訪れていれば、体面や責任感など放棄し、歪んだ行動が生じていたかもしれない。     (前田 記)

2市1町(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)広域連携事業共に生きるフ

ォーラムふじさわ2017

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元 一橋大学講師“人間と性 ”教育研究協議会 幹事

村瀬 幸浩さん

『素敵にパートナーシップ  ~40歳からの性と生』

村瀬 敦子・村瀬 幸浩 共著大月書店※藤沢市図書館所蔵

神奈川県では、2017年8月1日に、性犯罪や性暴力の被害にあわれた方をワンストップで支援するため、「かならいん」を開設しました。

○ 電話相談 ☎045-322-7379 ・・・ 24時間365日相談ができます○ 面接相談 ・・・・・・・・・ 心とからだのケアのためにどうしたらよいか相談員が 一緒に考えます(予約制)

○ 医療機関の受診 ・・・ 緊急避妊薬の処方や性感染症などの検査を受けられます○ カウンセリング ・・・・ 臨床心理士などによるカウンセリングを受けられます○ 法律相談 ・・・・・・・・・ 弁護士による法律相談が受けられます○ 付添い支援 ・・・・・・・ 必要に応じて、職員が医療機関や警察などへ付き添います

○ 電話相談 ☎045-322-7379 ・・・ 24時間365日相談ができます○ 面接相談 ・・・・・・・・・ 心とからだのケアのためにどうしたらよいか相談員が 一緒に考えます(予約制)

○ 医療機関の受診 ・・・ 緊急避妊薬の処方や性感染症などの検査を受けられます○ カウンセリング ・・・・ 臨床心理士などによるカウンセリングを受けられます○ 法律相談 ・・・・・・・・・ 弁護士による法律相談が受けられます○ 付添い支援 ・・・・・・・ 必要に応じて、職員が医療機関や警察などへ付き添います

長年の教育経験を基に、思春期の子どもに対して正しい性知識と自分の身体を守る大切さを説き、子ども自らが性を学ぶ姿勢を促す。また、子育て後の夫婦の性とコミュニケーション等、大人の性意識変革に積極的に取り組む。「更年期を二人でどう乗り切るかは、その後の人生のあり方を左右する」と説く。

人生80年時代に生きる中高年夫婦のための、「2人でいて楽しい」関係を築くためのアドバイス、子どもぬきの人生後半をどう生きていくのか、「性」に着目して2人の関係を考察する。

『タジタジ親に  ならないために』

村瀬 幸浩 著子どもの未来社※書店で購入可能

だれもが抱える子どもの性の心配事。いざという時タジタジしないために、この本でしっかり予習しておきましょう!

※書影及び内容はいずれも出版社から許可を得て掲載しています

上記の支援を受けるには、いずれも条件等がありますので、ご相談ください

かながわ性犯罪・性暴力被害者

ワンストップ支援センター

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●「だいじなことはたいていめんどくさいんですよ」楽しく観ていたドラマのせりふが胸に響いた寒い夜。(鈴木)

●昨秋の講演で「パラスポーツも、持てる力を活かして楽しめるもの」と“当たり前”のことをあらためて知った。(前田)

●今年の目標は、子どもたちとともに語学力をアップさせること。すでに1か月経ち、成果はいかに(汗) (佐野)

昨年11月に片瀬公民館で開催された、教育文化講演会に参加しました。講師は吉井奈々さん。

彼女の生い立ちは男性から始まりました。藤沢生まれの藤沢育ち。小学校では元気で明るい

男の子でした。しかし、高学年になると「男子でも女子でもない不思議な子がいる」と周りから違和感を持たれるようになりました。バレンタインデーには男子に手作りの友チョコを渡すと「気持ち悪い!お前のチョコなんか食えるか」と言われたり、人を好きになるだけで変な目で見られたりして、自分の全てを受け入れられなくなっていました。悩み続けていたとき、当時「ミスターレディ」と呼

ばれていたショーダンサーや新宿2丁目のバーのママさんをテレビで見て、奈々さんはある行動を起こします。12歳にしてなんと「この人たちに会いたい」と新宿2丁目に行ったのです。「12歳じゃ働けないわね」と訪ねたお店のママに断られるも、「あなたも悩むところあってここに来たのよね?」とそこでいきいきと活躍する人たちに会わせてもらうと価値観が変わり、今の自分のままでいいのだと思えるようになったそうです。2004年、奈々さんは性同一性障がいと診断さ

れ、女性として生きていくことになりました。さらに

奈々さん、当時付き合っていた中学の同級生からプロポーズを受けました。しかし「子どもを産めない」と悩んだ奈々さんは、プロポーズを一旦は断ったそうです。そんなとき彼のお母さんはこう言いました。「奈々ちゃん、私は孫の顔が見たいのではなく、(大好きな奈々ちゃんといる)息子の笑顔が見たいのよ」。素敵なお義母さんとの出会い、多様なセクシュ

アリティを持った人たちとの出会いを通じて、〈相手と自分を大切にするコミュニケーション〉を体得したことが、現在コミュケーション講師として活躍するきっかけになったそうです。講演では、「うまくコミュニケーションすることを諦める」ことが大切であり、「“ふつう”なら相手が〇〇してくれる」など、自分の価値観(物差し)を相手に押し付けず、相手の選択を尊重する。「諦める=尊重する」と話していました。また「自分の影(コンプレックス)を愛することから自分の光(魅力)に気が付く」、「見る人によっては短所も長所になる」、「人はみんな違う魅力でよい」とも。今回の講演会は年齢、性別、職業問わず、みんなが「そうだよね」と思える「気づき」と、「少し気持ちを変えれば、もっと幸せになれるよ」というたくさんのヒントをもらえた時間でした。

(佐野 記)

「(仮)相手も自分も大切にするコミュニケーション+社会学」吉井 奈々 著 ・ 鈴木 健之 解説晃洋書房 ※2018年4月刊行予定

編集後記

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9階

8階

7階

6階

5階

4階

3階

2階1階

議長・副議長室 議員控室 議場 議会事務局

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市民窓口センター 保険年金課 キッズコーナー(一時預かり所)

2018年1月4日(木)から供用開始しています

藤沢市役所に新しい本庁舎が完成しました

○市民がよく利用する窓口部門は低階層に、また、関連する各課を同じフロアに集めています。

○お子様を連れて、手続きや相談などで市役所を利用する方のために、1歳以上の未就学児の一時預かりができるキッズコーナーがあります。

○議場には、多くの方が議会を傍聴できるよう「親子傍聴室」を設けています。

○車いす使用者等用の駐車場は、1階及び地下1階に各2台あります。

○人権男女共同平和課は本庁舎6階です。

発行/2018年1月 藤沢市企画政策部人権男女共同平和課 〒251-8601 藤沢市朝日町1番地の1 TEL.0466-50-3501(直通)URL:http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/jinkendanjyo/ E-mail:[email protected]

再生紙を使用しています

かがやけ地球は、市民の編集員さんの企画・運営によって、年4回発行しています。

FAX 0466-24-5928E-mail [email protected]

鈴木 悠子・山口 千鶴子前田 英孝・佐野 美穂子

ご意見・ご感想・今後扱って欲しいテーマなどをお待ちしております!

編集スタッフ

本庁舎