ごみ処理有料化制度の導入について 報 告 書 · Ⅰ...

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ごみ処理有料化制度の導入について 報 告 書 平成 24 年 10 月 岐阜市環境審議会

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ごみ処理有料化制度の導入について

報 告 書

平成 24年 10月

岐阜市環境審議会

目 次

はじめに ······················································ 1

報告書の概要 ·············································· 2

Ⅰ ごみ処理有料化制度の目的 ································ 4 1 有料化制度の現状

2 有料化制度の目的

Ⅱ ごみ処理有料化制度のあり方 ····························· 11 1 制度の対象とするごみの種類

2 ごみ処理手数料の料金体系

3 ごみ処理手数料の料金水準

4 ごみ処理手数料の使途

5 ごみ処理手数料の徴収方法

6 ごみ処理手数料の減免対象

Ⅲ ごみ処理有料化制度の実施のあり方 ······················· 21 1 他施策との併用

2 関係者への周知

3 懸念される課題への対応

Ⅳ ごみ処理有料化制度の評価と見直し ······················· 26 1 評価と見直しの進め方

2 点検・評価の実施

3 制度の見直し

おわりに ····················································· 29

資料 ···················································· 31 1 検討の経緯

2 岐阜市環境審議会委員名簿

3 統計資料等

- 1 -

はじめに

岐阜市においては、「循環型社会の実現」を目指し、平成 23 年 11 月に策定した

「ごみ減量・資源化指針 2011」(以下「指針」という。)に基づき、様々な取組を展

開するとしている。

また、指針に掲げる取組の一つ「ごみ処理有料化制度の導入」については、平成

25 年度までに方針決定するとして、平成 23 年 12 月 26 日、市長から本審議会に「ご

み処理有料化制度の導入」について、諮問がされた。

これを受け本審議会は、「ごみ減量・資源化検討部会」(以下「部会」という。)

を設置し「ごみ排出量に応じた公平な費用負担の仕組をつくる」とした諮問の趣旨

を踏まえ、ごみ有料化の目的や有料化を実施すると仮定した際の望ましい制度のあ

り方について、図-1に示すイメージによる議論を重ねた。

その際、全国のごみの有料化の状況や同格都市等のごみ有料化制度を比較分析す

るとともに、各関係者の声を積極的に聞くなど、岐阜市のごみ処理における地域性

を踏まえることにも留意した。

以上のような前提により議論した部会結果を基に、本審議会で慎重に審議を行い、

ここに本審議会の審議結果をとりまとめたので報告する。

図-1 ごみ処理有料化制度の導入検討に係る議論の考え方

有料化という方法が有効であるか否か、どのようなやり方

なら有効で、あるいは有効でないのか。 視点

そのためには、有料化制度がどのようなものになるかを想定してみ

ないと議論できない。

ごみの種類、手数料の料金体系、料金水準等の各要素につ

いて複数のモデルを仮定し、効果や問題点を検討する。 作業

導き出された何らかの結論においても、メリット・デメリットが必

ず生じる。

デメリットを補完する方法を併記する。 検討

部会で報告書を作成し、その報告書を基に本審議会で審議し結果を

とりまとめる。

- 2 -

報告書の概要 本審議会における審議結果の概要を以下に示す。

はじめに →1頁 ・平成 23 年 12 月 26 日に岐阜市長から岐阜市環境審議会に対し「ごみ処理有料化制

度の導入について」諮問がされ、本審議会の専門部会にその検討を付託した。

・報告書をまとめるに当たり「ごみ排出量に応じた公平な費用負担の仕組をつくる」

とした諮問の趣旨を踏まえ、ごみ有料化の目的や有料化を実施すると仮定した際

の望ましい制度のあり方について議論を重ねた。

Ⅰ ごみ処理有料化制度の目的 →4頁 ・ごみ処理有料化制度をごみ減量・資源化施策の一つとして位置付け、「指針」に掲

げる目標達成と有料化導入都市における効果を踏まえ、目的を「排出抑制や再生利

用の促進」、「公平性の確保」、「排出者としての意識改革」の 3 点とする。

Ⅱ ごみ処理有料化制度のあり方 1 制度の対象とするごみの種類 →11頁

・「指針」において「焼却ごみの削減」を先ずその目標に掲げていることから、「普

通ごみ」を有料とする。

・「資源ごみ」は、資源化率を向上させるため無料とするが、今後、資源分別数

が増える場合などにおいては、「指定袋」(ごみ処理手数料を含まない)の導入

を検討する。

・なお、「都市美化ごみ」は、ごみ減量意識向上の視点から「減免対象」とする。 2 ごみ処理手数料の料金体系 →13頁

・ごみ排出量に応じて減量化への動機づけが働き、多くの有料化導入都市にお

いて採用されている「単純従量制」を採用する。(家庭系、事業系ともに) 3 ごみ処理手数料の料金水準 →15頁

・「排出抑制・再生利用の推進」、「住民の受容性」、「周辺市町の水準」の 3 つの

視点から、岐阜市の現状を当てはめ検討した結果、料金水準としては、ごみ

袋の容量 1ℓ当たり 0.7 円~1.4 円の範囲とする。(家庭系、事業系ともに)

・多様な生活様式への対応やごみ減量によるごみ袋のダウンサイジングを進め

るため、ごみ袋の大きさは 3 種類程度とする。(家庭系、事業系ともに) 4 ごみ処理手数料の使途 →18頁

・ごみ処理有料化制度の目的や制度への理解を求めるためにも、制度の運用費

用の他「排出抑制や再生利用の促進」の分野の施策の費用等として使用する。 5 ごみ処理手数料の徴収方法 →19頁

・現在も市販のごみ袋により排出されていること、ごみ収集時に不適正排出を

確認することが比較的容易なことから、「指定袋」の販売により手数料を徴収

する。 6 ごみ処理手数料の減免対象 →20頁

・「公平性の確保」の視点から、原則として、ごみ排出量に応じた負担が求めら

れるべきであり、減免対象はできる限りその範囲を狭くすることが適当であ

ることから「生活保護受給世帯」、「天災その他の災害を受けた者」、「地域での

ボランティア清掃活動により出された普通ごみ(都市美化ごみ)」等とする。

- 3 -

Ⅲ ごみ処理有料化制度の実施のあり方 ・ごみ処理有料化制度の導入による「デメリット」の部分を小さくする対策に加え、

「メリット」の部分をできる限り大きくし、かつ、持続する“ごみ減量・資源化施

策パッケージ”の視点が必要なため、「指針」に掲げる「発生抑制」や「資源分別」の

取組を着実に進めることが求められる。 1 他施策との併用 →21頁

・ごみ分別の受け皿として、中心部・郊外部といった地域特性や住居の形態な

ど生活様式に応じた様々な減量対策を提供できるよう検討する。

・「指針」において、検討課題とされているシャンプーボトルなどの「その他プラ

スチック製容器包装類」やせん定枝などの「バイオマス系ごみ」の分別について

その方向性を市民等に示すこととする。

2 関係者への周知 →23頁

・ごみ処理有料化制度をごみ減量・資源化施策の一つの手段として有効なもの

とするためには、市民等の十分な理解と協力が必要となることから、市の考

え方を示す「方針書(案)」等を決定する際など、様々な機会を捉えて、丁寧な

説明会を開催する。

3 懸念される課題への対応 →24頁

・不適正排出や不法投棄など懸念される課題については、ごみ処理有料化制度

の導入に関わらず対応すべきものであるが、特に十分な防止対策の体制の整

備に努める。

Ⅳ ごみ処理有料化制度の評価と見直し 1 評価と見直しの進め方 →26頁

・ごみ処理有料化制度については、「指針」において検討事項の一つとして掲げ

られていることから、「指針」を進行管理していくために作成された「指針アク

ションプラン」を見直し、有料化制度に係る点検・評価作業を進める。

2 点検・評価の実施 →27頁

・制度を評価するためには、一定の期間が必要であるが、結果を公表すること

により、有料化の効果だけでなく、減量や分別の意義や方法など、ごみ減

量・資源化施策への理解を市民等に深めてもらう好機となることから、定期

的に点検し結果を公表するとともに、評価作業は毎年行うこととする。

3 制度の見直し →27頁

・ごみ処理有料化制度は、ごみ減量・資源化施策の一つの手段であることから、

「指針」の考え方や目標が、大きく変更される場合には、その変更に即して、

制度を見直す。また、期待される効果の達成が不十分である場合においても、

制度の仕組や併用策の見直しを検討する。

・制度の見直し時期として、「指針」に合わせ、概ね 5 年毎に実施する。

・見直しの検討状況は原則公開とし、市民等に対する情報発信に努めるととも

に、審議会において審議に付す。

おわりに →29頁 ・ごみ処理有料化制度は、ごみ減量・資源化に対して効果が認められることから、

次世代に先送りすることなく実施することが望ましい。

・なお、市が方針を固める上で、市民の理解と協力を得るための意見交換など広く

行うことが望まれる。また、実施に当たっては、市民等に対して十分な周知期間

を確保するとともに、社会経済状況等など種々の事情に留意する。

- 4 -

Ⅰ ごみ処理有料化制度の目的 ごみは、毎日の生活の中で市民や事業者などすべての岐阜市民が出していること

から、ごみ問題は、岐阜市民共通の問題と言える。そのため、ごみ問題を解決(目

的)していくには、市民や事業所、行政と言った担い手に応じた対策(手段)を講じる

必要がある。

岐阜市が策定した「指針」では、このような視点から多様な手段が掲げられてお

り、本審議会に課せられた「ごみ処理有料化制度の検討」もその手段の一つとなっ

ている。いわゆる、目的に対する手段を考える場合、一つに限定できるものではな

い。

これらのことから、本審議会における「ごみ処理有料化制度の目的」にかかる検

討に当たっては、この制度(手段)により期待するべき効果からその目的を設定する

こととした。

なお、検討に当たっては、他都市の有料化制度の現状など調査結果や「一般廃棄物

処理有料化の手引き」(平成 19年 6月 環境省)を参考に議論した。

1 有料化制度の現状

「一般廃棄物処理有料化の手引き」において「有料化」とは、次のように定義づけ

られている。

全国(1,750 市区町村)の有料化制度の導入状況を見ると、生活系(家庭系)ごみは

61.9%(1,084市区町村)、事業系ごみは 84.2%(1,474市区町村)が導入している。

国が平成 17 年 5 月に改正した「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施

策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」において、国全体の施策

の方針として一般廃棄物処理の有料化を推進するべきことが明確化された以降、

導入する都市が増えてきている。

また、中核市(41 市)の場合は、家庭系ごみは 19.5%(8 市)、事業系ごみは岐阜市

を除くすべての中核市が導入しており、県内(42 市町村)では、家庭系ごみは

83.3%(35市町村)、事業系ごみは 90.5%(38市町村)が導入している。

なお、岐阜県では、平成 24 年 3 月に策定した「第 2 次岐阜県廃棄物処理計画」に

おいて、今後、ごみ減量化の推進策の一つとして市町村による一般廃棄物処理の

有料化を推進することを明確化している。

表-1 一般廃棄物処理有料化の定義

市町村が一般廃棄物処理についての手数料を徴収する行為を指す。このため、例え

ば、手数料を上乗せせずに販売される一定の規格を有するごみ袋(指定袋)の使用を排

出者に依頼する場合については、「有料化」に該当しない。

図-2 全国のごみ処理有料化導入の推移(粗大ごみを除く)

50.155.9 57.4 58.9 60.2 61.3 61.9

75.279.3 80.2

83.8 84.4 84.5 84.2

40

60

80

100

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22

(%)

国の基本方針を改正

(有料化推進を明確化)

(調査年度)

事業系ごみ

家庭系ごみ

(出典:環境省「日本の廃棄物処理」資料から加工)

- 5 -

岐阜市の場合は、粗大ごみの有料化を平成 10 年 10 月から導入しており、燃や

すごみ(岐阜市では「普通ごみ」と呼んでいる)については、家庭系は無料、事業系

は、昭和 46 年 10 月から一般廃棄物収集運搬許可業者による収集に切り替え、収

集運搬費は有料(民間)、岐阜市の処理施設(焼却処理、埋立処理)での処理は無料

となっている。

図-3 県内のごみ処理有料化導入の状況(粗大ごみを除く)

岐阜市 岐阜市

(自然共生部調べ)

家庭系ごみの場合 事業系ごみの場合

有料化導入市町村

区分 ごみの種類 収集運搬 処理施設

家庭系 普通ごみ 無料 無料

資源ごみ 無料 無料

粗大ごみ 有料 有料

事業系 普通ごみ※1 民間 無料

資源ごみ 民間 民間

粗大ごみ 民間 有料

併せ産廃※2 民間 有料

都市美化ごみ(河川清掃等) 無料 無料 ※1 一般家庭から排出される一般廃棄物と併せて週標準量 50kg かつ、収集回数週 2 回を超えない事業系

普通ごみは、家庭系収集に準ずることができる。なお、許可業者が標準的なごみ質の普通ごみを収集運搬する場合の料金は、指導価格として 11円/kg(税抜)を原則とする。

※2 業種指定で紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ及び動物系固形不要物は、一般廃棄物と併せて処理できる産業廃棄物として条例に定めている。なお、処理費用は、11円/kg(税抜)を徴収する。

表-2 岐阜市のごみ処理手数料の状況

- 6 -

2 有料化制度の目的

有料化制度が、ごみ減量・資源化の推進策の一つであると位置づけると、「指

針」に掲げている 3 つの目的の「快適な生活環境の保全」、「安定したごみ処理サー

ビスの提供」、「ごみ減量行動の礎となる地域の絆」が目的の設定に当たり基本的な

考え方となる。

また、任意の目的に対する有料化制度のメリット・デメリットを抽出すること

で、有料化制度の効果を検証するための論点を整理することができる。

そして、有料化制度は、一つの手段であることから、その効果について有料化

導入都市や岐阜市のごみ排出状況などから、より合致し、根拠づけられる目的を

示すことができる。

このような考え方から、有料化制度の目的を次の 3点とした。

① 排出抑制や再生利用の促進

ごみ処理を有料化することにより、費用負担を軽減しようとする動機づけが

生まれ、ごみの排出量の抑制が期待できる。単純な比較はできないが、岐阜市

が粗大ごみの有料化を導入した前後の年度の一人一日当たりの粗大ごみ排出量

を見ると、家庭系が 82%減(114→21g/人・日)、事業系は 33%減(6→4g/人・日)か

らも伺える。

有料化制度を、ごみの流れをコントロールする一つの手段として取り入れ、

ごみの排出抑制や再生利用を促進する。

目的 メリット・効果 デメリット・問題点

ごみの発生抑制 経済的負担を軽減するために、ごみ減量行動が促進される。

経済的負担に順応することで、ごみ減量行動が鈍化される。

リサイクルの促進 資源ごみとの手数料負担を差別化することで、ごみの流れをコントロールできる。

資源ごみに燃やすごみ(普通ごみ)などの不適物が混入する。

負担の公平化 ごみ排出量の多い住民と少ない住民とに応じた費用負担を明確にできる。

介護世帯や乳幼児のいる世帯(オムツ等)では、ごみ減量が過度な負担となる。

住民意識の向上 ごみ処理費用やごみ出しルールへの関心が高まる。

不適正排出や自家焼却など、近隣トラブルが増加する。

財政負担の軽減 ごみ減量により埋立施設の延命化などが可能となる。

手数料水準や収集体制の見直しによっては、財政負担が増加する場合がある。

循環型社会の実現 ごみの発生が少ない製品やサービスなど、拡大生産者責任の考え方が浸透する。

不法投棄や経済活動の低迷を助長することになる。

表-3 有料化制度の目的に係るメリット・デメリット

焼却ごみ

有料化 減量・資源化 焼却ごみ

(出典:H17年札幌市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

図-4 ごみの流れのイメージ

- 7 -

全国の有料化導入都市を見ると、大部分の都市でごみの減量効果を維持して

いる。

なお、有料化の導入によるごみ排出量の抑制効果は、もともと排出量が多い

都市ほどその効果の持続性は大きいことが見える。岐阜市は、中核市の中でご

み排出量が少ない都市ではないことから、有料化の導入効果は、他の中核市と

比べて大きいと考えられる。

図-5 有料化導入後の家庭系ごみの減量効果(資源ごみを除く)

図-6 有料化導入後の家庭系資源ごみの増量効果

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年から加工)

25

1923

19 20

3

9

17

24

1619

0

5

10

15

20

25

30

10%以上増加

10%未満増加

10%未満減少

10~19%減少

20~29%減少

30%以上減少

(市数) N=88

年度

5

の年

増加 減少

15 14

21

6 4

15

2319

12 118

28

0

5

10

15

20

25

30

減少

20%未満

増加

20%~49%

増加

50%~99%

増加

100%~199%

増加

200%以上

増加

(市数) N=88増加 減少

図-7 有料化によるごみ総排出量の変化(人口 10 万人以上の都市)

※ごみ総排出量は、計画収集量、直接搬入量、自家処理量を合わせた量であり、事業

系を含む総ごみ排出量 ※有料化している自治体を対象に、排出原単位の多い順に並べ上位 12自治体を高排出

群、少ない順に 11自治体を低排出群としている。(環境省委託業務報告書「ごみ処理の有料化に係る調査」 社団法人全国都市清掃

会議 15年 3月 より作成)

(出典:H17年京都市廃棄物減量等推進審議会

資料から)

全体

高排出群

低排出群

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

鹿

西

有料化自治体

(㎏/人・年)

一人当たりごみ総排出量

図-8 中核市の 1人当たりのごみ総排出量※(H21 年度)

(出典:環境省「一般廃棄物処理実態調査結果」から加工)

※計画収集量、直接搬入量、自家処理量を合わせた量であり、事業系を含む総ごみ排出量

- 8 -

② 公平性の確保

世帯構成など生活様式や介護世帯など個別の事情などが考えられることから、

現在、普及している資源化処理を前提にした場合、ごみの排出を「ゼロ」にする

という考え方は現実的ではない。ごみの排出量が多くても少なくても、ごみ収

集車は岐阜市内の集積場所を回り、焼却施設は毎日稼働することから、ごみを

出す以上、いわゆる「共益費」のような負担は必要ではある。しかし、税収のみ

を財源とするごみ処理事業において、ごみをたくさん出しても、減量化に努力

しても税金として支払う額は変わらない。

ごみ問題はすべての岐阜市民に共通の問題とすれば、減量への努力が報われ

る仕組は必要であり、ごみ処理に要する費用を明確にし、ごみ排出量に応じて

一定の負担を市民に求めることは、ごみ問題解決に対する負担の公平化が図ら

れ、ごみ減量行動への動機づけを高める効果が期待できる。

有料化制度を、ごみの排出者負担のバランスを最適化する一つの手段として

取り入れ、ごみ処理に関する費用負担の公平性を確保する。

平成 22 年度の普通ごみの処理に係る費用は 35,682 円/t(事業系 14,691 円/t)、

資源ごみ(ビン・ペット、カン)は 73,793 円/t となっている。これを、ごみ 1 袋当たり

に換算すると、家庭系普通ごみ 250 円/袋※、事業系普通ごみ 103 円/袋※、家庭

系資源ごみ 443円/袋※となる。※普通ごみは 7kg/袋、資源ごみは 6kg/袋、ごみ 1袋 45ℓとして試算

なお、一定の費用負担を考える場合、地域の社会経済状況や市民の受容性な

ども視野に入れ検討する必要がある。例えば、前述の岐阜市の家庭系ごみ(粗大

ごみを除く)の処理に要する費用は、1 か月当たり 1,695 円と試算される。この

金額は、1 世帯 1 か月当たりの電気代 8,421 円と比較すると約 1/5であるが、平

成 19 年に家庭系ごみの有料化を導入した藤沢市のアンケート調査では、経済的

に負担してもよいと思われる 1 か月当たりの金額として、500 円程度までとする

比率が多くなっている。

表-4 岐阜市のごみ処理原価(H22年度実績)

収集運搬 中間処理 埋立

普通ごみ ビン・ペット、カン 焼却 選別

経費(円) 1,763,377,720 221,363,896 1,685,829,324 233,451,752 172,457,939

処理量(t) 84,006 6,342 126,490 6,003 16,323 1t 当たり 原価(円/t・年) 20,991 34,904 13,328 38,889 10,565 1 世帯当たり 原価(円/t・年) 10,351 1,299 9,896 1,370 1,012

家庭系普通ごみの 1t当たりの処理費用は、

→20,991(収集運搬)+13,328(焼却)+(10,565×0.129※)(焼却残さ埋立)=35,682 円/t ※1tのごみを焼却した時に出る灰の量の割合:16,323÷126,490=0.129

家庭系資源ごみ(ビン・ペット、カン)の 1t当たりの処理費用は、

→34,904(収集運搬)+38,889(選別)=73,793 円/t

※施設建設に伴う減価償却分は含んでいない。(出典:事業概要から自然共生部が加工)

ごみ減量に取り組む ごみ減量に取り組まない

有料化による排出者負担 労力

労力

手数料 手数料

図-9 ごみ排出量に応じた費用負担のイメージ

- 9 -

③ 排出者としての意識改革

有料化の導入によって、ごみの排出量に応じて費用負担が発生することにな

り、市民が処理費用を意識し、ごみ排出に係る意識改革につながることが期待

される。その結果、最終的には、簡易包装製品や詰替製品などごみの発生が少

ない商品の選択や不用・不急の商品購入の抑制、製品の再使用の促進など発生

抑制効果が期待される。

一方、行政(岐阜市)においては、ごみ処理費用等に関する説明の必要性が高

くなり、市民に対するよりわかりやすい情報発信やごみ処理費用の削減に努め

ることとなる。いわゆる、地域全体に循環型社会をつくる機運・行動パターン

の醸成が期待される。

有料化制度を、循環型社会に向けた行動を広げる一つの手段として取り入れ、

市民、事業者、行政が一体となりごみ減量に向けた意識改革を推進する。

図-10 岐阜市のごみ処理経費と全国の 1 世帯 1 か月間の消費支出(H22年度)

(出典:総務省「家計消費状況調査」から加工)

1,695

8,421

4,791

4,141

4,775

6,660

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

岐阜市のごみ処理費用

電気代

ガス代

上下水道料

ガソリン代

移動電話通信料

(円/月)

図-11 経済的に負担してよいと思う 1か月の負担額

16.5

9.2

14.4

2.5

27.9

1.3 0.92.4

0.1

10.4

0.3 0.8

8.9

4.5

0

5

10

15

20

25

30(%)

100円

200円

300円

400円

500円

600円

700円

800円

900円

1,000円

1,200円

1,500円

N=7,890

(出典:藤沢市「ごみ有料化とごみ減量・リサイクルに関するアンケート調査報告書」H17年)

- 10 -

有料化の導入による意識の変化を調査した埼玉県旧与野市の結果を見ると、

有料化後に過剰包装の拒否やごみにならない製品を選択した市民が約 3 割あり、

ごみ減量意識は有料化によって一定程度高まると考えられる。また、市民の行

動による事業者のごみ減量行動が期待できる。

しかし、意識改革が十分に進まないと、例えば、京都市が実施した事業系ご

みの有料化による手数料負担状況の調査では、負担するべきごみ処理手数料を、

一般廃棄物収集運搬許可業者が排出事業者に求めることが難しい状況も見られ

る。

ごみ減量の意識は、これまでのごみ減量・資源化施策など地域性があると考

えられるが、経常的な啓発が必要であり、そのためには、有料化の導入と併せ

て、他のごみ減量・資源化施策が求められる場合も考えられる。その場合、例

えば、手数料収入を新たな分別収集にかかる費用や集団回収への助成など、市

民や事業者のごみ減量行動をさらに誘導する施策の財源に充てることで、ごみ

処理有料化制度の目的が明確になり、社会全体を循環型社会へ導くための施策

の充実が期待される。

図-12 有料化後の取組(埼玉県旧与野市における調査)

(出典:H17年京都市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

過剰包装の拒否 ごみにならない製品の選択

している73%

していない  25%

無回答2%

N=7510%

20%

40%

60%

80%

100%

している

有料化前 72%

有料化後 26%

無回答2%

N=545

している46%

していない  53%

無回答1%

N=7510%

20%

40%

60%

80%

100%

している

有料化前 65%

有料化後 34%

無回答1%

N=342

図-13 手数料改定分の排出事業者の負担状況(京都市)

(出典:京都市「許可業者搬入手数料に関するアンケート」H17年)

ほとんどの契約先に対

して転嫁できている10(12%)

大手企業など、ある程

度の契約先に対してできている10(12%)

排出事業者と交渉した

が転嫁できておらず、自社の利益や経費を切り詰める等で負担を吸収している     57(67%)

負担転嫁の交渉自体を

行っていない 6(7%)

未回答 2(2%)

N=85

料金改定の負担状況 排出事業者による負担を進められない理由

N=53(重複あり)

不況による影響34(50%)

行政による指導・啓発不足   14(21%)

他社との料金格差、競争の激化   13(19%)

その他7(10%)

- 11 -

Ⅱ ごみ処理有料化制度のあり方 本審議会において、有料化制度の仕組を検討するに当たり「制度の対象とするごみ

の種類」、「ごみ処理手数料の料金体系」、「ごみ処理手数料の料金水準」、「ごみ処理

手数料の使途」、「ごみ処理手数料の徴収方法」、「ごみ処理手数料の減免対象」の 6 つ

に整理し、それぞれについて、Ⅰごみ処理有料化制度の目的で述べた考え方を基本

に、望ましい有料化制度のあり方について検討を行った。その結果を以下のとおり

とりまとめた。

なお、検討に当たっては、指針に掲げる目標や他都市の有料化制度による効果な

ど調査結果や「一般廃棄物処理有料化の手引き」を参考に議論した。

1 制度の対象とするごみの種類

現在、岐阜市で有料化の対象としているごみの種類は、「粗大ごみ」と「がれき

類」となっている。そのため、本審議会では、「普通ごみ」と「資源ごみ」を議論の対

象とした。

区分 ごみの種類 手数料の有無※1 ○有料、×無料

収集運搬※2 処理・処分

生活系ごみ

家庭系ごみ 普通ごみ × ×

粗大ごみ ○ ○

がれき類 ○ ○

資源ごみ

ビン・ペットボトル × ×

カン × ×

廃乾電池 × ×

廃蛍光管 × ×

廃食用油 × ×

発泡スチロール/白色トレイ × ×

ペットボトルのキャップ × × ※3 × ×

生ごみ(生ごみ堆肥化推進事業) ※4 × ×

都市美化ごみ 普通ごみ × ×

粗大ごみ × × 資源ごみ

ビン・ペットボトル、カン × ×

その他 × ×

事業系ごみ

学校等(公立)ごみ※5

普通ごみ × ×

粗大ごみ × ×

資源ごみ

ビン・ペットボトル、カン × ×

発泡スチロール、紙類 × ×

その他 × ×

生ごみ × ×

一般ごみ 普通ごみ 民間 ×

粗大ごみ 民間 ○

資源ごみ

ビン・ペットボトル、カン 民間 民間

発泡スチロール、紙類 民間 民間

その他 民間 民間

実験動物死体※6 民間 ○

産褥汚物※6 民間 ○

資源分別回収 民間 民間

道路上の飼主不明犬猫等動物死体※6 × × ※1 市が収集運搬、処理・処分する場合の手数料の有無。民間とは、一般廃棄物収集運搬許可業者等での民間処理。

※2 自己搬入を除く。家庭系ごみで大掃除、引越等臨時・多量に出るごみを一度に処分する場合は「民間」となる。 ※3 柳津地域で実施 ※4 7地区 1団体の参加登録者で実施

※5 事業系であるが、収集管理上は生活系に含める。 ※6 処理・処分は、岐阜市斎苑で実施。

表-5 岐阜市の一般廃棄物の分別区分

(出典:岐阜市一般廃棄物処理実施計画から自然共生部が加工)

- 12 -

また、Ⅰごみ処理有料化制度の目的で述べた考え方から、制度の対象とするご

みの種類は、次のとおりとなることを踏まえ議論した。

① 家庭系ごみ

「指針」において「ごみ焼却量を 1/3 以上削減する」目標を大きく掲げている

ことからも、「普通ごみ」を有料化制度の対象とすることが必要である。

一方、「資源ごみ」は岐阜市の資源化率が伸び悩んでいる状況からも、現状

では無料とすることが適当である。但し、今後「資源ごみ」の分別の種類が増

えるなどの場合においては、分別排出の動機づけや不適正排出の抑制の視点

から、「指定袋」(ごみ処理手数料を含まない)の導入を検討することも必要と

なると考える。

なお、「資源ごみ」のうち、その他プラスチック製容器包装類と生ごみ堆肥

化推進事業における生ごみにおいて、現行の制度では、地域や参加者が制限

されるなどの課題があることから、有料化制度の導入に併せて、計画的に問

題解決を図る工程を示すことが望ましい。 ② 都市美化ごみ

家庭系ごみと同様な考え方であるが、「普通ごみ」については、「岐阜市ま

ちを美しくする条例」に基づく「530(ごみゼロ)運動」や岐阜市アダプト・プロ

グラムによる公園や河川の清掃活動などにより排出されるごみであり、この

活動の広がりによってごみ減量意識の推進が図られることから、従来どおり

無料とすることが適当である。 ③ 事業系ごみ

事業系ごみについては、「廃棄物処理法」により原則として事業者が自らの

責任において適正に処理することとされており、基本的には、収集・運搬・

処理費用を負担すべきである。よって、現在、無料としている「普通ごみ」の

岐阜市施設での処理については、有料化制度の対象とすることが必要である。

ただし、岐阜市の場合、小規模事業所が多く所在することから、「岐阜市廃

棄物の処理及び清掃に関する条例」に基づき、少量排出事業所については、家

庭系収集と同様な扱いとしており、一般廃棄物収集運搬許可業者による収集

を行っている一般の事業所と不公平を生じないよう、現状の排出状況や収集

実態等を踏まえ、計画的に適切な方法を検討すること望ましい。

視点 普通ごみ 資源ごみ

発生抑制 有料 有料 リサイクル 有料 無料 焼却量の削減 有料 無料 公平な負担 有料 有料 or 労力(分別)

表-6 ごみ処理有料化制度の目的から整理した考え方

図-14 岐阜市の従業者規模別の事業所数(民営)

18,790

17,594

16,529

15,222

15,031

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000

H8

H11

H13

H16

H18

~4人 ~9人 ~19人

~29人~49人~99人100人~

(事業所数)

(23,773事業所)

※参考 小規模企業の定義:従業員規模が製造業・その

他の業種は、20人以下、商業・サービス業は 5人以下(中小企業基本法)

(出典:岐阜市統計書「事業所・企業統計調査」から加工)

- 13 -

2 ごみ処理手数料の料金体系

有料化の手数料体系は、大別すると「単純従量制」、「超過従量制」の 2 つに分け

られる。本審議会においては、それぞれの体系のメリット・デメリットを整理し、

Ⅰごみ処理有料化制度の目的を踏まえ議論した。

なお、ごみ出しは毎日繰り返される作業であることから、誰もがわかりやすい

制度となるよう他都市の状況についても留意した。

表-7 手数料の料金体系

(出典:環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」から加工)

料金体系図 料金体系の仕組

中核市

県内市

単純従量制

①排出量単純比例型

・排出量に応じて、排出者が手数料を負担。 ・単位ごみ量当たりの料金水準は、排出量にかかわらず一定。 ・手数料は、[ごみ袋 1 枚当たりの手数料単価]×[使用するごみ袋

の枚数] ・均一従量制

中核市 8

県内市 13

○制度が単純でわかりやすい。 ○排出者毎の排出量を管理する必要がなく、制度の運用に要する費用が他の料金体系と比べて安価である。

●料金水準が低い場合は、排出抑制につながらない可能性がある。

超過従量制

②排出量多段階比例型

・排出量に応じて、排出者が手数料を負担。 ・排出量が一定量を超えた段階で、単位ごみ量当たりの料金水準

が引き上げられる。 ・累進従量制

関市

○排出量が多量である場合の料金水準を高くすることで、排出量が多量である者による排出抑制が期待できる。

●排出者毎の排出量を把握するための費用が必要となるため、運用に要する費用が増す。

③定額制従量制併用型

・一定の排出量までは、手数料が排出量にかかわらず定額。 ・排出量が一定量を超えると排出量に応じて一定の手数料を負

担。

○一定の排出量以上のみを従量制とすることで、特にその量までの排出抑制となる。 ○一定の排出量までを定額制にすることで、一定額以上の安定した手数料を徴収できる ●排出者毎の排出量を把握するための費用が必要となるため、運用に要する費用が増す。 ●一定の排出量以下の範囲内で排出量を削減する動機付けが働きにくい。

④一定量無料型

・排出量が一定量となるまでは手数料が無料。 ・排出量が一定量を超えると排出量に応じて一定の手数料を負

担。 ・ごみの排出に必要となるごみ袋やシールについて一定の枚数を

無料で配布し、さらに必要となる場合は、排出者が有料でごみ袋やシールを購入。

大垣市

○一定の排出量以上のみを従量制とすることで、特にその量までの排出抑制となる。 ●排出者毎の排出量を把握するための費用が必要となるため、運用に要する費用が増す。 ●一定の排出量以下の範囲内で排出量を抑制する動機付けが働きにくい。

⑤負担補助組合せ型

・排出量が一定量となるまでは手数料が無料。 ・排出量が一定量を超えると排出量に応じて一定の手数料を負

担。 ・排出量が一定量以下となった場合は、排出抑制の量に応じて排

出者に還元。

高山市

○一定の排出量以上のみを従量制とすることで、特にその量までの排出抑制となる。 ○排出者に還元されるため、「④一定量無料型」よりも排出抑制が期待できる。 ●排出者毎の排出量を把握するための費用が必要となるため、運用に要する費用が増す。

○メリット、●デメリット

金排出量

金排出量

金排出量

金排出量

金排出量

- 14 -

料金体系によるごみ減量効果については、東洋大学山谷修作教授による全国調

査によると、どちらの料金体系においてもその効果に差異は見られないとしてい

る。

また、他都市の料金体系を見ると、全国の

市(434 市)では、家庭系ごみの場合、「単純従

量制」が 93.3%(405 市)、「超過従量制」が

6.7%(29 市)となっている。中核市では、「単

純従量制」が、家庭系ごみの場合 100%(8 市中

8 市)、事業系ごみの場合 82.5%(40 市中 33

市)となっている。県内では、「単純従量制」が、

家庭系ごみの場合 81.3%(16 市中 13 市)、事業

系ごみの場合 89.5%(19市中 17市)である。

この調査結果を見ると、「単純従量制」を

採用している都市が多く、市民に受け入れ

やすい料金体系であると言える。

なお、札幌市が全国 10 万人以上の有料化導入都市における料金体系別の運用費

用を調査した結果を見ると、「超過従量制」は、手数料に対する運用費用の割合が

高い。

これらのことから、「超過従量制」は、一定量までは無料又は定額であることか

ら、一般的には負担が少なく受け入れやすさはあるものの、一定量までは減量の

動機づけが働かないことを考えると、有料化制度の目的である「排出者としての意

識改革」の制限になりかねない。また、一定量について世帯人員等による指定袋等

の配布を要するなど公平性の確保の問題、運用費用からも、その仕組が煩雑とな

ることが想定され、「超過従量制」は、市民や事業者にとってわかりにくさが残る。

そこで、その仕組が単純で誰もがわかりやすく、ごみ排出量に応じて減量化へ

の動機づけが働く方式として「単純従量制」を採用することが適当である。

図-15 有料化市の手数料の料金体系

※H24年 1月 4日現在

(出典:東洋大学 山谷修作教授調査 HPから)

0

34

9

23

01

0 0 00

2

4

6

8

10(市数)

N=22

10%未満

20%台

30%台

40%台

50%台

60%台

70%台

80%台

90%台

100%以上

10%台

0 0 0 0 0 01

21

0

2

0

2

4

6

8

10N=6

(市数)

10%未満

20%台

30%台

40%台

50%台

60%台

70%台

80%台

90%台

100%以上

10%台

図-16 一人当たりのごみ処理手数料に対する運用費用割合(単純従量制)

図-17 一人当たりのごみ処理手数料に対する運用費用割合(超過従量制)

(出典:H17年札幌市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

※人口 10万人以上の有料化実施都市に対するアンケート調査

単純従量制405(93.3%)

超過従量制29(6.7%)

N=434

家庭系ごみ

- 15 -

3 ごみ処理手数料の料金水準

ごみ排出量と手数料の関係を表すと右下がりの曲線となる(D)。有料化が実施

され手数料(P)が課せられるとごみ排出量(Q)は減少していくことが見込まれる。

処理費用の全部を手数料でまかなう場合、ごみ排出量に応じた公平性が最大限

確保されることになるが、住民の負担が重くなることなどから、手数料は、処理

費用の一部に見合う水準に設定することになる。

本審議会において、料金水準を検討するに当たり「排出抑制・再生利用の促進」、

「住民の受容性」、「周辺市町の料金水準」の 3 つに整理し、望ましい料金水準の範

囲について検討を行った。

また、料金水準については、他都市の事例においてもバラツキがあるため、ご

み排出量等の原単位を比較するなど比較する条件を統一し、岐阜市のごみ排出量

やごみ処理費用の現状と「指針」に掲げる目標の達成を視点に、根拠を示すことに

留意した。

Q2 Q1 Q0

P1

P2 E

(ごみ排出量)

(

手数料)

処理費用の全部有料化

処理費用の一部有料化

←②住民の受容性

←①排出抑制・再生利用の推進

←③周辺市町の料金水準

O Q3

P3

表-9 ごみ減量・資源化指針 2011のごみ減量目標

平成 19年度 ➡ 平成 35年度 削減率

ごみ総排出量 (焼却ごみ+資源ごみ)

175,000t

1,134g/人・日 ➡

160,000t

1,037g/人・日 8.6%

家庭系ごみ焼却量

(有料化による見込み)

89,500t

580 g/人・日 ➡ 62,000t

402 g/人・日

(528 g/人・日)

30.7% (9.0%)

事業系ごみ焼却量

(有料化による見込み)

40,700t

264 g/人・日 ➡ 32,200t

209 g/人・日

(238 g/人・日)

20.8% (9.8%)

※人口を 421,759人(H19 年度)として算出

表-8 岐阜市のごみ処理費用(H22年度)

家庭系普通ごみ 事業系普通ごみ 総ごみ処理費用※

250 円/袋※ 103 円/袋※ 235 円/袋※

収集運搬+中間処理+埋立 中間処理+埋立 全てのごみの 収集運搬+中間処理+埋立

※7kg/袋、ごみ 1袋 45ℓとして算出 ※総ごみ処理費用は、全てのごみ処理に要した総原価 33,562円/tから算出 (出典:事業概要から自然共生部が加工)

図-18 ごみの処理手数料と排出量のイメージ

- 16 -

検討結果を整理すると次のようになる。なお、この試算については、巻末資料

を参照されたい。

表-10 手数料水準の検討結果(家庭系ごみ)

検討項目 (検討資料等)

1ℓ当たりの手数料水準(円/ℓ) ~ 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 ~

①排出抑制・再生利用の推進の視点から

ごみ総排出量の削減率

(人口 10万人以上の都市統計)

ごみ焼却量の削減率①

(全国統計)

ごみ焼却量の削減率②

(人口 10万人以上の都市統計)

1人当たりの排出量

(人口 10万人以上の都市統計)

②住民の受容性の視点から

分別行動の促進効果

(アンケート調査)

ごみ袋の種類

(人口 10万人以上の都市統計)

可燃ごみ(普通ごみ)の場合、3種類が多い。

③周辺市町の水準の視点から

手数料水準の分布①

(人口 10万人以上の都市統計他)

手数料水準の分布②

(周辺市町の統計)

ごみ処理費用の負担率

(人口 10万人以上の都市統計)

手数料の管理費用

(人口 10万人以上の都市統計)

検討項目 (検討資料等)

1ℓ当たりの手数料水準(円/ℓ) ~ 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 ~

①排出抑制・再生利用の推進の視点から

1人当たりの排出量

(中核市統計)

②住民の受容性の視点から

家庭系ごみとのバランス

(廃棄物処理法)

事業者は、その事業活動に伴って廃棄物を自らの責任において適正

に処理しなければならない。

③周辺市町の水準の視点から

手数料水準の分布①

(人口 10万人以上の都市統計他)

手数料水準の分布②

(周辺市町の統計)

家庭系ごみとの比較

(人口 10万人以上の都市統計他)

料金水準は、家庭系ごみの 0.5倍~2.5 倍となっている。

ごみ処理費用の負担率

(中核市、県内市の統計)

表-11 手数料水準の検討結果(事業系ごみ)

3.7円/ℓ

2.9円/ℓ

6.7円/ℓ

0.6円/ℓ

0.6円/ℓ以上

1.4円/ℓ

0.6円/ℓ 1.2円/ℓ

1.6円/ℓ以下

1.0円/ℓ

0.8円/ℓ以上

0.7円/ℓ以上

1.0円/ℓ以上

0.6円/ℓ 1.2円/ℓ

0.9円/ℓ 2.2円/ℓ

0.9円/ℓ

5.0円/ℓ

0.1円/ℓ 1.1円/ℓ 1.7円/ℓ

2.2円/ℓ

1.6 円/ℓ

2.2円/ℓ

必要と試算される手数料の範囲

- 17 -

① 家庭系普通ごみ

(1)手数料水準

3つの検討課題を満たす手数料水準の望ましい範囲として、

ごみ袋の容量 1ℓ当たり 0.7 円~1.4 円の範囲とすることが適当である。これは、

一般的なごみ袋 45ℓに換算すると、32円/袋~63円/袋に相当する。

(2)ごみ袋の種類

容量の異なるごみ袋を用意することで、排出するごみ袋のダウンサイジング

への誘導を図るとともに、多様な生活様式(世帯人員など)に配慮することがで

きる。しかし、種類を多くすることで、制度運用に負担がかかることが懸念さ

れることから、当面は 3種類程度とすることが適当である。

なお、袋の形態等については、取っ手付きのごみ袋が結びやすく持ち運びし

やすいものや、ごみ集積所の美観を考慮することも考えられる。

② 事業系普通ごみ

(1)手数料水準

事業系ごみについては、前述したとおり、排出者責任の考え方から、家庭系

ごみよりも手数料水準を高く設定する必要がある。しかし、既に、少量排出事

業所を除く一般の事業所においては、一般廃棄物収集運搬許可業者による収集

の対価を支払っている。また、少量排出事業所については、現在、家庭系収集

と同様な扱いをしていることから、手数料水準を家庭系と区別することは、事

業者にとってわかりづらく、手数料制度の事務も煩雑となることが想定される。

これらの状況も踏まえ、手数料水準の望ましい範囲として、

家庭系普通ごみと同様に、ごみ袋の容量 1ℓ当たり 0.7円~1.4円の範囲とする

ことが適当である。

(2)ごみ袋の種類

家庭系普通ごみと同様な考え方が望ましい。

なお、この範囲において、家庭系普通ごみの 1 か月あたりの負担額を試算す

ると次のようになる。

表-13 世帯当たりの負担額のシミュレーション(ごみ袋の種類別)

ごみ袋の種類 (1円/ℓの場合)

ごみ袋の使用枚数(袋/世帯・月)

当初 (405ℓ)

10%減量 (365ℓ)

20%減量 (324ℓ)

40%減量 (243ℓ)

45ℓ/袋(45 円) 9袋 7 袋 5袋 0 袋

30ℓ/袋(30円) - 1 袋 2袋 7 袋

20ℓ/袋(20円) - 1 袋 2袋 2 袋

負担額(円/世帯・月) 405 円 365 円 325 円 250 円

負担額(円/世帯・年) 4,860 円 4,380 円 3,900 円 3,000 円 ※ごみ袋の使用枚数を、1回の収集に 1袋使用するものとした。当初の 1か月当たりの使用枚数は 9袋として算出。

表-12 世帯当たりの負担額のシミュレーション(手数料水準別)

手数料 負担額(ごみ袋 7枚/月) ➡ 負担額(ごみ袋 5枚/月)

32円(0.7円/ℓ) 224 円/月 ➡ 160 円/月

36円(0.8円/ℓ) 252 円/月 ➡ 180 円/月

45円(1.0円/ℓ) 315 円/月 ➡ 225 円/月

54円(1.2円/ℓ) 378 円/月 ➡ 270 円/月

63円(1.4円/ℓ) 441 円/月 ➡ 315 円/月 ※ごみ袋 1袋を 45ℓとして算出。1か月当たりのごみ袋使用枚数は、「指針」の目標値から算出。

- 18 -

4 ごみ処理手数料の使途

手数料収入の使途については、市民にとってわかりやすい方法にすることが求

められる。Ⅰごみ処理有料化制度の目的の一つとして「排出抑制や再生利用の促

進」を掲げていることから、手数料収入はこの分野の施策の経費として使用される

ことが適当である。

例えば、手数料収入のうち有料化に伴う運用経費を除いた分を基金として積み

立て、新たな分別収集の費用や地域のごみ減量活動への支援に用いることが考え

られる。また、この場合、市民のごみ減量・資源化施策へのニーズを把握し、市

民がその使途に対して理解できるよう努めることが求められる。

こうした、手数料収入の使途を前もって定めておくことで、有料化制度への理

解を深め、排出抑制への市民の意識を高めることが期待できる。

なお、特定財源化や基金として運用している都市は少ないものの、部会において

実施した多治見市担当者との意見交換において、市民が有料化制度を理解する上

で有益な仕組であったことを踏まえると、岐阜市においても検討していくべきで

ある。

市民意見等

・資源分別回収事業奨励金制度の充実

・資源をいつでも出せる回収拠点の設置

・生ごみの分別収集

・イベント時のリユース食器の貸し出し

・生ごみ処理機の購入助成

・啓発チラシの定期的な配布

表-14 ごみ減量に関する市民意見等

※「指針」の策定時に寄せられた意見等から

図-19 手数料収入の運用方法

【全国】 【中核市】 【県内市】

他の手数料と同様の一般財源として運用している

特定財源化して運用している

基金化して

いる

その他

136(59.4%)69(30.1%)

11(4.8%)

13(5.7%)

N=229

他の手数料と同様の一般財源として運用している特定財源化

して運用している 3(37.5%)

5(62.5%)

N=8

他の手数料と同様の一般財源として運用している

特定財源化して運用している

基金化して

いる

2(22.2%)6(66.7%)

1(11.1%)

N=9

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 2回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H17年)

(出典:地方行財政調査会「都市のごみ処理有料化に関する調べ」H20年 9月から加工)

- 19 -

5 ごみ処理手数料の徴収方法

手数料徴収するための媒体としては、「指定袋」、「シール」、「納付書」の 3 つの

方法が考えられる。「納付書」とは、事業系ごみを直接、焼却場等へ持ち込む場合

トラックスケール等を通して、重量を計測し、その量に応じて現金又は納入通知

書により手数料を支払う方法である。

これまで、岐阜市においては、普通ごみの場合、一般的に市販のごみ袋を使用

して排出してきており、広く市民や事業者に周知されている方法と言える。また、

袋にごみを入れる時点で、指定袋の場合、排出量抑制の動機づけが強く働くと想

定される。

これらのことから、ごみ集積場の美観や収集時の視認性、不適正排出を確認す

るための容易性などの観点からも、指定袋の販売により手数料を徴収することが

適当である。

なお、普通ごみにのみ指定袋を導入した場合、従来、使用していたごみ袋は、

資源ごみ用として使用することにより、無駄なく使用することができると考えら

れる。

表-15 手数料の媒体の特徴比較

○メリット ●デメリット

区分 指定袋 シール

取扱いや

すさ

○収集する際に、排出されているごみの量を確認することが容易である。

●まとまると重くなり、かさばるために取り扱いにくい。

○ごみ袋に入らない大きさや形の廃棄物を排出する場合にも使用することができる。

○小さいため取り扱いは容易である。 ●収集する際に、排出されているごみの量を確認することが比較的困難である。

●小さいため紛失しやすい。

必要な対

○排出抑制効果を得るためには、複数の大きさのごみ袋を用意し、より容量の小さいごみ袋に移行するインセンティブを付与することが重要である。

●ごみの種類毎に手数料の料金水準を変える場合には、排出及び収集する際に容易に確認できるように、ごみ袋の表示や色などについて工夫が必要である。

○排出抑制効果を得るためには、複数の大きさに対応したシールを用意し、より容量の小さいごみ袋に移行するインセンティブを付与することが重要である。

●ごみの種類毎に手数料の料金水準を変える場合には、排出及び収集する際に容易に確認できるように、シールの表示や色などについて工夫が必要である。

行政事務

への影響

●まとまると重くなり、かさばるために、各世帯へ無料配布を行う場合の事務負担は、比較的多い。

○小さいため、各世帯への無料配布を行う場合の事務負担は比較的少ない。

市場への

影響

●既存のごみ袋の市場への影響について考慮する必要がある。

○既存のごみ袋の市場への影響は少ないと考えられる。

レジ袋の

扱い

●レジ袋をごみ袋として活用できないため、レジ袋で排出することを防止するなど取り扱いを検討する必要がある。

○レジ袋をごみ袋として利用することも可能となる。

主な採用

事例

・排出量単純比例型 ・排出量多段階比例型 ・一定量無料型 ・負担補助組合せ型

・一定量無料型 ・負担補助組合せ型

※財団法人東京市町村自治会編(2002)「家庭ごみ有料化導入ガイド」日報出版を基に作成 (出典:環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」から加工)

- 20 -

6 ごみ処理手数料の減免対象

ごみ処理有料化制度は、Ⅰごみ処理有料化制度の目的の一つとして「公平性の確

保」を掲げており、ごみ排出量に応じて一定の負担を市民や事業者に求めるもので

あるから、原則としてすべての市民や事業者がその対象となるべきである。

このため、減免対象の考え方として、本審議会としては、できる限り範囲を狭

くすることが適当であると考える。

社会的弱者にとって過度な負担とならないよう、「生活保護受給世帯」、「天災そ

の他の災害を受けた者」及び前述したとおり「地域でのボランティア清掃活動によ

り出された普通ごみ(都市美化ごみ)」を対象とすることが望ましい。

また、部会の議論の中で、有料化制度の目的に鑑み「減免措置に応じたごみ処理

費用は、他の市民等が支払っていることを忘れてはならない」、「幼児のおむつを

布おむつでがんばっている家庭もあり、大量廃棄される紙おむつを奨励すること

とならないように」と言った意見があったことを追記しておく。

表-16 減免対象と減免額の試算

減免対象 対象量 減免額(年間)

生活保護を受けている世帯 4,314 世帯 (362,376 袋) 16,307 千円

要介護 3~5の認定者のいる世帯※ 5,491 世帯 (461,244 袋) 20,756 千円

3歳未満の乳幼児がいる世帯※ 10,425 世帯 (875,700 袋) 39,406 千円

ボランティア清掃により出されたごみ

(都市美化ごみ) 779t

(111,286 袋) 5,008 千円 ※ごみ袋 1袋当たり 7㎏、手数料水準を 45円/袋、ごみ排出量を 1世帯当たり 7袋/月(84袋/年)、減免割合を 100%として試

算した。該当する 1人当たり 1世帯とした。減免額に加え、ごみ袋の配布に要する費用は別途必要となる。

表-17 岐阜市の手数料徴収に係る減免制度

手数料等の名称 減免対象

天災火事 生活保護

世帯 身障者

母子家庭

世帯等

粗大ごみ処理の手数料 ○ ○

戸籍、住民票交付手数料 ○

市税 ○ ○ ○

国民健康保険料 ○ ○ ○

介護保険料 ○

保育料 ○ ○ ○

市営住宅家賃 ○ ○

(出典:自然共生部調べ) ※個別の対象により減免率が設定されている

- 21 -

Ⅲ ごみ処理有料化制度の実施のあり方 ごみ処理有料化については、他都市の事例でもごみの減量効果は見られ、「指針」

に掲げるごみ焼却量削減目標の達成に向けてその「メリット」が期待される。

一方、Ⅰごみ処理有料化制度の目的でも述べたように、個別の手段として見た場

合、不適正排出や不法投棄など「デメリット」も懸念される。そのため、その「デメ

リット」の部分を小さくする対策に加え、「メリット」の部分をできる限り大きくし、

かつ、持続する“ごみ減量・資源化施策パッケージ”の視点が必要と考える。

これらの考え方から、本審議会では、ごみ処理有料化制度を導入及び実施する場

合において、「他施策との併用」、「関係者への周知」、「懸念される課題への対応」の 3

つをパッケージとして整理した。

1 他施策との併用

有料化により期待される「ごみの流れ」は 2 つある。一つは、ごみをできる限

り発生させない行動をとることによる「発生抑制」、もう一つは、従来ごみとし

て排出していたものの中に含まれていた資源化可能なものを資源として分別排出

する「資源分別(再利用、再生利用)」である。

しかし、「ごみの流れ」のための受け皿(施策)がなければ、有料化を導入しても

市民等の意識改革や分別行動に結びつかず、いたずらに経済的負担を課すだけと

なる。

全国の有料化導入都市を見ると、有料化と同時又はその前後において、約 70%の

都市がごみ分別の受け皿整備を拡充することにより、減量効果の強化と市民負担

の軽減に取り組んでいる。「指針」においても、「発生抑制」や「資源分別」策が掲げ

られており、その着実な取組が求められる。

図-20 有料化によるごみ減量・資源化効果のイメージ

焼却ごみ

資源ごみ

焼却ごみ

資源ごみ

発生抑制

焼却ごみ

資源ごみ

発生抑制

資源化可能ごみ 発生抑制可能ごみ

有料化導入前 有料化導入後① 有料化導入後②

発生抑制

表-21 ごみ減量・資源化指針 2011の取組(岐阜市)

区分 主な取組

発生抑制

(家庭系ごみ)

・生ごみ減量キャンペーン(残った食材を利用した料理教室など)

・ごみ減量実践事例集の配布

・不適正排出の指導の徹底

(事業系ごみ) ・ごみ減量相談窓口の充実

・不適正排出の指導の徹底

資源分別

(家庭系ごみ)

・資源分別回収事業の奨励金制度の充実

・資源ごみの回収拠点の増設

・生ごみコンポストの普及

・その他プラスチック製容器包装類の分別収集の検討

(事業系ごみ) ・立入指導対象事業所の拡大

・焼却施設搬入検査の強化

(出典:「ごみ減量・資源化指針 2011」から)

- 22 -

また、岐阜市のごみ分別は、最終的には他都市と比較して大きな差はないもの

の、市民等から「分別が緩い」との意見がある。後述するが、ごみ減量の仕組や啓

発活動に係る行政の熱意が市民等に受け入れられなければ、市民等の行動は期待

通りには進まない一面が考えられる。「分別」に関しては、他都市の事例から見た

場合、シャンプーボトルなどの「その他プラスチック製容器包装類」やせん定枝な

どの「バイオマス系ごみ」の分別があげられる。これらの分別においては、中間処

理施設の建設や収集体制の整備など越えなければならない課題はあるものの、そ

の方向性について市民等に示していく姿勢が求められる。

なお、こうした行政からの取組とともに、ごみ排出者自らのごみ減量・資源化

への取組も求められることから、中心部・郊外部といった地域特性や住居の形態

など様々な生活様式に応じた施策の提供を検討していく必要もある。

併用策の実施時期については、有料化導入都市を見ても様々であり、「指針」に

おいても多様なごみ減量・資源化施策の工程が示されていることから、適時、実

施していくことが適当と考える。

表-19 家庭系ごみの有料化とともに実施した併用策の事例(中核市)

市名 有料化実施年度 主な併用策

旭川市 H19年 8月

H16年 1月 H18年 6月 H19年 8月 H22年 6月

段ボールの分別収集 排出指導強化(指導係 15 名→27 名、指導査察車 7 台→12 台)、その他プラスチック製容器包装類の分別収集 せん定枝の戸別収集、廃食用油、布類の拠点回収 資源ごみ(小型家電、雑がみ、金属類、新聞・雑誌)のクリーンセンター、地区・住民センターにおける拠点回収を試験的に開始

函館市 H14年 4月 H10年 4月 H14年 4月 H14年 5月

資源ごみ(カン、ビン、ペットボトル)の分別収集全市域拡大 その他プラスチック製容器包装類の分別収集、電気式生ごみ処理機購入補助制度、ごみ散乱防止ネット等購入補助制度 不法投棄監視カメラによる常時監視開始

長野市 H 8年 11月

H21年 10月

H 7年 8月 H 8年 4月 H 8年 11 月 H 9年 4月 H16年 4月 H17年 7月 H21年 10 月

サンデーリサイクル(スーパー等 8 か所でビン・カンの拠点回収、H8 年ペットボトル追加、H16年新聞・雑誌、蛍光管追加) 生ごみ処理機購入補助制度 ペットボトルの分別収集 リサイクルハウス設置事業補助制度(集団回収時の一時保管庫) その他プラスチック製容器包装類の分別収集 生ごみ減量アドバイザー派遣制度 せん定枝の分別収集

高松市 H16年 10月 H10年 H12年 7月 H21年

電気式生ごみ処理機購入補助制度 その他プラスチック製容器包装類の分別収集 集団回収の活動補助金を各種補助金とともに地域まちづくり交付金として一元化

熊本市 H21年 10月 H21年 4月 H21年 7月 H21年 10 月 H22年 10 月

ごみ集積所管理助成 集団回収奨励金 4円/㎏→6円/㎏、保管庫設置補助 廃食用油、蛍光管、乾燥生ごみ、せん定枝の拠点回収 その他プラスチック製容器包装類、紙製容器包装類の分別収集

宮崎市 H14年 6月 H10年 4月 H12年 4月 H15年 4月 H17年 7月 H23年 1月

カン、ビン、金属類の分別収集 ペットボトルの分別収集 有料指定ごみ袋の種類を追加(40ℓ、30ℓ、20ℓ→+10ℓ) その他プラスチック製容器包装類の分別収集 市全域で有料化(合併した旧 3町域)

(出典:各都市の「清掃事業概要」から加工)

表-20 事業系ごみの減量対策の事例

・焼却施設への資源ごみ持ち込み制限(搬入ごみの検査強化)

・条例や要綱に基づく、排出事業所への立入指導の拡大(対象事業所の拡大)

・小規模事業者による集団回収(オフィス町内会)

・ごみ処理手数料の見直し

- 23 -

2 関係者への周知

ごみ処理有料化制度がごみ減量・資源化施策の一つの手段として成功するため

には、市民等の十分な理解と協力が必要である。そのためには、その目的や必要

性、課題への対応など岐阜市の考え方や取組意欲を、市民等に「伝え」、意見を「聴

く」、「答える」と言った機会が求められる。

図-22 市民参加のあり方のイメージ

(中間)報告書 ごみ減量・資源化

検討部会の議論 方針決定

環境審議会

の議論・答申

市民・事業者の意見の反映

ごみ処理有料化制度の導入に関する、

1 2

市民参加の視点

①報告書とりまとめ前 →検討部会の議論の内容を情報発信する。

②報告書とりまとめ後 →報告書等の内容について意見交換会を開催する。

③方針決定前 →具体的な制度を含めた有料化の是非について、市民等から

広く意見を聴く。

表-21 有料化の導入にかかる市民説明会等の事例(中核市)

市名 有料化実施年度 主な取組

旭川市 H19年 8月 H16 年 9月 H17 年 7月 H18 年 3月 H18 年 10 月

審議会から答申 地域住民懇談会 条例改正 地域住民説明会 318回(~H19年 5月)

函館市 H14年 4月 H12 年 1月 H12 年 8月 H13 年 3月 H13 年 9月 H14 年 3月

審議会から答申 素案について意見交換会 33 会場 2,063 人(~H12 年 11 月) 条例改正 住民説明会 166 会場 11,770 人(~H13年 11月) 試行指定ごみ袋の全戸配布

長野市 H 8年 11月

H21年 10月

H19 年 11 月 H20 年 6月 H20 年 7月 H21 年 7月

審議会から答申 条例改正 住民説明会 1,071 回 43,640 人、出前講座・地区役員会 21 回719人(~H21年 3月) 外国籍市民対象説明会 30人

下関市 H15年 6月

H17年 10月

H18年 4月

H23年 4月

H14 年 7月 H14 年 9月 H15 年 1月 H15 年 6月

審議会から答申 条例改正 住民説明会 665 回 46,678 人、不動産業者対象(~H15年 7月) 試行指定ごみ袋の全戸配布

熊本市 H21年 10月 H16 年 3月 H17 年 1月 H18 年 1月 H18 年 3月 H18 年 3月 H20 年 4月 H20 年 7月 H20 年 10 月 H20 年 12 月 H21 年 2月 H21 年 10 月

ごみ減量・リサイクル推進基本計画策定(有料化実施計画) 地域説明会 453 回 14,556 人(~H18年 1月) 条例案の地域説明会 36回 1,147 人(H18 年 3月) 条例案否決(時期尚早) 地域説明会 701 回 24,371 人(~H20年 3月) 「有料化の基本的考え方」5か所の公民館で拠点説明会 「有料化の骨格素案」16 か所の公民館で拠点説明会 「条例案」5か所の公民館で拠点説明会、パブリックコメント 条例改正 地域説明会 741 回 30,958 人(~H21年 9月) 有料化実施前後 2 週間早朝 7 時半~8 時半に全庁体制(職員約800人)と地域住民(自治会協力員 23,047 人)による啓発チラシ配布

(出典:各都市の「清掃事業概要」から加工)

- 24 -

本審議会において、その機会として「①報告書とりまとめ前」、「②報告書とりま

とめ後」、「③市の方針決定前」の 3つの時期における考え方を整理した。

現在、①については、市広報紙やホームページ、コミュニティセンター等での

部会議事録等の閲覧ができるよう手続が行われている。また、市の「出前講座」に

おいても、「指針」の説明の中でごみ処理有料化制度の検討に係る情報発信をして

いるとの報告を受けている。

今後は、②として「報告書」等に係る市民等の意見を聴く機会として、例えば、

地域別に意見交換会を開催するなど、「出前講座」のような受動的な場ではなく、

積極的な機会の場づくりを提案する。そして、最終的には、③としてごみ処理有

料化制度に係る市の考え方を示す「方針書(案)」を決定する前において、パブリッ

クコメント手続やより丁寧な説明会の開催に努めることが必要である。

このように、ごみ処理有料化制度を導入する場合は、十分な周知期間の確保と

ともに行政による積極的な啓発活動が望まれる。

また、部会の議論の中で、「他都市の事例を見ると例えば、長野市では 1,000 回

を超える住民説明会を開催している。とても一担当者で対応できる数ではなく、

全市あげての熱意が感じられる」と言った意見があったことを追記しておく。

なお、説明会を実施する場合は、回数や参加人数のみを目標とするのではなく、

丁寧な説明に努めることを意識することが大切であることは言うまでもない。

3 懸念される課題への対応

本審議会として、ごみ処理有料化制度の導入により懸念される課題として「①不

適正排出・不法投棄の増加」、「費用負担への慣れ」、「分別意識の低下」の 3 つに整

理した。これらの課題に共通する点として、「ごみ排出者の意識」があげられ、そ

の対応策としては、前述したような有料化の目的を含めたごみ減量の必要性やそ

の成果及び手数料収入の使途についての情報を継続的に市民等に対して発信して

いくことが求められる。

そして、不適正排出や不法投棄が多くなることが懸念されているが、有料化導

入都市を見ると、特段の増加は見られない事例が多く、有料化以前の状況に影響

を受けるとも考えられる。

したがって、これら懸念される課題については、有料化導入の有無に関わらず、

防止対策の体制整備を図るべきものとも言える。

図-23 有料化の導入により懸念される課題イメージ

課題解決の視点

①不適正排出・不法投棄の増加 →防止対策の体制を十分に整備する。

②費用負担への慣れ →資源分別の充実や減量成果の情報発信を継続する。

③分別意識の低下 →手数料収入の使途を明確にする。

排出抑制・分別

費用負担を減らすための行動

有料化

①不適正排出・不法投棄の増加

意識の変化

②費用負担への慣れ・順応

③分別意識の低下

- 25 -

また、「ごみ排出者の意識」向上への対応策の一つとして、「戸別収集」があげら

れるが、有料化導入都市の事例を見ると、多くの都市が、従前どおりの「集積所方

式」を採用しており、「戸別収集」の切り替えにより、収集作業に手間がかかり、収

集時間や経費が増加する「デメリット」がある。東京多摩の都市の事例では、収集

費用が平均して 20~30%程度増加している。ごみ排出者の意識や都市部・農村部の

地域特性によってその導入効果は大きく変化するとも考えられるが、検討課題と

してあげておく。

なお、現在の岐阜市のごみ集積所は約 22,900 か所あり、単純計算で 1 集積所当

たりの戸数は、6.6 戸となっており、「集積所方式」の他都市と比較して少なく、部

会の議論の中で、「不適正排出が多い地域において戸別収集を採用する」と言った

意見があったことを付記する。

一方、事業系ごみについては、「廃棄物処理法」による事業者責任の適正処理に

係る指導を徹底・強化が求められる。また、主に、一般廃棄物収集運搬許可業者

は、排出事業者にとって、排出されたごみの処理についての判断に必要な身近な

情報源であることから、事業系ごみの有料化制度を含めた減量・資源化策を進め

る上で、重要な役割を担っている。

これらのことから、事業系ごみの有料化制度を導入する場合は、許可業者との

十分な情報共有や連携が望まれる。

図-24 家庭系ごみ有料化を契機とした収集方法の変更

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年)

集積所方式をそのまま

維持した195(81.3%)

N=240

戸別収集をそのまま維持した 14(5.8%)

集積所・戸別両収集方式の併用をそのまま維持した 8(3.3%)

集積所方式から戸別収集に切り替えた14(5.8%)

粗大ごみのみを戸別収集に切り替えた7(2.9%)

戸別収集または両方式併用から集積所方式に切り替えた 2(0.8%)

表-22 岐阜市のごみ集積所の状況

区分 箇所数 住居形態別戸数※

戸/か所 戸建住宅 集合住宅

ごみ集積所 約 22,900 91,820 59,020

6.6 150,840

(参考 資源分別回収事業)

資源集積所 約 1,500 150,840 100.6 ※H15 年住宅・土地統計調査の統計値。集合住宅とは、「長屋建」、「共同住

宅」の合計値とした。 (出典:戸数は「岐阜市統計書」H22年)

- 26 -

Ⅳ ごみ処理有料化制度の評価と見直し

ごみ処理有料化制度を導入した場合、効果ある制度として継続していくため、定

期的に制度の点検と制度の見直しも視野に入れた評価を行う必要がある。点検・評

価に当たっては、Ⅰごみ処理有料化制度の目的で示した目的の達成状況を視点とす

るとともに、制度の位置づけとして、ごみ減量・資源化施策の一つであることを踏

まえ、他の併用策の達成状況も同時に点検・評価していく体制づくりが求められる。

また、点検・評価結果については、市民等に対しわかりやすく情報発信を行うこ

とが重要である。

1 評価と見直しの進め方

ごみ処理有料化制度については、「指針」において検討事項の一つとして掲げら

れており、導入された場合に見込まれるごみ減量目標値が示されている。このこ

とから、点検・評価作業に当たっては、「指針」を進行管理していくために作成さ

れた「ごみ減量・資源化指針アクションプラン」(H24 年 3 月作成)を見直し、有料化

制度に係る点検・評価を追加・組み入れることで、ごみ減量・資源化施策の一つ

である有料化の実施状況についても進行管理していくことが適当である。

図-25 進行管理のイメージ

ごみ減量・資源化指針アクションプランの見直し工程 西暦年度 2007 ~ 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023

平成年度 19 ~ 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35

ごみ減量・資源化

指針

指針

アクションプラン

策定

次期アクションプラン

公表 評価

※ごみ減量・資源化行動の核となる取組(資源分別回収、店頭回収など)

情報共有

岐阜市 (ごみ減量・資源化推進対策本部)

点検

岐阜市ごみ減量対策推進協議会 各地域核※

見直し

指針 アクションプラン

岐阜市環境審議会

有料化方針書

アクションプラン

年次報告書

追加 組み入れ

策定

- 27 -

2 点検・評価の実施

ごみ排出量の最近の動向としては、全国的に減少傾向であり、岐阜市の場合で

も同様である。この要因の一つとして、国の報告書においても経済活動の落ち込

みがあげられている。このように本来のごみ減量・資源化施策による効果を計る

ことは難しい一面があることから、その評価においては、ある程度の期間が必要

とする見方もある。

しかし、点検結果の公表の仕方により、有料化の効果だけでなく、岐阜市が直

面するごみ処理問題、減量や分別の意義や方法など、ごみ減量・資源化施策への

理解を市民等に深めてもらう好機となる。

有料化導入都市においては、定期的にごみ排出量の状況や有料化による手数料

収入の使途などを情報発信している事例もあることから、できる限り適時にごみ

処理状況を点検し、結果を公表していくことが望まれる。

また、評価については、毎年行い必要に応じて、効果の維持若しくは効果を向

上させる対策を検討、実施することが求められる。

なお、情報発信については、例えば、総量だけでなく、一人当たりや他都市と

の比較など、その数値の意味することをわかりやすく伝える工夫が必要である。

3 制度の見直し

ごみ処理有料化制度は、ごみ減量・資源化施策の一つであることから、「指針」

の考え方や目標が、大きく変更される場合には、その変更に即して、制度を見直

す必要がある。また、毎年実施する点検・評価作業により、Ⅰごみ処理有料化制

度の目的で示した目的や期待される効果の達成が不十分である場合においても、

制度の仕組や併用策の見直しを検討することとなる。

見直しの時期については、部会の議論の中で「見直し期間によっては、かえって

市民等のごみ排出に混乱を及ぼす」と言った意見もあったが、結果として見直しを

行わないことも想定されるが、定期的に見直す手続を準備することで、市民等の

制度に対する理解を得られることにつながると考える。この場合、「指針」の見直

し期間は 5 年毎、また、岐阜市の公園や駐輪場など公共施設の使用料算定基準の

考え方を示した「公の施設の使用料算定基準」(H21 年 10 月策定)では、原則、3 年

毎に見直しの手続を行うこととなっていることを参考とし、制度の見直し時期と

して、概ね 5年毎に実施することが適当である。

表-23 点検・評価の情報発信の事例

(出典:各都市 HPから)

都市名 概要

北九州市 「家庭ごみの減量・リサイクルフォローアップ委員会」

・有料化の見直しを契機に、ごみの減量や分別・リサイクルの状況、ごみ処理・リサイ

クルに関するコストなどの情報を、学識経験者、事業者、NPO、市民(一般公募)など、

関係者で共有し、ごみの減量・リサイクルの促進などの議論を深め、「家庭ごみの収

集制度の見直し」の効果などを継続的に検証していくため設置。

長野市 「ながのゴミ通信」 ・有料化の見直しを契機に、ごみに関する情報を市民にわかりやすく情報発信するため定期的に発行。

熊本市 「熊本市ごみレポート」 ・有料化による手数料収入の使途を市民にわかりやすく情報発信するため、年次報告書を作成。

- 28 -

この手続においては、点検・評価作業と同様に、見直しの検討状況は原則公開

とし、市民等に対する情報発信に努めるとともに、本審議会において審議に付す

ことを望む。

表-24 有料化制度の見直し事例(家庭系ごみ)

都市名 概要

長野市 H 8年 11 月 H21年 10 月 (理由)

一定量無料型による有料化実施 排出量単純比例型に見直し ・審議会からの答申による。 ・「循環型社会の構築を目指していくには、従来施策だけでは限界」 ・「ごみの排出者としての自覚と責任を明確に意識できる」

下関市 H15年 6月 H17年 10 月 H18年 4月 (理由) H23年 4月 (理由)

排出量単純比例型による有料化実施 料金水準の見直し(資源ごみ 30 円/45ℓ→20円/45ℓ) 料金水準の見直し(可燃ごみ 50 円/45ℓ→45円/45ℓ) ・合併 4 町の料金水準が低いことを考慮 料金水準の見直し(可燃ごみ 45 円/45ℓ→30 円/45ℓ、資源ごみ 20 円/45ℓ→18 円/45ℓ) ・審議会からの答申による。 ・ごみ減量が順調に進み、市民の意識が高まったため。

多治見市 H 9年 1月 H17年 7月 (理由)

排出量単純比例型による有料化実施 料金水準の見直し(可燃・不燃ごみ 18 円/42ℓ→50 円/42ℓ)、袋種類の追加(2→3 種類、中袋の追加) ・審議会からの答申による。 ・「負担の公平性」、「ごみ減量化への動機づけ」、「財政の健全化」を目的 ・収集費用の 1/4負担から 1/3負担とした。

(出典:環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」から)

表-25 公の施設の使用料算定基準(岐阜市)

定期的な使用料の検証

「自治体を取り巻く社会経済環境は刻々と変化しているため、市民ニーズや施設の維持管理等に要す

る費用の変化等を的確に把握し、現行の使用料が適正か否かの検証を、原則、3 年毎に行うこととす

る。ただし、急激な社会経済環境の変化などにより、早急な見直しが必要なときは、この限りでは

ない。」

(出典:「公の施設の使用料算定基準」H21から)

- 29 -

おわりに ごみは、毎日排出されていることから「日々の問題(出来事)」として短期的な時間

軸で捉え対処していくことも必要である。

一方、今、岐阜市では、排出されたごみの行き着く先である最終処分場の埋立容

量は、残り 15 年間分しかない現実がある。これは、一人当たりに換算すると 0.64

㎥となり、一辺 1m の箱の半分程度で溢れてしまうことになる。ごみ問題を解決する

ため、次世代に向けた時間軸を延ばした視点からの対処が求められる。

本審議会は、岐阜市長からの諮問に基づき「ごみ処理有料化制度の導入について」

報告書をとりまとめた。

ここに至るまでには、冒頭「はじめに」で述べたように、ごみ有料化を実施する

と仮定した際の望ましい制度のあり方について、「指針」に掲げる目標の達成を踏ま

え、具体的事案を想定し、ニュートラルな議論に努めた。

また、議論に当たっては、先進都市や事業者団体等との意見交換や岐阜市が実施

した「ごみ減量・資源化に向けた意見交換会」での市民意見等を参考にするなど、で

きる限り多くの声を積極的に取り入れることに留意した。

1 有料化制度導入の効果

先進都市の調査結果から、有料化の導入により、ごみの発生抑制や再生利用の

促進に効果があること、他の減量・資源化施策を継続的に実施・拡充していくこ

とにより、その効果が維持されていくことを確認した。

一方、手数料水準が極端に低いなど適切な制度設計がなされない場合は、ごみ

減量効果が限定される結果もある。

本審議会は、有料化制度を適切な制度設計により導入した場合は、ごみ減量効

果が期待されることから、ごみ減量・資源化を進めていくための施策として位置

付け、現在、又は今後実施されていく他の施策とともに“ごみ減量・資源化施策

パッケージ”の中の一つとしていくことが望ましいと考える。

2 有料化制度導入の是非

有料化の導入について、本審議会では「ごみ減量効果は認められ必要である」と

いう意見、また、「導入による不適正排出や不法投棄が懸念され、モラルが低下す

る」という意見など、幅広い意見が示された。これらの意見は、岐阜市が実施した

「ごみ減量・資源化に向けた意見交換会」での市民意見でも挙げられている。

また、問題解決に当たっては、図-26 のイメージ図

のように、出来事に対しその「構造」や「意識」に対処す

ることも必要である。ここで、「構造」とは、ごみ処理

の仕組・制度であり、「意識」とは、“最終処分場はい

つまでも無限にある”、“ごみは誰かが処分してくれ

る”と言ったごみ処理の前提に例えることができる。

本審議会は、Ⅰごみ処理有料化制度の目的で述べ

たように有料化制度の導入によりごみ排出量に応じた

公平な負担の確保やごみ排出に対する意識改革が期待

できる一つの施策であることから、制度の導入につい

て、市民等に提案していくことが望ましいと考える。

この場合、幅広い理解と協力が得られるよう努めるこ

とを付言する。

図-26 問題解決のイメージ

出来事

傾向

構造

意識

[氷山モデル」

短い

長い

時間軸

- 30 -

3 有料化制度導入の時期

「構造」の定着や「意識」の転換には、ある程度の時間を有すると見込まれること

から、有料化制度の導入効果は、長期的な視点に立って評価していくことも必要

である。

また、岐阜市では、過去に北部地区産業廃棄物不法投棄事案により「廃棄物行

政」の信頼が損なわれた経験を持っており、制度の導入に当たっては、岐阜市が目

的とする「指針の目的」に対する熱意を常に市民等に発信していくことが大切であ

る。

本審議会は、ごみ処理有料化制度がごみ減量・資源化施策に効果のある対策の

一つであることから、今を生きる私たちの責務として、次世代に先送りすること

なく、環境面で負の遺産を引き継がせないために実施することが望ましいと考え

る。

一方、この制度は、景気の不透明感がぬぐえない中、国において消費税の見直

しが行われ、今後、新たな負担を市民等に求めるものでもある。

そのために、指針に基づく減量・資源化の様々な取組を着実に推進するととも

に、市が方針を固めていく上で、市民の理解と協力を得るための意見交換など広

く行うことが望まれる。

また、制度の実施時期については、市民等に対して十分な周知期間を確保する

とともに、社会経済状況等にも留意する必要がある。なお、円滑な制度の導入を

図るためには、例えば、転出入の多い時期は避けるなどの配慮も必要であると考

える。

なお、今後、岐阜市がごみ処理有料化制度を導入する場合に当たっては、市民

や本審議会委員等からの意見を思い起こすことを望む。

- 31 -

資料

1 検討の経緯

【岐阜市環境審議会 ごみ減量・資源化検討部会】 回数 開催日及び会場 審議の概要

第 1回 H23年 12月 26日(月) 岐阜市役所本庁舎低層部 4階 全員協議会室

部会長及び副部会長の選出 審議事項 ・部会の進め方について 意見交換 <岐阜県環境生活部廃棄物対策課> ・第 2 次岐阜県廃棄物処理計画(案)について

第 2回 H24年 1月 27 日(金) 岐阜市役所西別館 2 階 第 1研修室

報告事項 ・第 1 回部会のまとめについて 審議事項 ・ごみ処理有料化制度の目的について ・ごみ処理有料化制度のあり方について 意見交換 <多治見市環境文化部環境課> ・多治見市の家庭ごみ有料化の取組について

第 3回 H24年 2月 24 日(金) ドリームシアター岐阜 3階 会議室

報告事項 ・第 2 回部会のまとめについて 審議事項 ・ごみ処理有料化制度のあり方について 意見交換 <岐阜県清掃事業協同組合> ・事業系ごみの収集運搬の現状と課題

第 4回 H24年 4月 27 日(金) 岐阜市役所本庁舎低層部 4階 第 1委員会室

報告事項 ・第 3 回部会のまとめについて 審議事項 ・ごみ処理有料化制度の実施のあり方について ・ごみ処理有料化制度の評価と見直しについて ・中間報告書のとりまとめについて

第 5回 H24年 5月 14 日(月) 岐阜市役所西別館 3 階 第 1会議室

報告事項 ・第 4 回部会のまとめについて 審議事項 ・中間報告書のとりまとめについて

第 6回 H24年 7月 25 日(水) 岐阜市役所西別館 3 階 第 1会議室

報告事項 ・第 5 回部会のまとめについて 審議事項 ・報告書のとりまとめについて

【岐阜市環境審議会】

回数 開催日及び会場 審議の概要

第 1回 H24年 5月 29 日(火) 岐阜市役所本庁舎低層部 4階 全員協議会室

報告事項

・ごみ処理有料化制度の導入について

(中間報告) 第 2回 H24年 8月 7 日(火)

岐阜市京町公民館 大会議室

審議事項

・ごみ処理有料化制度の導入について

(部会報告) 第 3回 H24年 9月 24 日(月)

岐阜市役所本庁舎低層部 4階 全員協議会室

審議事項

・ごみ処理有料化制度の導入について

(答申のとりまとめ)

- 32 -

2 岐阜市環境審議会委員名簿

第24条第2項 所属等 氏名 備考 部会

岐阜大学医学部 井奈波 良一

岐阜大学流域圏科学研究センター 児島 利治

岐阜薬科大学 佐治木 弘尚

岐阜薬科大学 田中 俊弘 会長部会委員

岐阜大学地域科学部 三井 栄 部会長

岐阜商工会議所 小林 宏 副会長

岐阜市消費者情報連絡会 中川 美那子

岐阜市消費者情報連絡会 篠田 輝子部会委員

環境市民ネットワークぎふ 柴田 甫彦

生活協同組合 コープぎふ 武野 典子

岐阜市自治会連絡協議会 堀田 秀典副部会長

公募 内田 由美部会委員

公募 小門 弘勝

公募 高橋 由香子

ただし、篠田輝子委員は、平成24年4月20日付で退任。

4号委員市議会議員

5号委員公募に応じた市民

(敬称略 委員区分毎あいうえお順)

市議会議員 浅野 裕司

岐阜県 臼田 祐二

1号委員学識経験者

2号委員事業者、環境保全団体その

他環境の保全及び創出にか

かわる団体の関係者

3号委員関係行政機関の職員

- 33 -

3 統計資料等 ・本部会での検討において使用した資料等を以下に示す。

Ⅰ ごみ処理有料化制度の目的 1 検討の前提

・全国の有料化導入都市において併用策が実施されている。 2 住民意識の現状

・岐阜市民の意見に答える報告書を作成していく必要がある。 (「ごみ減量・資源化指針 2011」の策定に係る意見)

①有料化の提案は、行財政改革の一環として行うだけのものと 見える。 (出前講座)

➜制度の目的を示す ②有料化に当たっては、納得できる根拠が必要。(指針パブコメ) ➜制度検討の背景

③公園などを清掃した際のごみも有料となるのか。(意見交換会) ➜制度の対象とするごみの種類

④有料化のごみ袋は、大きさを変えると効果がある。(指針パブコメ) ➜生活様式や事業実態にあった手数料体系

⑤トータルの市民負担を下げることを前提に有料化を考えていくべき。 ➜負担経費の試算 (意見交換会)

⑥有料化による収入で、パトロールを行うなどの対応をして欲しい。 ➜手数料収入の使途 (意見交換会)

⑦家庭系と事業系の料金の整合と有料化のタイミングを十分慎重に検討して市民や事業者が混乱 しないようにして欲しい。(指針パブコメ) ➜制度の実施時期とその理由

⑧一時的に減量するが、問題の本質が市民に伝わらない。(指針パブコメ) ➜リバウンド対策

⑨努力しても減量ができない人もいることを考えて欲しい。(指針パブコメ) ➜生活弱者等の減免制度

⑩市民の意識を育てる前に有料化すると、不法投棄が増える。(指針パブコメ) ➜不法投棄に対する監視体制

⑪ごみ出しルールを守っていなくても回収されているのがほとんど。(指針パブコメ) ➜不適正排出に対する収集体制

⑫指定袋は必要。隣のまちからごみを持ってきてもわからない。(指針パブコメ) ➜近隣自治体との連携体制

⑬市民と収集業者等の意見を聞く機会を作って欲しい。(指針パブコメ) ➜制度の住民説明等の進行管理の方法

⑭ごみ処理を有料にして本当にごみが減るのか疑問。(指針パブコメ) ➜制度の点検・評価の方法

図-1 ごみ減量に最も有効であった有料化併用施策(2つまで選択)

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年)

153

103

42

20

9

5

13

0 50 100 150 200

資源物回収の拡充

その他

(市数)

助成施策

啓発施策

戸別収集

小規模事業系対策

奨励対策

N=225

制度について7件

ごみ減量の効果があると思う14件

不法投棄が心配8件

その他 2件

ごみ減量の効果や制度に疑問がある  11件

図-2 ごみ有料化への意見

パブコメ手続において「作戦 5ごみ処理有料化制度の導入を検討」での意見件数

- 34 -

家庭系ごみ(粗大ごみ除く)

42市町

有料35(83.3%)

無料7(16.7%)

3 有料化制度の現状

・中核市の場合は、家庭系ごみは 19.5%、事業系ごみは 97.6%となっている。 ・県内の場合は、生活系(家庭系)ごみは 83.3%、事業系ごみは 90.5%となっている。 4 有料化制度の目的

・ごみ減量の推進(88.9%)、住民負担の公平化(77.9%)、住民の意識向上(73.2%)を主な目的とする市町村が多く見られる。

・事業系ごみ有料化を実施した目的は、排出者責任の徹底(85.7%)、事業者による発生抑制(71.4%)を主な目的としている。

(自然共生部調べ)

図-3 粗大ごみを除くごみ処理有料化の状況 中核市(H23年 4 月現在)

家庭系ごみ(粗大ごみ除く)

41市

無料33(80.5%)

有料8(19.5%)

事業系ごみ(粗大ごみ除く)

41市

有料40(97.6%)

無料 1(2.4%)

図-4 粗大ごみを除くごみ処理有料化の状況 県内(H23年 4月現在)

事業系ごみ(粗大ごみ除く)

42市町

有料38(90.5%)

無料 4(9.5%)

(自然共生部調べ)

図-5 一般廃棄物処理の有料化目的別の市町村件数(複数回答)

(出典:環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」)

88.9

77.9

73.2

53.2

4.7

0 20 40 60 80 100

減量化

(%)

意識改革

負担公平化

財政負担軽減

その他 N=526

図-6 中核市の事業系ごみ有料化導入の目的(複数回答)

(出典:自然共生部「事業系一般廃棄物有料化に関する調査」H19年)

内閣府委託調査「地方公共料金の実態及び事業効率化への取組についての分析調査報告書」H18年

85.7

71.4

39.3

21.4

17.9

21.4

0 20 40 60 80 100(%)

排出者責任の徹底

事業者による発生抑制

財政負担の軽減

最終処分量の削減

焼却炉の負担の軽減

その他 N=28

42 市町村 42 市町村

- 35 -

(1)排出抑制や再生利用の促進

・H10 年 10 月に粗大ごみの有料化を実施。家庭系は、実施後 82%減(114→21g/人・日)、H22 年度73%減(114→31g/人・日)と排出抑制効果を維持。事業系は、実施後 33%減(6→4g/人・日)、H22年度 17%(6→7g/人・日)増えている。

・中核市の場合、有料化による減量効果は見られ、その効果は維持されている。(家庭系ごみ)

図-7 岐阜市のごみ収集量の変化(集団回収量を除く)

(出典:事業概要から自然共生部が加工)

0

200

400

600

800

1000

1200

H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22

(g/人・日)

事業系ごみ

家庭系ごみ

都市美化ごみ

339

798

46

360

695623

290

7

レジ袋有料化ごみ袋の透(半)明化 柳津町と合併

0

100

200

300

400

500

600

700

800

H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22

(g/人・日)

家庭系ごみ内訳

粗大ごみ有料化

ペットボトル分別収集

0

100

200

300

400

H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22

(g/人・日)

事業系ごみ内訳

0

1

23

4

5

6

78

9

10

H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22

(g/人・日)

都市美化ごみ内訳

大規模事業所立入指導

廃食用油・発泡スチロール・白色トレイの分別収集

ペットボトルキャップ分別収集

634

114

50

620

21

5446

31

546

資源ごみ

粗大ごみ

普通ごみ

資源ごみ

粗大ごみ

普通ごみ

併せ産廃

その他

資源ごみ

粗大ごみ

普通ごみ

245

735

291306

4620 7

2

10

4

2

00

2

5

中核市 実施年度 対象区分 手数料 減量効果指数(実施 1年前を 100とした)

1 年前 実施年度 1 年目 2 年目

旭川市 H19年 8月 可燃・不燃ごみ 2.0円/ℓ 100 91.1 69.6 -

函館市 H14年 4月 可燃・不燃ごみ 2.0円/ℓ 100 68.8 69.8 68.2

長野市 H21年 10 月 可燃・不燃ごみ 1.0円/ℓ 100 - - -

下関市※ H15年 6月 可燃ごみ 1.0円/ℓ 100 76.9 67.5 67.5

資源ごみ 0.6円/ℓ 100 128.9 131.2 128.4

高松市 H16年 10 月 可燃・不燃ごみ 1.0円/ℓ 100 82.4 84.3 84.0

久留米市 H5年 3月 可燃・不燃ごみ 0.8円/ℓ 100 86.5 93.9 94.3

熊本市 H21年 10 月 可燃・不燃ごみ 0.8円/ℓ 100 - - -

宮崎市 H14年 6月 可燃・不燃ごみ 1.0円/ℓ 100 101.1 93.5 89.5 ※下関市は不燃ごみも有料化の対象であるが、ℓ当たりの手数料が算出不可のため除く。なお、H23年 4月から手数料を見直

し、可燃ごみ 0.7円/ℓ、資源ごみ 0.4円/ℓとした。

表-1 有料化による中核市のごみ量の変化

(出典:H22年秋田市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

- 36 -

・事業系ごみについては、S40 年代に導入された都市が多く、その効果を示す資料は少ないもの

の、減量効果が見られる。 ・有料化後の減量率と有料化前のごみ総排出量から、比較してごみ総排出量が多かった都市ほど

減量率が大きく(B市、C市)、ごみ総排出量が少なかった都市は、減量率が小さい(D市、E市)ことが見られる。

・また、有料化の実施前後に、全ての都市で紙類(拠点回収、集団回収の充実)やプラ類(その他プラスチック製容器包装類の分別)の収集方法を見直していることから、減量率の差が表れる要因の一つとして、生ごみの排出抑制量が挙げられる(A市、D市)。

・なお、財政負担の軽減効果は、-2.6%(減少)~5.6%(増加)となっており、大きな変化は見られ

ない。しかし、ごみ焼却場や埋立など処理施設の延命による建設費の節約や、環境負荷の減少などの効果は期待される。

表-2 事業系ごみ有料化実施前後のごみ量の推移

中核市 実施年度 対象区分 手数料 減量効果指数(実施 1年前を 100とした)

1 年前 実施年度 1 年目 2 年目

青森市 H15年 7月 可燃・不燃ごみ 100円/10kg 100 83.4 71.2 70.9

長崎市※ H14年 2月 可燃・不燃ごみ 60 円/10kg 100 101.2 113.6 107.8

鹿児島市 H14年 4月 可燃・不燃ごみ 70 円/10kg 100 90.6 86.7 90.9 ※長崎市は、事業系ごみ有料化の実施 1年前と実施 1年後の家庭系ごみ量が極端に減少していることから(減量効果指数

87.5%)、それまで家庭ごみとして排出されていたものが事業系ごみとして排出されたと推察される。 (出典:自然共生部「事業系一般廃棄物有料化に関する調査」H19年)

図-8 1人 1 日当たりの総ごみ排出量と減量率

※中核市 5市の有料化実施前(1年前)の 1人 1日当たりの総ごみ排出量と実施後(1年後)の家庭系ごみ減量率

(出典:環境省「一般廃棄物処理実態調査結果」から加工)

図-10 中核市のごみ処理費用増減率

図-9 ごみ種類別の排出量の変化

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

CDE

総ごみ排出量

家庭系ごみ排出量減量率

(g/人・日)

※ごみ組成調査結果から、有料化実施前(1年前)と実施後(1年後)のごみ排出量(可燃ごみと不燃ごみの合計)

の種類別の 1人当たり排出量を算出 (出典:A市、D市の統計資料から加工)

※中核市 5市の有料化実施前(1年前)と実施後(1年後)の 1人当たりのごみ処理費用の減少率と家庭系ごみ減量率。

ごみ処理費用には、施設建設費を含んでいない。 (出典:環境省「一般廃棄物処理実態調査結果」から加工)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

紙・布 生ごみ プラ・皮革A D A AD D

→ → → → → →

1年前

1年後

(㎏/人・年)

-20%

-10%

0%

10%

20%

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

A B

CDE

ごみ処理費用増減率

家庭系ごみ排出量減量率

- 37 -

(2)公平性の確保

・収集運搬に比べて、焼却や選別処理に要する費用の変化が大きく(増加)なってきている。

(3)住民の意識改革 ・粗大ごみ有料化後(H10 年 10 月)の不法投棄処理件数に大きな変化は見られないが、1 件当たり

の回収量は小さくなっており、不法投棄が小規模化している。

・全国 735 市区を対象に H17 年 2 月に実施したアンケート調査によると、有料化により不法投棄されるごみの量が増加しなかった(減少した場合も含む)と回答した市区は 47%、増加した市区は 36%となっている。

図-12 岐阜市の不法投棄処理件数の変化(環境事業部処理分)

図-13 一般廃棄物処理の有料化と不法投棄及び不法投棄についての苦情等

かなり増加した

    14(6%)

多少増加

した64(30%)ほとんど

増加しなかった 100(46%)

減少した

 2(1%)

その他

 36(17%)

多少増加

した78(36%)

かなり増加した

    16(7%)

ほとんど

増加しなかった 92(43%)

減少した

 1(0%)

その他

 27(13%)

家庭系ごみ有料化による不法投棄量の変化 家庭系ごみ有料化後の不法投棄についての苦情

や通報の変化

N=216 N=214

(出典:事業概要から自然共生部が加工)

(出典:環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」) ※東洋大学 山谷修作教授「第 2回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H17年

2,448

1,385 1,355 1,350 1,4261,229

1,112 1,2191,371

1,101 1,114

823

54 55

3841

37

46 46

41

2729 30

26

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22

0

10

20

30

40

50

60(件数) (㎏/件)

理件

1件当たりの回収量

H10年10月に粗大ごみ有料化

0

1

2

3H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

(万円/世帯・年)

収集運搬焼却埋立

普通ごみ

0

1

2

3

H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

(万円/世帯・年)

収集運搬選別 資源ごみ

(ビン・ペット、カン)

図-11 岐阜市のごみ処理費用の変化(世帯当たり)

(出典:事業概要から自然共生部が加工)

- 38 -

Ⅱ ごみ処理有料化制度のあり方 1 制度の対象とするごみの種類

・「家庭系ごみ有料化に当たっては、資源物については無料とする自治体が多いが、最近では一般ごみ(可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみ)だけでなく資源物についても、一般ごみよりも低い手数料水準で有料とする自治体が増えてきた。」

・有料化を実施している中核市 8 市の中で、1 市が資源ごみも有料化の対象としている。(家庭系ご

み) ・有料化を実施している県内市 16 市の中で、5 市が資源ごみも有料化の対象としている。(家庭系

ごみ) 2 ごみ処理手数料の料金体系 ・中核市の料金体系を見ると、単純従量制を採用する都市が、家庭系ごみの場合 100%、事業系ごみ

の場合 82.5%となっている。

図-14 有料化市の資源物有料化実施状況(H24年 1月現在)

(出典:東洋大学 山谷修作教授調査 HPから)

回答有料化市

434市(100%) 資源物有料化市

144市(33.2%) プラスチック有料化市

93 市(21.4%)

表-4 県内市の資源物有料化の状況(H23年 4月現在)

古紙類 紙製

びん カン ペットボトル

プラスチック製

その他の資源物有料化

下関市 × - ○ ○ ○ ○ 有害ごみ(乾電池、体温計、蛍光灯など)

(出典:下関市 HPから加工)

表-3 中核市の資源物有料化の状況(H23年 4月現在)

古紙類 紙製

ビン カン ペットボトル

プラスチック製 その他の資源物有料化

美濃加茂市 × × ○ ○ × -

飛騨市 × ○ × × × ○

郡上市 × × × × × ○ 古着・古布、生ごみ

下呂市 ○ × ○ ○ ○ × 乾電池

海津市 × × × × × - ビニール・プラスチック類

(出典:各市 HPから加工)

○:有料、×:無料、-:分別していない

○:有料、×:無料、-:分別していない

(引用:東洋大学 山谷修作教授「ごみ見える化」丸善株式会社から)

図-15 中核市の手数料の料金体系(H23年度)

(出典:各都市 HPから自然共生部調べ)

単純従量制8(100%)

N=8

家庭系ごみ

図-16 県内市の手数料の料金体系

N=19

事業系ごみ

超過従量制  2(10.5%)

単純従量制17(89.5%)

N=40

事業系ごみ

単純従量制33(82.5%)

超過従量制  4(10.0%)

その他3(7.5%)

※その他は、単純従量制と超過従量制の併用

単純従量制

13(81.3%)%)

超過従量制

  3(18.7%)

N=16

家庭系ごみ

- 39 -

・減量効果については、どちらの方式においても減量効果が見られる。

3 ごみ処理手数料の料金水準 ・中核市と県内市、家庭系ごみと事業系ごみの場合も同様に、「総費用の一定割合」、「近隣自治体

の手数料見合い」を手数料水準の根拠としている。

(市数)

1 1 13

75

1 13

5

2

6

0

5

10

15

N=18

年度

5年

目の

年度

10%以上増加

10%未満増加

10%未満減少

10~19%減少

20~29%減少

30%以上減少

14

1820

1215

2

8

14

19

14 13

0

5

10

15

20

25

30 (市数)

年度

5年

目の

年度

N=70

10%以上増加

10%未満増加

10%未満減少

10~19%減少

20~29%減少

30%以上減少

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年から加工)

図-17 単純従量制採用市における有料化導入後の家庭系ごみの減量効果(資源ごみを除く)

図-18 超過従量制採用市における有料化導入後の家庭系ごみの減量効果(資源ごみを除く)

増加 減少

増加 減少

図-19 中核市での手数料水準の決め方

図-20 県内市での手数料水準の決め方

家庭系ごみの場合 事業系ごみの場合

家庭系ごみの場合 事業系ごみの場合

(出典:家庭系ごみは、地方行財政調査会「都市のごみ処理有料化に関する調べ 2008」から加工) (出典:事業系ごみは、自然共生部「事業系一般廃棄物有料化に関する調査」H19年から加工)

4

5

2

1

0 2 4 6 8 10

ごみの収集・処理に要する総費用の一定割合

近隣自治体の手数料に見合う水準

市民の受容性を重視

その他N=8

(市数)

13

11

5

5

3

0

0 2 4 6 8 10 12 14

N=28

(市数)

ごみの総処理費用から決定

周辺都市の料金を考慮して決定

ごみ処理原価から決定

その他

事業系ごみ処理費用から決定

必要とする財源の規模に応じて決定

6

1

1

0 2 4 6 8 10(市数)

N=8

ごみの収集・処理に要する総費用の一定割合

近隣自治体の手数料に見合う水準

その他

4

8

0

4

0

2

0 2 4 6 8 10 12 14(市数)

N=15

ごみの総処理費用から決定

周辺都市の料金を考慮して決定

ごみ処理原価から決定

その他

事業系ごみ処理費用から決定

必要とする財源の規模に応じて決定

- 40 -

①排出抑制・再生利用の推進の視点から

・全国の有料化実施都市を見ると、手数料水準が高い方が減量効果を持続している。

・「ごみ減量・資源化指針 2011」に掲げるごみ総排出量を 8.6%以上削減する目標(1,134→1,037g/人・日)を達成するためには、45ℓのごみ袋 1 袋当たり 45 円以上の手数料とすることが必要となる。(家庭系ごみの場合)

・「ごみ減量・資源化指針 2011」に掲げる家庭系ごみ焼却量を 9.0%以上削減する目標を達成する

ためには、45ℓのごみ袋 1 袋当たり 34 円以上の手数料とすることが必要となる。(家庭系ごみの場合)

図-21 家庭系ごみの手数料水準と減量効果(資源ごみを除く、単純従量制)

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年から加工)

-4.3

-17.5 -16.6 -17.7

-37.0

2.1

-16.4 -14.6 -17.1

-41.2 -50

-40

-30

-20

-10

0

10

5年目の年度

翌年度

(%)

N=70

10~20円台(N=12)

30円台(N=18)

40円台(N=16)

50~60円台(N=14)

80円台(N=10)

ごみ袋(40ℓまたは45ℓ)1袋の価格

平均減量率

1,134g/人・日の場合に相当する手数料は、53 円/45ℓ、1,037g/人・日の場合に相当する手数料は、98 円/45ℓとなる。目標を達成するために必要な手数料として、その差の 45円/45ℓが算出される。

図-22 ごみ処理手数料とごみ総排出量の関係(人口 10 万人以上の都市)

※福岡市調査「家庭系ごみ有料化の導入に関する調査結果」H14年 6月 (出典:H17年京都市廃棄物減量等推進審議会資料から)

図-23 ごみ処理手数料と可燃ごみ減量効果との関係(人口 10 万人以上の都市)

※環境省委託業務報告書「ごみ処理の有料化に係る調査」社団法人 全国都市清掃会議 H15年 3月 (出典:H17年京都市廃棄物減量等推進審議会資料から)

- 41 -

・「ごみ減量・資源化指針 2011」に掲げる家庭系ごみ焼却量を 9.0%以上削減する目標(580→528~

402g/人・日)を達成するためには、1ℓ当たり 1 円~5 円(45ℓのごみ袋 1 袋当たり 45 円~225 円)の手数料とすることが必要となる。

(家庭系ごみの場合) ・「ごみ減量・資源化指針 2011」に掲げる事業系ごみ焼却量を 9.8%以上削減する目標(264→238g

~209 g/人・日)を達成するためには、1 ㎏当たり 4 円~8 円(45ℓのごみ袋 1 袋当たり 28 円~56円)の手数料とすることが必要となる。

(事業系ごみの場合)

図-25 ごみ処理手数料と事業系ごみ排出量の関係(中核市)

0

100

200

300

400

500

600

700

0 5 10 15 20 25

(g/人・日)

手数料水準(円/㎏)

回帰式 y=-7.2039X+429.88

相関係数=0.41

(出典:環境省「一般廃物処理実態調査結果」H19年度から加工)

図-24 ごみ処理手数料と家庭系ごみ排出量の関係(人口 10万人以上の都市)

580g/人・日の場合に相当する手数料は、-1 円/ℓ(=0 円/ℓとする)、528g/人・日の場合に相当する手数料は、1 円/ℓ、402g/人・日の場合に相当する手数料は、5 円/ℓとなる。目標を達成するために必要な手数料として、その差の 1~5円/ℓが算出される。

(出典:地方行財政調査会「都市のごみ処理有料化に関する調べ」H20年 9月から加工)

264g/人・日の場合に相当する手数料は、23 円/㎏、238g/人・日の場合に相当する手数料は、27 円/㎏、209g/人・日の場合に相当する手数料は、31 円/㎏となる。目標を達成するために必要な手数料として、その差の 4 円~8 円/㎏が算出される。なお、45ℓのごみ袋 1 袋当たりの換算値として 7 ㎏/45ℓとした。

※手数料水準については、各都市の手数料条例に規定されている可燃ごみの料金を㎏単位に換算した。 また、ごみ排出量は、H19年度環境省一般廃物処理実態調査結果から可燃ごみと不燃ごみの合計値から求めた。

※手数料水準については、収集体制として市が収集していない都市を抽出し、可燃ごみの料金を㎏単位に換算した。 また、ごみ排出量は、H19年度環境省一般廃物処理実態調査結果から可燃ごみと不燃ごみの合計値から求めた。

0

100

200

300

400

500

600

700

0 1 2 3 4 5

(g/人・日)

手数料水準(円/ℓ)

回帰式 y=-28.911X+552.53相関係数=0.44

- 42 -

②住民の受容性の視点から ・岐阜市の、H19 年度の家庭から出される普通ごみ(焼却処理するごみ)は、1 世帯 1 か月当たり

45ℓのごみ袋で 7 袋と算出される。「ごみ減量・資源化指針 2011」では、これを 5 袋まで削減する目標を掲げている。

・ごみ処理有料化制度が期待する効果として、排出抑制とともに資源化量の増加(分別行動の促進)が挙げられるが、その行動は月額 500 円を超えると鈍くなる調査結果がある。

この結果を岐阜市に当てはめると、市民の分別行動促進に効果のある手数料水準の上限は、45ℓのごみ袋 1 袋当たり約 70円とすることが必要となる。

(家庭系ごみの場合)

・有料化実施都市(人口 10 万人以上)での世帯当たりの負担額を見ると、45ℓのごみ袋 1 枚当たり45 円の場合、1 か月当たり 305 円の負担となる。また、中核市の場合は、平均 281 円/世帯・月となっている。

※社団法人 東京市町村自治調査会「家庭ごみ有料化調査報告書」H14年 6月

(出典:H17年京都市廃棄物減量等推進審議会資料から)

図-26 調布市、日野市のアンケート調査に基づく料金の変化と分別行動促進のシミュレーション

H19年度 ➡ H35年度

家庭系ごみ焼却量

89,500t 46 ㎏/世帯・月

(7 袋/世帯・月) ➡

62,000t 32 ㎏/世帯・月

(5 袋/世帯・月) ※世帯数を 161,042人(H19年度)、ごみ袋 1袋(45ℓ)当たり 7㎏として算出

表-5 「ごみ減量・資源化指針 2011」の目標値から算出される世帯当たりのごみ排出量

図-27 世帯当たりの負担額(人口 10万人以上の都市)

※札幌市調査での 1 人当たり年間負担額から、H22 年度国勢調査の全国平均世帯数(2.42 世帯)

を用いて算出した。 (出典:H17年札幌市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

0

100

200

300

400

500

600

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

(円/世帯・月)

回帰式 y=84.204X+221.18相関係数=0.53

手数料水準(円/ℓ)

- 43 -

・容量の異なる数種類のごみ袋を用意することにより、ごみを減量するほど負担が軽くなる動機づけとともに、多様な生活様式(世帯人員など)に配慮できる。家庭系ごみの場合、3 種類の大きさのごみ袋を作成している都市が多い。

・事業系ごみの手数料水準については、廃棄物処理法の規定を踏まえ、家庭系ごみの手数料水準との適度なバランスが求められる。

中核市 世帯数 (世帯)

負担額 (円/年) (枚/世帯・年)

手数料 (円/ℓ)

旭川市 171,948 3,216 117 2.0 函館市 142,899 4,040 77 2.0 高松市 173,102 2,684 110 1.0 下関市 130,155 3,421 116 1.0 久留米市 120,280 4,647 118 0.8 宮崎市 167,423 2,225 84 1.0 平均 (1か月あたり)

‐ 3,372 (281 円/世帯・月)

104 (8.7 枚/世帯・月)

※負担額は、手数料収入/世帯数で算出 ごみ袋使用枚数は、袋製造枚数/世帯数で算出

手数料は、可燃ごみの場合 下関市の手数料は、H23年 4月から 0.7円/ℓ ※「秋田市調査」H21年 10月

(出典:H22年秋田市廃棄物減量等推進審議会資料から)

表-6 世帯当たりの負担額(中核市)

図-28 ごみ袋の種類(人口 10 万人以上の都市)

※家庭系ごみの場合

(出典:地方行財政調査会「都市のごみ処理有料化に関する 調べ」H20年 9月から加工)

図-29 岐阜市の世帯構成

(出典:国勢調査から加工)

23

1514

7

1

5

3

10

0

2

4

6

8

10

12

14

16(市数)

可燃ごみ

資源ごみ

1種類 2種類 3種類 4種類 5種類

N=41

30,187

35,486

39,317

40,505

49,033

26,735

31,729

36,251

39,497

43,313

23,854

25,918

27,350

27,892

29,310

28,018

25,621

24,472

24,582

25,160

0% 20% 40% 60% 80% 100%

H2

H7

H12

H17

H22

1人 2人 3人 4人 5人 6人 7人以上

3.04人/世帯

2.86人/世帯

2.72人/世帯

2.64人/世帯

2.51人/世帯

「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければな

らない」

(逐条解説)

・一般廃棄物は、市町村の処理責任を原則としているが(6 条の 2)、事業者が自らの手で処理す

るほか、市町村の処理事業へ処理を委託することができる。この場合、事業者が「自らの責任

において適正に処理する」原則は、市町村の処理責任の下で、なるべく自らの手で処理するよ

う努めるほか、一般廃棄物処理計画に従い、市町村の行う処理に協力すること、市町村の指

示を受けることを意味する。

第 3条(事業者の責務)

- 44 -

③周辺市町の料金水準の視点から

・家庭系ごみの有料化実施都市の手数料水準を見ると 1ℓ当たり 0.6 円~1.2 円(45ℓのごみ袋 1 袋当たり 27円~54円)の都市が多い。

01

2

54

14

21 1 1

9

4

0

2

4

6

8

10

12

14

16(市数)

N=44

~0.2円

0.2~

0.4円

0.4~

0.6円

0.6~

0.8円

0.8~

1.0円

1.0~

1.2円

1.2~

1.4円

1.4~

1.6円

1.6~

1.8円

1.8~

2.0円

2.0~

2.2円

2.2円

手数料水準(円/ℓ)

1

0 0

3

2

4

1 1 1

0 0

3

0

1

2

3

4

5

~0.2円

0.2~

0.4円

0.4~

0.6円

0.6~

0.8円

0.8~

1.0円

1.0~

1.2円

1.2~

1.4円

1.4~

1.6円

1.6~

1.8円

1.8~

2.0円

2.0~

2.2円

2.2円

手数料水準(円/ℓ)

(市数)

N=16

※混合ごみ又は可燃ごみの料金から算出。容量が不明の場合は、ごみ袋大袋の 1袋を 45ℓ、7㎏とした。 (出典:地方行財政調査会「都市のごみ処理有料化に関する調べ」H20年 9月から加工)

図-30 家庭系ごみの手数料水準別都市数(人口 10万人以上の都市)

図-31 家庭系ごみの手数料水準別都市数(中核市)

図-32 家庭系ごみの手数料水準別都市数(県内市)

※可燃ごみの料金から算出。容量が不明の場合は、ごみ袋大袋の 1袋を 45ℓ、7㎏とした。 (出典:H23年 4月 1日現在 各都市の手数料条例から加工)

※可燃ごみの料金から算出。容量が不明の場合は、ごみ袋大袋の 1袋を 45ℓ、7㎏とした。

(出典:H23年 4月 1日現在 各都市の手数料条例から加工)

0 0 0

1

2

3

0 0 0 0

2

00

1

2

3

4

~0.2円

0.2~

0.4円

0.4~

0.6円

0.6~

0.8円

0.8~

1.0円

1.0~

1.2円

1.2~

1.4円

1.4~

1.6円

1.6~

1.8円

1.8~

2.0円

2.0~

2.2円

2.2円

手数料水準(円/ℓ)

(市数)

N=8

- 45 -

・次に、事業系ごみの有料化実施都市の手数料水準を見ると 1kg 当たり 6.0 円~14 円(45ℓのご

み袋 1袋当たり 42 円~98円)の都市が多い。

1

2

3

5

7

6 6

3

1

2

3

5

0

1

2

3

4

5

6

7

8N=44

(市数)

~2円

2~

4円

4~

6円

6~

8円

8~

10円

10~

12円

12~

14円

14~

16円

16~

18円

18~

20円

20~

22円

22円

手数料水準(円/㎏)

0

2

1 1

0 0

2 2

0 0 0 00

1

2

3

4

~2円

2~

4円

4~

6円

6~

8円

8~

10円

10~

12円

12~

14円

14~

16円

16~

18円

18~

20円

20~

22円

22円

手数料水準(円/㎏)

(市数)

N=8

図-33 事業系ごみの手数料水準別都市数(人口 10万人以上の都市)

図-34 事業系ごみの手数料水準別都市数(中核市)

図-35 事業系ごみの手数料水準別都市数(県内市)

※混合ごみ又は可燃ごみの料金(直接搬入の場合)から算出。容量が不明の場合は、ごみ袋大袋の 1 袋を 45ℓ、7㎏とした。 (出典:地方行財政調査会「都市のごみ処理有料化に関する調べ」H20 年 9月から加工)

※可燃ごみの料金(直接搬入の場合)から算出。容量が不明の場合は、ごみ袋大袋の 1袋を 45ℓ、7㎏とした。 (出典:各都市の手数料条例から加工)

※可燃ごみの料金(直接搬入の場合)から算出。容量が不明の場合は、ごみ袋大袋の 1袋を 45ℓ、7㎏とした。 (出典:各都市の手数料条例から加工)

0

1 1 1

3

7

0

1

0

2

0 00

1

2

3

4

5

6

7

8

~2円

2~

4円

4~

6円

6~

8円

8~

10円

10~

12円

12~

14円

14~

16円

16~

18円

18~

20円

20~

22円

22円

手数料水準(円/㎏)

(市数)

N=16

- 46 -

・岐阜市の周辺都市の手数料水準を見ると、家庭系ごみでは、1ℓ当たり 0.1 円~6.7 円(45ℓのご

み袋 1 袋当たり 3 円~300 円)となっている。事業系ごみの場合は、1kg 当たり 10 円~19 円(45ℓのごみ袋 1 袋当たり 70 円~130円)となっている。

・家庭系ごみと事業系ごみの両方とも有料化を実施している都市の料金比較を見ると、事業系ごみの手数料水準は、家庭系ごみの 0.5倍~2.5 倍となっている。

1

2

1

0

3

1

00

1

2

3

4

~0.5倍

0.5~

1.0倍

1.0~

1.5倍

1.5~

2.0倍

2.0~

2.5倍

2.5~

3.0倍

3.0倍

手数料水準の比較(事業系/家庭系)

(市数)

N=8

1 1

3

5

0

1

2

0

1

2

3

4

5

6

~0.5倍

0.5~

1.0倍

1.0~

1.5倍

1.5~

2.0倍

2.0~

2.5倍

2.5~

3.0倍

3.0倍

手数料水準の比較(事業系/家庭系)

(市数)

N=14

図-36 周辺市町の手数料水準

家庭系ごみの場合 事業系ごみの場合

※可燃ごみの料金(事業系ごみは、直接搬入の場合)から算出。容量が不明の場合は、ごみ袋大袋の 1袋を 45ℓ、7㎏とした。 (出典:各都市の手数料条例から加工)

図-37 家庭系ごみと事業系ごみの手数料水準の比較

人口 10万人以上の都市 中核市

県内市

※ごみ袋大袋の 1袋を 45ℓ、7㎏として算出し比較した。 (出典:人口 10 万人以上の都市は、地方行財政調査会「都市の

ごみ処理有料化に関する調べ」H20 年 9 月から加工。中核市、県内市は、各都市の手数料条例から加工)

岐阜市

1.1円/ℓ

1.1円/ℓ

0.1→6.7円/ℓ

0.1円/ℓ1.7円/ℓ

0→2.2円/ℓ(一定量無料型)

(排出量多段階比例型)

岐阜市

10円/㎏14円/㎏

10円/㎏10円/㎏

10円/㎏

19円/㎏

3

9

4 4

10

5

7

0

2

4

6

8

10

12

~0.5倍

0.5~

1.0倍

1.0~

1.5倍

1.5~

2.0倍

2.0~

2.5倍

2.5~

3.0倍

3.0倍

手数料水準の比較(事業系/家庭系)

(市数)

N=42

- 47 -

・家庭系ごみの処理費用に対する負担割合を見ると、10%~25%であり、これを踏まえれば、45ℓ

のごみ袋 1枚当たり 25円~63円となる。

・また、事業系ごみの処理費用に対する負担割合を見ると、事業系ごみ処理費用に対しては 40%~90%(45ℓのごみ袋 1 枚当たり 41 円~93 円)、総ごみ処理費用に対しては 30%~70%(45ℓのごみ袋 1 枚当たり 71 円~165 円)となっている。これを踏まえれば、45ℓのごみ袋 1 枚当たり 41 円~165 円となる。

0 0 0

4

0 0 0 0 0

1

00

1

2

3

4

5(市数)

N=5

~10%

10%台

20%台

30%台

40%台

50%台

60%台

手数料の負担割合

70%台

90%台

100%80%台

0 0 0 0

1

0 0

1

0

1

00

1

2

3

4

5(市数)

N=3

~10%

10%台

20%台

30%台

40%台

50%台

60%台

手数料の負担割合

70%台

90%台

100%80%台

表-8 ごみ処理費用に対する負担割合

「家庭ごみ有料化調査報告書」(社団法人 東京市町村自治調査会 H12 年 3 月)によれば、多くの

市町村がごみ処理原価の 10%~30%を袋の価格に設定しているとのことである」

(出典:H17年京都市廃棄物減量等推進審議会資料から)

表-7 岐阜市のごみ処理費用(H22年度)

家庭系普通ごみ 事業系普通ごみ 総ごみ処理費用※

250 円/袋※ 103 円/袋※ 235 円/袋※

収集運搬+中間処理+埋立 中間処理+埋立 全てのごみの 収集運搬+中間処理+埋立

※7kg/袋、ごみ 1袋 45ℓとして算出

※総ごみ処理費用は、全てのごみ処理に要した総原価 33,562円/tから算出 (出典:事業概要から自然共生部が加工)

図-38 家庭系ごみの処理費用に対する負担割合(10万人以上の都市)

※札幌市調査での 1人当たりごみ処理経費と有料化手数料から

算出した。 (出典:H17年札幌市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

図-39 事業系ごみの処理費用に対する負担割合

※自然共生部が H19 年度に実施したアンケート調査では、料金設定の根拠としてごみ処理費用を挙げた都

市において、事業系ごみ処理費用から決定したと回答した中核市は 3 市、総ごみ処理費用から決定したと回答した中核市は 13 市、県内市では 5 市となって

いる。 (出典:自然共生部資料から)

中核市

県内市

0 0 0

1 1

5

1

2

0 0

3

0

1

2

3

4

5

~10%

10%台

20%台

30%台

40%台

50%台

60%台

手数料の負担割合

70%台

90%台

100%80%台

(市数)

N=13中核市

【事業系ごみ処理費用の一定割合と回答した都市】

【総ごみ処理費用の一定割合と回答した都市】

0

7 7

2 2

01

01

01

0

2

4

6

8

~5%

5~

10%

10~

15%

15~

20%

20~

25%

25~

30%

30~

35%

手数料の負担割合

35~

40%

45~50%

50%

40~45%

(市数)

N=21

- 48 -

・有料化実施都市の管理費用を見ると、1 人当たり 400 円台が多い。これを岐阜市に当てはめる

と、年間 168,700 千円~210,500 千円※となる。 ※人口を 421,759人(H19 年度)として算出

・これを踏まえれば、1ℓ当たり 0.6 円未満(45ℓのごみ袋 1 袋当たり 27 円未満)では、管理費用が手数料収入を上回ることになる。

4 ごみ処理手数料の使途 ・使途として、ごみ減量活動への支援やごみ処理施設の整備に充当している都市が多く見られる。

表-9 手数料水準と管理費用のシミュレーション

図-40 家庭系ごみ有料化にかかる 1人当たりの管理費用(10万人以上の都市)

01

3

1

8

23

10

21

0

2

4

6

8

10(市数)

~100円

100円台

200円台

300円台

400円台

500円台

600円台

1人当たりの管理費用

700円台

900円台

1,000円以上

800円台

N=22

※札幌市調査から排出量単純比例型の都市を抽出した。管理費用とは、袋(シール)作成費、手数料徴収費、保管・搬送費を合計したもの (出典:H17年札幌市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

手数料 (45ℓ袋の場合)

H19年度 普通ごみ 89,500t ➡

H35年度 普通ごみ 62,000t 収入(年間) 収支(年間) 収入(年間) 収支(年間)

4.5円(0.1円/ℓ) 57,600 千円 ▲152,900 千円 ➡ 40,050 千円 ▲170,450 千円 9.0円(0.2円/ℓ) 115,200 千円 ▲95,300 千円 ➡ 80,100 千円 ▲130,400 千円

13.5円(0.3円/ℓ) 172,800 千円 ▲37,700 千円 ➡ 120,150 千円 ▲90,350 千円 18.0円(0.4円/ℓ) 230,400 千円 19,900 千円 ➡ 160,200 千円 ▲50,300 千円 22.5円(0.5円/ℓ) 288,000 千円 77,500 千円 ➡ 200,250 千円 ▲10,250 千円 27.0円(0.6円/ℓ) 345,600 千円 135,100 千円 ➡ 240,300 千円 29,800 千円 31.5円(0.7円/ℓ) 403,200 千円 192,700 千円 ➡ 280,350 千円 69,850 千円 36.0円(0.8円/ℓ) 460,800 千円 250,300 千円 ➡ 320,400 千円 109,900 千円 40.5円(0.9円/ℓ) 518,400 千円 307,900 千円 ➡ 360,450 千円 149,950 千円 45.0円(1.0円/ℓ) 576,000 千円 365,500 千円 ➡ 400,500 千円 190,000 千円 ※ごみ減量・資源化指針 2011のごみ減量目標(表-5参照)から、H19年度のごみ袋を 12,800千袋、H35 年度を 8,900千袋として算出した。

※収支は、年間管理費を 210,500千円として算出した。

図-41 手数料収入の使途(複数回答)

(出典:環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」)

※東洋大学 山谷修作教授「第 2回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H17年

118

101

84

53

31

30

10

71

0 20 40 60 80 100 120 140

指定袋の作製・流通費など有料化の運用経費

ごみ減量・資源化推進の助成・啓発事業費

ごみ処理施設の整備費

資源ごみの収集充実

最終処分場の整備

資源化施設の整備費

戸別収集の導入

その他

(市数)

N=607

- 49 -

5 ごみ処理手数料の徴収方法 ・手数料の徴収方法として、家庭系ごみは、指定ごみ袋を、事業系ごみは、現金徴収・納入通知書

を採用している都市が多い。現金徴収・納入通知書は、処理施設への搬入時の計量により手数料を算出している。

・指定袋の種類が多くなるほど、要する作製コストは増える傾向は見られるものの、ごみ排出実態の状況監視や在庫管理等の見直し等により、コスト増を抑制することはできるものと考えられます。

(出典:環境省「自治体のごみ処理有料化施策に関するアンケート調査」H18年)

図-43 家庭系ごみ有料化実施都市における事業系ごみ処理手数料の徴収方法

図-42 有料化実施都市の徴収方法

【家庭系ごみ】 【事業系ごみ】

指定袋46(67%)

シール 5(7%)

現金徴収・納入通知書5(7%)

指定袋・

シール

13(19%)

N=69

指定袋・シール

4(6%)

指定袋15(21%)

指定袋・

定形容器

1(1%)

シール

27(37%)

現金徴収・

納入通知書26(35%)

N=73

(出典:各都市の手数料条例から加工)

6

2

0 0 0

1 1

0 0

6

0

1

2

3

4

5

6

7(市数)

N=8

家庭系

事業系

指定袋 指定袋・

シール

シール シール・

納入通知書現金徴収・

納入通知書

中核市の場合

12

2 2

0 0

4

0 01

11

0

2

4

6

8

10

12

14

N=16

(市数)

家庭系

事業系

指定袋 指定袋・

シール

シール シール・

納入通知書現金徴収・

納入通知書

県内市の場合

※手数料の料金体系が、排出量単純従量制で有料化の対象を可燃ごみと不燃ごみとしている都市において、有料指定袋の作製コスト(作製費、保管搬送

費、取扱店販売手数料など)を可燃ごみと不燃ごみの排出量で除して算出した。

(出典:地方行財政調査会「都市のごみ処理有料化に

関する調べ 2008」から加工)

図-44 有料指定袋の種類数別の指定袋等作製コスト(人口 10 万人以上の都市)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

N=28

(円/t)

1種類 2種類 3種類 5種類4種類

- 50 -

6ごみ処理手数料の減免対象

・災害時の他は生活保護世帯など低所得者に対するものが多い。制度としては、減免申請により一定枚数を無料配布する都市が多い。

・多くの都市が減免対象としている岐阜市の状況は次のとおり。

有り

25(67.6%)

無し

12(32.4%)

12

15

8

6

8

5

5

3

7

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

天災火事

生活保護世帯

身障者

児童扶養手当等

高齢者介護

乳幼児

紙おむつ

剪定枝葉

ボランティア

(市数)

N=37

有り

8(100%)

8

7

3

1

2

2

4

0

4

0 2 4 6 8 10

天災火事

生活保護世帯

身障者

児童扶養手当等

高齢者介護

乳幼児

紙おむつ

剪定枝葉

ボランティア

(市数)

N=8

有り

15(100%)

天災火事

生活保護世帯

身障者

児童扶養手当等

高齢者介護

乳幼児

紙おむつ

剪定枝葉

ボランティア

15

10

2

0

1

2

1

0

5

0 2 4 6 8 10 12 14 16(市数)

N=15

図-45 有料化実施都市の減免制度

(出典:H17札幌市廃棄物減量等推進審議会資料から加工)

(出典:各都市の手数料条例から加工)

(出典:各都市の手数料条例から加工)

図-46 火災件数の推移 図-47 生活保護世帯の推移 図-48 要介護度 3~5 の認定者の推移

図-49 3 歳未満の人口の推移

(出典:岐阜市統計書から加工)

(出典:市政概要から加工) (出典:市政概要から加工) (出典:市政概要から加工)

2,633 2,770 2,950

3,597

4,314

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

H18 H19 H20 H21 H22

(世帯)

図-50 都市美化ごみ(普通ごみ)の推移

(t/年)

674 641 706

661

779

0

200

400

600

800

1,000

H18 H19 H20 H21 H22

(出典:事業概要から自然共生部が加工)

102

124

10194

75

0

20

40

60

80

100

120

140

H18 H19 H20 H21 H22

(件)

4,927 5,281 5,382 5,376 5,491

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

H18 H19 H20 H21 H22

(人)

10,914 10,579 10,581 10,585 10,425

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

H18 H19 H20 H21 H22

(人)

【人口 10万人以上】

【中核市】

【県内市】

- 51 -

・岐阜市の粗大ごみ処理手数料の徴収に係る減免対象は、次のとおり。

Ⅲ ごみ処理有料化制度の実施のあり方 1 他施策との併用

・有料化と同時又はその前後に、約 70%の都市が、ごみ分別の受け皿整備(資源分別回収)を拡充することにより、減量効果の強化と市民負担の軽減に取り組んでいる。

・小規模事業者から排出されるごみについては、約 70%の都市が、家庭系ごみと同様な取り扱いをしている。

表-10 岐阜市の粗大ごみ処理手数料の減免制度

○岐阜市廃棄物の処理及び清掃に関する条例 (手数料の減免)

第 9条 市長は、災害その他特別の理由があると認められるときは、第 6条に規定する手数料又は前条に規定する費用を減免することができる。

○岐阜市廃棄物の処理及び清掃に関する規則

(手数料の減免) 第 8条 条例第 9条の規定により手数料の減免することができる者の範囲は、次の各号の一に該当する者とする。 (1) 生活保護法(昭和 25年法律第 144号)第 11 条に規定する扶助を受けている者 (2) 天災その他の災害を受けた者 (3) その他市長において必要と認めた者

図-51 家庭系ごみ有料化を契機とした資源物回収の拡充

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年)

121

36

27

18

77

15

0 20 40 60 80 100 120 140

資源物の回収品目を増やした

資源物の回収回数を増やした

資源物の回収を開始した

資源物の回収場所を増やした

拡充はしていない

その他 N=243

(市数)

図-52 家庭系ごみ有料化実施時における小規模事業系ごみの扱いの変更

(出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年)

N=242

変えなかった

144(59.5%)家庭系ごみと同じ指定袋・

シールを使用して出せる

28(11.6%)

事業系ごみ専用の指定袋・

シールを使用して出せる

27(11.2%)

有料化を機にすべて直接搬入や

許可業者収集に切り替えた

25(10.3%)

その他 18(7.4%)

- 52 -

・併用施策から見た有料化の実施時期としては、約 70%の都市が「同時期に実施がよい」としている。

・資源化量の効果を見ると、実施時期による大きな違いは見られない。 2 関係者への周知 ・市民との合意形成に、多くの都市が様々な方法で取り組んでいる。

図-53 有料化の併用施策の実施時期

N=215

同時がよい

158(73.5%)

有料化の前がよい

33(15.3%)

有料化の後がよい

13(6.0%)

その他 11(5.1%)

図-54 1人 1日当たりの資源ごみ収集量(集団回収量を含む 中核市の例)

(出典:環境省「一般廃棄物処理実態調査」から加工)

0

100

200

300

400

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

同時実施(函館市)

H14年4月有料化実施

(g/人・日)

その他プラ収集開始0

100

200

300

400

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

(g/人・日)

導入前の実施(高松市)H16年10月有料化実施

その他プラ収集開始

0

100

200

300

400

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

導入後の実施(宮崎市)

H14年6月有料化実施

(g/人・日)

その他プラ収集開始

0

100

200

300

400

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

(g/人・日)

参考(岐阜市)

粗大ごみ有料化

透明・半透明袋収集

H13、H14は統計処理の見直しによる変動

※調査対象は全国 617市と東京 23区 (出典:東洋大学 山谷修作教授「第 1回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H12年から)

表-11 有料化の合意形成に注力したところ

対象 1 位 2 位 3 位 4 位

市民 97 5 1 0

事業者 2 33 30 16

市議会議員 5 43 37 0

庁内 2 4 15 61

住民への情報公開の方法と その検討段階

取組自治体数

導入の是非 の検討

内容の検討 是非及び内 容の検討

審議会等の委員に住民代表を選任 32 30 24 22

説明会、公聴会等の実施 24 13 17 6

パブリックコメントの実施 4 4 2 2

市民報、広報誌、ニューズレター等 26 15 18 7

その他 5 3 2 1

表-12 住民への情報公開の方法

※調査対象は、有料化を導入又は検討している 90自治体

(出典:環境省「自治体のごみ処理有料化に関するアンケート調査」H18年から)

- 53 -

3 懸念される課題への対応

・集積所方式から戸別収集に切り替えると、排出者責任の明確化を図れる半面、収集作業に手間がかかり、収集時間や経費が増加する。

Ⅳ ごみ処理有料化制度の評価と見直し ・岐阜市の粗大ごみ処理手数料の見直し状況は次のとおり。 ・岐阜市での他の手数料等の見直し事例は次のとおり。

表-13 戸別収集に切り替えに伴う経費増とその抑制対策

※調査対象は、有料化を契機として集積所方式から戸別収集に切り替えた市。両形態併用の場合は、比率の高い方式とした。 (出典:東洋大学 山谷修作教授「第 3回全国都市家庭ごみ有料化に関する調査」H20年)

収集運搬の 実施形態※

戸別収集への切替えによる収集運搬費の増加率

戸別収集に伴う経費増を抑制するための工夫 可燃ごみ 不燃ごみ

A 市 民間委託 民間委託 倍近く -

B 市 直営 民間委託 30%程度 可燃は、直営方式により経費増はほとんどなし。不燃は、近隣市の実績を参考に、増車数を極力抑えた。

C 市 民間委託 民間委託 30%程度 直営での収集から委託収集に切り替えた。

D 市 民間委託 民間委託 10%程度 収集回数の削減(可燃ごみ週 3回→週 2回)

E 市 直営 民間委託 30%程度 収集回数の削減(可燃ごみ週 3回→週 2回)

F 市 民間委託 民間委託 10%程度 収集回数の削減(可燃ごみ週 3 回→週 2 回、不燃ごみ週2 回→週 1回)

G 市 民間委託 民間委託 10%程度 収集回数の削減(可燃ごみ週 6 回→週 3 回、不燃ごみ週1 回→隔週 1 回)

H 市 民間委託 民間委託 20%程度 民間委託業者サイドの最短ルート組立による収集時間短縮化

I 市 民間委託 民間委託 20%程度 収集回数の削減(可燃ごみ週 3回→週 2回)

J 市 民間委託 民間委託 40%程度 収集回数の削減(不燃ごみ週 1 回→隔週 1 回)、収集委託単価の見直し。

K 市 直営 民間委託 増加なし 収集者 1 台当たりの収集作業員数を 2人から1人に削減

L 市 民間委託 民間委託 40%程度 経費増を抑制する工夫等は、特に行っていない。

M 市 民間委託 民間委託 10%程度 収集回数の削減(不燃ごみ週1回→隔週1回)

表-15 手数料等の見直し事例(岐阜市)

名称等 見直しの概要

介護保険料 ・全国の給付状況や介護サービスの共有量等を踏まえ見直し。 ・第 1号保険者(65 歳以上)は、3 年ごと。 ・第 2号保険者(40 歳~65歳未満)は、適時。

保育料 ・毎年改定される国の「保育所運営費国庫負担金における保育所徴収金基準額表」に基づき、概ね 8割程度に減額し設定。

市営住宅家賃 ・公営住宅は法律に基づき算定基準が定められており、毎年見直し。 ・市単住宅は、見直し時期の定めはない。 ・

上下水道料金 ・審議会の答申により料金設定期間が定められている。 ・例えば、下水道料金設定期間は H24年 7 月 1日~H27 年度まで。

(出典:自然共生部調べ)

見直しの概要

H10年 10 月 H22年 6月 (理由)

粗大ごみの有料化実施(指定袋と品目ごとのシールによる方法を併用) 指定袋の取扱を見直し(指定袋に収納できる品目については、指定袋による手数料とすることができる) ・市民サービスの向上。 ・粗大ごみの排出手続きの簡素化。

表-14 粗大ごみ手数料の見直し(岐阜市)

- 54 -

おわりに

表-16 「ごみ減量・資源化に向けた意見交換会」での主な意見(岐阜市実施)

実施日/H24年 5月 30日~6 月 5 日 会場等/市内 5か所のコミュニティセンター、参加者延べ 237 名 (主な意見) [環境審議会に関すること] ・環境審議会は、ごみ処理有料化制度の検討ではなく、ごみゼロに向けて検討する必要がある。

・審議会の委員に、住民の声を届けて欲しい。 [情報提供に関すること] ・有料化制度を導入した場合、毎月どれくらいの料金を負担することになるのかなど、市民が具体的なイメージを描けるようなに情報提供をして欲しい。

・ごみ減量の取組は、地区ごとに意見交換等を行いながら、市民と共に進めて欲しい。 ・女性の参加が少ないため、多くの機会を設け広く市民の意見を聴いて欲しい。 [ごみ処理有料化制度に関すること] ・市民の努力等によりごみ減量が進んでいるため、有料化制度の検討は必要ないのでは。 ・地域住民の力でもっとごみは減らせるはずであり、有料化をする前にできることはあると考える。

・有料化制度の導入が目的ではなく、ごみ減量が目的であることをきちんと考えて欲しい。 ・有料化制度の導入に当たっては、慎重に進めて欲しい。 ・5会場だけでなく、きめ細かに時間も考え、意見交換会を開催して欲しい。 ・有料化制度を導入している周辺市町から、岐阜市へ不正にごみが排出されて迷惑している。岐阜市も早く有料化制度を導入して欲しい。

・ごみを多く排出する人ほどより多くの負担がかかるような仕組みにして欲しい。 ・有料化制度を導入する場合は、低所得者層に十分な配慮が必要と考える。 ・有料化制度を導入する際、手数料の使途を明確にするとともに、地域のために使って欲しい。

・事業系のごみが家庭系のごみとして排出されないよう、公平性に努めて欲しい ・有料化制度を導入した場合は、市販の在庫の袋が無駄にならないようにして欲しい。 ・有料化制度を導入すると、不適正排出や不法投棄が増えるのは明らか。自治会にその処理を押し付けられると困る。市の厳正な対応を期待する。

・事業系ごみを有料化すれば、企業等がごみ減量に関し力を入れるので有効である。