世界一平和な猿 ムリキに学べ...世界一平和な猿 ムリキに学べ 校長 粒針...
TRANSCRIPT
世界一平和な猿ムリキに学べ
校長 粒針 雅之
みなさん、おはようございます。
今日は世界一平和な猿といわれるムリキの話をしようと思います。
“ムリキ”という猿を知っていますか?。
なんだか、漢字を当てはめると「無力」となってしまいそうな、ち
ょっぴり弱そうな(笑)名を持つ猿。
ムリキはブラジル東部、大西洋沿岸に広がる森“マタ・アトランティ
カ”だけに住む、南米最大の猿です。
※その森は、牛の放牧やコーヒーの栽培のために焼き払われ、今で
は
7%しか残っていないそうです。
ムリキは、体重約 15 キロ、体長約 60 センチと、中南米のサル(新
世界ザル)で最も大きい猿です。
彼らが「世界一平和な猿」と呼ばれる所以は……
①争わない。
②順位がない。
50 頭ほどの群で生活しますが、食べ物や雌をめぐって争うことはほ
とんどないし、群れの中で上下関係もないのです。
彼らは、樹上生活を送るので、種族を保存するためにはケンカをし
て木から落ちたりするリスクをなるべく少なくする方がいいにきま
っています。しかし、ただの本能とは思えないほどの知性と愛情と
を兼ね備えた動物だと思います。
例えば、乾季に、エサを求めて群で移動する際、時には、木と木の
間が大きく開いた所を渡って行かねばなりません。
そんな時、子ザルを渡してやるために大人の猿が自ら懸け橋となる
のです。
自分の子どもでなくても、助けます。
また、一頭だけではどうしようもないほどの広いすき間を渡るとき、
数頭のムリキが木のてっぺんに集まって協力して木をしなわせ、隣
の木に飛び移るのです。
このほかにも、一本の木に何頭ものムリキが集まって木の葉を食べて
いるとき、これ以上の体重がかかると、木が傾いてしまって危ない と
判断した次の一頭は、誰かが食事を終えて木から離れるのを待つので
す。それまで騒ぎもせず、じっと順番を待っています。
決して空腹で理性を失うということはありません。
たまたま 美味しい実のなっている木を発見した時も、自分一人で食
べたりせず、必ず仲間を呼び集めて一緒に食べるのです。
ムリキには自分さえよければ……という視点がそもそもありません。
平等に分け合い、弱いものを守り助け、状況を的確に把握して危険を
避け、協力し合うことで生き抜く道を選んだのです。
わたくしたちは彼らの生き方を手本にするべきなのではないか、と
強く思いました。
どうして私たち人間は、ムリキのように協力して生きていくことができないのでしょう。
人の悪口を言ったり、暴力をふるったり、仕事をさぼって他の人によけいな負担をかけた
り、ムリキの生き方と逆の生き方している人いませんか?
良い学級を作るために、良い人になるために、自分はどうしたらいいのか、今日お話しし
たムリキの生き方を参考に考え、実行してほしいと思っています。