新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1)...

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10月は「いじめ見逃しゼロ強調月間」 「いじめ見逃しゼロ強調月間」に合わせ、「い じめ見逃しゼロ県民運動」の様々な取組を行 います。 「深めよう 絆 県民の集い」では、「いじめ 見逃しゼロ」を目指した児童生徒、地域の方 々の活動発表や、著名な講師による講演を行 い、社会全体の絆の中でいじめを見逃さない 意識を高めます。 中越地区は9月24日に、長岡リリックホー ルで隂山英男氏による講演や津南小・中学校 の取組等の実践発表が行われました。 上越地区と下越地区は下記のとおりです。 入場は無料です。以下の教育事務所へお申 し込みください。なお、当日受付も可能です。 上越教育事務所 025-526-9376 下越教育事務所 025-231-8360 第1回新潟県グローバル人材育成推進 会議が開催されました 県教育委員会では、「新潟県教育振興基本計 画」に基づき、本県の成長を支えるグローバル 人材育成推進のため、このたび有識者による「新 潟県グローバル人材育成推進会議」を設置し、 上越地区 10月5日(日)午後1時~4時30分 リージョンプラザ上越 講師・宮本延春氏 下越地区 10月13日(月・祝日)午後1時15分~4時5分 胎内市産業文化会館 講師・諸富祥彦氏 9月12日に第1回の会議を開催しました。 本会議では桑原聡新潟大学副学長が座長に選 出され、「県が目指すグローバル人材の姿とそ の育成に向けた取組」「英語力強化に向けた取 組」「国際理解教育の推進」について話し合わ れ、「児童生徒に英語学習への動機づけを与え る必要がある」という意見が出るなど、活発に 意見が交わされました。 県内大学留学生ふれあい事業の実施 グローバル人材育成推進事業の中から、「県 内大学留学生ふれあい事業」を紹介します。 8月26日に新潟工業高校のボランティア部 が、車椅子の寄贈先であるタイ王国の理解と 国際教育プレゼンテーションコンテストの取 材のため、タイ王国からの留学生(新潟大学 在籍)を学校に招いて、交流会を行いました。 生徒は昨年タイ王国を訪問した様子を英語 で報告し、留学生によるタイ王国の地理、文 化、言葉、挨拶について、英語で聴きました。 また、車椅子修理の実演では、留学生と英会 話でやりとりする場面も多く見られました。 【車椅子修理の実演】 育ニュースライン 県教育に関する最新ニュースをお知らせします。 10 月号 第777号 平成26年10月1日発行 編集人、発行人 新潟県教育委員会 <今月号の記事> 1:教育ニュースライン --------- P1 2:持続可能な社会の担い手を育む新潟の教育 --------- P2~5 3:オンリーワンスクール・ステップアップ事業 --------- P6~7 4:地域連携を担当する教員研修会について --------- P8 第777号 平成26年10月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1)

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Page 1: 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1) 10新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校 小千谷市立小千谷小学校 3 新潟水俣病学習

10月は「いじめ見逃しゼロ強調月間」

「いじめ見逃しゼロ強調月間」に合わせ、「い

じめ見逃しゼロ県民運動」の様々な取組を行

います。

「深めよう 絆 県民の集い」では、「いじめ

見逃しゼロ」を目指した児童生徒、地域の方

々の活動発表や、著名な講師による講演を行

い、社会全体の絆の中でいじめを見逃さない

意識を高めます。

中越地区は9月24日に、長岡リリックホー

ルで隂山英男氏による講演や津南小・中学校

の取組等の実践発表が行われました。

上越地区と下越地区は下記のとおりです。

入場は無料です。以下の教育事務所へお申

し込みください。なお、当日受付も可能です。

上越教育事務所 025-526-9376

下越教育事務所 025-231-8360

第1回新潟県グローバル人材育成推進

会議が開催されました

県教育委員会では、「新潟県教育振興基本計

画」に基づき、本県の成長を支えるグローバル

人材育成推進のため、このたび有識者による「新

潟県グローバル人材育成推進会議」を設置し、

上越地区

10月5日(日)午後1時~4時30分

リージョンプラザ上越 講師・宮本延春氏

下越地区

10月13日(月・祝日)午後1時15分~4時5分

胎内市産業文化会館 講師・諸富祥彦氏

9月12日に第1回の会議を開催しました。

本会議では桑原聡新潟大学副学長が座長に選

出され、「県が目指すグローバル人材の姿とそ

の育成に向けた取組」「英語力強化に向けた取

組」「国際理解教育の推進」について話し合わ

れ、「児童生徒に英語学習への動機づけを与え

る必要がある」という意見が出るなど、活発に

意見が交わされました。

県内大学留学生ふれあい事業の実施

グローバル人材育成推進事業の中から、「県

内大学留学生ふれあい事業」を紹介します。

8月26日に新潟工業高校のボランティア部

が、車椅子の寄贈先であるタイ王国の理解と

国際教育プレゼンテーションコンテストの取

材のため、タイ王国からの留学生(新潟大学

在籍)を学校に招いて、交流会を行いました。

生徒は昨年タイ王国を訪問した様子を英語

で報告し、留学生によるタイ王国の地理、文

化、言葉、挨拶について、英語で聴きました。

また、車椅子修理の実演では、留学生と英会

話でやりとりする場面も多く見られました。

【車椅子修理の実演】

教 育ニュースライン 県教育に関する最新ニュースをお知らせします。

10月号第777号平成26年10月1日発行

編集人、発行人新潟県教育委員会

<今月号の記事>1:教育ニュースライン --------- P12:持続可能な社会の担い手を育む新潟の教育 --------- P2~53:オンリーワンスクール・ステップアップ事業 --------- P6~74:地域連携を担当する教員研修会について --------- P8

第777号 平成26年10月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1)

Page 2: 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1) 10新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校 小千谷市立小千谷小学校 3 新潟水俣病学習

新潟県教育振興基本計画の基本方針Ⅱ・キ

ャリア教育の推進に、4つめの柱として「持

続可能な社会を構築する教育の推進」が掲げ

られています。環境教育を中心としたESD

(Education for Sustainable Development

持続発展教育)を推進し、環境の保全やより

よい環境の創造に貢献できる実践的な態度と

資質能力の育成が求められています。

義務教育課の環境教育Webページ「にいがた

スクールECOガイド」(県のWebページから

簡単にアクセスできます)では、環境教育に

かかわる県内の学校実践を紹介しています。

1 特色ある環境教育

県内の小・中学校で取り組まれている地域

の自然や人々とのかかわり、体験活動等をと

おした特色ある環境教育を紹介しています。

<平成25年度実践事例掲載校一覧>

上越市立高志小学校、南魚沼市立第二上田小

学校、五泉市立川東小学校、糸魚川市立糸魚

川中学校、十日町市立水沢中学校、佐渡市立

内海府小中学校

2 「魚沼から行く尾瀬」環境学習

「『魚沼から行く尾瀬』環境学習プログラム」

を活用して実施された「尾瀬環境学習」の取

組について紹介しています。

<平成25年度実践事例掲載校一覧>

新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校

小千谷市立小千谷小学校

3 新潟水俣病学習

環境を大切にする意識と人権に対する理解

を深めることを目指して取り組まれている「新

潟水俣病学習」を紹介しています。

<平成25年度実践事例掲載校一覧>

妙高市立斐太北小学校、長岡市立東中学校

五泉市立愛宕中学校

●妙高市立斐太北小学校の実践

4年生は総合的な学習の時間に、学区を流

れる4本の川に繰り返しかかわり、斐太の川

の豊かさを感じる活動を行いました。一方で、

農薬散布による生物の減少や工業排水による

川の汚染についての学習を深めました。担任

は、この学習をより深い学びにしたいと考え、

新潟水俣病資料館で、環境と人間のかかわり

について詳しく学習することにしました。

新潟水俣病資料館では、語り部の口演を聞

くという活動も設定しました。身体だけでな

く、心に受けた痛みにも負けずに懸命に生き

(2) いじめ見逃しゼロ県民運動 私たちはいじめを見逃しません 777号 平成26年10月1日

持続可能な社会の担い手を育む新潟の教育

義務教育課

Page 3: 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1) 10新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校 小千谷市立小千谷小学校 3 新潟水俣病学習

ている語り部の姿に、多くの児童が心を動か

されました。新潟水俣病の概要を学ぶことで、

「安全安心な魚で、今の時代で良かった」と

感想を書いていた児童も、語り部の話を通じ

て、差別や安全な暮らしについて、真剣にと

らえようとする姿を見せていました。さらに、

地域の川の環境と人々の生活との結び付きも

再認識し、身の周りの自然環境が生活に及ぼ

す影響についても、身近なこととして受けと

める児童の姿が見られました。

4 にいがたスクールエコ運動

にいがたスクールエコ運動は、かけがえの

ない地球環境を守る意識と実践力を身に付け

た児童生徒の育成を目指して、県教育委員会

が取り組んでいる運動です。具体的には、日

常の学校生活において、節電や節水、リサイ

クル活動、環境保全活動等に取り組み、地域

の環境や資源、エネルギーを守ろうという活

動が行われています。

平成14年度から運動を推進した結果、17年

度には、県内の全ての小・中・特別支援学校

から協力を得ることができました。その後は、

それぞれの学校の実情に合わせて継続され、

学校独自のスタイルで根付いてきています。

<平成25年度実践事例掲載校一覧>

県内の取組事例を紹介します。

上越市立牧小学校、上越市立高田西小学校

長岡市立桂小学校、長岡市立前川小学校

三条市立大浦小学校、柏崎市立高柳小学校

柏崎市立米山小学校、新発田市立加治川小学

校、糸魚川市立青海中学校、上越市立大島中

学校、長岡市立北中学校、魚沼市立広神中学

校、胎内市立乙中学校

実践例を一部紹介します。

●柏崎市立米山小学校の実践

平成10年の校舎改築の際に、太陽光発電、

雨水利用のトイレ等が設置され、環境を考慮

したエコスクールとなっています。それ以来、

環境教育に重点をおいて取り組んでいます。

学校のプール清掃はEM菌を活用して行っ

ています。EM菌は乳酸菌や酵母菌など、有

用な微生物群のことを言います。EM菌を清

掃前のプールに入れると、EM菌が水中のヘ

ドロを食べてくれます。また、清掃後の排水

に含まれたEM菌は、流れた先の川なども浄

化してくれます。自然環境にとっても利用す

る人にとっても優しい清掃方法です。

校舎の南側ではアサガオやゴーヤを育て、

グリーンカーテンの日よけを作りました。全

校児童で水やりや草取りなどの世話をしてい

ます。水やりには貯めた雨水を活用し、生ゴ

ミ処理機で生成した肥料を活用して、循環式

の栽培の仕方を考え取り組んでいます。

【グリーンカーテンへの水やり】

●三条市立大浦小学校の実践

大浦小学校の校区は自然に恵まれた地域で

す。今年度は、大浦の優れた自然環境や文化

の保護と保全に努め、自然環境、文化との共

存を図り、まちづくりに貢献する「大浦環境

プロジェクト」をスタートさせました。

4月に熊堂山の自然観察会を2回実施しま

した。その後、NPO法人エコロジーネット

ワークの方から動植物の特徴や自然のよさを

学んだ4年生は、隣接する長沢小学校の4年

生に熊堂山を紹介する活動に発展させました。

また、熊堂山を守るパンフレットを作成し、

保護者や地域に発信しました。

6月、五十嵐川漁協の支援を受けて、五十

嵐川に鮎の放流をしました。以下は3年生の

作文です。

第777号 平成26年10月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (3)

Page 4: 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1) 10新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校 小千谷市立小千谷小学校 3 新潟水俣病学習

児童らは、魚が棲めるような川にするため

には、多くの人の働きがあることを知り、感

謝の気持ちを高めました。

【鮎の放流】

●胎内市立乙中学校の実践

乙中学校では、地域貢献に目を向けた活動

が根付いています。校地内にはたくさんの松

の木があります。落ちた松葉を放置すると、

校地内にある公道を通る地域住民の通行の妨

げとなったり、側溝が埋まるなど地域の迷惑

になります。そこで月一度、乙中学校では全

校をあげて、外清掃を行い、環境保全と美化

を図っています。

また、学区の松林の中に県少年自然の家が

あります。例年、少年自然の家の利用が多く

なる前の4月に、全校で松葉かきを行います。

今年度は小雨の降る中でしたが、利用される

人たちが気持ちよく使えることを願い活動し

ました。集めた松葉の運搬は地元住民の方か

ら御協力いただき、地域との連携で活動を継

続しています。松葉は、施設を利用する人た

ちの飯ごう炊飯の焚き付けに利用されていま

す。

この活動が認められ、この度「胎内市住み

鮎はあまりきたないところには住んでい

ません。きれいなところに住んでいるそう

です。漁協の方は川のことをよく知ってい

ました。川を工事している方たちはシャベ

ルカーで土を直したり川をきれいにしたり

していました。山形県からわざわざ鮎を持

ってきたり、川や土を直してもらったりし

て、とてもありがたいと思いました。

よい郷土づくり協議会」より環境衛生功労者

賞(団体の部)を受賞しました。

【松葉かき】

●長岡市立北中学校の実践

毎年8月2・3日に行われる大花火大会の

翌朝6時からの清掃ボランティア活動に、全

校で参加しています。自分たちの住む町の美

化活動に関心をもつことがねらいです。生徒

会の福祉委員会が、参加を呼びかけます。

参加した生徒らは、「長岡花火を見に遠くか

ら来た人たちが、長岡ってよいところだと思

ってもらえるように清掃をしました。一人一

人が小さなゴミも見逃さず拾い、みんな真剣

な姿で取り組みました。」「1年生のときに参

加した時は、ただ参加すればいいという気持

ちでした。しかし、毎年参加することで、自

分も長岡に住む一人の住民としてこの花火大

会を成功させたいという気持ちが大きくなり

ました。」と感想を述べていました。

【花火大会後の清掃ボランティア】

(4) いじめ見逃しゼロ県民運動 私たちはいじめを見逃しません 777号 平成26年10月1日

Page 5: 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1) 10新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校 小千谷市立小千谷小学校 3 新潟水俣病学習

ESDとは、将来にわたって持続可能な社

会を構築する担い手を育む教育です。現代社

会の様々な課題を自らの問題として捉え、身

近なところから取り組むことにより、それら

の課題の解決につながる新たな価値観や行動

を生み出し、それによって持続可能な社会を

創造していくことを目指す学習や活動です。

ESDは、第2期教育振興基本計画に教育

の重要な理念の一つとして位置付けており、

学習指導要領にも持続可能な社会の構築の観

点が様々な教科に盛り込まれています。

「国連持続可能な開発のための教育」の10

年目にあたる今年度は、ユネスコ世界大会と

世界会議が岡山市と名古屋市で行われます。

文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、

ユネスコスクールをESDの推進拠点と位置

付け、加盟促進に取り組んでいます。

1 ユネスコスクールへの加盟促進

県教育委員会でも、平成21年からユネスコ

スクールへの加盟を推進してきました。本県

の平成26年10月現在のユネスコスクール加盟

校は27校、加盟申請中が2校となっています。

先に紹介した「にいがたスクールエコ運動」

のような活動は、ESDの考え方に合致する

ものです。また、生活科や総合的な学習では、

地域の自然環境を活動の場とすることが多く、

これらもまたESDと深くかかわっています。

新しい教育課程を展開するのではなく、これ

までの教育活動を捉え直すことにESDの意

義があります。日本のESDは学校中心に取

組が進められているという他国には見られな

い特徴もあります。

ユネスコスクールとESDについての理解

とユネスコスクールへの積極的な加盟をお願

いします。「にいがたスクールECOガイド」

では加盟校の実践についても紹介しています。

「これなら、私たちの学校でやっているあの

活動につながる」と感じるものが多くありま

す。是非、一度「にいがたスクールECOガ

イド」で加盟校の様子を御覧ください。

<活動紹介校>

長岡市立南中学校、新潟市立巻東中学校、

十日町市立飛渡第一小学校、新潟市立白新中

学校、新潟市立下山小学校、南魚沼市立大巻

中学校、見附市立見附小学校、見附市立田井

小学校、柏崎市立北鯖石小学校、佐渡市立相

川小学校、新潟市立横越中学校、見附市立上

北谷小学校、新潟市立上山小学校、見附市立

見附特別支援学校、見附市立見附第二小学校、

新潟市立赤塚中学校、見附市立今町小学校、

見附市立名木野小学校、見附市立葛巻小学校、

見附市立今町中学校、見附市立宮浦中学校、

見附市立新潟小学校

2 ユネスコスクール加盟へのメリット

ユネスコスクールに加盟すると次のようなメ

リットがあります。

・世界中の参加校(約9,000)との交流機

会の増加。

・ログインID・パスワードの取得により、

ユネスコスクールWebページからの情報発

信が可能。

・公益財団法人日本ユネスコ協会連盟から

様々な活動助成を受けることができ、交

通費補助の研修会にも参加が可能。

「にいがたスクールECOガイド」では、

ESDとは何か、ユネスコスクールとは何か

という基本情報のほか、ユネスコスクール加

盟申請の申込み手続きもできます。

環境教育Webページ「にいがたスクールEC

Oガイド」に掲載する「にいがたスクールエ

コ運動」の今年度の各学校の取組を12月26日

(金)まで募集しています。応募いただいた

いた事例は、Web上で公開します。

また、このWebページの「お知らせ・新着情

報」のコーナーでは、環境に関するコンクー

ルの紹介や教職員向けの研修会の案内などの

情報提供も行っています。子どもたちが活用

できる環境に関する情報にもリンクしていま

すので、授業でも積極的に御利用ください。

第777号 平成26年10月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (5)

Page 6: 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1) 10新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校 小千谷市立小千谷小学校 3 新潟水俣病学習

県教育委員会では、平成24年度から3年間

「オンリーワンスクール・ステップアップ事

業」を実施し、「起業家教育(10校)」、「地域と

連携したキャリア教育(3校)」、「グローバル

人材育成(6校)」を推進しています。

本号では、「地域と連携したキャリア教育」

と「グローバル人材育成」に取り組む7校を

紹介します。

1 小千谷西高等学校

「地域に学び、地域に活きる人材育成」を

コンセプトに地元企業と連携を密にした活動

を推進しています。

(1) 地域密着型デュアルシステム

地域企業等と

連携を図り、企

業等でのデュア

ルシステムを実

施しています。

今年度は学校設

定科目「キャリア 【職場実習の様子】

実習」選択者の2年生8人が、毎週火曜日の

午後、計15回の実習を行っています。実習後

の体験発表会では、地元企業の方々から指導

講評をいただきます。

(2) 地域施設を利用したキャリア教育

部活動の一つである機械部では、地元企業

の実習施設を活用して、総合的なものづくり

に取り組んでいます。原付エンジンの動力で

走行するエコランカーを製作し、昨年度は燃

費の良さを競う全国

大会に初出場しまし

た。結果は、初参加

チーム中第1位であ

り、新人賞を受賞し

ました。 【全国大会の様子】

2 新潟県央工業高等学校

「輝け、明日の県央テクノロジスト」をコ

ンセプトに、県央地域の企業や大学と連携し

たキャリア教育を推進しています。

(1) デュアルシステムの実施

デュアルシステムを課題研究のテーマの一

つとして位置付け、県央地域の企業5社で3

年生11人が実習を行っています。

今年度は、実習の心構えから自己評価報告

書などを盛

り込んだ手

引を作成し、

実習におい

て活用して

います。

【職場実習の様子】

(2) 大学や企業との連携による研究・開発

コンピューターによる機器の制御技術や住

宅設計等の課題研究のテーマについて、生徒

は県内大学の先生から直接指導を受けていま

す。大学生との交流や講義を体験するなど、

先端技術や最新の研究に直接ふれる機会にも

なっています。

また、地域の伝統工芸品「鎚起銅器」の熟つ い き

練技能者の方から直接指導を受け、県央工業

高校ブランドの風鈴の製品開発に取り組んで

います。

(3) 資格取得指導及び技術指導

地域の方を講師に迎え、建築大工技能検定

等のための技術

指導、測量や原

動機に関する講

義・指導を受け

るなどして実践

的な技術を習得

しています。

【専門家からの指導】

(6) いじめ見逃しゼロ県民運動 私たちはいじめを見逃しません 777号 平成26年10月1日

オンリーワンスクール・ステップアップ事業

高等学校教育課

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トキの野生復帰や佐渡金銀山世界遺産登録

推進活動で注目される佐渡の5つの学校が連

携を図り、地域全体でグローバル人材育成に

向けた取組を行っています。

1 佐渡高等学校

昭和47年から始まったカリフォルニア州ヘ

イワード高校との姉妹校事業の復活・交換留

学プログラムを行っています。平成25年3月

に、5人の生徒が参加したヘイワード高校で

の短期留学(2週間)が実現し、平成26年3月

は、ヘイワード

高校やマウント

イーデン高校へ

短期留学するこ

とができました。

【ヘイワード市での歓迎】

2 羽茂高等学校

東アジアの国との交流を目的に高校生韓国

訪問研修事業の企画運営を行っています。

平成24年は10人、平成25年は9人の生徒が

韓国の高等学校などと交流しました。佐渡の

学校紹介や佐渡金銀

山の世界遺産登録推

進活動などのプレゼ

ンテーションを英語

や韓国語、日本語を

交えて行いました。

同年代の韓国の生徒 【韓国での発表の様子】

との交流は、外国の文化や言語を学ぶ意義を

感じる貴重な体験となりました。

3 相川高等学校

佐渡の中学生・高校

生の英語力向上と積極

的に英語で表現する態

度を育成することを目

的として、スピーチコ

ンテストの企画運営を

行っています。 【スピーチコンテスト】

平成25年12月、アミューズメント佐渡にお

いて行われたコンテストでは、中学生12人、

高校生12人が、堂々たるスピーチを披露して

くれました。参加した生徒からは、「佐渡の良

さを見直す機会となり、島外や海外へ伝えた

い。」などの積極的な意見がありました。

4 佐渡総合高等学校

郷土のすばらしさを発見し、生徒の視点で

郷土や学校を紹介するために、英語版ガイド

ブックを作成しています。5校が連携して作

業することで学校間の生徒交流が活発になる

だけでなく、

英語の学習に

積極的に取り

組む生徒が以

前より多く見

られるように

なりました。

【英語版ガイドブック】

5 佐渡中等教育学校

語学力やコミュニケーション能力の育成と

海外体験交流の機会拡充を目的に、デイリー

イングリッシュキャンプを行っています。

平成25年8月には、生徒17人とALT、留

学生が交流し、

インタビューな

どの英語活動に

取り組みまし

た。中国やブラ

ジルなど、英語

を母国語としな

い留学生たちと 【スピーキング活動の様子】

交流することで、生徒はツールとしての英語

の重要性を再認識することができました。

本号で紹介した活動のほかにも、特色ある

取組が行われています。高等学校教育課のWeb

ページ内に各校の活動概要へのリンクが用意

されておりますので、どうぞ御覧ください。

第777号 平成26年10月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (7)

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本研修会は、市町村立小・中・特別支援学校

において、校務分掌に位置づけられた「地域

連携を担当する教員」の皆様に、地域連携の

必要性や地域連携を担当する教員の役割を学

んでいただき、学校と地域を結ぶキーパーソ

ンとしての資質と能力の向上を図ることを目

的に本年度から実施されたものです。

本年度は、下越地区(8/4)、佐渡地区(8/5)、

上越地区(8/11)、中越地区①(8/22)、中越地

区②(8/25)の5会場で開催いたしました。

今回の研修会は、講義と実践発表、グルー

プワークで構成しました。

講義は、下越地区と佐渡地区、上越地区は、

雲尾周新潟大学准教授から、中越地区①、中

越地区②は、中島純新潟経営大学教授から、「生

涯学習時代の学校教育と地域連携」について

御指導をいただきました。

実践発表では、5会場で8校の発表をいた

だきました。各学校とも、それぞれの地域の

実情に応じて様々な工夫がなされており、参

加した皆様にとって、各学校での地域連携の

あり方について示唆を得ることができたもの

と考えています。

グループワークでは、「地域連携を深めるた

めに担当教員として、今何ができるか」をテー

マに、話し合いや発表を行いました。

【上越地区会場でのグループワークの様子】

アンケートの中から、参加者の感想をいく

つか紹介します。

・小中それぞれの学校の実情がよくわか

りました。ひとつの答えがあるわけで

なく、各学校ごとに特色を生かして進

めることが大切なのだと感じました。

・グループワークでは、各校の取組が具

体的に聞けて参考になりました。聞き

ながら2学期から学校でどう取り組ん

でいこうかと考えていました。

・まだまだ学校を開くことに抵抗感をも

っている職員がいると思います。まず

地域連携の必要性について校内の共通

理解を図る必要があると思いました。

・「継続性」がキーワードだと痛感しまし

た。次年度も困らないように方策を考

えていきたいと思います。

この度は、多くの学校から御参加いただき、

ありがとうございました。

この研修をもとに、地域との連携役である

教員が中心となり、学校の特色を生かした取

組を工夫することで、地域と学校との連携が

より強化されることを期待しています。

※ PDFファイルで御覧の方は、下線部(Webページ゙アドレス)

をクリックすると、直接該当Webページ゙へジャンプしますので

御活用ください。Webページでも御覧ください。バックナンバー

も御覧になれます。「教育月報」で検索してください。

(8) いじめ見逃しゼロ県民運動 私たちはいじめを見逃しません 777号 平成26年10月1日

地域連携を担当する教員研修会について

県立生涯学習推進センター

発行所 新潟県教育庁総務課所在地 〒950-8570

新潟市中央区新光町4番地1電 話 025-280-5587 FAX 025-285-3766E-mail [email protected]版URL http://www.pref.niigata.lg.jp/kyoikusomu/**本紙に関する御意見がありましたら、お寄せください**<無断転載を禁ず>

Page 9: 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (1) 10新潟市立女池小学校、新潟市立新潟小学校 小千谷市立小千谷小学校 3 新潟水俣病学習

第777号 平成26年10月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (9)

●県立近代美術館中越地震復興10年 画業40周年記念

「黒井健 絵本原画の世界展」

◆ 名作童話絵本『ごんぎつね』等で知られる県出身の絵本画家・黒井健の画業40年を記念し、創作活動の軌跡をたどります。中越地震後の故

郷・新潟を訪れ描いた絵本『ふる里へ』の原画も併せて紹介します。

ごんぎつね』偕成社 © KEN OFFICE,1986

○会期 9月12日(金)~11月3日(月・祝)○休館日 月曜日(祝日の場合翌日)○開館時間 午前9時~午後5時

(観覧券の販売は午後4時30分まで)○会場 県立近代美術館 企画展示室○観覧料 一般1,000(800)円 大学・高校生

800(600)円 中学生以下無料※ ( )内は有料20名以上の団体料金

「コレクション展 第3期」展示室1「さがして、みつけて」

展示室2「FACE」

展示室3「近代美術館の名品」

○会期 9月4日(木)~11月24日(月・休)

○休館日 月曜日(祝日の場合翌日)

○開館時間 午前9時~午後5時(観覧券の販売は午後4時30分まで)

○会場 県立近代美術館コレクション展示室○観覧料 一般430円 大学・高校生200円

中学生以下無料

※ 9月12日~11月3日は黒井健展のチケットで御覧いただけます。

関連イベント■美術鑑賞講座 10月25日(土) 午後2時~

3時30分/講堂/無料/事前申込不要

演題:「ニイガタ絵本作家列伝」

講師:宮下東子(当館学芸課長代理)

県立近代美術館住所 長岡市千秋3丁目278-14TEL 0258-28-4111URL http://www.lalanet.gr.jp/kinbi/

●県立万代島美術館

「伊藤若冲と京の美術―細見コレクションの精華」みやこ

◆ 「日本美術の教科書」とも称される京都の細見美術館の名品により、日本美術の多彩な魅力を紹介します。

○会期 9月13日(土)~11月3日(月・祝)○休館日 10月6日(月)○開館時間 午前10時~

午後6時(観覧券の販売は午後5時30分まで)

○観覧料 一般1,300(1,100)円大学・高校生1,100(900)円中学生以下無料

※ ( )内は有料20名以上の団体料金

伊藤若冲《雪中雄鶏図》江戸中期

関連イベント■作品解説会 10月5日(日)午後2時~/美術館展示室/申込不要※ 当日の観覧券が必要です細見美術館主任学芸員 伊藤京子氏をお招き

し、コレクションについて解説していただきます。

■ミュージアム・コンサート「和を楽しむ」10月19日(日)午後2時~2時30分/美術館ロビー/無料/申込不要出演:薫風之音(箏:藤崎浩子 尺八:鯨岡徹)箏・尺八のユニット「薫風之音(くんぷうのお

と)」をお招きし、ミュージアム・コンサートを行います。トーク付きで気軽に楽しめる和楽器コンサートです。

県立万代島美術館住所 新潟市中央区万代島5-1 朱鷺メッセ内TEL 025-290-6655 万代島ビル5階URL http://banbi.pref.niigata.lg.jp/

平成25年度 教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価報告書を発行しました。

このたび、平成25年度の県教育委員会の事務・事業に対して点検及び評価を行い、報告書にまとめました。県庁1階行政情報センター及び市町村教育委員会、県立学校、市町村立図書館で直接御覧いただけますので、御活用ください。なお、Webページでも御覧い

ただけます。【平成25年度 点検・評価報告書URL】http://www.pref.niigata.lg.jp/kyoikusomu/1356796026390.html

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(10) いじめ見逃しゼロ県民運動 私たちはいじめを見逃しません 777号 平成26年10月1日