県内初のチロル式渓流取水...頭首工はその下流になります。写真中段の落差のある堰堤は、源太郎堰堤と呼ばれている砂防堰堤で、...

1
65 68 ha 56 使ひら かわ とう しゅ こう 県内初のチロル式渓流取水 ■2010年 4 月号掲載 チロル式渓流取水堰堤(※手前に見える堰堤) 出典:農の営みをささえる 信濃の疏水

Upload: others

Post on 01-Feb-2021

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

  • ◦�

    写真中段の落差のある堰堤は、源太郎堰堤と呼ばれている砂防堰堤で、

    頭首工はその下流になります。

    ◦�

    チロル式渓流取水堰堤

      

    堰にスリット(細い隙間)を設け越流した水を取水する、チロル地方

    で昔から行われていた取水方法。安定した取水ができ、ごみ等の除去

    の必要がない。

    ◦�

    白馬村土地改良区

    白馬村のオリンピックジャンプ会場の南、国道から別荘地を抜

    けた、姫川の支流一級河川平川に頭首工(川の水を用水路へ引き

    入れる施設)があります。全長65m(取水部)、取水量は最大

    2・68(㎥/秒)、平川左右岸の扇状地330haをかんがいして

    います。

    この平川は、白馬連峰を源

    みなもとと

    する急流河川で何度も氾濫し、昔

    から国や県の事業で砂防堰てん堤てい等を施工してきました。かつて農業

    用水は、上流の源太郎取水、下流の矢崎左岸取水、矢崎右岸取水

    の3箇所で取水を行っていました。しかし、源太郎取水地点では

    水量が豊富にもかかわらず、砂礫地帯のため水が地下へ浸透して

    しまい、矢崎の取水地点では水量が乏しく、さらに扇状地の水田

    は多くの水が必要なため、水争いが頻繁に起きていました。

    このため、県営かんがい排水事業により、取水口を一箇所にま

    とめ、県内で初のチロル式渓けい流りゅう取しゅ水すい堰えん堤ていを昭和56年に完成させ

    ました。この結果、安定した取水が確保されるとともに、維持管

    理も容易になりました。

    現在も白馬村の主要な農業用水の源として水田を潤し、さらに

    年間を通じ、村の防火用水等生活用水としても使われています。

    (北安曇地方事務所農地整備課

    大月

    照泰)

    平ひら

    川かわ

    頭とう

    首しゅ

    工こう

    県内初のチロル式渓流取水

    ■2010年 4 月号掲載

    チロル式渓流取水堰堤(※手前に見える堰堤)

    出典:農の営みをささえる 信濃の疏水