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「Connected Industries」の具体例 (ものづくり/バイオ/AI)
平成29年5月29日 経済産業省
参考資料1
CeBITにおける「Connected Industries」の発信 本年3月に開催されたドイツ情報通信見本市(CeBIT)に、我が国はパートナー国として参加。安倍総理、世耕経済産業大臣他が出席。日本企業も118社出展(過去最大規模)。
安倍総理からは、我が国が目指す産業の在り方としての「Connected Industries」のコンセプトについて、①人と機械・システムが協調する新しいデジタル社会の実現、②協力や協働を通じた課題解決、③デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進を柱とする旨をスピーチ。
また、第四次産業革命に関する日独共同声明「ハノーバー宣言」が、世耕経済産業大臣、高市総務大臣、ツィプリス独経済エネルギー大臣との間で署名・発表。この中で、人、機械、技術が国境を越えてつながる「Connected Industries」を進めていく旨を宣言。
安倍総理のスピーチ 世耕経済産業大臣とツィプリス経済エネルギー大臣との会談
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第1次産業革命 動力を取得 (蒸気機関)
第2次産業革命 動力が革新
(電力・モーター)
第3次産業革命 自動化が進む (コンピュータ)
第4次産業革命 自律的な最適化が可能に 大量の情報を基に人工知能が 自ら考えて最適な行動をとる
狩猟社会 農耕社会 工業社会 情報社会 Society 5.0 超スマート社会
サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合
<社会の変化>
<技術の変化>
<産業の在り方の変化>
Society 5.0につながるConnected Industries
Connected Industries
もの×もの 人間×機械・システム
企業×企業 人間×人間
(知識や技能の継承) 生産×消費
大企業×中小企業 地域×地域
現場力×デジタル 多様な協働
新たな 社会を形成 人間中心 課題解決型
個々の産業ごとに発展
・様々なつながりによる新たな付加価値の創出 ・従来、独立・対立関係にあったものが融合し、変化 →新たなビジネスモデルが誕生
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Connected Industriesによる「勝ち筋」 事業所・工場、技術・技能等の電子データ化は進んでいるが、それぞれバラバラに管理されている
データがつながり、有効活用により、技術革新、生産性向上、技能伝承などを通じて課題解決へ
技能がデータ化され、後世に伝承される 人とAI・ロボットがつながり、
働きやすい職場に
Connected Industriesは、Made in Japan、産業用ロボット、カイゼン等に続く、日本の新たな強みに
産学官における 議論喚起・検討
データがAI等によって比較検証・分析され、技術が進歩
ものづくり、自動走行、ロボット、ドローン、ヘルスケア、バイオなど分野別取組み
事業所間・部門間のデータがつながり、生産性が向上
製品・サービスのデータが生産者等とつながり、サービス向上
従来
将来
標準化、データ利活用、IT人材、サイバーセキュリティ、人工知能、知財制度など横断的取組み
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地域・中小企業への 面的展開
Connected Industries(CI)の実現に向けた今後の取組 1.実現に向けた「分野別」対応
2.実現に向けた「横断的」対応
(1)スマートものづくり ・・・
(2)自動走行 ・・・
(3)ロボット、ドローン ・・・
(4)バイオ、ヘルスケア ・・・
世界屈指のロボット大国として、ロボットに係る要素技術の研究開発や人材育成を進め、ものづくり・サービス、介護、インフラ点検等の分野で実装を加速。
デジタル技術の「次」を見据えたバイオとデジタルの融合による社会に優しい産業構造への転換と、健康・医療情報を活用したサービス・機器等の開発支援。
技術力や現場力を生かしたスマートものづくり実現に向け、国際標準等の基盤整備や、受発注・設計・生産及び産業保安等のデータ共有の先進事例創出を支援。
自動車産業の競争力維持のため、自動走行の事業化(社会システムの設計=地域実証等)と技術(協調領域最大化=高精度地図等)で世界最先端を目指す。
(1)データ利活用 ・・・
(2)IT人材育成 ・・・
(3)サイバーセキュリティ・・・
(4)人工知能研究 ・・・
(5)知財・標準制度 ・・・
CIに不可欠なサイバーセキュリティ対策を万全にするため、インシデント情報等の共有の仕組みの構築、人材育成、サイバーセキュリティ投資促進を実施。
CIによる「勝ち筋」を確かなものとするため、産総研が大学等との連携の下、生産性向上等に資する研究開発を実施するとともに、グローバル連携を強化。
CIにおけるデータ活用の基盤として、公的データのオープン化、産業・個人データの流通・利活用の促進、国際的なデータ流通の円滑化を推進。
CIの担い手創出に向けて、教育訓練講座の拡充、プログラミング教育必修化、IT分野の起業支援プログラムの創設を実施。
CIに対応したルールの高度化として、ハードとソフトの融合に対応したルール整備、標準の実施に必要な知財の円滑な活用のための環境整備等を進める。
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Connected Industriesの具体例(ものづくり/バイオ/AI)
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スマートものづくり バイオ×デジタル 人工知能(AI) バイオ技術とデジタル技術の革新と融合
【政府としての施策】 「バイオ戦略」の策定 生物データプラットフォームの整備 バイオに係る初期市場の創出
高度に機能がデザイン・制御された生物細胞(スマートセル)の創出が容易になり、これまで利用し得なかった“潜在的な生物機能”を引き出し、利用することが可能に
バイオ×デジタルが導く Connected Industries
スマートセルが医療・ヘルスケア産業、ものづくり産業や食品産業など幅広い産業と融合
① 疾病予防可能なヘルスケア産業 ② 化石資源に頼らない産業への転換 ③ 革新的新素材によるものづくりの革新
① ゲノム解読コストの低減・短時間化 ② IT/AI技術の進化 ③ ゲノム編集技術の登場
AI技術の革新とIoT構造の変化
【政府としての施策】 非連続的な技術開発 革新的AIチップの事業化加速 AIクラウドをハブとするエコシステム創出
第四次産業革命によりデータが付加価値の源泉に。更に、深層学習等登場や、IoTデバイス・データ量の爆発的な増大によって、ハードウェア・ソフトウェア技術の変革期に。
人工知能(AI)が導く Connected Industries
あらゆる産業とAIが融合。分散アーキテクチャ等が鍵となる中でオープンイノベーションが重要に。
① エッジの強みを生かした分散アーキテクチャ ② ソフト・ハードの融合 ③ 大企業・ベンチャーのオープンイノベーション
① 新しいソフトウェアパラダイム ② IoT構造の変化 ③ ハード・ソフトの競争領域変化
デジタル技術によるものづくりの変革
【政府としての施策】 データプロファイル等の標準整備 データ利活用権限の明確化 人材育成・サイバーセキュリティ対策
デジタル化・グローバル化の進展により、水平分業・モジュール化が進展。これにより、キーコンポーネントやソリューションが利益の源泉として今後の主戦場に。
スマートものづくりが導く Connected Industries
デジタル技術とものづくりが融合。グローバル競争を見据え、もの売りからの脱却が鍵に。
① データを活用したソリューションビジネス ② 設計・開発におけるデータ活用 ③ 「選択と集中」に基づく他社連携
① バーチャルとリアルの融合 ② 水平分業・モジュール化 ③ スマイルカーブ現象の加速化
【事例1(分野別事例)】 スマートものづくり
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設計~生産~販売や、受発注~製造実行の各サイクルがデータ連携
リアルとバーチャルの融合
リアルタイム解析と相互のフィードバックにより、一連のサイクルを最適化・効率化できるように
【①背景】デジタル技術によるものづくりの価値の源泉の変化 デジタル化・グローバル化の進展を背景に、① リアルとバーチャルの融合、② 水平分業・モジュール化の進展、③ スマイルカーブ現象の加速化が起こり、製造業の付加価値の源泉が変化しつつある。
現場力を活かした優れた製品づくりに加え、今後は、これを起点とした顧客課題の解決力(サービス・ソリューション) が製造業の付加価値の源泉となり、これを巡るせめぎ合いが、今後の主戦場に。
デジタル技術の進展により、系列や国境を超えて、異なるITシステムで稼働する企業・工場・機械が連携
水平分業・モジュール化の進展 スマイルカーブ現象の加速化
設計やソリューション等、川上・川下の付加価値が相対的に高まる傾向
顧客要望に応じ、即時かつ柔軟に変種変量生産を実行できるように
新しい製品設計思想が必要に ~従来の「単体の作り込み」から、今後は「使われる場面を考慮した全体最適」へ
~システム・オブ・システムズの観点
日本工場
製品A
海外工場
外部工場
工程①加工データ
工程②加工データ
工程③加工データ
ERP
MES
商品企画研究開発 製品設計 生産
(加工組立) 流通・販売 アフターサービス
価値
ブランド
技術力企画力 QCD競争力 顧客満足度
ブランド力
M2M
プロダクト・ライフサイクルマネジメント(PLM)
サービス・ライフサイクルマネジメント
モデルベース開発
CAD
設計データ管理
サプライチェーン
マネジメント
顧客関係管理
修理用部品在庫の最適管理
予知保全
サービス顧客サービス履歴の管理
IoT/ビッグデータ
【②方向性】ものづくり×デジタルが導くConnected Industries
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今後の方向性は、企業間で設備の生産情報等を共有することにとどまらず、匠の技のデジタルデータ化・カプセル化により、ノウハウを秘匿しながらも共有することで、他社の工場や機械を即座に「自社仕様」に置き換え、「量の調整」のみならず「質の再現」をも可能にすることではないか。
これにより、工場・設備の繁閑格差の解消、地域分散した企業による最新高性能設備の共有・活用、被災時の柔軟な供給網組み替えが可能となり、関係する者が一挙に生産性を高めることが出来る。
競争力の源泉がモノからソリューションへ移る中、我が国のものづくり産業がこうした技術を世界に先駆けて実装し、現場を熟知していることに裏打ちされたものづくりソリューションを展開していくことが必要。
ソフトウェアで接続
製造実行システム
製造実行システム
製造実行システム
製造実行システム
従来 ~企業間で生産実績などの情報交換~
コネクテッド・インダストリーズ ~人や設備に付帯するノウハウも「つなぐ」~
(備考)図は、日立製作所ご提供
【③政府の対応】ものづくり分野でのConnected Industriesを実現するための施策
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1.基盤整備(標準化、サイバーセキュリティ、人材)
2.先進的取組への支援
3.規制・制度
4.国際連携
5.企業経営層との対話
ものづくり人材がシミュレーションソフト等を使いこなすためのカリキュラムを作成、展開。ドイツとも連携。
データフォーマットの標準化
サイバーセキュリティ
デジタル人材育成
現在我が国からIECに提案中のモデル (URM、IVRA)が採用されるよう継続的に働きかけ。
製造業の特性を踏まえた指針を29年度中に作成。ドイツとも連携し国際標準化めざす。
RRIが収集した個社の先進事例等について、工作機械の予知保全やAIを活用した最適加工条件の設定等のソリューション別に分類。29年度中に指針化。30年度以降、省エネ政策・中小企業政策と連動させ資金面で後押し。
日独企業の国際研究開発事業を資金面で支援(NEDOコファンド) 中小企業支援としてスマートものづくり応援隊に相談できる拠点を増設(29年度21か所) 産業保安の分野において、新技術を活用した実証事業を行いつつ、ビッグデータの活用促進の仕組みを構築。
29年度にデータ契約ガイドラインの製造分野での実証・有効性の検証。 工場の安全規制を最新の国際標準に適合。29年度は労働安全衛生法に基づく防爆規制について対応を進める。 29年度よりIoT等の新技術を活用した高度な自主保安を行う事業者に対して、ポジティブインセンティブを導入する「スーパー認定事業所」を開始。(高圧ガス保安法)
日独「ハノーバー宣言」の着実な実行、フォローアップ。 ダボス会議、OECD、G7・G20等の各種国際会議で日本の取組を発信、議論を主導。
データ取扱いルールが不明確であり、投資判断を阻害している可能性。また、サイバーセキュリティに関する関心が高くないことも問題。現場力を活かしたソリューション志向への転換が重要。この3点のメッセージを、 6月19日(月)15:00~18:00のコネクテッド・インダストリーズシンポジウム(於 イイノホール)にて発信
【事例2(分野別事例)】 バイオ技術とデジタル技術の融合
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第2世代シークエンサーの普及
7年間で解読 コストが1/1万
ディープラーニング等によりAI技術が非連続に発展
CRISPR/Cas9
→固有の特性を人工的に付加した生物の作製が可能に
IT/AI技術の進化 ゲノム編集技術の登場
解読コストが7年前の1/1万 (※ヒトゲノム計画時(1990年)と比して1/百万以下)
デザイン通りに生物機能を合成 する技術が登場
2013年初めにゲノム編集技術 (クリスパーキャス:CRISPR/Cas)が登場。
ゲノム解読コストの低減・短時間化
次元1(今後0~2年) ・画像・動画の認識 ・異常検知・将来予測
次元2(今後3~5年) ・試行行動を伴う異常検知 ・仮説生成・高度なシミュレーション
次元3(今後5~10年)
全ての生物情報を安価にデジタル化 AIによりゲノム配列と生物機能の関係解明が進みデザイン可能に 狙った生物機能の発現が可能に
(cf.) 1990年 現在 (ヒトゲノム計画時)
30億ドル 13年 1000ドル、1日
【①背景】バイオ技術とデジタル技術の革新と融合 近年の技術革新により生物情報(ゲノム情報など)のデータ化が加速(バイオ×デジタルの融合)。 ITの進化、ゲノム編集技術の出現により、高度に機能がデザインされた生物細胞の創出が可能に。
高度に機能がデザイン・制御された生物細胞(スマートセル)を創出が容易となり、 これまで利用し得なかった“潜在的な生物機能”を引き出し、利用することが可能に
<スマートセル技術は、世界経済フォーラムも10のEmerging Technologyの1つして位置づけ(2016)>
【②方向性】バイオ×デジタルが導くConnected Industries
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OECDは2030年の世界のバイオ市場を200兆円規模と予測。 スマートセルは、創薬基盤や再生医療用途などの医療・ヘルスケア産業のみならず、ものづくり産業や食品産業など幅広い産業と融合、Connected Industriesを創出する可能性。
②炭素循環社会 (Circular Economy)
③革新的新素材による成長社会 ①健康・快適社会 食品の健康増進・疾病予防機能を解析、「未病社会」 や生体親和性の高い健康・快適社会を実現できる可能性
生物の物質生産機能を解析・強化、化石資源に頼らない「炭素循環型社会」を実現できる可能性
生物材料の持つ機能を利用した新規素材開発による「革新的新素材による成長社会」を実現できる可能性
スパイバー社人工クモの糸
鋼鉄の340倍の強靱性、ナイロンを上回る伸縮性。THE NORCE FACEのパーカーに使用・販売予定。
車体外装部品等に使用。光沢や発色、低変色などに優位性。
三菱ケミカル「DURABIO」(バイオ素材)
生分解性バイオプラスチックをスマートセル生産。 カネカ「PHBH」(バイオプラスチック)
マイクロバイオームが様々な疾患や体質に関係。その制御に向けた創薬が進展中。
腸内マイクロバイオーム(微生物相) の制御に向けた創薬(武田など)
産総研アレルゲンフリー卵
オボムコイドの遺伝子を欠失、アレルギー低減卵を実現
マイクロソフト社DNAストレージ
DNA配列にデータを埋め込み長期保管用ストレージとして活用。1 mm3に1 exabyte (10万Tb)、500年以上の長期保管が可能。
【③政府の対応】バイオと異分野とのConnected Industriesを形成するための施策
バイオを主軸とする企業は限定、多くの企業内で一ツールとしての位置づけ、国内の投資は不十分。 バイオ技術を活用した将来社会像を示し、市場創出を政策的に牽引、企業投資を喚起する必要。 今後、バイオ戦略を策定の上、技術基盤整備(政策1)、市場創出(政策2)を総合的に推進。
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【各国の取り組み状況】 ○欧米は「バイオエコノミー戦略」を策定。Funding・規制手法を活用し、強力に推進。
・ 米国:2030年目標 石油由来燃料36%代替、2300万トンのバイオ由来製品の創出 IT企業が大規模投資(マイクロソフト、グーグル、フェイスブック、ペイパル、ソフトバンク等が、単年で6億ドル超投資) ・ 欧州:2030年目標 輸送燃料25%代替、石油由来製品の30%代替 プラスチックバック規制等、バイオ素材市場を牽引するための制度を積極活用
【我が国における取り組み方針】
○2002年以来の総合的・本格的な「バイオ戦略」を策定。
○政策1:生物データプラットフォームの整備 生物機能デザインのためのAI解析技術と生物データプラットフォームを構築 ①公的機関等が保有する生物資源の機能情報(ゲノム情報など)のデータ化の推進 ②AI解析技術の利用に伴い、企業等が保有する生物データが協調領域としてBDに取り込まれる仕組みを構築
○政策2:バイオ市場の創出 高機能なバイオ素材に係る性能標準・表示制度を創設し、消費者・市場からの“視える化”を推進 規制市場化を進めるEUと連携することで、世界的なバイオ製品市場を創出。アジアのバイオマス資源を活用し、 日本の技術で市場獲得を目指す。
【事例3(横断的事例)】 人工知能(AI)の活用
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IoT時代のデータ量増大やユースケースの拡大に伴うリアルタイムレスポンス要請の高まり
IoT構造の変化
データによるプログラミングとも言える深層学習、機械学習という新パラダイム
AIの本格的導入による、ソフト、ハードの競争領域の抜本的変化
新しいソフトウェアパラダイム
次元1(今後0~2年) ・画像・動画の認識 ・異常検知・将来予測
次元2(今後3~5年) ・試行行動を伴う異常検知 ・仮説生成・高度なシミュレーション
次元3(今後5~10年)
AIによるデータ分析が 付加価値の源泉に
従来のクラウド集中構造では適切なデータ処理が行えなくなる恐れ
(エッジ側でのAI活用が必要に)
【①背景】AI技術の革新とIoT構造の変化 第四次産業革命によりデータが付加価値の源泉となり、競争の舞台は「リアルデータ」を巡る第二幕へ。 ①深層学習等の新しいソフトウェアパラダイムの出現、②リアルタイムレスポンス要請等のIoT構造の変化は、③ハードとソフトを巡る競争領域の変化と相まってハードウェア・ソフトウェア技術の変革期に。
AIによるデータ分析によってリアルデータを巡る競争を制した者が次の覇権を握る。 一方で、AI活用は、深層学習の登場やIoT構造の変化によって新たなパラダイムへ。
ハード・ソフトの競争領域変化
新たな競争領域を見据えた 技術革新が必要に
Googleの「TensorFlow」や、Preferred Networksの「Chainer」など、多くのAIフレームワークがオープンソース化
…オープンソース化の流れ ソフトウェア
ハードウェア …専用チップ等の開発
Googleなどでは、AIのための専用チップ開発の動きも。
【②方向性】人工知能(AI)活用が導くConnected Industries
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今後、あらゆる産業とAI技術が融合。その中で、IoT構造の変化を踏まえた分散・協調アーキテクチャや、ハード・ソフトが融合したAI活用などが鍵に。
こうした、AI活用を巡るめまぐるしい変化への対応の観点から、AIベンチャーの技術を活用するため、大企業とベンチャー企業のつながりも重要となる。
[出所] 各社webページ
①クラウドとエッジの「つながり」 クラウドとエッジの最適な処理分担の中で、エッジの強みを生かした分散・協調型のアーキテクチャが重要に
②ソフト・ハードの「つながり」 ソフトウェアの進化に応じてハードも一体となった技術革新が重要に
(例)ファナックとプリファード等による連携
ファナック、ディープラーニング(深層学習)技術のPreferred Networks等は製造業向けIoTプラットフォームを共同開発
(例)LeepMindのエッジコンピューティング用デバイス
開発したDeep Learningアルゴリズムを小さなチップ上に実装した「Blackstar」及びその管理プラットフォームを提供(ソフトをハードへ)
③ベンチャーと大企業の「つながり」
衝突防止用の画像処理技術に強みを持つMOBILEYEをインテルが153億ドルで買収。
(例)IntelによるMOBILEYEの買収
(例)OpenFog Consortiumにおけるフォグコンピューティングの推進
【③政府の対応】 AI技術とIoTとのConnected Industriesを形成するための施策
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(政策1)非連続的な技術開発 ハード・ソフト・セキュリティ三位一体の革新的な技術開発について、短期、中長期の技術フェーズや国際的な連携もにらみつつ、スタートアップを含む産学官で推進。
(政策2)革新的AIチップの事業化加速 新たなIoTのコンセプト・技術を持つベンチャー・スタートアップの役割に期待。その際、コンセプト実証の壁を克服するための支援・環境整備が重要。
(政策3)AIクラウドの整備 Connected Industriesの実現に必要な「データ解析」のためのインフラとして、産総研がAIクラウドを29年度末の運用開始を目指し整備中。
今後のデータ量増大を見据えた場合、処理能力(ハードウェア)の向上が課題。日本でも、AIチップ開発に名乗りを上げるベンチャーが出現しつつあり、その新しいアイデアを事業化するための施策が必要。
また、Connected Industriesの実現に必要な「データ解析」のためのインフラとして、AIクラウドをハブとするエコシステムの整備が必要。
○AIクラウドをハブとするエコシステム創出
○短期的取り組み エッジ/クラウドコンピューティング
○中長期的取り組み 非連続・次世代コンピューティング •脳型コンピューター •光・量子コンピューター •新計算原理 等
○コンセプト実証の壁 資金 ツール環境 設計・検証に必要なツール・装置が高価 ファウンドリ環境 設計ツールとの接続が未整備
革新的AIクラウド
量子コンピューティング