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プロフェッショナル エンジニアリング ~受託開発とサービス開発の共通項 株式会社ビープラウド 佐藤治夫 2014/1/24 @TIS株式会社

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1/24のDevLoveで発表した資料です。 http://devlove.doorkeeper.jp/events/7826

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プロフェッショナルエンジニアリング

~受託開発とサービス開発の共通項

株式会社ビープラウド 佐藤治夫

2014/1/24@TIS株式会社 様

自己紹介

• 名前 佐藤治夫(Sato Haruo)

• 株式会社ビープラウド代表取締役社長(2006年5月23日設立)

• Twitter http://twitter.com/haru860

やってきた仕事

大手SIer 小規模 SIer 個人事業主 ビープラウド

1997 2000 2003 2006 20142011

ここまで エンジニアとしてDeNAに常駐(2011.3末まで)

Sony常駐開発

楽天常駐開発

技術記事執筆

運用支援 経理システム

Webシステム

@IT、codezine、JavaPress、DBマガジン、Javaムック本

個人で請けた仕事

ビープラウド・Pythonによる受託開発

・二次請けは原則やらない方針( 創業当時から)

・connpass.com 開発運営

社員・アルバイトで35人(開発者30人)

・Web系勉強会 BPStudy主催(2007年9月~)

2012年3月上梓(執筆ビープラウド)→

これからやっていきたいこと

ビープラウド

企業企業

企業企業 自分たちの取り組み

世の中に広がって行く(モデル企業)

受託開発とは企画 開発 製品/サービス

価値

マーケティング

営業・販売

0→1価値伝達

1→10ユーザー

エンジニアが所属する会社が担当

エンジニアが所属する会社が担当顧客企業が担当

・顧客企業に代わり、1を10にする

<受託開発>

<自社開発>

エンジニアが全てを担当するわけではなく、企画は企画担当の人がいるケースが多いので、エンジニアとしての仕事の本質は変わらない と思われる。

受託開発に起こりがちな問題点

製品/サービス価値

顧客 ユーザー開発

・開発者が、ただ言われたものをつくるという風になりがち

・顧客とパートナー関係が築けないために  開発会社側がプロジェクト運営において苦しい立場になる追い込まれる  (お金を払う側と仕事をする側という関係)

→目的が伝えられないままに、開発を進めた結果、何のための仕事かわからないので、仕事にやりがい、意義を見出せなくなることがある

受託開発のよいところ

<受託開発> ゼロ・ベースで始められる機会が多い ! → 新しい開発方法論を試みることができる  → 新しいバージョンの技術を導入することができる ! = エンジニアが勉強したことを実践でチャレンジできるチャンスが多い

<製品・サービス開発の場合>  新規開発した場合のバージョンや環境を変えることはなかなか難しい。

サービス開発について実際にエンジニアから聞いたことある誤解

・自社サービス=自分たちで計画を立てるので余裕を持ち開発できる ・受託開発=顧客都合があるのでスケジュールに余裕がなくて仕事が大変

・自社サービス=人間関係が楽。自社の人間とだけ関わっていれば良いから・受託開発=顧客との要望調整など、人間関係がたいへん

→ No. 提携先の都合や、季節など外部事情でスケジュールは決まる

→ No. 営業やカスタマーサポートなどが外部の人と間接的に関わっているだけ

エンジニアは、 プロフェッショナルな職業?

Yes!であってほしい

エンジニアが、受託開発で プロフェッショナルとして仕事をしていくためには どうすれば良いのか?

そもそも、 プロフェッショナルとは?

プロフェッショナルとは? 自分の専門知識、技術、スキルをいかして仕事をする人のこと

Wikipedia !プロフェッショナル (英:Professional)、本来の意味は「職業上の」で、その分野で生計を立てていることを言うある分野について、専門的知識・技術を有していること、あるいは専門家のこと

専門職で仕事を生計を立てていればプロフェッショナル?

http://www.nhk.or.jp/professional/index.html

プロフェッショナル~仕事の流儀

NHK のサイトでプロフェッショナルたちの声を聴いてみた

http://www.nhk.or.jp/professional/movie/index.html

ロボット研究・山海嘉之 自分自身がとことんやり抜いたことに対して、次の瞬間にはやり抜いたことをさらに超えていこうとする気持ちを持つ、そのような気持ちを持ち続けるチャレンジャー

囲碁棋士・井山裕太 どういう苦しい局面でも、未知の世界に入っても自分を信じることができるひと !義肢装具士・林伸太郎 今日の自分を乗り越えて行ける人

テーラー・鈴木健次郎 常に自分の世界観を持っていて、それを表現したいとおもう。その努力を決して怠らない人。技術だったり、いろんなことで、それを試行錯誤して表現しようと最大限の努力ができる人

デザイナー・佐藤ナオキ 常にまっさらな気持ちで子供のような視点で、ものごとをみてとらえる。プロであればあるほど、自分があることを捨てられるか

→ 現状に満足しない

→ あきらめない。妥協しない

→ 現状に満足しない

→ 妥協しない、満足しない

→ 現状の自分に満足しない

そば打ち職人・高橋邦弘 まだまだと思い、これでいいやとおもわない、いつも完成していないとおもうひと

プロデューサー石原恒和 常に新しい組み合わせでものづくりに挑戦し続けられるひと。新しい組み合わせは常に困難をともなうもの。それを困難と思わずにわくわくして楽しめる人 !漫画家・藤子・F・不二雄 漫画家がベテランになるとコツがわかってきます。このときが一番の危機なのです。自戒の意味も込めていうのですが、漫画は一作一作、初心にかえって苦しんだり悩んだりしながら書くもの

チーズ農家・吉田全作 後世に伝えられる仕事をする。考えられること、やれること全てやる。やれるだろうとおもうことも全てやる

ER専門医・林 ずっと切磋琢磨していくという過程がプロであって、できあがって自分がトップであると思ったら終わり。

→ 満足しない

→ 満足しない

→ 満足しない、限定しない

→ 妥協しない、満足しない

→ 満足しない

医師・国際NGO代表 自分たちの可能性を突き詰めて行く。泥臭くてもやっていく。どこかに光があればそこに向かって突き進んで行く。そういう姿勢を忘れずに志をもってやっていく

クリーニング師・古田武 あくなきチャレンジ。挑戦。自分の知らない事がいっぱいでてきたときになんとかそれを可能にするための挑戦。挑戦して行かないとプロではなくなる !うなぎ職人 80歳になっても90歳になっても100歳になっても職人として一流のプロはどこまでも追求心があるんです。

バスガイド 一番大切なのは心。全てのひとたちに感謝。気持ちをもって真心をもっておもてなしをする !!野菜農家・浅野悦男 ものごとをこれでいいんだと意識しない !

→ 満足しない

→ 満足しない、妥協しない

→ 満足しない、妥協しない

→感謝する心

→満足しない、妥協しない

模型会社・宮脇 その世界において代えが利かない人間。それは高い才能、すばらしい製作能力、情熱をもっている。ひたすら自分に対して問題意識をもって前に進む事ができる人間

内科医・本田 いつも自分が欠損している、自分ができていないことがあって、それをなんとか埋めていく努力をいつもできる、それを課すことができる !

居酒屋店主・中村重男 愚直なまでにやりつづけること。コツコツと結末を考えながらやり続ける

包装管理士・岡崎義和 妥協しない。ものごとを開発する上で妥協しない。 !

染織家・志村ふくみ 自分を追い求める。だからやる。不可能なことの後を追う

→ 満足しない、妥協しない

→ 満足しない、妥協しない

→ やり続ける、限定しない

→ 妥協しない

→ 満足しない

起業家・坂本孝 そこではたらいている仲間を何人幸せにできるか

リハビリ医・酒向正春 どの仕事でもひたむきに仕事をしていると、2、3年間で限界がみえてくる。そのときにしっかりと情熱、使命感をもって、限界をクリアしようと努力してアクションを起こせるひと !樹木医 小林勝 いますぐ結果が出なくても将来の理想を成し遂げるために、今できること、やらなければやらないことを確実にやっていくこと

麻薬探知犬育成・菊池昭洋 できないといわないひと。難しい課題に対しても工夫してアプローチできる。あきらめない。いろんな方法で工夫してトライして行く

小売経営・三枝富博 どんな環境にあっても目標に向かって、自分の心の炎を燃やし続けて、飽きず、あきらめず、道を照らす事ができるひと。そして周囲の人や仲間の人たちの成長を素直に心から喜べるひと

→ 満足しない

→ 限定しない

→ あきらめない、限定しない

→ あきらめない、限定しない

→ あきらめない、限定しない

一流選手の共通として、自己満足をしない。 !妥協、限定、満足 は禁句。 『俺はこれくらいやれればいい』と思ったら、それで終わり。下降線をたどっていく

一流と二流の差

      元 南海、ヤクルト、阪神、楽天監督                         野村 克也 氏

皆、同じようなことを言っている

プロフェッショナルとは?

<ポイント> ・高いスキル ≠ プロフェッショナル ・絶えず求め続けていく姿勢や考え方を合わせて持つ = プロフェッショナル

妥協(これ以上は無理)、限定(自分の可能性はこれくらい)、満足(もう充分)

→ プロとしては引退のとき(プロフェッショナルではなくなる)

1. 自分の専門知識、技術、スキルをいかして仕事をする人のこと

2. 現状に満足せず、よりよいもの、より方法を追求し、 そのための努力、取り組みをあきらめずに続けていける人のこと

+

どのようにプロフェッショナルになっていけばよいのか?

体・技・心

1. 体人間の生活を根本的に支えているのは体力で、体力が落ちていると気力もわかず、仕事も勉強もできない

2. 技技術を身につけ、セールスポイント、得意分野を2つ、3つと増やしていけば、ちょっとしたことでも悩んだりせず、仕事自体が嫌になるような状況にも陥ることもなくなる

3. 心技術力が身につけば、仕事で活躍する場面も増える。そうすれば周りの人に頼りにされ、気分もいいし、自分に自信がついていく。そのような経験が増えれば、プロフェッショナルとしての自覚が出て、心もタフになっていく

プロフェッショナルを目指すために取り組む順番

        元 中日監督、現中日GM 落合博満 氏

プロフェッショナルとして 開発の仕事/プロジェクトを良くしていくための7つの突破口

(突破口1)プロジェクト指向

プロジェクト

仕事しても、プロジェクトの目的とつながっていないので、価値は無い

~「プロジェクトを成功させること」が仕事

設計

プログラミング

ドキュメント作成

ドキュメント作成

目的

プログラミング

→「プログラミング」「システムをつくること」が仕事ではない

価値プロジェクトの目的とプロジェクトが生み出す価値に目を向ける

(突破口2)T字型の知識/スキル

専門知識/スキル・経験

周辺知識/スキル 周辺知識/スキル

なぜT字型の知識/スキルが必要なのか?

商品ページ 購入フロー 完了

ソーシャル マーケティング

SEO

マルチデバイス 訪問者 ・ページビュー ・訪問回数 ・ユーザ数(UU) ・新規/リピータ ・滞在時間 ・訪問頻度/間隔

その他メルマガ、広告、ブログetc…

インフラサーバー構成アクセス集中時対策

迅速なサーバー増設

導線 自社サイト内

ディスク/データ量

途中で離脱をさせないためのUI/UX設計

データ

個人情報・購入履歴保護セキュリティ

バックアップ/復旧

ユーザー

これらが全てうまくいき、商品も売れて、

初めて自分の仕事がうまくいったといえる

(マクロの成功)

!部分的な仕事の成功=ミクロの成功

ディザスタリカバリ

運用・保守保守性

国・地域

性別

年齢

パフォーマンス  ページの表示速度  データの更新速度

アタック対策開発継続性

ビジネスモデルビジネスモデルにシステムがマッチしている

障害時追跡性(ログ設計)

(突破口3)要望・要求・要件・設計を導き出すスキル

営業総務

経営者

開発それぞれの立場、目線でシステムに対する要望を言う

要求

要求

要求 要求→

言われたことをそのままシステム化 (例)総務のXXさんが「XXのような機能を欲しい」と言っていたから開発する など

・実態に合わないシステム ・ムダな機能の開発 ・要求の爆発(費用/納期オーバー)

要求

要求

要求

要求

要求

要求

要求

要望

要望

要望

要望

経営 戦略

業務 ビジネスモデル

IT

要求→ →

要件・仕様

→ 設計要件・仕様

要件・仕様優先順位A

優先順位B

組織が目指している戦略から外れている要望・要求はスコープからはずす(要求爆発の防止)

顧客はそもそも自分の要求を、組織全体を見通して理解・把握していない事が多い。(自分の立場からの要望は言うことができる)

<要求開発>

(突破口4)IT専門家としての提案(Howからの突き上げ)

技術側からの提案(Howからの突き上げ)

ユーザー技術

技術

エンジニア技術の進歩

ユーザーエンジニア

技術が追いつかず技術的、コスト的な面で未実現

技術が進歩し、実現可能に

IT(How)の専門家

ツールの充実

ツール ブレークスルー↓

(突破口5)顧客との信頼関係構築に興味をもつ

信頼関係が希薄であるということは、そこに大きな間接税があるようなものだ「スピード・オブ・トラスト」

(突破口6)価値・目的のために立場を超えて歩み寄る「ギークとスーツ」問題

価値

顧客

エンジニア営業

ユーザー

顧客

エンジニア営業

エンジニア営業

顧客

営業

価値 ユーザー

お互いの立場を主張しあい、対立→ 自分の意識が社内やチームに向いていて、価値を生み出すどころではない

=危機意識の欠如、平和ボケ

お互いの立場、考え方を理解し「価値を生み出す」という共通目標のもとに行動する

(突破口7)自分の専門をつくる

・ブログにまとめる・勉強会で話す ← おすすめ

アウトプット

インプット・本などで勉強する・自分で試してみる

↓・実務での経験

勉強会で話すと何がよいのか

自分の中に、人に話せることはあるかと探し始める(専門分野の抽出) ↓ 自分の知識や経験したことを整理する(暗黙知→形式知) ↓ 勉強会で話す(人に伝えることで、フィードバックを得られる) ↓ 繰り返して行くうちに、自分の専門分野/得意分野が明確になってくる(差別化) ↓ 専門(得意分野)を周囲に認められると、そのジャンルの仕事がまわってくる ↓ 実績を積むことで、さらに経験を積み、実力がつく ↓ 将来のキャリアが変わる

まとめ■プロフェッショナルとは? 1. 自分の専門知識、技術、スキルをいかして仕事をする人のこと 2. 現状に満足せず、よりよいもの、より方法を追求し、 そのための努力、取り組みをあきらめずに続けていける人のこと !■プロフェッショナルとして、 開発の仕事/プロジェクトを良くしていくための7つの突破口(受託開発/自社サービス開発共通) ! 1. プロジェクト指向  2. T字型の知識/スキル  3. 要望・要求・要件・設計を導き出すスキル  4. IT専門家としての提案(Howからの突き上げ)  5. 顧客との信頼関係構築に興味をもつ  6. 価値・目的のために立場を超えて歩み寄る  7. 自分の専門をつくる

ご清聴ありがとうございました

2014/1/24

@TIS株式会社 様

プロフェッショナリズムでまずは身近な仕事、そして業界をよくしていきましょう。