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問題解決のモグラたたきを防止する「知識から知恵創りだす方法の概要」
2011-3-31 江崎通彦 記(Rev.2011-7-13)
これと同じページは、http://dtcn-wisdom.jp/00001-2008.pdf よりダウンロードできます。
以下の説明、質問、答、の内容を充分、理解して戴くためには、「知識を知恵にかえる方法」(アマゾンで、購入可)
(カタログは、http://dtcn-wisdom.jp/00001-R3.pdf )をザット目を通して戴く必要があります。
説明 1(江崎):問題解決のための、あるべき姿の把握
従来の問題解決の方法において、問題を解決するためには、あるべき姿(物理的に実現可能な範囲)と現状との間のギャッ
プを埋めるのが問題解決で、そのギャップを埋める内容を選択するのが、「意思決定」(H.サイモンなど)とされてきました。
そして、このあるべき姿をロジカルに把握する方法が、あるようでありませんでした。また、そのギャップを埋める合理的
な方法はハッキリしていませんでした。
またあるべき姿を、上位目的から、確定する方法もありませんでした。
そのうえで、目的と言う言葉と目標と言う言葉を、わかりやすく区分する説明もありませんでした。
その問題解決のイメージ図を示すと、下記の図表 1 と図表 2 のようになります。
図表 1 従来の問題解決の方法の対象の概念図 質問 1(江崎):
ところで、そのあるべき姿を把握し、どうすれば、そのギャップ
がを埋めることができるかの方法は、従来あったでしょうか?
答 1(読者):
ほとんどなかったように思います。
説明 2(江崎):
そのあるべき姿を把握し、物理的に可能な範囲でそのギャップを
埋める方法が「知識から知恵を創りだす方法」です。
それを「問題を課題に置き換える方法」から始めることができます。
そして、課題設定に続いて、「目的・手段ダイヤグラム(PMD))」を作成しとその「メイン・キーワード」の把握をします。
このメイン・キーワードの結果が、上位目的の結果として、目標となります。
「目的・手段ダイヤグラム」は意思の方向を示し、その意思の方向の中の実現行動レベルを表す「メイン・キーワード」の
把握の 2 つが決まれば、「意思の決定がされた」ことになります。(PMD の作成の方法は、本書中に示されています)
次にその、「意思の決定」を実現するためには、「どこから、手をつけるかの表現」を探します、そうすると、自然に、その
目的手段ダイヤグラムの一番下にどこから手をつけるかの「エントランス・キーワード」が出てきます。
更に、その「目的手段ダイヤグラム」を詰めると、その下に普通「この目的・手段のダイヤグラムを作る」という表現が出
てきます。
その「メイン・キーワード」を「キー」として、知識から知恵を創りだす方法の中の FBS テクニックを使うと、あるべき姿
即ち、目的の結果の目標の内容をロジカルに明確にできます。その方法として、FBS テクニックにより。極端比較案を 3 案
以上を創りだし、最適案はその 3 つの案で構成される三角形の中に存在すると考え、FBS の「最初のレベルの比較案の創出、
評価・選択・判断の最適化作業」をすると、その目標の着想(案)の基礎ができあがります。
そして、知識を知恵にかえる方法の中の「ステップリストの方法(手順を創出する方法)」により、段階的にその最初に創っ
た最適(案)と考えられる着想(案)をその4段階で構成される帰納アプローチ段階でリファインし、その次の、ステップ
リストの演繹アプローチな段階の手順で、その案を、現実の世界で具体化します。
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ここで、大切なことは、図表 2 に示す、あるべき姿の上位目的を確認する必要があります。
図表 2 はその基本的なイメージです。
まず問題を、課題に置き換え、上位目標を明らかにしながら、PMD を作ることにより、図表 2 に示すように、上位目的を
明らかにします。
図表 2 あるべき姿(メイン・キーワード)の把握とその上位目標の確認
この図で、認識をして戴きたいことは、「上位目的が変わるとある
べき姿も変わる」という認識と下位手段(特にアイデア)が変わる
と「上位目的の幅が広がる」と言う認識を持っていただくことが必
要です。
理解 2(読者):
なるほど、。
説明 3(江崎):
このほか、本文の中には、従来、解かっているようで、曖昧であっ
た次のような言葉や考え方の説明が、知識から知恵を創りだす法を使って、説明がなされています。括弧内は当該ページ。
(1) 問題解決と課題実現の関係(P12~15)
(2) 「何をするために、どのようにして」質問と「なぜ」の質問の使い分け(P16~19)
(3) 関係者のベクトル合わせをするための方法(P22~24)
(4) 目的(特に上位目的)と目標との関係(本解説の図表 2)
(5) 知識と知恵の違い(P126~127)
(6) 検証には、Verification と Validation の二つがある。その意味のちがいは?(P64)
(7) 評価をするということは何をしさえすれば評価をしたことになるのか?(P64)
(8) 意思の決定と差の情報による判断のメカニズム(P106~113)
理解 3(読者):
なるほど、この方法で今まで、曖昧であった、また、その説明が今一つ、充分できていなでいた、いくつかのことが明らか
になるのですねー
質問 4(読者):
もう少しその方法の構造や内容を説明して戴けないしょうか?
答 4(江崎):
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上記のようなあるべき状態を実現するための、目的と手段関係を、知恵を創りだす方法を使った場合の絵にしてみますと下
記のようになります。
図表 3 「知識から知恵を創りだす方法」の位置づけ
上図の①がどこから手をつけたらよいかの(カオス)状態の現状を示す図と考えてください。(問題解決のモグラたたきにな
らないようにするためにはどうしたらよいかが解からないかの従来の状態と考えてください)
‘②は、上位目的を含んだ、あるべき姿のイメージを示した図と考えてください。
この間を埋めるのが、問題のモグラたたきの防止対策も組み込まれた「知識から知恵を創りだす方法」です。
また、企業の場合、‘②の企業や個人が利益を得る上位目的は、「地球を守り、顧客を創りだし、顧客を満足させる」ところ
にあり、企業に利益はその手段として、最小限の利益(リスク対策を含む)を得るところに位置付けされます。
このルールを守らない利益の獲得を最上位の目的に持っていくと、リーマンショックのような大問題が発生します。
最初の①の状態は、そのような結果を得るためには、どうしたらようかがわからない
どんなものを作ったらよいかラフなイメージさえわかない
手順と体制がわからないので百家争鳴でまとまらない
イメージがわからないので「ことば」さえ出ない
という問題解決のためのカオスの典型的な状態です。
ここで、問題解決のモグラたたきが始まるようなことが始まってはならないように、合理的な手順が必要になります。
その合理的な手順に入るためには問題を課題に切り替えて、そのイメージつくりとそれを実現するための意思の決定をしな
ければなりません。
その全体のイメージをもう透かし具体的に示しますとしましますと次ページの図表 4 ようになります。
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図表 4 「知識から知恵創りだす方法の目的と手段の関係の基本イメージ図」
このあるべき姿(全く新しいもの・システムを開発する場合も含む)を、現状を把握した後、その間(ギャップ)埋める知
恵を工夫しなければなりません。
それが、知識から知恵を創りだす方法です。
その概要を説明しますと次のようになります。
説明 5(江崎):
まず、図表 4「知識から知恵創りだす方法の目的と手段の関係の基本イメージ図」の中のふと破線で囲った方法が知識から
知恵を創りだす方法です。
その中に①,②,③・・・という番号をつけた子図にわけ、説明していきます。
この基本図の読み方は、図の左上に書いてあるように、上の方から下の方へ「xx をする」ために「・・をする」の目的と手
段の関係の繰り返しで読み、更に、その妥当性をたしかめるために、下の方から上の方への読むときは、「・・をして」「x
xをする」の繰り返し即ち、おおよその手順もしくは、下から上への条件階層の読み方をします。
イ ン プ ット ア ウ ト プッ ト
項 目事前保証活動
事 後 保 証活 動
項 目
項 目 項 目作業
保 証 条 件
確認作業
保 証 条 件
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質問 5(江崎):
あなたは知識と知恵はどう違うかの説明は、適切に、説明できますか?
答え 5(読者):
知識と知恵は、よく似ていますは、その関係はうまく説明できていないようです。
説明 6:(江崎):
知識とは、「こうしたら、こうなる」という因果関係の情報と、そこに何が(どんなもの(構造・構成)かも含む)あるかの
2 つの情報です。
知恵とは、
「何かをするために、何をしたらよいかとその結果をどのような内容にしたいかの的確な意思の情報」、
それを「具体化するためのどうしたらよいかの手順の情報」、
「その結果、どのような実現可能な最適なもの、システム得るのかのもの・システムに関する情報」
の 3 つの情報です。
解かりやすくするため、簡単な具体例で説明すると、次のようになります。
●「知識を持つ」ということは、次の二つの情報、即ち、
① 因果関係の情報をもつことと、
② そこに何が存在しているかの情報(そのものに内在する構造・構成の情報を含む)
の 2 の情報をもつことです。
例えば、因果関係の情報とは、「コップを落としたら、割れる」という知識の情報であり、
そこに何が存在しているかの情報(そのものに内在する構造・構成の情報を含む)とは、コップが存在し、コップがどんな
材料と構成で、できているかが知識の情報です。
● 「知恵を持つ」とは、 何かをしたいときに、
①� 何をしたいかの意思をもつこと。これは上位目的(註)から「xx をする」ために「・・をする」の目的と手段の関係
の繰り返しでし示す「意思の方向と」その中心あたりに見つかる「メイン・キーワード」とその組合せ把握できる要約さ
れた「意思」をもつこと。
(註)従来、通常、これを「目的」と言う表現でのみ言っているところにこの方法が、従来の方法と違うところがありま
す。
②� その実現のために「どうすればよいかの手順の情報をもつ」ことと、
②その手順をとったら、「どのような構造・構成をもった結果が生じるかの情報をもつ」ことの 3 つになります。
例えば、コップの破片で髭を剃りたいと「意思」を持ったときには、コップを割るために、落とすとか、もっと確実にコッ
プを割るためには、上の方に放り投げ、コンクリートの地面に落とすといったこと(=どうすればよいかの手順の情報)と、
その結果、割れたコップの破片は髭をそるために、十分な鋭い歯先を持たせる(=結果と構造構成がどうなるか)というこ
とになります。
理解 6(読者):
なるほど
説明 7 (江崎):
この知恵は、われわれが持っている隠れた知識を含めた知識と外部から取得できる知識を順序よく物理的に実現可能な範囲
で組合せ、見通しをつけながら組み合わせることにより創りだすことができます。
またその方法でなければそれを創りだすことはできません。
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「知識から知恵を創りだす方法」本は、それらを合理的に、順序よく組みわせる方法を、個人でも集団でも使えるようにま
とめた世界で初めての本です。(英文版のカタログは http://dtcn-wisdom.jp/00001-R3E1.pdf を見てください)
その説明は、2011-4 月現在、ウィキペディアの問題解決の概要の項の最後の段落のところに「問題解決のモグラたたきを防
ぐ方法」として、記述してあります。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%8F%E9%A1%8C%E8%A7%A3%E6%B1%BA
振り返ってみると、われわれが、その内容を無意識でやってきたことにもかからず、不思議なことに、その方法に関しての、
世界で初めての方法の本となりました。(http://dtcn-wisdom.jp/00001-web.pdf などより)
説明 7-2(江崎):
このような①図を原点とした状態から図②のように「上位目的の目標レベル(=メインキーワードのレベル)の結果として
実現可能な、あるべき姿」を実現する情報を知恵と言います。
即ち、図表 3 の①図と②図をつなぐ情報を、知識から創りだせば、それが知恵の情報になります。
これは、個人の知識の範囲内でもできますが、多人数の集団の知識を組み合わせれば、その組合せと「相互刺激の思考作用」
と「気づき」のチャンスが増えますので、それにより、知恵の範囲、選択肢の幅を拡大し、よりよい、上位目的から見たそ
の結果が得られるようになています。
質問 7—2(読者)
そのような、知恵を創りだすためには、どのようにすればよいのでしょうか?
答 7-2(江崎)
図表 1「知識から知恵を創りだす方法(DTCN 手法)の目的と手段の関係の基本イメージ図」の中に破線で囲った部分がそ
の方法の基本的内容です。(この図には、補助手法は省略してあります)
図中の④の「課題についての意思の方向の整理」、⑧の「手順を創りだすステップリスト」、⑨の「あるべき姿を最適化する
FBS テクニック」の 3 つが基本手法です。⑦の「実施計画書」知恵とその具体化を集団の組織で、やるときの、手順と体制
の合意形成とその促進管理をするための方法です。
質問 8(読者):
その知恵の中身の「プロセスとその要素」の基本は、どのようになっているのでしょうか?
答 8(江崎):
まず、そのために問題があるときには、③に示すように問題を課題に切り替える必要があります。
はじめから課題が与えられているときにはそのままの課題から始めます。
問題があるときには、問題解決がまた次の問題を生み、問題のモグラたたきになることがあるので、それを防ぐためです。
課題の上位目的から見て、「何をするため」、「何をしさえすればよいか」の視点から、課題を実現するべく、対策をとれば、
従来のように問題の解決が、更に問題を引き起こすような「問題のモグラたたき」のケースが起こらないようにするための
対策となります。
この現象は、よく問題を徹底的に詰めていくと、問題が消えてなくなることをときどき体験するケース、そのものです。
そのため、問題を課題に切り替えるのです。
課題から見ると、問題は課題を実現するための一つの条件として見ることができますので、課題から見ると他の条件との比
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較、選択も出来るようになるので、「問題のモグラたたき」のケースを避けることが出来るようになります。
理解 8(読者):
なるほど。
説明 9(江崎):
課題が確認できましたら次にその課題のもとに、要するに「何をするために」要するに「何をしさえすれば、よいのか」の
2つの質問に対して書き出せるだけの答の表現を「・・を・・する」で書き出し、それを「xx をする」ために「・・をする」
の目的と手段の関係の繰り返し表現で、上位目的を含めて整理する PMD(目的と手段のダイヤグラム)手法④により、目
で見え、調整のできる「意思の方向」を示すダイヤグラムを作成します。
そして、その中央当たりのレベル(相当上の事もあります)に、要するに「何をしようとしているのか」と「何をしさえす
ればよいか」のつなぎ目になる、「メイン・キーワード」を把握します。
これが、あるべき姿の最初の把握の言葉となります。これは、要約された言葉で命令をもらうと作業がやりやすくなるのと、
同じ原理です。
また同時にそれを実現するために、どこから手をつけるかの「エントランス・キーワード」を PMD(目的手段ダイヤグラ
ムの)一番下の表現として把握します。
この PMD(目的・手段ダイヤグラム)は、間単に言うと「意思の方向」であり、キーワードを把握したあとは意思の方向
と共に、「要約された意思」を示すこととなり、⑤に示す「差の情報による評価・選択・判断のメカニズム」の原理が使える
見える評価基準と判断基準になります。
更に、この「要約された意思」を中心として、実現するべき「もの・システム」の実現するべき具体案について、通常、レ
ベル毎とに極端3案を創出し、その 3 案が形作る 3 角形の中に最適案があるとしてその評価、検討、選択判断をします。こ
のときに、「差の情報による評価・選択・判断のメカニズム」の原理が使えるようになります。
そのためには、⑨の FBS テクニックを使います。FBS テクニックは「物理的に、実現可能なあるべき姿」の構造・構成を
創出する方法でその中に何をどの範囲(Scope)までを含んでいなければならないかまでを含め、比較評価、選択する方法
となります。
本文中では、わかりやすい例にするため、メインキーワードを「勉強しやすい机」としたを例として、説明しています。
こ「物理的に実現可能なあるべき姿」の構造・構成は、それまでに蓄積した知識から創られるわけですが、追加の知識が必
要であれば、それを得るための試験的なものシステムの構築やその分析(過去および未来の分析)により必要な知識を得る
ことができます。(分析の方法は、http://dtcn-wisdom.jp/00001-J-analysis.pdf に示される方法を参考に手ます)
その内容を最初に創った FBS をたたき台(素素案)としてステップリストによる帰納アプローチと演繹アプローチを組み合
うせた段階的手順によりリファインし、最終的に現実のものとします。また、イッペンに最終的な姿までを現実化をするの
が周りの条件から困難なときには、(Ⅰ)すぐできること、(Ⅱ)中間的で過渡的に採用するべき姿、(Ⅲ)最終的な姿への過
渡対策的な姿を、ステップリストの補助手法である「3-5 インプルーメントの方法」使って、区分しながら現実化をします。
この場合、PMD の最上位目的、即ち「地球を守る、顧客を創造する、顧客を満足させる(顧客の中に自分も含めてもよい)」
を実現するために、自分(企業)は生き残らなければならない、そのために必要な最小限の利益を得るという、目的と手段
の関係(PMD)の中に、利益の位置づけをする必要があります。
(利益を得ることを最上位の目的とし、際限のない利益を得ようとすると、リーマンショックのような、社会的な破綻
をきたすことになります)
「⑥に示す RO(ルート・オーガナイジング:根回し)メッソッドは、組織や集団における関係者が「帰納的に考える(い
ろいろ考える)」と決めたことを「演繹的に考えて、一元的に具体化する」の 2 つのアプローチを、交互に、効果的に、して、
そのあるべき姿の最適案を創出、評価、選択、具体化できるようにする組織体制の形態です。これは、個人の場合ではなく
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多人数の集団や組織で使える組織体制として使います。
以上が知識から知恵を創りだす方法の補足手法の説明を除いた、主要な方法の骨組みです。
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図表 4 の「知識、意思知恵、「知恵の結果による新しい知識」の関係の表」には、知識、意思知恵、「知恵の結果による新
しい知識」を人に説明できるようになるとそれは、従来の知識に加えられることを説明しています。
以上が、従来、われわれが、無意識にやってきたことを、見えるようにして、その内容を、関係者の間で、物理的に実現で
きる範囲内で、調整できるようにした「知識から知恵を創りだすことの出来るようにする方法」の概要の説明です。
なお、この図表の「知識を取得する方法」についての中の「分析をする方法」については、本書の作成後、追加作成をした
「分析をすると言うことは何をしさえすれば分析をしたことになるか」の論文(下記 URL)を参照してください。
http://dtcn-wisdom.jp/00001-J-analysis.pdf
更にこの「知恵を創りだすシステム」を利用してできるようになった多くの具体例は、参考までに
http://dtcn-wisdom.jp/J-nanini%20tukeruka.html
に公開していますので、そちらも、ご覧ください。
理解 9(読者)
本を読みながら、その関係を細かく理解していこうと思います。
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図表 5 知識、意思知恵、「知恵の結果による新しい知識」の関係の表 ○C江崎通彦 2000/9/17、Rev4 2011-3-179
(注記) 1知識を知恵にかえる方法の入門編は、http://dtcn-wisdom.jp/00001-R3.pdf で入手できます。
情報を持つ
1
知識を持つ
(この知識の中に「知識から知恵
創りだす方法」が、無意識でも意
識的にでも、知識の中に入って
あれば、下記の2~4の知恵を創
りだすアクションに入ることができ
ます」
次の 2つの情報を持つことを指します 1. 因果関係の情報を持つこと こうしたら、そうなるという情報を持つこと
(例)「スイッチを押すと電燈がつく」という知識を持つ
2. 存在の情報を持つこと 「もの」もしくは「情報」が存在するという情報 (例 1)そこに建物があるという情報 (例 2)下記の「知恵の情報」があるという情報
知識を取得する方法
体験による知識を持つ
体験をすることにより得られる体験、イメージ情報を持つ (例)自転車の乗り方を知っている (特徴)無意識にその因果関係を知っていること
学習による知識を持つ
狭義の情報を読むことや 聞くことにより得られる知識を持つ
分析をする
すでに起ったことを、①どんな意思(人の意思、自然の法則もしくは意思)で、②どんなインプトとアウトプットの関係で、③その結果が出たかを、明らかにする
2 意思を持つ
A ウォンツ・ニーズ・シーズを持つ
ウオンツ(Want)とはこうしたいなーという欲望・願望をもつこと。 ニーズ(Need)とはこれがほしいという現実的に実現できる要望をもつこと。 シーズ(Seed)とは、これは何かに使えそうだという種/手段を持つこと。を指します。 このいずれかの一つでもよいので、それを持ちます。
B
意思を整理する(意思の方向とメインキーワードに整理する)
上記のウオンツ、ニーズ、シーズ一つもしくはその組みあわせを実現するために、それらを、何をするため、何をするのかの順序に整理して、要するに何をしさえすればよいのか、するのかのメインキーワードとそれを実現するにはどこから手をつければよいのかエントランスキーワードを把握します。 (これを整理するために、PMD(目的・手段ダイヤグラム)の方法が非常に有効です) (更に、これを把握しさえすれば、それを実現するための、差の情報による意思決定・判断ののメカニズムが使えるようになります)
3 知恵を 持つ
A 下記を実現するための手順を持つ
1. 1.をもとに、それを実現するためにはこのようにしてやればできるという「落ちのない手順」に関する情報を創り出します。 (例)「部屋を明るくするために、ライターで手元を明るくして、壁にあるスイッチをさがして、見つけたスイッチを押せばよい」という落ちのない手順に関する情報を創り出します。(この手順を創るために Steplistの方法 が非常に有効です)
2. 『そのことを実現するために、どのような「もの・システム』が必要かの「もの・システム)の構造・構成」に関する情報を創りだします。 (例)震度7の地震に耐えるためには、今設計をしている家には、どのような補強をすれば充分かというもの・構造に関する情報を持つこと、もしくはその情報を考え出したり、創り出ます。(この最適化した構造構成を創るためにFBSの方法が非常に有効です)
B
結果としてほしいもの・システムの構造構成を持つ
4 知恵を使った結果としての新しい知識を持つ
上記の知恵を人に説明できるようになると、知恵が「新しい知識」に変化します。 そして、それを知識として、人に引き渡せるようにな
4.の新しい知識を持った結果を、1.の「知識を持つ」のところへ戻せば、その新しい知識を使って、次の新しい知恵が出てくるので、「ウイズダム・エンジン」ができあがります。
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補足事項1 テーマアイデア票の記入要領 (このコラムは第2版から追加されます)
(このテーマアイデア票の記入順序ノウハウは、「知識から知恵を創りだす方法」に、ぜひ追加するべしという意見があり、これも筆者
の 36 年の企業人生で、32 の異なった職場の体験から、問題が、問題を生まないようにするためのもう一つの知恵の一つです)。(2008
販(第 1 販)をお読みになるときの補足事項です)
実施計画書の中に示すべき、方針と、その方針を具体化するための書式
「課題を実現する、革命的な、もの・システムつくりの方法-知識を知恵にかえる方法-」を使うと、小さなもの・シス
テムの具体化、から巨大なシステムの具体化・構築・開発が、整然として、できるようになる。
ところがそのプロセスの中に、可能な限り落ちやリスクがないようにしなければならないことは、当然の必要条件である。
次ページに示す、書式は、そのために使う一つの書式である。
1. まず、実施計画書の基本方針の中に、次のような、方針を入れる。
(人の気づきによるリスクの事前防止もその1つの目的)
①� 後で、手遅れにならないようにするために、いま、これを提案・提言をして、その検討の時期と実施の時期
を割りつけておくべきではないかという事項に、誰でも気がついた時には、どんな些細なことでも、次ページ
に示す「テーマ/アイデア票」に、その内容を記述し、事務局に提出することを、関係者全員の義務とする。
② 受付窓口は、ルートオーガナイジング(RO)の一つに絞られた事務局とする。
2.書式に記入するべきことの具体例を、記述すると、次のようになる。
① 言いだしにくい、失敗や、落ちのあることに気がついた時(事前でも事後でもよい)、それを気がついたときにすぐ、
上申もしくは提案をする。
② 後流(運用段階、廃棄段階)から見て、今、このようなことを検討しておかなければならないことに気が付いたとき
③ 今、このようなことをしたとすると後の段階(運用段階、廃棄段階)でこのようなことを検討しなければならないこ
とがあり、それを忘れないように、記録しておきたいとき。
④ 可能性のあるリスクを具体性に指摘して、その対策を検討するべきこと(項目でもよい)もしくは、その具体策に気
がついたとき。
⑤ 他人の担当する分野でも、自分の知識や、経験から、お節介と思われてもよいので、上位目的・目標実現のために、
検討するべき時期は、それぞれに任せるが、気がついたときに、今、言っておいた方が、忘れなくてよいと認識した
とき。
⑥ 世代がかわってそのノウハウが引き継げていないときに、困るのではないかということに気がついたとき。
(これは、先輩から、前任者からの、ノウハウ引継の書式としてのテーマ/アイデア票を使う)
⑦ 関係者が業務中に、はっと気がついたときにはその内容を記述して、提案しておく。
この場合、暗黙知(Implicit なこと、Tacit なことのすべて)とみなされることを、チャンスをとらえて、全部、書き
だすようにする。(Implicit なことの具体例は、日本では建物を建てるときは、言うまでも耐震構造基準に従わなけれ
ばならないということであり、カナダのカルガリー地区ではその必要はないというようなこと、Tacit の具体例は、
心の中で、思っていていることをうまく、まだ言い表せていないことを指す)
⑧ 設計やものつくりの現場で忙しく、働いていて、テーマ/アイデア票を書く時間の取れない人、もしくは、文章化や
ポンチ絵を描くのが不得意な人の代りに、タスクチーム事務局の人が、代りに、言いたいことを書いて上げるとき(こ
のためには、事務局の現場巡回による「何かないかね?」の質問による、何人かに対する、声かけ、が必要)。
⑨ 体感的に、開発や構築のプロセスを、このような視点で、見ておいた方がよいのではないかと感じたとき(これは、
現場を、事務局の担当、もしくは、上位管理者が、現場主義で、たえず現場を見て歩くこと、により気がつくことが
ある)
⑩ 課題提案、キャンペーンを実施するときその提案用紙として。
⑪ PMD を作ったとき、記入した表現の補足説明の解説、もしくは、説明の書式として、使う。
3.注意、補足事項
① このテーマアイデア票は、従来の改善提案の提案票の書式のように、必ずしも、問題点から書き出す必要はなく、「こ
うしさえすればよい」、「これをしさえすればよう」と言うことから書きだしてもよい書式である。
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② 最終的にほしいのは具体策ではあるが、その創出のための検討課題、素素案一案のみのアイデア・テーマでもよい。
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記入要領、 ①には提案を受けてからの、検討割り付け、フローの指示、
②何についての課題を記入、課題提案の課題でもよい。
③ここには何についての提案かの題名を書く
① ACTION → → → →
② ( ) テーマ/アイデア提案票
登録番号
作成日
年 月 日
テーマ名
③ここに、何についての提案かを、記入する 組織名/所属 提案者名
TEL:
FAX
上位系統名 または WBS No.と その名称
(ここには、システムのどこの部位に関することかを、記入する)
段階 I II III IV V
検討
時期
1.テーマ(案)/アイデア(必要によりスケッチ添付のこと)
1. 認識事項
ここには、テーマでも、アイデアでもよいので、これをすればよい、とにかく何を検討すればよいかという、テーマもしくは、アイデアの内
容を書く。それを検討する手順まで書いてもよいし、書かなくてもよい。その手順などは、事務局が考える。
2. その原理はFBS テクニックの中に説明されている、創造はアイデアよりも、テーマから入る方が、幅が広く、深くなると、いう考え方からで
ある。
3. この欄には、これをすればいと良いということを、まず、この欄に書くのであり、問題点を先に、書かない。必要により、必要な、知識、認
識は書いてもよい。
4. 提案により、解消する問題点は、次項の2.提案の狙いの欄に書く。すなわち、こうしさえすれば、 問題点がなくなり、問題が解消すると
いう視点をとる。
2.提案のねらい(期待される効果)は何ですか*
1.何ができるように、なるのか、どんな問題点がなくなるのか、またその期待される効果をここに書く。
3.提案を実現するために必要な条件は何ですか
1.そのための必要条件を記入する(たとえば、PMDを関係者で、作るべきであるということを書いてもよい)
4.どんなことからこの提案を思いつきましたか
1. これを書くことにより、この提案を、どこから考え付いたか、何から思いついかを、記述し、バックグラウンドのイメージを示す。
2. はっと気がついた場面、を書いてもよい。卑近な例でも、バックグランドイメージが伝わり易いものが、よい
検討結果 テーマ採用
アイデア採用
保留(いつまで)
不採用
注記 1.全部の欄を埋める必要はありません。但し、*印の欄は記入して下さい。
2.すでに登録されたかもしれないテーマ、アイデア(案)でも遠慮なく提案して下さい。
3.提案の提出先は「 」とします。
4.本提案の取り扱いは、規定「DTCN/DTCテーマ/アイデア提案および処理要領」により処理します。
事務局フォローアップ
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ここにはどの段階で、検討をするかを、割付け、記入する。