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ローラン展開と留数解析―複素解析概論

上野孝司

2017年 4月 5日

概要

ローラン展開と留数解析ー複素解析概論、定積分への応用

1.複素解析初歩

(1)正則な複素関数

高校や大学での初等的な解析学は、まずは実数を対象として議論を展開するが、その後に複素数を対象とし

た関数にまで拡張する。この分野での複素解析は一般に函数論と呼ばれる一大領域を形成し、留数解析などを

用いると実数の解析では求めることが困難な定積分の値を比較的容易に導くことができるなど有用性が高い。

本稿では、ローラン展開と留数解析を中心に議論を展開するが、本節ではその前段階として複素解析の初歩に

ついて、(1)正則な複素関数、(2)コーシーの積分定理、(3)コーシーの積分公式(およびテイラー展開)――

について簡単に述べる。まず微分可能な複素関数がどのような性質を持つのかを考える。

実数値関数 f(x)が x = x0 で微分可能であるとは、

limx→x0

f(x) − f(x0)x − x0

が存在することを示し、その極限値を f ′(x0)とかくのであった。これはまた以下のようにも書ける。f(x) − f(x0) = f ′(x0)(x − x0) + ε

limx→x0

ε

x − x0= 0

これにならって、複素関数 f(z)が点 z0 で微分可能とは

limz→z0

f(z) − f(z0)z − z0

が存在し、その値を f ′(z0)と呼ぶのである。これはまた、

f(z) − f(z0) = f ′(z0)(z − z0) + ε

limz→z0

ε

z − z0= 0

が成り立つことを示す。ここで注意すべき点を2つあげる。まず、複素関数では、zは複素平面上の点(x, y)

であること。だから実数のときの x → x0 とは異なり、z → z0 とは、平面上の点 z0 に平面上の点 z が近づく

ということだから、その近づき方には様々な方法が考えられるということである。だから、(a)実軸に沿って

近づく、(b)虚軸に沿って近づく、(c)曲線に沿って近づく――などの様々な接近方法があるのである。

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実軸

虚軸

z

z zo

次に注意することは、f は複素平面から複素平面への写像ということである。よって f は (x, y)(x + iy)か

ら(u, v)(u + iv)への写像であることである。見方によっては、R2 から R2 への写像という見方もできる。つ

まり、f を実数部分と虚部に分けて考えると、f(x, y) = u(x, y) + iv(x, y)

f(x0, y0) = u(x0, y0) + iv(x0, y0)

f ′(x0, y0) = a + ibとおくと

u(x, y) + iv(x, y) = u(x0, y0) + iv(x0, y0) + (a + ib) x + iy − (x0 + iy0) + ε

= u(x0, y0) + iv(x0, y0) + (a + ib) (x − x0) + i(y − y0) + ε

= u(x0, y0) + a(x − x0) − b(y − y0) + ε1

+i v(x0, y0) + b(x − x0) + a(y − y0) + ε2よって、

u(x, y) = u(x0, y0) + a(x − x0) − b(y − y0) + ε1

v(x, y) = v(x0, y0) + b(x − x0) + a(y − y0) + ε2・・・(1)

limz→z0

ε1

|z − z0| = limz→z0

ε2

|z − z0| = 0であるから、(1)は u(x, y), v(x, y)が(x0, y0)で微分可能である

ことを示しており、 a =

∂u

∂x(x0, y0), −b =

∂u

∂y(x0, y0)

b =∂v

∂x(x0, y0), a =

∂v

∂y(x0, y0)

となる。よって、

a =∂u

∂x(x0, y0) =

∂v

∂y(x0, y0)

b = −∂u

∂y(x0, y0) =

∂v

∂x(x0, y0)

・・・(2)(2)をコーシー・リーマンの方程式という。

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つまり微分可能性が前提条件とすると、f を (x, y)から(u, v)への写像と考えるとき、∂u

∂x,∂u

∂y,∂v

∂x,∂v

∂yは

独立に動くのではなく、(2)の条件を満たさなければならない。これは f(x, y)に課されたかなり強い制約条

件と言えるのである。

例えば、f(z) = z2

が z = z0 で微分可能であることを示そう。

z2 = (x + iy)2 = x2 − y2 + 2ixy

であるから、u = x2 − y2, v = 2xy であり、∂u

∂x= 2x,

∂v

∂y= 2x,

∂u

∂y= −2y,

∂v

∂x= 2y

であり、∂u

∂x=

∂v

∂y= 2x,

∂u

∂y= −∂v

∂x= −2y

よって、コーシー・リーマンの方程式を満たす。

次に、複素共役をとる関数 f(z) = z = x − iy はどうであろうか?このとき

u = x, v = −y

であり、∂u

∂x= 1,

∂v

∂y= −1,

∂u

∂y= 0,

∂v

∂x= 0

となるから、コーシー・リーマンの方程式を満たさないので微分可能ではない。

ここで、正則な複素関数を定義しておこう。

【定義】領域 D で定義された関数 f(z)が D の各点で微分可能なとき、f を D 上で正則な関数という。ま

た、関数 f(z)が点 z0 の近傍の各点で微分可能であるとき、z = z0 で正則であるという。“z=z0 だけで微分

可能”であることではないので注意されたい。

(2)コーシーの積分定理

これまで複素関数の微分可能性、正則性について述べてきたが、ここでは複素関数の積分について定義し議

論を展開する。

【定義】複素平面の領域 D上で定義された連続函数 f(z)に対して、D内の2点 A, B を結ぶ1つの曲線 C

をとり、その上での積分として、

∫C

f(z)dz = limn−1∑i=0

f(ξi)(zi+1 − zi)・・・(3)

と定義し、Aから B までの C に沿う(線)積分という。ここで注意すべきは、実数値函数の定積分

∫ b

a

f(x)dx = limn−1∑i=0

f(ξi)(xi+1 − xi)

(a0 = x0 < x1 <・・・< xn = b)

であったことに対して、複素積分の場合は、zi+1 − zi はベクトル zizi+1 を表し、(3)はベクトル和 とし

ての値の極限となっていることである。

なお、∫

C

f(z)dz という表記からもわかるように同じ A から B までの積分としても、経路 C のとり方に

よって積分が異なる値をとる場合があることにも注意が必要だ。すなわち一般に、

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X

X

A

B

∫C1

f(z)dz と∫

C2

f(z)dz は異なるということである。

一般に積分の値は経路によって異なるが、領域D内で正則な関数は驚くべきことに道 C のとり方によらず常に一定の値となる

ことが示される。これは次に述べる重要なコーシーの積分定理から直ちに示される。

【定義(コーシーの積分定理)】

f(z)を領域 Dで定義される正則な関数とする。C を領域 D内にある単一閉曲線とするとき∫C

f(z) = 0・・・(A)

が成り立つ。

[証明]ここでは、コーシーが与えたベクトル解析のグリーンの定理を用いた簡潔な証明法を述べる。

f(z) = u(x, y) + iv(x, y), dz = dx + idy

とおくと、∫C

f(z)dz =∫

C

(u + iv)(dx + idy)

=∫

C

(udx − vdy) + i

∫C

(vdx + udy)・・・(4)

ここで、グリーンの定理を用いると∫C

udx − vdy =∫∫

Ω

(− ∂v

∂x− ∂u

∂y)dxdy

∫C

vdx + udy =∫∫

Ω

(∂u

∂x− ∂v

∂y)dxdy

よって(4)は

−∫∫

Ω

(∂v

∂x+

∂u

∂y)dxdy + i

∫∫Ω

(∂u

∂x− ∂v

∂y)dxdy・・・(5)

ところで、(1)で導いた正則関数におけるコーシー・リーマンの方程式

∂u

∂x=

∂v

∂y,

∂v

∂x= −∂u

∂y

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から(5)の積分の値は0となる。¥この証明の簡潔さは、“あっ”と驚く美しい証明であり、ベクトル解析のグリーンの定理の威力の一端をみる

ことができよう。コーシーの積分定理の意義は、f(z)の正則可能性、つまり局所的な微分可能性という性質

が、積分で単一閉曲線に沿っての積分が0になるという 大域的な性質 に密接に関係しているということで、

これは驚くべきことである。

コーシーの積分定理より領域 D 内では、Aから B に沿う曲線 C 上で(線)積分が曲線 C のとり方によら

ないことが示される。

図に示すように、A、Bを含む単一閉曲線 C を考える。

X

X

A

BD

C

コーシーの積分定理より、∫C

f(z)dz = 0

ところが、

C = C1 + C2(左回りを正の向きとする)

= C1 − C2(右回り)

と表されるから∫C1

f(z)dz −∫

C2(右回り)f(z)dz = 0

∴∫

C1

f(z)dz =∫

C2(右回り)f(z)dz

よって、積分路のとり方によらず∫C

f(z)dz が一定の値になることがわかる。

(3)コーシーの積分公式

【定理(コーシの積分公式)】

f(z)は領域 Ω上で微分可能で、C は Ω内にある単一閉曲線とするとき、z0 を C 内の一点とすると、

f(z0) =1

2πi

∫C

f(ζ)ζ − z0

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が成立する。これをコーシーの積分公式という。z = z0 での f の値が z0 とは離れた曲線のうえでの積分の

値によって決まってしまうという、ちょっと信じがたい定理である。

[証明]これは以下のように簡単に示すことができる。C として半径 aの値をとる。

X

C

Ω

∫C

f(ζ)ζ − z0

dζ =∫

C

f(z0) + f(ζ) − f(z0)ζ − z0

= f(z0)∫

C

ζ − z0+

∫C

f(ζ) − f(z0)ζ − z0

上の式の第1項の積分∫

C

ζ − z0は 2πiであるから

= 2πif(z0) +∫

C

f(ζ) − f(z0)ζ − z0

dζ ・・・(6)

と変形でき、第2項は以下のように0となる。

ε > 0を任意にとると、その被積分関数は f(z)の連続性から、半径 aを十分に小さくすれば

|f(ζ) − f(z0)| < ε(ζ ∈ C)とできるから、∣∣∣∣f(ζ) − f(z0)ζ − z0

∣∣∣∣ =|f(ζ) − f(z0)|

a<

ε

aよって、∣∣∣∣∫

C

f(ζ) − f(z0)ζ − z0

∣∣∣∣ <ε

a

∫C

|dζ| =ε

a・2πa = 2πε

εは任意の正数だから、(6)の第2項=0となる。よって∫C

f(ζ)ζ − z0

dζ = 2πif(z0)

ゆえに、

f(z0) =1

2πi

∫C

f(ζ)ζ − z0

を得る。なお、∫

C

|dζ|は曲線 C の長さを表し、2πaとなる。これで積分公式が示された。¥次に、この積分公式を用いて、微分可能な関数の整級数展開(テイラー展開)を示す。

f(z)を領域 Ωで微分可能な関数とする。今、Ω内の一点 z0 を中心とする円を C とするときとき、C 内で

f(z)は、

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∞∑n=0

an(z − z0)n

と展開できる。このとき結論を先に述べると

an =1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − z0)n+1

dζ(n = 0, 1, 2, · · · )

となる。

X X

X

C

z

∣∣∣∣z − z0

ζ − z0

∣∣∣∣ < 1となるので

1ζ − z

=1

ζ − z0 − (z − z0)=

1

(ζ − z0)

1 − z − z0

ζ − z0

=1

ζ − z0

1 + (

z − z0

ζ − z0) + (

z − z0

ζ − z0)2 + · · · · · ·

これをコーシーの積分公式

f(z) =1

2πi

∫C

f(ζ)ζ − z

に代入すると

f(z) =1

2πi

∫C

f(ζ)ζ − z

=1

2πi

∫C

f(ζ)

1ζ − z0

1 + (

z − z0

ζ − z0) + (

z − z0

ζ − z0)2 + · · · · · ·

=1

2πi

∫C

f(ζ)

ζ − z0+

f(ζ)(ζ − z0)2

(z − z0) +f(ζ)

(ζ − z0)3(z − z0)2 + · · · · · ·

=1

2πi

∫C

f(ζ)ζ − z0

dζ +1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − z0)2

dζ・(z − z0) +1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − z0)3

dζ・(z − z0)2 + · · · · · ·= a0 + a1(z − z0) + a2(z − z0)2 + · · · · · ·

an =1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − z0)n+1

dζ(n = 0, 1, 2, · · · )

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が示された。ここで、上記の無限級数は項別積分してよいことを使った。

また、

f(z) =∑∞

n=0 an(z − z0)n

の両辺を次々に微分して、z = z0 とおくと

f (n)(z0) = n!an =n!2πi

∫C

f(ζ)(ζ − z0)n+1

dζ(n = 0, 1, 2, · · · )

が得られた。これは積分公式を一般化したものといえる。¥2.ローラン展開

複素関数 f(z)が z0 を除いて z0 の近傍で正則であって、z0 で正則でないとき、z0 を孤立特異点という。そ

してその特異性が (z − z0)を f(z)にかけて消えてしまうとき、z0 を1位の極という。同様に (z − z0)n をか

けてはじめて正則になるとき、z0 を n位の極という。つまり、

limz→a

(z − a)nf(z)

が存在するとき、n位の極という。

f(z)が z = aで孤立特異点で、z = aの近傍で正則であるとき、z0 でテイラー展開できないが、z = aのま

わりで、ローラン展開と呼ばれる級数展開ができることが知られている。以下、このローラン展開を示そう。

いま、z = aを f(z)の特異点として、aのまわりで2つの円周 C, C ′ を考え図のように、

A → C → L → −C ′ → −L → A

という円環領域を囲む道をとる。

Xa

C

­C’L

­LA

この円環領域で f(z)は正則だから、コーシーの積分公式を用いることができ、

f(z) =1

2πi

∫c

f(ζ)ζ − z

dζ +∫

L

f(ζ)ζ − z

dζ +∫−C′

f(ζ)ζ − z

dζ +∫−L

f(ζ)ζ − z

=

12πi

∫c

f(ζ)ζ − z

dζ −∫

C′

f(ζ)ζ − z

(Lと −Lの積分の計算は打ち消しあう)・・・(A)

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ここで

(1)ζ が C 上を動くとき

| z − a| < |ζ − a|(2)ζ が C ′ 上を動くとき

| z − a| > |ζ − a|

X a

CC’

z

X

X

X

したがって

(a)ζ が C 上を動くとき、1

ζ − z=

1(ζ − a) − (z − a)

=1

(ζ − a)

1 − z − a

ζ − a

=

1ζ − a

1 + (

z − a

ζ − a) + (

z − a

ζ − a)2 + · · · · · ·

(b)ζ が C ′ 上を動くとき、

1ζ − z

=1

(ζ − a) − (z − a)=

1

(z − a)

ζ − a

z − a− 1

=

1z − a

・−1

1 − ζ − a

z − a

=−1

z − a

1 +

ζ − a

z − a+ (

ζ − a

z − a)2+

この結果を(A)に代入すると

f(z) =1

2πi

∫C

f(ζ)

1ζ − a

+z − a

(ζ − a)2+

(z − a)2

(ζ − a)3+ · · · · · ·

+1

2πi

∫C′

f(ζ)

1z − a

+ζ − a

(z − a)2+

(ζ − a)2

(z − a)3+ · · · · · ·

=1

2πi

∫C

f(ζ)ζ − a

dζ +1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − a)2

dζ・(z − a) + · · · · · ·

+1

2πi

∫C′

f(ζ)dζ・1

z − a+

12πi

∫C′

f(ζ)(ζ − a)dζ・1

(z − a)2・・・(B)

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(B)式で右辺の (z − a)n の係数に着目すると

f(z) = · · · · · · + a−n

(z − a)n+

a−(n−1)

(z − a)n−1+ · · · + a−2

(z − a)2+

a−1

z − a+

a0 + a1(z − a) + a2(z − a)2 + · · · + an(z − a)n + · · · ・・・(C)

ここで、

an =1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − a)n+1

dζ(n = 0, 1, 2, · · · )

a−n =1

2πi

∫C′

f(ζ)(ζ − a)n−1dζ(n = 1, 2, · · · )

ここで、コーシーの積分定理により、1

2πi

∫C′

f(ζ)(ζ − a)n−1dζ =1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − a)n−1dζ

よって、an, a−n を一括して書くことができ、

an =1

2πi

∫C

f(ζ)(ζ − a)n+1

dζ(n = 0, 1, 2, · · · )(n = 0,±1,±2, · · · )

f(z)を孤立特異点のまわりで、(C)のように表すことを f(z)を aのまわりでローラン展開するという。

次に留数解析の準備のために点 aを中心として半径 rの円 C の周の正の向きに関する積分∫C

(z − a)ndz を考える。

(*)n = 0, 1, 2, · · · のときは、コーシーの積分定理より、0となる。(*)n = −1のときは、z − a = reiθ とおくと、dz = rieiθdθ であるから∫

C

1z − a

dz =∫

C

rieiθ

reiθdθ = i

∫ 2π

0

dθ = 2πi

(*)n = 2, 3, 4, · · · のときは、dz = rieiθ∫C

dz

(z − a)n=

∫ 2π

0

(reiθ)−nrieiθdθ = i

∫ 2π

0

r−n+1e−i(n−1)θdθ

= −r−n+1

[1

n − 1e−i(n−1)θ

]2π

0= 0

よって、∫C

(z − a)ndz =

2πi (n = −1)

0(n = −1)(C は aを中心にして半径 r の円周)・・・(D)

が成り立つ。

3.留数定理

aを f(z)の孤立特異点とする。aを中心とする f(z)のローラン展開

f(z) = · · · · · · + a−n

(z − a)n+

a−(n−1)

(z − a)n−1+ · · · + a−2

(z − a)2+

a−1

z − a+

a0 + a1(z − a) + a2(z − a)2 + · · · + an(z − a)n + · · · ・・・(E)

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(E)は項別積分できることが知られており、(E)の両辺を C(aを中心とした円周)に沿って積分する。

(D)から n = −1以外の積分は0となることから∫C

f(z) = 2πia−1・・・(G)

つまり、孤立特異点を持つ f の積分の値が a−1(1

z − aの係数)と深く結び付いていることがわかる。

この a−1 は以下の解析で重要な役割を果たすことから以下のように定義する。

【定義】a−1 を孤立特異点 aにおける f(z)の留数(residue)といい、R(a, f)とか Re s(a, f)で表す。

(G)より、

a−1 =1

2πi

∫C

f(z)dz

が成り立つ。

以下はこの留数を求めるのに役立つ重要な定理である。

【定理1】孤立特異点 aが f(z)の n位の極のとき

Re s(a, f) =1

(n − 1)!limz→a

dn−1z

dzn−1(z − a)nf(z)

特に aが1位の極のとき

a−1 = Re s(a, f) = limz→a

(z − a)f(z)

(証明)f はローラン展開によって、

f(z) =a−n

(z − a)n+

a−(n−1)

(z − a)n−1+ · · · + a−2

(z − a)2+

a−1

z − a+

a0 + a1(z − a) + a2(z − a)2 + · · · + an(z − a)n + · · ·したがって、

(z − a)nf(z) = a−n + a−(n−1)(z − a) + · · · + a−1(z − a)n−1 + a0(z − a)n + · · ·上式を (n − 1)回微分するとdn−1

dzn−1(z − a)nf(z) = (n − 1)!a−1 + n!(z − a) + · · ·

したがって

1(n − 1)!

limz→a

dn−1

dzn−1(z − a)nf(z) = a−1 = Re s(a, f)

特に aが1位の極のときは

limz→a(z − a)f(z) = a−1 = Re s(a, f)

系:特に , f(z) =P (z)Q(z)

で、Q(z)が点 aで一次の零点のとき

Q(a) = 0, Q′(a) = 0のとき

limz→a(z − a)P (z)Q(z)

= limz→aP (z)

Q(z) − Q(a)z − a

=P (a)Q′(a)

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【留数定理】a1, a2, · · · , ak は f(z) の孤立特異点とする。a1, a2, · · · , ak を内部に含む単一閉曲線 C をと

る。このとき、この C を正の向きに f(z)を積分すると

12πi

∫C

f(z) = Re s(a1, f) + Re s(a2, f) + · · ·Re s(ak, f) =k∑

i=1

Re s(ai, f)

(証明)いま、a1, a2, · · · , ak のまわりに正の向きにまわる円周 C1, C2, · · · , Ck をとる。図のように C と順

次 Ck を結んだ線径路を考えると、図で影のつぃた部分を囲む道が出来上がる。

X

X

XC

この部分で f(z)は正則であるから、コーシーの積分定理を用いると1

2πi

∫C

f(z)dz − 12πi

∫C1

f(z)dz − · · · · · · − 12πi

∫Ck

f(z)dz = 0

Re s(ai, f) =1

2πi

∫Ci

f(z)dz

であるから

12πi

∫C

f(z)dz =k∑

i=1

Re s(ai, f)

を得る。¥

4.定積分の計算

留数定理と定理1(およびその系)を用いると、実数の解析では難しい(不定積分を求めることが困難な)

定積分の値を求めることができる。

12

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[例1] ∫ +∞

−∞

dx

1 + x2n=

π

n sinπ/2n

この場合には、有理関数 R(z) =1

1 + z2nを考える。

z2n + 1 = 0の根が R(z)の1位の極である。

z = cos θ + i sin θ とおくと

(cos 2nθ + i sin 2nθ) = cos π + i sinπ

よって、2nθ = π + 2kπ → θ =2k + 1

2nπ(k = 0, 1, · · · , 2n − 1)

より、2n個の根は

z0 = cos π/2n + i sinπ/2n

とおくとき

zk = z2k+10 (k = 0, 1, · · · 2n − 1)

と書ける。

zk = (cos π/2n + i sinπ/2n)2k+1 = cos(2k + 1)π

2n+ i sin

(2k + 1)π2n

よって、複素平面の上半球にある根の偏角は、

0<(2k + 1)π

2n< π → 2k + 1 < 2n,すなわち、k < n − 1

2k は正の整数であるから、0 5 k 5 n − 1である。よって上半球にある極は、

z0, z1, · · · , zn−1 の n個であり、いずれも 1位である。すると∫ r

−r

dx

1 + x2n+

∫C

dz

1 + z2n= 2πi

∑n−1k=0 Re s(zk, R)(留数定理)

ここで r → ∞とすると、∫ ∞

−∞

dx

1 + x2n+ limr→∞

∫C

dz

1 + z2n= 2πi

∑n−1k=0 Re s(zk, R)

ここで、limr→∞∫

C

dz

1 + z2n= 0となることがわかるので(後述)、∫ ∞

−∞

dx

1 + x2n= 2πi

∑n−1k=0 Re s(zk, R)

ここで、Re s(zk,1

1 + z2n) =

1d

dz[1 + z2n]

z=zk

=1

2nz2n−1k

(定理1の系)

z2n−1k =

z2k

zk=

−1zkであるから

Re s(zk,1

1 + z2n) =

−zk

2nこれは、k = 0, 1, 2, · · · , n − 1に対して成立するから∫ ∞

−∞

dx

1 + x2n= 2πi(− 1

2n

∑n−1k=0 zk)

= −2πi

2n

∑n−1k=0 z2k+1

0

13

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x

xx

x

i

­r o

C

1X

X X

X

r

上半球の円弧と実軸に沿った積分を考える。その中に4つの解(孤立特異点)が含まれる

= −2πi

2n・

z0(1 − z2n0 )

1 − z20

= −πi

n・

1 − (−1)1z0

− z0

=2πi

n・

1

z0 − 1z0

z0 − 1z0

= (cos π/2n + i sinπ/2π) − (cos π/2π − i sin π/2n)

= 2i sinπ/2n であるから

2πi

n・

1

z0 − 1z0

=2πi

n・

12i sinπ/2n

n sinπ/2n¥

[例2] I =∫ +∞

0

xm−1

1 + xndx =

π

n sin(mπ

n)(0 < m < n,m.nは整数)

R(z) =zm−1

1 + znとおく。

頂角 β =2π

nの扇形の周上で、R(z)を積分すればよい。∫

Δ

zm−1

1 + zndz =

∫ a

0

xm−1

1 + xndx +

∫AB

R(z)dz +∫

BO

R(z)dz∫AB

R(z)dz =0(後述)

BO 上では、z = reiβ(0 5 r 5 a)、zn = rn(nβ = 2π)だから∫BO

R(z)dz =∫ 0

a

rm−1eiβ(m−1)

1 + rneiβn・eiβdr(dz = eiβdr に置換積分)

14

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= −∫ a

0

rm−1eiβm

1 + rndr

= − exp(2mπi

n) × I

o A

B

X

また、この扇形に含まれる Rの極は、α = e

n のみであるから

Re s(eiπ

n ,R) =

zm−1

d

dz(1 + zn)

z=α

=[

zm−1

nzn−1

]z=α

=1n

αm−n

=1n

e iπn (m − n) =

1n

emπin ・e−iπ = − 1

ne

mπin (定理1の系)

∫Δ

R(z)dz = I − exp2mπi

nI = 2πi(− 1

ne

mπin )(留数定理)

(1 − exp2mπi

n)I = −2πi

ne

mπin

∴ I =2πi

n・

expmπi

n

exp2mπi

n− 1

=2πi

n・

1

expmπi

n− exp(−mπi

n)

=2πi

n・

cosmπ

n+ i sin

n−

cos(−mπ

n) + i sin(−mπ

n)

15

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=2πi

n・

1

2i sinmπ

n

n

1sinmπ/n

(*)∫

AB

R(z) = 0の証明

R(z) =zm−1

1 + zn

lim|z|→∞ zR(z) = lim|z|→∞zm

1 + zn= lim|z|→∞

11

zm+ zn−m

→ 0(n > m)

円弧 A(ρ)上の| R(z)|の最大値をM(ρ)とする。

|∫

A(ρ)

R(z)dz| 5 M(ρ)ρ(β − α)

limρ→∞ ρM(ρ) = 0だから、

limρ→∞∫

A(ρ)

R(z)dz = 0¥

ところで、例2から Γ関数の相補公式が示される。

Γ(x)Γ(1 − x) =π

sin(πx)(x ∈ R − (−N))

以下、これを示そう。I =∫ ∞

0

xm−1

1 + xndxで、

11 + xn

= uとおくと

I =1n

∫ 1

0

umn −1(1 − u)−

mn du・・・(*)

と変形できるから、ベータ関数とΓ関数の関係

B(x, y) =Γ(x)Γ(y)Γ(x + y)

を用いると

I =1n

B(m

n, 1 − m

n)=

1n

Γ(m

n)Γ(1 − m

n)

が成り立つから例2の結果より、

Γ(m

n)Γ(1 − m

n) =

π

sinm

さらに、実数の連続性から、

Γ(x)Γ(1 − x) =π

sinπx

を得る。そこで(*)を示そう。

u =1

1 + xnとおくと、x = (

1u− 1)

1n から

I =∫ 0

1

u(1 − u

u)

m−1n dx

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du

dx= − −nxn−1

(1 + xn)2より、

dx

du= − 1

u2(1u− 1)

1n−1・

1n

dx = −1n

1u2

(1u− 1)

1n−1du

I =∫ 1

0

u(

1 − u

u)

m−1n

1n

1u2

(1u− 1)

1n−1

du

=1n

∫ 1

0

1u

(1 − u

u)

mn −1du

=1n

∫ 1

0

1u

u1−mn (1 − u)

mn −1du

=1n

∫ 1

0

u−mn (1 − u)

mn −1du

=1n

∫ 0

1

(1 − t)−mn t

mn −1(−1)dt

=1n

∫ 1

0

(1 − t)−mn t

mn −1dt ¥

[例3]

J =∫ +∞

−∞

dx

(1 + x2)n+1= π

(2n − 1)!!(2n)!!

(n = 1, 2, · · · )

f(z) =1

(1 + z2)n+1

とおくと、f(z) =1

(z2 + 1)n+1=

1(z + i)n+1(z − i)n+!

i

­R o

C

1-1 R

i

f(z)の上半球上の極は z = iのみで、iは(n + 1)次の極だから

Re s(i, f) =1n!

limz→idn

dzn

(z − i)n+1 1

(z + i)n+1(z − i)n+1

(定理1より)

=1n!

limz→idn

dzn

1

(z + i)n+1

=

1n!

dn

dzn

(z + i)−(n+1)

d

dz(z + i)

−(n+1)= −(n + 1)(z + i)−(n+2)

d2

dz2(z + i)

−(n+1)= (−1)2(n + 1)(n + 2)(z + i)−(n+3)

· · · · · · · · ·

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dn

dzn(z + i)

−(n+1)= (−1)n(n + 1)(n + 2) · · · · · · (n + n)(z + i)−(n+n+1)

より、[dn

dzn(z + i)

−(n+1)]

z=i

= (−1)n(n + 1)(n + 2) · · · · · · (2n)(2i)−(2n+1)

= (−1)n n!(n + 1)(n + 2) · · · · · · (2n)n!

・(2i)−(2n+1)

= (−1)n (2n)!n!・(2i)

−(2n+1)

Re s(i, f) =1n!

[dn

dzn(z + i)

−(n+1)]

z=i

= (−1)n (2n)!(n!)2(2i)2n+1

= (−1)n (2n)!(n!)222n+1i2ni

=(-1)n (2n)!(n!)222n+1(−1)ni

=(2n)!

(n!)222n+1i

=(2n)!

(n!)222n2i

=(2n)!

(n(n − 1)(n − 2) · · ·・1)2(2n)22i

=(2n)!

(n(n − 1)(n − 2) · · ·・1)・2n)22i

=(2n)!!(2n − 1)!!

(2n(2n − 2)(2n − 4) · · ·・2)22i

=(2n)!!(2n − 1)!!

((2n)!!)22i

=(2n − 1)!!(2n)!!2i

よって、∫C

dz

(1 + z2)n+1=

∫ +R

−R

dx

(1 + x2)n+1+

∫C′

dz

(1 + z2)n+1

= 2πi ・(2n − 1)!!(2n)!!2i

=(2n − 1)!!

(2n)!!π(= Re s(i, f),留数定理)

lim∫

C′

dz

(1 + z2)n+1= 0より、

∫ +∞

−∞

dx

(1 + x2)n+1=

(2n − 1)!!(2n)!!

π ¥

[例4]In =∫ 2π

0

cos nθdθ

1 − 2a cos θ + a2=

2πan

1 − a2|a| < 1

an(a2 − 1)|a| > 1

(n ∈ N, a ∈ R)

Jn =∫ 2π

0

sinnθdθ

1 − 2a cos θ + a2

Kn = In + iJn

とおいて、In, Jn を同時に扱ってその値を求める。

K =∑∞

n=0 Kntn =∫ 2π

0

∑∞n=0

tn(cos nθ + i sinnθ)1 − 2a cos θ + a2

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=∫ 2π

0

∑∞n=0

tn(cos θ + i sin θ)n

1 − 2a cos θ + a2dθ

=∫ 2π

0

11 − 2a cos θ + a2

(1 + r + r2 + · · · )dθ(r = t(cos θ + i sin θ))

ここで、1 − 2a cos θ + a2 = (eiθ − a)(e−iθ − a)だから

=∫ 2π

0

1(eiθ − a)(e−iθ − a)

・1

1 − rdθ

=∫ 2π

0

(1 − teiθ)(eiθ − a)(e−iθ − a)

=∫ 2π

0

eiθdθ

(1 − teiθ)(eiθ − a)(1 − aeiθ)

そこで、f(z) =1

(1 − tz)(z − a)(1 − az)とおくと、単位円を C とおくと

z = eiθ とおくと dz = ieiθdθ

∫C

f(z)dz =∫ 2π

0

ieiθdθ

(1 − teiθ)(eiθ − a)(1 − aeiθ)だから

K =1i

∫C

f(z)dz

|a| < 1のとき単位円内の f の極は aだけであるから

K =1i

∫C

f(z)dz = 2π Re s(a, f) =2π

(1 − ta)(1 − a2)=

1 − a2

∑∞n=0 antn

よって、

∑∞n=0 Kntn =

1 − a2

∑∞n=0 antn

In + iJn =∫ 2π

0

cos nθ + i sinnθ

1 − 2a cos θ + a2dθ =

2πan

1 − a2

この実部虚部をとると、

In =2πan

1 − a2, Jn = 0

を得る。|a| > 1のとき、単位円内の極は a−1 のみ。

Re s(a−1, f) = limz→a−1(z − 1a)f(z) =

1(−a)(1 − a−1t)(a−1 − a)

=1

(1 − a−1t)(a2 − 1)

よって、

K = 2π Re s(a−1, f) =2π

(1 − a−1t)(a2 − 1)=

a2 − 1∑∞

n=0 a−ntn

よって、

In =2π

(a2 − 1)an

を得る。¥

*本稿の執筆に際しては、以下を参考とした。

・複素数 30 講(志賀浩二、朝倉書店)

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・解析入門(杉浦光夫、東京大学出版会)

・対話・微分積分学(笠原晧司、現代数学社)

・複素解析学入門(小堀憲、朝倉書店)

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とかける。

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