住友林業株式会社住友林業フォレストサービス株式会社一般財団法人 日本情報経済社会推進協会
林業事業体及び木材需要者に対する聞き取り調査結果の報告
2016年 3月 14日
2016/3/14
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平成27年度森林情報高度利活用技術開発事業 事業報告会
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報告内容
1. 聞き取り調査の概要
2. 調査結果から判明した課題
3. H27年度標準仕様
4. 標準仕様を利用した課題解決の方向性
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1.聞き取り調査の概要
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聞き取り調査の概要
調査対象
聞き取り調査
・森林情報システムの内容・データの利活用状況・森林情報に係る業務内容・利用者側の課題 等
林業事業体10箇所
調査項目
・面談による聞き取り調査
調査方法
木材需要者10箇所
聞き取り調査に先立って、木材需要者を対象にアンケート調査を実施した
製材工場合板工場チップ工場プレカット工場木材市場バイオマス発電工場
森林組合素材生産業者県森林組合連合会
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アンケート調査
・目 的:現状と課題・問題点の整理とその改善・解決策や方向性を
取りまとめるため。
・期 間:2015年6月18日(配布)~7月17日(締切)
・配布先:住友林業フォレストサービス㈱主要取引先
・配布数:125社
・回 答:64社
聞き取り調査・アンケート調査の結果をもとに各課題について分析を行った。
聞き取り調査の概要
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2.聞き取り調査から判明した課題
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聞き取り調査から判明した課題
<木材供給>木材のエンドユーザーが求める需要に対応した山の必要木の情報を入手したい樹種の急な変更やA材のみなど偏った注文をされる
<森林取引>①境界が不明瞭、②森林所有者人数が多すぎる、③個人情報保護で必要な情報が集めにくい森林簿情報が入手しにくい
課題
林業事業体
今回は、木材需要者から見た川上の課題に着目
木材需要者
林業事業体との原木供給数量の協定は破られることが多々あり、あてにできない出材(量)の情報があいまいで、いつ・どのくらい出てくるのかわからない原木が必要となったときに山林の情報が少ない手入れ状況が反映されていないため、森林簿はあてにできない
課題
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木材需要者から見た川上の課題
①供給計画を立てていない木材供給
森林取引(土地・立木)
③供給目標の達成度が低い
④実績管理・分析をしていない
②計画の精度が低い
①どこに売りたい人がいるのかわからない。
P
D
C A
買主
②売るために必要な情報がわからない。
③どこに情報を提供すればよいのかわからない。
売主
供給先に対して
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木材供給に関する課題
林業事業体6ユーザーのうち
4ユーザーが出材計画を立てている
出材計画の有無
①供給計画を立てていない
出材計画作成の頻度
週別計画:1事業体月別計画:2事業体2ヶ月計画:1事業体
計画提供の有無
林業事業体4ユーザーのうち
1事業体が供給計画を木材需要者に提供している
計画は立てているが、
事業体に提供していないケースがある。
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木材供給に関する課題
現地調査の有無
②計画の精度が低い
生産性管理の有無
林業事業体18ユーザーのうち12ユーザーが現地調査実施
2 2
8
1
0123456789
地図データのみ数値データのみ 無 不明
調査結果データ化の有無
林業事業体6ユーザーのうち1ユーザーが生産性管理を実施
現地調査をしていても、それが計画に反映されていないケースがある。
森林情報があっても、生産性を管理できておらず、出材予想ができないケースが想定される。
H26年度事業成果より
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木材供給に関する課題
③供給目標の達成度が低い
【林業事業体意見】施業を実施するまでに時間がかかる。
集約化している場合は施業の了承を得るのが大変。そもそも集約化が進まない。森林組合は森林所有者の組合組織のため、意思決定が遅い。
公共事業も同時に実施している場合、そちらの事業の都合で人手が割けないことがある。安全最優先であるため、生産性を無理に上げることはできない。天候に左右される。
【木材需要者意見】林業事業体と供給協定を結んでいるが、当てにならない。
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木材供給に関する課題
④実績管理・分析をしていない
林業事業体6ユーザーのうち
6ユーザーが出材の実績を確認している
出材実績の確認の有無
林業事業体6ユーザーのうち
2ユーザーが出材実績を分析している
実績の分析の有無
出材の実績情報は確認しているが、それを分析して次回以降の出材計画に利用している事業体は少ないと想定される。
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森林取引に関する課題
①どこに売りたい人がいるのかわからない。買主
②売るために必要な情報がわからない。売主
③どこに情報を提供すればよいのかわからない。
【木材需要者意見】基本的には、知り合いを通して話が来ることが多い。ブローカーが売買の情報を持っており、所有者と買いたい人とを結び付けている。
【林業事業体意見】山を売りたいという話はたまにあるが、基本的には対応しない。(できない。)
買主と売主との情報伝達手段が少ない
取引情報の確認方法が明確でないため、対応できる人(仲介役)が少ない
【問題点】取引の透明性が低い。
適正な価格での取引ができていない恐れがある。特に売主側には情報が少なく、不利な取引になることもある。
3.H27年度標準仕様
今年度標準仕様の対象とする情報① 15
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トレーサビリティ
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木材購入(仕入)
森林取引
木材(素材)
森林(立木+土地)
対象業務
林業事業体
森林所有者
木材需要者が求める森林情報
出材情報
森林取引情報
アウトプット<対象情報>
出荷地情報
聞き取り調査の成果を踏まえ木材需要者が求める森林情報の標準仕様を作成した
空間参照にて(一部)自動入力
施業履歴情報
森林所有者情報
森林資源情報
路網情報
GNSS情報
市町村・林業事業体
都道府県森林資源情報(都道府県
森林所有者情報)<森林簿相当>
都道府県
独立地図情報
画像情報
独自
一次データベース 二次データベース
同一
同一
同一
同一
同一
出材情報
出荷地情報
森林取引情報
林業事業体↓
木材需要者
森林所有者↓
林業事業体木材需要者
施業履歴情報
路網情報
GNSS情報
独立地図情報
画像情報
都道府県森林資源情報(都道府県
森林所有者情報)<森林簿相当>
同一
今年度標準仕様の対象とする情報② 16
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基本仕様
参考として手動入力
推奨仕様
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出材情報・出荷地情報の利用方法(例)
林業事業体
・所有山林・立木買・施業委託
商談
出材情報木材を買いたい木材を売りたい
木材販売
出荷地情報
必要なデータ入力
必要なデータ入力
木材需要者
中間事業者
一次DB独自入力
一次DB独自入力
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森林取引情報の利用方法(例)
森林所有者
・個人・法人・行政 等 商談
森林取引情報
森林(土地・立木)
を売りたい
必要なデータ入力
林業事業体
木材需要者
森林(土地・立木)
を買いたい
4.標準仕様を利用した課題解決の方向性
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標準仕様を利用した課題解決の方向性①
木材供給
実績管理
供給計画作成
施業実行
供給計画を作成するところから始め、PDCAを回してより計画の質を高めていく。
精度をより高める
確実に出材する 管理・分析する
標準仕様
D C A
森林資源情報
出材情報
P林業事業体
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標準仕様を利用した課題解決の方向性②森林取引
公正
森林(土地・立木)の取引に関する情報の伝達手段を確立し森林取引の質を高めていく。
森林取引情報のマッチング
買主
売主
確実
簡単
森林取引情報
標準仕様
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