電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会...

24
ホームページアドレス http://www.ksdh.or.jp/ No. 446 電気と保 20 1 1 1 1 1 2 月号 2011 11 12 月号 電気と保安

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Page 1: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

ホームページアドレス http://www.ksdh.or.jp/

No.446

電気と保安2011 11・12月号2011 11・12月号電気と保安

Page 2: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

3 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 2電気と保安 2011 11・12月号

 じ

 め

 に

原子力安全・保安院では、自家用

電気工作物が起因となる感電、火災

等の事故から従業員、点検作業者、

一般公衆等を守り、電力の供給に影

響を与えないための保安体制の確

保、公共の安全確保、保安レベルの

向上を図ることを目的として電気事

業法第107条に基づき自家用電気

工作物設置者に対する立入検査を実

施しており、保安体制の核となる保

安規程の遵守状況、技術基準の適合

状況及び電気主任技術者を中心とし

た保安活動が円滑に執り行われてい

るかを確認しております。

規制緩和の動きが進展するなか、

設置者の自己責任による自主保安体

制の確立が以前にも増して重要に

なってきております。立入検査の実

施により、自家用電気工作物設置者

及び電気主任技術者に自主保安につ

いて再認識して頂き、保安管理に不

備がある場合はその是正を通じ、継

続的に自主保安のレベルが向上する

よう指導を行っております。

以下に平成22年度の立入検査の実

施結果をまとめました。皆様方の事

業場の保安体制の再検証及び継続的

に保安体制を向上する上でのご参考

にして頂きましたら幸いです。

なお、自家用電気工作物の保安体

制は図1のとおりとなっています。

立入検査の目的と内容

立入検査の目的

立入検査事業場において、一般公

衆及び従業員の安全確保や波及事故

防止の観点から、自家用電気工作物

設置者が自己責任意識に基づく自主

保安体制をどのように構築している

か、その保安レベルの維持、向上に

対する意識を確認し、必要な行政指

導・助言等を行うことにより、各事

業場がより望ましい自主保安体制へ

の確立を促すことを目的としていま

す。具体的には、①保安規程の遵守

状況の確認、②電気主任技術者の保

安活動が適正かつ円滑に執り行われ

ているかの確認、③保安上必要な情

報提供をすることにより、設置者の

自主保安活動を充実させる、となり

ます。

また、電気事故を発生させた事業

場については、その後の事故再発防

止対策を適切に実施しているか、そ

の内容を従業員に対してどのように

保安教育を行っているかを確認して

います。

更に、立入検査の結果をこのよう

な誌面を通じて他の自家用電気工作

物設置者及び電気主任技術者に対し

広く周知することにより、同様の電

気事故の発生・再発並びに技術基準

適合違反を防止することを目的とし

ています。

立入検査の内容

検査の内容としては以下の項目に

ついて、工場又は営業所、事務所、

その他の事業場に立ち入り、電気工

作物、帳簿、書類等を検査します。

・保安規程遵守状況及び電気主任技

(1)

(2)

電気と保安 平成23年 11・12月号(通巻446号)目次

2011 11・12月号

高野山は弘仁7年(816年)の空海による開創以来、1200年にわたり信仰を集めて、今なお法燈を守り続ける真言密教の一大道場です。「高野山」とは、紀伊山地北部の標高約800m東西6km南北3kmの山上盆地を囲む標高千メートル級の山々が連なる山域の総称で、「一山境内地」と称し、高野山の至る所がお寺の境内地であり、高野山全体がお寺なのです。現在も、壇上伽藍と奥の院を中核に、総本山のほか117

の塔頭寺院(高野山全体を大寺に見立て、山内に建てられた小院)が建ち並び、寺院と樹叢が一体となった信仰に関連する文化的景観を作っています。また、建物、彫刻、絵画など、多くの国宝や重要文化財が残され、山の正倉院とも言われています。平成16年(2004年)7月、高野山と高野山町石道が熊野、吉野・大峯と共に『紀伊山地の霊場と参詣道』としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

高野山

1200年にわたる信仰の歴史をもつ真言密教の一大道場

表紙:高野山の朝 ○C NAGGI NAGASAKA/SEBUN PHOTO/amanaimages

N

慈尊院丹生官省持神社

3

8

9

10

12

14 

17

18

22

23

24

特集1平成22年度

自家用電気工作物の立入検査結果について中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課

●保 安 マ ン の 体 験● 照明安定器が焼損する前に

平成23年秋の火災予防運動大阪市防火標語おおさかに 広がれ笑顔と 防火力大阪市消防局 予防部 予防課

関西電気保安協会CSR活動レポート 2011

●お 客 さ ま 訪 問●学校法人大阪女学院責任のある自由を体得し、自ら未来を開ける女性を育てる

●近畿ぶらり旅--10●錦秋に染まる丹波の里を訪ね歴史と産業の史跡をめぐる京都府 綾部市

●こころとカラダのヘルスケア●無理なく毎日続けられ身体も心も元気にする「ヨガ」

特集2平成22年度

配電線への波及事故と防止について 関西電力株式会社 電力流通事業本部 ネットワークお客さま技術グループ

●省エネ事例のご紹介●設備改修工事による省エネルギーの成果

●協 会 だ よ り● ・お客さま感謝月間 大切な電気の安全・安心、「まごころ」こめてお届けします  ・平成23年度 電気保安功労者表彰 ・平成23年度 電気保安講習会のご案内

●お客さまへのお知らせ● ・[停電時などの緊急時の連絡方法は万全ですか]

●電気と保安クイズ●南海高野線紀ノ川

JR和歌山線

高野山町石道

九度山

上古沢

極楽橋

高野山 高野山ケーブル

妙寺

高野口

丹生都比売神社

奥の院地区

金剛三昧院地区本山地区

徳川家霊台地区

伽藍地区大門地区

24 370

370

480

安全管理審査

(電気事業法第五十条の二第3項)

自家用電気工作物の保安体制

立入検査

(電気事業法第百七条第3項)

工事計画等の審査

(法に基づく届出の審査、受理)

保安規程の届出・遵守

(電気事業法第四十二条第1項及び4項)

技術基準適合維持義務

(電気事業法第三十九条第1項)

主任技術者の選任・届出

(電気事業法第四十三条第1項及び3項)

工事計画の届出

(電気事業法第四十八条第1項)

技術基準適合命令

(電気事業法第四十条)

保安規程変更命令

(電気事業法第四十二条第3項)

免状返納命令

(電気事業法第四十四条第4項)

外部委託承認の取消

(電気事業法施行規則第五十三条第5項)

使用前自主検査

(電気事業法第五十条の二第1項)

図1 自家用電気工作物の保安体制 

事故などの報告義務

(電気事業法第百六条など)

国 電気工作物設置者

平成22年度

自家用電気工作物の立入検査結果について

中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課

Page 3: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

3 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 2電気と保安 2011 11・12月号

 じ

 め

 に

原子力安全・保安院では、自家用

電気工作物が起因となる感電、火災

等の事故から従業員、点検作業者、

一般公衆等を守り、電力の供給に影

響を与えないための保安体制の確

保、公共の安全確保、保安レベルの

向上を図ることを目的として電気事

業法第107条に基づき自家用電気

工作物設置者に対する立入検査を実

施しており、保安体制の核となる保

安規程の遵守状況、技術基準の適合

状況及び電気主任技術者を中心とし

た保安活動が円滑に執り行われてい

るかを確認しております。

規制緩和の動きが進展するなか、

設置者の自己責任による自主保安体

制の確立が以前にも増して重要に

なってきております。立入検査の実

施により、自家用電気工作物設置者

及び電気主任技術者に自主保安につ

いて再認識して頂き、保安管理に不

備がある場合はその是正を通じ、継

続的に自主保安のレベルが向上する

よう指導を行っております。

以下に平成22年度の立入検査の実

施結果をまとめました。皆様方の事

業場の保安体制の再検証及び継続的

に保安体制を向上する上でのご参考

にして頂きましたら幸いです。

なお、自家用電気工作物の保安体

制は図1のとおりとなっています。

立入検査の目的と内容

立入検査の目的

立入検査事業場において、一般公

衆及び従業員の安全確保や波及事故

防止の観点から、自家用電気工作物

設置者が自己責任意識に基づく自主

保安体制をどのように構築している

か、その保安レベルの維持、向上に

対する意識を確認し、必要な行政指

導・助言等を行うことにより、各事

業場がより望ましい自主保安体制へ

の確立を促すことを目的としていま

す。具体的には、①保安規程の遵守

状況の確認、②電気主任技術者の保

安活動が適正かつ円滑に執り行われ

ているかの確認、③保安上必要な情

報提供をすることにより、設置者の

自主保安活動を充実させる、となり

ます。

また、電気事故を発生させた事業

場については、その後の事故再発防

止対策を適切に実施しているか、そ

の内容を従業員に対してどのように

保安教育を行っているかを確認して

います。

更に、立入検査の結果をこのよう

な誌面を通じて他の自家用電気工作

物設置者及び電気主任技術者に対し

広く周知することにより、同様の電

気事故の発生・再発並びに技術基準

適合違反を防止することを目的とし

ています。

立入検査の内容

検査の内容としては以下の項目に

ついて、工場又は営業所、事務所、

その他の事業場に立ち入り、電気工

作物、帳簿、書類等を検査します。

・保安規程遵守状況及び電気主任技

(1)

(2)

電気と保安 平成23年 11・12月号(通巻446号)目次

2011 11・12月号

高野山は弘仁7年(816年)の空海による開創以来、1200年にわたり信仰を集めて、今なお法燈を守り続ける真言密教の一大道場です。「高野山」とは、紀伊山地北部の標高約800m東西6km南北3kmの山上盆地を囲む標高千メートル級の山々が連なる山域の総称で、「一山境内地」と称し、高野山の至る所がお寺の境内地であり、高野山全体がお寺なのです。現在も、壇上伽藍と奥の院を中核に、総本山のほか117

の塔頭寺院(高野山全体を大寺に見立て、山内に建てられた小院)が建ち並び、寺院と樹叢が一体となった信仰に関連する文化的景観を作っています。また、建物、彫刻、絵画など、多くの国宝や重要文化財が残され、山の正倉院とも言われています。平成16年(2004年)7月、高野山と高野山町石道が熊

野、吉野・大峯と共に『紀伊山地の霊場と参詣道』としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

高野山

1200年にわたる信仰の歴史をもつ真言密教の一大道場

表紙:高野山の朝 ○C NAGGI NAGASAKA/SEBUN PHOTO/amanaimages

N

慈尊院丹生官省持神社

3

8

9

10

12

14 

17

18

22

23

24

特集1平成22年度

自家用電気工作物の立入検査結果について中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課

●保 安 マ ン の 体 験● 照明安定器が焼損する前に

平成23年秋の火災予防運動大阪市防火標語おおさかに 広がれ笑顔と 防火力大阪市消防局 予防部 予防課

関西電気保安協会CSR活動レポート 2011

●お 客 さ ま 訪 問●学校法人大阪女学院責任のある自由を体得し、自ら未来を開ける女性を育てる

●近畿ぶらり旅--10●錦秋に染まる丹波の里を訪ね歴史と産業の史跡をめぐる京都府 綾部市

●こころとカラダのヘルスケア●無理なく毎日続けられ身体も心も元気にする「ヨガ」

特集2平成22年度

配電線への波及事故と防止について 関西電力株式会社 電力流通事業本部 ネットワークお客さま技術グループ

●省エネ事例のご紹介●設備改修工事による省エネルギーの成果

●協 会 だ よ り● ・お客さま感謝月間 大切な電気の安全・安心、「まごころ」こめてお届けします  ・平成23年度 電気保安功労者表彰 ・平成23年度 電気保安講習会のご案内

●お客さまへのお知らせ● ・[停電時などの緊急時の連絡方法は万全ですか]

●電気と保安クイズ●南海高野線紀ノ川

JR和歌山線

高野山町石道

九度山

上古沢

極楽橋

高野山 高野山ケーブル

妙寺

高野口

丹生都比売神社

奥の院地区

金剛三昧院地区本山地区

徳川家霊台地区

伽藍地区大門地区

24 370

370

480

安全管理審査

(電気事業法第五十条の二第3項)

自家用電気工作物の保安体制

立入検査

(電気事業法第百七条第3項)

工事計画等の審査

(法に基づく届出の審査、受理)

保安規程の届出・遵守

(電気事業法第四十二条第1項及び4項)

技術基準適合維持義務

(電気事業法第三十九条第1項)

主任技術者の選任・届出

(電気事業法第四十三条第1項及び3項)

工事計画の届出

(電気事業法第四十八条第1項)

技術基準適合命令

(電気事業法第四十条)

保安規程変更命令

(電気事業法第四十二条第3項)

免状返納命令

(電気事業法第四十四条第4項)

外部委託承認の取消

(電気事業法施行規則第五十三条第5項)

使用前自主検査

(電気事業法第五十条の二第1項)

図1 自家用電気工作物の保安体制 

事故などの報告義務

(電気事業法第百六条など)

国 電気工作物設置者

平成22年度

自家用電気工作物の立入検査結果について

中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課

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5 4 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

術者の執務状況(組織、保守、運用、

保安教育、災害対策等)

・電気工作物の施設状況、維持管理

状況(技術基準適合状況等)

・電気事業法関係法令に基づく諸手

続状況

立入検査事業場の選定基準

検査を実施する事業場は、原則と

して、以下の観点に基づいて選定し

た事業場又はその自家用電気工作物

を管理する事業場等に立ち入ること

にしています。

・事故報告対象事故が発生した事業

場(事故内容を勘案)

・技術基準に適合するよう命じられ

た事業場

・経年劣化の恐れのある設備を持つ

事業場

・使用実績がない又は少ない新技術

を導入した事業場

・社会的影響の大きい事業場(公共

施設等)

・保安の管理が適切でない恐れのあ

る事業場

・保安の実態把握が必要な事業場

立入検査事業場の概要

平成22年度は89箇所の事業場に立

入検査を実施しました。

選定基準別

の内訳は、感電死傷事故発生事業場

が13箇所、波及事故発生事業場が27

箇所、保安の実態把握が必要な事業

場が40箇所、保安の管理が適切でな

い恐れのある事業場が9箇所となっ

ています。(図2参照)

なお、保安の実態把握が必要な事

業場の選定件数が多くなっています

が、その理由として、前年度までの

検査において停電点検の未実施が多

く認められた商業施設や病院等公共

施設といった業態に対して、点検の

実施状況等について実態把握を行っ

たためです。

電圧別の内訳は、高圧が67箇所、

特別高圧が22箇所です。保安形態別

の内訳は、選任主任技術者が36箇所、

兼任主任技術者が2箇所、許可主任

技術者が1箇所、電気管理技術者(外

部委託)が23箇所、電気保安法人(外

部委託)が26箇所、主任技術者未選

任が1箇所となっています。(表1

及び図3参照)

事業場の業態別内訳は、工場が29

箇所、商業施設・店舗が18箇所、事

務所ビルが11箇所、公共施設が23箇

所、その他(通信設備中継拠点、ポ

ンプ場、廃棄物処理施設等)が8箇

所となっています。(図4参照)

立入検査結果

電気主任技術者の執務状況

及び保安規程遵守状況

改善指導件数は合計87件(文書で

確認したもの)で、改善を指導した

具体的な内容については、表2及び

図5を参照して下さい。

表2に記載の事項以外で、保安規

程の遵守状況等に関して口頭で指導

した主な事項は以下のとおりです。

・保安教育については、適切な頻度

で実施すること、内容を充実させ

ること(低圧回路の危険性を周知

等)、実施記録を保存することが

望ましいこと

・各機器の運転操作に係る手順書を

整理すること

・事業場内に必要な書類を保管して

おくこと(竣工検査記録、改修工

事記録、絶縁監視装置の発報記録

など)

・保安規程の変更とけ込み版を作成

し、保管しておくこと

(3)

(1)

図2 立入検査事業場選定基準感電死傷事故発生事業場 13件 14.6%

波及事故発生事業場27件 30.3%

保安の管理が適切でない恐れのある事業場9件 10.2%

表1及び図3 立入検査事業場電圧別及び保安形態別内訳

選任主任技術者兼任主任技術者許可主任技術者電気管理技術者電 気 保 安 法 人未 選 任合 計

低圧

0

小計

14212326167

小計

220000022

合計

36212326189

100kW未満

149

14

100kW以上500kW未満

2

1612131

500kW以上1000kW未満2

3

5

1000kW以上12

32

17

5000kW未満7

7

5000kW以上15

15

高  圧 特別高圧

保安形態

規模

電気管理技術者

未選任

選任主任技術者

兼任主任技術者

電気保安法人

許可主任技術者

(単位:件)

1

14

2

2

2

3

3

9

12

100kW未満100kW以上500kW未満

500kW以上1000kW未満1000kW以上

5000kW未満5000kW以上

低圧

16

15

12

図4 立入検査事業場   業態別内訳

商業施設、店舗 18件 20.2%

事務所ビル11件 12.4%

その他8件 9.0%

表2 電気主任技術者の執務状況及び保安規程遵守状況に   関する指導件数              (単位:件)

表3 技術基準に関する指導件数(受電設備)

表4 技術基準に関する指導件数(負荷設備)

番号

保 安 形 態選任

兼任

許可外部委託

未選任

合計

該当件数条項(解釈)不 良 事 項

該当件数条項(解釈)不 良 事 項

:技術基準に抵触したもの(43件):技術基準には抵触していないが危険なため指示したもの(22件)

改善を必要とする事項

1 電気主任技術者の状況 1 0 0 2 1 4 ①設置者が改修要求に応じない 0 ②上司に改修依頼、報告がない     0 ③点検の結果を確認していない 0 ④主任技術者が転退職して不在 0 ⑤主任技術者を選任していない 1 1 ⑥主任技術者の変更届がされていない 1     1 ⑦保安監督の職務を誠実に実施していない 2 2 ⑧主任技術者の執務形態が不明確 0 ⑨主任技術者を含む組織が機能していない 0 2 保安規程等の変更手続 11 2 1 4 1 19 ①保安規程等を変更していない 11 2 1 2 16 ②保安規程を定めていない 1 1 ③保安規程を紛失   2   2 3 保安管理体制 0 0 0 0 0 0 ①保安管理体制が保安規程に適合していない 0 ②保安管理体制が不適切 0 ③保安管理体制が不明確     0 4 保守点検 20 0 1 15 0 36 ①保安規程で定められた点検頻度を守っていない 5 1 3 9 ②巡視・点検記録が保管されていない 1 1 ③巡視・点検記録が不適切 1 2 3 ④点検の全部又は一部を行っていない 6 9 15 ⑤判定基準が不明確 3 3 ⑥点検結果に基づく改修が未履行 1 1 ⑦点検結果に基づく改修状況が不明 3 3 ⑧点検結果を設置者が確認していない 1 1 5 書類保管 0 0 0 2 0 2 ①保安規程で定められた関係書類保管期間を守っていない 2 2 6 保安教育 5 1 0 6 0 12 ①保安教育を適切かつ計画的に実施していない 5 1 6 12 ②防災訓練を適切かつ計画的に実施していない 0 7 工事の計画及び実施 1 0 0 0 0 1 ①竣工検査の全て又は一部を実施していない   0 ②工事に係る巡視、点検を実施していない 0 ③補修工事関連資料が整備されていない 1 1 8 運転または操作 0 0 0 0 0 0 ①運転または操作基準を定めていない 0 ②操作基準を守っていない 0 9 災害時の防災体制 1 0 0 3 0 4 ①災害(電気事故含む)発生時の防災体制が整備されていない 1 3 410 整備その他 7 0 0 2 0 9 ①現有設備を反映した単線結線図が整備されていない 0 ②関係図面が整備されていない 0 ③設備台帳が整備されていない 0 ④ばい煙発生施設に係る手続きがなされていない 7 2 9 ⑤その他法令に基づく手続きがなされていない 0     合             計     46 3 2 34 2 87

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

1 電路の絶縁耐力試験が実施されていない 5,58(14) 2 電路の絶縁抵抗値が基準を満足しない 5,58 (14) 3 接地抵抗値が過大 10,11 (19) 3 4 接地工事施工方法が不適切 6,11 (20)  1 5 機械器具の鉄台および外箱の接地工事不完全又は未施工 10,11 (29) 6 B種接地工事が不適切 6,10,11,12 (24) 7 高圧の充電部に取扱者以外の者が容易に触れる恐れがある 9 (30) 8 受電用遮断器の遮断容量が不足 14 (37) 9 過電流遮断装置が未設置 14 (38) 10 地絡遮断装置が未設置 15 (40) 11 避雷器が未設置 49 (41) 12 高圧受配電設備の出入口に立入禁止の表示がない 23 (43) 413 高圧受配電設備の出入口に施錠装置がない 23 (43) 114 電柱の足場金具等が1.8m未満に設置されている 24 (56) 215 架空ケーブルの施設方法が不適切 5,6,10,11 (65,72)  116 高圧架空電線路支持物の支線の施設方法が不適切 5,6,10,11,21 (66) 17 架空電線の地表上高が不足している 25 (68) 18 高圧(低圧)架空電線等相互の離隔距離が不足 28 (78,81) 119 高圧(低圧)架空電線が植物または建造物に接触 29 (76,86)   20 高圧引込線等の施設方法が不適切 6,20,25,29,38 (99) 21 高圧の充電部に取扱者が容易に触れる恐れがある - 122 必要な計測装置が未設置又は故障・破損 - 23 高圧用の機械器具等を取扱者が安全に点検できない - 24 必要な箇所に照明器具が未設置又は照度不足、故障・破損等 - 125 変圧器、コンデンサー等の機器が固定されていない - 126 配電盤のパイロットランプが破損又は故障 - 327 受電室内に雨漏りの可能性有り - 28 通気孔、ケーブル貫通部等から小動物侵入の可能性あり - 29 受電室内管理方法が不適切(要清掃、倉庫として使用) - 230 高圧ケーブル取り替えを要する(腐食、BN等) -    合                 計              22

1 電線の接続方法が不適切 7 (12)   2 電路の絶縁抵抗値が基準を満足しない 5,58 (14) 15 3 接地抵抗値が過大 10,11 (19) 1 4 機械器具の鉄台および外箱の接地工事不完全又は未施工 10,11 (29) 8 (自販機含む) 5 過電流遮断器の施設方法が不適切 14 (37) 6 地絡遮断装置が未設置 15 (40) (水気のある場所、300Vを超える低圧電路) 7 低圧架空電線が架空弱電流電線と接触 28 (88) 8 低圧屋内配線にビニルコードを使用(電球線は15に記載) 56,57 (164) 9 低圧屋内配線器具の施設方法が不適切 59 (166) 1 (充電部露出、器具の固定など) 10 低圧屋内機械器具の施設方法が不適切 59 (167) 11 過電流遮断器の定格電流が低圧屋内幹線の許容電流を上回る 56,57,63(170) 12 低圧屋内配線の施設場所に適合しない工事方法により施設 56 (174) 13 金属管工事の金属管に未接地、又はボックスカバーがない 10,11,56,57 (178) 14 ケーブル工事が不適切(支点間の距離が2m超過など) 10,11,56 (187) 15 低圧屋内配線と弱電流電線の離隔距離が不足 62 (189) 116 電球線工事が不適切(ビニル電線の使用など) 56,57 (190) 17 地上に施設する電線路の施設が不適切 5,14,15,20,37(147) 18 屋内低圧用移動電線の施設方法が不適切 56,57 (191) 119 低圧接触電線の施設方法が不適切 10,11,56 (199) 20 高圧屋内配線の施設方法が不適切 10,11,56 (202) 21 屋外配線の施設方法が不適切 56,57,62 (211) 222 配線器具に堅ろうな防護装置がない 56,59 (214) 23 不要配線が撤去されていない - 4 24 分電盤の前が整理されていない - 4 25 分電盤の腐食、取付状態不適切、清掃不十分 - 6    合                 計 43

平成22年度 自家用電気工作物の立入検査結果について

7

保安の実態把握が必要な事業場 40件 44.9%

工場 29件 32.6%公共施設

23件25.8%

図5 電気主任技術者の執務状況   及び保安規程遵守状況に   関する指導割合

保守点検41%

電気主任技術者の状況5%

運転又は操作 0%

工事の計画及び実施 1%

災害時の防災体制 5%

整備その他 10%

保安規程等の変更手続22%

保安管理体制0%

保安教育14%

書類保管2%

特別高圧

高圧

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5 4 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

術者の執務状況(組織、保守、運用、

保安教育、災害対策等)

・電気工作物の施設状況、維持管理

状況(技術基準適合状況等)

・電気事業法関係法令に基づく諸手

続状況

立入検査事業場の選定基準

検査を実施する事業場は、原則と

して、以下の観点に基づいて選定し

た事業場又はその自家用電気工作物

を管理する事業場等に立ち入ること

にしています。

・事故報告対象事故が発生した事業

場(事故内容を勘案)

・技術基準に適合するよう命じられ

た事業場

・経年劣化の恐れのある設備を持つ

事業場

・使用実績がない又は少ない新技術

を導入した事業場

・社会的影響の大きい事業場(公共

施設等)

・保安の管理が適切でない恐れのあ

る事業場

・保安の実態把握が必要な事業場

立入検査事業場の概要

平成22年度は89箇所の事業場に立

入検査を実施しました。

選定基準別

の内訳は、感電死傷事故発生事業場

が13箇所、波及事故発生事業場が27

箇所、保安の実態把握が必要な事業

場が40箇所、保安の管理が適切でな

い恐れのある事業場が9箇所となっ

ています。(図2参照)

なお、保安の実態把握が必要な事

業場の選定件数が多くなっています

が、その理由として、前年度までの

検査において停電点検の未実施が多

く認められた商業施設や病院等公共

施設といった業態に対して、点検の

実施状況等について実態把握を行っ

たためです。

電圧別の内訳は、高圧が67箇所、

特別高圧が22箇所です。保安形態別

の内訳は、選任主任技術者が36箇所、

兼任主任技術者が2箇所、許可主任

技術者が1箇所、電気管理技術者(外

部委託)が23箇所、電気保安法人(外

部委託)が26箇所、主任技術者未選

任が1箇所となっています。(表1

及び図3参照)

事業場の業態別内訳は、工場が29

箇所、商業施設・店舗が18箇所、事

務所ビルが11箇所、公共施設が23箇

所、その他(通信設備中継拠点、ポ

ンプ場、廃棄物処理施設等)が8箇

所となっています。(図4参照)

立入検査結果

電気主任技術者の執務状況

及び保安規程遵守状況

改善指導件数は合計87件(文書で

確認したもの)で、改善を指導した

具体的な内容については、表2及び

図5を参照して下さい。

表2に記載の事項以外で、保安規

程の遵守状況等に関して口頭で指導

した主な事項は以下のとおりです。

・保安教育については、適切な頻度

で実施すること、内容を充実させ

ること(低圧回路の危険性を周知

等)、実施記録を保存することが

望ましいこと

・各機器の運転操作に係る手順書を

整理すること

・事業場内に必要な書類を保管して

おくこと(竣工検査記録、改修工

事記録、絶縁監視装置の発報記録

など)

・保安規程の変更とけ込み版を作成

し、保管しておくこと

(3)

(1)

図2 立入検査事業場選定基準感電死傷事故発生事業場 13件 14.6%

波及事故発生事業場27件 30.3%

保安の管理が適切でない恐れのある事業場9件 10.2%

表1及び図3 立入検査事業場電圧別及び保安形態別内訳

選任主任技術者兼任主任技術者許可主任技術者電気管理技術者電 気 保 安 法 人未 選 任合 計

低圧

0

小計

14212326167

小計

220000022

合計

36212326189

100kW未満

149

14

100kW以上500kW未満

2

1612131

500kW以上1000kW未満2

3

5

1000kW以上12

32

17

5000kW未満7

7

5000kW以上15

15

高  圧 特別高圧

保安形態

規模

電気管理技術者

未選任

選任主任技術者

兼任主任技術者

電気保安法人

許可主任技術者

(単位:件)

1

14

2

2

2

3

3

9

12

100kW未満100kW以上500kW未満

500kW以上1000kW未満1000kW以上

5000kW未満5000kW以上

低圧

16

15

12

図4 立入検査事業場   業態別内訳

商業施設、店舗 18件 20.2%

事務所ビル11件 12.4%

その他8件 9.0%

表2 電気主任技術者の執務状況及び保安規程遵守状況に   関する指導件数              (単位:件)

表3 技術基準に関する指導件数(受電設備)

表4 技術基準に関する指導件数(負荷設備)

番号

保 安 形 態選任

兼任

許可外部委託

未選任

合計

該当件数条項(解釈)不 良 事 項

該当件数条項(解釈)不 良 事 項

:技術基準に抵触したもの(43件):技術基準には抵触していないが危険なため指示したもの(22件)

改善を必要とする事項

1 電気主任技術者の状況 1 0 0 2 1 4 ①設置者が改修要求に応じない 0 ②上司に改修依頼、報告がない     0 ③点検の結果を確認していない 0 ④主任技術者が転退職して不在 0 ⑤主任技術者を選任していない 1 1 ⑥主任技術者の変更届がされていない 1     1 ⑦保安監督の職務を誠実に実施していない 2 2 ⑧主任技術者の執務形態が不明確 0 ⑨主任技術者を含む組織が機能していない 0 2 保安規程等の変更手続 11 2 1 4 1 19 ①保安規程等を変更していない 11 2 1 2 16 ②保安規程を定めていない 1 1 ③保安規程を紛失   2   2 3 保安管理体制 0 0 0 0 0 0 ①保安管理体制が保安規程に適合していない 0 ②保安管理体制が不適切 0 ③保安管理体制が不明確     0 4 保守点検 20 0 1 15 0 36 ①保安規程で定められた点検頻度を守っていない 5 1 3 9 ②巡視・点検記録が保管されていない 1 1 ③巡視・点検記録が不適切 1 2 3 ④点検の全部又は一部を行っていない 6 9 15 ⑤判定基準が不明確 3 3 ⑥点検結果に基づく改修が未履行 1 1 ⑦点検結果に基づく改修状況が不明 3 3 ⑧点検結果を設置者が確認していない 1 1 5 書類保管 0 0 0 2 0 2 ①保安規程で定められた関係書類保管期間を守っていない 2 2 6 保安教育 5 1 0 6 0 12 ①保安教育を適切かつ計画的に実施していない 5 1 6 12 ②防災訓練を適切かつ計画的に実施していない 0 7 工事の計画及び実施 1 0 0 0 0 1 ①竣工検査の全て又は一部を実施していない   0 ②工事に係る巡視、点検を実施していない 0 ③補修工事関連資料が整備されていない 1 1 8 運転または操作 0 0 0 0 0 0 ①運転または操作基準を定めていない 0 ②操作基準を守っていない 0 9 災害時の防災体制 1 0 0 3 0 4 ①災害(電気事故含む)発生時の防災体制が整備されていない 1 3 410 整備その他 7 0 0 2 0 9 ①現有設備を反映した単線結線図が整備されていない 0 ②関係図面が整備されていない 0 ③設備台帳が整備されていない 0 ④ばい煙発生施設に係る手続きがなされていない 7 2 9 ⑤その他法令に基づく手続きがなされていない 0     合             計     46 3 2 34 2 87

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

小 計

1 電路の絶縁耐力試験が実施されていない 5,58(14) 2 電路の絶縁抵抗値が基準を満足しない 5,58 (14) 3 接地抵抗値が過大 10,11 (19) 3 4 接地工事施工方法が不適切 6,11 (20)  1 5 機械器具の鉄台および外箱の接地工事不完全又は未施工 10,11 (29) 6 B種接地工事が不適切 6,10,11,12 (24) 7 高圧の充電部に取扱者以外の者が容易に触れる恐れがある 9 (30) 8 受電用遮断器の遮断容量が不足 14 (37) 9 過電流遮断装置が未設置 14 (38) 10 地絡遮断装置が未設置 15 (40) 11 避雷器が未設置 49 (41) 12 高圧受配電設備の出入口に立入禁止の表示がない 23 (43) 413 高圧受配電設備の出入口に施錠装置がない 23 (43) 114 電柱の足場金具等が1.8m未満に設置されている 24 (56) 215 架空ケーブルの施設方法が不適切 5,6,10,11 (65,72)  116 高圧架空電線路支持物の支線の施設方法が不適切 5,6,10,11,21 (66) 17 架空電線の地表上高が不足している 25 (68) 18 高圧(低圧)架空電線等相互の離隔距離が不足 28 (78,81) 119 高圧(低圧)架空電線が植物または建造物に接触 29 (76,86)   20 高圧引込線等の施設方法が不適切 6,20,25,29,38 (99) 21 高圧の充電部に取扱者が容易に触れる恐れがある - 122 必要な計測装置が未設置又は故障・破損 - 23 高圧用の機械器具等を取扱者が安全に点検できない - 24 必要な箇所に照明器具が未設置又は照度不足、故障・破損等 - 125 変圧器、コンデンサー等の機器が固定されていない - 126 配電盤のパイロットランプが破損又は故障 - 327 受電室内に雨漏りの可能性有り - 28 通気孔、ケーブル貫通部等から小動物侵入の可能性あり - 29 受電室内管理方法が不適切(要清掃、倉庫として使用) - 230 高圧ケーブル取り替えを要する(腐食、BN等) -    合                 計              22

1 電線の接続方法が不適切 7 (12)   2 電路の絶縁抵抗値が基準を満足しない 5,58 (14) 15 3 接地抵抗値が過大 10,11 (19) 1 4 機械器具の鉄台および外箱の接地工事不完全又は未施工 10,11 (29) 8 (自販機含む) 5 過電流遮断器の施設方法が不適切 14 (37) 6 地絡遮断装置が未設置 15 (40) (水気のある場所、300Vを超える低圧電路) 7 低圧架空電線が架空弱電流電線と接触 28 (88) 8 低圧屋内配線にビニルコードを使用(電球線は15に記載) 56,57 (164) 9 低圧屋内配線器具の施設方法が不適切 59 (166) 1 (充電部露出、器具の固定など) 10 低圧屋内機械器具の施設方法が不適切 59 (167) 11 過電流遮断器の定格電流が低圧屋内幹線の許容電流を上回る 56,57,63(170) 12 低圧屋内配線の施設場所に適合しない工事方法により施設 56 (174) 13 金属管工事の金属管に未接地、又はボックスカバーがない 10,11,56,57 (178) 14 ケーブル工事が不適切(支点間の距離が2m超過など) 10,11,56 (187) 15 低圧屋内配線と弱電流電線の離隔距離が不足 62 (189) 116 電球線工事が不適切(ビニル電線の使用など) 56,57 (190) 17 地上に施設する電線路の施設が不適切 5,14,15,20,37(147) 18 屋内低圧用移動電線の施設方法が不適切 56,57 (191) 119 低圧接触電線の施設方法が不適切 10,11,56 (199) 20 高圧屋内配線の施設方法が不適切 10,11,56 (202) 21 屋外配線の施設方法が不適切 56,57,62 (211) 222 配線器具に堅ろうな防護装置がない 56,59 (214) 23 不要配線が撤去されていない - 4 24 分電盤の前が整理されていない - 4 25 分電盤の腐食、取付状態不適切、清掃不十分 - 6    合                 計 43

平成22年度 自家用電気工作物の立入検査結果について

7

保安の実態把握が必要な事業場 40件 44.9%

工場 29件 32.6%公共施設

23件25.8%

図5 電気主任技術者の執務状況   及び保安規程遵守状況に   関する指導割合

保守点検41%

電気主任技術者の状況5%

運転又は操作 0%

工事の計画及び実施 1%

災害時の防災体制 5%

整備その他 10%

保安規程等の変更手続22%

保安管理体制0%

保安教育14%

書類保管2%

特別高圧

高圧

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7 6 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

・絶縁監視装置の発報設定値を定期

的に確認すること、警報の自動伝

送試験を実施すること

・年次点検記録を主任技術者が確認

した記録を残すこと

・緊急時の連絡体制表について実情

を踏まえ見直すこと

・PCB含有の電気工作物の使用に

関し、遅滞なく使用届出を提出す

ること

・電気主任技術者の執務形態が明確

でない(常駐状況に疑義有り)

電気設備の維持管理状況

受電設備関係(構内配電線を含む)

及び負荷設備関係の技術基準抵触件

数は43件、技術基準には定められて

いないが指導した件数は22件でし

た。改善を指導した状況については、

表3及び表4を参照して下さい。

なお、文書での指導は行っていな

いが、特に注意したものは以下のと

おりです。

・接地線の接続状況を再度確認する

こと、未接続の接地線については

直ちに接続を行うこと

・撤去できない不要配線について

は、その旨表示を行うこと

・電柱の足場金具が1.8m以上に設置

されているが、柵等によじ登れば

1.8m未満となるため取り外すこと

・高圧地中マンホールについて、湧

水痕が認められるため、定期的に

点検し必要により排水処理を行う

こと

・受電用引込ケーブル等に接触の恐

れのある樹木を伐採すること

指導件数のまとめ

電気主任技術者の執務状況、保安

規程遵守状況については87件、技術

基準適合状況については65件の指導

を行いました。

今回立入検査を実施した各事業場

の指導件数を図6及び図7の円グラ

フにまとめました。保安体制につい

ては、指導を受けなかった事業場(文

書での指導件数0件)は全体の約半

数の46箇所あり、3件以上指導され

た事業場が13箇所に上りました。一

方で、技術基準の指導については、

指導を受けなかった事業場(文書で

の指導件数0件)が55箇所であり、

3件以上指導された事業場は7箇所

ありました。

また、保安体制及び技術基準とも

に指導を受けなかった事業場(文書

での指導件数0件)は33箇所のみで、

双方を合計した指導件数が3件以上

の事業場は21箇所ありました。この

うち、事故発生事業場に限って見て

みると、立入検査を実施した40箇所

のうち、指導を受けなかった事業場

は半数以上の23箇所ありました。こ

れは、事故再発防止対策として実施

された保安管理体制の見直しや設備

改善が、指導件数の減少という形で

現れたものと考えられます。

立入検査結果を

踏まえた留意事項

上記においてご紹介した検査結果

を踏まえ、皆様方の事業場の自主保

安活動において特に留意頂きたい事

項は以下のとおりです。

電気主任技術者の執務状況につい

て、外部委託制度により選任してい

る事業場において、複数年にわたり

保安規程に基づく定期点検が実施さ

れていない事例がありました。また、

保安監督に係る業務を当支部の承認

を得ず(主任技術者未選任)に行っ

ている事例もありました。保安業務

担当者等が法令に基づく監督業務を

適切に履行することは勿論、設置者

としても電気主任技術者として選任

していることの意義を改めて考え、

保安業務担当者等が実施している業

務を把握した上で、一体となって保

安管理に努めることが重要です。

保安規程の変更手続きについて、

現状の保安組織、設備、運用が反映

されておらず実態に合っていない事

例が数多くありました。現状に合っ

ているかどうかを定期的に確認し

(例えば、毎年度末など)、必要に応

じて見直しを行うことが重要です。

保守点検について、点検頻度を

守っていない事例や点検の全部又は

一部を実施していない事例等、保安

規程遵守状況の不適切な事業場が数

多く散見されました。なかでも、24

時間営業の商業施設や病院等公共施

設においても事例が認められていま

す。適切に点検が実施されていなけ

れば電気設備の不良箇所を発見でき

ず、波及事故等の重大事故を未然に

防ぐことが困難になります。また、

保安規程に基づき適切に点検が実施

されている場合でも、合否にかかる

判定基準が不明確な事例や、不良と

判定された箇所の改修が未履行又は

改修状況が不明なままとなっている

事例もありました。設備の実情を踏

まえ技術基準に適合した合否基準を

明確に定めると共に、不良箇所につ

いては必要な判断を実施の上、計画

的に設備更新していくことが重要で

す。また、保安規程において、点検

基準が事業場の現有設備と照らし合

わせて適切なものかどうか定期的に

検証し、点検結果に基づく設備の劣

化状況なども踏まえ、点検周期など

見直しが必要な場合は保安規程の変

更手続きを行うようお願いします。

保安規程に基づく保安教育が適切

かつ計画的に実施されていない事例

が数多くありました。保安教育は電

気主任技術者が中心となって、実際

に設備管理に携わる作業者だけでな

く、そこに勤務する従業員の方々も

含めて広く実施することにより、電

気の危険性を皆が認識し、事故の未

然防止につながるものです。なお、

実施にあたっては、職務内容や習熟

度に応じて教育内容を変えるなど、

現場の状況を考慮したカリキュラム

とすることが重要です。

保安規程に基づく災害発生時の防

災体制が整備されていない事例が数

件ありました。防災体制が構築され

ていなければ、万が一の災害時に緊

急連絡や必要な対応が行われず、二

次災害など被害が拡大することが懸

念されます。対策として、緊急時の

連絡体制表については、実態に即し

たものを策定し連絡先など常に見直

すとともに、事務所内に掲示するこ

とや、その整備された内容が適切に

機能するかどうかを訓練など通じて

検証することが重要です。

その他、ばい煙発生施設に係る手

続きがなされていない事例が複数あ

りました。特に、代表者変更や社名

変更に係る手続きについてですが、

当支部のホームページなどを再確認

して頂き、漏れなく手続きを行うよ

うお願いします。

電気設備の維持管理状況につい

て、特に低圧電路の絶縁抵抗値が基

準を満たしていない事例や、機械器

具の金属外箱に感電事故を防止する

接地工事が施工されていない事例が

数多くありました。この中には1事

業場で複数箇所について絶縁抵抗値

が基準を満たしていないことを定期

点検で確認しておきながら、絶縁不

良を放置していた事例もありまし

た。技術基準を満たさないことが判

明した場合は改修の実施など必要な

判断を的確に行い、基準に適合する

よう維持することが重要です。

 お

 わ

 り

 に

以上のように、平成22年度は89箇

所の自家用電気工作物に立入検査を

実施し、電気主任技術者の執務状況、

保安規程遵守状況については87件、

技術基準適合状況については65件の

指摘を行いました。

近年、技術及び品質向上を通じて

電気設備自体の信頼性が向上した結

果、法令に基づく電気事故件数は減

少傾向にあります。但し、一旦事故

を発生させれば、感電事故において

は死亡に至るケースも多く、波及事

故においては周辺の需要家を停電さ

せてしまうなど社会的に大きな影響

を引き起こしてしまいます。また、

昨今の不安定な経済状況の中、経営

コストの削減により、計画的な設備

更新がなされていない事業場や保安

管理体制に不備があった事業場も確

認されました。このような状況を放

置すれば将来的に電気事故につなが

る可能性はますます高まるのではな

いかと考えられます。

安定した自主保安体制を確立し維

持していくために、設置者自らが自

己責任を再認識し、電気主任技術者

との意思疎通を通じて、保安体制及

び電気設備の継続的な改善及び自主

保安レベルの向上を図っていくこと

が何よりも重要です。皆様方におか

れましては、事故・トラブルこそが

リスクであるという点を十分にご理

解頂き、法令遵守(保安規程遵守)

及び事故防止の観点から、今一度見

直しを行って頂きたいと思います。

今回ご紹介した立入検査結果が、皆

様方の自主保安活動の更なる充実の

一助となることを願っております。

最後になりましたが、電気の保安

は皆様方の心がけ一つ一つの積み重

ねで成り立っています。電気の大切

さ、電気事故の怖さを改めて認識し

て頂き、電気事業法及び電気保安行

政へのご理解ご協力を賜りますよ

う、よろしくお願い申し上げます。

(2)

(3)

(1)

(2)(3)

(4)

(5)(6)(7) 図6 保安体制に   関する指導件数

図7 技術基準に   関する指導件数

1件20箇所22%

0件46箇所52%

2件10箇所11%

3件7箇所 8%

4件5箇所 6%

6件1箇所 1%

1件17箇所19%

4件2箇所 2%5件以上1箇所 1%2件

11箇所 12%

3件4箇所 5%

0件55箇所61%

平成22年度 自家用電気工作物の立入検査結果について

Page 7: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

7 6 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

・絶縁監視装置の発報設定値を定期

的に確認すること、警報の自動伝

送試験を実施すること

・年次点検記録を主任技術者が確認

した記録を残すこと

・緊急時の連絡体制表について実情

を踏まえ見直すこと

・PCB含有の電気工作物の使用に

関し、遅滞なく使用届出を提出す

ること

・電気主任技術者の執務形態が明確

でない(常駐状況に疑義有り)

電気設備の維持管理状況

受電設備関係(構内配電線を含む)

及び負荷設備関係の技術基準抵触件

数は43件、技術基準には定められて

いないが指導した件数は22件でし

た。改善を指導した状況については、

表3及び表4を参照して下さい。

なお、文書での指導は行っていな

いが、特に注意したものは以下のと

おりです。

・接地線の接続状況を再度確認する

こと、未接続の接地線については

直ちに接続を行うこと

・撤去できない不要配線について

は、その旨表示を行うこと

・電柱の足場金具が1.8m以上に設置

されているが、柵等によじ登れば

1.8m未満となるため取り外すこと

・高圧地中マンホールについて、湧

水痕が認められるため、定期的に

点検し必要により排水処理を行う

こと

・受電用引込ケーブル等に接触の恐

れのある樹木を伐採すること

指導件数のまとめ

電気主任技術者の執務状況、保安

規程遵守状況については87件、技術

基準適合状況については65件の指導

を行いました。

今回立入検査を実施した各事業場

の指導件数を図6及び図7の円グラ

フにまとめました。保安体制につい

ては、指導を受けなかった事業場(文

書での指導件数0件)は全体の約半

数の46箇所あり、3件以上指導され

た事業場が13箇所に上りました。一

方で、技術基準の指導については、

指導を受けなかった事業場(文書で

の指導件数0件)が55箇所であり、

3件以上指導された事業場は7箇所

ありました。

また、保安体制及び技術基準とも

に指導を受けなかった事業場(文書

での指導件数0件)は33箇所のみで、

双方を合計した指導件数が3件以上

の事業場は21箇所ありました。この

うち、事故発生事業場に限って見て

みると、立入検査を実施した40箇所

のうち、指導を受けなかった事業場

は半数以上の23箇所ありました。こ

れは、事故再発防止対策として実施

された保安管理体制の見直しや設備

改善が、指導件数の減少という形で

現れたものと考えられます。

立入検査結果を

踏まえた留意事項

上記においてご紹介した検査結果

を踏まえ、皆様方の事業場の自主保

安活動において特に留意頂きたい事

項は以下のとおりです。

電気主任技術者の執務状況につい

て、外部委託制度により選任してい

る事業場において、複数年にわたり

保安規程に基づく定期点検が実施さ

れていない事例がありました。また、

保安監督に係る業務を当支部の承認

を得ず(主任技術者未選任)に行っ

ている事例もありました。保安業務

担当者等が法令に基づく監督業務を

適切に履行することは勿論、設置者

としても電気主任技術者として選任

していることの意義を改めて考え、

保安業務担当者等が実施している業

務を把握した上で、一体となって保

安管理に努めることが重要です。

保安規程の変更手続きについて、

現状の保安組織、設備、運用が反映

されておらず実態に合っていない事

例が数多くありました。現状に合っ

ているかどうかを定期的に確認し

(例えば、毎年度末など)、必要に応

じて見直しを行うことが重要です。

保守点検について、点検頻度を

守っていない事例や点検の全部又は

一部を実施していない事例等、保安

規程遵守状況の不適切な事業場が数

多く散見されました。なかでも、24

時間営業の商業施設や病院等公共施

設においても事例が認められていま

す。適切に点検が実施されていなけ

れば電気設備の不良箇所を発見でき

ず、波及事故等の重大事故を未然に

防ぐことが困難になります。また、

保安規程に基づき適切に点検が実施

されている場合でも、合否にかかる

判定基準が不明確な事例や、不良と

判定された箇所の改修が未履行又は

改修状況が不明なままとなっている

事例もありました。設備の実情を踏

まえ技術基準に適合した合否基準を

明確に定めると共に、不良箇所につ

いては必要な判断を実施の上、計画

的に設備更新していくことが重要で

す。また、保安規程において、点検

基準が事業場の現有設備と照らし合

わせて適切なものかどうか定期的に

検証し、点検結果に基づく設備の劣

化状況なども踏まえ、点検周期など

見直しが必要な場合は保安規程の変

更手続きを行うようお願いします。

保安規程に基づく保安教育が適切

かつ計画的に実施されていない事例

が数多くありました。保安教育は電

気主任技術者が中心となって、実際

に設備管理に携わる作業者だけでな

く、そこに勤務する従業員の方々も

含めて広く実施することにより、電

気の危険性を皆が認識し、事故の未

然防止につながるものです。なお、

実施にあたっては、職務内容や習熟

度に応じて教育内容を変えるなど、

現場の状況を考慮したカリキュラム

とすることが重要です。

保安規程に基づく災害発生時の防

災体制が整備されていない事例が数

件ありました。防災体制が構築され

ていなければ、万が一の災害時に緊

急連絡や必要な対応が行われず、二

次災害など被害が拡大することが懸

念されます。対策として、緊急時の

連絡体制表については、実態に即し

たものを策定し連絡先など常に見直

すとともに、事務所内に掲示するこ

とや、その整備された内容が適切に

機能するかどうかを訓練など通じて

検証することが重要です。

その他、ばい煙発生施設に係る手

続きがなされていない事例が複数あ

りました。特に、代表者変更や社名

変更に係る手続きについてですが、

当支部のホームページなどを再確認

して頂き、漏れなく手続きを行うよ

うお願いします。

電気設備の維持管理状況につい

て、特に低圧電路の絶縁抵抗値が基

準を満たしていない事例や、機械器

具の金属外箱に感電事故を防止する

接地工事が施工されていない事例が

数多くありました。この中には1事

業場で複数箇所について絶縁抵抗値

が基準を満たしていないことを定期

点検で確認しておきながら、絶縁不

良を放置していた事例もありまし

た。技術基準を満たさないことが判

明した場合は改修の実施など必要な

判断を的確に行い、基準に適合する

よう維持することが重要です。

 お

 わ

 り

 に

以上のように、平成22年度は89箇

所の自家用電気工作物に立入検査を

実施し、電気主任技術者の執務状況、

保安規程遵守状況については87件、

技術基準適合状況については65件の

指摘を行いました。

近年、技術及び品質向上を通じて

電気設備自体の信頼性が向上した結

果、法令に基づく電気事故件数は減

少傾向にあります。但し、一旦事故

を発生させれば、感電事故において

は死亡に至るケースも多く、波及事

故においては周辺の需要家を停電さ

せてしまうなど社会的に大きな影響

を引き起こしてしまいます。また、

昨今の不安定な経済状況の中、経営

コストの削減により、計画的な設備

更新がなされていない事業場や保安

管理体制に不備があった事業場も確

認されました。このような状況を放

置すれば将来的に電気事故につなが

る可能性はますます高まるのではな

いかと考えられます。

安定した自主保安体制を確立し維

持していくために、設置者自らが自

己責任を再認識し、電気主任技術者

との意思疎通を通じて、保安体制及

び電気設備の継続的な改善及び自主

保安レベルの向上を図っていくこと

が何よりも重要です。皆様方におか

れましては、事故・トラブルこそが

リスクであるという点を十分にご理

解頂き、法令遵守(保安規程遵守)

及び事故防止の観点から、今一度見

直しを行って頂きたいと思います。

今回ご紹介した立入検査結果が、皆

様方の自主保安活動の更なる充実の

一助となることを願っております。

最後になりましたが、電気の保安

は皆様方の心がけ一つ一つの積み重

ねで成り立っています。電気の大切

さ、電気事故の怖さを改めて認識し

て頂き、電気事業法及び電気保安行

政へのご理解ご協力を賜りますよ

う、よろしくお願い申し上げます。

(2)

(3)

(1)

(2)(3)

(4)

(5)(6)(7) 図6 保安体制に   関する指導件数

図7 技術基準に   関する指導件数

1件20箇所22%

0件46箇所52%

2件10箇所11%

3件7箇所 8%

4件5箇所 6%

6件1箇所 1%

1件17箇所19%

4件2箇所 2%5件以上1箇所 1%2件

11箇所 12%

3件4箇所 5%

0件55箇所61%

平成22年度 自家用電気工作物の立入検査結果について

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89 

保 安 マ ン の 体 験保 安 マ ン の 体 験

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

予定されていた1日の作業が終わり、事務所

で書類整理などをしていると、お客さまからキ

ュービクルの中からブザーのような音がして、4

階の事務所が煙っているとの連絡があり故障

等の原因調査のため出動いたしました。 

お客さまの建物概要は、4階建屋で1階か

ら3階を印刷工場として使用し、4階は事務

所として使用しており、高圧受電設備として

は受電用のキュービクル1台が4階のベランダに

設置してありました。負荷設備としては大ま

かに言うと、各階フロアーに照明などの電灯負

荷と、印刷機械などの動力負荷がある状況で

した。お客さま事業場に到着後は、お客さまに

状況をもう一度詳しくお伺いしてから、まずは

キュービクル内から調査を開始することとしま

した。すでにブザー音は停止しており、4階の

事務室でも煙の匂いはしませんでした。キュー

ビクル内には、確かに漏電警報器が設置されて

おり、テストによる動作試験によってブザー音

を確認していただいたところ、お客さまが聞い

たブザー音に間違いないと確認できました。念

のため、クランプリークメーターによる漏洩電

流測定と漏電警報器の動作電流試験を行い

ましたが、どちらも正常範囲でした。

調査中、キュービクルの漏電警報器は一度も

動作せず、動力回路や電灯回路はともにそれ

らしい漏れ電流は検出されず、変化も無く正

常な値を示していることから、すでに漏電は解

消しているものと判断しましたが、煙について

は必ず原因の痕跡が残っているはずだと考え

ました。お客さまの建屋は、1階から4階へ行

く手段は階段のみであり、煙は4階ベランダに

設置のキュービクル内からではなく、下の階で

発生した何らかの煙が階段から昇ってきた可

能性があると思い、1階か

ら順に作業している方へ何

か思い当たることが無いか、

何か異常に気付いたことは

無かったかなど、一人ひとり

問診を行いました。しかし、

何れの方も心当たりが無

いとのことで、原因究明は

行き詰りました。

そこで、連絡責任者の方

へ状況を報告し、また漏電

警報器が動作するような

ことがあれば、ご連絡をし

ていただくようにお願いし、帰ろうとしていた

ところ、帰社されたお客さま従業員の方が「何

かあったのですか」と問いかけてこられました。

今までの調査経緯についてお伝えしたところ、

4階事務室にある蛍光灯の1台を指で示しな

がら、「あれ、あの蛍光灯が点いている。外出前

は消えていて故障していると思っていた」との発

言がありました。早速、その問題の蛍光灯を

調べようとしたところ、近づくだけで熱気を感

じ、何やらフライパンを空焼きしたような臭い

がしたので、原因はこの蛍光灯からだという確

信を得ました。

蛍光灯の反射板を外すと、黒くこげた安定

器※が見えましたので、試しに温度を判定する

サーモラベルを貼ると一瞬で変色しました。この

まま放置することは危険と判断し、切り離し

に必要な停電の了解を頂いてから作業に取り

掛かりました。また、他の蛍光灯についても、そ

れぞれ安定器の過熱状況を調べ異常が無いこ

とを確認し、故障蛍光灯は取替えを行うよう

にお願いいたしました。

今回は外出から戻られたお客さま従業員の

方の一言がきっかけとなり、安定器の焼損によ

る火災の可能性を未然に防げ、役立てたこと

に達成感を得ることができました。

※蛍光灯などで安定した放電を得るために用いるも

の。約10年が取替えの目安です。

大阪南支部

 松原技術センター

田中

 悠一

照明安定器が焼損する前に

 皆さんの事業所において、消火、通報、避難の訓練を定期的に実施していますか。また、従業員に防火上の必要な教育を行っていますか。

※劇場、スーパー、旅館、店舗、飲食店、麻雀店、遊技場、病院、地下街などでは、消火訓練及び避難訓練を年2回以上行わなければなりません。また、消火訓練及び避難訓練を実施する場合は、あらかじめその旨を消防署に通報しなければなりません。

※消防用設備等の点検実施時に、あわせて消火訓練を実施すると効果的です。 

皆さんの事業所では消防訓練を実施していますか?

訓練の風景

平成23年秋の火災予防運動

火事・救急は 1 1 9

11月 9 日(水)~11月15日(火)

大阪市防火標語

大阪市消防局 予防部 予防課

 この運動は、市民の方々に防火意識を高めていただくことにより、火災の発生を防止し、死傷事故や財産の損失を防ぐことを目的に実施します。

おおさかに 広がれ笑顔と 防火力

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89 

保 安 マ ン の 体 験保 安 マ ン の 体 験

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

予定されていた1日の作業が終わり、事務所

で書類整理などをしていると、お客さまからキ

ュービクルの中からブザーのような音がして、4

階の事務所が煙っているとの連絡があり故障

等の原因調査のため出動いたしました。 

お客さまの建物概要は、4階建屋で1階か

ら3階を印刷工場として使用し、4階は事務

所として使用しており、高圧受電設備として

は受電用のキュービクル1台が4階のベランダに

設置してありました。負荷設備としては大ま

かに言うと、各階フロアーに照明などの電灯負

荷と、印刷機械などの動力負荷がある状況で

した。お客さま事業場に到着後は、お客さまに

状況をもう一度詳しくお伺いしてから、まずは

キュービクル内から調査を開始することとしま

した。すでにブザー音は停止しており、4階の

事務室でも煙の匂いはしませんでした。キュー

ビクル内には、確かに漏電警報器が設置されて

おり、テストによる動作試験によってブザー音

を確認していただいたところ、お客さまが聞い

たブザー音に間違いないと確認できました。念

のため、クランプリークメーターによる漏洩電

流測定と漏電警報器の動作電流試験を行い

ましたが、どちらも正常範囲でした。

調査中、キュービクルの漏電警報器は一度も

動作せず、動力回路や電灯回路はともにそれ

らしい漏れ電流は検出されず、変化も無く正

常な値を示していることから、すでに漏電は解

消しているものと判断しましたが、煙について

は必ず原因の痕跡が残っているはずだと考え

ました。お客さまの建屋は、1階から4階へ行

く手段は階段のみであり、煙は4階ベランダに

設置のキュービクル内からではなく、下の階で

発生した何らかの煙が階段から昇ってきた可

能性があると思い、1階か

ら順に作業している方へ何

か思い当たることが無いか、

何か異常に気付いたことは

無かったかなど、一人ひとり

問診を行いました。しかし、

何れの方も心当たりが無

いとのことで、原因究明は

行き詰りました。

そこで、連絡責任者の方

へ状況を報告し、また漏電

警報器が動作するような

ことがあれば、ご連絡をし

ていただくようにお願いし、帰ろうとしていた

ところ、帰社されたお客さま従業員の方が「何

かあったのですか」と問いかけてこられました。

今までの調査経緯についてお伝えしたところ、

4階事務室にある蛍光灯の1台を指で示しな

がら、「あれ、あの蛍光灯が点いている。外出前

は消えていて故障していると思っていた」との発

言がありました。早速、その問題の蛍光灯を

調べようとしたところ、近づくだけで熱気を感

じ、何やらフライパンを空焼きしたような臭い

がしたので、原因はこの蛍光灯からだという確

信を得ました。

蛍光灯の反射板を外すと、黒くこげた安定

器※が見えましたので、試しに温度を判定する

サーモラベルを貼ると一瞬で変色しました。この

まま放置することは危険と判断し、切り離し

に必要な停電の了解を頂いてから作業に取り

掛かりました。また、他の蛍光灯についても、そ

れぞれ安定器の過熱状況を調べ異常が無いこ

とを確認し、故障蛍光灯は取替えを行うよう

にお願いいたしました。

今回は外出から戻られたお客さま従業員の

方の一言がきっかけとなり、安定器の焼損によ

る火災の可能性を未然に防げ、役立てたこと

に達成感を得ることができました。

※蛍光灯などで安定した放電を得るために用いるも

の。約10年が取替えの目安です。

大阪南支部

 松原技術センター

田中

 悠一

照明安定器が焼損する前に

 皆さんの事業所において、消火、通報、避難の訓練を定期的に実施していますか。また、従業員に防火上の必要な教育を行っていますか。

※劇場、スーパー、旅館、店舗、飲食店、麻雀店、遊技場、病院、地下街などでは、消火訓練及び避難訓練を年2回以上行わなければなりません。また、消火訓練及び避難訓練を実施する場合は、あらかじめその旨を消防署に通報しなければなりません。※消防用設備等の点検実施時に、あわせて消火訓練を実施すると効果的です。 

皆さんの事業所では消防訓練を実施していますか?

訓練の風景

平成23年秋の火災予防運動

火事・救急は 1 1 9

11月 9 日(水)~11月15日(火)

大阪市防火標語

大阪市消防局 予防部 予防課

 この運動は、市民の方々に防火意識を高めていただくことにより、火災の発生を防止し、死傷事故や財産の損失を防ぐことを目的に実施します。

おおさかに 広がれ笑顔と 防火力

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1011 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

高品質なサービスの提供

 当協会は電気の設備保全と使用安全のた

め、お客さまのニーズに合わせた各種の業

務を展開しています。

調査業務

 主に一般のご家庭を対象に、関西電力か

らの委託を受けて、同社の供給区域のお客

さまを定期的(1回/4年)に訪問し電気

設備の安全調査を行っています。

 また、2008年度からは、新築・増改

築されたお客さまの電気設備についても安

全調査を行っています。お客さまへの親切

かつ適切な対応をはかるため、電気安全パ

ンフレットによる電気使用安全の啓発や意

識の向上を図っています。お客さまアンケ

ート等を通じて寄せられたご意見・ご要望

を業務に反映し、より満足いただけるよう

業務改善を行っています。お客さまの電気

設備をより安全にご使用していただくため、

測定器については高精度なものを使用する

とともに定期的な校正

試験と、毎朝持ち出し

前に動作確認チェック

を行っています。また、

より安全な電気設備使

用のため、漏電遮断器

の設置もお願いしてい

ます。

保安業務

 高圧(6、600V)で受電するすべて

の需要設備や、1000kW未満の発電所の

保安管理業務を行うとともに、試験業務、

コンサルティング業務、監視業務、保安教

育等も実施しています。

 故障設備と故障原因を統計的に分析し、

停電事故の未然防止のため、高圧地絡継電

器不正動作や小動物侵入による停電防止に

取り組んでいます。また、24時間、機械監

視により事故の未然防止に努めています。

 停電事故発生時には、出動要請から30分

以内に到着することを目標設定し、201

0年度は、平日昼間都心部で94%、都心部

以外で90%の到着率となりました。また、

担当者以外の者が事故処置した場合は、担

当者が、今後の処置等について再確認を行

う「フォロー訪問」を実施しました。作業

においては、安全を第一にした業務を遂行

するため、組作業訓練、組作業コンテスト、

技術研修会を実

施し技術力の向

上をはかるとと

もに、安全用

具・保護具等の

機材の適正管理

を徹底し、業務

品質の向上に努

めています。

広報業務

 保安管理業務をご契約いただいているお

客さまを対象とした「電気保安講習会」や、

一般の方々を対象とした「電気安全講習

会」「電気安全・省エネ講座」「子ども電気

安全・エネルギー教室」を開催し、電気の

使用安全に関する啓発活動を実施していま

す。

 また、広く一般の方々に対する電気の使

用安全と省エネ等の電気の上手な使い方に

ついて、テレビ、ラジオ、インターネット、

新聞、「電気と保安」等の広報誌を活用し、

PR活動を行っています。

環境問題への取り組み

「関西電気保安協会の環境マネジメント」

 関西電気保安協会は、環境との関わりが

深いエネルギー関係事業者として、「環境

と経済の調和による持続的発展」を基本理

念とし、2010年度から「環境マネジメ

ント規程」をはじめとした社内ルールを策

定し、環境負荷の低減に対する組織的な取

り組みを推進しています。

「関西電気保安協会の環境負荷の現状」

 当協会では、環境負荷低減のため、電

気・燃料(ガソリン)・水などの削減に取

り組んでいます。

 具体的な取り組みとして、「エコドライ

ブ運動」、「グリーン購入」の推進や環境

省が推進する「チャレンジ25キャンペー

ン」に参加しています。エコドライブの定

着のために、全車に「エコドライブ実施

中」のステッカーを自社で制作し貼り付け、

運転者へは「エコドライブ10のすすめ」リ

ーフレットを配布し意識付けを行っていま

す。また、老朽化のため建替えた滋賀支部

の社屋を屋上緑化や太陽光発電、LED電

灯等を取り入

れたエコオフ

ィスのモデル

事業所としま

した。さらに、

広報業務用に電気自動車も導入しました。

「お客さま先での環境負荷制御への貢献」

 お客さまへの省エネルギー情報のご提供

として、2010年6月から8月にかけて、

照明や空調設備の更新および断熱や遮熱に

よるエネルギーの低減方法などを「省エネ

レポート」や「更新提案リーフレット」に

よりお客さまに説明しました。

 環境負荷低減のご提案としては、デマン

ド監視システムの導入により、電気の使用

実態を把握・分析し、「見える化」により、

最大デマンドおよび電気使用量の抑制に関

する適切なアドバイスを実施しました。併

せて空調の自動制御についても取り組みま

した。

 また、省エネコンサルティングや省エネ

法に基づく、報告、計画、管理標準の作成

のサポート業務を行いお客さまの省エネ計

画の推進に取り組みました。

地域社会への貢献

 地域のこどもたちに、「子ども電気安

全・エネルギー教室」を開催し、電気の使

用安全と省エネについての啓発活動を実施

しています。また、「こども110番」に

は継続して取り組み、子供たちが安心して

暮らせる環境を確保する活動を推進してい

ます。毎年8月には、経済産業省主唱の

「電気使用安全月間」に呼応し、電気事故

防止の活動を実施し、お客さまや地域社会

のみなさまへの電気使用安全の啓発を行っ

ています。街頭キャンペーンや電気使用安

全キャラバン隊、移動電気相談所の開設、

重要文化財等の電気設備特別点検などを実

施しました。

人権の尊重と

良好な職場環境の構築

 当協会の従業員は、日常業務において多

くの人々と接する機会があり、従業員一人

ひとりに人権意識が強く求められています。

このため、企業が果たすべき社会的責任を

認識し、人権を尊重する観点から、従業員

一人ひとりが、人権に関する正しい理解と

知識を深めるよう研修等に取り組んでいま

す。

 また、従業員

が安全で健康に

働くことができ

る職場環境を築

くため、交通安

全においては、

「車両運転認定

制度」に基づき

「安全運転指導員」による所定の訓練や技

能チェックを行い安全運転意識・技能の向

上に努めています。健康保持増進活動では、

定期健康診断等による体の健康はもとより、

こころの健康づくりのためメンタルヘルス

ケアに関する教育等に取り組んでいます。

 さらに働きやすい職場づくりのため、従

業員一人ひとりのライフスタイルに応じた

雇用制度や育児・介護への支援、障がい者

雇用の推進をは

かるなど、制度

の整備に取り組

むとともに研修

制度を充実させ

従業員の能力向

上・開発にも取

り組んでいます。

透明性の高い事業活動

 当協会では、11月と12月の2カ月間を

「お客さま感謝月間」とし、お客さまへの

日ごろのご愛顧への感謝をお伝えするとと

もに積極的な対話を行うよう努めています。

 また、ホームページでは、電気を安全に、

かつ効率的に使用していただくための情報

を提供し、お問合せ、ご相談・意見のペー

ジを設け、様々なステークホルダーのみな

さまとのコミュニケーションを積極的にと

るとともに情報開示に関する内容も公開し

ています。

コーポレート・ガバナンスの充実として

は、内部統制の組織や監査体制について紹

介するとともに、公益法人として事業活動

について積極的な情報開示に努めています。

コンプライアンスの徹底

 CSR活動の充実をはかるために、「コ

ンプライアンス」の必要性とその実践に

ついて、従業員一人ひとりに浸透させる

ための啓発活動を行っています。各事業

所でCSR活動研修を実施し、当協会の

全従業員が理解を深めて、一丸となって

CSR活動

を推進して

いくための

計画的な研

修を実施し

ています。

 情報セキュリティ強化については、「個

人情報保護規程」に基づくルールの定着化

に努め、「情報管理規程」等の整備を行い、

情報管理の適正な運用に努めています。ま

た、社内のパソコンすべてに情報漏洩対策

ソフトを導入し、外部に持ち出されるデー

タすべてが暗号化される仕組みとなってい

ます。さらに、社内でも業務上で利用する

必要がないデータにはアクセスできないよ

うアクセス権を設定し、セキュリティの強

化に努めています。

関西電気保安協会

CSR活動レポート 2011関西電気保安協会 CSR活動レポート 2011

 この度、CSR活動レポート2011を発刊いたしましたので、ご紹介いたします。 CSR活動レポート2011は、CSR(企業の社会的責任)活動を中心とした、関西電気保安協会の取り組み内容をお客さまや地域の方々をはじめ、関西電気保安協会を支えていただくステークホルダーのみなさまにわかりやすくお伝えするために作成しました。これからもみなさまのご期待にお応えし、信頼いただける企業をめざして電気使用安全に取り組んでまいります。 本レポートの構成は、「関西電気保安協会のCSR行動憲章」に基づく6つの行動原則ごとにまとめた6章だてとなっております。以下に主な掲載内容をご紹介させていただきます。

 詳細につきましては、当協会ホームページ内(http://www.ksdh.or.jp/csr/report.html)に掲載しております。また、各事業所にも備え付けておりますので是非ご覧下さい。

 工場やビルなどの

(電気設備の保安管理)

   一般のお客さまへの

  (電気設備の安全診断)

二輪車両訓練

従業員からの応募により作成した、お客さま感謝月間ポスター 組作業訓練各種講習会

リーフレット

毎朝の漏れ電流計持ち出し前チェック

屋上緑化

子ども電気安全・エネルギー教室人体電気抵抗測定装置(教材)

こども110番の車両

新入職員への昇降柱訓練

マニュアル

手づくりモーター(教材)

電気自動車エネパネル

Page 11: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

1011 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

高品質なサービスの提供

 当協会は電気の設備保全と使用安全のた

め、お客さまのニーズに合わせた各種の業

務を展開しています。

調査業務

 主に一般のご家庭を対象に、関西電力か

らの委託を受けて、同社の供給区域のお客

さまを定期的(1回/4年)に訪問し電気

設備の安全調査を行っています。

 また、2008年度からは、新築・増改

築されたお客さまの電気設備についても安

全調査を行っています。お客さまへの親切

かつ適切な対応をはかるため、電気安全パ

ンフレットによる電気使用安全の啓発や意

識の向上を図っています。お客さまアンケ

ート等を通じて寄せられたご意見・ご要望

を業務に反映し、より満足いただけるよう

業務改善を行っています。お客さまの電気

設備をより安全にご使用していただくため、

測定器については高精度なものを使用する

とともに定期的な校正

試験と、毎朝持ち出し

前に動作確認チェック

を行っています。また、

より安全な電気設備使

用のため、漏電遮断器

の設置もお願いしてい

ます。

保安業務

 高圧(6、600V)で受電するすべて

の需要設備や、1000kW未満の発電所の

保安管理業務を行うとともに、試験業務、

コンサルティング業務、監視業務、保安教

育等も実施しています。

 故障設備と故障原因を統計的に分析し、

停電事故の未然防止のため、高圧地絡継電

器不正動作や小動物侵入による停電防止に

取り組んでいます。また、24時間、機械監

視により事故の未然防止に努めています。

 停電事故発生時には、出動要請から30分

以内に到着することを目標設定し、201

0年度は、平日昼間都心部で94%、都心部

以外で90%の到着率となりました。また、

担当者以外の者が事故処置した場合は、担

当者が、今後の処置等について再確認を行

う「フォロー訪問」を実施しました。作業

においては、安全を第一にした業務を遂行

するため、組作業訓練、組作業コンテスト、

技術研修会を実

施し技術力の向

上をはかるとと

もに、安全用

具・保護具等の

機材の適正管理

を徹底し、業務

品質の向上に努

めています。

広報業務

 保安管理業務をご契約いただいているお

客さまを対象とした「電気保安講習会」や、

一般の方々を対象とした「電気安全講習

会」「電気安全・省エネ講座」「子ども電気

安全・エネルギー教室」を開催し、電気の

使用安全に関する啓発活動を実施していま

す。

 また、広く一般の方々に対する電気の使

用安全と省エネ等の電気の上手な使い方に

ついて、テレビ、ラジオ、インターネット、

新聞、「電気と保安」等の広報誌を活用し、

PR活動を行っています。

環境問題への取り組み

「関西電気保安協会の環境マネジメント」

 関西電気保安協会は、環境との関わりが

深いエネルギー関係事業者として、「環境

と経済の調和による持続的発展」を基本理

念とし、2010年度から「環境マネジメ

ント規程」をはじめとした社内ルールを策

定し、環境負荷の低減に対する組織的な取

り組みを推進しています。

「関西電気保安協会の環境負荷の現状」

 当協会では、環境負荷低減のため、電

気・燃料(ガソリン)・水などの削減に取

り組んでいます。

 具体的な取り組みとして、「エコドライ

ブ運動」、「グリーン購入」の推進や環境

省が推進する「チャレンジ25キャンペー

ン」に参加しています。エコドライブの定

着のために、全車に「エコドライブ実施

中」のステッカーを自社で制作し貼り付け、

運転者へは「エコドライブ10のすすめ」リ

ーフレットを配布し意識付けを行っていま

す。また、老朽化のため建替えた滋賀支部

の社屋を屋上緑化や太陽光発電、LED電

灯等を取り入

れたエコオフ

ィスのモデル

事業所としま

した。さらに、

広報業務用に電気自動車も導入しました。

「お客さま先での環境負荷制御への貢献」

 お客さまへの省エネルギー情報のご提供

として、2010年6月から8月にかけて、

照明や空調設備の更新および断熱や遮熱に

よるエネルギーの低減方法などを「省エネ

レポート」や「更新提案リーフレット」に

よりお客さまに説明しました。

 環境負荷低減のご提案としては、デマン

ド監視システムの導入により、電気の使用

実態を把握・分析し、「見える化」により、

最大デマンドおよび電気使用量の抑制に関

する適切なアドバイスを実施しました。併

せて空調の自動制御についても取り組みま

した。

 また、省エネコンサルティングや省エネ

法に基づく、報告、計画、管理標準の作成

のサポート業務を行いお客さまの省エネ計

画の推進に取り組みました。

地域社会への貢献

 地域のこどもたちに、「子ども電気安

全・エネルギー教室」を開催し、電気の使

用安全と省エネについての啓発活動を実施

しています。また、「こども110番」に

は継続して取り組み、子供たちが安心して

暮らせる環境を確保する活動を推進してい

ます。毎年8月には、経済産業省主唱の

「電気使用安全月間」に呼応し、電気事故

防止の活動を実施し、お客さまや地域社会

のみなさまへの電気使用安全の啓発を行っ

ています。街頭キャンペーンや電気使用安

全キャラバン隊、移動電気相談所の開設、

重要文化財等の電気設備特別点検などを実

施しました。

人権の尊重と

良好な職場環境の構築

 当協会の従業員は、日常業務において多

くの人々と接する機会があり、従業員一人

ひとりに人権意識が強く求められています。

このため、企業が果たすべき社会的責任を

認識し、人権を尊重する観点から、従業員

一人ひとりが、人権に関する正しい理解と

知識を深めるよう研修等に取り組んでいま

す。

 また、従業員

が安全で健康に

働くことができ

る職場環境を築

くため、交通安

全においては、

「車両運転認定

制度」に基づき

「安全運転指導員」による所定の訓練や技

能チェックを行い安全運転意識・技能の向

上に努めています。健康保持増進活動では、

定期健康診断等による体の健康はもとより、

こころの健康づくりのためメンタルヘルス

ケアに関する教育等に取り組んでいます。

 さらに働きやすい職場づくりのため、従

業員一人ひとりのライフスタイルに応じた

雇用制度や育児・介護への支援、障がい者

雇用の推進をは

かるなど、制度

の整備に取り組

むとともに研修

制度を充実させ

従業員の能力向

上・開発にも取

り組んでいます。

透明性の高い事業活動

 当協会では、11月と12月の2カ月間を

「お客さま感謝月間」とし、お客さまへの

日ごろのご愛顧への感謝をお伝えするとと

もに積極的な対話を行うよう努めています。

 また、ホームページでは、電気を安全に、

かつ効率的に使用していただくための情報

を提供し、お問合せ、ご相談・意見のペー

ジを設け、様々なステークホルダーのみな

さまとのコミュニケーションを積極的にと

るとともに情報開示に関する内容も公開し

ています。

コーポレート・ガバナンスの充実として

は、内部統制の組織や監査体制について紹

介するとともに、公益法人として事業活動

について積極的な情報開示に努めています。

コンプライアンスの徹底

 CSR活動の充実をはかるために、「コ

ンプライアンス」の必要性とその実践に

ついて、従業員一人ひとりに浸透させる

ための啓発活動を行っています。各事業

所でCSR活動研修を実施し、当協会の

全従業員が理解を深めて、一丸となって

CSR活動

を推進して

いくための

計画的な研

修を実施し

ています。

 情報セキュリティ強化については、「個

人情報保護規程」に基づくルールの定着化

に努め、「情報管理規程」等の整備を行い、

情報管理の適正な運用に努めています。ま

た、社内のパソコンすべてに情報漏洩対策

ソフトを導入し、外部に持ち出されるデー

タすべてが暗号化される仕組みとなってい

ます。さらに、社内でも業務上で利用する

必要がないデータにはアクセスできないよ

うアクセス権を設定し、セキュリティの強

化に努めています。

関西電気保安協会

CSR活動レポート 2011関西電気保安協会 CSR活動レポート 2011

 この度、CSR活動レポート2011を発刊いたしましたので、ご紹介いたします。 CSR活動レポート2011は、CSR(企業の社会的責任)活動を中心とした、関西電気保安協会の取り組み内容をお客さまや地域の方々をはじめ、関西電気保安協会を支えていただくステークホルダーのみなさまにわかりやすくお伝えするために作成しました。これからもみなさまのご期待にお応えし、信頼いただける企業をめざして電気使用安全に取り組んでまいります。 本レポートの構成は、「関西電気保安協会のCSR行動憲章」に基づく6つの行動原則ごとにまとめた6章だてとなっております。以下に主な掲載内容をご紹介させていただきます。

 詳細につきましては、当協会ホームページ内(http://www.ksdh.or.jp/csr/report.html)に掲載しております。また、各事業所にも備え付けておりますので是非ご覧下さい。

 工場やビルなどの

(電気設備の保安管理)

   一般のお客さまへの

  (電気設備の安全診断)

二輪車両訓練

従業員からの応募により作成した、お客さま感謝月間ポスター 組作業訓練各種講習会

リーフレット

毎朝の漏れ電流計持ち出し前チェック

屋上緑化

子ども電気安全・エネルギー教室人体電気抵抗測定装置(教材)

こども110番の車両

新入職員への昇降柱訓練

マニュアル

手づくりモーター(教材)

電気自動車エネパネル

Page 12: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

13 12

 私学には自由な発想で教育方針を定め、新しい時代を切り開く役

割が期待されています。大阪女学院はまさにそんな役割をはたして

きた学校と言えるでしょう。明治になって、大阪では川口居留地から

西洋文明が入ってきました。大阪女学院はこの地でキリスト教系のウ

ヰルミナ女学校として1884年(明治17年)に誕生。それ以来、自由

と責任を重んじ、力強く未来を切り開いていく女性を育てることを

基本に教育を行っています。

 127年という長い歴史を持つ大阪女学院は、現在、中学、高校、短

大、大学、大学院を擁する学校として発展しています。誕生して4年

後に川口居留地から現在の玉造の地に移り、ミッション系の学校とし

て独自の理念で教育を行ってきました。その建学の精神ミッションス

テートメント)は「創造主を畏れ、キリストの教えに従って一人ひとりを

愛し、何が重要であるかを見抜く力を養い、喜びをもって、進んで社会

に仕える人を育む」としています。

キリスト教教育、英語教育、人権教育

3つの柱で人を育みます

大阪女学院では、キリスト教教育とともに英語教育を教育の柱と

してきました。また、人権教育に力を注いでいることも、大阪女学院

の大きな特色です。「ひとり一人が神に創られたかけがえのない存在

である」というキリスト教の精神に基づき、あらゆる差別に対する正

しい認識を持ち、解放につとめることができるように、中学・高校から

短大・大学まで学習の場を可能な限り多く設け、さまざまなプログラ

ムを通じて人権教育を進めています。

学校生活のさまざまな場面で

自主性を発揮する機会を設けています

大阪女学院の校風は、中学・高校では、自由でのびやかなことを特

色としています。しかし、この自由は自分自身で考え、行動し、その結

果は自分自身で引き受ける。つまり責任の伴った自由なのです。この

ような校風から、大阪女学院では生徒が主体となった活動が活発に

行われ、彼女たちはとても元気ではつらつとしいます。例えば体育大

会や文化祭は、企画から運営までを生徒が行い自主性が尊重されて

います。

また、国際感覚を身につけることを重視、英語を母国語とする教

師による英語の授業や英語礼拝、海外研修や交換留学など、英語に

触れる機会を多く設けています。

大学・短大は、「英語力+教養」で知的な対話ができる人間力の育

成を目指しています。そのために平和・科学・環境等の直面する身近

な世界の課題をテーマに「読む、聴く、書く、話す」のスキルを統合して

学ぶ独自のカリキュラムを開発、文科省を始め語学教育関係者に高

く評価されています。また、英語を活かした業界(航空・ホテル・旅行

運輸・一般企業等)、中高英語教員、アジアを中心に活躍するビジネス

業界、国際公務員(国連等)・国家公務員を目指す専門教育が次年

度より新たな学科専攻で展開されます。

学生は自分のテーマ・目標に向かって学びをすすめ、情報収集・分

析、英語によるプレゼンテーション等により発信する。そんな主体性

のある学び環境で英語力とともに自分の資質を高めてきた学生は

抜群の就職実績を誇り、就職に強い大学・短大としても知られてい

ます。

●お客さまの声

女学院には歴史ある建築物もあり、現在も日常使用しています。

大切な学生・生徒の安全に留意し、年間365日の稼働を想定しな

ければならない電気はとても大切です。保安協会の方には、いつも機

器をきれいに保っていただきありがたく思っています。これからも電

気を安心して使えるようにお願いしたいと思います。

お客さまDATA

学校法人 大阪女学院大阪女学院大学大学院大 阪 女 学 院 大 学大阪女学院短期大学大阪女学院高等学校大 阪 女 学 院 中 学 校

住所 〒540-0004 大阪市中央区玉造 2丁目26番54号TEL 06-6761-4013FAX 06-6761-0348http : //www.wilmina.ac. jp/foundation/

お客さま訪問お客さま訪問お客さま訪問

学校法人大阪女学院

責任のある自由を体得し、自ら未来を開ける女性を育てる

当お客さまは、平成18年度電気保安功労者表彰において、経済産業省原子力安全・保安院長表彰を受賞されています。

▲聖書の言葉が刻まれた正門アーチ。 Initium Sapientiae Timor Domini (主を畏れることは知恵の初め)

▲ヘールチャペル ▲高等学校北校舎

▲聖書の言葉が刻まれた南門アーチ。Veritas Liberabit Vos (真理はあなたたちを自由にする)

▲緑あふれるキャンパスは、大阪府施設緑化賞(緑の景観賞)最優秀賞(1992年)、大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)・特別賞受賞(2007年)を受賞しました。池、せせらぎもあり初夏には蛍も舞います。

そうめん処三輪茶屋では、素麺をご賞味いただけます。

キリスト教教育、女性を育む教育、玉造の地へのこだわりなど、紹介しきれないほど多くの大阪女学院への思いを語っていただきました。

ヴォーリズ建築事務所の設計によるヘールチャペルと高校北校舎は、建築当初の設計デザインを尊重して、新手法により耐震補強がされています。この工事は、2004年BELCA賞のロングライフ部門で表彰されました。この賞は、国で初の既存建築物の総合的表彰制度で、適切な維持保全や優れた改修を実施した既存の建築物のうち、特に優秀なものが表彰されるものです。

▲法人事務部統括部長/ 副理事長 錦織一郎さん

▲常勤顧問  広瀬弘道さん

▲施設管理課長  広瀬幸一さん

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

Page 13: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

13 12

 私学には自由な発想で教育方針を定め、新しい時代を切り開く役

割が期待されています。大阪女学院はまさにそんな役割をはたして

きた学校と言えるでしょう。明治になって、大阪では川口居留地から

西洋文明が入ってきました。大阪女学院はこの地でキリスト教系のウ

ヰルミナ女学校として1884年(明治17年)に誕生。それ以来、自由

と責任を重んじ、力強く未来を切り開いていく女性を育てることを

基本に教育を行っています。

 127年という長い歴史を持つ大阪女学院は、現在、中学、高校、短

大、大学、大学院を擁する学校として発展しています。誕生して4年

後に川口居留地から現在の玉造の地に移り、ミッション系の学校とし

て独自の理念で教育を行ってきました。その建学の精神ミッションス

テートメント)は「創造主を畏れ、キリストの教えに従って一人ひとりを

愛し、何が重要であるかを見抜く力を養い、喜びをもって、進んで社会

に仕える人を育む」としています。

キリスト教教育、英語教育、人権教育

3つの柱で人を育みます

大阪女学院では、キリスト教教育とともに英語教育を教育の柱と

してきました。また、人権教育に力を注いでいることも、大阪女学院

の大きな特色です。「ひとり一人が神に創られたかけがえのない存在

である」というキリスト教の精神に基づき、あらゆる差別に対する正

しい認識を持ち、解放につとめることができるように、中学・高校から

短大・大学まで学習の場を可能な限り多く設け、さまざまなプログラ

ムを通じて人権教育を進めています。

学校生活のさまざまな場面で

自主性を発揮する機会を設けています

大阪女学院の校風は、中学・高校では、自由でのびやかなことを特

色としています。しかし、この自由は自分自身で考え、行動し、その結

果は自分自身で引き受ける。つまり責任の伴った自由なのです。この

ような校風から、大阪女学院では生徒が主体となった活動が活発に

行われ、彼女たちはとても元気ではつらつとしいます。例えば体育大

会や文化祭は、企画から運営までを生徒が行い自主性が尊重されて

います。

また、国際感覚を身につけることを重視、英語を母国語とする教

師による英語の授業や英語礼拝、海外研修や交換留学など、英語に

触れる機会を多く設けています。

大学・短大は、「英語力+教養」で知的な対話ができる人間力の育

成を目指しています。そのために平和・科学・環境等の直面する身近

な世界の課題をテーマに「読む、聴く、書く、話す」のスキルを統合して

学ぶ独自のカリキュラムを開発、文科省を始め語学教育関係者に高

く評価されています。また、英語を活かした業界(航空・ホテル・旅行

運輸・一般企業等)、中高英語教員、アジアを中心に活躍するビジネス

業界、国際公務員(国連等)・国家公務員を目指す専門教育が次年

度より新たな学科専攻で展開されます。

学生は自分のテーマ・目標に向かって学びをすすめ、情報収集・分

析、英語によるプレゼンテーション等により発信する。そんな主体性

のある学び環境で英語力とともに自分の資質を高めてきた学生は

抜群の就職実績を誇り、就職に強い大学・短大としても知られてい

ます。

●お客さまの声

女学院には歴史ある建築物もあり、現在も日常使用しています。

大切な学生・生徒の安全に留意し、年間365日の稼働を想定しな

ければならない電気はとても大切です。保安協会の方には、いつも機

器をきれいに保っていただきありがたく思っています。これからも電

気を安心して使えるようにお願いしたいと思います。

お客さまDATA

学校法人 大阪女学院大阪女学院大学大学院大 阪 女 学 院 大 学大阪女学院短期大学大阪女学院高等学校大 阪 女 学 院 中 学 校

住所 〒540-0004 大阪市中央区玉造 2丁目26番54号TEL 06-6761-4013FAX 06-6761-0348http : //www.wilmina.ac. jp/foundation/

お客さま訪問お客さま訪問お客さま訪問

学校法人大阪女学院

責任のある自由を体得し、自ら未来を開ける女性を育てる

当お客さまは、平成18年度電気保安功労者表彰において、経済産業省原子力安全・保安院長表彰を受賞されています。

▲聖書の言葉が刻まれた正門アーチ。 Initium Sapientiae Timor Domini (主を畏れることは知恵の初め)

▲ヘールチャペル ▲高等学校北校舎

▲聖書の言葉が刻まれた南門アーチ。Veritas Liberabit Vos (真理はあなたたちを自由にする)

▲緑あふれるキャンパスは、大阪府施設緑化賞(緑の景観賞)最優秀賞(1992年)、大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)・特別賞受賞(2007年)を受賞しました。池、せせらぎもあり初夏には蛍も舞います。

そうめん処三輪茶屋では、素麺をご賞味いただけます。

キリスト教教育、女性を育む教育、玉造の地へのこだわりなど、紹介しきれないほど多くの大阪女学院への思いを語っていただきました。

ヴォーリズ建築事務所の設計によるヘールチャペルと高校北校舎は、建築当初の設計デザインを尊重して、新手法により耐震補強がされています。この工事は、2004年BELCA賞のロングライフ部門で表彰されました。この賞は、国で初の既存建築物の総合的表彰制度で、適切な維持保全や優れた改修を実施した既存の建築物のうち、特に優秀なものが表彰されるものです。

▲法人事務部統括部長/ 副理事長 錦織一郎さん

▲常勤顧問  広瀬弘道さん

▲施設管理課長  広瀬幸一さん

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

Page 14: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

15 14 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

N

173

27

27高津

私市円山古墳公園

綾部ふれあい牧場

天文館山家城址公園

黒谷和紙工芸の里

あやべ温泉

光明寺

上津灰のミズメ

立岩

道の駅「和』

グンゼ博物苑綾部バラ園綾部

山家

淵垣

梅迫

JR山陰本線

JR舞鶴線

京都縦貫自動車道

舞鶴若狭自

動車道

丹波綾部道路

由良川

安国寺

舞鶴・若狭と福知山・京都を結ぶ交通の要衝として栄えた綾部市。豊かな自

然に溶け込んだこのまちには、足利尊氏公ゆかりの安国寺や国宝の光明寺二王

門などの史跡が点在しています。また綾部はグンゼ発祥の地でもあり、日本の産

業近代化に貢献した足跡を見ることができます。

錦秋に染まる丹波を満喫しながら歴史と産業の遺産をめぐり、伝統工芸にも

触れてみましょう。

▲ファッション館ではストッキングなどグンゼの製品や技術を展示している。

▲記念館の主展示室では、グンゼの創業当時からの歴史を紹介している。

▲グンゼ博物苑内にある綾部バラ園。綾部市のバラ「アンネのバラ」をはじめ約100種のバラが植えられ、「秋のバラまつり」(10月22日~11月27日)のころには1000本のバラが咲きそろう。

▲国道27号線沿いにある道の駅「和」。地元の野菜や地酒などを販売している。

荘厳な雰囲気で建つ光明寺の二王門。国宝に指定されている。

綾部市兵庫県 京都府

大阪府

滋賀県

福井県

三重県奈良県

和歌山県

▲2階建てで白い洋館の「グンゼ記念館」。大正6年に建てられたグンゼ旧本社事務所を一般公開している。開館は金曜日のみ。

大正初期に建てられたまゆ蔵を利用した「グンゼ博物苑」の歴史館、ファッション館、新機能館。開苑日は木・金・土・日の4日間。

大阪からJR福知山線で約1時間50

分、車なら中国自動車道と舞鶴若狭自

動車道で約1時間30分、京都府北部に

位置する綾部市は由良川沿いに静かな

佇まいを見せる山あいのまち。10 月中旬

から11月にかけては山々の紅葉が鮮やか

に色づき、季節の移ろいを満喫しながら

の史跡散策にはぴったりです。

JR綾部駅から車で国道27号線を北

東に15分ほど行くと、足利尊氏誕生の

地とされる安国寺があります。室町幕府

を開いた尊氏公が南北朝の争乱に殉じ

た人々の霊を供養するため全国に安国

寺利生塔を建立。その筆頭に置いたのが

丹波安国寺で、往時を思わせる茅葺きの

本殿や境内のもみじに赤く映える池の

水面など、趣のある風情が感じられます。

綾部市街から、上林川に沿って延びる

府道1号線を北東に1時間ほど行ったと

ころにあるのが、聖徳太子によって599

年に建立された光明寺。君尾山の中腹に

ある古刹で、千手観音菩薩が祀られてい

ます。本堂に上る石段の途中には、入母

屋造りでとち葺き屋根の堂々とした姿

の二王門が建っており、静寂が包む木立

の中に荘厳な雰囲気を漂わせています。

歴史散策の後は、日本の産業発展を

担ったグンゼの足跡を展示したグンゼ記

念館へ。グンゼは創業者の波多野鶴吉が

地域振興を図るため製糸会社を興した

のが始まりで、社名のグンゼは、かつてこ

の地が何鹿郡だったことから、「郡」の「方

針(是)」としたのがその由来。「善い人が

善い糸をつくる」を経営理念に従業員の

教育にも力を注ぎました。記念館には大

正から昭和初期にかけての座繰機など、

当時を偲ぶ機具や資料が残されていま

す。また、隣接するグンゼ博物苑内にあ

る綾部バラ園は10 月下旬〜11月ころに

かけて見ごろを迎え、約100種100

0本のバラが咲き競い、園内は甘い香りに

包まれます。

そして、深まる秋のイベントとして知

られているのが「綾部もみじまつり」(11

月18日〜20日)。紅葉に染まる大本神苑

を舞台として、昼は音楽祭やお茶席など

が催されるほか、地元特産品を販売する

模擬店などが出店。夜には会場内のもみ

じがライトアップされ幻想的な世界が見

られるなど、綾部市の新たな魅力発見に

なりそうです。

錦秋に染まる丹波の里を訪ね歴史と産業の史跡をめぐる京都府 綾部市

グンゼ記念館・博物苑

▲約1500年前に由良川流域の王の墓として造られた私市円山古墳。直径約70mの円墳で、見晴らしのよい丘陵の上にあり史跡公園として整備されている。

▲聖徳太子が創建したと伝えられる光明寺。

▲大本神苑を舞台に開催される綾部もみじまつり。夜にはライトアップで照らされたもみじが幻想的な世界を映し出す。

▲江戸時代の旧山家藩の陣屋跡。春は桜、秋は紅葉が美しく四季を通して人気。

林野庁の「森の巨人たち100選」に選ばれた上津灰の古木「ミズメ」。

▼由良川の淵にそびえ立つ高さ約20mの立岩。一見すると断崖のように見える。

▲国内の公開天文台としては最大級の95cmの反射望遠鏡を備えた綾部市天文館「パオ」。

いかるが

▲JR綾部駅。

▲安国寺の前には尊氏公が生まれたときに産湯として使われた井戸が残っている。

趣のある茅葺き本殿の安国寺。境内には母清子、妻登子と並んで尊氏公のお墓が祀られている。

ミニ家畜舎の小動物とふれあいながら自然を満喫できる綾部ふれあい牧場。農家レストランもある。

Page 15: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

15 14 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

N

173

27

27高津

私市円山古墳公園

綾部ふれあい牧場

天文館山家城址公園

黒谷和紙工芸の里

あやべ温泉

光明寺

上津灰のミズメ

立岩

道の駅「和』

グンゼ博物苑綾部バラ園綾部

山家

淵垣

梅迫

JR山陰本線

JR舞鶴線

京都縦貫自動車道

舞鶴若狭自

動車道

丹波綾部道路

由良川

安国寺

舞鶴・若狭と福知山・京都を結ぶ交通の要衝として栄えた綾部市。豊かな自

然に溶け込んだこのまちには、足利尊氏公ゆかりの安国寺や国宝の光明寺二王

門などの史跡が点在しています。また綾部はグンゼ発祥の地でもあり、日本の産

業近代化に貢献した足跡を見ることができます。

錦秋に染まる丹波を満喫しながら歴史と産業の遺産をめぐり、伝統工芸にも

触れてみましょう。

▲ファッション館ではストッキングなどグンゼの製品や技術を展示している。

▲記念館の主展示室では、グンゼの創業当時からの歴史を紹介している。

▲グンゼ博物苑内にある綾部バラ園。綾部市のバラ「アンネのバラ」をはじめ約100種のバラが植えられ、「秋のバラまつり」(10月22日~11月27日)のころには1000本のバラが咲きそろう。

▲国道27号線沿いにある道の駅「和」。地元の野菜や地酒などを販売している。

荘厳な雰囲気で建つ光明寺の二王門。国宝に指定されている。

綾部市兵庫県 京都府

大阪府

滋賀県

福井県

三重県奈良県

和歌山県

▲2階建てで白い洋館の「グンゼ記念館」。大正6年に建てられたグンゼ旧本社事務所を一般公開している。開館は金曜日のみ。

大正初期に建てられたまゆ蔵を利用した「グンゼ博物苑」の歴史館、ファッション館、新機能館。開苑日は木・金・土・日の4日間。

大阪からJR福知山線で約1時間50

分、車なら中国自動車道と舞鶴若狭自

動車道で約1時間30分、京都府北部に

位置する綾部市は由良川沿いに静かな

佇まいを見せる山あいのまち。10 月中旬

から11月にかけては山々の紅葉が鮮やか

に色づき、季節の移ろいを満喫しながら

の史跡散策にはぴったりです。

JR綾部駅から車で国道27号線を北

東に15分ほど行くと、足利尊氏誕生の

地とされる安国寺があります。室町幕府

を開いた尊氏公が南北朝の争乱に殉じ

た人々の霊を供養するため全国に安国

寺利生塔を建立。その筆頭に置いたのが

丹波安国寺で、往時を思わせる茅葺きの

本殿や境内のもみじに赤く映える池の

水面など、趣のある風情が感じられます。

綾部市街から、上林川に沿って延びる

府道1号線を北東に1時間ほど行ったと

ころにあるのが、聖徳太子によって599

年に建立された光明寺。君尾山の中腹に

ある古刹で、千手観音菩薩が祀られてい

ます。本堂に上る石段の途中には、入母

屋造りでとち葺き屋根の堂々とした姿

の二王門が建っており、静寂が包む木立

の中に荘厳な雰囲気を漂わせています。

歴史散策の後は、日本の産業発展を

担ったグンゼの足跡を展示したグンゼ記

念館へ。グンゼは創業者の波多野鶴吉が

地域振興を図るため製糸会社を興した

のが始まりで、社名のグンゼは、かつてこ

の地が何鹿郡だったことから、「郡」の「方

針(是)」としたのがその由来。「善い人が

善い糸をつくる」を経営理念に従業員の

教育にも力を注ぎました。記念館には大

正から昭和初期にかけての座繰機など、

当時を偲ぶ機具や資料が残されていま

す。また、隣接するグンゼ博物苑内にあ

る綾部バラ園は10 月下旬〜11月ころに

かけて見ごろを迎え、約100種100

0本のバラが咲き競い、園内は甘い香りに

包まれます。

そして、深まる秋のイベントとして知

られているのが「綾部もみじまつり」(11

月18日〜20日)。紅葉に染まる大本神苑

を舞台として、昼は音楽祭やお茶席など

が催されるほか、地元特産品を販売する

模擬店などが出店。夜には会場内のもみ

じがライトアップされ幻想的な世界が見

られるなど、綾部市の新たな魅力発見に

なりそうです。

錦秋に染まる丹波の里を訪ね歴史と産業の史跡をめぐる京都府 綾部市

グンゼ記念館・博物苑

▲約1500年前に由良川流域の王の墓として造られた私市円山古墳。直径約70mの円墳で、見晴らしのよい丘陵の上にあり史跡公園として整備されている。

▲聖徳太子が創建したと伝えられる光明寺。

▲大本神苑を舞台に開催される綾部もみじまつり。夜にはライトアップで照らされたもみじが幻想的な世界を映し出す。

▲江戸時代の旧山家藩の陣屋跡。春は桜、秋は紅葉が美しく四季を通して人気。

林野庁の「森の巨人たち100選」に選ばれた上津灰の古木「ミズメ」。

▼由良川の淵にそびえ立つ高さ約20mの立岩。一見すると断崖のように見える。

▲国内の公開天文台としては最大級の95cmの反射望遠鏡を備えた綾部市天文館「パオ」。

いかるが

▲JR綾部駅。

▲安国寺の前には尊氏公が生まれたときに産湯として使われた井戸が残っている。

趣のある茅葺き本殿の安国寺。境内には母清子、妻登子と並んで尊氏公のお墓が祀られている。

ミニ家畜舎の小動物とふれあいながら自然を満喫できる綾部ふれあい牧場。農家レストランもある。

Page 16: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

17 16

こころとカラダのヘルスケアこころとカラダのヘルスケア

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

スポーツで元気に!

無理なく毎日続けられ身体も心も元気にする「ヨガ」

4

秋から冬へと移り変わるこの季節。とかく家の中で過ごす時間が増え、運動不足になりがちです。そん

な中、室内で手軽に行えて、身体だけでなく心をほぐす効果もある「ヨガ」。少しずつでも自分に合ったペ

ースで長く続けることを心掛けましょう。

■参考文献:「DVD付き 深堀真由美のやさしいヨガ」監修/深堀真由美発行/株式会社 学研パブリッシング 690円(本体657円)

  腹式呼吸で血液を身体の隅々へ

一般的なエクササイズと違い、ヨガはポーズをとることに加え、呼吸を組み合わせることが大切です。ヨガで行う呼吸法は、息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐きながらお腹をへこませる腹式の呼吸法で、より深い呼吸をすることでたくさんの酸素が取り込まれた血液が身体の隅々まで行き渡ります。

  細胞が活性化し基礎代謝がアップ

ヨガのポーズをとることで、こわばった筋肉をほぐすとともに、血行が良くなり身体中の細胞が活性化。そのため身体の基礎代謝がアップし、消費カロリーが増えることから余分な脂肪が落ちていきます。また、ホルモンの分泌やリンパの流れが良くなり、余分な老廃物を排出。これによりむくみが取れ、引き締まった身体になります。さらに、ポーズを行うことで筋肉や関節がゆるみ、ふだんの生活で知らず知らずの間に歪んでしまった背骨や骨盤を正しい位置に戻そうとする力が働きます。

 自律神経の働きが整い、心がリラックス

ヨガには、身体だけでなく心をほぐす効果もあります。ポーズや呼吸法により自律神経の働きが整えられ、不眠や不安、またストレスによるイライラが解消。心もリラックスする効果が期待できます。

  無理せず、“痛気持ちいい”ところで止める

ヨガを行う上でのポイントは、決して無理をしないこと。きついと感じる手前の“痛気持ちいい”ところで止めて、しっかりと呼吸を行うだけでも効果が得られます。むしろ自分の体調に合わせ、できるだけ毎日続けることが大切です。

  下腹ポッコリを解消する「船のポーズ」

腹筋を鍛え、ポッコリお腹をへこます効果があり、腸の働きが良くなるため便秘解消にも有効です。

800年の歴史を受け継ぐ    

伝統の和紙づくりを体験  

黒谷和紙工芸の里

 

綾部の旅でぜひ訪れたいのが、昔なが

らの製法で自分だけのはがきや色紙作

りが体験できる「黒谷和紙工芸の里」。

黒谷和紙の歴史はおよそ800年以上

も前にさかのぼり、戦いに敗れ身を隠し

た平家の一団がこの地に自生する「こう

ぞ」で紙を作ったのが始まりとされてい

ます。以来〝紙漉き村〞として発展。昭

和中期には桂離宮のふすま製作に黒谷

和紙が使われたほどで、その製法は京

都府無形文化財にも指定されています。

黒谷和紙工芸の里は2005年に

オープンした施設で、建物は閉校になっ

た小学校の校舎をそのまま利用。それ

だけにどこか懐かしく、童心に帰っての

〝紙漉き体験〞は綾部の旅ならではの思

い出になるでしょう。

伝統工芸に触れた後は、のどかな山

里の景色を眺めながらのんびりお風呂

でリラックス。あやべ温泉二王の湯は、

広々とした大浴場のほか谷間の里を見

下ろす展望露天風呂、22種類の生薬を

配合した薬湯など各種温泉が満喫でき

ます。また、隣接する二王公園にはテニ

スコートや18ホールのパターゴルフ場が2

コースもあり、家族連れでも楽しめる遊

びの施設が整っています。

①仰向けになり両足をそろえる。手を組み、手のひらを後頭部に当てる。

②息を吸いながら、右足を胸のほうに引き寄せ、ひじを締めて頭を浮かせる。

  

③息を吐きながら、上体をねじり、両ひじを締めた状態で左手のひじを右足のひざの外側に近づける。

④左足を床から浮かせ、足先を上げて遠くに伸ばし、5呼吸キープする。

       ⑤息を吸いながら戻し、反対側も同様に。終わったら、仰向けのままで手足を軽く開き、目を閉じて全身の力を抜いてくつろぐ。

▲展望露天風呂などがある「あやべ温泉二王の湯」。

▲懐かしい木造の廊下には和紙で作られた傘が飾られている。

▲紙漉き体験は、平日6名以上で受け付けており(要予約)、土日は1名からでも予約なしで体験できる。

▲簾桁(すげた)を巧みに操る紙漉き作業。

▲晴れた日には漉いた和紙を天日干しする作業を見ることができる。 

▲広大な敷地にパターゴルフ場が2コースもある二王公園。

▲黒谷和紙で作った便箋や小物が土産品として販売されている。

▲2005年に閉校となった綾部市立口上林小学校の建物をそのまま利用した「黒谷和紙工芸の里」。

くちかんばやし

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こころとカラダのヘルスケアこころとカラダのヘルスケア

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

スポーツで元気に!

無理なく毎日続けられ身体も心も元気にする「ヨガ」

4

秋から冬へと移り変わるこの季節。とかく家の中で過ごす時間が増え、運動不足になりがちです。そん

な中、室内で手軽に行えて、身体だけでなく心をほぐす効果もある「ヨガ」。少しずつでも自分に合ったペ

ースで長く続けることを心掛けましょう。

■参考文献:「DVD付き 深堀真由美のやさしいヨガ」監修/深堀真由美発行/株式会社 学研パブリッシング 690円(本体657円)

  腹式呼吸で血液を身体の隅々へ

一般的なエクササイズと違い、ヨガはポーズをとることに加え、呼吸を組み合わせることが大切です。ヨガで行う呼吸法は、息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐きながらお腹をへこませる腹式の呼吸法で、より深い呼吸をすることでたくさんの酸素が取り込まれた血液が身体の隅々まで行き渡ります。

  細胞が活性化し基礎代謝がアップ

ヨガのポーズをとることで、こわばった筋肉をほぐすとともに、血行が良くなり身体中の細胞が活性化。そのため身体の基礎代謝がアップし、消費カロリーが増えることから余分な脂肪が落ちていきます。また、ホルモンの分泌やリンパの流れが良くなり、余分な老廃物を排出。これによりむくみが取れ、引き締まった身体になります。さらに、ポーズを行うことで筋肉や関節がゆるみ、ふだんの生活で知らず知らずの間に歪んでしまった背骨や骨盤を正しい位置に戻そうとする力が働きます。

 自律神経の働きが整い、心がリラックス

ヨガには、身体だけでなく心をほぐす効果もあります。ポーズや呼吸法により自律神経の働きが整えられ、不眠や不安、またストレスによるイライラが解消。心もリラックスする効果が期待できます。

  無理せず、“痛気持ちいい”ところで止める

ヨガを行う上でのポイントは、決して無理をしないこと。きついと感じる手前の“痛気持ちいい”ところで止めて、しっかりと呼吸を行うだけでも効果が得られます。むしろ自分の体調に合わせ、できるだけ毎日続けることが大切です。

  下腹ポッコリを解消する「船のポーズ」

腹筋を鍛え、ポッコリお腹をへこます効果があり、腸の働きが良くなるため便秘解消にも有効です。

800年の歴史を受け継ぐ    

伝統の和紙づくりを体験  

黒谷和紙工芸の里

 

綾部の旅でぜひ訪れたいのが、昔なが

らの製法で自分だけのはがきや色紙作

りが体験できる「黒谷和紙工芸の里」。

黒谷和紙の歴史はおよそ800年以上

も前にさかのぼり、戦いに敗れ身を隠し

た平家の一団がこの地に自生する「こう

ぞ」で紙を作ったのが始まりとされてい

ます。以来〝紙漉き村〞として発展。昭

和中期には桂離宮のふすま製作に黒谷

和紙が使われたほどで、その製法は京

都府無形文化財にも指定されています。

黒谷和紙工芸の里は2005年に

オープンした施設で、建物は閉校になっ

た小学校の校舎をそのまま利用。それ

だけにどこか懐かしく、童心に帰っての

〝紙漉き体験〞は綾部の旅ならではの思

い出になるでしょう。

伝統工芸に触れた後は、のどかな山

里の景色を眺めながらのんびりお風呂

でリラックス。あやべ温泉二王の湯は、

広々とした大浴場のほか谷間の里を見

下ろす展望露天風呂、22種類の生薬を

配合した薬湯など各種温泉が満喫でき

ます。また、隣接する二王公園にはテニ

スコートや18ホールのパターゴルフ場が2

コースもあり、家族連れでも楽しめる遊

びの施設が整っています。

①仰向けになり両足をそろえる。手を組み、手のひらを後頭部に当てる。

②息を吸いながら、右足を胸のほうに引き寄せ、ひじを締めて頭を浮かせる。

  

③息を吐きながら、上体をねじり、両ひじを締めた状態で左手のひじを右足のひざの外側に近づける。

④左足を床から浮かせ、足先を上げて遠くに伸ばし、5呼吸キープする。

       ⑤息を吸いながら戻し、反対側も同様に。終わったら、仰向けのままで手足を軽く開き、目を閉じて全身の力を抜いてくつろぐ。

▲展望露天風呂などがある「あやべ温泉二王の湯」。

▲懐かしい木造の廊下には和紙で作られた傘が飾られている。

▲紙漉き体験は、平日6名以上で受け付けており(要予約)、土日は1名からでも予約なしで体験できる。

▲簾桁(すげた)を巧みに操る紙漉き作業。

▲晴れた日には漉いた和紙を天日干しする作業を見ることができる。 

▲広大な敷地にパターゴルフ場が2コースもある二王公園。

▲黒谷和紙で作った便箋や小物が土産品として販売されている。

▲2005年に閉校となった綾部市立口上林小学校の建物をそのまま利用した「黒谷和紙工芸の里」。

くちかんばやし

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平成22年度 配電線への波及事故と防止について

19 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 18電気と保安 2011 11・12月号

 じ

 め

 に

近年、太陽光発電の設置件数が増加

する中、電気事業者による再生可能エ

ネルギー電気の調達に関する特別措置

法案が国会で採決されるなど、今後、

太陽光発電以外の風力や小水力などの

再生可能エネルギーが普及することが

予測されます。

また、スマートグリッドに代表され

る次世代の送配電システムやスマート

メーターの導入についても各方面で活

発に議論がなされ、電力系統を取り巻

く状況は大きく変化しようとしていま

す。そ

うした中で電力の安全・安定供給

を継続していくことは何より重要であ

り、電力会社といたしましては、電力

品質や系統信頼度の維持・向上に引き

続き取り組んでまいりたいと考えてい

ます。

また、高圧で受電されるお客さま(電

気主任技術者)におかれましては、電

気設備の管理者として、自主保安体制

を確立し、設備の保守点検による事故

の未然防止に努めていただくことが重

要になります。中でも、他のお客さま

への影響がある波及事故の防止につい

ては十分な対策を講じていただくこと

が必要です。

波及事故とは、お客さまの受電設備

で発生した事故が原因で電力会社の変

電所にある保護継電器(保護リレー)

が動作し、配電線に接続されている住

宅やビル、病院や銀行等のさまざまな

範囲に停電が広がる事故です。

波及事故が発生すると自所の損失だ

けでなく、同一配電線にて供給されて

いるお客さま(1配電線当たり平均約

一千軒)は、突然の停電とそれに伴う

大きな支障を被ることになり、操業停

止や生産停止による信用損失など、社

会的に大きな影響を及ぼすため、場合

によっては多額の損害賠償を請求され

るケースもあります。

そこで、お客さま一軒一軒が事故防

止の重要性を認識され、波及事故防止

への取り組みの一助とされることを期

待しまして、弊社管内における平成二

十二年度の波及事故の内容と、その対

策および事故防止のための基本事項に

ついて、ご紹介させていただきます。

平成二十二年度

波及事故概要

主な事故発生箇所および

その原因と対策

弊社管内における平成二十二年度の

高圧お客さまからの波及による配電線

事故は、第1図に示すとおり、47件(配

電線事故全体の3・7%)であり、昨

年の42件と比較すると12%増加してい

ます。しかし、近年で見ますと、毎年

40〜80件の波及事故が発生しており、

引き続き事故防止の取り組みが必要と

なっています。

平成二十二年度に発生した波及事故

の特徴を発生原因別の件数で見ます

と、第2図のとおり、保守不備(経年

劣化、鳥獣接触)、故意・過失(作業

者の過失、公衆の故意・過失、火災)、

自然現象(雷・暴風雨)となっており、「保

守不備」と「故意・過失」の人的要因

による波及事故が約93・6%(平成二

十一年度は83%)と大半を占めていま

す。「

保守不備」では、ケーブルや気中

開閉器、遮断器の劣化が大半を占めて

おり、この他にLBS・断路器の劣化

によるものや鳥獣接触によるものが発

生原因となっています。

「故意・過失」では、ケーブルの外

傷によるものと火災によるものが多

く、作業手順を誤ったものもありまし

た。

「自然現象」では、雷と暴風雨によ

る設備損壊によるものが発生原因で

す。次

に、波及事故の発生箇所について

見ますと、第3図のとおり、件数の多

い順に、ケーブル、遮断器、気中開閉器、

LBS・断路器、VT・CT、変圧器、

その他となっています。

その他は、高圧母線への鳥獣接触な

ど、機器類の損傷以外のケースとなっ

ています。

発生箇所別の発生原因の割合は、第

4図に示すとおりです。「ケーブル」

では、9件が経年劣化による事故であ

り、5件が作業者の過失によるもので

す。「

遮断器」については、経年劣化に

よる事故が8件、自然現象(雷)が1

件となっており、「気中開閉器」につ

いては、経年劣化による事故が7件、

自然現象(雷)によるものが1件となっ

ております。

「LBS・断路器」については、鳥獣

接触による事故が5件、経年劣化によ

る事故が1件で、「VT・CT」および「変

圧器」は、経年劣化による事故が1件

ずつ発生しています。「その他」とし

ては、火災によるものが5件、暴風雨

による設備損壊による事故が1件、高

圧母線への鳥獣接触による事故が1

件、不明が1件となっています。

また、波及事故の47件のうち、保護

範囲内での事故が11件(23%)発生し

ております。

以上の発生状況から、①人的要因事

故を減らす対策、②効果的な設備対策、

③事故範囲を拡大させない対策につい

て取り組むことにより、かなりの波及

事故を防止することが可能になると考

えられます。その観点から7つの具体

的な対策についてご紹介します。

①人的要因事故を減らす対策

ケーブルの経年劣化事故対策

ケーブルには、施工の容易さ、優れ

た電気的特性等の利点から、CVケー

ブルが数多く使用されています。

過去のCVケーブルは、半導電層が

テープ巻き方式(T̶

T方式)や外部

半導電層がテープ巻き方式(E̶

T方

式)であったため、ケーブルの絶縁体

周辺に水分が浸入し、この水分と局地

的な電界集中が原因で、絶縁体に樹枝

状に発生する絶縁劣化現象の水トリー

現象で事故に至るものです。

現在では、半導電層がテープ巻き方

式ではなく、ケーブルの内・外部半導

電層を同時押し出す方式により、水分

平成22年度

配電線への波及事故と防止について

関西電力株式会社 電力流通事業本部 ネットワークお客さま技術グループ

84

5651

42

76

42 4743

64

100114

88 92

7783

7872

84 8174

6054

2.54.2 3.9 3.6

5.73.6 3.73.0

6.64.95.4

4.1

7.28.7

77.3

13.311.9

15.614.6

7.7

4.7

0

25

50

75

100

125

150

H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H220

5

10

15

20

25

波及事故件数(件)配電線事故に占める割合(%)

その他8件 17%

変圧器1件 2% 

VT・CT1件 2%

LBS・断路器6件 13%

気中開閉器8件 17%

遮断器9件 19%

ケーブル14件 30%

N=47

保守不備34件 72.3%

自然現象3件 6.4%

故意過失10件 21.3%

9

8

7

1

1

1

1

5

5

1

1

1

5

1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

保守不備(経年劣化) 作業者の過失 公衆の過失 過失(火災) 自然現象(雷) 保守不備(鳥獣接触)

ケーブル

遮断器

気中開閉器

LBS・断路器

VT・CT

変圧器

その他

第1図 高圧お客さまからの波及事故件数と配電線事故に占める割合の推移

波及事故件数

(件)

配電線事故に占める割合

(%)

年 度

第2図 波及事故の発生原因

第3図 波及事故の発生箇所別事故割合

第4図 発生箇所別における発生原因の割合

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平成22年度 配電線への波及事故と防止について

19 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 18電気と保安 2011 11・12月号

 じ

 め

 に

近年、太陽光発電の設置件数が増加

する中、電気事業者による再生可能エ

ネルギー電気の調達に関する特別措置

法案が国会で採決されるなど、今後、

太陽光発電以外の風力や小水力などの

再生可能エネルギーが普及することが

予測されます。

また、スマートグリッドに代表され

る次世代の送配電システムやスマート

メーターの導入についても各方面で活

発に議論がなされ、電力系統を取り巻

く状況は大きく変化しようとしていま

す。そ

うした中で電力の安全・安定供給

を継続していくことは何より重要であ

り、電力会社といたしましては、電力

品質や系統信頼度の維持・向上に引き

続き取り組んでまいりたいと考えてい

ます。

また、高圧で受電されるお客さま(電

気主任技術者)におかれましては、電

気設備の管理者として、自主保安体制

を確立し、設備の保守点検による事故

の未然防止に努めていただくことが重

要になります。中でも、他のお客さま

への影響がある波及事故の防止につい

ては十分な対策を講じていただくこと

が必要です。

波及事故とは、お客さまの受電設備

で発生した事故が原因で電力会社の変

電所にある保護継電器(保護リレー)

が動作し、配電線に接続されている住

宅やビル、病院や銀行等のさまざまな

範囲に停電が広がる事故です。

波及事故が発生すると自所の損失だ

けでなく、同一配電線にて供給されて

いるお客さま(1配電線当たり平均約

一千軒)は、突然の停電とそれに伴う

大きな支障を被ることになり、操業停

止や生産停止による信用損失など、社

会的に大きな影響を及ぼすため、場合

によっては多額の損害賠償を請求され

るケースもあります。

そこで、お客さま一軒一軒が事故防

止の重要性を認識され、波及事故防止

への取り組みの一助とされることを期

待しまして、弊社管内における平成二

十二年度の波及事故の内容と、その対

策および事故防止のための基本事項に

ついて、ご紹介させていただきます。

平成二十二年度

波及事故概要

主な事故発生箇所および

その原因と対策

弊社管内における平成二十二年度の

高圧お客さまからの波及による配電線

事故は、第1図に示すとおり、47件(配

電線事故全体の3・7%)であり、昨

年の42件と比較すると12%増加してい

ます。しかし、近年で見ますと、毎年

40〜80件の波及事故が発生しており、

引き続き事故防止の取り組みが必要と

なっています。

平成二十二年度に発生した波及事故

の特徴を発生原因別の件数で見ます

と、第2図のとおり、保守不備(経年

劣化、鳥獣接触)、故意・過失(作業

者の過失、公衆の故意・過失、火災)、

自然現象(雷・暴風雨)となっており、「保

守不備」と「故意・過失」の人的要因

による波及事故が約93・6%(平成二

十一年度は83%)と大半を占めていま

す。「

保守不備」では、ケーブルや気中

開閉器、遮断器の劣化が大半を占めて

おり、この他にLBS・断路器の劣化

によるものや鳥獣接触によるものが発

生原因となっています。

「故意・過失」では、ケーブルの外

傷によるものと火災によるものが多

く、作業手順を誤ったものもありまし

た。

「自然現象」では、雷と暴風雨によ

る設備損壊によるものが発生原因で

す。次

に、波及事故の発生箇所について

見ますと、第3図のとおり、件数の多

い順に、ケーブル、遮断器、気中開閉器、

LBS・断路器、VT・CT、変圧器、

その他となっています。

その他は、高圧母線への鳥獣接触な

ど、機器類の損傷以外のケースとなっ

ています。

発生箇所別の発生原因の割合は、第

4図に示すとおりです。「ケーブル」

では、9件が経年劣化による事故であ

り、5件が作業者の過失によるもので

す。「

遮断器」については、経年劣化に

よる事故が8件、自然現象(雷)が1

件となっており、「気中開閉器」につ

いては、経年劣化による事故が7件、

自然現象(雷)によるものが1件となっ

ております。

「LBS・断路器」については、鳥獣

接触による事故が5件、経年劣化によ

る事故が1件で、「VT・CT」および「変

圧器」は、経年劣化による事故が1件

ずつ発生しています。「その他」とし

ては、火災によるものが5件、暴風雨

による設備損壊による事故が1件、高

圧母線への鳥獣接触による事故が1

件、不明が1件となっています。

また、波及事故の47件のうち、保護

範囲内での事故が11件(23%)発生し

ております。

以上の発生状況から、①人的要因事

故を減らす対策、②効果的な設備対策、

③事故範囲を拡大させない対策につい

て取り組むことにより、かなりの波及

事故を防止することが可能になると考

えられます。その観点から7つの具体

的な対策についてご紹介します。

①人的要因事故を減らす対策

ケーブルの経年劣化事故対策

ケーブルには、施工の容易さ、優れ

た電気的特性等の利点から、CVケー

ブルが数多く使用されています。

過去のCVケーブルは、半導電層が

テープ巻き方式(T̶

T方式)や外部

半導電層がテープ巻き方式(E̶

T方

式)であったため、ケーブルの絶縁体

周辺に水分が浸入し、この水分と局地

的な電界集中が原因で、絶縁体に樹枝

状に発生する絶縁劣化現象の水トリー

現象で事故に至るものです。

現在では、半導電層がテープ巻き方

式ではなく、ケーブルの内・外部半導

電層を同時押し出す方式により、水分

平成22年度

配電線への波及事故と防止について

関西電力株式会社 電力流通事業本部 ネットワークお客さま技術グループ

84

5651

42

76

42 4743

64

100114

88 92

7783

7872

84 8174

6054

2.54.2 3.9 3.6

5.73.6 3.73.0

6.64.95.4

4.1

7.28.7

77.3

13.311.9

15.614.6

7.7

4.7

0

25

50

75

100

125

150

H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H220

5

10

15

20

25

波及事故件数(件)配電線事故に占める割合(%)

その他8件 17%

変圧器1件 2% 

VT・CT1件 2%

LBS・断路器6件 13%

気中開閉器8件 17%

遮断器9件 19%

ケーブル14件 30%

N=47

保守不備34件 72.3%

自然現象3件 6.4%

故意過失10件 21.3%

9

8

7

1

1

1

1

5

5

1

1

1

5

1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

保守不備(経年劣化) 作業者の過失 公衆の過失 過失(火災) 自然現象(雷) 保守不備(鳥獣接触)

ケーブル

遮断器

気中開閉器

LBS・断路器

VT・CT

変圧器

その他

第1図 高圧お客さまからの波及事故件数と配電線事故に占める割合の推移

波及事故件数

(件)

配電線事故に占める割合

(%)

年 度

第2図 波及事故の発生原因

第3図 波及事故の発生箇所別事故割合

第4図 発生箇所別における発生原因の割合

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平成22年度 配電線への波及事故と防止について

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号21 20

の浸入や局部的電界集中が発生しにく

いE̶

E方式が主流であり、信頼性が

飛躍的に向上しています。

こうしたことから、定期的な絶縁劣

化診断を行う等の保守管理を確実に実

施するとともに、テープ巻き方式の古

いケーブルについては、計画的に取り

替えることをお勧めします。

ケーブルの外傷事故対策

外傷事故の具体的事例としまして、

土木工事業者等が作業中に埋設ケーブ

ル等に外傷を与え、波及事故に至った

ものが挙げられ、過去から毎年数件発

生しています。

電気主任技術者が常駐でない高圧お

客さまにつきましては、受電設備付近

およびケーブルが埋設されているルー

ト付近の掘削工事の際には、電気工事

と関連がない場合でも自主保安の観点

から電気主任技術者の方に連絡するよ

うに注意を促すとともに、電気主任技

術者の方も、日頃からお客さまとの連

絡を密にし、このような工事がある場

合は事前に連絡が入るような体制を構

築しておくことが重要です。

また、設備を構築する際の外傷防止

策として、地中ケーブルの埋設位置に

標柱・標石を設置することや掘削中で

も地中ケーブルが分かるようにケーブ

ル埋設上部にケーブル標識シートを埋

設することが外傷防止に効果があると

考えられます。

なお、掘削工事の際はできる限り現

場工事の立会を実施するようにお願い

します。

気中開閉器の経年劣化事故対策

気中開閉器の経年劣化による事故防

止については、日常点検時に目視にて

外箱の損傷や発錆、碍子の破損やひび

割れの有無を確認することが重要で

す。劣化が確認された場合は、気中開

閉器の精密点検を行い、不良状況に応

じて、設備更新を実施するようにお願

いします。

遮断器の経年劣化事故対策

遮断器の経年劣化による事故防止に

ついても気中開閉器と同様、日常点検

や精密点検が重要であり、絶縁部分に

汚れや亀裂等はないか確認すること

や、発錆や変色の有無についても確認

することが重要であり、異常が発見さ

れた場合は、修理または設備更新を実

施するようにお願い致します。

②効果的な設備対策

気中開閉器の雷対策

雷による事故の約4割は気中開閉器

が発生箇所となっています。雷による

機器の損傷を防止するための有効な対

策として、避雷器の取付けが挙げられ

ます。最近では避雷器内蔵タイプの開

閉器(GR付きであれば、波及事故防

止にも効果的)もあります。

また、雷発生時には事故とならず、

後日になってブッシング亀裂・破損、

開閉器の動作不良となって事故に至る

こともあるため、襲雷後には、入念な

点検が必要です。

受電設備への

 

小動物侵入防止対策

LBS・断路器や高圧母線へのネズ

ミや鳥の接触が原因となった波及事故

は平成二十二年度に6件発生しており

ます。

最近の受電設備は主にキュービクル

タイプとなっているので、キュービク

ルは密閉されているように見えます

が、通気孔、低圧側配管などに隙間が

あり、また、経年により錆で穴が開く

場合もあります。特に、ヘビ、ネズミ、

ヤモリ等は、直径10㎜以上の穴がある

と侵入する恐れがあります。(ヘビに

ついては10㎜未満の穴を侵入した例も

あります。)したがって、小動物の侵

入経路となるような隙間は、シール材

などによる閉塞処置やパンチングメタ

ルによる防護が必要です。また、限流

ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器・変

圧器・コンデンサなどの充電部に、絶

縁バリアや保護カバーを取り付けるこ

とは、万一小動物が侵入した場合に効

果的です。

③事故範囲を拡大させない対策

保護装置の確実な動作への対策

保護装置(保護リレー)は受電設備

に故障が発生した場合、すみやかに故

障区間を切離し、故障の拡大、設備の

損壊ならびに人身事故の防止を図ると

ともに、系統への影響を最小限にとど

めることを目的として設置されている

ものです。

しかしながら、平成二十二年度に発

生した波及事故のうち保護範囲内での

事故が11件(23%)発生しております

が、これは、GRの電源が喪失したこ

とによって、保護装置が正常に動作せ

ず、波及事故に至ったものです。また、

過年度には受電設備点検等の際に発生

しているケースもありますが、これは、

点検作業中、保護装置をロックしてい

たと想定されるものが見受けられま

す。以上を踏まえて、以下の点に留意

されますようにお願いします。

①GRの電源喪失事故防止策として、

GRの電源については、専用電源に

より供給する、もしくは停電補償付

きのGRを設置する。

②地絡継電器(GR)試験の際は単に

GRのテストボタンによる動作確認

だけではなく、GRと開閉器を組み

合わせた連動試験を実施する。

③ヒューマンエラー防止として、保護

装置の電源など開放してはならない

電源には「開放厳禁」の表示とその

理由を明記したものを張り付け、

誤って開放しないようにしておく。

事故防止のための

基本事項

以上、波及事故の発生状況をもとに、

波及事故の未然防止に効果的な対策に

ついて述べましたが、ここでもう一度

事故防止のための基本事項をまとめて

おきます。

①電気設備は、天候や周辺環境および

第三者や小動物などの影響を受けに

くい場所に設置し、かつ機器の構成

はできるだけ簡略化を図り保守が容

易な形態とする。

②ケーブルや機器は信頼性の高いもの

を使用するとともに、施工は適正か

つ完全に行う。特に事故原因箇所の

上位を占めるケーブルについては、

常にお客さまへのコンサルティング

を実施した上で、計画的な取り替え

を実施する。

③保護装置は確実な動作をさせるため

に、機器との連動試験等を短い周期

で定期的に実施する。

④充電部は作業者、その他の者が誤っ

て接触し、感電することのないよう

に十分な離隔を確保するとともに、

絶縁バリアや保護カバーを取り付け

る。

⑤電気主任技術者はもちろん、電気設

備の取扱者は、電気設備の配線ルー

ト(地中埋設ルート等)、性能等、

の施設状況を常に把握しておく。ま

た、設備保全に関する記録等を整理

し、要注意と判定された機器や年数

の経過した機器については、重点管

理を行う。

⑥保安規程に基づき、適切な日常点検、

定期点検等を確実に実施する。

⑦受電設備その他主要な機器の周辺は

常に整理整頓し、保守点検を安全に

行える環境にしておく。

⑧電気設備の工事および保守作業時に

は、必要な安全措置を確実に実施し、

安全作業に徹する。

⑨電気設備以外の工事の際にも設備へ

の影響を考慮して、工事施工会社等

との十分な打ち合わせを行う。

⑩事故時連絡体制を確立しておくとと

もに事故復旧手順の整備、事故発生

時の対応方法を関係者に周知してお

く。

 わ

 り

 に

高圧受電設備は、電力会社の配電線

と直接接続されているため、高圧受電

設備の信頼度が配電線の信頼度に大き

く影響を与えます。お客さま構内事故

の波及による影響については、十分に

認識いただいていると思いますが、今

一度、保守・保安体制を見直していた

だき、事故の未然防止に取り組んでい

ただければと思います。

弊社におきましても、引き続き供給

信頼度の維持向上に取り組んでまいり

ますので、弊社の活動に対するご理解、

ご協力をお願いするとともに、日頃か

らの継続的な保守点検等の実施を今一

度お願いします。なお、事故発生時に

は早期復旧のため、事故情報をできる

だけ早く弊社営業所まで連絡していた

だくことも併せてお願い致します。

[(社)日本電気協会「高圧受電設備規程2008」資料編 1-3-4番 各機器の更新推奨時期 抜粋]

(参考)汎用高圧機器の更新推奨時期

高圧交流負荷開閉器

断路器

避雷器交流遮断器 計器用変成器保護継電器

高圧限流ヒューズ

高圧交流電磁接触器高圧進相コンデンサ直流リアクトル、放電コイル高圧配電用変圧器

屋 内 用屋 外 用手動操作動力操 作

屋 内 用屋 外 用

15年 又は負荷電流開閉回数200回10年 又は負荷電流開閉回数200回20年 又は操作回数1,000回20年 又は操作回数10,000回15年20年 又は規定開閉回数 15年15年15年10年15年 又は規定開閉回数 15年15年20年

更新推奨年機 器 名

最近、訪問業者の中に、「分電盤の清掃です。管理者の許可をもらって来た」などと言葉巧みに従業員の方に説明し、「清掃が必要なのでサインして下さい」と、契約書(注文申込書)にサインさせて高額な料金をその場で請求する手口が各地域で発生しています。特に清掃後にサインすると、支払い拒否が困難な状況となってしまいます。安易にサインをしないようご注意下さい。

従業員の方は、出入りの業者と勘違いされるケースが多いので、従業員の方にも安易にサインをしないよう周知徹底をお願いいたします。

分電盤清掃業者にご注意下さい!そのサイン待った!!

!

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平成22年度 配電線への波及事故と防止について

(財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号21 20

の浸入や局部的電界集中が発生しにく

いE̶

E方式が主流であり、信頼性が

飛躍的に向上しています。

こうしたことから、定期的な絶縁劣

化診断を行う等の保守管理を確実に実

施するとともに、テープ巻き方式の古

いケーブルについては、計画的に取り

替えることをお勧めします。

ケーブルの外傷事故対策

外傷事故の具体的事例としまして、

土木工事業者等が作業中に埋設ケーブ

ル等に外傷を与え、波及事故に至った

ものが挙げられ、過去から毎年数件発

生しています。

電気主任技術者が常駐でない高圧お

客さまにつきましては、受電設備付近

およびケーブルが埋設されているルー

ト付近の掘削工事の際には、電気工事

と関連がない場合でも自主保安の観点

から電気主任技術者の方に連絡するよ

うに注意を促すとともに、電気主任技

術者の方も、日頃からお客さまとの連

絡を密にし、このような工事がある場

合は事前に連絡が入るような体制を構

築しておくことが重要です。

また、設備を構築する際の外傷防止

策として、地中ケーブルの埋設位置に

標柱・標石を設置することや掘削中で

も地中ケーブルが分かるようにケーブ

ル埋設上部にケーブル標識シートを埋

設することが外傷防止に効果があると

考えられます。

なお、掘削工事の際はできる限り現

場工事の立会を実施するようにお願い

します。

気中開閉器の経年劣化事故対策

気中開閉器の経年劣化による事故防

止については、日常点検時に目視にて

外箱の損傷や発錆、碍子の破損やひび

割れの有無を確認することが重要で

す。劣化が確認された場合は、気中開

閉器の精密点検を行い、不良状況に応

じて、設備更新を実施するようにお願

いします。

遮断器の経年劣化事故対策

遮断器の経年劣化による事故防止に

ついても気中開閉器と同様、日常点検

や精密点検が重要であり、絶縁部分に

汚れや亀裂等はないか確認すること

や、発錆や変色の有無についても確認

することが重要であり、異常が発見さ

れた場合は、修理または設備更新を実

施するようにお願い致します。

②効果的な設備対策

気中開閉器の雷対策

雷による事故の約4割は気中開閉器

が発生箇所となっています。雷による

機器の損傷を防止するための有効な対

策として、避雷器の取付けが挙げられ

ます。最近では避雷器内蔵タイプの開

閉器(GR付きであれば、波及事故防

止にも効果的)もあります。

また、雷発生時には事故とならず、

後日になってブッシング亀裂・破損、

開閉器の動作不良となって事故に至る

こともあるため、襲雷後には、入念な

点検が必要です。

受電設備への

 

小動物侵入防止対策

LBS・断路器や高圧母線へのネズ

ミや鳥の接触が原因となった波及事故

は平成二十二年度に6件発生しており

ます。

最近の受電設備は主にキュービクル

タイプとなっているので、キュービク

ルは密閉されているように見えます

が、通気孔、低圧側配管などに隙間が

あり、また、経年により錆で穴が開く

場合もあります。特に、ヘビ、ネズミ、

ヤモリ等は、直径10㎜以上の穴がある

と侵入する恐れがあります。(ヘビに

ついては10㎜未満の穴を侵入した例も

あります。)したがって、小動物の侵

入経路となるような隙間は、シール材

などによる閉塞処置やパンチングメタ

ルによる防護が必要です。また、限流

ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器・変

圧器・コンデンサなどの充電部に、絶

縁バリアや保護カバーを取り付けるこ

とは、万一小動物が侵入した場合に効

果的です。

③事故範囲を拡大させない対策

保護装置の確実な動作への対策

保護装置(保護リレー)は受電設備

に故障が発生した場合、すみやかに故

障区間を切離し、故障の拡大、設備の

損壊ならびに人身事故の防止を図ると

ともに、系統への影響を最小限にとど

めることを目的として設置されている

ものです。

しかしながら、平成二十二年度に発

生した波及事故のうち保護範囲内での

事故が11件(23%)発生しております

が、これは、GRの電源が喪失したこ

とによって、保護装置が正常に動作せ

ず、波及事故に至ったものです。また、

過年度には受電設備点検等の際に発生

しているケースもありますが、これは、

点検作業中、保護装置をロックしてい

たと想定されるものが見受けられま

す。以上を踏まえて、以下の点に留意

されますようにお願いします。

①GRの電源喪失事故防止策として、

GRの電源については、専用電源に

より供給する、もしくは停電補償付

きのGRを設置する。

②地絡継電器(GR)試験の際は単に

GRのテストボタンによる動作確認

だけではなく、GRと開閉器を組み

合わせた連動試験を実施する。

③ヒューマンエラー防止として、保護

装置の電源など開放してはならない

電源には「開放厳禁」の表示とその

理由を明記したものを張り付け、

誤って開放しないようにしておく。

事故防止のための

基本事項

以上、波及事故の発生状況をもとに、

波及事故の未然防止に効果的な対策に

ついて述べましたが、ここでもう一度

事故防止のための基本事項をまとめて

おきます。

①電気設備は、天候や周辺環境および

第三者や小動物などの影響を受けに

くい場所に設置し、かつ機器の構成

はできるだけ簡略化を図り保守が容

易な形態とする。

②ケーブルや機器は信頼性の高いもの

を使用するとともに、施工は適正か

つ完全に行う。特に事故原因箇所の

上位を占めるケーブルについては、

常にお客さまへのコンサルティング

を実施した上で、計画的な取り替え

を実施する。

③保護装置は確実な動作をさせるため

に、機器との連動試験等を短い周期

で定期的に実施する。

④充電部は作業者、その他の者が誤っ

て接触し、感電することのないよう

に十分な離隔を確保するとともに、

絶縁バリアや保護カバーを取り付け

る。

⑤電気主任技術者はもちろん、電気設

備の取扱者は、電気設備の配線ルー

ト(地中埋設ルート等)、性能等、

の施設状況を常に把握しておく。ま

た、設備保全に関する記録等を整理

し、要注意と判定された機器や年数

の経過した機器については、重点管

理を行う。

⑥保安規程に基づき、適切な日常点検、

定期点検等を確実に実施する。

⑦受電設備その他主要な機器の周辺は

常に整理整頓し、保守点検を安全に

行える環境にしておく。

⑧電気設備の工事および保守作業時に

は、必要な安全措置を確実に実施し、

安全作業に徹する。

⑨電気設備以外の工事の際にも設備へ

の影響を考慮して、工事施工会社等

との十分な打ち合わせを行う。

⑩事故時連絡体制を確立しておくとと

もに事故復旧手順の整備、事故発生

時の対応方法を関係者に周知してお

く。

 わ

 り

 に

高圧受電設備は、電力会社の配電線

と直接接続されているため、高圧受電

設備の信頼度が配電線の信頼度に大き

く影響を与えます。お客さま構内事故

の波及による影響については、十分に

認識いただいていると思いますが、今

一度、保守・保安体制を見直していた

だき、事故の未然防止に取り組んでい

ただければと思います。

弊社におきましても、引き続き供給

信頼度の維持向上に取り組んでまいり

ますので、弊社の活動に対するご理解、

ご協力をお願いするとともに、日頃か

らの継続的な保守点検等の実施を今一

度お願いします。なお、事故発生時に

は早期復旧のため、事故情報をできる

だけ早く弊社営業所まで連絡していた

だくことも併せてお願い致します。

[(社)日本電気協会「高圧受電設備規程2008」資料編 1-3-4番 各機器の更新推奨時期 抜粋]

(参考)汎用高圧機器の更新推奨時期

高圧交流負荷開閉器

断路器

避雷器交流遮断器 計器用変成器保護継電器

高圧限流ヒューズ

高圧交流電磁接触器高圧進相コンデンサ直流リアクトル、放電コイル高圧配電用変圧器

屋 内 用屋 外 用手動操作動力操 作

屋 内 用屋 外 用

15年 又は負荷電流開閉回数200回10年 又は負荷電流開閉回数200回20年 又は操作回数1,000回20年 又は操作回数10,000回15年20年 又は規定開閉回数 15年15年15年10年15年 又は規定開閉回数 15年15年20年

更新推奨年機 器 名

最近、訪問業者の中に、「分電盤の清掃です。管理者の許可をもらって来た」などと言葉巧みに従業員の方に説明し、「清掃が必要なのでサインして下さい」と、契約書(注文申込書)にサインさせて高額な料金をその場で請求する手口が各地域で発生しています。特に清掃後にサインすると、支払い拒否が困難な状況となってしまいます。安易にサインをしないようご注意下さい。

従業員の方は、出入りの業者と勘違いされるケースが多いので、従業員の方にも安易にサインをしないよう周知徹底をお願いいたします。

分電盤清掃業者にご注意下さい!そのサイン待った!!

!

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2223 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

 当協会の京都支部では、電気エネルギーに携わる事業者として自ら環境負荷低減に努め、また、お客さまの環境負荷低減への助言・支援することを意図し、KES・環境マネジメントシステム・スタンダード※1に取り組んでいます。 京都支部では設備の運用上の工夫により省エネルギーに取り組んでまいりましたが、限度があったため、平成22年度の国土交通省「建設物省エネ改修事業」の補助金を受け、設備の改修工事を実施しました。改修内容としては、点灯時間の長い照明器具を消費効率の良いLED照明への更新と日射調整フィルムの取り付け、および老朽化している空調機を省エネ機器への取り替えを実施しました。※1:京都発、京のアジェンダ21フォーラムから生まれた環境経営基準   です。

 効果については、まず照明では既存器具をそのまま使用し、直営にて配線変更を行い直管式LED照明(40Wタイプ174本)に取り替え、電灯回路の負荷を実測検証しました。結果、最大デマンド※2は約4kWの削減、1日あたりの消費電力量は約62kWhの削減につながり(図1参照)、電気料金の年間削減額は324千円となり、取り替え費用(工事費込15千円/本)を削減額で割った回収年数は約8年となりました。机上の照度(明るさ)も検証したところ、場所により30%から40%ほどの向上が図れています。※2:30分間における平均使用電力の最大値。この値が向こう1年間に   おける電気の基本料金の算定となる契約電力の値となります。

設備改修工事による省エネルギーの成果

デマンド監視システムなど電気の省エネについて、お気軽にご相談ください。

これからも「まごころ」こめて

電気の安全・安心、届けます

電気事故防止や省エネルギーなどを解説す

る講習会を開催しています。どなたでも無料

でご参加いただけますので、奮ってお申込みく

ださい。参加希

望の方は、主催

支部へお問い合

わせください。

※当協会ホー

ムページから

も申込みを

受付けして

います。

平成23年度

電気保安講習会のご案内

去る8月31日に、帝国ホテル大阪にて表彰式が行われました。お祝い申し上げます。*受賞内容は、前回号(No.445)をご覧ください。

前列向かって右より、当協会 宮本理事長、㈱杉村倉庫ご代表、㈱中島重久堂ご代表、㈱DNPロジスティクスご代表、当協会 蝦田専務理事、後列向かって右より、当協会 首藤常務理事、社会福祉法人京都博愛会ご代表、北村電機㈱ご代表、㈱フェニックスご代表、大津赤十字志賀病院ご代表、当協会 杉原保安部長

平成23年度 電気保安功労者表彰

当協会は11〜12月の2ヵ月

間を「お客さま感謝月間」と

定め、さまざまな活動を行い

ます。月間中は、お客さま及

び関係先を訪問し、日頃のご

愛顧・ご協力への感謝と積極

的な対話活動を推進し、電

気保安を通じての貢献活動

を展開します。

○対話活動の推進

お客さまからご意見・ご要

望をお聞きし、的確・迅速に

取り組んでいきます。

○各種講習会の実施

電気安全や省エネ、体験学

習などの講習会を無料で実

施します。

○地域社会への貢献

公共施設等の特別点検や

電気設備の清掃、地域の美化

活動などを実施します。

11月8日(火)13時30分~16時45分11月10日(木)13時30分~16時45分11月14日(月)13時30分~16時30分11月15日(火)13時30分~16時30分11月18日(金)13時30分~16時45分11月18日(金)14時00分~16時30分

神戸市中央区下山手通4-16-3兵庫県民会館 けんみんホール

たつの市龍野町富永たつの市青少年会館

三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿1147-2紀宝町生涯学習センター和歌山県田辺市新庄町3353-9和歌山県立情報交流センターBig・U

加東市三草1175やしろ国際学習塾

大阪市浪速区稲荷2丁目4番3号大阪市立 浪速区民センター

神 戸 支 部技 術 部(078)882-3471 姫 路 支 部技 術 部(079)235-7133和 歌 山 支 部技 術 部(073)445-2897和 歌 山 支 部技 術 部(073)445-2897 姫 路 支 部技 術 部(079)235-7133大 阪 西 支 部技 術 部(06)6538-8750

日 時 会 場 主催支部/連絡先

 次に空調機については、当協会がお客さまに提供しているデマンド監視システムと空調機自動制御のシステムも駆使して、よりきめ細かい制御のもと徹底した電力管理を行いました。 今回の設備改修にともなう全体の削減効果としては、平成22年度と比較したところ、最大デマンドが14.1kWの削減(▲32%)となり、消費電力量(4月~8月までの実績)は19,925kWhの削減(▲35%)となりました。(図2参照)

 電気の省エネルギーは、使用状況の「データの見える化」がたいへん役に立ちます。今後、これらの検証結果を活用し、お客さまへの省エネルギーの取り組みに積極的に協力していきたいと考えています。

既存の照明器具を利用してLED化

体験学習の風景清掃風景

0

2

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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23時

kW

デマンド約4kW削減

1日平均の消費電力量は約62kWh削減

図1 電灯回路の計測データの比較(平日平均)

前年度同月比較

H22年度デマンド

H23年度デマンド

43.7kW H22/8/25 

▲14.1kW

29.6kW H23/8/10

消費電力量

4~8月累計の消費電力量19,925kWh減 (▲35%)

前年度との比較

H22年度デマンド

H23年度デマンド

43.7kW H22/8/25 

▲14.1kW

前年度同月比較8月の最大日比較

H22ピーク 43.7kW

H22/8/25

H23ピーク 29.6kW

▲14.1kW

H22年10月平均ロードカーブ

H23年4月平均ロードカーブ

H23/8/10

図2 デマンドWebサービス画面

Page 23: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

2223 (財)関 西 電 気 保 安 協 会 電気と保安 2011 11・12月号

 当協会の京都支部では、電気エネルギーに携わる事業者として自ら環境負荷低減に努め、また、お客さまの環境負荷低減への助言・支援することを意図し、KES・環境マネジメントシステム・スタンダード※1に取り組んでいます。 京都支部では設備の運用上の工夫により省エネルギーに取り組んでまいりましたが、限度があったため、平成22年度の国土交通省「建設物省エネ改修事業」の補助金を受け、設備の改修工事を実施しました。改修内容としては、点灯時間の長い照明器具を消費効率の良いLED照明への更新と日射調整フィルムの取り付け、および老朽化している空調機を省エネ機器への取り替えを実施しました。※1:京都発、京のアジェンダ21フォーラムから生まれた環境経営基準   です。

 効果については、まず照明では既存器具をそのまま使用し、直営にて配線変更を行い直管式LED照明(40Wタイプ174本)に取り替え、電灯回路の負荷を実測検証しました。結果、最大デマンド※2は約4kWの削減、1日あたりの消費電力量は約62kWhの削減につながり(図1参照)、電気料金の年間削減額は324千円となり、取り替え費用(工事費込15千円/本)を削減額で割った回収年数は約8年となりました。机上の照度(明るさ)も検証したところ、場所により30%から40%ほどの向上が図れています。※2:30分間における平均使用電力の最大値。この値が向こう1年間に   おける電気の基本料金の算定となる契約電力の値となります。

設備改修工事による省エネルギーの成果

デマンド監視システムなど電気の省エネについて、お気軽にご相談ください。

これからも「まごころ」こめて

電気の安全・安心、届けます

電気事故防止や省エネルギーなどを解説す

る講習会を開催しています。どなたでも無料

でご参加いただけますので、奮ってお申込みく

ださい。参加希

望の方は、主催

支部へお問い合

わせください。

※当協会ホー

ムページから

も申込みを

受付けして

います。

平成23年度

電気保安講習会のご案内

去る8月31日に、帝国ホテル大阪にて表彰式が行われました。お祝い申し上げます。*受賞内容は、前回号(No.445)をご覧ください。

前列向かって右より、当協会 宮本理事長、㈱杉村倉庫ご代表、㈱中島重久堂ご代表、㈱DNPロジスティクスご代表、当協会 蝦田専務理事、後列向かって右より、当協会 首藤常務理事、社会福祉法人京都博愛会ご代表、北村電機㈱ご代表、㈱フェニックスご代表、大津赤十字志賀病院ご代表、当協会 杉原保安部長

平成23年度 電気保安功労者表彰

当協会は11〜12月の2ヵ月

間を「お客さま感謝月間」と

定め、さまざまな活動を行い

ます。月間中は、お客さま及

び関係先を訪問し、日頃のご

愛顧・ご協力への感謝と積極

的な対話活動を推進し、電

気保安を通じての貢献活動

を展開します。

○対話活動の推進

お客さまからご意見・ご要

望をお聞きし、的確・迅速に

取り組んでいきます。

○各種講習会の実施

電気安全や省エネ、体験学

習などの講習会を無料で実

施します。

○地域社会への貢献

公共施設等の特別点検や

電気設備の清掃、地域の美化

活動などを実施します。

11月8日(火)13時30分~16時45分11月10日(木)13時30分~16時45分11月14日(月)13時30分~16時30分11月15日(火)13時30分~16時30分11月18日(金)13時30分~16時45分11月18日(金)14時00分~16時30分

神戸市中央区下山手通4-16-3兵庫県民会館 けんみんホール

たつの市龍野町富永たつの市青少年会館

三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿1147-2紀宝町生涯学習センター和歌山県田辺市新庄町3353-9和歌山県立情報交流センターBig・U

加東市三草1175やしろ国際学習塾

大阪市浪速区稲荷2丁目4番3号大阪市立 浪速区民センター

神 戸 支 部技 術 部(078)882-3471 姫 路 支 部技 術 部(079)235-7133和 歌 山 支 部技 術 部(073)445-2897和 歌 山 支 部技 術 部(073)445-2897 姫 路 支 部技 術 部(079)235-7133大 阪 西 支 部技 術 部(06)6538-8750

日 時 会 場 主催支部/連絡先

 次に空調機については、当協会がお客さまに提供しているデマンド監視システムと空調機自動制御のシステムも駆使して、よりきめ細かい制御のもと徹底した電力管理を行いました。 今回の設備改修にともなう全体の削減効果としては、平成22年度と比較したところ、最大デマンドが14.1kWの削減(▲32%)となり、消費電力量(4月~8月までの実績)は19,925kWhの削減(▲35%)となりました。(図2参照)

 電気の省エネルギーは、使用状況の「データの見える化」がたいへん役に立ちます。今後、これらの検証結果を活用し、お客さまへの省エネルギーの取り組みに積極的に協力していきたいと考えています。

既存の照明器具を利用してLED化

体験学習の風景清掃風景

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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23時

kW

デマンド約4kW削減

1日平均の消費電力量は約62kWh削減

図1 電灯回路の計測データの比較(平日平均)

前年度同月比較

H22年度デマンド

H23年度デマンド

43.7kW H22/8/25 

▲14.1kW

29.6kW H23/8/10

消費電力量

4~8月累計の消費電力量19,925kWh減 (▲35%)

前年度との比較

H22年度デマンド

H23年度デマンド

43.7kW H22/8/25 

▲14.1kW

前年度同月比較8月の最大日比較

H22ピーク 43.7kW

H22/8/25

H23ピーク 29.6kW

▲14.1kW

H22年10月平均ロードカーブ

H23年4月平均ロードカーブ

H23/8/10

図2 デマンドWebサービス画面

Page 24: 電気と保安 202011 11 11111122月号 - ksdh.or.jp3 (財)関西電気保安協会 電気と保安 2011 11・12月号 2 は じ め に 原子力安全・保安院では、自家用

平成23年11月1日発行

発行所/(〒530‐0057)大阪市北区曾根崎1丁目2番6号

印刷所/ (〒541‐0047)大阪市中央区淡路町1丁目7番3号 日土地堺筋ビル

日本写真印刷株式会社 電話06(6232)2701(代表)

財団法人 関西電気保安協会電話06(6363)0731(代表)

電気と保安2011

 11・12月号(通巻第446号)

停電時などの緊急時の連絡方法は万全ですか

保管場所がわかるようにしておきましょう

 電気事故による急な停電、故障が発生すると、あわててしまいがちです。特に、連絡責任者以外の従業員、各テナントの方々など、契約先、連絡先がわからない場合があります。 いざという時のために、緊急時の連絡方法の周知、徹底をお願いします。

24時間365日 迅速な対応を行っています。万一のときもお任せください。緊急時の連絡系統図がさらにご入用であれば、担当技術員にお申し付けください。

 葉書またはホームページより奮ってご応

募ください。正解者の中から抽選で、30名

様に当協会オリジナル図書カードを差し上

げます。当選者は記念品の発送をもって発

表にかえさせていただきます。

 葉書の方は、答え、住所(〒)、氏名、で

きれば勤務先とその住所、および、本誌を

ご覧いただいた感想などをご記入のうえ、

〒530 0057

大阪市北区曽根崎1丁目2番6号

 関西電気保安協会 広報部あて

お送りください。

 ホームページからの方は、応募フォーム

に答えと必要事項を入力してご応募くださ

い。

 締切日平成24年1月10日(当日消印有効)

 平成23年7・8月号では、応募総数245

(正解:

同数)通と、多数の方にご回答いただ

き、ありがとうございました。

※本クイズに応募されましたお客さまの個人情報は、クイズ

当選者への記念品の発送、および、ご質問などに対する回答

目的に使用し、他の目的には一切使用いたしません。

平成23年9・10月号解答

  雷

(財)

▼問題▲

 大阪市の平成23年秋の火災予防

運動における防火標語について、左

記の○の二文字に当てはまる漢字を

お答えください。

 おおさかに

広がれ○○と

防火力

(本誌9ページ参照)

構 内停電事故 感  電

発 見 者

事 業 場 設 置 者連絡責任者(または同代務者)

火  災構 内電気設備事 故

緊急時の連絡系統図

関 西 電 力 消 防 署(救急車)

電気工事会社

中部近畿産業保安監督部近畿支部

関西電気保安協会〇〇技術センター

(00)0000-0000119

労働基準監 督 署

警 察 署

110

異常が起こったときは、契約番号、お客さまの名前、事故の内容をご連絡ください。

契約番号裏面の「注意事項」もあわせてお読みください。

24時間 365日

壁に掛ける 確認できる状態で棚に

置く壁に貼る

電気保安袋 確認できない状態になっていませんか?

こんな時のために!!

困ったなぁ~停電復旧の連絡はどこにすればいいのかわからない…

お客さまへのお知らせ

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