一般 小論文 傾向 対策 -...

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54 一般 入試 54 方式 日程 学部学科 出題内容 学芸学部国文学科 次のア、イ、ウの中からいずれかを選び、800字程度でまとめなさい。 ア.自分が好きな作家と作品をあげ、他の人が読みたくなるような紹介文を書きなさい。 イ.大阪のことばや文化について、他の地域の人にも分かるように説明しなさい。 ウ.自分が今までに書いた小説やエッセイなどについて内容、苦労した点などを説明しなさい。 学芸学部国際英語学科 日本で暮らす外国籍の人々の中で「日本語」が自由に話せない人々に対して、あなたが支援すること を求められたら、どのようなことをするでしょうか。あなたの行動とその理由を述べてください。 (1,000字程度) 学芸学部 化粧ファッ ション学科 ファッション学 衣服の購入時に、あなたが配慮する点を3つあげ、その理由を述べなさい。(600字以上800字以内) 化粧学 インスタグラムなどの SNS で目を大きく見せたり、肌を白く見せるなど「加工」することについて、 あなたの意見を書きなさい。(600字以上800字以内) 学芸学部ライフプランニング学科 少子超高齢社会の進展による労働力人口の減少で、女性・高齢者の労働力の活用、柔軟な働き方が 注目されている。別紙の新聞記事を読み、以下の問いに対するあなたの考えを、800~1,000字程度に まとめなさい。 〈問い〉 ・今、労働環境で起こっている3つの怪奇現象について、その内容を簡単にまとめなさい。 ・柔軟な働き方の良い点と問題点についてあなた自身の考えを書きなさい。 〈別紙資料〉 平成29年7月15日付 毎日新聞記事 学芸学部心理学科 「叱る」ことと「褒める」ことには、それぞれどのようなメリットやどのようなデメリットがあります か。800~1,000字で論じなさい。 健康栄養学部健康栄養学科 超高齢社会における栄養の問題点と、この問題を解決するために栄養士・管理栄養士としてどのよ うな取り組みができるかを論じなさい。(800字以上1,000字以内) 児童教育学部児童教育学科 昨今、水泳、卓球、陸上競技など世界で活躍する若者が増えてきています。試合だけでなく勝利者イ ンタビューでも感動を与えるようなコメントをしています。あなたは、活躍したときに周りの人にど のようなことが言える子供になってほしいですか。話の内容とその理由を800字程度で述べなさい。 15 学芸学部国文学科 自分が話している方言について、共通語と比較しながら具体的な違いをまとめ、共通語と方言の役 割について、800字程度でまとめなさい。 学芸学部国際英語学科 あなたが自分の英語力を活かして1年間外国で働くチャンスがあるとしたら、どこの国に行き、ど んなことをしたいですか。その理由も添えて説明して下さい。(800~1,000字程度) 学芸学部化粧ファッション学科 化粧学 小学1年生の子供が金髪にすることに関して、あなたは賛成か反対か。はじめに賛成か反対かを明 言し、次いでその理由を述べなさい。(背景は、現在の日本を想定すること。子供も元は黒髪の典型 的な日本人とする。) (600字以上800字以内) 学芸学部心理学科 あなたが考える「思いやり」とはどのようなことでしょうか。あなたなりの「思いやり」の定義を考え たうえで、具体的な場面を想定し、そこで採られる、形態の異なる複数の「思いやり」行動の例を挙げ、 「思いやり」の多様性について800~1,000字で論じなさい。 児童教育学部児童教育学科 近年、都市部の待機児童対策が求められる一方で、「子どもの声がうるさい」という理由で、保育園の 新設に関して地域住民から苦情が寄せられるケースが報告されています。あなたは、このような問 題の原因がどこにあり、どのように解決していくべきだと考えますか。800字程度で述べてください。 ※C方式学芸ライフプランニング学科は出願がなかったため、掲載しておりません。 1 出題形式 学芸学部国文学科のみ指定校推薦Aでは3題の中から1題 選択、一般入試Cでは1題のみという出題であるが、他は指 定校推薦A・一般入試Cともに1題出題という形式である。 短文型が中心であるが、昨年は資料読解型であった学芸学部 ライフプランニング学科は新聞記事を資料とした読解問題と なり、一昨年までの出題形式に戻った。制限字数は800字~ 1,000字と幅広く、指定校推薦Aと一般入試Cで相違はほと んどない。学芸学部化粧ファッション学科は「600字以上 800字以内」、学芸学部国文学科、児童教育学部児童教育学 科は「800字程度」、学芸学部国際英語学科、学芸学部ライ フプランニング学科、学芸学部心理学科、健康栄養学部健康 栄養学科は「800~1,000字以内(1,000字程度)」である。 2 出題内容 推薦入試A、一般入試Cのいずれも各学部各学科に関する 内容が出題されている。問題として取り上げられている事柄 は一般的な事柄や仮想的な事柄であるが、それに対して「私 はこう考える」「私はこうする」というように自分のことと して述べることが求められている。各学部各学科に特徴的な 事柄に対する主体的かつ具体的対処の仕方が問われている。 3 難易度 指定校推薦、一般入試ともに内容的にも制限時数的にも決 して易しくはない。普段から問題意識を持っていないと合格 点の取れる答案を書くことは難しいだろう。「こんなとき私 だったらこうする」と考えることを習慣づけると良い。 小論文 傾向 対策 傾 向 短文型・新聞記事の読解を含む資料読解型問題という例年通りの出題であった。

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一般入試

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方式・日程

学部学科 出題内容

指定校推薦

学芸学部国文学科

次のア、イ、ウの中からいずれかを選び、800字程度でまとめなさい。ア.自分が好きな作家と作品をあげ、他の人が読みたくなるような紹介文を書きなさい。イ.大阪のことばや文化について、他の地域の人にも分かるように説明しなさい。ウ.自分が今までに書いた小説やエッセイなどについて内容、苦労した点などを説明しなさい。

学芸学部国際英語学科日本で暮らす外国籍の人々の中で「日本語」が自由に話せない人々に対して、あなたが支援することを求められたら、どのようなことをするでしょうか。あなたの行動とその理由を述べてください。(1,000字程度)

学芸学部化粧ファッション学科

ファッション学 衣服の購入時に、あなたが配慮する点を3つあげ、その理由を述べなさい。(600字以上800字以内)

化粧学 インスタグラムなどの SNSで目を大きく見せたり、肌を白く見せるなど「加工」することについて、あなたの意見を書きなさい。(600字以上800字以内)

学芸学部ライフプランニング学科

少子超高齢社会の進展による労働力人口の減少で、女性・高齢者の労働力の活用、柔軟な働き方が注目されている。別紙の新聞記事を読み、以下の問いに対するあなたの考えを、800~1,000字程度にまとめなさい。〈問い〉・今、労働環境で起こっている3つの怪奇現象について、その内容を簡単にまとめなさい。・柔軟な働き方の良い点と問題点についてあなた自身の考えを書きなさい。〈別紙資料〉平成29年7月15日付 毎日新聞記事

学芸学部心理学科 「叱る」ことと「褒める」ことには、それぞれどのようなメリットやどのようなデメリットがありますか。800~1,000字で論じなさい。

健康栄養学部健康栄養学科 超高齢社会における栄養の問題点と、この問題を解決するために栄養士・管理栄養士としてどのような取り組みができるかを論じなさい。(800字以上1,000字以内)

児童教育学部児童教育学科昨今、水泳、卓球、陸上競技など世界で活躍する若者が増えてきています。試合だけでなく勝利者インタビューでも感動を与えるようなコメントをしています。あなたは、活躍したときに周りの人にどのようなことが言える子供になってほしいですか。話の内容とその理由を800字程度で述べなさい。

C方式 

3月15日

学芸学部国文学科 自分が話している方言について、共通語と比較しながら具体的な違いをまとめ、共通語と方言の役割について、800字程度でまとめなさい。

学芸学部国際英語学科 あなたが自分の英語力を活かして1年間外国で働くチャンスがあるとしたら、どこの国に行き、どんなことをしたいですか。その理由も添えて説明して下さい。(800~1,000字程度)

学芸学部化粧ファッション学科化粧学

小学1年生の子供が金髪にすることに関して、あなたは賛成か反対か。はじめに賛成か反対かを明言し、次いでその理由を述べなさい。(背景は、現在の日本を想定すること。子供も元は黒髪の典型的な日本人とする。)(600字以上800字以内)

学芸学部心理学科あなたが考える「思いやり」とはどのようなことでしょうか。あなたなりの「思いやり」の定義を考えたうえで、具体的な場面を想定し、そこで採られる、形態の異なる複数の「思いやり」行動の例を挙げ、「思いやり」の多様性について800~1,000字で論じなさい。

児童教育学部児童教育学科近年、都市部の待機児童対策が求められる一方で、「子どもの声がうるさい」という理由で、保育園の新設に関して地域住民から苦情が寄せられるケースが報告されています。あなたは、このような問題の原因がどこにあり、どのように解決していくべきだと考えますか。800字程度で述べてください。

※C方式学芸ライフプランニング学科は出願がなかったため、掲載しておりません。

1 出題形式 学芸学部国文学科のみ指定校推薦Aでは3題の中から1題選択、一般入試Cでは1題のみという出題であるが、他は指定校推薦A・一般入試Cともに1題出題という形式である。短文型が中心であるが、昨年は資料読解型であった学芸学部ライフプランニング学科は新聞記事を資料とした読解問題となり、一昨年までの出題形式に戻った。制限字数は800字~1,000字と幅広く、指定校推薦Aと一般入試Cで相違はほとんどない。学芸学部化粧ファッション学科は「600字以上800字以内」、学芸学部国文学科、児童教育学部児童教育学科は「800字程度」、学芸学部国際英語学科、学芸学部ライフプランニング学科、学芸学部心理学科、健康栄養学部健康栄養学科は「800~1,000字以内(1,000字程度)」である。

2 出題内容 推薦入試A、一般入試Cのいずれも各学部各学科に関する内容が出題されている。問題として取り上げられている事柄は一般的な事柄や仮想的な事柄であるが、それに対して「私はこう考える」「私はこうする」というように自分のこととして述べることが求められている。各学部各学科に特徴的な事柄に対する主体的かつ具体的対処の仕方が問われている。3 難易度 指定校推薦、一般入試ともに内容的にも制限時数的にも決して易しくはない。普段から問題意識を持っていないと合格点の取れる答案を書くことは難しいだろう。「こんなとき私だったらこうする」と考えることを習慣づけると良い。

小論文の傾向と対策

傾 向 短文型・新聞記事の読解を含む資料読解型問題という例年通りの出題であった。

一般入試【傾向と対策】

推薦入試【傾向と対策】

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一般入試一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般

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一般一般入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試入試一般入試入試一般一般一般入試入試入試入試入試入試入試一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般一般入試一般入試一般一般入試入試一般一般一般一般一般一般一般一般入試一般入試入試入試入試入試入試1 対策の視点 「推薦入試」「一般入試」と考えるよりも、「短文型」「課題文読解型」と考えて取り組む方が良い。2 短文型 まず、「構成」「表現」を学ぶことである。練習方法の一つとして「解答例を写す」ことを提案する。「段落」「話の順序」「語の遣い方や係り受け」などを意識して書き写すことだ。 次に、志望学部志望学科に関する学習を行う。なかなか自分の考えを述べられない人は新書などを読んで知識や見解を吸収しよう。読書に時間をかけられなければ、志望学科に則った小論文課題の中で課題文読解型の問題を選び、その課題文と解答例をできるだけ多く読むと良い。そして過去問に取り

組み答案を作成してみよう。その後は志望に基づいた課題をできるだけ多く解いていく。「一度出題された課題は形を変えてまた出題される」と考えて欲しい。3 課題文読解型ほか ポイントは「要約」と「考えの論述」の2点である。教科書の文章(評論、随筆)や新聞記事などを200字(100字)以内で要約する。「考えの論述」は、要約内容に対して賛成・反対を示し理由を述べることだ。尚、資料読解型が出題される可能性もあるので、図やグラフなどの読み取りも練習しておこう。資料は特徴的な箇所について社会的背景や原因を指摘することがポイントだ。社会科の資料で練習すると良い。

    平成30年度 推薦入試A学芸学部国文学科 次のア、イ、ウの中からいずれかを選び、800字程度でまとめなさい。ア .自分が好きな作家と作品をあげ、他の人が読みたくなるような紹介文を書きなさい。イ .大阪のことばや文化について、他の地域の人にも分かるように説明しなさい。ウ .自分が今までに書いた小説やエッセイなどについて内容、苦労した点などを説明しなさい。

    ※アを選択。

    【小論文の基礎を学ぼう!】1 小論文とは何か 制限時間の中で特定の設問に対して文章で解答する。設問

に対して的確に答えることが求められる。主観性が強い「作文」に対して「小論文」は論理性、客観性が強くなる。2 小論文の課題の種類①短文型 「○○についてあなたの考えを述べなさい」など比較的短い語句や文でテーマを示し、それについて答えさせる。②課題文読解型 一定の分量の文章を読ませ、その内容や文章の一部について考えを答えさせる。「小論文」の代表的な出題形式である。③資料読解型 図やグラフを提示し、そこから読み取れる事柄について答えさせるもの。文章と違って図やグラフの読み取りを練習する必要がある。3 小論文の5つのポイント 次の5点に気をつけよう。①原稿用紙の使い方。②正しい日本語。③読みやすい文字。④各課題における条件を満たすこと。⑤主観と客観のバランス。4 表現の14か条 ①書き出し、段落の初めは一マス空ける。②「 」、『 』を正しく使う。③数字、英語、略語、カタカナを正しく書く。④話し言葉、流行語、略語を使わない。⑤漢字、熟語を正しく書く。⑥常体、敬体をどちらかに統一する。⑦体言止め(名詞止め)・比喩など表現技法の使用には注意する。⑧形式段落を設定する。⑨主語と述語、修飾語と被修飾語を正しく対応させる。⑩「~て、~に、~を、~へ」などの助詞を正しく使う。⑪読点(、)を使いすぎない。⑫接続語、指示語を適切に使う。⑬身近な具体例を加える。⑭感情的な表現を避ける。【小論文の対策を練ろう!】1 自分の志望学部学科に合わせた知識を吸収する。  志望学部学科に関係する本を読んでみる。新聞やニュースでも良い。本は全部読まなくても良い。気になるところ、理解できそうなところ、興味をもてそうなところを読み、メモを取る。その後メモを見て知識を整理しておこう。2 小論文の解答例を書き写す。 まず、声に出して表現や考え方、話の進め方を意識して一字一句をそのまま書き写す。次に、思い出しながら書いてみる。解答例を見ながらでも良い。大体の話、内容、話の進め方がわかってきたら、何も見ないで自分なりに書いて見る。こうして自分なりの文章が書けるようになる。3 志望学部学科に即した形式、テーマの問題を解く。 時間を気にしないで書いて見る。それを先生に添削してもらう。添削された事柄を意識してもう一度書く。これを繰り返す。自信がついてきたら制限時間内で書く。徐々に制限時間内で書けるようになるので、根気よく頑張って欲しい。

出題例

解答例

学習法

私は夏目漱石の『こころ』が好きだ。この作品は「人間の心の在り方」について強烈に訴えてくるからだ。主人公である「私」は「先生」と出会い、「先生」の言葉や思想にひかれ、実の父親以上に「先生」に親しみを抱く。「先生」は人間不信に陥っていたが、「私」の純粋で真剣な心に触れて、「私」に手紙で「過去」つまり親友だったKとのこと、お嬢さんとのことを克明に記してくれた。こうまとめると陳腐なものだが、「先生の過去」は老若男女を問わず現代の私たちに「人間性」「友情」「恋愛」「自己実現」「善悪」などに関して強烈に問いかけてくる。私たちの「心」が試されると言っても良い。「先生」の叔父は「先生」の両親の遺産をごまかし、金のために様々な策略をめぐらす。人間不信に陥った「先生」は下宿先のお嬢さんに恋をする。親友のKも同じお嬢さんに恋をする。Kの心の内を打ち明けられた「先生」はKとの友情とお嬢さんへの恋慕の間で葛藤する。これだけでは単なる三角関係と言って済ませられそうだが、私たちが実際にこのような状況に陥った時にどう考えてどのように行動するだろうか。「先生」は策を講じて親友に先んじてお嬢さんとの結婚の約束を取り付けた。恐らく現代に生きる私たちも「先生」と同じようにするのではないだろうか。叔父さんと同じ行動もニュースなどで耳にする。現代の私たちは「競争社会」の中で「自己実現」「成功」の追求をごく当たり前のこととしている。その観点からいっても「先生」の選択や行動は非難されるものではない。むしろ肯定されるだろう。「先生」が得たものは「愛する伴侶との幸せと満足」だったであろうか。実は「先生」の行動は親友のKの自殺を招いたのだった。幸福な筈の恋愛は一生消えない悔恨を伴うことになった。友情や恋愛は青春時代を生きる私たちにとって特に大きな関心事である。『こころ』を読んで胸を掻きむしるような「心」に触れてみてほしい。

対 策 短文型・課題文読解型試験に効果的な対策を提案し、学習のサポートをする。

一般入試【傾向と対策】

推薦入試【傾向と対策】