飛騨牛ブランドと産地食肉センターの役割

2019年7月5日飛騨ミート農業協同組合連合会

代表理事常務 小 林 光 士

資料５

１．ＪＡ飛騨ミートの概要

• 名 称 飛騨ミート農業協同組合連合会

• 施設名 飛騨食肉センター （牛専用）

• 設 立 １９８４年４月２７日

• 所在地 高山市八日町３２７番地

• 施設稼動 ２００２年４月

• 能 力 と畜７６頭/日 枝肉加工 ４０頭/日

• 従業員 ５１名 （正職員４２名 臨時職員９名）

• 年間取扱高 約１０１億円（平成３０年度）

• と畜処理頭数 ５，９９８頭（平成３０年度）

• 市場販売頭数 ５，８８９頭（平成３０年度）

• 枝肉加工頭数 ３，２６０頭（平成３０年度）

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27

日帰り 1,420 1,363 1,733 1,695 1,609 1,538 1,971 2,040 2,155 2,098 1,983 1,760 1,641 1,961 1,981 2,024 2,270

宿泊 1,277 1,317 1,485 1,488 1,399 1,279 2,286 2,154 2,190 2,163 2,057 2,052 1,840 1,808 1,964 2,001 2,071

合計 2,697 2,680 3,218 3,183 3,008 2,817 4,257 4,194 4,345 4,261 4,040 3,812 3,481 3,769 3,945 4,025 4,341

2,697 2,680

3,218 3,1833,008

2,817

4,257 4,1944,345

4,261 4,0403,812

3,481

3,7693,945 4,025

4,341

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

年

千人

日帰り

宿泊

合計

高山市の概要

■高山市の観光客数の推移（日帰り・宿泊別）

H28 450万人

H29 460万人

34,63523,766

30,483

23,000

23,856

28,627

32,87540,280

37,001

39,664

47,822

48,44960,909

89,500107,200

132,300

171,180

148,000

187,000

95,000

151,000

225,000

280,000

364,000

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27

人

高山市の概要

■高山市の外国人観光客数の推移：宿泊者

H28 42万人

H29 50万人

２．ＪＡ飛騨ミートの事業経過

昭和 59年 4月27日 飛騨ミート農業協同組合連合会 設立

62年 7月14日 飛騨フレッシュポーク銘柄振興協議会 設立

63年 1月23日 飛騨牛銘柄推進協議会 設立

4月 1日 肉牛、肉豚の全頭せり市場販売を開始

平成 2年 3月31日 食鳥処理を廃止

14年 3月31日 肉豚処理を廃止

14年 4月 1日 新飛騨食肉センター 竣工

9月26日～第8回全国和牛能力共進会 肉牛会場となる

16年 8月27日 ISO9001 認証取得

19年 3月20日 ISO22000 認証取得

23年 3月11日 東日本大震災（8月29日より放射能全頭検査）

28年 4月 8日 岐阜県HACCP 認証取得

29年 2月16日 FSSC22000 認証取得

畜産流通フォーラムの開催

・フードチェーン全体で安全意識を確認

食肉流通セミナーの開催

・流通関係者、関連事業者向け

・参入事業者と連携、定期的な協議

・衛生意識向上の研修会

食肉安全フォーラムの開催

・消費者向け

・牛肉消費・食肉取扱など生活密着課題

・保健所による食品衛生指導

・生産農場、食肉センターの情報提供

食肉安全の意識 農場→処理施設→販売店→消費者

出荷計画調整

ポジティブリスト制度の遵守確認

清潔な生体搬入により枝肉清浄化

後継者育成への支援

地元住民懇談会

環境に配慮し、地域住民とのコンセンサスは不可欠

食肉安全フォーラム

・消費者、生産者、購買者の意見を聴取

・飛騨牛弁当を提供、アンケート調査

・定番行事として毎回300名以上が参加

地元住民懇談会環境に配慮し、地域住民とのコンセンサスは不可欠

岐阜県立飛騨高山高校の取り組み

写真撮影 武田 宗司

飛騨牛 増頭の取り組み飛騨高山高校雌牛肥育プロジェクト事業 （2015年度～継続中）

岐阜県内産雌仔牛（年間2,300頭）のうち、約2,000頭が肥育用素牛として県外（三

重、 滋賀、山形など）に流出し、他産地のブランド牛となっている。

そこで、「飛騨牛」増頭振興の一つとして、飛騨高山高校に雌の肥育素牛を寄贈し、

ＪＡなどの関係機関の指導協力を得ながら雌牛肥育技術を勉強してもらい、将来的

に県内肥育農家の雌肥育を推進して行きたい。

ＪＡ飛騨ミートより飛騨高山高校に肥育用素牛（雌）を寄贈（５ヶ年）

（雌肥育牛出荷割合 2014年度 17.9％ → 201８年7月 20.7％）

昭和29年 飛騨牛としての初名乗り （飛騨地方）

昭和５６年 兵庫県美方郡より種雄牛「安福号」を導入

昭和６３年 飛騨牛銘柄推進協議会設立

平成１４年 第８回 全国和牛能力共進会 岐阜県大会名誉賞（内閣総理大臣賞）・最優秀枝肉賞を獲得

平成１９年 第９回 全国和牛能力共進会 鳥取県大会最優秀枝肉賞を獲得

平成２９年 「安福号」のひ孫「考隆平」が、産肉能力検定で歴代最高の成績

４．「飛騨牛」銘柄化のあゆみと現在の流通

飛騨牛の特徴

○きめが細かく、サシが適当でやわらかく、豊潤な味がする。

①脂肪の質が良い。（融点が低い）

②サシ（霜降り）が全体に良く回っている。

○肉色が鮮やかである。

①鮮紅色。

○無駄な脂肪がつきすぎていない。

①歩留が良い。 ②経済的。

飛騨牛表示頭数

肉質等級平成２９年度 平成３０年度

頭数 構成比 頭数 構成比

５等級 5,254 53.0% 5,258 52.4%

４等級 3,865 39.0% 4,050 40.3%

３等級 797 8.0% 734 7.3%

飛騨牛合計 9,916 97.1% 10,042 96.6%

和牛合計 10,207 10,397

肉質等級平成２９年度 平成３０年度

頭数 構成比 頭数 構成比

５等級 3,087 55.7% 2,946 52.6%

４等級 2,015 36.4% 2,257 40.2%

３等級 436 7.9% 405 7.2%

飛騨牛合計 5,538 99.4% 5,608 98.7%

和牛合計 5,569 5,680

飛騨ミート地方卸売市場

飛騨牛全体（県内）

ＩＳＯ・ＨＡＣＣＰ認定取得状況ＩＳＯ９００１ 認証取得 （2004年8月27日）

ＩＳＯ２２０００ 認証取得 （2007年3月20日）

岐阜県ＨＡＣＣＰ 施設認定 第1号（2016年4月6日）

ＦＳＳＣ２２０００ 認証取得 （2017年2月16日）

輸出施設認定状況 （2019年7月1日現在・1連合13カ国）タイ （2010年1月8日） マカオ （2010年1月8日）

香港 （2010年7月22日） シンガポール （2010年9月24日）

フィリピン （2014年3月11日） ＥＵ （2015年5月14日）

ニュージランド （2015年5月14日） ベトナム （2015年7月9日）

米国 （2015年10月1日） カナダ （2015年10月1日）

ミャンマー （2015年10月21日） 台湾 （2017年9月22日）

オーストラリア （2018年6月13日） アルゼンチン （2018年6月29日）

５．飛騨食肉センターの衛生的な取り組み

飛騨食肉センターは、食品安全のための国際規格「ＩＳＯ22000」ならびに「ＦＳＳＣ２２０００」を認証取得しています。ここでは、ＣｏｄｅｘのＨＡＣＣＰを基本に、とても衛生的な作業が行われて

います。

６．飛騨牛の輸出

「飛騨牛」は飛騨食肉センターからオーストラリアはもとよりＥＵ，米国など14の国と地域へ輸出することができます。

輸出される「飛騨牛」は、毎週開催される「枝肉せり市場」の中から好みのものを選んで購入することができます。

７．今後の産地食肉センターの課題

1. 食肉センターの安定経営

地域ブランドを生かした流通体系の構築

観光と複合したインバウンド効果(枝肉市場価格の安定）

２．肉牛取り扱い頭数の確保

枝肉市場価格の安定により、生産者が魅力ある肉牛生産経営

枝肉の迅速な市場評価と、枝肉情報のバック

（農家経営安定と後継者の確保）

３．消費者に、「安全・安心」な食肉の提供

食肉「安全」の見える化・生産から販売まで（ＨＡＣＣＰ・ＧＡＰ）

フードチェーンの中心として、安全な食肉を提供する使命と自覚

生産から消費までの流通責任 （食肉による食中毒等の予防）

４．海外への牛肉輸出認定施設として

輸出認定施設衛生基準の維持（査察・ＨＡＣＣＰ認証効果）

（従業員のモチベーション向上につながる戦略）

ご清聴ありがとうございました